JP5321517B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に加えて回転電機が走行用動力源として設けられ、回転電機にて後進走行を行うことが可能な車両の駆動装置に関する。
内燃機関と電動機とが走行用動力源として設けられた車両用駆動装置が知られている。例えば、内燃機関の動力が遊星歯車機構を介して伝達される出力ギア及び電動機の動力が伝達される電動機出力ギアが共通のアイドラギアとそれぞれ噛み合っているとともに出力ギアと遊星歯車機構の回転要素との間の動力伝達経路中に回転要素を制動可能なブレーキと回転要素から出力ギアへの動力伝達は許容し、その逆の動力伝達は阻止する一方向クラッチが設けられた駆動装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2、3が存在する。
特開2002−316542号公報 特開2006−290132号公報 特開2000−209706号公報
特許文献1の駆動装置では、後進走行を行う場合に電動機でアイドラギアを駆動するが、この際にブレーキによって回転要素が制動されていた場合は一方向クラッチによって出力ギアの回転が阻止されるので、後進走行を行うことができない。ブレーキによる制動が解除されていた場合には電動機による後進走行は可能となるが、この際に内燃機関が運転されていると内燃機関の動力がアイドラギアに伝達されて動力損失が発生するおそれがある。
そこで、本発明は、回転電機による後進走行時に動力損失が発生することを抑制可能な車両の駆動装置を提供することを目的とする。
本発明の車両の駆動装置は、相互に差動回転可能な第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を有し、前記第1回転要素が内燃機関と連結され、前記第2回転要素が第1回転電機と連結され、前記第3回転要素が2方向クラッチを介して出力部材と連結された差動機構と、前記出力部材との間で相互に動力を伝達可能なように前記出力部材から車両の駆動輪までの動力伝達経路中に設けられた伝達部材と、前記伝達部材に動力を出力できる第2回転電機と、前記第3回転要素を回転不能に制動する制動状態及びその制動を解除する制動解除状態に切り替え可能なブレーキ手段と、前記内燃機関で前記第1回転電機を駆動して発電を行いつつ前記伝達部材が前記車両の前進走行時に回転する正転方向とは逆の逆転方向に回転されるように前記第2回転電機を駆動させて前記車両を後進走行させる場合に、前記ブレーキ手段を前記制動状態に切り替える制御手段と、を備え、前記2方向クラッチは、前記出力部材側から動力が入力された場合には前記第3回転要素と前記出力部材との間の動力の伝達が遮断される解放状態に切り替わり、前記第3回転要素側から動力が入力された場合には前記第3回転要素と前記出力部材との間で動力が伝達される伝達状態に切り替わるように動作する(請求項1)。
本発明の駆動装置によれば、第2回転電機で車両を後進走行させる場合にはブレーキ手段を制動状態に切り替えるので、第3回転要素が回転不能となる。これにより内燃機関の動力が出力部材に伝達されることを防止できるので、動力損失が発生することを抑制できる。また、このように第3回転要素が制動された状態で出力部材が伝達部材によって回転駆動されると2方向クラッチが解放状態に切り替わるので、第3回転要素が停止していても出力部材は回転可能な状態になる。すなわち、2方向クラッチによって第3回転要素と出力部材とが切り離される。そのため、第2回転電機で伝達部材を回転させて車両を後進走行させることができる。
本発明の駆動装置の一形態において、前記2方向クラッチは、前記伝達状態として、前記第3回転要素から前記出力部材に前記伝達部材を前記正転方向に回転させる正方向の回転を伝達する正転伝達状態と、前記第3回転要素から前記出力部材に前記伝達部材を前記逆転方向に回転させる前記正方向とは逆の逆方向の回転を伝達する逆転伝達状態とが設定され、かつ前記第3回転要素から前記正方向の回転が入力された場合に前記逆転伝達状態から前記正転伝達状態に切り替わり、前記第3回転要素から前記逆方向の回転が入力された場合に前記正転伝達状態から前記逆転伝達状態に切り替わるように動作してもよい(請求項2)。このように状態が正転伝達状態及び逆転伝達状態に切り替わることにより、2方向クラッチにて正方向及び逆方向の回転が伝達される。
この形態において、前記制御手段は、前記2方向クラッチの状態を前記正転伝達状態及び前記逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に切り替える所定の切替条件が成立した場合に、前記ブレーキ手段を前記制動解除状態に切り替えてもよい(請求項3)。第3回転要素がブレーキ手段によって制動されたままでは2方向クラッチの状態を切り替えることができない。この形態では、所定の切替条件が成立した場合にはブレーキ手段を制動解除状態に切り替えるので、2方向クラッチの状態を確実に切り替えることができる。
切替条件が成立した場合にブレーキ手段が制動解除状態に切り替えられる本発明の駆動装置の一形態において、前記制御手段は、前記切替条件が成立した場合に、前記第3回転要素の回転数が予め設定した所定回転数以下に制限されるように前記内燃機関の運転状態を制御してもよい(請求項4)。また、前記制御手段は、前記切替条件が成立した場合に、前記内燃機関をアイドリング状態に制御してもよい(請求項5)。このように内燃機関の運転状態を制御することにより、ブレーキ手段を制動状態から制動解除状態に切り替えたときに内燃機関の回転数が大きく変動する、いわゆる回転吹きを抑制できる。
第3回転要素から入力された回転に応じて2方向クラッチの状態が切り替わる本発明の駆動装置の一形態において、前記制御手段は、前記車両が停止中であり、かつ前記内燃機関が停止しているときに前記2方向クラッチの状態を前記正転伝達状態及び前記逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に切り替える所定の切替条件が成立した場合は、前記ブレーキ手段を前記制動解除状態に切り替え、その後前記2方向クラッチが前記一方の状態から前記他方の状態に切り替わるように前記第3回転要素を前記第1回転電機で回転させてもよい(請求項6)。このように車両の停止中に2方向クラッチの状態を切り替えておくことにより、車両の発進時に2方向クラッチの状態が切り替わることを防止できる。また、車両の発進時に2方向クラッチが誤った状態に切り替わることを防止できる。そのため、車両をスムーズに発進させることができる。
この形態において、前記制御手段は、前記2方向クラッチが前記一方の状態から前記他方の状態に切り替わるように前記第3回転要素を前記第1回転電機で回転させる場合、前記内燃機関のクランク軸は停止状態に維持され、かつ前記第3回転要素は回転するように前記第1回転電機の出力を制御してもよい(請求項7)。この場合、2方向クラッチの状態を切り替えるときに内燃機関が運転状態時に回転する方向とは逆方向に回転駆動されることを防止できる。
制御手段が所定の切替条件の成立時に制御を行う本発明の駆動装置の一形態において、前記車両には、前進走行レンジ及び後進走行レンジを含む複数のレンジ間で切り替え操作可能なシフト操作手段が設けられ、前記制御手段は、前記シフト操作手段が前記前進走行レンジ及び前記後進走行レンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられた場合に前記切替条件が成立したと判断してもよい(請求項8)。この場合、切替条件が成立したか否か判断するために複雑な制御を実行する必要がない。そのため、制御内容を簡略化できる。
2方向クラッチが正転伝達状態で正方向の回転を伝達し、逆転伝達状態で逆方向の回転を伝達する本発明の駆動装置の一形態において、前記制御手段は、前記車両の発進時に、前記伝達部材が回転駆動されるべき方向が前記正転方向であり、かつ前記2方向クラッチが前記正転伝達状態である場合、又は前記伝達部材が回転駆動されるべき方向が前記逆転方向であり、かつ前記2方向クラッチが前記逆転伝達状態である場合は、前記ブレーキ手段を前記制動状態に切り替え、前記第2回転電機で前記伝達部材を回転駆動して前記車両を発進させてもよい(請求項9)。このようにブレーキ手段を制動状態に切り替えることにより、2方向クラッチによって第3回転要素と出力部材とが接続され、第3回転要素側からの動力によって出力部材が車両の発進時に回転すべき方向と逆の方向に駆動されることを防止できる。また、第2回転電機の動力で発進させるので、車両をスムーズに発進させることができる。
以上に説明したように、本発明の車両の駆動装置によれば、第2回転電機で後進走行する場合にはブレーキ手段を制動状態に切り替えるので、内燃機関の動力が伝達部材に伝達されることを防止できる。そのため、動力損失が発生することを抑制できる。
本発明の第1の形態に係る駆動装置のスケルトン図。 2方向クラッチの断面の一部を拡大して示す図。 スプラグが正転伝達状態に切り替わって入力軸と出力軸とが連結された状態を示す図。 スプラグが正転伝達状態であり、かつ入力軸と出力軸とが連結されていない状態を示す図。 スプラグが逆転伝達状態に切り替わって入力軸と出力軸とが連結された状態を示す図。 2方向クラッチにおいて入力軸と出力軸とがスプラグで連結される条件を説明するための図。 駆動装置の前進走行時における各動作モードにおけるエンジン、ブレーキ、及び2方向クラッチの作動係合表を示す図。 シリーズHVモード及びEVモードにおける駆動装置の共線図。 パワースプリットHVモードにおける駆動装置の共線図。 駆動装置の後進走行時における各動作モードにおけるエンジン、ブレーキ、及び2方向クラッチの作動係合表を示す図。 高SOCモード及び低SOCモードにおける駆動装置の共線図。 本発明の第2の形態に係る駆動装置の制御装置が実行するクラッチ制御ルーチンを示すフローチャート。 第2の形態のクラッチ制御ルーチンの変形例を示すフローチャート。 本発明の第3の形態に係る駆動装置の制御装置が実行するクラッチ制御ルーチンを示すフローチャート。 2方向クラッチの状態が正転伝達状態から逆転伝達状態に切り替えられるように第1MGの動作が制御されたときの駆動装置の共線図。 2方向クラッチの状態が逆転伝達状態から正転伝達状態に切り替えられるように第1MGの動作が制御されたときの駆動装置の共線図。 本発明の第4の形態に係る駆動装置の制御装置が実行する発進制御ルーチンを示すフローチャート。 本発明の駆動装置の変形例を示す図。
(第1の形態)
図1は、本発明の第1の形態に係る駆動装置のスケルトン図を示している。この駆動装置10は、ハイブリッド車両1に搭載されるものであり、内燃機関(以下、エンジンと称することがある。)11と、第1回転電機としての第1モータジェネレータ(以下、第1MGと称することがある。)12と、第2回転電機としての第2モータジェネレータ(以下、第2MGと称することがある。)13とを備えている。エンジン11は、ハイブリッド車両に動力源として搭載される周知のものであるため、詳細な説明は省略する。第1MG12は、ケース2に回転不能に固定されるステータ12aと、そのステータ12aの内周側に同軸に配置されたロータ12bとを備えている。第2MG13も同様にケース2に回転不能に固定されるステータ13aと、そのステータ13aの内周側に同軸に配置されたロータ13bとを備えている。これら第1MG12及び第2MG13は、それぞれ電動機及び発電機として機能する周知のものであるため、詳細な説明は省略する。
エンジン11のクランク軸11a及び第1MG12のロータ12bは、動力分割機構14と接続されている。エンジン11のクランク軸11aはオイルポンプOPにも接続されている。また、動力分割機構14には、車両1の駆動輪3に動力を出力するための出力部15も接続されている。出力部15は、出力部材としての第1ドライブギア16と、第1ドライブギア16と噛み合う伝達部材としてのカウンタギア17と、カウンタギア17と一体に回転する中間ギア18と、中間ギア18の回転が伝達されるディファレンシャル装置19とを備えている。ディファレンシャル装置19は、伝達された動力を左右の駆動輪3に分配する周知のものである。
動力分割機構14は、差動機構としての遊星歯車機構20を備えている。遊星歯車機構20は、シングルピニオン型の遊星歯車機構であり、外歯歯車であるサンギアSと、そのサンギアSに対して同軸的に配置された内歯歯車であるリングギアRと、これらのギアS、Rに噛み合うピニオンギアPを自転可能かつサンギアSの周囲を公転可能に保持するキャリアCとを備えている。キャリアCにはエンジン11のクランク軸11aが連結されている。サンギアSには第1MG12のロータ12bが連結されている。リングギアRには、2方向クラッチ21を介して第1ドライブギア16が連結されている。そのため、サンギアSが本発明の第2回転要素に、キャリアCが本発明の第1回転要素に、リングギアRが本発明の第3回転要素にそれぞれ相当する。
図2は、2方向クラッチ21の断面の一部を拡大して示している。この図に示すように2方向クラッチ21は、円筒状の入力軸22と、入力軸22の内側に設けられた円筒状の出力軸23とを備えている。入力軸22と出力軸23とは、共通の軸線の回りに相対回転可能に設けられている。入力軸22と出力軸23との間には複数(図2では1つのみを示す。)のスプラグ24と、各スプラグ24を自転可能に保持するインナーリテーナ25及びアウターリテーナ26とが設けられている。インナーリテーナ25は、入力軸22及び出力軸23のそれぞれと相対回転可能に設けられている。アウターリテーナ26は入力軸22の内周面に一体回転するように固定されている。インナーリテーナ25には、径方向外側に突出するストッパピン25aが設けられている。アウターリテーナ26には、ストッパピン25aが挿入される凹部26aが設けられている。凹部26aの周方向の長さは、ストッパピン25aの周方向の厚さより大きく設定されている。インナーリテーナ25には、スプラグ24が周方向両側から付勢されるように一対の板バネ27が設けられている。インナーリテーナ25は、摩擦クラッチ28を介してスイッチングプレート29と連結されている。スイッチングプレート29には径方向外側に突出する凸部29aが設けられている。その凸部29aは、ハウジング30に設けられた凹部30a内に配置されている。この図に示すように凹部30aの周方向の長さは、凸部29aの周方向の幅よりも大きく設定されている。
次に図2〜図6を参照して2方向クラッチ21の動作について説明する。この2方向クラッチ21では、入力軸22に固定されているアウターリテーナ26に対してインナーリテーナ25を相対回転させ、各スプラグ24を左右に傾けることによって動力伝達方向を切り替える。なお、図2〜図5においては矢印Fで示した左回りの回転を正回転とし、矢印Bで示した右回りの回転を逆回転とする。そして、各軸22、23の回転数は正回転時をプラスとし、逆回転時をマイナスとする。そのため、逆回転時は、回転速度が速いほど回転数は小さくなる。
図2及び図3を参照して入力軸22が正回転する場合について説明する。以降ではこの矢印Fの方向を正方向と称することがある。この際、入力軸22の回転数Ninが出力軸23の回転数Noutよりも大きい場合は、図3に示すように入力軸22が出力軸23に対して正方向に相対回転するので、スプラグ24が傾いて入力軸22及び出力軸23と噛み合う。また、ストッパピン25aが凹部26aの回転方向後側の壁面に接する。そのため、入力軸22と出力軸23との間で動力が伝達される。以降、図3に示した2方向クラッチ21の状態及びスプラグ24の状態を正転伝達状態と称することがある。一方、入力軸22の回転数Ninが出力軸23の回転数Nout以下の場合は、スプラグ24が図2に示した状態に維持される。この場合、スプラグ24が出力軸23と噛み合わないため、入力軸22と出力軸23との間の動力の伝達は遮断される。
次に図4及び図5を参照して入力軸22が逆回転する場合について説明する。以降ではこの矢印B方向を逆方向と称することがある。この際、入力軸22の回転数Ninが出力軸23の回転数Noutよりも小さい場合、すなわち入力軸22の回転速度の方が出力軸23の回転速度よりも速い場合は、図5に示すように入力軸22が出力軸23に対して逆方向に相対回転するので、スプラグ24が傾いて入力軸22及び出力軸23と噛み合う。また、ストッパピン25aが凹部26aの回転方向後側の壁面に接する。そのため、入力軸22と出力軸23との間で動力が伝達される。以降、図5に示した2方向クラッチ21の状態及びスプラグ24の状態を逆転伝達状態と称することがある。一方、入力軸22の回転数Ninが出力軸23の回転数Nout以上の場合、すなわち入力軸22の回転速度が出力軸23の回転速度と同じ又は遅い場合には、スプラグ24が図4に示した状態に維持される。この場合、スプラグ24が出力軸23と噛み合わないため、入力軸22と出力軸23との間の動力の伝達は遮断される。なお、以下では図2及び図4における2方向クラッチ21の状態、すなわち入力軸22と出力軸23との間の動力の伝達が遮断される状態を解放状態と呼ぶことがある。
このように2方向クラッチ21では、入力軸22が正方向に回転しており、かつ入力軸22の回転数Ninが出力軸23の回転数Noutより大きい場合に、入力軸22と出力軸23との間で動力が伝達される。また、入力軸22が逆方向に回転しており、かつ入力軸22の回転数Ninが出力軸23の回転数Noutより小さい場合にも入力軸22と出力軸23との間で動力が伝達される。図6は、この関係を示している。なお、図6において斜線で示した部分は、この2方向クラッチ21では存在しない領域を示している。この斜線の領域の条件では、スプラグ24が傾いて入力軸22と出力軸23とが連結されるので、入力軸22の回転数Ninと出力軸23の回転数Noutとが同じになる。そのため、この図に示した線A上になる。
この2方向クラッチ21は、入力軸22がリングギアRと連結され、出力軸23が第1ドライブギア16と連結されるように設けられている。また、この2方向クラッチ21は、正転伝達状態の場合にリングギアRから第1ドライブギア16に第1ドライブギア16が車両1の前進走行時に回転する方向の回転が伝達されるようにリングギアRと第1ドライブギア16との間に設けられている。すなわち、上述した2方向クラッチ21の正方向が、車両1の前進走行時に第1ドライブギア16が回転する方向になるようにリングギアRと第1ドライブギア16との間に設けられている。このように2方向クラッチ21を設けることにより、リングギアR側から2方向クラッチ21に動力が入力された場合にはリングギアRと第1ドライブギア16との間で動力が伝達される。一方、第1ドライブギア16側から動力が入力された場合にはリングギアRと第1ドライブギア16との間の動力の伝達が遮断される。
図1に戻って駆動装置10の説明を続ける。駆動装置10は、リングギアRを回転不能に制動する制動状態と、その制動を解除する制動解除状態とに切り替え可能なブレーキ手段としてのブレーキ31を備えている。第2MG13のロータ13bは、カウンタギア17と噛み合う第2ドライブギア32と一体回転するように接続されている。第1MG12及び第2MG13は、バッテリ33と電気的に接続されている。バッテリ33には、バッテリ33の充電状態、言い換えれば蓄電率を検出するためのSOCセンサ34が設けられている。
駆動装置10の動作は、制御手段としての制御装置40にて制御される。制御装置40は、マイクロプロセッサ及びその動作に必要なRAM、ROM等の周辺機器を含んだコンピュータユニットとして構成され、車両1の走行状態、エンジン11の運転状態、及びバッテリ33の充電状態等に応じて駆動装置10の動作を制御する。制御装置40には、車両1の走行状態及びエンジン11の運転状態を検出するためのセンサとして車両1の速度に対応する信号を出力する車速センサ41、及びエンジン11のクランク軸11aの回転速度に対応した信号を出力するクランク角センサ42等が接続されている。また、制御装置40には、上述したSOCセンサ34も接続されている。この他にも制御装置40には各種センサが接続されているが、それらの図示は省略した。制御装置40には、センサの他にシフト操作手段としてのシフト操作装置43が接続されている。シフト操作装置43は、前進走行レンジとしてのドライブレンジ(Dレンジ)、及び後進走行レンジとしてのリバースレンジ(Rレンジ)を含む複数のレンジ間で切り替え操作可能な周知のものである。
次に図7〜図11を参照して駆動装置10の動作モードについて説明する。まず、車両1を前進走行させる場合について説明する。この駆動装置10では、車両1を前進走行させる際は、EVモード、シリーズHVモード、又はパワースプリットHVモードに動作モードが切り替えられる。また、これらに加えて回生モードにも切り替えられる。EVモードでは、エンジン1を停止させ、第2MG13で車両1を走行させる。回生モードでは、駆動輪3の回転で第2MG13を回転駆動して発電を行う。シリーズHVモードでは、エンジン11で第1MG12を回転駆動して発電を行い、第2MG13で車両1を走行させる。パワースプリットHVモードでは、エンジン11及び第2MG13で車両1を走行させる。図7は、これらの動作モードにおけるエンジン11、ブレーキ31、及び2方向クラッチ21の状態を示す作動係合表である。なお、EVモードと回生モードとはまとめて示している。この図においてエンジン11の欄の「○」はエンジン11を運転することを示し、「×」はエンジン11を停止することを示している。また、ブレーキ31の欄の「○」はブレーキ31を制動状態に切り替えることを示し、「×」はブレーキ31を制動解除状態に切り替えることを示している。2方向クラッチ21の欄の「○」は2方向クラッチ21が正転伝達状態であることを示し、「×」は2方向クラッチ21が解放状態であることを示している。なお、この図には上述した各動作モードの他に、EVモードからエンジン11を始動する場合、及び回生モードにおいてバッテリ33への充電量を制限する電池受入制限時の場合のエンジン11、ブレーキ31、及び2方向クラッチ21の状態も示した。
図7に示したようにEVモード又は回生モードでは、エンジン11が停止され、ブレーキ31が制動解除状態に切り替えられ、2方向クラッチ21は解放状態になる。なお、これらのモードでは、車両1の走行状態によってはブレーキ31を制動状態にするため、図中に括弧付きで「○」を示した。図8の線L1はEVモードにおける共線図を示している。なお、この図において「ENG」はエンジン11を、「MG1」は第1MG12を、「MG2」は第2MG13を、「OUT」は第1ドライブギア16をそれぞれ示している。また、「S」、「C」、「R」は、それぞれ遊星歯車機構20のサンギアS、キャリアC、リングギアRを示している。この図に示すようにEVモードでは、第2MG13の動力で車両1を駆動する。図7に示すようにEVモードからエンジン11を始動する場合は、ブレーキ31を制動状態にする。これにより出力部5側からの動力の伝達が遮断された状態でエンジン11が始動される。電池受入制限時の回生モードでは、第1MG12によってエンジン11を回転させる、いわゆるモータリングを行って第2MG13で回生発電したエネルギを消費し、バッテリ33が過度に充電されることを防止する。この場合の共線図を図8の線L2に示す。
図7に示すようにシリーズHVモードでは、エンジン11が運転され、ブレーキ31が制動状態に切り替えられ、2方向クラッチ21は解放状態になる。これによりエンジン11で第1MG12を回転駆動して発電を行うことができる。そして、車両1の走行は第2MG13によって行われる。この場合の共線図も図8の線L2となる。図7に示すようにパワースプリットHVモードでは、エンジン11が運転され、ブレーキ31が制動解除状態に切り替えられ、2方向クラッチ21は正転伝達状態になる。この場合、カウンタギア17にエンジン11の動力の少なくとも一部及び第2MG13の動力がそれぞれ伝達されるので、これら両方の動力によって車両1の走行が行われる。図9は、このパワースプリットHVモードにおける共線図を示している。
次に車両1を後進走行させる場合について説明する。この駆動装置10では、第2MG13にてカウンタギア17を車両1の前進走行時に回転させる正転方向とは逆の逆転方向に回転させて車両1を後進走行させる。上述したように第1ドライブギア16はカウンタギア17と噛み合っているため、第1ドライブギア16も車両1の前進走行時に回転する方向とは逆の方向に回転する。車両1を後進走行させる場合、駆動装置10は、バッテリ33の蓄電率に応じて動作モードを切り替える。バッテリ33の蓄電率が所定の判定値以上である場合は高SOCモードに、蓄電率が判定値未満である場合には低SOCモードに動作モードが切り替えられる。図10は、これらの高SOCモード及び低SOCモードにおけるエンジン11、ブレーキ31、及び2方向クラッチ21の状態を示す作動係合表である。なお、この表中の「○」、「×」の意味は図7と同じである。
この図に示したように高SOCモードでは、エンジン11が停止され、ブレーキ31が制動解除状態に切り替えられ、2方向クラッチ21は解放状態になる。なお、このモードでは、車両1の走行状態によってはブレーキ31を制動状態にするため、図中に括弧付きで「○」を示した。図11の線L3は、高SOCモードにおける共線図を示している。この図に示したように高SOCモードでは、エンジン11及び第1MG12の回転数が0に維持され、第2MG13によって車両1が後進走行される。一方、図10に示すように低SOCモードでは、エンジン11が運転され、ブレーキ31が制動状態に切り替えられ、2方向クラッチ21は解放状態になる。そのため、エンジン11で第1MG12を回転駆動して発電しつつ第2MG13で車両1を後進走行させることができる。図11の線L4は、この低SOCモードにおける共線図を示している。
制御装置40は、車両1の走行状態、エンジン11の運転状態、バッテリ33の充電状態、及びシフト操作装置43の出力信号等に基づいてエンジン11、第1MG12、第2MG13、及びブレーキ31の動作を制御し、これにより駆動装置10の動作モードを上述した各モードに切り替える。
以上に説明したように、この第1の形態の駆動装置10によれば、エンジン11で第1MG12を駆動して発電を行いつつ第2MG13で車両1を後進走行させる低SOCモードにおいては、ブレーキ31を制動状態に切り替える。これによりエンジン1の動力がカウンタギア17に伝達されることを防止できる。そのため、動力損失が発生することを抑制できる。また、この低SOCモードでは2方向クラッチ21が解放状態になる。この場合、2方向クラッチ21によってリングギアRと第1ドライブギア16とが切り離されるので、車両1を後進走行させることができる。
(第2の形態)
次に図12を参照して本発明の第2の形態に係る駆動装置10において説明する。なお、この形態においても駆動装置10の構成については図1が参照される。また、この形態でも制御装置40によって駆動装置10の動作モードが切り替えられる。図12は、この形態において制御装置40が2方向クラッチ21の状態を制御するために実行するクラッチ制御ルーチンを示している。この制御ルーチンは、車両1の走行状態及びエンジン11の運転状態に拘わらず所定の周期で繰り返し実行される。
この制御ルーチンにおいて制御装置40は、まずステップS11でシフト操作装置43の状態を取得する。次のステップS12において制御装置40は、シフト操作装置43のレンジがDレンジからRレンジに、又はRレンジからDレンジに切り替えられたか否か判定する。Dレンジ及びRレンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられていないと判定した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、Dレンジ及びRレンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられたと判定した場合はステップS13に進み、制御装置40はブレーキ31を制動解除状態に切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
第1の形態で説明したように、2方向クラッチ21は入力軸22の回転速度が出力軸23の回転速度より大きい場合に正転伝達状態及び逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に変化する。ブレーキ31が制動状態では入力軸22が回転不能に制動されているので、2方向クラッチ21の状態を切り替えることができない。そのため、例えばブレーキ31が制動状態に切り替えられる動作モード、例えばシリーズHVモード等から車両1を後進走行させる場合には、2方向クラッチ21の状態が切り替わらずに、カウンタギア17が回転不能にロックされるおそれがある。この形態では、Dレンジ及びRレンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられたと判定した場合、すなわち2方向クラッチ21の状態を正転伝達状態及び逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に切り替える必要がある場合にはブレーキ31を制動解除状態に切り替えるので、2方向クラッチ21の状態を確実に切り替えることができる。そのため、カウンタギア17が回転不能にロックされるおそれがない。なお、このように2方向クラッチ21の状態を切り替えるか否か判定するため、シフト操作装置43のレンジがDレンジ及びRレンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられた場合が本発明の切替条件が成立した場合に相当する。
図13は、この形態のクラッチ制御ルーチンの変形例を示している。なお、図13において図12と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。この制御ルーチンにおいて制御装置40は、まずステップS21で駆動装置10の動作モードが低SOCモードか否か判定する。低SOCモードではないと判定した場合は、今回の制御ルーチンを終了する。低SOCモードであると判定した場合はステップS11に進み、以降ステップS12まで図12と同様に処理を進める。
ステップS12においてシフト操作装置43のレンジがDレンジ及びRレンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられたと判定した場合はステップS22に進み、制御装置40はエンジン11の運転状態をアイドリング状態に制御する。続くステップS13において制御装置40はブレーキ31を制動解除状態に切り替える。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
この変形例では、エンジン11の運転中に2方向クラッチ21の状態を正転伝達状態及び逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に切り替える場合には、エンジン11をアイドリング状態にする。そのため、ブレーキ31を制動解除状態に切り替えた際にエンジン11の回転数が大きく変動する、いわゆる回転吹きを抑制できる。なお、この変形例のステップS22においてエンジン11が制御されるべき運転状態はアイドリング状態に限定されない。この処理では、リングギアRの回転数が予め設定した所定回転数以下に制限される種々の運転状態にエンジン11を制御してよい。エンジン11の運転状態をこのような運転状態にすることによってもブレーキ31を制動解除状態に切り替えた際にエンジン11の回転数が大きく変動することを抑制できる。
(第3の形態)
次に図14を参照して本発明の第3の形態に係る駆動装置10について説明する。なお、この形態においても駆動装置10の構成については図1が参照される。また、この形態でも制御装置40によって駆動装置10の動作モードが切り替えられる。図14は、この形態において制御装置40が2方向クラッチの状態を制御するために実行するクラッチ制御ルーチンを示している。この制御ルーチンは、車両1の走行状態及びエンジン11の運転状態に拘わらず所定の周期で繰り返し実行される。なお、図14において図12又は図13と同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
図14の制御ルーチンにおいて制御装置40は、まずステップS31で車両が停止中か否か判定する。車両1が走行中と判定した場合には今回の制御ルーチンを終了する。一方、車両1が停止中と判定した場合にはステップS32に進み、エンジン11が停止中か否か判定する。エンジン11が運転中と判定した場合は今回の制御ルーチンを終了する。一方、エンジン11が運転中と判定した場合にはステップS11に進み、制御装置40はシフト操作装置43の状態を取得する。次のステップS33において制御装置40は、シフト操作装置43のレンジがDレンジからRレンジに切り替えられたか否か判定する。DレンジからRレンジに切り替えられたと判定した場合にはステップS34に進み、制御装置40は後進切替制御を実行する。この後進切替制御では、まずブレーキ31が制動解除状態に切り替えられる。その後、リングギアRが逆方向に回転して2方向クラッチ21の状態が正転伝達状態から逆転伝達状態に切り替えられるように第1MG12の動作が制御される。図15は、このように第1MG12の動作を制御したときの共線図を示している。この図に示したように第1MG12の出力は、エンジン1の回転数が0の状態、すなわちエンジン1のクランク軸11aは停止状態に維持され、かつリングギアRは逆方向に回転するように制御される。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、DレンジからRレンジに切り替えられていないと判定した場合はステップS35に進み、制御装置40はシフト操作装置43のレンジがRレンジからDレンジに切り替えられたか否か判定する。RレンジからDレンジに切り替えられていないと判定した場合は今回の制御ルーチンを終了する。一方、RレンジからDレンジに切り替えられたと判定した場合にはステップS36に進み、制御装置40は前進切替制御を実行する。この前進切替制御では、まずブレーキ31が制動解除状態に切り替えられる。その後、リングギアRが正方向に回転して2方向クラッチ21の状態が逆転伝達状態から正転伝達状態に切り替えられるように第1MG12の動作が制御される。図16は、このように第1MG12の動作を制御したときの共線図を示している。この図に示したように第1MG12は、エンジン1の回転数が0の状態、すなわちエンジン1のクランク軸11aは停止状態に維持され、かつリングギアRは正方向に回転するように制御される。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
以上に説明したように第3の形態に係る駆動装置10では、シフト操作装置43のレンジがDレンジからRレンジに切り替えられた場合には車両1の停止中に第1MG12で2方向クラッチ21の状態を正転伝達状態から逆転伝達状態に切り替える。この場合、車両1の発進時に2方向クラッチ21の状態が切り替わることを防止できる。また、車両1の発進時に2方向クラッチ21が誤った状態に切り替わることも防止できる。そのため、車両1をスムーズに発進させることができる。シフト操作装置43のレンジがRレンジからDレンジに切り替えられた場合は車両1の停止中に第1MG12で2方向クラッチ21の状態を逆転伝達状態から正転伝達状態に切り替えるので、同様の理由により車両1をスムーズに発進させることができる。
(第4の形態)
図17を参照して本発明の第4の形態に係る駆動装置10について説明する。なお、この形態においても駆動装置10の構成については図1が参照される。また、この形態でも制御装置40によって駆動装置10の動作モードが切り替えられる。図17は、制御装置40が発進時の車両1の駆動状態を制御するために実行する発進制御ルーチンを示している。この発進制御ルーチンは、車両1の停止中に所定の周期で繰り返し実行される。なお、この制御ルーチンにおいて上述した各制御ルーチンと同一の処理には同一の符号を付して説明を省略する。
図17の制御ルーチンにおいて制御装置40は、まずステップS41で車両1を発進させるべき発進条件が成立したか否か判定する。発進条件は、例えば車両1のアクセルが開けられた場合に成立したと判定される。発進条件が不成立と判定した場合には今回の制御ルーチンを終了する。一方、発進条件が成立したと判定した場合にはステップS11に進み、制御装置40はシフト操作装置43の状態を取得する。続くステップS42において制御装置40は2方向クラッチ21の状態を取得する。2方向クラッチ21の状態は、例えば車両1が停止されるまでに車両1が前進走行又は後進走行のいずれで運転されていたかに基づいて推定できる。例えば、前進走行の場合は正転伝達状態、後進走行の場合は逆転伝達状態と推定できる。
次のステップS43において制御装置40は、シフト操作装置43のレンジがDレンジであり、かつ2方向クラッチ21の状態が正転伝達状態であるか否か判定する。Dレンジであり、かつ正転伝達状態であると判定した場合はステップS44に進み、制御装置40はモータ前進制御を実行する。このモータ前進制御では、まずブレーキ31が制動状態に切り替えられる。次に第2MG13によってカウンタギア17を正転方向に回転させて車両1を発進させる。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
一方、ステップS43が否定判定された場合はステップS45に進み、制御装置40はシフト操作装置43のレンジがRレンジであり、かつ2方向クラッチ21の状態が逆転伝達状態であるか否か判定する。ステップS45が否定判定された場合は、今回の制御ルーチンを終了する。一方、ステップS45が肯定判定された場合はステップS46に進み、制御装置40はモータ後進制御を実行する。このモータ前進制御では、まずブレーキ31が制動状態に切り替えられる。次に第2MG13によってカウンタギア17を逆転方向に回転させて車両1を発進させる。その後、今回の制御ルーチンを終了する。
この形態によれば、シフト操作装置43のレンジがDレンジであり、かつ2方向クラッチ21が正転伝達状態の場合、又はシフト操作装置43のレンジがRレンジであり、かつ2方向クラッチ21が逆転伝達状態の場合、すなわち車両1の発進時にカウンタギア17が回転する方向と2方向クラッチ21の動力伝達方向とが同じ場合にはブレーキ31を制動状態にし、第2MG13で車両1を発進させる。この場合、リングギアRと第1ドライブギア16とが接続されてリングギアR側の動力により第1ドライブギア16が車両1の発進時に回転すべき方向と逆方向に駆動されることを抑制できる。また、第2MG13で発進させることにより、車両1をスムーズに発進させることができる。なお、この形態は、上述した第1〜第3の形態と組み合わせて実施してもよい。
本発明は、上述した各形態に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、本発明の駆動装置に設けられる2方向クラッチは、上述した形態で示した2方向クラッチに限定されない。例えば、入力軸と出力軸との連結及びその解除を電磁力で制御することが可能な2方向クラッチを設けてもよい。この2方向クラッチにおいても上述した形態と同様に、入力軸が正方向に回転しており、かつ入力軸の回転数が出力軸の回転数より大きい場合、又は入力軸が逆方向に回転しており、かつ入力軸の回転数が出力軸の回転数より小さい場合に、入力軸と出力軸との間で動力が伝達されるように制御される。
上述した形態では、エンジンの出力軸にオイルポンプを連結させたが、図18に示すようにオイルポンプは、一方向クラッチ50を介して第1MG12のロータ12bと連結されていてもよい。一方向クラッチ50は、第1MG12がエンジン11のクランク軸11aの回転方向である正転方向に回転している場合は動力を伝達し、第1MG12が逆の逆転方向に回転している場合には動力の伝達を遮断する。なお、図18において図1と共通の部分には同一の符号を付して説明を省略する。この図に示した駆動装置10では、パワースプリットHVモードの運転領域のうち動力循環により伝達効率が悪化する運転領域においてブレーキ31を制動状態に切替、第1MG12で発電した電力で第2MG13を駆動してもよい。この場合、動力循環を抑制できるので、燃費悪化を抑制できる。
1 車両
3 駆動輪
10 駆動装置
11 内燃機関
11a クランク軸
12 第1モータジェネレータ(第1回転電機)
13 第2モータジェネレータ(第2回転電機)
16 第1ドライブギア(出力部材)
17 カウンタギア(伝達部材)
20 遊星歯車機構(差動機構)
31 ブレーキ(ブレーキ手段)
40 制御装置(制御手段)
43 シフト操作装置(シフト操作手段)
S サンギア(第2回転要素)
R リングギア(第3回転要素)
C キャリア(第1回転要素)

Claims (9)

  1. 相互に差動回転可能な第1回転要素、第2回転要素、及び第3回転要素を有し、前記第1回転要素が内燃機関と連結され、前記第2回転要素が第1回転電機と連結され、前記第3回転要素が2方向クラッチを介して出力部材と連結された差動機構と、前記出力部材との間で相互に動力を伝達可能なように前記出力部材から車両の駆動輪までの動力伝達経路中に設けられた伝達部材と、前記伝達部材に動力を出力できる第2回転電機と、前記第3回転要素を回転不能に制動する制動状態及びその制動を解除する制動解除状態に切り替え可能なブレーキ手段と、前記内燃機関で前記第1回転電機を駆動して発電を行いつつ前記伝達部材が前記車両の前進走行時に回転する正転方向とは逆の逆転方向に回転されるように前記第2回転電機を駆動させて前記車両を後進走行させる場合に、前記ブレーキ手段を前記制動状態に切り替える制御手段と、を備え、
    前記2方向クラッチは、前記出力部材側から動力が入力された場合には前記第3回転要素と前記出力部材との間の動力の伝達が遮断される解放状態に切り替わり、前記第3回転要素側から動力が入力された場合には前記第3回転要素と前記出力部材との間で動力が伝達される伝達状態に切り替わるように動作する車両の駆動装置。
  2. 前記2方向クラッチは、前記伝達状態として、前記第3回転要素から前記出力部材に前記伝達部材を前記正転方向に回転させる正方向の回転を伝達する正転伝達状態と、前記第3回転要素から前記出力部材に前記伝達部材を前記逆転方向に回転させる前記正方向とは逆の逆方向の回転を伝達する逆転伝達状態とが設定され、かつ前記第3回転要素から前記正方向の回転が入力された場合に前記逆転伝達状態から前記正転伝達状態に切り替わり、前記第3回転要素から前記逆方向の回転が入力された場合に前記正転伝達状態から前記逆転伝達状態に切り替わるように動作する請求項1に記載の車両の駆動装置。
  3. 前記制御手段は、前記2方向クラッチの状態を前記正転伝達状態及び前記逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に切り替える所定の切替条件が成立した場合に、前記ブレーキ手段を前記制動解除状態に切り替える請求項2に記載の車両の駆動装置。
  4. 前記制御手段は、前記切替条件が成立した場合に、前記第3回転要素の回転数が予め設定した所定回転数以下に制限されるように前記内燃機関の運転状態を制御する請求項3に記載の車両の駆動装置。
  5. 前記制御手段は、前記切替条件が成立した場合に、前記内燃機関をアイドリング状態に制御する請求項4に記載の車両の駆動装置。
  6. 前記制御手段は、前記車両が停止中であり、かつ前記内燃機関が停止しているときに前記2方向クラッチの状態を前記正転伝達状態及び前記逆転伝達状態の一方の状態から他方の状態に切り替える所定の切替条件が成立した場合は、前記ブレーキ手段を前記制動解除状態に切り替え、その後前記2方向クラッチが前記一方の状態から前記他方の状態に切り替わるように前記第3回転要素を前記第1回転電機で回転させる請求項2に記載の車両の駆動装置。
  7. 前記制御手段は、前記2方向クラッチが前記一方の状態から前記他方の状態に切り替わるように前記第3回転要素を前記第1回転電機で回転させる場合、前記内燃機関のクランク軸は停止状態に維持され、かつ前記第3回転要素は回転するように前記第1回転電機の出力を制御する請求項6に記載の車両の駆動装置。
  8. 前記車両には、前進走行レンジ及び後進走行レンジを含む複数のレンジ間で切り替え操作可能なシフト操作手段が設けられ、
    前記制御手段は、前記シフト操作手段が前記前進走行レンジ及び前記後進走行レンジの一方のレンジから他方のレンジに切り替えられた場合に前記切替条件が成立したと判断する請求項3〜7のいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
  9. 前記制御手段は、前記車両の発進時に、前記伝達部材が回転駆動されるべき方向が前記正転方向であり、かつ前記2方向クラッチが前記正転伝達状態である場合、又は前記伝達部材が回転駆動されるべき方向が前記逆転方向であり、かつ前記2方向クラッチが前記逆転伝達状態である場合は、前記ブレーキ手段を前記制動状態に切り替え、前記第2回転電機で前記伝達部材を回転駆動して前記車両を発進させる請求項2〜8のいずれか一項に記載の車両の駆動装置。
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