JP5320992B2 - 高耐性バーナーチップ - Google Patents

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Description

本発明は、重油等をバーナー燃焼させる前に発火点近くに予熱するバーナー先端の混流部に用いるバーナーチップに関するものである。
原油価格の高騰に伴い、重油等の低質油が発電用などに使用されることが多くなってきている。低質油は発火点が高く、予め加熱処理して燃焼させることが多い。そのため、200℃以上の水蒸気と混合させ、発火点近くに上げ、粘度も下げることによって流動性を上げるようなバーナー構造が用いられる。
重油等を燃焼させるバーナーの一般的な構造は、図1に示した水蒸気流路2と重油等の流路1、及びそれらが交わる混流部7からなる噴射口4が複数組合わされたものが多い。この水蒸気流路と重油等の流路の混流部が、キャビテーション(壊食)、腐食、水素脆化、摺動や振動負荷等によって損耗し、噴射状態が安定化せず、場合によっては失火することもあった。混流部2にて、急激に加温された重油等が渦を発生させ、流路の内壁に大きなダメージを及ぼすことが頻発している。
従来は、そのような渦流れによるキャビテーション(壊食)に対し、工具鋼が用いられることが多いが、その耐久寿命は長いとは言えなかった。このようなキャビテーションに関する改善技術としては、これまで開示されたものはない。
また、本発明に用いる、いわゆるステライト系材料を用いたパイプの内部の被覆方法として、プラズマ・スプレイ・バーナーを使用して、C:0.6〜3.0%、Si:0.2〜2.0%、Cr:26.0〜33.0%、W:2.0〜15.0%、Ni:0〜5.0%、Fe:0〜5.0%、Co:残からなるCo基合金粉末のスプレイ用材料をプラズマ・スプレイにより被覆する方法が特許文献1に開示されている。
特開昭63−229164号公報
しかし、特許文献1には、バーナーの具体的な材料として、銅、タングステン製の電極、酸化アルミニウム製の絶縁リングが開示されているのみであり、これらは何れもMoが含まれていないため、重油燃焼バーナーの先端部に用いたとしても、耐熱衝撃性、耐腐食性、耐水素脆化性などが劣るため、混流部の内壁のキャビテーションを改善することはできないという問題があった。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、重油等の燃焼前に発火点近くに予熱するバーナーの混流部において、長寿命化を可能とし、短周期でのキャビテーション(壊食)、腐食、水素脆化、摺動や振動負荷等による損耗が生じないバーナーチップを提供することである。
本発明者は、渦流れ、沸騰等の負荷環境下で実験を行い、高価な元素は必要最低限の量に抑え、高耐久性、高信頼性、高強度材として、十分長期に及ぶ耐久性と高い機械強度を確保可能な成分範囲を鋭意探究した。その結果、バーナーチップの耐久性については、一般的な工具鋼であるSKD11、SKHでは不十分で、超硬(WC−Co)材でも耐食性が不足していた。
そこで、バーナーチップの材質や構造に創意工夫を加えた結果として得られた本発明のバーナーチップは、
(1)液体燃料ノズルと、噴霧媒体ノズルとを介して液体燃料及び噴霧媒体を混合ノズルに導入し、前記混合ノズル先端の噴射口から前記液体燃料を前記噴霧媒体によって噴霧させるバーナーチップにおいて、
前記バーナーチップの材質が、質量%で、
Cr:26〜32%、
Ni:0.1〜3%、
W :4〜18%、
Mo:3.8〜4.5%、
C :0.25〜3.2%、
Fe≦3%、
O≦100ppm
を含有し、
残部はCo及び不可避の不純物からなり、
バーナーに装着したときに表面基準長さ0.8mmで測定した混流部の最大谷深さRvが0.5〜20μmであることを特徴とする、バーナーチップ、
(2)前記混合ノズルの内径は、前記噴霧媒体ノズルの内径より大きく、前記噴霧媒体ノズルは、前記混合ノズルとの境界のコーナー部が、端部から0.2mm以上1mm以下の範囲で面取りされ、または曲率半径0.2mm以上1mm以下の範囲で面取りされていることを特徴とする、(1)のバーナーチップ、
(3)前記混流部の引張強さが300MPa以上を満たすことを特徴とする、(1)又は(2)のバーナーチップ、
(4)前記混合ノズルの混流部の表面粗さRaが0.05〜8μmであることを特徴とする、(1)〜(3)の何れかのバーナーチップ、
である。
本発明により、重油等をバーナー燃焼させる設備において、燃焼前に発火点近くに予熱するバーナーの混流部に用いるメンテナンス周期の長い高耐性材を提供することが可能となった。
また、短周期でのキャビテーション(壊食)、腐食、水素脆化、摺動や振動負荷等による損耗が生じないによる長寿命化の結果、省資源、省エネルギーに大きく寄与する事が可能となると同時に、メンテナンスの省力化、省スペース化、高効率化が可能となり、合わせて設備の稼働率の向上を図ることができる様になった。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、(1)に係る本発明にて規定する高耐性材の成分組成限定理由について、以下に説明する。
Crは、Co基合金の耐食性を向上させるために欠くことのできない基本元素である。渦流れ、沸騰に繰り返し晒される環境に耐えられる耐食性を確保するためには、質量%で(以下同様)、26%以上含有させる必要がある。また、好ましくは28%以上含有させるのが良い。しかしながら、多量に含有させても寿命向上効果が飽和するとともにコスト高となるため、上限を32%とした。より好ましくは上限を30%とするのが良い。
Niは、加工性を改善する元素でもある。本発明の目的を達成するためには、高耐性材として長期間の使用に耐える耐食性を確保することが不可欠であり、最低でも0.1%以上、好ましくは1%以上とするのが良い。しかしながら、多量に含有させても寿命向上効果が飽和するので、上限を3%とした。
Wは、溶射時の融点を上げ、濡れ性を改善するために4%以上が必要である。一方、18質量%を超えると靭性や耐熱衝撃性、さらに粉末の溶射付着効率(溶射時の歩留まり)が低下するため好ましくない。
Moは、炭窒化物の析出を抑制し、時効硬化性の向上に効果のある元素である。高温液体に繰り返し浸漬された場合でも優れた寿命を得るためには2%以上、好ましくは3%以上の含有が必要である。しかしながら、多量に含有させると、δフェライトが増加して製造時の圧延工程におけるクリープ破断強度が低下するという影響が生じるので、上限を5%とした。より好ましくは、上限を4.5%とするのが良い。
Cは、0.25%以上含有することにより、Co基合金中に固溶して高強度に寄与する元素であるが、耐食性を損なう元素でもある。従って、高温油に耐える耐食性を確保するには、より低減することが好ましいため上限を3.2%とした。より優れた耐食性を重視する場合にはできるだけ低い方が望ましく、特に0.8%以下であれば有利である。
Feは、製造過程で風袋、混合装置等から混入し、不純物として不可避的に含有している元素である。しかしながら、多量に含有すると耐久性を低下させる原因となるため、上限を3%以下とする。
Oは、溶解時に大気中から混入し、不純物として不可避的に含有している元素である。しかしながら、多量に含有すると熱間加工性を阻害する原因となるため、上限を100ppm以下に規制する。
その他、不可避的不純物として、以下の成分を含有しても良い。
Siは、脱酸剤として含有しても良く、フェライト相を安定化させる。また、耐酸化性、加工硬化性、時効硬化性の向上に効果のある元素である。しかしながら、5%を超えて添加すると靱性を損なうので上限を5%とすることが好ましい。さらに好ましくは0.8%以下にするのが良い。下限については特に定めないが、脱酸のためには0.4%以上することが好ましい。
Mnは、オーステナイト相を安定化させ、加工硬化性の向上に効果のある元素であり、下限は定めないが、好ましくは0.4%以上0.6%以下含有させるのが良い。しかしながら、多量に含有させても効果が飽和するので、上限を1%とするのが好ましい。
Pは、熱間加工性を劣化せしめる元素であり、極力低減する必要があるため、上限を0.04%とすることが好ましい。より好ましくは0.03%以下である。
Sは、熱間加工性を著しく劣化せしめ、合わせて耐食性も損なう元素であるが、機械加工性を改善する元素でもある。従って、耐食性を重視する場合には、低減する必要があり、上限を0.03%とすることが好ましい。特に耐食性を重視する場合には、Sを0.0015%以下とするのが良い。耐食性と機械加工性を、場合に応じて両立せしめるためには、この範囲で添加することが好ましい。
Cuは、耐食性の改善に効果のある元素であるが、多量に含有すると熱間加工性が劣化し、熱間鍛造によるCフックの製造が困難になるので、上限を3%とすることが好ましい。
Alは、脱酸効果のために0.001%以上含有しても良いが、0.1%を超えると耐食性、冷間加工性を劣化させるため上限を0.11%とすることが好ましい。より好ましくは0.055%以下である。
Nは、Co基合金の強度と耐食性を向上させる元素であり、0.01%以上、更に0.02%以上含有することが好ましいが、0.5%を超えると固溶度を超えて気泡となり易い。より好ましくは、0.2%以下である。
Tiは、Cを固定し耐食性を向上させ、またCaと共存してOを固定し耐食性を向上させる元素であり、0.5%以下で含有することが好ましい。0.5%を超えると熱間加工性を劣化させる。
Caは、強力な脱酸、脱硫剤として0.0005%以上含有することが好ましい。0.008%を超えると耐食性を劣化させる。
また、被削性改善元素を添加して、機械加工を容易にすることも可能である。この場合には、Pbを0.40%以下、Seを0.40%以下、Teを0.40%以下、Biを0.40%以下、Caを0.0005〜0.008%のうち、少なくとも2種以上を含有させると良い。
次に、バーナーチップの形状等の限定理由について、説明する。
図1(a)は、本発明の実施態様であるバーナーチップの正面図を示し、図1(b)は、図1(a)のA−A断面の断面図を示す。図2に、図1(b)のA−A断面の拡大図として、液体燃料ノズル1と、噴霧媒体ノズル2とを介して混合ノズル3に導入し、噴射口4から液体燃料を噴霧媒体によって噴霧させるバーナーチップ5を示す。バーナーチップ5は、図1(b)の斜線に示すように、全体を本発明に係る成分からなる部品としても良いし、図2の斜線に示すように、液体燃料ノズル1、噴霧媒体ノズル2及び混合ノズル3を含む部分のみ、本発明に係る成分からなる部品としても良い。
液体燃料ノズル1からは、重油等の高引火点燃料を噴霧し、噴霧媒体ノズル2からは、高温(例えば100〜250℃)の水蒸気を噴霧することができるが、これに限定することなく本発明の効果を得ることができる。
混合ノズル3の内径を、噴霧媒体ノズル2の内径より大きくすることによって、混合ノズル3のサイドの液体燃料ノズル1から混入する重油等の燃料と、噴霧媒体ノズル2から混入する水蒸気等の噴霧媒体とが混流部7において混流する際に渦巻きが生じ、短時間に加熱されるという効果が得られる。
また、噴霧媒体ノズル2と、混合ノズル3との境界のコーナー部6(バーナーチップ5における噴霧媒体ノズル2と混合ノズル3との境界面の外周端部)を、図3に示すように、端部から0.2mm(C0.2)以上面取りするか、曲率半径Rを0.2mm(R0.2)以上とすると、燃料と噴霧媒体とが混流する際に生ずる渦巻きによるコーナー部6の侵食が低減されるから、バーナーチップの延命化という効果が得られる(前記(2)に係る本発明)。曲率半径、面取りが1mm超にしても侵食低減の効果はそれ以上に得られるが、下記の理由に加えて加工費が上がるので1mm以下を上限に設定した。
端部からの面取り量が1mm、より厳格には0.3mmを超えると、渦巻きが生じにくくなることがあるので、面取り量は1mm以下、望ましくは0.3mm以下とすることが好ましい。また、曲率半径が1mm、より厳格には0.3mmを超えると、同様に渦巻きが生じにくくなることがあるので、曲率半径は1mm以下、望ましくは0.3mm以下とすることが好ましい。
次に、混流部7の厚みのうち最も薄い部分の厚み(混流部7の最小厚み)t(mm)が、重油の予熱温度T(℃)と圧力P(kgf/cm)、流速v(m/sec.)によって導き出される下記(1)式を満たすと、安定した重油供給が可能になり、部材の耐久性、信頼性の向上という効果が得られる。
t≧3+0.004T+0.05P+0.003v (3.3415≦t≦5.1)
・・・(1)
60≦T≦250
2≦P≦10
0.5≦v≦200
混流部7の最小厚みが本発明組成の200℃で実測した最小引張強度(TS)200MPaを有する厚みより、著しく薄いと熱変形を起こす可能性が高くなることから好ましくないので、混流部7の引張強さ(すなわち、混流部7の周囲のバーナーチップ5の引張強さ)は、安全係数として1.5を用いれば、1.5×(TS)=1.5×200MPa=300MPaより小さいと、バーナーの火炎が不安定となる可能性が高まるから好ましくない。なお、本発明における引張強さは、JIS G7601に準拠して測定することができる。
ここで、必要強度は、本組成の引張強さを室温から400℃まで100℃刻みに実測した値を用いた。この(1)式は、本組成の強度データに安全係数を掛けたことにより求めたものである。
また、混合ノズル3の混流部7の機械加工を施して製品の仕上を行い、表面粗さをできるだけ小さくすることが寿命向上の点で重要となる。もし表面粗さが大きいと、孔食現象が起き易く、長期の寿命が確保できなくなるからである。このため、好ましくは、混流部7の表面粗さRaを0.05〜8μmに仕上げ、装着中もこの範囲内であるのが良い。表面粗さRaが0.05μmより小さいと、Co基合金では仕上げコストが著しく増大するから、0.05μm以上とすることが好ましい。表面粗さRaが8μmを超えると液体燃料と水蒸気等の噴霧媒体の混流が部分的に不均一となるので、8μm以下とすることが好ましい。なお、本発明における表面粗さRaは、JIS B0601、JIS B0633に準拠して測定することができる。
また、本発明は、表面粗度の別の指標として、バーナーに装着したときに表面基準長さ0.8mmで測定した混流部の最大谷深さであるRv値が0.5〜20μmという表面性状に着眼した。基準長さ0.8mmで測定される最大谷深さ、即ちRv値が0.5〜20μmである鋼材は孔食現象が起き難く、長期の寿命が確保できる。
ここで、Rvを0.5〜20μmとしたのは、20μmを超えると表層部の欠陥として孔食が起こり易く、構造部材として強度低下を来たす一因となるからであり、0.5μm未満であると、接触摩擦が増大し、摺動寿命を短縮するおそれがあるからである。このRv値は、JIS−B0601に準拠するものとする(前記(4)に係る発明)。
尚、混流部7とは、予熱するための噴霧媒体の侵入経路へ注入される液体燃料との合流部と定義する。
本発明のバーナーチップ5は、上記の範囲を満たすCo基合金を真空溶解、真空鋳造、もしくは溶射、肉盛して、製造することができる。
真空溶解時の真空溶解温度は1,450〜1,650℃、真空度は0.1hPa、溶解炉は20kg/バッチで行い、これを真空または雰囲気制御された鋳型へ鋳造することにより製造できる。
溶射する場合の方法としては特に限定されず、例えば、電気式のワイヤー溶射、パウダー溶射、プラズマ溶射、及びガス式のフレーム溶射のいずれでも構わない。
寿命との関係を調べた結果、より好ましくは、製造方法として、溶射、肉盛に比べ鋳造による製造の方が適していた。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
表1、表3に示す各種組成の材料(平均粒径50μm)を従来鋼(SKD11)に真空溶射して、図1(a)に示す4つのφ3mmの混合ノズル孔を有し、φ44×t22.5mmのバーナーチップを製造した。
液体燃料ノズル1は、先端がφ1mmで、後段がφ1.5mmとし、噴霧媒体ノズル2は、φ3mmとした。噴霧媒体ノズル2と混合ノズル3の境界のコーナー部5を面取り加工し、鋼種1、12はC0.3mm、鋼種2、6はR0.2mm、鋼種3、7はC0.5mm、鋼種4、13はR0.6mm、鋼種5、14はC1.0mm、鋼種8は面取りC0.18mm、鋼種9はR0.12mm、鋼種10はC0.07mm、鋼種11は面取り無しとした。
混流部の引張強さは、表2、4に示すとおりであり、本発明の実施例では必要強度1.5×200MPaの2倍以上、比較例では1.2〜1.4倍であった。
以下は、表1(本発明例)、表3(比較例)に示す各種組成の高耐性バーナー供試材で、機械的特性評価ならびに実機耐久試験を行った結果をそれぞれ表2(本発明例)、表4(比較例)に示している。噴霧媒体ノズル2から250℃、50MPaの水蒸気を噴霧し、液体燃料ノズル1から常温、50MPaのA重油を噴霧して、混合ノズル3で予混合して発火点近くまで加温後、噴射口4から噴霧して燃焼させ、1ヶ月間の耐久試験を行い、厚さ方向の損耗量をmm/月で求めた。
表に示したように、1ヶ月間の燃焼耐久試験で、本発明例である鋼種1〜11は、月当たり厚さ方向の損耗量が0.16〜0.41mm/月で、キャビテーション(壊食)、腐食、水素脆化、摺動や振動負荷等による損耗負荷に対して極めて安定であるのに対し、比較例の鋼種12〜14は損耗量が本発明例の25〜150倍と耐久性に大きな差が認められた。
また、燃焼試験後の試験材から切り出して機械的特性を測定した結果、本発明例の鋼種1〜11は試験前の初期特性とほとんど変化が見られず、高い機械的特性を維持しており、優れた性能が得られることを確認した。
比較例の鋼種12〜14では、燃焼試験前の初期特性の1/3〜1/5で大きく低下していた。比較例の場合は、壊食、腐食等によって機械的強度が不足し、大トラブルが発生する確率が加速度的に高まっていくことに相当する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
(a)は、本発明の実施態様に係るバーナーチップの正面図を示す。(b)は、(a)のA−A断面の断面図を示す。 図1(b)の拡大図を示す。 (a)は、コーナー部の端部から0.2mm面取り加工した概念図を示す。(b)は、コーナー部の端部を曲率半径Rが0.2mmとした概念図を示す。
符号の説明
1 液体燃料ノズル
2 噴霧媒体ノズル
3 混合ノズル
4 噴射口
5 バーナーチップ
6 コーナー部
7 混流部

Claims (4)

  1. 液体燃料ノズルと、噴霧媒体ノズルとを介して液体燃料及び噴霧媒体を混合ノズルに導入し、前記混合ノズル先端の噴射口から前記液体燃料を前記噴霧媒体によって噴霧させるバーナーチップにおいて、
    前記バーナーチップの材質が、質量%で、
    Cr:26〜32%、
    Ni:0.1〜3%、
    W :4〜18%、
    Mo:3.8〜4.5%、
    C :0.25〜3.2%、
    Fe≦3%、
    O≦100ppm
    を含有し、
    残部はCo及び不可避の不純物からなり、
    バーナーに装着したときに表面基準長さ0.8mmで測定した混流部の最大谷深さRvが0.5〜20μmである
    ことを特徴とする、バーナーチップ。
  2. 前記混合ノズルの内径は、前記噴霧媒体ノズルの内径より大きく、
    前記噴霧媒体ノズルは、前記混合ノズルとの境界のコーナー部が、端部から0.2mm以上1mm以下の範囲で面取りされ、または曲率半径0.2mm以上1mm以下の範囲で面取りされていることを特徴とする、請求項1記載のバーナーチップ。
  3. 前記混流部の引張強さが300MPa以上を満たすことを特徴とする、請求項1又は2記載のバーナーチップ。
  4. 前記混合ノズルの混流部の表面粗さRaが0.05〜8μmであることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のバーナーチップ。

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