JP5315772B2 - セキュリティフィルム - Google Patents
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この構成によれば、まず、レリーフ構造形成層が第1保護層および第2保護層によって挟持された構成を有することにより、レリーフ構造形成層により得られる光像が、水分、熱、異物等の外的要因により乱されることを防止できるため、耐久性に優れた表面レリーフ型ホログラムを得ることができる。
また、本発明のセキュリティフィルムにおいては、上記第1保護層および/または上記第2保護層と、レリーフ構造形成層との間にドライラミ用接着剤からなる接着剤層が形成される。このような接着剤層が形成されていることにより、第1保護層および第2保護層と、レリーフ構造形成層との密着性に優れたセキュリティフィルムを得ることができる。
また、上記レリーフ構造形成層は、ホログラム画像を全面に形成することが可能であるため、高い偽造防止効果を狙った設計が可能となる。
さらに、本発明のセキュリティフィルムにおいては、上記第1保護層と上記レリーフ構造形成層との間、および、上記第2保護層と上記レリーフ構造形成層との間の少なくとも一方に絵柄印刷層または隠蔽層として印刷を行い、ホログラムの隠蔽された部分と露出した部分を表現することで、部分的にホログラムを強調する効果が期待できる。
さらには、上記第1保護層と上記レリーフ構造形成層との間と上記第2保護層と上記レリーフ構造形成層との間の隠蔽箇所を変えることにより、ホログラム層が1層でありながら表裏で異なるホログラム画像を表現することが可能となる。
この構成によれば、例えば、本発明のセキュリティフィルムに熱が加わったとしても、熱膨張率に起因する第1保護層および第2保護層の変形を同程度にすることができるため、セキュリティフィルムのカールを抑えるとともに、レリーフ構造形成層により得られる光像が乱されることを防止することができる。
この構成によれば、例えば、本発明のセキュリティフィルムに外的張力が加わった際に、第1保護層と第2保護層とに生じる変形を同程度にすることができるため、上記外的張力によりレリーフ構造形成層により得られる光像が乱されることを防止できるという利点を有する。
この構成によれば、紙媒体の商品券や紙幣と同様の使用形態を想定した商品設計が可能となる。
この構成によれば、従来のプラスチックカードに近い使用形態を想定した商品設計が可能となる。
この構成によれば、反射層として例えばアルミニウム等の金属薄膜層をレリーフ構造形成層上に積層することにより、ホログラム画像を高輝度で表現できるだけでなく、隠蔽層としての機能も持たせることができる。これにより、例えば、第1保護層とレリーフ構造形成層の間に絵柄印刷層があった場合に、第2保護層側から見たときにこの絵柄印刷層を隠蔽することができる。
この構成によれば、反射層として硫化亜鉛等の透明薄膜層をレリーフ構造形成層上に積層することで、高輝度なホログラム画像を第1保護層側および第2保護層側の両方から観察することが可能となる。また、例えば、透明薄膜層と第2保護層の間に絵柄印刷層を設けることで、第1保護層側から見たときに、絵柄印刷層の上にホログラムが浮かび上がっているような視覚効果を持たせることが可能となる。
本発明のセキュリティフィルムは、単独の製品の形態をとることができるだけでなく、例えば有価証券、カード類、純正品の証明が必要なパッケージ等に貼付や漉き込みを行うことも可能である。この場合においては、本発明のセキュリティフィルムはステッカー、スレッドの形態をとる。
とくに本発明では、保護層の内側に絵柄印刷を行うことで、デザイン上、印刷・窓部の大きさ・形状・位置を自由に選択することにより、種々のデザインに対応することが可能となる。また、印刷を行うことで、ホログラム画像のみに頼っていた偽造防止効果に、デザイン上の複雑性、さらに印刷自体による偽造防止効果が加わるので、より一層偽造が困難となる。
以下、図3の構造を有するセキュリティフィルムを例として説明する。なお、本発明は図3の構造に限定されず、例えば絵柄印刷層または隠蔽層は、第1保護層100側または第2保護層106側のいずれか一方であってもよい。また、接着剤層は、第1保護層100側および第2保護層106側の両方に設けてもよい。また、絵柄印刷層または隠蔽層、反射層は、レリーフ構造層102に対し、部分的に形成してもよい。
まず、本発明に用いられる第1保護層100および第2保護層106について説明する。本発明に用いられる第1保護層100および第2保護層106は、レリーフ構造形成層102を挟持するように配置されることにより、上記レリーフ構造形成層102により得られる光像が、外的要因により乱されることを防止する保護機能を有するものである。本発明の第1保護層100および第2保護層106の適切な材料の実例としては、ポリエチレンテレフタレート(ポリエステル)、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、または酢酸セルロースフィルムが挙げられる。
また、第1保護層100および第2保護層106に用いられる樹脂材料は同一であることが好ましく、例えば、本発明のセキュリティフィルムに熱が加わったとしても、熱膨張率に起因する第1保護層100および第2保護層106の変形を同程度にすることができるため、セキュリティフィルムのカールを抑えるとともに、レリーフ構造形成層102により得られる光像が乱されることを防止することができる。
本発明に用いられるレリーフ構造形成層102は、熱エンボス成形により表面レリーフを記録することが可能であり、かつ、本発明の表面レリーフ型ホログラムの使用環境において、光像が消失しない程度の耐熱性等を有するものであれば特に限定されない。レリーフ構造形成層102の少なくとも一方の面上には、回折格子領域もしくはホログラム領域が形成されている。複数の微細な凸部又は凹部が周期的に配置された領域が形成されていてもよい。これらの領域は複数形成されていてもよく、上記領域を有していない平滑な領域を含んでいてもよい。
本発明のセキュリティフィルムにおいては、上記第1保護層および/または上記第2保護層と、レリーフ構造形成層との間にドライラミ用接着剤からなる接着剤層が形成される。図3の例では、第2保護層106上に接着剤層105が形成されている。この接着剤層105が形成されていることにより、第2保護層106を形成する樹脂材料の種類に関わらず、第2保護層106と、レリーフ構造形成層102との密着性に優れたセキュリティフィルムを得ることができる。なお、第1保護層100側にも接着剤層を設ければ、セキュリティフィルム全体の密着性が優れる。
反射層103は成形の前または後に、レリーフ構造形成層102上にコーティングされる。反射層103をレリーフ構造形成層102上にコーティングすることで、ホログラムの鮮明度を低下させることなく接着剤を塗布することができる。
本発明における反射層103としては、例えば、アルミニウム、銀、金、錫、硫化亜鉛、二酸化チタンなどからなる金属層を使用することができる。或いは、反射層103として、レリーフ構造形成層102とは屈折率が異なる誘電体層を使用してもよい。或いは、反射層103として、隣り合うもの同士の屈折率が異なる誘電体層の積層体、即ち、誘電体多層膜を使用してもよい。なお、誘電体多層膜が含む誘電体層のうちレリーフ構造形成層102と接触しているものの屈折率は、レリーフ構造形成層102の屈折率とは異なっていることが望ましい。反射層103は、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法などの気相堆積法により形成することができる。
また、反射層103は、レリーフ構造形成層102の一部又は全部に被覆させてもよく、この反射層103の分布を用いて、例えば、この反射層103の存在する領域の輪郭を用いて、図柄を表現することもできる。
絵柄印刷層または隠蔽層は第1保護層とレリーフ構造形成層の間、および/または、反射層と接着剤層の間に形成される。絵柄印刷層と隠蔽層とは、別々に設けてもよい。図3の例では第1保護層100とレリーフ構造形成層102の間、および、反射層103と接着剤層105の間に絵柄印刷層または隠蔽層が形成されている。印刷方式としては、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷等、一般的な印刷方法を用いることが可能である。なお、絵柄印刷層とレリーフ構造形成層または反射層との間に隠蔽層を印刷することで、反射層からの光の反射や反対面からの透過光を遮蔽することができる。隠蔽層としては、絵柄印刷層同様、一般的な印刷方法を用いたベタ柄の印刷を行うことで成形できる。
図1は本発明によるセキュリティフィルム11の構成例を示す断面図である。図1に例示するように、第1保護層1と、上記第1保護層1上に部分的に形成された絵柄印刷層5および隠蔽層6と、上記隠蔽層6、上記絵柄印刷層5および上記第1保護層1上の全面に形成されたレリーフ構造形成層2と、上記レリーフ構造形成層2上に形成された金属薄膜層7と、上記金属薄膜層7上に形成された隠蔽層9および絵柄印刷層10と、上記絵柄印刷層10、上記隠蔽層9および上記金属薄膜層7上の全面に形成された接着剤層4と、上記接着剤層4上に形成された第2保護層3とからなるものである。この例において、上記第1保護層1と上記第2保護層3とは、同一の樹脂材料からなり、かつ、同一の厚みを有するものである。
図2は、本発明のセキュリティフィルムの他の例を示す概略断面図である。図2に例示するように、本発明のセキュリティフィルム12は、上記レリーフ構造形成層2上に、透明薄膜層8が形成されている。
2 … レリーフ構造形成層
3 … 第2保護層
4 … 接着剤層
5、10、19、20 … 絵柄印刷層
6、9 … 隠蔽層
7 … 金属薄膜層
8 … 透明薄膜層
11、12 … セキュリティフィルム
13〜18 … 窓部
100 … 第1保護層
101、104 … 絵柄印刷層または隠蔽層101
102 … レリーフ構造層
103 … 反射層
105 … 接着剤層
106 … 第2保護層
Claims (8)
- 樹脂材料からなる第1保護層と第2保護層の間にレリーフ構造形成層を有し、前記第1保護層と前記レリーフ構造形成層との間、および、前記第2保護層と前記レリーフ構造形成層との間の双方または少なくとも一方に、絵柄印刷層が形成され、かつ、前記第1保護層と前記レリーフ構造形成層との間、および、前記第2保護層と前記レリーフ構造形成層との間の双方または少なくとも一方に、ドライラミ用接着剤からなる接着剤層が形成されているセキュリティフィルムであって、
前記第1保護層と前記レリーフ構造形成層との間、および、前記第2保護層と前記レリーフ構造形成層との間には隠蔽層が形成され、
前記第1保護層と前記レリーフ構造形成層との間の隠蔽層は、その一部が欠落し前記第1保護層側から前記レリーフ構造形成層が視認可能であるとともに、前記第2保護層と前記レリーフ構造形成層との間の隠蔽層は、その一部が欠落し前記第2保護層側から前記レリーフ構造形成層が視認可能であり、かつ、
前記レリーフ構造形成層が一層のみ設けられている
ことを特徴とするセキュリティフィルム。 - 前記第1保護層に用いられる樹脂材料および前記第2保護層に用いられる樹脂材料が同一であることを特徴とする、請求項1に記載のセキュリティフィルム。
- 前記第1保護層および前記第2保護層の厚みが同一であることを特徴とする、請求項1または2に記載のセキュリティフィルム。
- 厚みが50μmから150μmの範囲内であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のセキュリティフィルム。
- 厚みが150μmから1mmの範囲内であり、かつ短辺寸法が58mm、長辺寸法が86mmの長方形の中に収めることが可能な大きさであることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のセキュリティフィルム。
- 前記レリーフ構造形成層の反射層として、前記レリーフ構造形成層の全面または一部に金属薄膜層が積層されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のセキュリティフィルム。
- 前記レリーフ構造形成層の反射層として、前記レリーフ構造形成層の全面または一部に透明薄膜層が積層されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のセキュリティフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のセキュリティフィルムを有する印刷物。
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