JP5321525B2 - スピーカチェックシステム - Google Patents
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Description
この発明は、1又は複数のパワーアンプ装置(音響装置)と該1又は複数のパワーアンプ装置を制御する制御装置とを接続したネットワークにおいて、パワーアンプ装置に接続された複数のスピーカを1つずつ使ってスピーカチェック用の信号を発音させるスピーカチェックを行うためのスピーカチェックシステムであって、詳しくは、スピーカチェックを行うために制御装置が実行するパワーアンプ装置の自動制御に関する。
PAシステム(「PA」はPublic Addressの略)、あるいは、SRシステム(「SR」はSound Reinforcementの略)などと一般的に呼称される音響システムは、基本的には、オーディオミキシング装置(ミキサ)等の音響信号供給源から供給された1乃至複数系統の音響信号をパワーアンプ装置に送り、該パワーアンプ装置で電力を増幅した音響信号によりスピーカを駆動するシステムである。例えば、音楽演奏会場、劇場、或いは、各種ホールなどの大面積建造物内又は野外放送等には、大規模の音響システムが設備される。大規模の音響システムは、複数台のパワーアンプ装置ならびに複数台のスピーカを有していることから、その管理及び制御が複雑である。従来から知られるパワーアンプ装置のなかには、イーサネット(登録商標)規格のネットワークに接続され、該ネットワークに接続されたパーソナルコンピュータなどの制御装置からリモート制御及び管理されることが可能な機種があった。そのタイプのパワーアンプ装置を音響システムに適用することで、複数台のパワーアンプ装置を制御装置から制御及び管理することが可能だった。
ところで、音響システムの日常的なメンテナンスの1つに「スピーカチェック」がある。ここで、スピーカチェックとは、具体的には、音響システムのスピーカを1つずつ使って、スピーカチェック用の信号(例えば正弦波信号など)を発音させることである。音楽演奏会場、劇場、或いは、各種ホールなどの施設に設備された音響システムでは、頻繁に(例えば毎朝)、スピーカチェックが行われる。スピーカチェックを行う時には、通常は、予め決められた順番に従って1つずつスピーカをチェックする。スピーカチェックのやり方としては、例えば、パーソナルコンピュータやミキサなどの制御装置などを用いて、音響システムの操作者(ユーザ)が手動操作でスピーカの1つずつに順番にスピーカチェック用の信号(例えば正弦波信号など)を送る方法がある。
しかし、上記のユーザの手動操作によりスピーカチェックを行う方法では、その操作が面倒だった。特に、スピーカ数の多い音響システムにおいては、スピーカチェック作業の煩雑さが著しかった。
また、ディジタルオーディオミキサを含む音響システムにおいてスピーカチェックを行う方法として、ディジタルオーディオミキサに備わる「シーン機能」を利用することが可能である。「シーン機能」とは、ミキサのパラメータ群の設定状態を1つの「シーン」として「シーンメモリ」に保存しておくことで、1つのシーンを構成するパラメータ群の設定状態を一括して呼び出す機能である。「シーン機能」を利用したスピーカチェックの方法は、次の通りである。1つのシーンは、特定の1つのチャンネルのみミュートパラメータがオフに設定され、他の全てのチャンネルのミュートパラメータはオンに設定される。つまり、1つのシーンは、ミュートパラメータをオフに設定した1つのチャンネルからのみチェック用の信号を発音させるよう設定される。そのシーンを、1つのシーンごとにミュートパラメータがオフに設定されたチャンネルを違えて、スピーカチェックの対象となる全てのチャンネルに対応する複数シーン分作成する。なお、ここでいうチャンネルはミキサの信号出力チャンネルである。スピーカチェックを行うときには、スピーカチェック用の信号をミキサの全てのチャンネルにパラレルに入力した状態で、使用するシーンを1つずつ切り替えれば、1チャンネルずつスピーカチェック用の信号を発音させることができるようになるであろう。つまり、ユーザは、シーン切替用の操作子を操作するだけでよいのである(例えば、下記非特許文献1等を参照)。
"PM5D/PM5DRH取扱説明書"、[online]、ヤマハ株式会社、[平成22年4月14日検索]、インターネット〈URL:http://www2.yamaha.co.jp/manual/pdf/pa/japan/mixers/PM5DJ1.pdf〉
しかし、上記の「シーン機能」を利用した方法では、1チャンネル分ずつシーンの設定をしなければならず、そのシーン設定作業自体が面倒である。また、1チャンネルにつき1つのシーンを使うことから、スピーカチェックの用途にシーン機能の資源を浪費してしまうことになる。よって、シーン機能の使い方として好ましくない。更に、ミキサの制御(信号出力チャンネルのミュートオンオフの制御)のみによりスピーカチェックを行うには、ミキサの1つの信号出力チャンネルに対して1つのスピーカが対応する音響システムの構成であることが前提条件として要求される。というのも、ミキサの1つの信号出力チャンネルが、複数台のアンプ、又は、複数のスピーカに使用されているのならば、結果的にスピーカを1つずつチェックすることができないからである。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、1又は複数のパワーアンプ装置と該1又は複数のパワーアンプ装置を制御する制御装置とを接続したネットワークにおいて、該1又は複数のパワーアンプ装置に接続された複数のスピーカのスピーカチェック作業を自動的に且つ簡単に行えるようにしたスピーカチェックシステムを提供することを目的とする。
この発明は、1又は複数の音響信号処理チャンネルを備え、該チャンネル毎に接続されたスピーカへ音響信号を出力する1又は複数の音響装置と、該1又は複数の音響装置を制御する少なくとも1つの制御装置とを接続したネットワークにおいて、前記1又は複数の音響装置の各々に備わる1又は複数の音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎にチェック用の信号を発音させることによりスピーカチェックを行うスピーカチェックシステムであって、前記制御装置に、前記1又は複数の音響装置の各々に備わる前記1又は複数の音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎に、スピーカチェックを行う順番を定めたスピーカチェック順序情報を記憶する記憶手段と、前記1又は複数の音響装置の各々に備わる前記1又は複数の音響信号処理チャンネルの全てのチャンネルのミュートパラメータの値をオンに設定する制御を行う第1の制御手段と、前記スピーカチェック順序情報に基づく順番で、音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎にミュートパラメータの値をオフに設定することで、チェック対象の音響信号処理チャンネルを1チャンネルずつ切り替える制御を行う第2の制御手段であって、直前のチェック対象の音響信号処理チャンネルのミュートパラメータの値をオンに戻してから、次のチェック対象の音響信号処理チャンネルのミュートパラメータをオフに設定する制御を行う第2の制御手段とを備え、前記1又は複数の音響装置の各々に、前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段による制御に基づき、各音響信号処理チャンネルのミュートパラメータをオン及びオフを設定する設定手段を備えることを特徴とするスピーカチェックシステムである。
この発明のスピーカチェックシステムによるスピーカチェックを行う前提として、1又は複数の音響装置の各々に備わる1又は複数の音響信号処理チャンネルの全てのチャンネルに、パラレルでチェック用の信号を入力した状態でスピーカチェックが行われることに留意されたい。この発明によれば、第1の制御手段により全てのチャンネルのミュートパラメータの値をオンに設定し、第2の制御手段により、スピーカチェック順序情報に基づく順番で、音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎にミュートパラメータの値をオフに設定することで、チェック対象の音響信号処理チャンネルを1チャンネルずつ切り替える。各音響装置の設定手段は、第1の制御手段及び第2の制御手段による制御に基づき、各音響信号処理チャンネルのミュートパラメータをオン及びオフを設定するので、スピーカチェック順序情報に基づく順番で1チャンネルずつ順番にチェック用の信号を発音させることができる。ここで、第2の制御手段は、直前のチェック対象の音響信号処理チャンネルのミュートパラメータの値をオンに戻してから、次のチェック対象の音響信号処理チャンネルのミュートパラメータをオフに設定する制御を行うので、常に1つのチャンネルのみからチェック用の信号を発音させることができる。
また、この発明は、前記制御装置に、チェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を、当該チャンネルで使用すべき音量レベルとしてユーザが予め設定した値に設定する制御を行う音量レベル設定手段を更に備え、前記1又は複数の音響装置の各々に、前記音量レベル設定手段による音量レベル設定制御に基づき、各音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を設定する設定手段を備えることを特徴とするスピーカチェックシステムである。
制御装置が前記音量レベル制御手段を備えることにより、スピーカチェックのときにチェック用の信号を発音させる音量レベルを、チェック対象の音響信号処理チャンネルで使用すべき音量レベルとしてユーザが予め設定した値に設定することができる。
また、この発明は、前記制御装置に、前記第2の制御手段によりチェック対象の音響信号処理チャンネルを切り替える制御を行うときに、直前のチェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を極小値までフェードアウト制御し、また、次のチェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を極小値からフェードイン制御する音量レベル制御手段を更に備え、前記1又は複数の音響装置の各々に、前記音量レベル制御手段による制御に基づき、各音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を設定する設定手段を備えることを特徴とするスピーカチェックシステムである。
制御装置が音量レベル制御手段を備えることにより、チェック対象の音響信号処理チャンネルを切り替えるときに、チェック用の信号の発音をフェードイン/フェードアウトすることができる。
また、この発明は、前記制御装置に、チェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルをモニタするためのモニタ画面を表示す表示手段と、前記チェック対象の音響信号処理チャンネルを切り替える制御に連動して、前記モニタ画面の表示内容を切り替える制御を行う表示制御手段とを更に備えることを特徴とするスピーカチェックシステムである。
制御装置に表示手段を備えることで、ユーザはチェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルをモニタすることができる。また、表示制御手段によりチェック対象の音響信号処理チャンネルを切り替える制御に連動して、モニタ画面の表示内容を自動的に切り替えることができる。
この発明よれば、各音響装置の各音響信号処理チャンネルのミュートパラメータのオン及びオフの設定を、制御装置が1チャンネルずつ切り替える制御を行うだけで、複数の音響信号処理チャンネルの各々に接続された各スピーカのスピーカチェック作業を自動で簡単に行うことができるようになるという優れた効果を奏する。特に、アンプ及びスピーカの数の多い大規模な音響システムにおいては、スピーカチェック作業を従来に比べて極めて簡便且つ効率的に行うことができるようになるという優れた効果を奏する。
以下、この発明の一実施例について図面を参照して詳細に説明する。実施例では、一般に「PAシステム」、あるいは、「SRシステム」などと一般的に呼称される音響システムにおいて、スピーカチェックを行うためのスピーカチェックシステムについて説明する。すなわち、実施例では、スピーカチェックの対象として、複数台のパワーアンプ装置と複数台のスピーカとを有する規模の大きな音響システムを想定している。
図1は、音響システムを構成するパワーアンプネットワークのモジュール構成の一例を示す概念図である。図1において、パワーアンプネットワークは、複数台のパワーアンプ装置1(以下単に「アンプ」という)と、コントロールユニット装置2と、パーソナルコンピュータ(PC)3と、ネットワークハブ4を含んで構成される。各モジュール間は、例えばイーサネット(登録商標)ケーブルなどのネットワークケーブルにより物理的に接続されており、モジュール間で相互に制御信号やディジタル音響信号等の各種データを通信することができるように各モジュールのネットワーク設定がなされている。ネットワークで使用するデータ伝送フォーマットとしては、例えばCobraNet(登録商標)など、従来から知られる適宜のフォーマットを適用してよい。
複数のアンプ1の各々には、複数系統の音響信号処理チャンネルが用意されており、各アンプ1の1つのチャンネルに1つのスピーカ5が接続される。各アンプ1は、図示外のオーディオミキサ等の音響信号供給源から各アンプ1に分配された音響信号を音響信号処理チャンネル毎に増幅して、該増幅した音響信号によりスピーカ5を駆動する。図1の例では、1台のアンプ1に2系統のチャンネルが用意されており、該2系統のチャンネルの夫々にスピーカ5が接続される構成を示している。図1においては、各スピーカ5を示すブロック内に「SP 1」〜「SP 8」の文字列を記入して、スピーカ個体毎の区別を示した。なお、アンプ1は、いわゆるラックマウントタイプの筐体を有し、複数台のアンプ1を装着可能な音響装置専用のラック(棚)に装着されるものを想定している。また、パワーアンプネットワーク上の複数のアンプ1は全て同じ構成の同じ機種とする。
PC3は、例えばWindows(商標)等のオペレーティングシステムを実装した汎用のパーソナルコンピュータであって、複数台のアンプ1をリモート制御及び管理するための専用のアプリケーションプログラム(以下、これをリモート制御ソフトと呼ぶ)を実装している。コントロールユニット装置2は、アンプ1をネットワークに接続するためのインターフェース装置である。アンプ1は、このコントロールユニット装置2を介してパワーアンプネットワークに接続することで、PC3上のリモート制御ソフトからリモート制御及び管理を受けることが可能となる。なお、コントロールユニット装置2を介してアンプ1をパワーアンプネットワークに接続して、PC3上のリモート制御ソフトから該アンプ1をリモート制御及び管理可能にすること自体は、従来から行われている技術である。
図1に示すパワーアンプネットワークによれば、ユーザは、PC3のオペレーティングシステム上で起動するリモート制御ソフトが提供する機能により、1台のPC3からネットワーク上の複数台のアンプ1をリモート制御及び管理することができる。具体的には、ユーザは、PC3のディスプレイに表示された各種操作画面からパワーアンプネットワークのネットワーク設定や、各アンプ1の動作に必要なパラメータの値の設定等の編集等の操作を行うことができ、また、該PC3で行われた編集内容を、個々のアンプ1の各種パラメータの値の設定に反映させることができる。また、PC3は各アンプ1から動作状態(各種パラメータの値の設定状態や音響信号の入出力レベルなど)を表す動作状態データを受信し、該受信した動作状態データに基づき、PC3のユーザに各アンプ1の動作状態をモニタさせることができる。
本願発明は、以下に詳しく説明するとおり、PC3上のリモート制御ソフトが提供する1つの機能により、複数のアンプ1の各々に接続された複数のスピーカ5のスピーカチェックを自動的に行うことができるようにすることに特徴がある。
図2はアンプ1のハードウェア構成例を示すブロック図である。アンプ1は、CPU10と、ROM11及びRAM12からなるメモリを含む制御部と、増幅回路13と、状態監視回路14と、ネットワーク通信インターフェース(通信I/F)15と、表示部19の表示を制御する表示回路16と、操作子18の操作を検出する検出回路17とを含み、各部が通信バス10Bを介して接続される。CPU10を含む制御部は、RAM12に記憶された各種データ(動作に必要な各種パラメータの値や、ネットワーク設定に関するデータ等)に基づきアンプ1の全体的な動作を制御するもので、増幅回路13による音響信号処理を制御したり、或いは、通信I/F15を介したネットワーク通信を制御したりする。
増幅回路13は、音響信号の入力端子(AUDIO入力)から入力された音響信号に対して、複数系統(例えば2系統)の音響信号処理チャンネル毎に、前記CPU10を含む制御部による制御に従い電力増幅を含む音響信号処理を実行し、処理結果を出力端子(AUDIO出力)出力端子から出力する。なお、増幅回路13で実行する音響信号処理は、電力増幅の他に、音響信号の音量レベルの制御や、チャンネル毎のミュートパラメータのオン・オフ設定の制御などが含まれる。また、状態監視回路14は、増幅回路13の保護のために増幅回路13の温度、出力信号のクリップ状態、出力段の直流成分等を監視するもので、必要に応じてスピーカ5及びアンプ1の保護動作を行う。
通信I/F15は、既に述べたとおり、例えばイーサネット規格に準拠する通信インターフェースであって、アンプ1は、通信I/F15を介して、コントロールユニット装置2など、ネットワーク上の外部機器と接続され、該外部機器からアンプ1を制御するための制御信号等(各種パラメータの設定値等)を受信することができる。また、アンプ1本体に備わる物理的操作子18には、音響信号処理チャンネルごとの音量レベル設定用のつまみ操作子などがある。また、アンプ1のパネル面には、表示部19として、各チャンネルごとのレベルメータや、温度警告のためのインジケータなどを構成するLEDが具備されてよい。
図3は、PC3のハードウェア構成例を示すブロック図である。PC3は、既に述べたとおり汎用のパーソナルコンピュータであって、CPU20、ROM及びRAMを含むメモリ21と、ハードディスクドライブ(HDD)22と、ネットワーク通信インターフェース(通信I/F)23と、ディスプレイ、マウス操作子及びキーボード等を含むユーザインターフェース24とを含んで構成される。アンプ1をリモート制御するためのリモート制御ソフトは、HDD22に記憶されてよい。リモート制御ソフトは、当該リモート制御ソフトを実行すべきときにHDD22からメモリ21に読み込まれる。CPU20が、前記メモリ21に読み込んだリモート制御ソフトを実行することで、PC3はネットワーク上のアンプ1群をリモート制御及び管理する装置として機能する。
図4は、リモート制御ソフトによりネットワーク上のアンプ1群をリモート制御及び管理するために、PC3のメモリ21及びHDD22に用意されるデータの記憶内容の構成例を示す図である。図4に示す通り、データは符号30〜35で示す階層構造で管理される。リモート制御ソフトは、制御対象のパワーアンプネットワーク全体の設定をプロジェクトという単位で管理し、1つのプロジェクトには1又は複数の「エリア」という制御単位が設定され、1つの「エリア」に1又は複数のパワーアンプが登録される構造になっている。図4に示すデータの階層構造は、このリモート制御ソフトのネットワーク管理構造に対応する。
図4において、符号30で示す階層には、コントローラID、プロジェクトライブラリ及びカレントプロジェクトのデータがある。コントローラIDは、例えばMACアドレス(Media Access Control address)やIPアドレスなど、ネットワーク上でPC3を識別するためのID情報であって、例えばメモリ(RAM)21に記録される。プロジェクトライブラリには、符号31で示すとおり、複数のプロジェクトファイルが格納される。1つのプロジェクトファイルには、パワーアンプネットワークをリモート制御及び管理するために必要なデータが1プロジェクト分纏められている。プロジェクトライブラリの記憶領域は、例えばHDD22に設けられていてよい。また、カレントプロジェクトには、現在リモート制御ソフトに立ち上げている1つのプロジェクトファイルのデータが格納される。カレントプロジェクトの記憶領域は、例えばメモリ(RAM)21に用意される。新たにプロジェクトファイルを開くときには、HDD22のプロジェクトファイルライブラリから該新たに開くべきプロジェクトファイルが読み出され、該読み出されたプロジェクトファイがカレントプロジェクトに格納される。
符号32は1つのプロジェクトファイルの構成を示す。1つのプロジェクトファイルには、プロジェクトID、ユーザ情報、プロジェクト名、複数のエリア情報、及び、この発明によるスピーカチェック機能に使用するスピーカチェック順序情報が含まれる。図4では、符号36がスピーカチェック順序情報を示している。プロジェクトIDは、プロジェクトライブリ中の複数のプロジェクトファイルのなかから1つのプロジェクトを識別するためのID情報である。また、プロジェクト名は、当該プロジェクトに与えられた名称であって、例えば後述のモニタ画面に当該プロジェクトを表示するために利用される。
スピーカチェック順序情報36は、当該プロジェクトに含まれる全てのアンプ1に備わる全ての音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎に、スピーカチェックを行う順番(スピーカを鳴らす順番)を定めた情報である。スピーカチェック順序情報36は、例えば、当該プロジェクトに含まれる各アンプ1の1チャンネル毎にスピーカチェックを行う順番を表す通し番号(順序番号)を割り当てたデータにより構成することができる。このスピーカチェック順序情報を持つことで、PC3は後述するスピーカチェック処理の自動制御を行うことができる。
また、ユーザ情報は、プロジェクトファイルにユーザがログインするためのアカウント情報である。1つのプロジェクトファイルのユーザ情報には、当該プロジェクトにアカウントを作成した1又は複数のユーザのそれぞれに対応するアカウント情報が記憶される。符号33で示すように、1ユーザ分のアカウントの情報は、ユーザIDと該ユーザIDに対応する認証情報からなる。ユーザIDと認証情報は、ユーザがアカウントを作成するときにユーザが任意に設定できてよい。ユーザ情報にアカウント情報を持つユーザだけが、そのプロジェクトファイルを開いて使用できる。
1つのプロジェクトファイルには、当該プロジェクトに作成された1又は複数の「エリア」のそれぞれに対応するエリア情報が記憶されている。「エリア」とは、1つのプロジェクトにおけるリモート制御の単位であり、1つのエリアには1又は複数のアンプが含まれる。また、1つのエリア内において、1又は複数のアンプはグループ単位で管理されうる。
符号34は、1つのエリア情報の構成を示す。エリア情報には、エリアID、エリア名、「RackTree」の構成を記述する情報、「Feed Structure Tree」の構成を記述する情報、「User Defined Tree」の構成を記述する情報、ユーザロール情報、「OnLine」のステータスを示す情報、並びに、当該エリアに含まれる1又は複数のアンプのそれぞれに対応する装置情報が含まれる。エリアIDは、1つのプロジェクトに設定された複数のエリアの中から1つのエリアを識別するためのID情報である。また、エリア名は、リモート制御ソフトにおいて当該エリアに与えられた名称であって、例えば後述のモニタ画面上で当該エリアを表示するときに利用される。
ユーザロール情報には、当該エリアにおける「ユーザロール」をユーザ毎に設定した情報が記憶される。「ユーザロール」とは、当該エリアにおいて各ユーザに与えられたリモート制御の権限である。ユーザロールの種類は、上位の権限から順に列挙すると、プロジェクトの全編集権限を持つ「アドミン」、エリアの編集権限を持つ「パワーユーザ」、エリア内のアンプの制御権限を持つ「ユーザ」、エリアのモニタ権限を持つ「ゲスト」、及び、当該エリアに何ら制御権限を持たない「部外者」の5種類ある。ユーザロールの情報には、符号35で示すように、ユーザIDと、そのユーザIDに対応するユーザのロールを対応付けたデータが、当該プロジェクトにアカウントを持つ全てのユーザの1人ずつに対応する複数個記憶される。
「RackTree」、「Feed Structure Tree」及び「User Defined Tree」の各情報は、当該エリアに登録されたアンプを複数とおりのグループに分けて管理するための分類単位に対応しており、それぞれのグループに登録されたアンプ群を特定する情報と、各グループ内における該アンプ群の配置位置を特定する情報とを記憶している。これらの情報は、例えば、後述のモニタ画面でプロジェクトの構成をツリー状に表示するときに利用される。なお、「RackTree」は、アンプ1が搭載されたラック(棚)毎にアンプ1を分類したグループであり、「Feed Structure Tree」は、アンプ1に接続されたスピーカ毎にアンプ1を分類したグループであり、「User Defined Tree」は、ユーザが任意にアンプ1を分類したグループである。
1つの装置情報には、装置ID、機種情報、IPアドレス、機器名の情報、アンプの動作データ、「OnLine」のステータスを示す情報、及び、コントローラIDの情報が記憶されている。これらはPC3のリモート制御ソフトから1つのアンプ1をリモート制御するために必要な情報である。装置IDは、エリア内でアンプを識別するためのID情報であって、これには当該制御情報に対応するアンプ1が持つMACアドレスと同アンプ1が持つデバイスIDが含まれる。デバイスIDはエリア内でアンプを特定するための情報である。機種情報は、当該制御情報に対応するアンプ1の機種を特定する情報である。IPアドレスのデータは、パワーアンプネットワーク上で当該制御情報に対応するアンプ1に与えられたIPアドレスである。機器名の情報は、リモート制御ソフトにおいて当該装置情報に対応するアンプ1に与えられた名称であって、後述のモニタ画面において該アンプ1の名称を表示するとき等に利用される。また、動作データは、アンプ1の動作をリモート制御するために必要な各種パラメータの設定値の情報であって、例えば、アンプのチャンネル毎の音量レベルのパラメータの設定値や、同チャンネル毎のミュートパラメータの設定値などが含まれる。該動作データは、実際のアンプ1のメモリ(RAM12)に記憶された動作データと同様の形式のデータである。また、コントローラIDは、PC3のID情報であって、符号30で示す階層に入っているものと同じものである。
一方、アンプ1のメモリ(RAM12)には、PC3側に記憶された装置情報(図4の符号35)に概ね対応するデータ、すなわち、アンプの動作データ、装置ID、機種情報、IPアドレス、およびコントローラID等のデータが記憶される。アンプ1の制御部(CPU10、ROM11及びRAM12)は、前記動作データに基づきアンプ1の動作を制御する。パワーアンプネットワーク上の各モジュールとリモート制御ソフトとのネットワーク接続状態がオンライン状態のときには、各アンプ1のメモリ(RAM12)のデータの記憶内容と、PC3側に記憶された各アンプ1の装置情報(図4の符号35)の内容は一致される。つまり、PC3側で行われたパラメータの設定などのデータ編集内容に基づいてアンプ1のデータの記憶内容(パラメータの設定)が変更され、変更後のメモリ(RAM12)のデータの記憶内容に基づいて、増幅回路13による音響信号処理が行われる。
上記構成からなるパワーアンプネットワークを含む音響システムにおけるスピーカチェックの自動制御について、以下に説明する。なお、パワーアンプネットワーク上の各モジュールとリモート制御ソフトとのネットワーク接続状態はオンライン状態にあるものとする。つまり、PC3側で行われたパラメータの設定などのデータ編集内容に基づいて、アンプ1のデータの記憶内容(パラメータの設定)が変更され、変更後のデータの記憶内容(ミュートパラメータの値や音量レベルパラメータの値の設定等)に基づいて、アンプ1の増幅回路13による音響信号処理(ミュートオンオフ制御や音量レベル制御など)が行われる。
スピーカチェックの自動制御はリモート制御ソフトが提供する機能の1つである。PC3においてユーザがスピーカチェック機能を立ち上げると、図5に示すスピーカチェック機能の操作画面がPC3のディスプレイ(UI24)に表示される。図5に示す通り、スピーカチェック機能の操作画面には、スピーカチェック機能のオン及びオフを指示するためのボタン画像40と、スピーカチェックの対象を表示する「Target index」表示部41と、「Check」ボタン画像42と、スピーカチェックの対象をユーザが指定するための「Prev」ボタン画像43及び「Next」ボタン画像44とが備わる。
ボタン画像40は、1回の操作毎に、スピーカチェック機能のオン及びオフ設定状態を順次切り替える、いわゆるトグルスイッチで構成され、スピーカチェック機能がオフのときは該機能のオンを指示するためのボタンとして機能し、スピーカチェック機能がオンのときは該機能のオフを指示するためのボタンとして機能する。スピーカチェック機能オン/オフ状態に応じて、ボタン画像40上の文字列の表示を「on」又は「off」で切り替えるようにしてよい。
「Target index」表示部41には、現在スピーカチェックのチェック対象に指定されているチャンネルを表す情報が表示される。ここに、表示される情報は、例えば、スピーカチェック対象のチャンネルのチェック順序を表す順序番号などである。図の例では番号「001」が表示された状態を示している。表示部41における情報の表示態様には、チェック動作が「スタンバイ」状態であることを表す点滅表示と、発音中(チェック動作実行中)であることを表す点灯表示(通常の表示)の2つの状態がある。
「Check」ボタン画像42は、「スタンバイ」状態を解除してチェック対象のチャンネルからスピーカチェック用の信号を発音開始させる指示を行うためのボタン画像である。「Prev」ボタン画像43は、1回の操作に応じて、表示部41に表示中の順序番号を1つ前に戻す指示を行うボタン画像であり、また、「Next」ボタン画像44は、1回の操作に応じて、表示部41に表示中の順序番号を1つ先に進める指示を行うボタン画像である。
ユーザは、「Prev」ボタン画像43又は「Next」ボタン画像44の操作により表示部41に表示中の順序番号を変更することで、スピーカチェック対象のチャンネルを任意に指定することができる。「Prev」ボタン画像43又は「Next」ボタン画像44の操作が行われると、新たに指定された順序番号は、必ずスタンバイ状態を表す点滅表示で表示部41に表示される。
図6は、スピーカチェックの動作の全体的な流れの一例を説明するためフローチャートである。ユーザがボタン画像40を操作することによりスピーカチェック機能の「オン」が指示されると、該ユーザの操作に応じて、PC3のCPU20が図6の処理を実行する。
以下に詳細に述べるスピーカチェックの動作の要点を先に述べると、その要点は、音響システム中の全てのアンプ1の全てのチャンネルにパラレルにスピーカチェック用の信号が入力された状態で、1チャンネル毎にミュートパラメータのオン/オフの設定を切り替える制御を自動的に行うことで、1チャンネル毎のスピーカチェックを自動的に実現することにある。従って、スピーカチェックは、音響システムの全てのアンプ1の全てのチャンネルに対してパラレルにスピーカチェック用の信号が入力された状態で実行されることを前提としていることに留意されたい。なお、スピーカチェック用の信号は、例えばミキサに具備されたオシレータなど、音響システム中の適宜の音源から出力される音響信号(例えば正弦波信号など)を用いてよい。
ボタン画像40の操作に応じて、スピーカチェック機能がオンに設定されると、まず、ステップS1において、CPU20は、現在制御対象のプロジェクト(カレントプロジェクト)に含まれる全てのアンプ1の全ての動作データのパラメータの値を初期化する処理を行う。この初期化処理には、PC3のメモリ21のカレントプロジェクトに格納されている全ての動作データ、つまり当該プロジェクトで本来ユーザが意図している動作データを、メモリ21の別の領域に一時的に保存することが含まれる。
ステップS2において、CPU20は、現在制御対象のプロジェクト(カレントプロジェクト)に含まれる全てのアンプ1に備わる全てのチャンネルのミュートパラメータの設定値をオンに設定する。つまり、スピーカチェック対象となる全てのチャンネルがミュートされる。これにより、音響システムの全てのチャンネルに対してチェック用の信号が入力された状態であっても、いずれのアンプ1のいずれのチャンネルからも音が発音されない状態に音響システムは設定される。
ステップS3において、CPU20は、スピーカチェック順序情報によって一番先頭の順序番号が割り当てられたチャンネル(「最初のチャンネル」)を「スタンバイ」状態に設定する。図7は「スタンバイ」処理の手順の一例を示すフローチャートである。図8のステップS9において、CPU20は、チェック対象のチャンネルにおける音量レベルのパラメータに現在設定されている値Lc(カレントレベル)を取得し、これをメモリ21に保持する。カレントレベルLcの値は、前記ステップS1において別の領域に保存された「本来ユーザが意図している動作データ」に含まれる音量レベルパラメータの値であり、これは、当該チャンネルで使用すべき音量レベルとしてユーザが予め設定した値である。カレントレベルLcのデータは、後述するチェック用の信号の発音の際に使用される。ステップS10において、CPU20は、チェック対象のチャンネルの音量レベルパラメータを極小値(minimum)に設定する。これは、当該チェック対象のチャンネルでチェックを開始(発音開始)するときに、チェック用の信号をフェードインさせるためである。
更に、CPU20は、ステップS11においてPC3のディスプレイ(UI24)の表示を必要に応じて更新する。例えば、CPU20は、操作画面(図5参照)の「Target index」表示部41の情報(順序番号)を点滅表示で表示する制御や、後述するモニタ画面(図11参照)の表示内容を切り替える制御等を行う。このステップS11により、チェック対象のチャンネルを切り替える制御に連動して、PC3のディスプレイ(UI24)の表示内容を切り替える。
「最初のチャンネル」がスタンバイ状態に設定された状態で、ユーザが「Check」ボタン画像42を操作すると、該ユーザによるボタン画像42の操作に応じて、CPU20は、「最初のチャンネル」のスタンバイ状態を解除して、該「最初のチャンネル」からスピーカチェック用の信号を発音させる処理(発音開始)を行う(ステップS4)。
図8は、前記ステップS4で行われる発音開始処理の手順の一例を示すフローチャートである。ステップS12において、CPU20はチェック対象のチャンネルのミュートパラメータをオンからオフに切り替える。このよう、チェック対象のチャンネルのミュートパラメータのみをオフに設定することで、チェック用の信号が入力されている全チャンネルのうちで、当該チェック対象のチャンネルのみからチェック用の信号を発音可能な状態となる。この時点では、チェック対象のチャンネルの音量レベルパラメータが極小値(minimum)に設定されているので、まだチェック用の信号は発音されない。ところで、スピーカチェックを実行する前提として、音響システムの全てのチャンネルにスピーカチェック用の信号をパラレルに入力しておくことは既に述べた通りである。このスピーカチェック用の信号は適宜のタイミングで音源から出力開始されてよく、具体的な作業手順の一例としては、ユーザは最初のチェック対象のチャンネルがスタンバイ状態になった後に、スピーカチェック用の信号を音源から出力開始させるとよい。
そして、ステップS13において、CPU20は、チェック対象のチャンネルの音量レベルパラメータの値を、極小値(minimum)から前記カレントレベルLcまで徐々に上げて行くフェードイン制御を行う。全てのチャンネルにパラレルにスピーカチェック用の信号が入力された状態で、他の全てのチャンネルのミュートパラメータがオンに設定されている中、このチェック対象のチャンネルのみがミュートパラメータがオフに設定されているので、チェック対象のチャンネルのみからチェック用の信号が発音される。ここで、スピーカチェックの際の音量レベルの上限値は、カレントレベルLcである。カレントレベルLcは、前述のとおり、当該チャンネルで使用すべき音量レベルとしてユーザが予め設定した値である。このように、カレントレベルLcの音量レベルを使ってスピーカチェックを行うことにより、当該チェック対象のチャンネルでユーザが本来意図した音量レベルでチェック用の信号を発音させることができるので、実用的である。また、その音量レベルの設定制御が自動的に行われるので、スピーカチェック時にユーザがチャンネル毎の音量レベルの操作をする必要がなく、その操作手間を省くことができるという利点がある。なお、チェック対象のチャンネルの発音が開始されたときには、CPU20は操作画面(図5参照)の「Target index」表示部41の情報(順序番号)を通常の点灯表示に切り替える制御も行う。
以後、全てのチャンネルでスピーカチェック(チェック用信号の発音)を終えるまで(ステップS5のNO)、スピーカチェック順序に従う順番で1チャンネルずつスピーカチェックを行う。つまり、1つのチェック対象のチャンネルのスピーカチェックが済んだら、次の新たなチェック対象のチャンネルのスピーカチェックを行う(ステップS6)。
図9は、前記ステップS6においてCPU20が実行する「発音処理」の処理手順の一例を示すフローチャートである。ステップS14において、CPU20は、新たなチェック対象のチャンネルのチェック開始に先立って、直前のチェック対象のチャンネルの「発音終了」処理を行い、該直前のチェック対象のチャンネルのスピーカチェックを終了させる。例えば、前記図6のフローチャートではステップS4において最初のチェック対象のチャンネルの「発音開始」処理を行っているので、2番目のチェック対象のチャンネルの「発音処理」を実行する前には、最初のチェック対象のチャンネルの「発音終了」を行わねばならない。
図10は、前記ステップS14で行われる「発音終了」処理の手順の一例を示すフローチャートである。ステップS18において、CPU20は、発音終了すべきチャンネル(直前のチェック対象のチャンネル)の音量レベルパラメータの値を極小値(minimum)まで徐々に減少させるフェードアウト制御を行い、当該チャンネルに接続されたスピーカからのチェック用の信号の発音を止める。ステップS19において、CPU20は該直前のチェック対象のチャンネルのミュートパラメータをオフからオンに切り替える。これにより、直前のチェック対象のチャンネルは音響信号が発音されない状態(ミュートオン)になり、スピーカチェックが終了する。更に、ステップS20においてCPU20はチェック対象のチャンネルのレベルパラメータの値をカレントレベルLcに設定する。これにより、当該スピーカチェックを終了したチャンネルの音量レベルのパラメータの値をユーザが本来意図した値に戻す。
図9に戻ると、前記ステップS14により直前のチェック対象のチャンネルの発音終了させた後に、ステップS15において、CPU20は、チェック対象のチャンネルを次のチェック対象のチャンネルに切り替える処理を行う。スピーカチェック順序情報に基づく順番でスピーカチェックを行うのであれば、前記ステップS15ではスピーカチェック順序情報に基づきチェック対象のチャンネル1つずつ移動すればよい。また、「Prev」ボタン画像43又は「Next」ボタン画像44を用いてユーザが手動操作でチェック対象を指定した場合には、ユーザの手動操作によるチェック対象のチャンネルの指定に応じて、直前のチェック対象のチャンネルの発音を終了させてから(前記ステップS14)、チェック対象をユーザが指定したチャンネルに移動させる(前記ステップS15)。そして、ステップS16において、CPU20は、前記ステップS15で設定した新たなチェック対象のチャンネルの「スタンバイ」処理を行い、ステップS17において、該新たなチェック対象のチャンネルの「発音開始」処理を行う。「スタンバイ」処理は前記図7を参照して説明した通りであり、また、「発音開始」処理は前記図7を参照して説明した通りである。
図6のステップS5及びS6の処理を繰り返すことにより、全てのチャンネルでスピーカチェック(チェック用信号の発音)を行う。全てのチャンネルでスピーカチェックを終えたら(ステップS5のYES)、CPU20は、ステップS7において最後のチェック対象のチャンネルの「発音終了」を行い、ステップS8において前記ステップS1において初期化したパラメータを元に戻す、すなわち、前記ステップS1においてメモリ21の別の領域に一時的に保存した動作データ群をカレントプロジェクトに戻す。
前記図6〜図10のフローチャートを参照して説明したスピーカチェックの動作時には、PC3のディスプレイ(UI24)に図11に例示する「モニタ画面」が表示される。モニタ画面のツリー表示領域50には制御対象のプロジェクトの構成がツリー状に表示され、図11の例では、制御対象のプロジェクトに含まれるエリアのカテゴリ(図11では「Area1」)と、エリアカテゴリの下位カテゴリとしてアンプグループのカテゴリ(図11では「Rack♯1」や「Rack♯2」)と、アンプグループカテゴリの下位カテゴリであるアンプのカテゴリ(図11では「001:AMP1」など)からなるツリー構成が示されている。ツリー表示領域50において、現在スピーカチェック対象のチャンネルを含むアンプ1に対応する表示物は、他と異なる表示態様(図の例では網掛け表示)で表示される。図11の例では、「002:AMP2」が網掛け表示されており、このアンプ1に含まれるチャンネルが現在スピーカチェック対象であることが示される。なお、ツリー表示領域50に表示されるツリー構成は図示の例に限らない。
チャンネル表示領域51には、現在スピーカチェック対象になっているチャンネルを含むアンプ(ツリー表示領域50で網掛け表示されたアンプ)に備わる2系統の入力チャンネル(図では「Analog input1」及び「Analog input2」)と2系統の出力チャンネル(図では「Analog output A」及び「Analog output B」)のそれぞれに対応する領域が設けられている。各領域には、音量レベルを表示するレベルメータや、信号のクリップ等を警告する表示や、ミュート、ソロ、音量レベル、或いは、アッテネータなどの各種パラメータを操作するための操作子画像など、各種情報が表示される。
ユーザは、モニタ画面の表示により、現在のチェック対象のアンプを確認したり、現在発音中のチェック用の信号の音量レベルを確認したりするなど、スピーカチェックの様子をモニタすることができる。チェック対象のチャンネルが別のアンプに含まれるチャンネルに切り替わるときには、ツリー表示領域50において、直前のチェック対象のチャンネルを含むアンプに対応する表示物の表示態様を網掛け表示から通常の表示に戻して、新たなチェック対象のチャンネルを含むアンプに対応する表示物を網掛け表示する制御を行うとともに、チャンネル表示領域51の表示内容を、該新たなチェック対象のチャンネルを含むアンプ1に備わるチャンネル群に対応する表示内容に切り替える。一方、チェック対象のチャンネルが同じアンプに含まれる別のチャンネルに切り替わるときには、チャンネル表示領域51において、該別のチャンネルに対応する領域に現在発音中のチェック用の信号の音量レベルなどの情報が表示されるので、画面の表示内容を切り替える必要はない。画面上でのチェック対象のチャンネルの切り替え制御はCPU20が自動的に行うので、ユーザはスピーカチェック中にモニタ画面で操作を行う必要が一切ない。
以上説明したとおり、この実施例によれば、複数のアンプ1のそれぞれに備わる複数のチャンネルのミュートパラメータのオン/オフ設定を、PC3のリモート制御により1チャンネルずつ切り替えるだけで、該複数のチャンネルの夫々に接続された各スピーカのスピーカチェック作業を自動で簡単に行うことができるという優れた効果を奏する。特に、アンプ1及びスピーカ5の数の多い大規模な音響システムにおいては、スピーカチェック作業を従来に比べて極めて簡便且つ効率的に行うことができるようになる。
なお、図1においては、パワーアンプネットワークの構成の一例として、ネットワークハブ装置4を中心にしたスター形の接続形態のネットワーク構成を描いているが、ネットワークの接続形態はこれに限らず、パワーアンプのネットワーク構成として適用可能ないかなる形態を適用してもよい。また、上記実施例では、パワーアンプネットワークにおいて複数台のアンプ1をリモート制御及び管理する制御装置として、リモート制御ソフトを実装したPC3を挙げたが、PC3に限らない。例えば複数台のアンプ1のうちの1台が制御装置となり、そのアンプ1が他のアンプ1を制御及び管理する構成であってもよい。
また、上記図6〜図10を参照したスピーカチェック動作の説明では、スピーカチェック順序情報に基づく順番、又は、「Prev」ボタン画像43又は「Next」ボタン画像44の操作によりユーザの指定に基づきチェック対象を切り替える処理構成(図9のS21)について述べた。チェック対象のチャンネルをユーザが指定する手段は、「Prev」ボタン画像43又は「Next」ボタン画像44に限らず、例えばテンキー操作子画像など、その他適宜の手段で構成してよい。また、スピーカチェック動作中に、スピーカチェック順序情報が定める順でチェック対象のチャンネルを「先送り」、「後戻り」、或いは、「スキップ(チェック中またはスタンバイ中のチャンネルの次のチェック対象のチャンネルに移すこと)」することができてもよく、図5の操作画面に、「先送り」、「後戻り」、或いは、「スキップ」指示のための操作子画像を更に設けてもよい。
また、上記図6〜図10を参照したスピーカチェック動作の説明では、チェック対象のチャンネルが切り替わるとき、新たなチェック対象のチャンネルを「スタンバイ状態」に設定しておき、ユーザによる「Check」ボタン画像42の操作に応じて、該新たなチェック対象のチャンネルの「発音開始」を行う処理構成とした。別の処理構成例として、所定の時間間隔で自動的にスピーカチェックを進行する構成を採用してもよい。すなわち、チェック対象のチャンネルが「スタンバイ状態」に設定されたのち、所定時間経過後に自動的に「発音開始」処理を開始するよう構成してもよい。また、上記図6〜図10を参照したスピーカチェック動作の処理構成では、チェック対象のチャンネルが切り替わるとき、新たなチェック対象のチャンネルのチェック開始(発音開始)に先立って、直前のチェック対象のチャンネルの発音は完全に終了させるものとしたが、別の構成例として、チェック対象のチャンネルが切り替わるときに、直前のチェック対象のチャンネルの音がフェードアウトしつつ、新たなチェック対象のチャンネルの音がフェードインするようクロスフェード処理してもよい。
また、上記図6〜図10を参照したスピーカチェック動作の説明では、現在の制御対象のプロジェクトに含まれる全てのアンプ1の全てのチャンネルを、スピーカチェックの対象とする構成例を説明したが、これに限らず、スピーカチェック対象となるチャンネル群をユーザが指定できるよう構成してもよい。例えば、1つのエリアをスピーカチェック対象に指定して、該エリアに含まれる全てのアンプ1の全てのチャンネルを、スピーカチェックの対象とすることや、1つのグループをスピーカチェック対象に指定して、該グループに含まれる全てのアンプ1の全てのチャンネルを、スピーカチェックの対象とすることができてもよい。
なお、上記実施例においては、音響システムのパワーアンプに備わる個々のチャンネルのミュートパラメータを、PC3のリモート制御によりオン/オフ制御することで、スピーカチェックを行う例について説明した。本発明と同様な考え方に基づく別の実施例としては、PC3のリモート制御によりオーディオミキサのチャンネル毎のミュートパラメータを制御することで、該ミキサの出力バスのチェックを自動的に行うことも可能である。
1 パワーアンプ装置(音響装置)、2 コントロールユニット装置、3 パーソナルコンピュータ(制御装置)、4 ハブ、5 スピーカ、10 CPU、11 ROM、12 RAM、13 増幅回路、14 監視回路、15 通信インターフェース、16 表示回路、17 検出回路、18 操作子、19 表示部、20 CPU、21 メモリ、22 ハードディスク装置、23 通信インターフェース、24 ユーザインターフェース、36 スピーカチェック順序情報、50 ツリー表示領域、51 チャンネル表示領域51
Claims (4)
- 1又は複数の音響信号処理チャンネルを備え、該チャンネル毎に接続されたスピーカへ音響信号を出力する1又は複数の音響装置と、該1又は複数の音響装置を制御する少なくとも1つの制御装置とを接続したネットワークにおいて、前記1又は複数の音響装置の各々に備わる1又は複数の音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎にチェック用の信号を発音させることによりスピーカチェックを行うスピーカチェックシステムであって、
前記制御装置に、
前記1又は複数の音響装置の各々に備わる前記1又は複数の音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎に、スピーカチェックを行う順番を定めたスピーカチェック順序情報を記憶する記憶手段と、
前記1又は複数の音響装置の各々に備わる前記1又は複数の音響信号処理チャンネルの全てのチャンネルのミュートパラメータの値をオンに設定する制御を行う第1の制御手段と、
前記スピーカチェック順序情報に基づく順番で、音響信号処理チャンネルの1チャンネル毎にミュートパラメータの値をオフに設定することで、チェック対象の音響信号処理チャンネルを1チャンネルずつ切り替える制御を行う第2の制御手段であって、直前のチェック対象の音響信号処理チャンネルのミュートパラメータの値をオンに戻してから、次のチェック対象の音響信号処理チャンネルのミュートパラメータをオフに設定する制御を行う第2の制御手段と
を備え、
前記1又は複数の音響装置の各々に、
前記第1の制御手段及び前記第2の制御手段による制御に基づき、各音響信号処理チャンネルのミュートパラメータをオン及びオフを設定する設定手段を備える
ことを特徴とするスピーカチェックシステム。 - 前記制御装置に、
チェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を、当該チャンネルで使用すべき音量レベルとしてユーザが予め設定した値に設定する制御を行う音量レベル設定手段を更に備え、
前記1又は複数の音響装置の各々に、
前記音量レベル設定手段による音量レベル設定制御に基づき、各音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を設定する設定手段を
備えることを特徴とする請求項1に記載のスピーカチェックシステム。 - 前記制御装置に、
前記第2の制御手段によりチェック対象の音響信号処理チャンネルを切り替える制御を行うときに、直前のチェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を極小値までフェードアウト制御し、また、次のチェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を極小値からフェードイン制御する音量レベル制御手段を更に備え、
前記1又は複数の音響装置の各々に、
前記音量レベル制御手段による制御に基づき、各音響信号処理チャンネルの音量レベルのパラメータの値を設定する設定手段を
備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のスピーカチェックシステム。 - 前記制御装置に、
チェック対象の音響信号処理チャンネルの音量レベルをモニタするためのモニタ画面を表示す表示手段と、
前記チェック対象の音響信号処理チャンネルを切り替える制御に連動して、前記モニタ画面の表示内容を切り替える制御を行う表示制御手段と
を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスピーカチェックシステム。
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