JP5318219B2 - 通信用シート構造体および情報管理システム - Google Patents

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    • H01P3/02Waveguides; Transmission lines of the waveguide type with two longitudinal conductors
    • H01P3/026Coplanar striplines [CPS]

Description

本発明は、電磁波を伝達することによって通信を行う通信シートに関するものである。さらに詳しくは、二次元的な広がりを持つ通信用シート構造体であって、情報通信機器がその表面に接触もしくは近接することで、当該通信機器との間で通信を行ったり、複数の情報通信機器がその表面に接触もしくは近接している場合に、これら複数の情報通信機器間の通信を中継するのに最適な、RFID(Radio Frequency IDentification)システムに用いる通信用シート構造体およびこれを用いた情報管理システムに関するものである。
近年、インターネットに代表されるコンピュータ通信網や情報ネットワークの利用が一般家庭・企業などを問わずに普及、一般化し増加してきている。最も一般的な利用形態は、パソコンなどにLANケーブルを直接接続したり、無線を用いて接続したりしてLAN(Local Area Network)を形成し、LAN内のコンピュータからインターネットなどのネットワークへのアクセスを可能としている。そのような中にあって、LANケーブルを用いる場合は、このケーブルが家屋やオフィス内に引き回され、歩行の妨げになったり、美観上の問題となる。また、無線LANを用いる場合、電波の放射を用いて通信を行うため、情報漏洩や不正アクセスなどのセキュリティ上の問題がある。
そこで、通信手段として二次元状の通信媒体を用いることで、これら問題を解決できることが、特許文献1(特開2004−7448号公報)、特許文献2(特開2006−19979号公報)に示されている。
また、近年、新しいネットワークシステムとして、RFID用ICタグを用いた物品管理が注目されている。例えば、流通分野においては、工場で生産した段階で製品にRFID用ICタグを貼り付け、その後の配送ルートで物品の動きを追跡する用途が考えられており、生産の合理化や物流管理の効率化、コスト削減などが期待される。また、生産工程においても、部品がどこを通って、どのような加工をされて、どこに出荷されたかといった履歴情報を移動や加工の都度記録することなども考えられている。その他、図書館における蔵書管理をはじめ、オフィス内における書類管理、販売店舗における商品管理、研究施設における薬品管理などが挙げられ、今後、RFIDシステムの利用は著しく普及していくものと予測される。
しかし、かかるRFID用ICタグを用いて物品管理を行う場合、アンテナ機能を持つ棚を新たに導入しなければならず、大掛かりなシステムが必要であるため、導入・設置が困難であるといった問題がある。
特開2004−7448号公報 特開2006−19979号公報
本発明の目的は、ICタグと組み合わせて使用し、安定な読取性を示し、既存の棚にも簡単に導入・設置することができる通信用シート構造体およびこれを用いた情報管理システムを提供することにある。
本発明らは、上記課題を解決するため検討した結果、次の通信用シート構造体により解決することを見出した。
かくして、本発明によれば、少なくとも下記の導電体A層、基材層および導電体B層の3層を順に積層してなる通信用シート構造体であって、前記通信用シート構造体の平面内の、伝達する電磁波の進行方向に対して直交する幅方向の寸法が、前記幅方向で共振状態を提供するように、前記伝達する電磁波の波長の半分の自然数倍に略等しいことを特徴とする通信用シート構造体が提供される。
導電体A層:連続する導電部Aと非導電部Aが存在し、前記導電部Aの電気抵抗値が1Ω/□以下である層
基材層:周波数800MHzから10GHzにおける比誘電率が1.0から5.0である樹脂成形体または繊維構造体からなる層
導電体B層:面積の90%以上に亘って導電部Bが存在し、前記導電部Bの電気抵抗値が1Ω/□以下である層
また、本発明によれば、管理対象である物品に関する情報を格納するICタグと、上記通信用シート構造体と、前記通信用シート構造体へ向けて電磁波を送信し、前記通信用シート構造体を介して前記ICタグから信号を受信する送受信部と、を備える情報管理システムが提供される。
本発明の通信用シート構造体を用いることで、既存の棚に簡単に導入・設置することができ、図書館における蔵書管理をはじめ、オフィス内における書類管理、販売店舗における商品管理、研究施設における薬品管理などの物品管理の発展に役立つ。
本発明の一態様による通信用シート構造体の略横断面図である。 本発明の別態様による通信用シート構造体の略横断面図である。 本発明の別態様による通信用シート構造体の略横断面図である。 本発明の別態様による通信用シート構造体の略横断面図である。 本発明の一態様による通信用シート構造体の略上面図である。 本発明の情報管理システムを示す概略図である。 本発明の情報管理システムにおいて通信用シート構造体を複数枚接続する例を示す図(その1)である。 本発明の情報管理システムにおいて通信用シート構造体を複数枚接続する例を示す図(その2)である。 本発明の情報管理システムを図書館における図書管理システムに適用した場合を説明する図である。 図9に示す図書管理システムにおけるRFID用ICタグの取り付け例を示す図である。 図9および10に示す図書管理システムの動作フローの一例を示すフローチャートである。
10、20、30、40、50 通信用シート構造体
11、21、31、41 導電体A層
12、22、32、42 基材層
13、23、33、43 導電体B層
14、24、34、44、54 導電部A
15、25、35、45、55 非導電部A
26、46 保護層A
27、37、47 保護層B
38、48 高誘電率層
59 コネクタ
100 情報管理システム
111、111−1、111−2、111−3、111−4、111−5、111−6、111−7、111−8 通信用シート構造体
112、112−1、112−2、112−3、112−4 RFID用ICタグ
113 送受信部
114 管理装置
115 ホストコンピュータ
121 入出力インターフェース
131、131−1、131−2、131−3、131−4 管理対象の物品
以下、適宜図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
図1に示したように、本発明のRFIDシステムに用いる通信用シート構造体(以下、単に通信用シート構造体またはシート構造体と称することがある)10は、少なくとも下記の導電体A層11、基材層12、導電体B層13の3層を順に積層してなる。かかる3層構成により、シート構造体の内部に電磁エネルギーを閉じ込めてそれを通信に利用することができる。
導電体A層11:
連続する導電部A14と非導電部A15が存在し、導電部Aの電気抵抗値が1Ω/□以下であることが好ましく、これにより、良好な通信状態を保つことができる。導電体A層11の導電部A14の電気抵抗値が1Ω/□を超える場合、シート構造体内において電磁エネルギーを伝達、内在させることが困難となり、2次元での通信が不十分となる。
導電体A層11に上記のような導電性能を付与するには、導電部A14を構成する導電体Aに導電性を有する素材を使用すれば良い。そのような素材の好適な例として、銅、銀、アルミニウム、ステンレス、ニッケルなどの金属を含むもの等が挙げられる。導電部A14の電気抵抗値は0.001Ω/□から0.5Ω/□であることが好ましい。
導電体A層11の導電部A14の形状は特に限定されないが、通信用シート構造体10の製造時の加工性を考慮し、格子状や蜂の巣状(ハニカム構造)であることが好ましい。その中でも、格子状であり、格子線幅が0.5mmから1.5mm、格子線間隔が5mmから10mmであることが特に好ましい。
また、導電体A層11の導電部A14の厚さは、通信用シート構造体を伝達する電磁波の周波数に対応する導電体の表皮深さよりも厚いことが好ましく、これにより電磁波を通信シート構造体内に閉じ込めやすくなる。導電体A層11の導電部A14の厚さは、好ましくは0.0001μmから50μmであり、より好ましくは1μmから25μmである。
基材層12:
基材層12は、周波数800MHzから10GHzでの比誘電率が1.0から5.0であり、より好ましくは1.0から3.0である樹脂成形体または繊維構造体からなる。上記特性をもつ基材を用いることで、通信用シート構造体10は、シート内を伝達する電磁波の減衰を少なくすることができ、きわめて優れた二次元通信性能を発揮する。
上記基材を構成する比誘電率を満足する素材としては、オレフィン樹脂(TPO)やスチレン樹脂(SBC)、塩ビ樹脂(TPVC)、ウレタン樹脂(PU)、エステル樹脂(TPE)、アミド樹脂(TPAE)、フッ素化樹脂(PTFE)などが挙げられる。中でも、比誘電率や加工性を考慮し、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)といったポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)といったポリエステル、ポリイミド(PI)が好ましく、特にポリエステル、ポリオレフィンが好ましい。
基材が樹脂成形体の場合は、多孔質素材であることが好ましい。例えば、空隙率50〜85%の発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレンなどが挙げられる。基材が多孔質素材であることにより、基材の空隙率が上がり、比誘電率が1に近づくため、安定した通信性能を得ることができる。多孔質な素材であれば、連続発泡でも独立発泡でも構わない。
基材が繊維構造体の場合は、具体的には、織物、編物、不織布などが挙げられる。この場合、1本のフィラメントの繊度が、0.5から30dtexであることが好ましく、0.5から10dtexであることがより好ましい。また、基材が織物、編物の場合は、総繊度が好ましくは30〜1500dtex、より好ましくは30〜800dtexのマルチフィラメント糸を用いることが好ましい。さらに、基材が織物の場合は、織物密度が、経糸密度、緯糸密度が共に、15から200本/inchであることが好ましく、15から150本/inchであることがより好ましい。なお、経糸密度と緯糸密度は、同じであっても異なっていてもよい。
また、基材はエラスティックな性質を持つ基材であることが好ましい。例えば、合成ゴムシート、エラストマー繊維構造体などが挙げられる。合成ゴムシートとしては、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPM・EPDM)、天然ゴム(NR)、ウレタンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴムを例示することができる。エラストマー繊維構造体としては、エラストマー繊維を使用した織物や編物、不織布などが挙げられ、特に空隙率の高い不織布が好ましい。中でも、0.1μmから20μmのエラストマー繊維を使用することが好ましい。エラスティックな性質を持つ合成ゴムシートやエラストマー繊維構造体を使用した通信用フレキシブルシート構造体は、通常の樹脂シート等を使用した通信用フレキシブルシート構造体に比べて柔軟性や屈曲疲労性に優れ、収納時や運搬時に、繰り返し折り曲げたり丸めたりすることができる。
なお、基材の厚さは、好ましくは0.2mmから10mm、より好ましくは0.5mmから2.0mmである。また、基材の目付けは、好ましくは50g/mから800g/m、より好ましくは80g/mから300g/mである。
導電体B層13:
導電体B層13は、その面積の90%以上、好ましくは95%以上に亘り導電部Bが存在している必要があり、これにより良好な通信状態を保つことができる。
上記導電部Bを構成する導電体Bの電気抵抗値としては、好ましくは1Ω/□以下、より好ましくは0.001Ω/□から0.5Ω/□であればよい。ここで、電気抵抗値を0.5Ω/□以下とし、通信用シート構造体製造時の加工性を考えた場合、導電体Bとして、金、銀、銅、アルミニウム、ステンレス、ニッケルを含んだ素材を使用することが好ましい。
導電体B層13に上記のような導電性能を付与する手法としては、該層を構成する導電性を有する素材(導電体B)を基材の片面にプリント、めっき、蒸着、ラミネートすれば良い。特に、銅、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属を含む素材をめっきもしくはラミネートすることにより、導電体B層を厚く作製することができ好ましい。
なお、導電体B層13の厚さは、通常、好ましくは0.00001μmから50μm、より好ましくは1μmから25μmである。
本発明においては、図2に示したように、通信用シート構造体20の耐久性を向上させるため、導電体A層21及び基材22を保護層A26によって覆い、かつ/または、導電体B層23を保護層B27によって覆うことが好ましい。
保護層AまたはBは、樹脂、シート、フィルムであってもよい。PETやPENなどのポリエステルフィルム、PEやPPなどのポリオレフィンフィルム、ポリイミドフィルム、エチレン−ビニルアルコールフィルムなどのフィルムや、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などの樹脂が含まれる。
また、保護層A26または保護層B27は、織物、編物、不織布等の繊維構造体であってよい。該繊維の構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)などのポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などの脂肪族ポリアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)を例示することができる。
保護層A26または保護層B27は、前述したようにエラストマー樹脂やエラストマー不織布であってもよい。また、保護層AとBとは、同じものであっても異なっていても良い。
このように、保護層A26を設ける場合は、前述したように、基材22に直接導電体A層21を形成し、さらにその上に保護層A26を被覆してもよいし、保護層A26に直接導電体A層21を形成し、その導電体A層21側に基材22を接合して成形してもよい。
一方、保護層B27を設ける際にも、基材22に直接導電体B層23を形成し、さらにその上に保護層B27を被覆してもよいし、保護層B27に直接導電体B層23を形成し、その導電体B層23側に基材22を接合し、通信用シート構造体20を製造してもよい。
本発明においては、図3に示したように、導電体A層31の上に、上記保護層Aの代わりに、基材層32よりも高い比誘電率を有し、誘電正接が0.001以下である高誘電率層38が積層されていることが好ましい。高誘電率層38が積層されていることによって、非導電部A35から漏出する電磁波の強度を増大させ、RFID用ICタグからの情報の読み取り性能を著しく向上できることがわかった。基材層32と高誘電率層38との比誘電率の差は可能な限り大きいことがよく、特に0.2以上が好ましく、更には1.0以上がより好ましい。
高誘電率層38の比誘電率としては、上記要件を満たし、好ましくは2.0〜10.0であり、より好ましくは5.0〜10.0である。比誘電率が2.0未満では、基材の比誘電率との差が十分でなく読み取り性能が低下する傾向にある。一方、比誘電率は大きいほど好ましいが、誘電正接を充分に小さくする必要があるため、比誘電率が10.0を超えないものを選定したほうがよい。
また、高誘電率層38の厚さは、1.0〜5.0mmが好ましく、1.0〜3.0mmがより好ましい。厚さが、1.0mm未満では、読取性能を向上させる効果が充分に現れず、5.0mmを超えるとシート構造体30の厚さが大きくなりすぎ、取り扱い性が悪くなる。
上記高誘電率層38としては、織物、編物、不織布、樹脂、シート、フィルムが挙げられ、中でも樹脂、シート、フィルムが好ましく、シートは発泡体であってもよい。
上記の樹脂、シート、フィルムを構成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)などのポリエステル、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PSt)などのポリオレフィン、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール、アクリル、ウレタンなどを例示することができる。
特に、上記高誘電率層38としては、上記誘電率と誘電正接を同時に満足するため、PET、PEN、PP、PE、PStのフィルムやシートが好ましい。
また、本発明においては、図4に示したように、導電体A層41と高誘電率層48との間に、厚さが0.02〜0.3mmの保護層A46を有していてもよい。これにより、たとえば、本発明の通信用シート構造体40を成形する際、基材42に直接、導電体A層41をラミネート等するのではなく、保護層A46となるフィルムやシートに導電体A層41をラミネートしておき、導電体A層41の一部をエッチング等して除去し、格子状などに加工し、その後、その保護層A46を基材42に対して、導電体A44が基材42側になるように積層して公知の方法で接合するといったことが可能となり、成形がしやすくなる。よって、かかる点から、保護層A46の厚さは薄い方が好ましいため0.3mm以下とするのがよく、あまり薄すぎても取り扱い性が悪くなるため0.03mm以上とすることが望ましい。
この場合、上記保護層A46は、樹脂、シート、フィルムが好ましく、これを構成するポリマーとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PSt)などのポリオレフィン、ポリイミド、エチレン−ビニルアルコール、アクリル、ウレタンなどを例示することができる。
本発明の通信用シート構造体は、その平面内の、伝達する電磁波の進行方向に対して直交する幅方向の寸法が、電磁波の波長の半分の自然数倍に略等しくする必要があり、特に電磁波の波長の半分に略等しいことが好ましい。これにより、幅方向で電磁波を効率よく共振させることができ、高効率かつ低損失な電磁波の伝達を行うことが可能となり、格子状の導電体A層から漏出する電磁波の強度が全体として増大する。このようなシート構造体は、格子状の導電体A層から漏出する電磁波の強度が増大するため、RFIDに用いる通信用シート構造体として用いることができ、すなわち、通信用シート構造体上に設置されたRFID用ICタグと通信させることが可能である。
本発明の通信用シート構造体の形状は、伝達する電磁波の進行方向に長辺を有し、上記幅方向に短辺を有する帯状であることが好ましい。
本発明の通信用シート構造体は、伝達する電磁波を、所定の進行方向に伝達するように入力する入力インターフェースを備えることができる。
本発明の情報管理システムは、前記入出力インターフェースに送受信部が接続されて通信電波を伝達する前記通信用シート構造体と、RFID用ICタグとを備えるシステムである。一般に、RFID用ICタグとの間でデータの読み出しおよび書き込みを行うリーダライタは、アンテナと、このアンテナを介して信号を送受信する送受信部とを備える。本発明による通信用シート構造体は、このリーダライタにおけるアンテナの機能を有する。すなわち本発明では、リーダライタ内の送受信部が、通信用シート構造体を介してRFID用ICタグに向けて電磁波を発し、RFID用ICタグは電磁波を受けてその内部で所定の信号を発生させ、リーダライタ内の送受信部は通信用シート構造体を介して信号を受信する。通信用シート構造体を介して送受信部はRFID用ICタグとの間で通信電波を送受信することができる。
図6は、本発明の情報管理システムを示す概略図である。本発明による情報管理システム100は、管理対象である物品131−1、131−2、131−3および131−4に関する情報を格納するRFID用ICタグ112−1、112−2、112−3および112−4と、通信用シート構造体111と、通信用シート構造体111へ向けて電磁波を送信し、通信用シート構造体111を介してRFID用ICタグ112−1、112−2、112−3および112−4から信号を受信する送受信部113と、を備える。通信用シート構造体111と送受信部113とでいわゆるリーダライタの機能を構成する。なお、図に示す例では、管理対象である物品の個数を4個としたが、この個数はあくまでも一例であり、その他の個数であっても良い。また、RFID用ICタグは管理対象である物品に付されるものであるので、個数に応じて、RFID用ICタグの個数も変わる。
また、情報管理システム100は、送受信部13が受信した信号に基づき管理対象である物品131−1、131−2、131−3および131−4に関する情報を読み取り、予め登録された管理情報と読み取った物品に関する情報とに基づいて、当該物品についての状況をデータベース管理する管理装置114をさらに備える。送受信部113は、入出力インターフェース121を介して通信用シート構造体111に接続されるとともに、管理装置114に対してはケーブルを介して接続される。管理装置114は、専用のコンピュータ、汎用のコンピュータなどで構成される。管理装置114は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、ディスプレイ部、入力部などを備える。またあるいは、管理装置114を既存の各種電子機器に組み込んで構成しても良い。
また、通信用シート構造体111は、送受信部113もしくは他の通信用シート構造体(図示せず)が接続されて信号が入出力される入出力インターフェース121を備える。この入出力インターフェース121を介して、複数の通信用シート構造体111を互いに接続することができる。図7および8は、本発明の情報管理システムにおいて通信用シート構造体を複数枚接続する例を示す図である。図7に示す例では、通信用シート構造体111−1が接続された通信用シート構造体111−2、通信用シート構造体111−3が接続された通信用シート構造体111−4、通信用シート構造体111−5が接続された通信用シート構造体111−6、および通信用シート構造体111−7が接続された通信用シート構造体111−8、を送受信部113にし、通信用シート構造体111−1、111−3、111−5および11−7が終端となるように接続している。また、図8に示す例では、通信用シート構造体111−2、111−1、111−3および111−4をこの順で接続した上で通信用シート構造体111−2および111−4が送受信部113に接続されるようにし、通信用シート構造体111−6、111−5、111−7および11−8をこの順で接続した上で通信用シート構造体111−6および111−8が送受信部113に接続されるようにしている。これら図7および8示す例では、通信用シート構造体を8枚接続する例を示したが、この枚数および接続関係はあくまでも一例であり、その他の枚数および接続関係であっても良く、情報管理システム100が適用される具定例に応じて適宜設定すればよい。通信用シート構造体111は、RFID用ICタグが付された管理対象である物品が配置される面上に設置されるが、その詳細については、後述する具体的適用事例において説明する。
なお、図6に示す本発明の情報管理システムにおけるRFID用ICタグ112−1、112−2、112−3および112−4は、自己電源を有しないパッシブタグである。すなわち、RFID用ICタグ112−1、112−2、112−3および112−4は、送受信部113からの電磁波をエネルギー源として動作するものであり、送受信部113からの電磁波は、通信用シート構造体111を介してRFID用ICタグ112−1、112−2、112−3および112−4へ送信される。
次に本発明の情報管理システムの具体的適用事例について説明する。
図9は、本発明の情報管理システムを図書館における図書管理システムに適用した場合を説明する図であり、図10は、図9に示す図書管理システムにおけるRFID用ICタグの取り付け例を示す図である。
本発明の情報管理システムを適用した図書館における図書管理システムでは、管理対象の物品は、図書館に所蔵されている紙媒体もしくは電子媒体である。紙媒体としては、例えば書籍、雑誌、新聞、各種書類などがあり、電子媒体としては、例えばCD、DVD、BD(Bru−Ray Disc)、HD−DVDなどがある。例えば、書籍の場合、図10に示すように、書籍131の表紙の見開きにRFID用ICタグ112が取り付けられる。管理対象の物品に対するRFID用ICタグの取付け位置は、当該物品の形状、利用態様、特性、あるいは保管方法などを考慮して適宜決めればよく、例えばマイクロフィルムを管理対象の物品とする場合にはマイクロフィルムを収容するケースにRFID用ICタグを取り付ければよい。
図書管理システムにおいて管理対象の物品(すなわち紙媒体もしくは電子媒体)に取り付けられるRFID用ICタグには、当該物品に固有の識別情報、保管場所に関する情報、および禁帯出の有無に関する情報などが記憶される。これら情報は必要に応じて1つもしくは複数記憶されれば良い。
図9に示すように、通信用シート構造体111−1〜111−8は、管理対象の物品(すなわち紙媒体もしくは電子媒体)が配置される書架116の配置面上(すなわち棚面)に設置される。通信用シート構造体111−1〜111−8は例えば図7および8を参照して説明したように接続された上で送受信部113に接続される。送受信部113は、管理装置114に接続されるが、その設置場所は管理装置114近傍や、書架116の空いたスペースなどがある。
管理装置114は、通信用シート構造体111−1〜111−8を介して送受信部113が受信した信号に基づき管理対象である物品に付されたRFID用ICタグに記憶された情報を読み取り、この読み取った物品に関する情報を、管理装置114に予め登録された管理情報と照会して、当該物品についての状況をデータベース管理する。データベース管理する情報としては、物品(すなわち紙媒体もしくは電子媒体)の、識別情報、貸出状況、返却状況、存在場所、利用頻度、利用時間、および利用者などに関する各種情報があり、物品の識別情報を中心として紐付けされて管理装置114に登録される。なお、管理装置114のさらに上位に、ホストコンピュータ115を接続しても良く、例えば、それぞれに管理装置114が設置された複数の図書館を、ホストコンピュータ115を用いて一元的に管理する図書館ネットワークシステムを構築しても良い。
管理装置114もしくはホストコンピュータ115に集約された情報から、以下に説明するような図書館サービスの向上や効率の良い運用を実現することが容易となる。
例えば、管理装置114もしくはホストコンピュータ115は、各通信用シート構造体111−1〜111−8および送受信部113を介して受信した情報に基づいて、物品(すなわち紙媒体もしくは電子媒体)の存在場所を把握することができる。従って、例えば、管理装置114もしくはホストコンピュータ115は、本来所蔵される書架とは別の書架に書籍が置かれたときには警報を発する、禁帯本の利用状況を常に検知し長時間書架に戻されないときには警報を発する、といった動作を実行することも可能である。
また、一般に禁帯本コーナーにおいては、バーコード読み取りによる貸し出し管理は行わないので、禁帯本の利用傾向や利用頻度が把握できないといった実態があった。これに対し、本発明によれば、書架の棚に設置された通信用シート構造体を介して禁帯本の利用頻度や利用時間を把握することが可能であり、従来に比べてより詳細に禁帯本の管理が可能となる。
また例えば、管理装置114もしくはホストコンピュータ115に集約された情報から、図書館員は物品(すなわち紙媒体もしくは電子媒体)、特に禁帯本等の購入、廃棄の決定を容易に行うことができるようにもなる。
図11は、図9および10に示す図書管理システムの動作フローの一例を示すフローチャートである。
ステップS1001において、送受信部113は、通信用シート構造体111−1〜111−8へ向けて電磁波を送信し、RFID用ICタグが取り付けられた書籍131が配置された通信用シート構造体を介して当該RFID用ICタグから管理情報を読み取る。ステップS1001における送受信部113による電磁波の送信および管理情報の読み取りは、例えば1秒の周期で繰り返し実行される。送受信部113により読み取られた情報は、管理装置114へ送られる。
次いでステップS1002おいて、管理装置114は、送受信部113から受信した情報に基づき、紙媒体もしくは電子媒体が棚に存在するか否かを判定する。この「紙媒体もしくは電子媒体の存在の有無」の判定基準は、通信用シート構造体に送信する電磁波の強さ(電流)によって調整できるが、例えば通信用シート構造体との距離から20cm以内の距離にRFID用ICタグが存在するか否かを判定する。
ステップ1002において紙媒体もしくは電子媒体が棚に存在すると判定された場合、ステップS1006へ進む。ステップS1006では、管理装置114内の記憶装置(図示せず)に、媒体が存在するとの情報が継続して記録され、管理装置内114内のディスプレイ部(図示せず)に「未貸出」を表示する。ステップS1006の処理後、ステップS1001へ戻る。
ステップ1002において紙媒体もしくは電子媒体が棚に存在しないと判定された場合、ステップS1003へ進む。ステップS1003では、管理装置114内の記憶装置(図示せず)に、媒体が存在しないとの情報が記録され、管理装置内114内のディスプレイ部(図示せず)に「貸出中」を表示し、ステップS1004へ進む。
ステップS1004では、送受信部113は、通信用シート構造体111−1〜111−8へ向けて電磁波を送信し、RFID用ICタグが取り付けられた書籍131が配置された通信用シート構造体を介して当該RFID用ICタグから管理情報を読み取る。ステップS1004における送受信部113による電磁波の送信および管理情報の読み取りは、例えば1秒の周期で繰り返し実行される。送受信部113により読み取られた情報は、管理装置114へ送られる。
次いでステップS1005おいて、管理装置114は、送受信部113から受信した情報に基づき、紙媒体もしくは電子媒体が棚に戻ったか否かを判定する。
ステップ1005において紙媒体もしくは電子媒体が棚に戻ったと判定された場合、ステップS1006へ進む。ステップS1006では、管理装置114内の記憶装置(図示せず)に、媒体が存在するとの情報が記録され、管理装置内114内のディスプレイ部(図示せず)に「未貸出」を表示する。その後、ステップS1001へ戻る。この「紙媒体もしくは電子媒体が棚に戻ったか否か」の判定基準は、ステップS1002の処理同様、通信用シート構造体に送信する電磁波の強さ(電流)によって調整でき、例えば通信用シート構造体との距離から20cm以内の距離にRFID用ICタグが存在するか否かを判定する。
ステップ1005において紙媒体もしくは電子媒体が棚にまだ戻っていないと判定された場合、ステップS1003へ戻る。
なお、管理装置114のさらに上位に、ホストコンピュータ115を接続した場合には、ステップS1007において、管理対象である書籍131の貸出状況、返却状況、利用頻度、利用管理を集約、管理する。
本発明の情報管理システムは、上述の図書管理システム以外にも同様に適用することができる。
例えば、本発明の情報管理システムを物流管理システムに適用した場合、管理対象となる物品は、物流対象である商品である。RFID用ICタグは、商品の形状、輸送体系、あるいは保管方法などを考慮して取付け位置を適宜決めればよく、例えば荷札に組み込んでおいても良い。物流管理システムにおいて商品に取り付けられるRFID用ICタグには、当該商品に固有の識別情報、荷主に関する情報、宛先に関する情報、配送業者に関する情報などが記憶される。これら情報は必要に応じて1つもしくは複数記憶されれば良い。通信用シート構造体は、商品が配置される作業台や輸送機器の荷台の面上などに設置すれば良い。管理装置は、通信用シート構造体を介して送受信部が受信した信号に基づき管理対象である商品に付されたRFID用ICタグに記憶された情報を読み取り、この読み取った商品に関する情報を、管理装置に予め登録された管理情報と照会して、当該商品についての状況をデータベース管理する。データベース管理する情報としては、商品の識別情報、配送状況、配送日時、配送元、配送先、配送作業中継点、配送業者、および配送手段などに関する各種情報があり、商品の識別情報を中心として紐付けされて管理装置に登録される。なお、管理装置のさらに上位に、ホストコンピュータを接続しても良く、例えば、各物流センターや各輸送機器に設置された複数の管理装置を本社に設置されたホストコンピュータを用いて一元的に管理する物流ネットワークシステムを構築しても良い。
また例えば、本発明の情報管理システムを販売店舗における商品管理システムに適用した場合、管理対象となる物品は、販売店舗で販売される商品である。RFID用ICタグは、商品の形状、輸送体系、あるいは保管方法などを考慮して取付け位置を適宜決めればよく、例えば値札に組み込んでおいても良い。商品管理システムにおいて商品に取り付けられるRFID用ICタグには、当該商品に固有の識別情報、および保管場所に関する情報などが記憶される。これら情報は必要に応じて1つもしくは複数記憶されれば良い。通信用シート構造体は、商品が配置される陳列台の配置面上やレジが設置されたカウンター面上などに設置すれば良い。管理装置は、通信用シート構造体を介して送受信部が受信した信号に基づき管理対象である商品に付されたRFID用ICタグに記憶された情報を読み取り、この読み取った商品に関する情報を、管理装置に予め登録された管理情報と照会して、当該商品についての状況をデータベース管理する。データベース管理する情報としては、商品の識別情報、価格、存在場所、購入者、販売員、および販売日時などに関する各種情報があり、商品の識別情報を中心として紐付けされて管理装置に登録される。なお、管理装置のさらに上位に、ホストコンピュータを接続しても良く、例えば、各店舗に設定された複数の管理装置を本社に設置されたホストコンピュータを用いて一元的に管理する販売ネットワークシステムを構築しても良い。
また例えば、本発明の情報管理システムを事業所における物品情報管理システムに適用した場合、管理対象となる物品は、事業所で利用もしくは処理される物品である。RFID用ICタグは、物品の形状、利用態様、処理態様、輸送体系、あるいは保管方法などを考慮して取付け位置を適宜決めれば良い。物品情報管理システムにおいて物品に取り付けられるRFID用ICタグには、当該物品に固有の識別情報、保管場所に関する情報、所有者、および部課名に関する情報などが記憶される。これら情報は必要に応じて1つもしくは複数記憶されれば良い。通信用シート構造体は、物品が保管される棚や倉庫、物品が処理される作業台の面上などに設置すれば良い。管理装置は、通信用シート構造体を介して送受信部が受信した信号に基づき管理対象である物品に付されたRFID用ICタグに記憶された情報を読み取り、この読み取った物品に関する情報を、管理装置に予め登録された管理情報と照会して、当該商品についての状況をデータベース管理する。データベース管理する情報としては、物品の識別情報、所有者、部課名、存在場所、利用頻度、利用時間、および利用者などに関する各種情報があり、物品の識別情報を中心として紐付けされて管理装置に登録される。なお、管理装置のさらに上位に、ホストコンピュータを接続しても良く、例えば、各支店に設置された複数の管理装置を本社に設置されたホストコンピュータを用いて一元的に管理する販売ネットワークシステムを構築しても良い。このような「事業所における物品情報管理システム」のより詳細な具体例としては、オフィス内における書類管理、生産工程における製品管理、研究施設における薬品もしくは試料の管理、製造ラインや工事現場における工具もしくは資材の管理、医療現場における各種道具、薬品、検体、医師もしくは看護士などの管理、タクシーやバス業者における車庫における車両管理、倉庫業者における物品管理などがある。
以下、実施例より本発明をさらに詳細に説明する。なお、実施例、比較例中の物性は下記の方法で測定した。
(1)電気抵抗値
三菱化学製「ロレスタMP MCP−T350」を用いて、導電体Aおよび導電体Bの電気抵抗値を測定した。
(2)比誘電率、誘電正接
2.45GHzでの比誘電率及び誘電正接をアジレント社製、ネットワークアナライザを用いて、円筒空胴共振器法にて測定した。
(3)通信性能評価判定
図1に示したように、通信用シート構造体上に置かれた2つの近接コネクタを距離rだけ離して配置し、アジレント社製、ネットワークアナライザを用いて、2.45GHzにおける透過係数Xを計測する。ここで、近接コネクタの距離は、1cm間隔とし10cmから100cmまで計測を行った。また、使用した近接コネクタは、通信用シート構造体で2.45GHzにピークを持つものを使用した。計測した透過係数Xの平均値(Xav.)を算出した。Xav.≧−30dBが通信性能としてきわめて良好である。
(4)読取性能評価判定
通信用シート構造体の上に、RFID用ICタグを貼り付けたハードカバータイプの書籍(厚さ20mm)を100冊設置し、リーダライタを用いて、30dBmの信号を発信し、RFID用ICタグ情報を読み取ることのできた冊数を測定し、これを10回繰り返し、平均値を算出した。平均値が95冊以上98冊未満を良好、98冊以上を極めて良好とした。
[実施例1]
基材には厚さ2mmの低密度ポリエチレン(PE)シート(下関パッキング社製、硬質ポリエチレンシート、以下同じ)を用い、導電体Aとして、基材の片面に格子状に打ち抜いた9μmのアルミニウム箔をラミネートした。導電体Aの格子形状は、線幅を1mm、線間隔を7mmとした。導電体Bとして、基材のもう一方の面には全面を100%覆うよう9μmのアルミニウム箔をラミネートし通信用シート構造体を作製した。シートの幅は2.45GHzにおける電磁波の波長約10cmの半分である5cmとなるようにし、シートの長さは100cmとした。結果を表1に示す。
[実施例2]
保護層A及び導電体Aとして、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維織物にウレタン樹脂をラミネート加工したPET繊維織物(川島織物セルコン社製「ニューシェルフII」)に格子状に銀ペーストをプリントして目付け200g/mのPET繊維織物を得た。基材には厚さ2mm、目付け72g/mのPET繊維不織布を用いた。導電体B及び保護層Bとして、銅・ニッケルをメッキ加工した、目付け85g/mのPET繊維織物からなる電磁波シールド布帛(帝人ファイバー社製「ST2050」、以下同じ)を使用した。導電体Aの格子形状は、線幅を1mm、線間隔を7mmとした。これらを、ポリエステルミシン糸を用い縫製によって貼り合せた。縫製はJUKI製DDL−5530本縫いミシン台を使用し、ミシン針DB×1#14にて縫目長さを3cm/13針として行った。シートの幅は5cmとなるようにし、シートの長さは100cmとした。結果を表1に示す。
[実施例3]
保護層A及び導電体Aとして、250μmのPETフィルムに9μmのアルミニウム箔をラミネートした後、格子状にエッチング処理した格子状アルミニウム箔ラミネートフィルムを作製した。導電体Aの格子形状は、線幅を1mm、線間隔を7mmとした。基材には厚さ2mm、比誘電率1.4の発泡ポリプロピレン(PP)シート(古河電工社製、「エフセルCP3020」、発泡率67%)を使用した。導電体B及び保護層Bとして、250μmのPETフィルムに9μmのアルミニウム箔をラミネートし、フィルムの全面を導電体Bで覆ったアルミ箔ラミネートフィルムを作成した。
基材の一方の面に、アクリル系粘着剤を付着量が10g/mとなるようにテーブルコーターにて塗付した。さらに、保護層Aと導電体Aとなる格子状アルミ箔ラミネートフィルムを、導電体Aが基材側となるように、アクリル系粘着剤を塗布した基材上に積層しカレンダー加工機にて接着させた。
同様に、基材の他方の面に、アクリル系粘着剤を塗付し、保護層Bと導電体Bとなるアルミ箔ラミネートフィルムを、導電体Bが基材側となるように、アクリル系粘着剤を塗布した基材上に積層しカレンダー加工機にて接着させ、通信用シート構造体を作製した。
シートの幅は2.45GHzにおける電磁波の波長約10cmの半分である5cmとなるようにし、シートの長さは100cmとした。結果を表2に示す。
[実施例4]
格子状アルミ箔ラミネートフィルムの保護層A側の上に、アクリル系粘着剤を付着量が10g/mとなるようにテーブルコーターにて塗付し、その上に、高誘電率層として、厚さ1mm、比誘電率2.3のポリプロピレン(PP)シート(菅原工芸社、「PP板」)を積層し、カレンダー加工機にて接着させた以外は、実施例3と同様にして通信用シート構造体を作製した。結果を表2に示す。
[実施例5]
高誘電率層を、厚さ1mm、比誘電率2.3のポリスチレン(PSt)シートに変更した以外は、実施例4と同様にした。結果を表2に示す。
[実施例6]
高誘電率層を、厚さ1mm、比誘電率3.2のポリエチレンテレフタレート(PET)シートに変更した以外は、実施例4と同様にした。結果を表2に示す。
[比較例1]
導電体Aをアルミニウム箔に代えて、アルミニウム蒸着とした以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例2]
基材を低密度PEシートに代えて、ユリア樹脂シートとした以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
[比較例3]
シート幅を5cmに代えて、23cmにした以外は実施例1と同様にした。結果を表1に示す。
Figure 0005318219
Figure 0005318219
本発明のRFIDシステムに用いる通信用シート構造体は、周波数が800MHzから10GHzの周波数帯で、既存の棚に簡単に導入・設置することができ、図書館における蔵書管理をはじめ、オフィス内における書類管理、販売店舗における商品管理、研究施設における薬品もしくは試料の管理、物流管理、生産工程における製品管理、製造ラインや工事現場における工具もしくは資材の管理、医療現場における各種道具、薬品、検体、医師もしくは看護士などの管理、タクシーやバス業者における車庫における車両管理、倉庫業者における物品管理などの物品管理に利用できる。

Claims (13)

  1. 少なくとも下記の導電体A層、基材層および導電体B層の3層を順に積層してなる通信用シート構造体であって、前記通信用シート構造体の平面内の、伝達する電磁波の進行方向に対して直交する幅方向の寸法が、前記幅方向で共振状態を提供するように、前記伝達する電磁波の波長の半分の自然数倍に略等しいことを特徴とする通信用シート構造体。
    導電体A層:連続する導電部Aと非導電部Aが存在し、前記導電部Aの電気抵抗値が1Ω/□以下である層
    基材層:周波数800MHzから10GHzにおける比誘電率が1.0から5.0である樹脂成形体または繊維構造体からなる層
    導電体B層:面積の90%以上に亘って導電部Bが存在し、前記導電部Bの電気抵抗値が1Ω/□以下である層
  2. 前記通信用シート構造体は、前記伝達する電磁波の進行方向に長辺を有し、前記幅方向に短辺を有する帯状である請求項1に記載の通信用シート構造体。
  3. 前記幅方向の寸法が、前記伝達する電磁波が平面波となるように、前記伝達する電磁波の波長の半分に略等しい請求項1または2に記載の通信用シート構造体。
  4. 前記導電体A層の導電部Aが、線幅0.5mm〜1.5mm、線間隔5mm〜10mmの格子状である請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信用シート構造体。
  5. 前記基材層が、空隙率50〜85%の発泡ポリプロピレン樹脂または発泡ポリエチレン樹脂からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の通信用シート構造体。
  6. 前記伝達する電磁波を、所定の進行方向に伝達するように入出力する入出力インターフェースを備える請求項1〜5のいずれか1項に記載の通信用シート構造体。
  7. 前記導電体A層の上に、比誘電率が基材層よりも高く、かつ、誘電正接が0.001以下である高誘電率層が積層されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の通信用シート構造体。
  8. 前記高誘電率層の比誘電率が2.0〜10.0である請求項7に記載の通信用シート構造体。
  9. 前記導電体A層と前記高誘電率層との間に、厚さ0.02〜0.3mmの保護層Aを有する請求項8に記載の通信用シート構造体。
  10. 管理対象である物品に関する情報を格納するICタグと、請求項1に記載の通信用シート構造体と、前記通信用シート構造体へ向けて電磁波を送信し、前記通信用シート構造体を介して前記ICタグから信号を受信する送受信部と、を備えることを特徴とする情報管理システム。
  11. 前記送受信部が受信した前記信号に基づき前記物品に関する情報を読み取り、予め登録された管理情報と前記読み取った物品に関する情報とに基づいて、当該物品についての状況をデータベース管理する管理装置をさらに備える請求項10に記載の情報管理システム。
  12. 前記通信用シート構造体は、前記送受信部もしくは他の前記通信用シート構造体が接続されて信号が入出力される入出力インターフェースを備える請求項11に記載の情報管理システム。
  13. 前記通信用シート構造体は、前記ICタグが付された前記物品が配置される面上に設置される請求項10に記載の情報管理システム。
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