JP5316341B2 - 画像形成装置、画像形成プログラム - Google Patents

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本発明は、画像形成装置が備えるヘッドタンクの負圧を再形成させる動作において、不要なインク消費を抑える技術に関する。
画像形成装置のキャリッジ上の記録ヘッドに記録液を供給する記録液収容手段である小容量のヘッドタンク(サブタンクともいう。)を搭載し、記録液収容手段である大容量のインクカートリッジ(メインタンク)を装置本体側に設置する方式が知られている(以下、ヘッドタンク方式という。)。このヘッドタンク方式においては、ヘッドタンクに装置本体側のインクカートリッジから記録液(インク)を補充供給する。
ヘッドタンクは、記録ヘッドのノズルからの記録液の染み出しやダレを防止するために、常にある一定以上の負圧の状態を維持させておく必要がある。そして、ヘッドタンク方式では、記録液カートリッジを直接記録ヘッドに搭載する機構に比べ、装置本体側からの記録液供給のためのチューブの連結部等が存在するために空気が流入する可能性が高くなる。さらに、ヘッドタンク内に空気が流入すると記録ヘッド内が正圧になり、液滴吐出性能の低下による画像品質の低下や、記録液の自重による記録ヘッドからの記録液の流出が発生してしまうことになる。
このようにヘッドタンク内への空気の流入を検出した時に負圧を再形成させる動作を実行することは既に知られている(特許文献1等)。
しかし、ヘッドタンク内への空気の流入を検出した時に負圧を再形成させる動作を行う装置では、ヘッドタンクの初期不良や経時劣化によりヘッドタンクへ空気が流入し易くなったときに、負圧を再形成させる動作を実行させる頻度が高くなる。そして、負圧を再形成させる動作ではインクを大量に使用するため、インクの消費が早くなるという問題点がある。
そこで、本発明では、ヘッドタンク内の負圧を再形成させる動作を必要最小限の範囲で行い、該負圧再形成動作に伴うインクの消費量を低減させる画像形成装置および画像形成プログラムを提供することを目的とする。
開示の画像形成装置の一形態では、当該画像形成装置が備えるヘッドタンク内への空気の混入を検出した際、以前に空気の混入検知状態で負圧が形成されている状態になったときからの経過日数と、ヘッドタンクに取り付けられた負圧形成検知レバーと、負圧形成検知レバーによる負圧形成検知に影響を与える湿度とを考慮し負圧再形成動作の要否を判断するので、負圧再形成動作を必要最小限に留めることができるため、インクの消費を抑えることができる。
開示の画像形成装置では、ヘッドタンク内の負圧を再形成させる動作を必要最小限の範囲で行い、該負圧再形成動作に伴うインクの消費量を低減させることができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の概略図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の制御部の概要を示す図である。 本実施の形態に係る画像形成装置が備えるヘッドタンクの模式的側面説明図である。 本実施の形態に係る負圧発生箇所と負圧発生手段との組合せを示す図である。 本実施の形態に係る負圧発生箇所と負圧発生手段との組合せの一例を示す図である。 本実施の形態に係る負圧発生箇所と負圧発生手段との組合せの一例を示す図である。 本実施の形態に係る負圧発生箇所と負圧発生手段との組合せの一例を示す図である。 本実施の形態に係る負圧発生箇所と負圧発生手段との組合せの一例を示す図である。 本実施の形態に係る画像形成装置によるエア検知時の大気開放充填実行判定制御処理のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その2)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その3)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その4)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減制御処理のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置の機能ブロック図である。 本実施の形態に係る画像形成装置が備えるヘッドタンクの1つのヘッド分の模式的上面説明図である。 本実施の形態に係る画像形成装置が備えるヘッドタンクの1つのヘッド分の模式的正面説明図である。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その5)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その6)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その7)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その8)のフローチャートである。 本実施の形態に係る画像形成装置による大気開放充填低減機能の有効性判定制御処理(その9)のフローチャートである。
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の概略図である。フレーム21を構成する左右の側板21A、21Bに横架したガイド部材であるガイドロッド31とステー32とでキャリッジ33を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによってタイミングベルトを介して図1で矢示方向(キャリッジ主走査方向)に移動走査する。
このキャリッジ33には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個の液滴吐出ヘッドからなる記録ヘッド34を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド34を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどを、液滴を吐出するための圧力を発生する圧力発生手段として備えたものなどを使用できる。
この記録ヘッド34にはドライバICを搭載し、図示しない制御部との間でハーネス(フレキシブルプリントケーブル)22を介して接続している。また、キャリッジ33には、記録ヘッド34に各色のインクを供給するための各色のヘッドタンク35を搭載している。この各色のヘッドタンク35には各色のインク供給チューブ36を介して、カートリッジ装填部4に装着された各色のインクカートリッジ10から各色のインクが補充供給される。なお、このカートリッジ装填4にはインクカートリッジ10内のインクを送液するための供給ポンプユニット24が設けられ、また、インク供給チューブ36は這い回しの途中でフレーム21を構成する後板21Cに係止部材25にて保持されている。
一方、給紙トレイ2の用紙積載部(圧板)上に積載した用紙42を給紙するための給紙部として、用紙積載部から用紙42を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)及び給紙コロに対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッドを備え、この分離パッドは給紙コロ43側に付勢されている。
そして、この給紙部から給紙された用紙42を記録ヘッド34の下方側に送り込むために、用紙42を案内するガイド部材と、カウンタローラと、搬送ガイド部材と、先端加圧コロを有する押さえ部材とを備えるとともに、給送された用紙42を静電吸着して記録ヘッド34に対向する位置で搬送するための搬送手段である搬送ベルト51を備えている。
この搬送ベルト51は、無端状ベルトであり、搬送ローラ52とテンションローラ53との間に掛け渡されて、ベルト搬送方向(副走査方向)に周回するように構成している。また、この搬送ベルト51の表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラを備えている。この帯電ローラは、搬送ベルト51の表層に接触し、搬送ベルト51の回動に従動して回転するように配置されている。さらに、搬送ベルト51の裏側には、記録ヘッド34による印写領域に対応してガイド部材を配置している。
この搬送ベルト51は、図示しない副走査モータによってタイミングを介して搬送ローラ52が回転駆動されることによって図1のベルト搬送方向に周回移動する。さらに、記録ヘッド34で記録された用紙42を排紙するための排紙部として、搬送ベルト51から用紙42を分離するための分離爪と、排紙ローラ及び排紙コロとを備え、排紙ローラの下方に排紙トレイを備えている。
また、装置本体1の背面部には両面ユニットが着脱自在に装着されている。この両面ユニットは搬送ベルト51の逆方向回転で戻される用紙42を取り込んで反転させて再度カウンタローラと搬送ベルト51との間に給紙する。また、この両面ユニットの上面は手差しトレイとしている。
さらに、図1に示すように、キャリッジ33の走査方向一方側の非印字領域には、記録ヘッド34のノズルの状態を維持し、回復するための回復手段を含む維持回復機構81を配置している。この維持回復機構81には、記録ヘッド34の各ノズル面をキャピングするための各キャップ部材(以下「キャップ」という。)82a〜82d(区別しないときは「キャップ82」という。)と、ノズル面をワイピングするためのブレード部材であるワイパーブレード83と、増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け84などを備えている。ここでは、キャップ82aを吸引及び保湿用キャップとし、他のキャップ82b〜82dは保湿用キャップとしている。
そして、この維持回復機構81による維持回復動作で生じる記録液の廃液、キャップ82に排出されたインク、あるいはワイパーブレード83に付着してワイパークリーナで除去されたインク、空吐出受けに空吐出されたインクは図示しない廃液タンクに排出されて収容される。また、図1に示すように、キャリッジ33の走査方向他方側の非印字領域には、記録中などに増粘した記録液を排出するために記録に寄与しない液滴を吐出させる空吐出を行うときの液滴を受ける空吐出受け88を配置し、この空吐出受け88には記録ヘッド34のノズル列方向に沿った開口89などを備えている。
このように構成したインクジェット記録装置1においては、給紙トレイから用紙42が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙42はガイドで案内され、搬送ベルト51とカウンタローラとの間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイドで案内されて先端加圧コロで搬送ベルト51に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、後述する制御部のACバイアス供給部から帯電ローラに対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト51が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト51上に用紙42が給送されると、用紙42が搬送ベルト51に吸着され、搬送ベルト51の周回移動によって用紙42が副走査方向に搬送される。
そこで、キャリッジ33を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド34を駆動することにより、停止している用紙42にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙42を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙42の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙42を排紙トレイに排紙する。
また、印字(記録)待機中にはキャリッジ33は維持回復機構81側に移動されて、キャップ82で記録ヘッド34がキャッピングされて、ノズルを湿潤状態に保つことによりインク乾燥による吐出不良を防止する。また、キャップ82で記録ヘッド34をキャッピングした状態で図示しない吸引ポンプによってノズルから記録液を吸引し(「ノズル吸引」又は「ヘッド吸引」という。)し、増粘した記録液や気泡を排出する回復動作を行う。また、記録開始前、記録途中などに記録と関係しないインクを吐出する空吐出動作を行う。これによって、記録ヘッド34の安定した吐出性能を維持する。
図2を参照して、画像形成装置1の制御部の概要について説明する。この制御部は、この画像形成装置全体の制御を司る、本発明に係る判定手段及び供給動作を制御する手段などを兼ねたマイクロコンピュータで構成した主制御部301及び印刷制御を司るマイクロコンピュータで構成した印刷制御部302を備えている。
主制御部301は、通信回路29から入力される印刷処理の情報に基づいて用紙42に画像を形成するために、前述したように、主走査モータ22や副走査モータ27を主走査モータ駆動回路303及び副走査モータ駆動回路304を介して駆動制御するとともに、印刷制御部302に対して印刷用データを送出するなどの制御を行なう。
主制御部301には、キャリッジ33の位置を検出するキャリッジ位置検出回路305からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいてキャリッジ33の移動位置及び移動速度を制御する。キャリッジ位置検出回路305は、例えば、キャリッジ33の走査方向に配置されたエンコーダシートのスリット数を、キャリッジ33に搭載されたフォトセンサで読み取って計数することで、キャリッジ33の位置を検出する。主走査モータ駆動回路303は、主制御部301から入力されるキャリッジ移動量に応じて主走査モータ22を回転駆動させて、キャリッジ33を所定の位置に所定の速度で移動させる。
主制御部301には搬送ベルト51の移動量を検出する搬送量検出回路306からの検出信号が入力され、主制御部301はこの検出信号に基づいて搬送ベルト51の移動量及び移動速度を制御する。搬送量検出回路306は、例えば、搬送ローラ52の回転軸に取り付けられた回転エンコーダシートのスリット数を、フォトセンサで読み取って計数することで搬送量を検出する。副走査モータ駆動回路304は、主制御部301から入力される搬送量に応じて副走査モータ27を回転駆動させて、搬送ローラ52を回転駆動して搬送ベルト51を所定の位置に所定の速度で移動させる。
主制御部301は、給紙コロ駆動回路307に給紙コロ駆動指令を与えることによって給紙コロ43を一回転させる。主制御部301は、維持回復機構駆動用モータ駆動回路308を介してモータ191を回転駆動することにより、キャップ182(キャップ82)の昇降、ワイパーブレード183(ワイパーブレード83)の昇降を行なわせる。
主制御部301は、インク供給モータ駆動回路311を介して供給ユニット24のポンプを駆動するためのインク供給モータを駆動制御し、カートリッジ装填部4に装填されたインクカートリッジ10からサブタンク35に対してインクを補充供給する。
主制御部301には、サブタンク35が満タン状態にあることを検知するサブタンク満タンセンサ312からの検知信号、カートリッジ装填部4の前カバー6の開閉を検知するカートリッジカバーセンサ313からの検知信号などが入力される。
また、主制御部301は、カートリッジ通信回路314を通じて、カートリッジ装填部4に装着された各インクカートリッジ10に設けられる記憶手段である不揮発性メモリ115k、115c、115m、115yに記憶されている情報を取り込んで、所要の処理を行なって、本体記憶手段である不揮発性メモリ(例えば、EEPROM)315に格納保持する。
印刷制御部302は、主制御部301からの信号とキャリッジ位置検出回路305及び搬送量検出回路306などからのキャリッジ位置や搬送量に基づいて、記録ヘッド34(記録ヘッド134)の液滴を吐出させるための圧力発生手段を駆動するためのデータを生成して、ヘッド駆動回路310に与える。
ヘッド駆動回路310は、印刷制御部302からの印刷データに基づいて記録ヘッド34(記録ヘッド134)の圧力発生手段(ピエゾ型ヘッドであれば圧電素子)を駆動して、所要のノズルから液滴を吐出させる。
図3を用いて、画像形成装置1が備えるヘッドタンク35について説明する。ヘッドタンク35は、記録液であるインクを収容するインク収容部100を形成する容器本体(ケース本体)101に、インク収容部100の開口(ヘッドタンク35の一面)を封止する可撓性を有するフィルム状部材(可撓性フィルム状部材)を接着又は溶着などで貼り付け、更にインク収容部100内部にはケース本体101とフィルム状部材との間にフィルム状部材を外方に付勢するための弾性部材であるバネ(スプリング)103を設けている。
ここで、フィルム状部材は単層構成でもよいが、種類の異なる第1層と第2層とをラミネートした二層構成、例えばポリエチレンとナイロンのフィルム状部材をラミネートした構成としたり、第1層にシリカ蒸着層を形成した構成とすることができる。フィルム状部材を種類の異なる2層以上の構成とすることで、収容するインクに対する耐液性の向上を図れる。この場合、ポリエチレンとナイロンの積層構成とすることによって、インクに対する耐液性を確実に確保することができる。また、フィルム状部材にシリカ蒸着層を含むことでも収容するインクに対する耐液性の向上を図れる。
また、ケース101にはインク収容部100にインクを補充するためのインク導入路部111を設け、このインク導入路部111とインクカートリッジ10に接続された供給チューブ36とを接続するための連結手段112を着脱自在に装着できるようにしている。さらに、ケース101の下部にはインク収容部100から記録ヘッド34にインクを供給するための連結部材113を取り付け、この連結部材113には記録ヘッド34のインク供給路114を形成し、インク収容部100との間にはフィルタ115を介装している。
そして、ケース101の上部分にはインク収容部100から空気を出すための空気流路121を形成している。この空気流路121は、インク収容部100に開口が臨む入口流路部分122と、この入口流路部分122に続く流路部分123とを含み、下流側でケース101に設けた大気開放穴131に連通し、更に大気開放穴131よりも使用状態で下側になる部分に蓄積部126を連続して形成している。
この大気開放穴131にはヘッドタンク35内の密閉状態及び大気開放状態を切り替えるための大気開放手段である大気開放弁機構132を設けている。この大気開放弁機構132はホルダ133内に弁座134、弁体であるボール135及びこのボール135を弁座134側に付勢するスプリング136を収納して構成している。
また、ケース101の上部にはヘッドタンク35内の気体(空気)の量が所定量以上になったこと(又はインク残量が所定量以下になったこと)を検知するための2本の検知電極141、142を装着している。検知電極141、142がいずれもインクに浸されている状態と少なくとも一方がインクに浸されていない状態とで検知電極141、142間の導通状態が変化することによって気体の量(又はインクの量)を検知することができる。
ここで、画像形成装置1で用いることができるインク収容部は大きく分けて以下で説明する4つのタイプがあり、いずれも用いることができる。図4で示すように、負圧発生箇所と負圧発生手段の組み合わせによって、4つのタイプに分かれる。負圧発生箇所はインクタンクと「一体化している」か「分離している」かであり、負圧発生手段は負圧発生手段が「吸収体」か「バネなど取り付けられた袋」かである。以下、順に説明する。
(1)Aタイプ(負圧発生部分とタンクが分離/負圧発生は吸収体)
図5にAタイプの一例を示す。図5のインクタンクは、毛管力発生部材を収納する負圧発生部501と、インク510を収納する液体供給部502により構成されている。液体供給部502は気液交換通路503a、503bを介して負圧発生部501と結合する構成となっている。
負圧発生部501は、液体を吐出口から吐出して記録を行なう記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口504を有する筺体505と、筺体505の内部に収納されるポリプロピレンとポリエチレン等の混紡繊維により構成される毛管力発生部材506を備えている。
筺体505はさらに、内部に収納した毛管力発生部材506と外気とを連通させるための大気連通口507を備えており、この大気連通口507の近傍には筺体505内面から突出したリブにより形成されたバッファ空間508が設けられている。一方、液体供給部502は、筺体509内に直接インクを収容しており、負圧発生部501と接続し、インクを負圧発生部1に供給する。
(2)Bタイプ(負圧発生部分とタンクが一体型/負圧発生は吸収体)
図6にBタイプの一例を示す。図6のインクタンクは、Aタイプの負圧発生部と液体供給部が1つの筐体に含まれる構成をとる。毛管力発生部材を収納する負圧発生部601と、インク610を収納する液体供給部602により構成されており、液体供給部602は気液交換通路603を介して負圧発生部601と通じる構成となっている。
負圧発生部601は、液体を吐出口から吐出して記録を行なう記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口604を有し、筺体605の内部に収納されるポリプロピレンとポリエチレン等の混紡繊維により構成される毛管力発生部材606を備えている。筺体605はさらに、内部に収納した毛管力発生部材606と外気とを連通させるための大気連通口607を備えており、この大気連通口607の近傍には筺体605内面から突出したリブにより形成されたバッファ空間608が設けられている。一方、液体供給部602は、直接インクを収容しており、気液交換通路603を介してインクを負圧発生部601に供給する。
(3)Cタイプ(負圧発生部分とタンクが分離/負圧発生はバネ)
図7にCタイプの一例を示す。図7のインクタンクは、バネ703を収納する負圧発生部701と、インク710を収納する液体供給部702により構成されている。液体供給部702は液体供給路704を介して負圧発生部701と結合する構成となっている。
負圧発生部701は、液体を吐出口から吐出して記録を行なう記録ヘッド部等の外部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するインク供給口705を有する筺体706と、筺体706の内部に収納される負圧を発生するバネ703、インク710を収納する内袋707を備えている。筺体706はさらに、筐体内部と外気とを連通させるための大気連通口708が設けられている。一方、液体供給部702は、筺体709内に直接インクを収容しており、液体供給路704を介して負圧発生部701にインク710を供給する。
(4)Dタイプ(負圧発生部分とタンクが一体型/負圧発生はバネ)
図8にDタイプの一例を示す。図8のインクタンクは、筐体801、負圧を発生するバネ802、インク803を収納する液体収納袋804で構成される。
液体収納袋804は可撓性を有しており、内部に収納されたインクの導出に伴い変形可能である。インクが消費されると液体収納袋804は徐々につぶれた状態になっていくが、その際、バネ802によってつぶれが妨げられて、抗力が働く。そのため、液体収納袋804内に負圧が発生する。
筐体801はインク供給口805を備えており、さらに、筐体内部と外気とを連通させるための大気連通口806を備えている。液体収納袋804は、その内側から順に、耐インク性を有する接液層、弾性率支配層、ガスバリア性に優れたガスバリア層が積層された3重構造である。
本実施の形態においては、液体収納袋804を構成する最も内側の接液層の材質としてポリプロピレンあるいはポリエチレン、中間の弾性率支配層として環状オレフィンコポリマ、最も外側のガスバリア層の材質としてEVOH(EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体樹脂)のけん化物)が用いられている。ここで、弾性率支配層に機能性接着樹脂材料を含ませることで、互いの層間に接着層を特別に備える必要がないため、液体収納袋804の厚みを薄くすることができ、好ましい。
(本実施の形態に係る画像形成装置による処理例)
図14で示すように、画像形成装置1は、ヘッドタンク35、大気開放充填手段1401、空気流入検知手段1402、容易性判定手段1403、実行要否判定手段1404を有する。そして、画像形成装置1は、ホストPC等である情報処理装置2と通信ネットワークを介して接続されている。また、本実施の形態においては、画像形成装置1と情報処理装置2とを含めて画像形成システムという。そして、情報処理装置2において、以下で説明する処理を実行するか否かの選択を行うことができる形態であっても良い。例えば、情報処理装置(ホストPC)2のプリンタドライバ画面からチェックボックスやプルダウンメニュー等を用いて、以下で説明する大気開放充填の有効性判断を選択可能な構成が考えられる。
図9はエア検知時の大気開放充填実行判定制御のフローチャートである。図9を用いて、エア検知時の大気開放充填実行判定制御について説明する。S901で空気流入検知手段1402が、ヘッドタンク35内に空気が混入しているかを確認し、空気が混入されている場合、S902以降で大気開放充填低減機能が有効かどうかを判定する。
S901におけるエア検知の方法としては、図3に示す2本の検知電極141、142を用いる。インクは電導性を持っており、検知電極141と142の所までインクが到達すると、検知電極141と142間に電流が流れて両者の抵抗値が変化するため、インク液面高さが所定高さ以下になった、すなわち、サブタンク35の空気量が所定量以上になったことを検出することができる。エア検知の回数などを記憶する記憶手段として、装置電源遮断時でも記憶状態を保持できるメモリ、例えば図2に示すEEPROM315やバッテリバックアップRAMやNVRAMなどの書換え可能な記憶手段(メモリ)を使用する。
S902における大気開放充填低減機能の有効性判定処理については、後で、図10乃至12、17乃至21を用いて詳述する。S903で容易性判定手段1403により大気開放充填低減機能が有効であると判定された場合(S903でYes)、S904で実行要否判定手段1404が大気開放充填の要否判定を行い、実行要否判定手段1404により大気開放充填が必要と判定された場合(S905でYes)、S906で大気開放充填手段1401が大気開放充填を実行する。
(1)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その1)(S902における処理)
大気開放充填低減機能の有効性判定(S902)において、容易性判定手段1403は、無条件に低減機能を有効と判定する。こうすることにより、必要最小限な回数だけ大気開放充填(大気開放充填手段1401による動作)を行うため、余分な負圧再形成によるインク消費を抑えることができる。
(2)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その2)(S902における処理)
図10は、大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。空気流入検知手段1402によりヘッドタンク35内に空気が混入された回数をヘッドタンク35毎に不揮発性メモリ等に記録しておき、再びヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S1001で容易性判定手段1403が、その回数を取得する。
そして、その空気検知頻度が所定の閾値以上であれば(S1002でYes)、S1003で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S1003で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、エア検知頻度が高いときに大気開放充填低減機能を有効にする(空気流入が起こり易くなっていると判定する)のは、ヘッドタンク35の初期不良もしくは経時劣化により、ヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていることが考えられるため、大気開放充填低減機能を有効にしなければ、大気開放充填を頻繁に行うこととなり、インクの消費が著しく多くなるためである。
(3)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その3)(S902における処理)
図11は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。プリンタ本体1が稼動を開始した日時をヘッドタンク35毎に不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S1101で容易性判定手段1403が、現在の日時から本体稼動時間を計算する。
そして、本体稼動時間が所定の閾値以上であれば(S1102でYes)、S1103で容易性判定手段1403が大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S1103で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、本体稼動時間が高いときに大気開放充填低減機能を有効にする(空気流入が起こり易くなっていると判定する)のは、本体の長期稼動を原因とするヘッドタンク35の経時劣化により、ヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていることが考えられるため、大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑える。
(4)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その4)(S902における処理)
図12は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。ヘッドタンク35内に供給された累積インク量をヘッドタンク35毎に不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S1201で容易性判定手段1403が、その累積インク供給量を取得する。
そして、累積インク供給量が所定の閾値以上であれば(S1202でYes)、S1203で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S1203で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、累積インク供給量が多いときに大気開放充填低減機能を有効にする(空気流入が起こり易くなっていると判定する)のは、数多くのインク供給によりヘッドタンク35のインク収納袋の収縮が繰り返され、シール性が劣化することにより、ヘッドタンク35内に空気が流入し易くなっていることが考えられるため、大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑える。
(5)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その5)(S902における処理)
図17は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。ヘッドタンク35内にインクを供給した回数の累積値である累積供給回数をヘッドタンク35毎に不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S1701で容易性判定手段1403が、その累積供給回数を取得する。
そして、累積供給回数が所定の閾値以上であれば(S1702でYes)、S1703で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S1703で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、累積供給回数が多いときに大気開放充填低減機能を有効にするのは、数多くのインク供給によりヘッドタンクのインク収納袋の収縮が繰り返され、シール性が劣化することにより、ヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていると考えられるからである。そのため、大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑えることが出来る。
(6)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その6)(S902における処理)
図18は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。画像形成装置1が推奨使用環境外の状態に置かれていた時間の累積値である推奨外累積時間を不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S1801で容易性判定手段1403が、その推奨外累積時間を取得する。
そして、推奨外累積時間が所定の閾値以上であれば(S1802でYes)、S1803で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S1803で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、推奨外累積時間が多いときに大気開放充填低減機能を有効にするのは、プリンタ本体が推奨使用環境外の状態に長時間あったことでヘッドタンクのインク収納袋が劣化し、シール性が低下することによりヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていると考えられるからである。そのため、大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑えることが出来る。
また、上記の推奨使用環境の一例として、温度が15乃至25℃、湿度が30乃至70%の範囲とすることが考えられ、推奨使用環境外とはそれ以外の範囲である。当該推奨使用環境は、温度・湿度のどちらか一方を使用して規定する形態であっても良く、また、これらとは別の指標を使用して規定する形態であっても良い。
(7)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その7)(S902における処理)
図19は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。画像形成装置1の電源がONされた回数の累積値である電源ON累積回数を不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S1901で容易性判定手段1403が、その電源ON累積回数を取得する。
そして、電源ON累積回数が所定の閾値以上であれば(S1902でYes)、S1903で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S1903で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、電源ON回数が多いときに大気開放充填低減機能を有効にするのは、電源ON時には、印刷を受け付ける前にキャリッジの走査線上に異物がないかを検知するためにキャリッジが走査線上を1往復するが、そのとき、キャリッジに取り付けられているヘッドタンクとインク供給チューブのつなぎ目に応力が掛かるため、数多く電源をONにすることで、ヘッドタンクと供給チューブのつなぎ目のシール性が劣化し、ヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていると考えられるためである。そのため、電源ONの回数が閾値以上である場合に大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑えることが出来る。
(8)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その8)(S902における処理)
図20は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。キャリッジ33が走査線上を走査した回数の累計である走査累計回数を不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S2001で容易性判定手段1403が、その走査累計回数を取得する。
そして、走査累計回数が所定の閾値以上であれば(S2002でYes)、S2003で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S2003で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、走査回数が多いときに大気開放充填低減機能を有効にするのは、キャリッジが走査線上を走査するとき、ヘッドタンクと供給チューブのつなぎ目に応力が掛かるため、数多くの走査によりヘッドタンクと供給チューブのつなぎ目のシール性が劣化し、ヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていると考えられるためである。そのため、キャリッジの走査回数が閾値以上である場合に大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑えることが出来る。
(9)大気開放充填低減機能の有効性判定処理(その9)(S902における処理)
図21は、別形態の大気開放充填低減機能の有効性を判定するフローチャートである。画像形成装置1の電源がON状態になっていた時間の累計である累積経過時間を不揮発性メモリ等に記録しておき、ヘッドタンク35内に空気が検知された場合、S2101で容易性判定手段1403が、その累積経過時間を取得する。
そして、累積経過時間が所定の閾値以上であれば(S2102でYes)、S2103で容易性判定手段1403が、大気開放充填低減機能を有効と判定する。つまり、S2103で容易性判定手段1403は、ヘッドタンク35内に空気流入が起こり易くなっていると判定する。
ここで、電源ONの累積経過時間が多いときに大気開放充填低減機能を有効にするのは、本体の長期稼動を原因とするヘッドタンクの経時劣化により、ヘッドタンク内に空気が流入し易くなっていると考えられるである。そのため、大気開放充填低減機能を有効にすることで、今後起こり得る空気混入による大気開放充填の頻発化を予防し、インクの消費を抑えることが出来る。
(10)大気開放充填要否判定処理(S904における処理)
図13は、画像形成装置1による大気開放充填低減制御のフローチャートである。はじめに、S1301で実行要否判定手段1404が、前回実行した負圧再形成の成功可否を判定する。この処理は、前回の大気開放充填動作実行中に本体カバー開等のエラーが発生した場合は、負圧回復動作の中断により、ヘッドタンク内の負圧が正常に形成されている保証がないため、無条件に大気開放充填を必要と判定するというフェイルセーフの意味合いを持つ。
前回の負圧再形成が正常に行われていた場合(S1301でYes)、次に、S1302で実行要否判定手段1404が、ヘッドタンク35内のインク液面位置を判定する。これは、エア検知後、無条件に大気開放充填を実施しないとなると、ヘッドタンク35はエアリークしているが、エア混入量がインク消費量と同等又はそれ以下である場合、ヘッドタンク35内は負圧を保ちつつ液面が低下することとなる。このような状態が長く続くと、液面が徐々に低下し、ヘッドタンク35内のインク枯渇、液面低下の影響によるヘッドクリーニング成功率の低下が懸念されるため、液面の高さを判定し、液面の高さが低くなっているようであれば大気開放充填を実行する。例えば、液面の高さはエア検知時の判定にて、スローリークが開始したと考えられる日からの経過日数で管理することが考えられる。つまり、スローリークが開始したと考えられる日(空気流入検知手段1402によるエア検知開始日)より所定の日数(例えば、15日間)が経過しているとき、液面を正常値に戻すため、大気開放充填が必要と判定する。
液面の低下がないと判定された場合(S1302でYes)、次に、S1303で実行要否判定手段1404が、前回の大気開放充填時の湿度と現在の湿度との差が所定の範囲内であるかを確認する。これは、湿度の上昇下降により、ヘッドタンク35のフィルムが膨潤し、その影響でフィラーの絶対位置が変化することが確認されているためである。
ここで、ヘッドタンク制御では、ヘッドタンク35へのインク充填時には、負圧形成後に学習したフィラー位置に達するまでインクを充填するため、湿度差が大きいとインク過充填によるインク漏れ等の副作用が発生する可能性が考えられる。例えば、高湿環境で負圧形成後にフィラー位置を学習した後、低湿環境でインクを充填すると低湿によりフィラーが開き難くなるため、フィラー学習位置に達するまでにインクが過充填され、インク漏れが発生する可能性がある。そのため、本制御では、前回大気開放充填実行時の湿度より30%以上湿度が低下している場合、実行要否判定手段1404はフィラー位置を学習し直すために大気開放充填が必要と判定する。
湿度差が所定の範囲内であると判定された場合(S1303でYes)、次に、S1304で実行要否判定手段1404が、ヘッドタンク35内に負圧が形成されているかを判定する。ヘッドタンク制御では、ヘッドタンク35に取り付けられたフィラーの位置でタンク35内の負圧状態を把握する。フィラーはインクが消費されるとヘッドタンク35の内側に移動し、インクが充填またはタンク35内に空気が混入するとヘッドタンク35の外側に移動する。そのため、実行要否判定手段1404は、フィラーの絶対位置が狙いの位置よりもヘッドタンク35の内側である場合は負圧正常でるため大気開放充填は不要と判定し、フィラーの絶対位置が狙いの位置よりヘッドタンク35の外側である場合は負圧異常であるため大気開放充填を必要と判定する。
ここで、サブタンク35の一例について図15及び図16を参照して説明する。なお、図15はサブタンク35の1つのヘッド分の模式的上面説明図であり、図4はサブタンク35の1つのヘッド分の模式的正面説明図である。
サブタンク35は、インクを保持するための一側部が開口したタンクケース1501を有し、このタンクケース1501の開口部は可撓性フィルム1503で密閉し、タンクケース1501内に配置した弾性部材としてバネ1504によってフィルム1503を常時外方へ付勢している。これにより、タンクケース1501のフィルム1503がバネ1504によって外方への付勢力が作用しているので、タンクケース1501内のインク残量が減少することによって負圧が発生する。
また、タンクケース1501の外側には、一端部を揺動可能に支持されたフィラーからなる変位部材1505がフィルム1503に接着などで固定され、フィルム1503の動きに連動して変位部材1505が変位するので、装置1本体側に配置された光学センサ1506によって変位部材1505の変位量を検知することによりサブタンク35内のインク残量などを検知することができる。
また、ヘッドタンク35は記録ヘッド34の上部にあるため、タンク内が正圧だとタンク下部の記録ヘッドへインクが漏れてしまう。そのため、タンク内を負圧にさせることで、インク漏れを防いでいる。
(総括)
本発明を実施する形態については、上記処理例で説明した各処理を、画像形成装置1に実行させるための画像形成プログラムとして実施する形態であっても良い。また、本発明を実施する別の形態として、当該画像形成プログラムを記録した記録媒体を画像形成装置1に読み取らせ、読み取らせた画像形成プログラムを画像形成装置1に実行させても良い。
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲において、種々の変形・変更が可能である。
1 画像形成装置
35 ヘッドタンク
1401 大気開放充填手段
1402 空気流入検知手段
1403 容易性判定手段
1404 実行要否判定手段
特開2007−015153号公報

Claims (11)

  1. キャリッジ上の記録ヘッドに供給するための印刷用インクを充填するヘッドタンクを備える画像形成装置であって、
    前記ヘッドタンク内を大気開放し、該ヘッドタンクに前記インクを充填すると共に、該ヘッドタンク内の負圧形成を行う大気開放充填手段と、
    前記ヘッドタンク内に空気が流入したことを検知する空気流入検知手段と、
    前記空気流入検知手段により前記空気の流入が検知された場合、所定時点を基準に、当該画像形成装置の状態を計測した結果に基づいて、前記ヘッドタンク内に空気の流入が起こり易くなっているか否かの判定を行う容易性判定手段と、
    前記容易性判定手段により前記空気の流入が起こり易くなっていると判定された場合、前記大気開放充填手段による前記負圧形成動作の成否、前記ヘッドタンク内における液面の高さ、当該画像形成装置周辺の湿度、および該ヘッドタンク内の圧力に基づいて、前記大気開放充填手段による動作を実行させるか否かを判定する実行要否判定手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記実行要否判定手段は、前記大気開放充填手段による前記負圧形成動作が成功しなかったこと、前記空気流入検知手段により前記空気の流入が検知されてからの経過時間が所定時間以上となったこと、前記大気開放充填手段による前記負圧形成動作時の前記湿度に比し、該湿度が所定値以上に低下していること、および前記ヘッドタンク内の圧力が負圧ではないことのうち何れか1つの状態を検知された場合に、前記大気開放充填手段による動作を実行させる旨の判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記容易性判定手段は、前記空気流入検知手段による検知の頻度が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記容易性判定手段は、当該画像形成装置が動作を開始してからの経過時間が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一に記載の画像形成装置。
  5. 前記容易性判定手段は、前記ヘッドタンクに供給された前記インクの量が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一に記載の画像形成装置。
  6. 前記容易性判定手段は、前記ヘッドタンクに前記インクが供給された回数の累計が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一に記載の画像形成装置。
  7. 前記容易性判定手段は、当該画像形成装置が推奨使用環境外の状態になった時間の累計が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一に記載の画像形成装置。
  8. 前記容易性判定手段は、当該画像形成装置の電源が入れられた回数の累計が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一に記載の画像形成装置。
  9. 前記容易性判定手段は、前記キャリッジが走査線上を走査した回数の累計が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一に記載の画像形成装置。
  10. 前記容易性判定手段は、当該画像形成装置の電源が入れられている時間の累計が所定の閾値以上となった場合に、前記空気の流入が起こり易くなっていると判定することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一に記載の画像形成装置。
  11. キャリッジ上の記録ヘッドに供給するための印刷用インクを充填するヘッドタンクを備える画像形成装置に、
    大気開放充填手段が、前記ヘッドタンク内を大気開放し、該ヘッドタンクに前記インクを充填すると共に、該ヘッドタンク内の負圧形成を行うステップと、
    空気流入検知手段が、前記ヘッドタンク内に空気が流入したことを検知するステップと、
    容易性判定手段が、前記空気流入検知手段により前記空気の流入が検知された場合、所定時点を基準に、前記画像形成装置の状態を計測した結果に基づいて、前記ヘッドタンク内に空気の流入が起こり易くなっているか否かの判定を行うステップと、
    実行要否判定手段が、前記容易性判定手段により前記空気の流入が起こり易くなっていると判定された場合、前記大気開放充填手段による前記負圧形成動作の成否、前記ヘッドタンク内における液面の高さ、当該画像形成装置周辺の湿度、および該ヘッドタンク内の圧力に基づいて、前記大気開放充填手段による動作を実行させるか否かを判定するステップと、を実行させるための画像形成プログラム。
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