JP5315626B2 - 分離膜用不織布の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は分離膜用不織布およびその製造方法に関する。さらに詳しくは、不織布製造工程を増やすことなく、表裏で密度差があり、中心部に高密度部分がない不織布を製造することにより、片側に高透水性分離膜形成用ポリマー溶液を塗布しても過浸透や不浸透が生じず、高い透水性をもつ分離膜を製造可能な分離膜用不織布およびその製造方法に関する。
逆浸透膜、精密濾過膜や限外濾過膜などの分離膜は、食品工業や医療分野、用水製造、排水処理分野等をはじめとして様々な方面で利用されている。特に近年では、飲料水製造分野すなわち上水処理過程や海水淡水化による上水製造や、下廃水を処理する活性汚泥の中に膜を浸漬する下廃水処理分野においても分離膜が使われるようになってきている。その膜形状は中空糸状の膜や、不織布などの基材に膜形成素材を塗布した平膜の2種類に大きく分類される。海水淡水化などに使用する逆浸透膜は膜面積をより大きくするためにスパイラル型形状のエレメントにするため平膜が多い。一方、河川や湖水、地下水を濾過して飲料水を製造する上水分野においては濾過対象の濁度が比較的高いため、濾過の間に洗浄工程をいれて透過水量を回復させながら使用できる中空糸膜が多く使用されている。また、下廃水処理分野ではより高濃度の濁度が存在する活性汚泥の中に入れて使用されるため、膜間が詰まりにくい平膜を支持板に張り付けた形状で使用されることが多い。
平膜は、一般的に膜強度保持のために、ポリエステルやポリエチレンなどの高分子素材から形成される織物や不織布を基材(強度保持材)とし、その片側表面に分離膜形成用ポリマー液(キャスト液)を塗布し、相分離を利用して片面に分離機能層を形成させ、分離膜を製造している。
この際、キャスト液を基材中へ十分に浸透させることで分離膜と基材の接着性を向上できる。しかしながら、キャスト液を過剰に浸透させると基材裏面までキャスト液が到達する過浸透という現象が発生しやすくなる。基材裏面まで過浸透したキャスト液は、製膜装置を汚して後に製造される分離膜の欠点の原因となり、また分離膜の巻き取り時に隣接する分離膜の表面状態を悪化させて分離機能を低下させる原因となる。さらにはキャスト液の組成によってはエレメントもしくはモジュール作製の際、スパイラル型の場合においては分離膜同士の接着強度不足が発生し、支持板への貼付を行う場合では支持板と分離膜の接着強度が不足し、著しくエレメントもしくはモジュールの寿命を短くする。
これらの問題を解決する方法としては、キャスト液を塗布する基材として、短繊維を用いて粗度の大きい表層と緻密な構造の裏層とを有する2層構造の不織布を用いる発明が開示されている(特許文献1、2)。しかしながら、この方法ではキャスト液の浸透制御は可能であるが、短繊維を使用するため起毛が発生しやすく、これに起因するピンホールなどの分離膜表面の欠点が発生しやすくなる。よって分離膜用基材として用いるには分離膜の安定生産という点で不満足なものである。
また不織布を圧熱加工する際に裏側のホットロール温度を表側のホットロール温度より低くして、裏側表面から全厚さの50%までの領域の平均密度と表側表面から全厚さの50%までの領域の平均密度に差がある不織布を製造し、これを基材として用いる発明が開示されている(特許文献3)。しかしながらこの方法ではホットロールの温度が低温側の裏面において不織布を構成しているフィラメント同士の接着が不足し、起毛が発生しやすくなり、分離膜の巻き取り時に隣接する分離膜の表面状態を悪化させて分離機能を低下させる原因となる。さらにはキャスト液の組成によっては分離膜を支持板へ貼付する際に分離膜の繊維間接着強度が不足し、基材部分での剥離が発生しやすくなる。
また、両方の特質を備えるために密度の異なる基材を2枚以上張り合わせた不織布を基材として用いて過浸透と基材への浸透の両方を得ようとする方法が開示されている(特許文献4)。しかし、この方法を用いた場合では、2つの基材を張り合わせるため、張り合わせ境界部分の密度が高くなり過ぎて水の透過抵抗が上がり、特に高透水性膜製造用に適用した場合に膜の透過水量低減につながる。
特公平4−21526号公報 特開平11−347383号公報 特開2003−245530号公報 特公平5−35009号公報
本発明は、上記した従来技術における課題を解決せんとするものであり、断面方向の中心部に周辺より密度の高い部分が無く、表裏で密度差がある分離膜用不織布およびその製造方法を提供することである。
かかる課題を解決するため、本発明は以下の構成からなる
(1)スイング速度の異なるスピンブロックが2列以上、進行方向に対し垂直に並んでいるポリマー押出機を用い、スパンボンド法により分離膜用不織布を製造する方法であって、隣接するスピンブロック間でスイング速度比を1:0.2〜1:0.9とすることを特徴とする分離膜用不織布の製造方法
本発明によれば、密度の異なる2種類以上の不織布を張り合わせることなく1工程で表裏の密度の異なる不織布を得ることができるため、不織布中心部分に濾過水の透過を妨げるフィルム状部分がなく、キャスト液を塗布しても裏面への過浸透が発生しない分離膜用不織布を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の分離膜用不織布は、不織布の表側と裏側の密度が異なることを特徴としており、断面方向において片側表面から半分までの部分における密度(A)と、反対側表面から半分までの部分における密度(B)とが異なり、その比がA:B=1:0.90〜1:0.20の範囲に入るものである。さらには、不織布断面中心から両側にそれぞれ(不織布厚×25%)の範囲内に、前記密度(A)の2.0倍以上の密度をもつ高密度層部分も前記密度(B)の0.5倍以下の密度をもつ低密度層部分も実質的に存在しないことを特徴とする。また、不織布断面中心から両側にそれぞれ(不織布厚×10%)の範囲内の部分における密度(C)が、前記密度(A)未満かつ前記密度(B)以上であることが好ましい。
以下において、高い方の密度(A)をもつ部分をA側部分という。低い方の密度(B)をもつ部分をB側部分という。不織布断面中心から両側にそれぞれ(不織布厚×25%)の範囲内の部分を、C部分という。また、不織布断面中心から両側にそれぞれ(不織布厚×10%)の範囲内の部分を、中央層部分という。
A側部分の密度(A)は、A側部分全体における密度の平均値である。B側部分の密度(B)は、B側部分全体における密度の平均値である。また、中央層部分の密度(C)は、中央層部分全体における密度の平均値である。
A側部分の密度(A)に対するB側部分の密度(B)の比(B/A)の値が0.9より大きくなると、離膜形成用ポリマー溶液(キャスト液)をA側表面に塗布した際に裏面から水が進入する速度よりキャスト液浸透速度が勝り、過浸透が発生し易くなる。また、0.2未満の場合ではB側表面から水が進入する速度が速いため、キャスト液の不織布への含浸が不足するために分離膜が剥がれやすくなる。さらに、C部分に、前記密度(A)の2.0倍以上の密度をもつ高密度層部分が存在する場合では、分離膜用基布として用いて製造された分離膜において、分離機能層を通過した水の透過がその高密度層部分で妨げられるため、分離膜の運転圧力を必要以上に大きくしなければならない。また、高透水性能の分離膜機能層を形成してもその高密度層部分で水透過が妨げられるため、分離膜としては低透水性能となる。一方、C部分に、前記密度(B)の0.5倍以下の密度をもつ低密度層部分が存在する場合では、その低密度部分において剥離分断されやすくなり、分離膜支持体として適用できない。
ここで、前記密度(A)の2.0倍以上の密度をもつ高密度層部分(以下、緻密層部分という。)が実質的に存在しないことや、前記密度(B)の0.5倍以下の密度をもつ低密度層部分(以下、脆弱層部分という。)が実質的に存在しないことについては、次のように判定すればよい。
不織布の横断面試料を用いた密度分布の測定において、密度が最も高いと認められる高密度層部分を見つけ出し、その高密度層部分の密度が前記密度(A)の2.0倍以上である場合には、緻密層部分が実質的に存在すると判断する。また、上記同様の密度分布の測定において、密度が最も低いと認められる低密度層部分を見つけ出し、その低密度層部分の密度が前記密度(B)の0.5倍以下である場合には、脆弱層部分が実質的に存在すると判断する。なお、上記の緻密層部分や脆弱層部分は、不織布面方向に伸びる層状であるが、層が途切れた箇所があってもよいし、不織布面の全面にわたる層でなくともよい。
本発明の分離膜用不織布を構成する繊維は短繊維でも長繊維でも問題ないが、短繊維の場合では不織布強度が不足し易く、起毛が発生しやすいため長繊維不織布であることが好ましい。
その繊維形状は一般的に長繊維不織布で使用している芯鞘2重構造フィラメントであって、繊維断面は円形断面、星形、三角型、C型などの異形断面、中空糸などの繊維形状のいずれでもよい。芯部と鞘部の融点差は15℃以上が好ましい。15℃未満では不織布を熱融着させて拘束する際に芯部まで溶融する可能性があるため、不織布の強度を損なわれてしまう。また隙間を溶融した繊維で埋めてしまうため、透水性が大きく低下する。
本発明の不織布を構成する繊維の繊度は0.5〜100dtexが好ましい。0.5dtex未満の場合では曳糸性の低下による収率悪化が発生しやすくなる。100dtexより太くなると繊維の剛性が高くなり、分離膜用不織布として使用する際に起毛による欠点が発生しやすくなるので好ましくない。
本発明の分離膜用不織布を構成する繊維としては、ポリエステル系繊維、ポリオレフィン系繊維、ポリアミド系繊維など一般的な合成繊維を使用できるが、製造された分離膜を用いて膜ろ過運転を行った際に使用する塩酸、蓚酸、次亜塩素酸、水酸化ナトリウム希薄溶液などの薬品に対して耐久性があるポリエステル系繊維を使用することが好ましい。
本発明の不織布の密度は、不織布全体として0.0042〜0.12g/mの範囲内であることが好ましい。密度が0.0042g/m未満の場合ではキャスト液の過浸透が発生しやすい。0.12g/mより大きいと柔軟性が低下するので不織布の製膜が難しくなる。
本発明の不織布の厚さは70〜400μmが好ましい。70μm未満では厚みが薄過ぎるため、不織布の表裏面側に密度差を設けるのが難しい。また400μmより厚い不織布では、分離膜製造工程でキャスト液を塗布し、入水して凝固させる際に裏面からの水の進入が遅過ぎるため過浸透になりやすい。さらに原料使用量が増える為、不織布製造コストが高くなるため好ましくない。
本発明の分離膜用不織布を製造する方法としては、スパンボンド不織布製造装置により製造する方法を採ることが好ましいが、一度巻き取ったボビン、チーズから開繊してネットコンベア上に振り分ける方法によって製造してもよい。
スパンボンド不織布製造装置により製造する場合では、図1(概略斜視図)や図2(概略平面図)に示すように、スイング速度の異なるスピンブロックが2列以上進行方向に対し垂直に並んでいるポリマー押出機を用い、ネットコンベア上に吐出したポリマーを分配するスイング速度の比を1:0.2〜1:0.9とすることにより本発明の分離膜用不織布を製造することが出来る。ボビン、チーズからの開繊では開繊した繊維をネットコンベア上に振り分ける際のスイング比を1:0.2〜1:0.9にすることにより本発明の分離膜用不織布を製造することが出来る。
このようにスイング速度の比を上記範囲内とすることにより表側部分と裏側部分とで密度の異なる不織布を1工程で製造する事が出来る。スイング比が1:0.2未満の場合では吐出したポリマー液がスイング速度に追従できないため、不織布を製造するのが難しい。また、1:0.9より大きい場合では表裏の密度差が殆ど現れないため、本発明の分離膜用不織布を得ることが出来ない。
ネットコンベア上に堆積した長繊維群をホットロール、カレンダーロール等で繊維同士を熱融着させることにより本発明の分離膜用不織布を得ることが出来る。
本発明の分離膜用不織布を用いて分離膜を製造する際には、分離機能層を形成する樹脂を溶媒に溶解したキャスト液を調製した後、該キャスト液をスリットコーターなどで分離膜用不織布の密度の高い側(A側)の表面に基材幅よりやや短い幅に塗布し、所定の長さの空中走行部を通過させた後、凝固浴中に導いて凝固させることで得られる。かかる分離膜の表面の細孔を形成する方法としては、非溶媒相分離法、熱誘起相分離法、溶融抽出法などが好ましく用いられる。
ここで分離膜機能層を形成する樹脂としては、例えば、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエチレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素系樹脂など、一般的なポリマーを用いればよい。これらの樹脂を単独で使用してもよいし、酸化チタンやシリカなどの無機系添加物を0.01〜1%程度混合して用いてもよい。また、他のビニル化合物を共重合したものを用いてもよい。かかるビニル化合物としては、使用するポリマーに対して共重合性を有する公知の化合物であればよく特に限定されないが、たとえばポリアクリロニトリル系樹脂を使用する場合ではアクリル酸、イタコン酸、アクリル酸メチルなどが例示される。
上述のようにして製造された分離膜は、たとえば平膜エレメントとして使用される。エレメントの形式は内圧型、外圧型いずれでも良い。また、膜エレメントは使用するにしたがって膜が汚れ、圧力損失が高くなるため、エアーによるスクラビング洗浄や濾過水を用いた逆洗や薬洗が必要となるが、これらの洗浄は一般的に知られている方法で行えばよい。例えば、逆洗液としては、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素水などの薬剤を5〜5000ppm混合させた薬液が例示される。
[不織布の断面方向の密度の測定方法]
先ず不織布を染色した。染料はDispers Red 60を使用し、染色条件は120℃×30分、浴比1:30で行った。染色後、表面に付着している余分な染料を落とすために還元洗浄を行った。還元洗浄後の不織布を横断面で1mm厚に切断して試料とした。この試料の上部にカバーガラスとして擦りガラスをおいて試料下部から光を当て、透過する試料の色を限度見本表にて評価した。密度の限度見本は、予め密度の異なる7種類の短繊維不織布(0.003、0.007、0.01、0.03、0.07、0.12、0.15g/m)を染色したサンプルにより作製されたものである。
[分離膜の透水性能]
逆浸透膜処理水を25℃で1.5mの水位差を駆動力に小型モジュール(膜ろ過面積6cmの分離膜が設置されている。)に送液し、一定時間の透過水量を測定した。得られた透過水量の値を、100kPa当たりに換算して透水性能の値とした。なお、透水性能は、ポンプ等で一定の圧力に加圧して得た透過水量の値を100kPa当たりに換算して求めてもよい。水温についても、25℃以外で測定し、評価液体の粘性から25℃での値に換算してもよい。
<実施例1>
平行に隣接する2スピンブロックを持つスパンボンド不織布製造装置を用いてスピンブロックのスイング比1:0.3で不織布を作製した。構成する繊維には、芯鞘2重構造の口金から吐出し、鞘部に低融点ポリエステル(融点200℃)、芯部に高融点ポリエステル(融点250℃)のポリエステルを使用する芯鞘複合ポリエステル長繊維を用いた。得られた長繊維不織布の密度を測定して、A側部分の密度(A)、B側部分の密度(B)、中央層部分の密度(C)を求めたところ、高密度側のA側部分の密度(A)は0.04g/m、低密度側のB側部分の密度(B)は0.02g/mであり、AとBとの比がA:B=1:0.5であった。また、C部分に緻密層部分も脆弱層部分も存在しなかった。中央層部分の密度(C)は0.024g/mと(A)値の0.6倍、(B)値の1.2倍であった。不織布の厚さは220μmであった。
分離膜製造に用いるキャスト液として、アクリロニトリル100モル%、極限粘度(ジメチルスルホキシド中)=3.2の重合体をジメチルスルホキシド中で重合し、さらに希釈して製造された重合体濃度2.0%のポリマー原液を使用した。ナイフコーターの幅0.25m、クリアランス0.3mm、凝固浴として純水を用いて、不織布の上にキャスト液を塗布し、次いで相分離を生じさせる方法により分離膜を製造した。
得られた分離膜は、分離機能層の膜厚120μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、基材(不織布)とキャスト液層の剥がれが無く基材中心部までキャスト液が含浸していた。この分離膜の透水性能は33×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は40N/cmであった。
<実施例2>
平行に隣接する2スピンブロックを持つスパンボンド不織布製造装置を用いてスピンブロックのスイング比1:0.7にした以外は実施例1と同様にしてスパンボンド長繊維不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の密度を測定して、A側部分の密度(A)、B側部分の密度(B)、中央層部分の密度(C)を求めたところ、高密度側のA側部分の密度(A)は0.04g/m、低密度側のB側部分の密度(B)は0.032g/mであり、AとBとの比がA:B=1:0.8であった。また、C部分に緻密層部分も脆弱層部分も存在しなかった。中央層部分の密度(C)は0.035g/mと(A)値の0.88倍、(B)値の1.09倍であった。不織布の厚さは320μmであった。
得られた不織布を基布に用いて実施例1と同様にして分離膜を製造した。得られた分離膜は、分離機能層の膜厚120μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、基材(不織布)とキャスト液層の剥がれが無く基材中心部までキャスト液が含浸していた。この分離膜の透水性能は30×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は41N/cmであった。
<実施例3>
実施例1と同様にして、厚さが222μmのスパンボンド長繊維不織布を製造した。得られた長繊維不織布の密度は、実施例1の場合と同様に、A側部分の密度(A)が0.04g/m、B側部分の密度(B)が0.02g/mであり、C部分に緻密層部分も脆弱層部分も存在しなかった。中央層部分の密度(C)が0.024g/mであった。
得られた長繊維不織布を基布とし、次のキャスト液を使用した以外は実施例1と同様にして分離膜を製造した。ポリフッ化ビニリデン/ポリエチレングリコール(分子量10000)/水/N−メチル−2−ピロリドン=15/3/2/80の組成を、溶解温度120℃、溶解時間60分で溶解した。溶解後、40℃まで冷却しキャスト液とした。 得られた分離膜は、分離機能層の膜厚120μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、基材(不織布)とキャスト液層の剥がれが無く基材中心部までキャスト液が含浸していた。この分離膜の透水性能は55×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は51N/cmであった
<比較例1>
平行に隣接する2スピンブロックを持つスパンボンド不織布製造装置を用いてスピンブロックのスイング比1:0.1にした以外は実施例1と同様にしてスパンボンド長繊維不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の密度を測定して、A側部分の密度(A)、B側部分の密度(B)、中央層部分の密度(C)を求めたところ、高密度側のA側部分の密度(A)は0.04g/m、低密度側のB側部分の密度(B)は0.004g/mであり、AとBとの比がA:B=1:0.10であった。また、中央のC部分に緻密層部分も脆弱層部分も存在しなかった。中央層部分の密度(C)は0.036g/mと(A)値の0.90倍、(B)値の9倍であった。不織布の厚さは212μmであった。
得られた不織布を基布に用いて実施例1と同様にして分離膜を製造した。得られた分離膜は、分離機能層の膜厚120μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されていたが、キャスト液層は基材(不織布)の表層部のみに存在し基材内には殆ど含浸してなく非常に剥がれやすかった。この分離膜の透水性能は10×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は41N/cmであった。
<比較例2>
平行に隣接する2スピンブロックを持つスパンボンド不織布製造装置を用いてスピンブロックのスイング比1:0.95にした以外は実施例1と同様にしてスパンボンド長繊維不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の密度を測定して、A側部分の密度(A)、B側部分の密度(B)、中央層部分の密度(C)を求めたところ、高密度側のA側部分の密度(A)は0.04g/m、低密度側のB側部分の密度(B)は0.039g/mであり、AとBの比がA:B=1:0.975であった。不織布の厚さは220μmであった。また、中央のC部分に緻密層部分も脆弱層部分も存在しなかった。中央層部分の密度(C)は0.0394g/mと(A)値の0.99倍、(B)値の1.01倍であった。
得られた不織布を基布に用いて実施例1と同様にして分離膜を製造した。得られた分離膜は、分離機能層の膜厚120μm、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、基材(不織布)の裏面までキャスト液層が浸透した過浸透状態であった。この分離膜の透水性能は12×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は45N/cmであった。
<比較例3>
平行に隣接する2スピンブロックを持つスパンボンド不織布製造装置を用いてスピンブロックのスイング比1:0.1にした以外は実施例3と同様にしてスパンボンド長繊維不織布を製造した。
得られた長繊維不織布の密度を測定して、A側部分の密度(A)、B側部分の密度(B)、中央層部分の密度(C)を求めたところ、高密度側のA側部分の密度(A)は0.04g/m、低密度側のB側部分の密度(B)は0.004g/mであり、AとBの比がA:B=1:0.10であった。また、中央のC部分に緻密層部分も脆弱層部分も存在しなかった。中央層部分の密度(C)は0.036g/mと(A)値の0.9倍、(B)値の9倍であり、不織布の厚さは212μmであった。
得られた不織布を基布に用いて実施例1と同様にして分離膜を製造した。得られた分離膜は、分離機能層の膜厚120μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、キャスト液層は基材(不織布)の裏面まで過浸透していた。この分離膜の透水性能は33×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は5N/cmであった。
<比較例4>
1スピンブロックからなるスパンボンド不織布を用いて、密度0.04g/m、膜厚200μmの不織布を作製した以外は実施例1と同様にして長繊維不織布を製造した。
得られた不織布を基布に用いて実施例3と同様にして分離膜を製造した。得られた分離膜は、分離機能層の膜厚125μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、キャスト液層は基材(不織布)の裏面まで過浸透していた。この分離膜の透水性能は25×10−9/m/sec/Pa、25℃であった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は5N/cmであった。
<比較例5>
鞘部に低融点ポリエステル(融点200℃)、芯部に高融点ポリエステル(融点250℃)のポリエステル繊維を使用する芯鞘複合ポリエステル長繊維を用いて製造された密度0.04g/m、膜厚100μmの長繊維不織布Aと、同じ芯鞘複合ポリエステル長繊維を用いて製造された密度0.02g/m、膜厚100μmの長繊維不織布Bとを、220℃で熱接着させて1枚の積層不織布を作製した。
得られた積層不織布の密度を測定したところ、長繊維不織布A側の密度(A)が0.04g/m、長繊維不織布B側の密度(B)が0.02g/mであり、AとBの比がA:B=1:0.5であった。また、C部分内である不織布断面中心部分に緻密層部分の存在が認められた。中央層部分の密度は0.08g/mと(A)値の2.0倍、(B)値の4倍と高かった。不織布の厚さは195μmであった。
この積層不織布を基布に用い、実施例3と同様のキャスト液を用いて分離膜を作製した。得られた分離膜は、分離機能層の膜厚125μmであり、表層部は0.01〜0.08μmの孔径の均一層で構成されており、キャスト液層は基材の中央部まで浸透していた。この膜の透水性能は15×10−9/m/sec/Pa、25℃と低いものであった。
この分離膜をABS製支持板にエポキシ接着剤(アラルダイド2020)で貼付を行った。剥離強度を測定したところ分離膜と支持板の剥離強度は45N/cmであった。
スイング速度の異なる2列のスピンブロックを備えたスパンボンド長繊維不織布製造工程を模式的に示す概略斜視図である。 図1の製造工程を模式的に示す概略平面図である。

Claims (1)

  1. スイング速度の異なるスピンブロックが2列以上、進行方向に対し垂直に並んでいるポリマー押出機を用い、スパンボンド法により分離膜用不織布を製造する方法であって、隣接するスピンブロック間でスイング速度比を1:0.2〜1:0.9とすることを特徴とする分離膜用不織布の製造方法。
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