JP5316846B2 - 多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置及びレーザ照射装置 - Google Patents

多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置及びレーザ照射装置 Download PDF

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Description

本発明は、半導体薄膜の粒径均一性の判定装置、及び、レーザ照射装置に関し、更に詳しくは、半導体薄膜にレーザ光を照射して多結晶薄膜を形成するレーザアニール工程で採用される、多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置、及び、該レーザアニール工程において、半導体薄膜にレーザ光を照射するレーザ照射装置に関する。
ガラス基板上に形成されるTFT素子の導電膜として、加工性が容易な多結晶シリコン薄膜(poly-Si膜)が採用されている。poly-Si膜の形成に際して、一般に、エキシマレーザアニール(ELA)法が用いられる。ELA法では、基板上にアモルファスシリコン薄膜(a-Si膜)を成膜した後、成膜したa-Si膜にエキシマレーザのパルス光を照射する。レーザ光の照射によってa-Si膜が溶融し、その後の冷却によって再結晶化し、多結晶膜になる。TFT素子の特性、特に移動度は、poly-Si膜の結晶粒が大きいほど良好になるため、a-Si膜の多結晶化に際して、結晶粒を出来るだけ大きく形成する必要がある。
a-Si膜の多結晶化工程では、レーザ光の照射強度の増大に伴って、比較的大きな結晶粒が生じる「結晶化」から、微細な結晶粒が生じる「微結晶化」へ移行する。結晶化は、a-Si膜が完全に溶融しなかった場合に生じ、再結晶化に際して、固相/液相の界面、又は、a-Si膜/基板の界面に、ランダムに核が発生することによって生じる。結晶化では、結晶粒の粒径は照射強度の増大に伴って増大する。
一方、微結晶化は、a-Si膜が完全に溶融した場合に生じ、再結晶化に際して、膜中の至るところに、比較的均一に核が発生することによって生じる。微結晶化で形成される結晶粒の粒径は、100nm以下と極めて小さい。微結晶化では、結晶粒の粒径は照射強度に殆ど依存しない。結晶化から微結晶化へ移行するレーザ光のしきい値強度を「微結晶化強度」と呼ぶ。微結晶化強度は、a-Si膜の膜厚によって規格化されるパラメータである。
上記のように、a-Si膜の多結晶化工程では、微結晶化強度を境とする、結晶化から微結晶化への移行が、レーザ光の照射強度の増大に伴って急激に生じる。従って、レーザ光の照射強度が微結晶化強度を超えると、粒径が極端に小さくなり、良好な粒径が得られない。このため、a-Si膜の多結晶化工程では、微結晶化強度を正確に判定し、照射強度を微結晶化強度よりも小さく設定することが重要である。
特許文献1、2は、微結晶化強度を判定する手法を記載している。これら特許文献によれば、TFT素子のpoly-Si膜を形成する本照射に先立って、TFT素子が形成される本照射領域以外の外側の予備照射領域に対して、a-Si膜の溶融強度以上から溶融強度以下までの範囲で照射強度を変化させつつ、照射位置を移動しながらレーザ光を1パルスずつ照射する予備照射を行う。予備照射領域に対する、ラマン光や散乱光の分光測定から、照射強度と微結晶化の有無との関係を導き、微結晶化が始まる照射強度を微結晶化強度と判定する。
特開2000−114174号公報 特開2002−8976号公報
特許文献1、2によれば、本照射に際して、判定された微結晶化強度よりも小さな強度でレーザ光を照射することにより、a-Si膜の微結晶化を防止できる。しかし、これら特許文献の方法では、ラマン光や散乱光の分光測定に際して、測定用の光源や反射光の受光部を、各予備照射領域に移動させつつ行う必要があり、スループットを向上できない問題があった。
本発明は、上記に鑑み、レーザ光を照射して基板上に形成した多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置、及び、レーザ光を照射して多結晶薄膜を基板上に形成するレーザ照射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置は、基板上に形成された多結晶薄膜の粒径均一性を判定する装置であって、前記多結晶薄膜が形成された領域であって複数の比較対象面を包含する照明領域の全てを同時に照明する面光源装置と、前記照明領域の全ての前記複数の比較対象面からの反射光を同時に受光する電荷結合素子と、前記電荷結合素子で撮像された前記照明領域の画像を前記複数の比較対象面の画像に分割し、前記受光した反射光に基づいて該比較対象面の画像のそれぞれについて色度を計測し、前記比較対象面の画像のそれぞれで計測した色度を相互に比較し、前記多結晶薄膜の粒径を判定するコンピュータと、を有する、ことを特徴とする。
本発明に係るレーザ照射装置は、レーザ光を照射して多結晶薄膜を基板上に形成するレーザ照射装置であって、レーザ光源と、該レーザ光源から出射されたレーザ光を所定の照射寸法に整形する光学系と、前記多結晶薄膜が形成された領域であって複数の比較対象面を包含する照明領域の全てを同時に照明する面光源装置と、前記照明領域の全ての前記複数の比較対象面からの反射光を同時に受光する電荷結合素子と、前記電荷結合素子で撮像された前記照明領域の画像を前記複数の比較対象面の画像に分割し、前記受光した反射光に基づいて該比較対象面の画像のそれぞれについて色度を計測し、前記比較対象面の画像のそれぞれで計測した色度を相互に比較し、前記多結晶薄膜の粒径を判定するコンピュータと、を備えることを特徴とする。
本発明に係る多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置によれば、判定された粒径均一性に基づいて、レーザ光の照射強度や成膜条件の面内ばらつきを調節することによって、粒径の大きさの面内ばらつきが少ない多結晶薄膜を形成できる。
本発明のレーザ照射装置によれば、多結晶薄膜が形成された所定の領域を照明する面光源装置と、該所定の領域からの反射光を同時に受光する電荷結合素子とを備えることによって、基板上で反射された反射光を受光する測定に際して、基板を載置するステージや、面光源装置、電荷結合素子を移動させる必要がない。従って、測定の際のスループットを向上させることが出来る。また、面光源装置備えることによって、基板上を面内方向に均一な強度で照明できる。従って、照明強度の面内ばらつきに起因する反射光の特性のずれを抑制し、微結晶化強度判定や多結晶薄膜の粒径均一性判定の際の誤差を抑制できる。
以下に、図面を参照し、本発明の実施形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る半導体薄膜の粒径均一性判定方法に用いられるレーザ照射装置の構成を示す平面図である。レーザ照射装置10は、レーザ光源11、光学系12、ステージ13、面光源装置14、及び、電荷結合素子17を備える。レーザ照射装置10は、基板16表面に成膜されたa-Si膜を溶融・再結晶化してpoly-Si膜を形成する際に用いられる。
レーザ光源11は、エキシマレーザであって、x方向に向けて、所定の発振周波数を有するパルスレーザ光を発生する。光学系12はレーザ光源11から出射されたレーザ光を、符号15に示すように、y方向に沿った細長い矩形状(線状)に整形する。ステージ13上には基板16が載置され、整形されたレーザ光は、基板16の表面に照射される。ステージ13は、基板16を載置した状態で、x方向及びy方向に移動することができる。
図2は、図1における、面光源装置14、ステージ13上に載置された基板16、及び、電荷結合素子17の相互間の位置関係を示す斜視図である。面光源装置14は、矩形状の光源面14aを備えている。光源面14aは、基板16表面との間で鋭角を形成する。光源面14aから、光源面14aと鉛直方向であって、面内方向に略均一な強度を有する白色の平面光が出射される。光源面14aから出射された平面光は、基板16表面の所定の領域(照明領域)22に照明される。従って、平面光は、照明領域22内の各部分に同じ強度及び入射角で照明される。電荷結合素子17は、赤、緑、及び、青の3色の光をそれぞれ撮像可能な電荷結合素子を含み、照明領域22の全体からの反射光を同時に受光し、撮像する。
図3は、poly-Si膜表面の凹凸形状(表面凹凸)の大きさ、つまり結晶粒の粒径と、レーザ光の照射強度との関係を示すグラフである。同図に示すように、照射強度の増大に伴って表面凹凸が大きくなるが、照射強度が微結晶化強度を超えると、表面凹凸は急激に小さくなる。ところで、表面凹凸の大きさは、poly-Si膜表面からの反射光の色度に影響するため、poly-Si膜表面の色度は、微結晶化強度を境に大きく変動する。従って、本実施形態では、微結晶化強度の判定に際して、色度を用いる。
本実施形態では、製品用の基板に対するレーザ光の照射(本照射)に先立って、微結晶化強度の判定を目的として、微結晶化強度判定用の基板を用いた予備照射を行う。図4は、微結晶化強度判定用の基板の構成を示す平面図である。微結晶化強度判定用の基板20の表面には、製品用の基板と同じ成膜条件で、a-Si膜が成膜されている。このa-Si膜上には、y方向に細長い矩形状を有する複数の予備照射領域21が設定され、各予備照射領域21は、x方向に並んで配列されている。照明領域22は、これら複数の予備照射領域21を含む領域である。
図5は、本実施形態の粒径均一性の判定におけるレーザ照射の手順を示すフローチャートである。基板20をステージ13上に載置した後、複数の予備照射領域21に、a-Si膜の溶融強度以上からそれ以下までの範囲で複数の異なる照射強度のレーザ光をそれぞれ照射する(ステップS11)。次いで、面光源装置14を用いて、基板20の照明領域22を照明しつつ、電荷結合素子17を用いて、照明領域22を一度に撮像する(ステップS12)。更に、撮像によって得られた画像データから、複数の予備照射領域21のそれぞれの色度を計測し、数値化する(ステップS13)。色度の数値化に際して、例えばCIE(Commission Internationale d'Eclairage)−XYZ表色系におけるx成分(色度x)を用いる。
引き続き、数値化された色度xと照射強度との関係に基づき、照射強度の変化に対する色度xの変化量(色度差)Δxと照射強度との関係を算出する(ステップS14)。更に、色度xの変化が最大となる、つまり色度差Δxが最大となる照射強度を検出し、これを微結晶化強度と判定する(ステップS15)。色度xの数値化、色度差Δxと照射強度との関係の算出、及び、色度差Δxが最大となる照射強度の検出に際しては、コンピュータを用いて自動的に行う。判定された微結晶化強度に基づき、本照射の際の照射強度を決定する(ステップS16)。
図6(a)は、予備照射領域21のそれぞれについて計測された色度xと、照射強度との関係を示すグラフであり、図6(b)は、図6(a)から得られた、色度差Δxと照射強度との関係を示すグラフである。図6(a)、(b)によれば、照射強度の増大に伴って色度xが増大し、微結晶化強度付近で急激に増大すると共に、色度差Δxが最大となっている。従って、色度差Δxが最大となる照射強度を微結晶化強度と判定することによって、微結晶化強度を正確に判定できることが判る。
本実施形態では、照明領域22を照明しつつ、照明領域22を一度に撮像することによって、各予備照射領域21からの反射光を同時に受光する。このため、微結晶化強度の判定に際して、ステージ13又は電荷結合素子17を移動させる必要がなく、判定の際に、スループットが向上する。また、そのような移動に必要な装置を必要としないため、装置コストを低減できる。照明領域22の撮像に際しては、それぞれの予備照射領域21の全体からの反射光を受光できればよいので、電荷結合素子17の画素数を少なくできる。
色度差Δxが最大となる照射強度を微結晶化強度と判定することによって、微結晶化強度を容易に且つ正確に判定できる。これによって、本照射に際して、微結晶化強度未満の照射強度を採用することで、微結晶化を防止しつつ粒径の大きなpoly-Si膜を形成できる。従って、高い移動度を有するTFT素子を形成できる。
なお、色度を計測する際の誤差を抑制するためには、基板上の照明強度が面内方向で均一であることが望ましい。このためには、面光源装置の光源面14aが、複数の予備照射領域21を含む領域よりも大きい面積を有することが望ましい。また、光源面14aの面内の輝度ばらつきが5%以下であることが好ましい。
また、上記実施形態では、微結晶化強度判定用の基板20と、製品用の基板とを別個に構成したが、同一の基板を用い、予備照射領域21と本照射領域とを別の位置に配置してもよい。色度の数値化に際して、CIE−XYZ表色系のx成分を用いたが、y成分、或いは、x成分とy成分との双方を用いてもよい。更に、微結晶化強度の判定に際して、色度に代えて、輝度を数値化することも出来る。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る粒径均一性判定方法における判定手順を示すフローチャートである。本実施形態の粒径均一性判定方法では、レーザ光照射によって形成されたpoly-Si膜の粒径の均一性を判定する。先ず、図1に示したレーザ照射装置を用い、ステージ13上に製品用の基板を載置して、TFT素子のpoly-Si膜を形成する本照射を行う(ステップS21)。poly-Si膜の形成に際しては、レーザ光の照射強度を、微結晶化強度よりも低い強度に設定する。
次いで、面光源装置14を用いて、本照射領域を照明しつつ、電荷結合素子17を用いて、本照射領域を一度に撮像する(ステップS22)。本照射領域内に複数の判定領域を設定し、撮像によって得られた画像データから、各判定領域についてそれぞれ色度を計測し、数値化する(ステップS23)。色度の数値化に際して、例えば第1実施形態と同様に、CIE−XYZ表色系におけるx成分(色度x)を用いる。引き続き、各判定領域で計測された色度xのばらつき(色度ばらつき)を計算し、この色度ばらつきを粒径のばらつき(粒径均一性)とする(ステップS24)。なお、色度を計測する際の誤差を抑制するため、面光源装置の光源面14aは本照射領域よりも大きい面積を有する。
本実施形態に係る粒径均一性判定方法では、本照射領域を照明しつつ、本照射領域を一度に撮像することによって、各判定領域からの反射光を同時に受光する。このため、粒径均一性の判定に際して、第1実施形態と同様に、ステージ13又は電荷結合素子17を移動させる必要がなく、スループットが向上する。また、そのような移動に必要な装置を必要としないため、装置コストを低減できる。本照射領域の撮像に際しては、それぞれの判定領域の全体からの反射光を受光できればよいので、電荷結合素子17の画素数を少なくできる。
色度ばらつきから粒径均一性を得るため、本照射領域の面内での粒径均一性を容易に且つ正確に判定できる。判定された粒径均一性に基づき、レーザ光の照射強度や成膜条件の面内ばらつきを補正することによって、粒径の大きさの面内ばらつきが少ないpoly-Si膜を形成できる。これによって、特性のばらつきが少ないTFT素子を形成でき、製品歩留りを向上させることが出来る。なお、本照射領域の面内での成膜条件が均一であるとすれば、第2実施形態に基づいて判定された本照射領域内の粒径均一性から、レーザ光の照射強度の面内ばらつきを判定できる。
なお、上記実施形態では、予備照射及び本照射を、同一のステージ13上で行うものとしたが、別のステージで行っても構わない。また、レーザ照射装置10では、例えば同一の照射条件で本照射を繰り返し、レーザ光の照射回数と、本照射領域からの反射光の色度との関係を調べることによって、レーザ光の照射強度の低下の度合いを判断することもできる。レーザ光の照射強度の低下や面内ばらつきは、光学系12の汚染等によって生じる。
第1実施形態に基づく第1実施例について説明する。図8は、第1実施例で用いた、微結晶化強度判定用の基板の構成を示す平面図である。370mm×470mmの寸法を有するガラス基板を用意し、ガラス基板上にSiO膜を2000Åの厚みで成膜し、SiO膜上にa-Si膜を500Åの厚みで成膜することによって、基板20を作製した。
作製した基板20の複数の予備照射領域21に、a-Si膜の溶融強度以上からそれ以下までの範囲で複数の異なる照射強度のパルスレーザ光をそれぞれ照射した。パルスレーザ光の照射に際して、各予備照射領域21内で、パルスレーザ光をx方向にスキャンさせることによって、各予備照射領域21の全体にパルスレーザ光を照射した。パルスレーザ光は、発振周波数を300Hzとし、照射光の寸法を350mm(y方向)×0.4mm(x方向)とし、各照射光が90%の重ね率で重なるように、スキャンピッチを0.04mmとした。
各予備照射領域21の寸法を350mm(y方向)×20mm(x方向)とし、予備照射領域21間の間隔を1mmとした。照射強度は、445〜490mJ/cmの範囲で、予備照射領域21ごとに5mJ/cmの強度間隔で変化させた。更に、照明領域22に白色光を照射しつつ、電荷結合素子17で照明領域22を撮像した。撮像に際しては、40万個の画素を有する電荷結合素子17を用いた。
本実施例では、各予備照射領域21の領域内に5つの判定領域23a〜eを設定した。判定領域23a〜eは、y方向に見て等間隔であって、且つ、各予備照射領域21について同じ位置に設定した。また、直径が10mmの範囲とした。撮像された画像データから、各予備照射領域21の各判定領域23a〜eについて、色度xを数値化した。また、数値化された色度xに基づき、色度差Δxと照射強度との関係を算出した。
結果、判定領域23a〜eの全てについて、色度xと照射強度との関係、及び、色度差Δxと照射強度との関係は、それぞれ、図6(a)、(b)と同様な傾向を示した。しかし、パルスレーザ光の照射強度の面内ばらつきにより、判定領域23a〜cについては、470mJ/cmの照射強度で、色度xが急激に増大し、色度差Δxが最大となった。一方、判定領域23d,eでは、475mJ/cmの照射強度で、色度xが急激に増大し、色度差Δxが最大となった。これによって、判定領域23a〜cでの局所的な微結晶化強度を、470mJ/cmと、判定領域23d,eでの局所的な微結晶化強度を、475mJ/cmとそれぞれ判定した。
本実施例では、微結晶化強度の判定に際して、判定領域23a〜eで得られた局所的な微結晶化強度を平均し、472mJ/cmとした。平均の計算式は、470×(3/5)+475×(2/5)=472である。この場合、照射強度の面内ばらつきは、式(475−470)/472により、1.1%程度と評価できる。なお、微結晶化強度の判定に際して、複数の局所的な微結晶化強度のうち、例えば最も低いものを選択してもよい。
本実施例によれば、予備照射領域21内に設定された複数の判定領域23a〜eにおける局所的な微結晶化強度を平均することによって、微結晶化強度を判定した。これによって、微結晶化強度の判定に際して、照射強度の面内ばらつきに起因する誤差を抑制できる。なお、正確な微結晶化強度を判定するためには、各判定領域23の面積は予備照射領域21の面積の1%以上であることが好ましい。また、上記実施例における5個よりも多くの判定領域を設定することによって、微結晶化強度をより正確に判定できる。
ところで、微結晶化強度以上の照射強度では、a-Si膜の表面に単発のパルスレーザ光が照射された際に、パルスレーザ光が照射された領域では微結晶化するが、その周囲の狭い領域では、a-Si膜が溶融温度以上であって且つ微結晶化強度未満の温度に達するため、微結晶化でなく結晶化が生じる。このことは、既に微結晶化された領域にパルスレーザ光が照射された際であっても、パルスレーザ光の照射によってpoly-Si膜が溶融・再結晶化されるため、同様のことがいえる。従って、微結晶化強度以上の照射強度でスキャン照射を行うと、微結晶化領域の中に、粒径の大きな結晶化領域が周期的に生じる。
ここで、スキャンピッチが大きいほど、結晶化領域の面積に対する微結晶化領域の面積を大きくでき、微結晶化強度での色度の変化を大きく出来る。特に、スキャンピッチを0.01mm以上に設定することによって、微結晶化強度での色度の変化を充分に大きくし、微結晶化強度の判定を容易に行うことが出来る。
以下に、第2実施形態に基づく第2実施例について説明する。第1実施例で判定された微結晶化強度である472mJ/cm、及び、照射強度の面内ばらつき1.1%に基づき、本照射における照射強度として、微結晶化強度未満の値である450mJ/cmを採用した。この照射強度で、製品用の基板に対して本照射を行い、a-Si膜を溶融・再結晶化させて、poly-Si膜を形成した。パルスレーザ光は、予備照射と同様に、発振周波数を300Hzとし、照射光の寸法を350mm(y方向)×0.4mm(x方向)とし、スキャンピッチを0.04mmとした。
面光源装置14を用いて、本照射領域を照明しつつ、電荷結合素子17を用いて、本照射領域を一度に撮像した。撮像された画像データに基づき、本照射領域の色度を計測したところ、計測された色度から、微結晶化が生じておらず、且つ、粒径の大きさが比較的大きく形成されていることが確認された。また、本照射領域に複数の判定領域を設定し、各判定領域の色度のばらつきを判定したところ、ばらつきは少なかった。これによって、レーザ光の照射強度や成膜条件の面内ばらつきが抑えられているため、結晶粒が面内方向で均一な大きさに形成されていることが確認された。
引き続き、TFT素子を形成したところ、平均移動度は260cm/Vsで、しきい値ばらつきは5%以内であった。これによって、上記第1実施形態のレーザ照射方法によって、高性能で、且つ、特性のばらつきの小さなTFT素子が形成されたと評価できる。
なお、上記実施例では、本照射の際の照射強度を、微結晶化強度よりも小さくしたが、微結晶化強度よりも大きな強度の強度で本照射を行っても構わない。例えば、特開2003−332346号公報は、一般的なpoly-Si膜の形成方法とは異なり、poly-Si膜の形成に先立って、微結晶化強度以上の強度のレーザ光を所定間隔で照射することによって、結晶粒の形成位置を制御する方法を記載している。しかし、この方法においても、結晶粒を確実に形成するために、正確な微結晶化強度を判定する必要があり、第1実施形態や第1実施例に示したレーザ照射方法を用いることが出来る。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置、及びレーザ照射装置も、本発明の範囲に含まれる。
本発明の第1実施形態に係る半導体薄膜の粒径均一性の判定方法に用いられるレーザ照射装置の構成を示す平面図である。 図1の面光源装置、基板、及び、電荷結合素子の相互間の位置関係を示す斜視図である。 poly-Si膜の表面凹凸の大きさと照射強度との関係を示すグラフである。 微結晶化強度判定用の基板の構成を示す平面図である。 レーザ照射方法の手順を示すフローチャートである。 図6(a)は、色度xと照射強度との関係を示すグラフであり、図6(b)は、色度差Δxと照射強度との関係を示すグラフである。 第2の実施形態に係る粒径均一性判定方法における判定手順を示すフローチャートである。 第1実施例で用いた微結晶化強度判定用の基板を示す平面図である。
符号の説明
11:レーザ光源
12:光学系
13:ステージ
14:面光源装置
14a:光源面
15:レーザ光
16:基板
17:電荷結合素子
20:微結晶化強度判定用の基板
21:予備照射領域
22:照明領域
23:判定領域

Claims (8)

  1. 基板上に形成された多結晶薄膜の粒径均一性を判定する装置であって、
    前記多結晶薄膜が形成された領域であって複数の比較対象面を包含する照明領域の全てを同時に照明する面光源装置と、
    前記照明領域の全ての前記複数の比較対象面からの反射光を同時に受光する電荷結合素子と、
    前記電荷結合素子で撮像された前記照明領域の画像を前記複数の比較対象面の画像に分割し、前記受光した反射光に基づいて該比較対象面の画像のそれぞれについて色度を計測し、前記比較対象面の画像のそれぞれで計測した色度を相互に比較し、前記多結晶薄膜の粒径を判定するコンピュータと、を有する、
    ことを特徴とする多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置。
  2. 前記面光源装置は、前記照明領域よりも大きい面積を有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置。
  3. 前記電荷結合素子は、前記照明領域よりも大きい面積を撮像出来る、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置。
  4. 前記面光源装置と前記電荷結合素子は固定されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の多結晶薄膜の粒径均一性の判定装置。
  5. レーザ光を照射して多結晶薄膜を基板上に形成するレーザ照射装置であって、
    レーザ光源と、
    該レーザ光源から出射されたレーザ光を所定の照射寸法に整形する光学系と、
    前記多結晶薄膜が形成された領域であって複数の比較対象面を包含する照明領域の全てを同時に照明する面光源装置と、
    前記照明領域の全ての前記複数の比較対象面からの反射光を同時に受光する電荷結合素子と、
    前記電荷結合素子で撮像された前記照明領域の画像を前記複数の比較対象面の画像に分割し、前記受光した反射光に基づいて該比較対象面の画像のそれぞれについて色度を計測し、前記比較対象面の画像のそれぞれで計測した色度を相互に比較し、前記多結晶薄膜の粒径を判定するコンピュータと、を備える、
    ことを特徴とするレーザ照射装置。
  6. 前記面光源装置は、前記照明領域よりも大きい面積を有する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザ照射装置。
  7. 前記電荷結合素子は、前記照明領域よりも大きい面積を撮像出来る、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザ照射装置。
  8. 前記面光源装置と前記電荷結合素子は固定されている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のレーザ照射装置。
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