JP5318554B2 - グロメット - Google Patents

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Description

本発明は、ゴムなどの弾性材料で構成されて、互いの間隔をあけた一対のパネル間に架け渡されるワイヤハーネスを内側に収容するグロメットに関する。
移動体としての自動車には、一般に、ヘッドランプ及びテールランプなどのランプ類、スタータモータ及びエアコンディショナ用のモータ等のモータ類、などの多種多様な電子機器が搭載されている。
前述した多種多様な電子機器に電力を供給するために、前記自動車は、ワイヤハーネスを配索している。ワイヤハーネスは、互いに束ねられた複数の電線と、これらの電線の端末などに取り付けられたコネクタなどを備えている。この種のワイヤハーネスは、自動車の車体を構成する車体パネルとこの車体パネルに対して回転自在なトランクパネルとに亘って架け渡されることがあり、この架け渡されたワイヤハーネスを保護するために従来から種々のグロメット(特許文献1参照)が用いられている。
この特許文献1に示されたグロメットは、ゴムなどの弾性材料で構成され、かつ前述した車体パネルとトランクパネルとのそれぞれに設けられた孔内に嵌合する筒状の一対の嵌合筒部と、これら一対の嵌合筒部同士を連結した筒状の連結筒部とを一体に備えている。連結筒部は、嵌合筒部に連なった円筒状でかつ前記嵌合筒部よりも小径の小径筒部と、これらの小径筒部間に設けられかつ蛇腹状の蛇腹筒部とを備えている。蛇腹筒部の外周面には、当該外周面から凸でかつ連結筒部の長手方向に沿って延在したリブが設けられている。
前述したグロメットは、一方の嵌合筒部と連結筒部と他方の嵌合筒部とに亘って即ち全長に亘って筒状に形成されて、内側にワイヤハーネスを通す。そして、グロメットは、一方の嵌合筒部が車体パネルとトランクパネルとのうちの一方に設けられた孔内に嵌合し、他方の嵌合筒部が車体パネルとトランクパネルとのうちの他方に設けられた孔内に嵌合して、ワイヤハーネスを車体パネルとトランクパネルとに亘って配索する。そして、グロメットは、リブが蛇腹筒部の当該リブが設けられた箇所が曲がることを防止して、トランクパネルが車体パネルに回転して、連結筒部が曲がったり伸ばされる際に、この連結筒部が車体パネルやトランクパネルなどに接触して、破損することを防止している。
特開2008-92644号公報
前述した特許文献1に示されたグロメットは、蛇腹筒部の外周面から凸のリブを設けているために、このリブが前述した車体パネルやトランクパネルに接触して、リブが破損してしまい、最悪の場合には、連結筒部が車体パネルやトランクパネルに接触して破損してしまうことが考えられる。また、前述した特許文献1に示されたグロメットは、蛇腹筒部の外周面から凸のリブを設けているために、このリブにより美観を損ねるおそれがあった。
したがって、本発明の目的は、美観を損ねることなく連結筒部が車体パネルやトランクパネルに接触して破損することを防止できるグロメットを提供することにある。
前記課題を解決し目的を達成するために、請求項1に記載の本発明のグロメットは、弾性材料で構成され、かつ、パネルに設けられた孔内に嵌合する一対の嵌合筒部と、前記一対の嵌合筒部同士を連結しかつ少なくとも中央部に蛇腹状の蛇腹筒部を設けた連結筒部と、を一体に備えたグロメットにおいて、前記蛇腹筒部の内面に当該内面から凸でかつこの蛇腹筒部の長手方向に沿って延在したリブが設けられ、前記リブが、前記蛇腹筒部の軸芯を挟んで互いに相対する位置に一対設けられ、前記一対のリブの対向方向に沿う方向には、前記蛇腹筒部が屈曲し難く、前記一対のリブの対向方向に交差する方向には、前記蛇腹筒部が屈曲しやすく構成されていることを特徴としている。
請求項に記載の本発明のグロメットは、請求項1に記載のグロメットにおいて、前記リブが、前記蛇腹筒部の前記一対の嵌合筒部のうちの一方の嵌合筒部寄りの一端部に設けられていることを特徴としている。
請求項1に記載した本発明のグロメットによれば、蛇腹筒部の内面に当該内面から凸のリブを設けている。このために、リブが、蛇腹筒部が曲げられたり伸ばされる際に、当該蛇腹筒部が過度に曲がることを防止して、車体パネルなどに接触することを勿論防止できる。
また、リブを蛇腹筒部の軸芯を挟んで相対する位置に一対設けているので、蛇腹筒部のこれらリブが設けられた部分が曲がりにくく、リブが設けられていない部分が曲がりやすくなる。
請求項に記載した本発明のグロメットによれば、リブが蛇腹筒部の一端部のみに設けられているので、当該一端部のみの当該リブが設けられた部分が曲がりにくく、このリブが設けられた部分以外が曲がりやすくなる。
前記グロメットは、前記リブが、前記蛇腹筒部の全長に亘って設けられていてもよい。
この場合、リブが蛇腹筒部の全長に亘って設けられているので、当該蛇腹筒部の全長に亘って当該リブが設けられた部分が曲がりにくく、リブが設けられていない部分が曲がりやすくなる。
また、本発明では、リブが断面矩形状に形成されてもよく、リブが断面弓形状に形成されても良い。
以上説明したように請求項1に記載の本発明は、リブが、蛇腹筒部が曲げられたり伸ばされる際に、車体パネルなどに接触することを勿論防止できるので、当該リブが破損し、蛇腹筒部即ち連結筒部が車体パネルなどに接触して、破損することを防止することができる。また、リブが蛇腹筒部の内面に設けられているので、当該リブが蛇腹筒部即ち連結筒部の美観を損ねることを防止できる。
また、蛇腹筒部のこれらリブが設けられた部分が曲がりにくく、リブが設けられていない部分が曲がりやすくなるので、蛇腹筒部の曲がる方向を規制することができ、当該蛇腹筒部即ち連結筒部が車体パネルなどに接触することを確実に防止できる。
請求項に記載の本発明は、蛇腹筒部の一端部のみの当該リブが設けられた部分が曲がりにくく、このリブが設けられた部分以外が曲がりやすくなるので、蛇腹筒部の曲がる方向を規制することができ、当該蛇腹筒部即ち連結筒部が車体パネルなどに接触することを確実に防止できる。
前記リブが、前記蛇腹筒部の全長に亘って設けられている場合には、蛇腹筒部の全長に亘って当該リブが設けられた部分が曲がりにくく、リブが設けられていない部分が曲がりやすくなるので、蛇腹筒部の曲がる方向を規制することができ、当該蛇腹筒部即ち連結筒部が車体パネルなどに接触することを確実に防止できる。
以下、本発明の第1の実施形態にかかるグロメットを図1ないし図4に基づいて説明する。本実施形態にかかる図1に示すグロメット1は、移動体としての自動車に搭載される。
グロメット1は、ゴムなどの弾性材料で構成され、かつ、図1に示すように、一対の嵌合筒部2と、一つの連結筒部3とを一体に備えている。
嵌合筒部2は、外観が厚手の円盤状の円筒状に形成されている。一方の嵌合筒部2は、前記自動車の車体を構成するパネルとしての車体パネル4(図1に一点鎖線で示す)に設けられた孔5内に嵌合して、当該車体パネル4に取り付けられる。
他方の嵌合筒部2は、前記自動車の車体パネル4に対して回転自在に設けられたパネルとしてのトラックパネル (図1に一点鎖線で示す)に設けられた孔7内に嵌合して、当該トランクパネル6に取り付けられる。
また、一方の嵌合筒部2には、外側小径筒部8が連なっている。外側小径筒部8は、外径が一方の嵌合筒部2よりも小径の円筒状に形成されており、当該一方の嵌合筒部2の内縁部から他方の嵌合筒部2よりも離れる方向に延在しているとともに、当該一方の嵌合筒部2と同軸に配置されている。
さらに、他方の嵌合筒部2には、ハーネス固定片9が連なっている。ハーネス固定片9は、帯板状に形成されており、当該他方の嵌合筒部2の内縁部から一方の嵌合筒部2よりも離れる方向に延在している。
連結筒部3は、図1及び図2に示すように、一対の小径筒部10(図1に示す)と、一つの蛇腹筒部11と、一対のリブ12とを備えている。小径筒部10は、それぞれ、嵌合筒部2に連なった円筒状に形成されている。
小径筒部10は、嵌合筒部2から互いに近づく方向に延在している。小径筒部10は、外径が嵌合筒部2の外径よりも小さく形成されている。小径筒部10は、その全長に亘って外径が一定に形成されている。
蛇腹筒部11は、一対の小径筒部10間に配置されかつこれら一対の小径筒部10を互いに連結している。蛇腹筒部11は、蛇腹状の円筒状に形成されている。蛇腹筒部11は、その最大の外径が、小径筒部10の外径と等しく形成されている。
一対のリブ12は、それぞれ、蛇腹筒部11の内面から凸に形成され、かつ当該蛇腹筒部11の長手方向に沿って直線状に延在しているとともに、蛇腹筒部11の全長に亘って設けられている。また、リブ12は、図3に示すように、断面矩形状に形成されているとともに、蛇腹筒部11の内側寄りの先端面12aの全体が、当該蛇腹筒部11の最も小径な部分の内面と面一に形成されている。また、一対のリブ12は、図3に示すように、蛇腹筒部11の軸芯(中心軸)P(図1中に一点鎖線で示す)を挟んで、互いに相対する位置に配置されている。
連結筒部3は、一対の小径筒部10とこれらの小径筒部10間に設けられた蛇腹筒部11とを備えて、中央部に蛇腹筒部11を設けている。
前述した構成のグロメット1は、外側小径筒部8と一方の嵌合筒部2と連結筒部3と他方の嵌合筒部2とに亘って即ち全長に亘って円筒状に形成されて、内側に前述した自動車に配索されるワイヤハーネス13(図1中に二点鎖線で示す)を通す。そして、グロメット1は、ハーネス固定片9とワイヤハーネス13の外周にテープが巻かれるとともに、外側小径筒部8とワイヤハーネス13の外周にテープが巻かれて、当該ワイヤハーネス13が固定される。
そして、グロメット1は、一方の嵌合筒部2が車体パネル4に設けられた孔5内に嵌合し、他方の嵌合筒部2がトランクパネル6に設けられた孔7内に嵌合して、ワイヤハーネス13を車体パネル4とトランクパネル6とに亘って配索する。そして、グロメット1は、リブ12が蛇腹筒部11の当該リブ12が設けられた箇所が曲がることを防止して、トランクパネル6が車体パネル4に対して回転して、連結筒部3の特に蛇腹筒部11が曲がったり伸ばされる際に、この連結筒部3が車体パネル4やトランクパネル6などに接触して、破損することを防止する。
本実施形態によれば、蛇腹筒部11の内面に当該内面から凸のリブ12を設けている。このために、リブ12が、蛇腹筒部11が曲げられたり伸ばされる際に、当該蛇腹筒部11が過度に曲がることを防止して、車体パネル4やトランクパネル6に接触することを勿論防止できる。
このために、リブ12が車体パネル4やトランクパネル6に接触して破損し、蛇腹筒部11即ち連結筒部3が車体パネル4やトランクパネル6に接触して、破損することを防止することができる。また、リブ12が蛇腹筒部11の内面に設けられているので、当該リブ12が蛇腹筒部11即ち連結筒部3の美観を損ねることを防止できる。
また、リブ12を蛇腹筒部11の軸芯Pを挟んで相対する位置に一対設けているので、蛇腹筒部11のこれらリブ12が設けられた部分が曲がりにくく、リブ12が設けられていない部分が曲がりやすくなる。このために、蛇腹筒部11が、一方のリブ12が縮小し他方のリブが伸張する方向である図2中の矢印S方向に曲がり難くなり、一対のリブ12の双方が同方向に湾曲する方向である図2中の矢印W方向に曲がり易くなる。このように、リブ12を、軸芯Pを挟んで互いに相対する位置に一対設けることで、蛇腹筒部11の曲がる方向を規制することができ、当該蛇腹筒部11即ち連結筒部3が車体パネル4やトランクパネル6に接触することを確実に防止できる。
さらに、リブ12が蛇腹筒部11の全長に亘って設けられているので、当該蛇腹筒部11の全長に亘って当該リブ12が設けられた部分が曲がりにくく、リブ12が設けられていない部分が曲がりやすくなる。このために、蛇腹筒部11の全長に亘って、当該蛇腹筒部11の曲がる方向を規制することができ、当該蛇腹筒部11即ち連結筒部3が車体パネル4やトランクパネル6に接触することを確実に防止できる。
また、本実施形態では、リブ12の先端面12aを前述した部分の内面と面一に形成したが、本発明では、図5に示すように、先端面12aが前述した部分の内面よりも蛇腹筒部11の外周側に位置付けられる位置まで、リブ12を蛇腹筒部11の内面から凸に形成しても良く、図6に示すように、先端面12aが前述した部分の内面よりも蛇腹筒部11の内周側に位置付けられる位置まで、リブ12を蛇腹筒部11の内面から凸に形成しても良い。これらの場合も前述した第1の実施形態と同様の効果を奏でる。
次に、本発明の第2の実施形態にかかるグロメット1を図7〜図11に基づいて説明する。なお、前述した第1の実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態では、図7、図8、図10及び図11に示すように、リブ12は、蛇腹筒部11の内面から凸の断面弓形状に形成されている。また、図9に示すように、リブ12は、蛇腹筒部11の全長に亘って設けられ、かつ図10に示すように、蛇腹筒部11の軸芯Pを挟んで互いに相対する位置に一対設けられている。さらに、リブ12は、その先端面12aが平坦に形成されている。リブ12は、蛇腹筒部11の内面からの突出量が、その先端面12aの中央部が前述した部分の内面と面一となる突出量に形成されている。
本実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様に、リブ12が、蛇腹筒部11が曲げられたり伸ばされる際に、当該蛇腹筒部11が過度に曲がることを防止して、車体パネル4やトランクパネル6に接触することを勿論防止できる。このために、リブ12が車体パネル4やトランクパネル6に接触して破損し、蛇腹筒部11即ち連結筒部3が車体パネル4やトランクパネル6に接触して、破損することを防止することができる。また、リブ12が蛇腹筒部11の内面に設けられているので、当該リブ12が蛇腹筒部11即ち連結筒部3の美観を損ねることを防止できる。
また、本実施形態においても、前述した第1の実施形態と同様に、本発明では、図12に示すように、先端面12aの中央部が前述した部分の内面よりも蛇腹筒部11の外周側に位置付けられる位置まで、リブ12を蛇腹筒部11の内面から凸に形成しても良く、図13に示すように、先端面12aの中央部が前述した部分の内面よりも蛇腹筒部11の内周側に位置付けられる位置まで、リブ12を蛇腹筒部11の内面から凸に形成しても良い。これらの場合も前述した実施形態と同様の効果を奏でる。
さらに、前述した第1の実施形態及び第2の実施形態では、リブ12を蛇腹筒部11の全長に亘って形成したが、本発明では、図14に示すように、当該リブ12を蛇腹筒部11の一方の嵌合筒部2寄りの一端部のみに設けてもよい。この場合、リブ12が蛇腹筒部11の一端部のみに設けられているので、当該一端部のみの当該リブ12が設けられた部分が曲がりにくく、このリブ12が設けられた部分以外が曲がりやすくなる。このために、蛇腹筒部11の曲がる方向を規制することができ、当該蛇腹筒部11即ち連結筒部3が車体パネル4などに接触することを確実に防止できる。
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、小径筒部10を設けずに、蛇腹筒部11を直接嵌合筒部2に一体に連結させてもよい。
本発明の第1の実施形態に係るグロメットの断面を示す斜視図である。 図1に断面が示されたグロメットの蛇腹筒部を拡大して示す斜視図である。 図1中のIII−III線に沿う断面図である。 図3中のIV部を拡大して示す断面図である。 図4に示されたグロメットの変形例の断面図である。 図4に示されたグロメットの他の変形例の断面図である。 本発明の第2の実施形態に係るグロメットの断面を示す斜視図である。 図7に断面が示されたグロメットの蛇腹筒部を拡大して示す斜視図である。 図7に示されたグロメットの蛇腹筒部の断面図である。 図7中のX−X線に沿う断面図である。 図10中のXI部を拡大して示す断面図である。 図11に示されたグロメットの変形例の断面図である。 図11に示されたグロメットの他の変形例の断面図である。 本発明のグロメットの他の変形例の連結筒部の断面図である。
符号の説明
1 グロメット
2 嵌合筒部
3 連結筒部
4 車体パネル(パネル)
5 孔
6 トランクパネル(パネル)
7 孔
11 蛇腹筒部
12 リブ

Claims (2)

  1. 弾性材料で構成され、かつ、
    パネルに設けられた孔内に嵌合する一対の嵌合筒部と、
    前記一対の嵌合筒部同士を連結しかつ少なくとも中央部に蛇腹状の蛇腹筒部を設けた連結筒部と、を一体に備えたグロメットにおいて、
    前記蛇腹筒部の内面に当該内面から凸でかつこの蛇腹筒部の長手方向に沿って延在したリブが設けられ
    前記リブが、前記蛇腹筒部の軸芯を挟んで互いに相対する位置に一対設けられ
    前記一対のリブの対向方向に沿う方向には、前記蛇腹筒部が屈曲し難く、前記一対のリブの対向方向に交差する方向には、前記蛇腹筒部が屈曲しやすく構成されていることを特徴とするグロメット。
  2. 前記リブが、前記蛇腹筒部の前記一対の嵌合筒部のうちの一方の嵌合筒部寄りの一端部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のグロメット。
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