以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
本実施形態に係るフレーム構造体Xは、図1及び図2に示すように、複数の支柱1と、隣接する支柱1の上端部間に配される横架材2とをフレーム状に組付け、これら支柱1及び横架材2によって囲まれた空間を作業空間として他の空間と仕切り得るものである。このフレーム構造体X(空間構成設備)は、図1に示す構成を単位モジュールとし、このような単位モジュールを複数連接することが可能なものである。
支柱1は、図1〜図4に示すように、概略円柱状をなす支柱本体11と、この支柱本体11の外方に取り付け可能な支柱用カバー12と、支柱本体11の下方に設けられる支柱用アジャスタ13とを備えたものである。
支柱本体11は、内壁111と、この内壁111の外方に離間して設けた外壁112と、これら内壁111及び外壁112を接続するリブ113とを備えた二重壁構造をなし、内壁111、外壁112、及びリブ113により区成される空洞11sを有する。さらに、外壁112には、空洞11sを外部に連通させるためのスリット11tを有する。このスリット11tは、所定間隔、本実施形態では45度又は略45度間隔で間欠的に設けている。また、このスリット11tから空洞11s内に配線などを挿入することによって、この空洞11sを配線挿通空間として使用可能にしている。支柱用カバー12は、支柱本体11の外壁112の外面と対向するカバー本体121と、このカバー本体121から内方に突出しスリット11tと係わり合い可能な係止部122とを備えたものである。なお、本実施形態では、図1に示すように、この支柱1を平面視矩形のコーナーに該当する箇所に起立姿勢で配置している。
横架材2は、図1及び図2に示すように、直線状に延出する長尺のものであり、本実施形態では押出し成形により形成している。この横架材2は、複数種類のオプション部材が取付可能なものであり、図5に示すように、複数種類のオプション部材のうち一又は複数のオプション部材を取り付けるための第1取付部21と、第1取付部21に対して上下方向に離間し、且つ複数種類のオプション部材のうち前記第1取付部21に取付可能なオプション部材とは異なる他のオプション部材を取り付けるための第2取付部22とを備え、第1取付部21を下端部側に位置付けた第1姿勢(P)と、第2取付部22を下端部側に位置付けた第2姿勢(Q)との間で上下反転可能なものである。なお、図5には第1姿勢(P)にある横架材2を示している。第1取付部21及び第2取付部22は横架材2の高さ方向中央部を挟んだ対称位置に設けられており、以下、各取付部(第1取付部21、第2取付部22)の説明において、横架材2の高さ方向中央部側を「基端部」側とし、その反対側(高さ方向中央部から離間した側)を「先端部」側としている。なお、図5は、図4におけるx―x線端面図であり、作図上ハッチを省略している。
第1取付部21は、横架材2の厚み方向に対向する一対の第1対向壁211と、これら各第1対向壁211のうち相互に向き合う内向面に設けられオプション部材の一部が係わり合う一対の係わり合い部212と、第1姿勢(P)において下方に開口する第1開口部213とを備えたものである。一対の係わり合い部212は、第1開口部213の開口縁、換言すれば各第1対向壁211の先端部よりも横架材2の高さ方向中央部側へ寄った位置から相寄る方向に突出したものである。本実施形態では、第1取付部21を構成する一対の第1対向壁211を利用して、後述する取付部材J1が挿入可能な取付部材挿入空間23を形成している。取付部材挿入空間23は、前記係わり合い部212よりもさらに横架材2の高さ方向中央部側へ寄った位置において第1対向壁211同士を接続する第1接続壁231と、第1接続壁231よりもさらに横架材2の高さ方向中央部側へ寄った位置において第1対向壁211同士を接続する第2接続壁232と、一対の第1対向壁211とによって区成された空間である。なお、第2接続壁232を、各第1対向壁211の基端部よりも第1開口部213側に寄った位置に設けている。換言すれば、各第1対向壁211の基端部を第2接続壁232よりも横架材2の高さ方向中央部側へ突出させている。
一方、第2取付部22は、横架材2の厚み方向に対向する一対の第2対向壁221と、これら各第2対向壁221間に形成されオプション部材の一部又は全部が収容可能な収容部222と、第1姿勢(P)において上方に開口する第2開口部223とを備えたものである。この第2開口部223の開口方向は、横架材2の高さ方向に沿って前記第1開口部213の開口方向と反対である。収容部222は、第2開口部223の開口縁、換言すれば各第2対向壁221の先端部よりも横架材2の高さ方向中央部側へ寄った位置から相寄る方向に突出した一対の突出壁222aと一対の第2対向壁221とによって囲まれた収容スペース222sを有するものである。本実施形態では、第2対向壁221の先端部から突出壁222aまでの離間寸法を、前記第1取付部21における第1対向壁211の先端部から係わり合い部212までの離間寸法よりも大きく設定している。すなわち、突出壁222aを、係わり合い部212よりも相対的に横架材2の高さ方向中央部側に寄った位置に設け、収容スペース222sの奥行き寸法を大きく設定している。また、本実施形態では、第2開口部223の開口縁、換言すれば各第2対向壁221の先端部に、第2開口部223の開口寸法を狭める方向に突出し、オプション部材の一部が当接又は近接する一対の当たり部221aを設けている。この第2取付部22を構成する一対の第2対向壁221を利用して、後述する取付部材J1が挿入可能な取付部材挿入空間24を形成している。この取付部材挿入空間24は前述した取付部材挿入空間23と同一のものである。つまり、取付部材挿入空間24は、前記突出壁222aよりもさらに横架材2の高さ方向中央部側へ寄った位置において第2対向壁221同士を接続する第1接続壁241と、第1接続壁241よりもさらに横架材2の高さ方向中央部側へ寄った位置において第2対向壁221同士を接続する第2接続壁242と、一対の第2対向壁221とによって区成された空間である。なお、第2接続壁242を、各第2対向壁221の基端部よりも第2開口部223側に寄った位置に設けている。換言すれば、各第2対向壁221の基端部を第2接続壁242よりも横架材2の高さ方向中央部側へ突出させている。
対をなす第1対向壁211間の離間寸法と、対をなす第2対向壁221間の離間寸法とは、相互に同一又は略同一であるとともに、第1対向壁211の高さ寸法と、第2対向壁221の高さ寸法とは、相互に同一又は略同一である。すなわち、第1対向壁211及び第2対向壁221は、外見上同一又は略同一である。
横架材2は、第1対向壁211と第2対向壁221との間にスリット25を形成し、第1取付部21及び第2取付部22に取付可能なオプション部材とはさらに異なるオプション部材を、その一部を前記スリット25内に挿入した状態で取付可能に構成している。本実施形態では、前記第2接続壁232と前記第2接続壁242とを対をなす連結壁26によって連結している。そして、各第1対向壁211と各第2対向壁221との間にそれぞれスリット25を形成し、この一対のスリット25を、横架材2の厚み方向に相反する方向に開口する凹溝の開口縁とみなした場合、各連結壁26は各凹溝の底壁とみなすことができる。スリット25は横架材2の長手方向全域又は略全域に亘って連続して形成されている。スリット25の開口高さ寸法、換言すれば第1対向壁211の基端部と第2対向壁221の基端部との離間寸法は横架材2の長手方向全域又は略全域に亘って同一又は略同一である。
本実施形態では、図1及び図2に示すように、4本の横架材2をそれぞれ隣接する支柱1の上端部間に設け、これら横架材2及び支柱1によって立方体状をなすフレーム構造体Xを構成し、このフレーム構造体X(空間構成設備)に囲まれた空間を作業空間として区画するようにしている。
支柱1と横架材2とは接続部Jを介して接続され、相互に拘束しあって自立性を確保している。
接続部Jは、図3及び図4等に示すように、横架材2の側端部に設けられ、支柱1に直接取り付けられる取付部材J1と、支柱1の内壁111に添接したナット部材J2と、取付部材J1を支柱1の内壁111及び外壁112を介してナット部材J2に緊締するための取付部材固定ボルトJ3とを備えたものである。
取付部材J1は、支柱1の外壁112に当接可能な当接部J11と、この当接部J11から横架材2の長手方向に突出させて設けてなり前記横架材2の各取付部材挿入空間23、24に挿入可能な一対の横架材支持部J12と、支柱1のスリット11tに嵌合して支柱1に対する取付部材J1の周方向の位置決めを行うための嵌合凸部J13とを有する。
横架材支持部J12には、取付部材固定ボルトJ3をナット部材J2に螺着させた状態で取付部材固定ボルトJ3の頭部を収納するねじ頭収納部J12aと、支柱1に向かうとともにこの取付部材J1の高さ方向中央に向かい傾斜する方向に取付部材固定ボルトJ3を螺進退可能にすべく該方向に延伸するボルト挿通孔J12bとを上下両側に設けている。本実施形態では、一対の横架材支持部J12を、それぞれ上下反転させた姿勢で各取付部材挿入空間23、24にそれぞれ挿入しているため、上下のボルト挿通孔J12bは、取付部材固定ボルトJ3の軸心を支柱1の外面の法線に対して線対称となす方向にそれぞれ延伸している。
嵌合凸部J13は、本実施形態では当接部J11の上下両端部から支柱1に向けて突出していて、上述したように、支柱1のスリット11tに嵌合して取付部材J1の支柱1の周方向の位置決めを行う。
そして、横架材2の第1接続壁231、第1接続壁241にそれぞれ設けたねじ挿通孔231a、241aから挿入した雄ねじJ14を、横架材支持部J12に形成した雌ねじ孔J12cにねじ込むことによって取付部材J1と横架材2とを一体的に取り付けている。
ナット部材J2は、支柱1の内壁111に添接させてなり取付部材固定ボルトJ3と螺合可能な雌ねじ孔J21aを有するナット部材本体J21と、このナット部材本体J21の上端から延伸して設けてなり、支柱1の内壁111の上端部に引っ掛けることが可能な係止爪J22とを具備する。前記雌ねじ孔J21aは、上下一対に設けている。
そして、取付部材J1のボルト挿通孔J12bに挿入した取付部材固定ボルトJ3の軸部をナット部材J2の雌ねじ孔J21aにねじ込むことにより、ナット部材J2の本体J21と支柱1の内壁111とが互いに圧着するとともに、取付部材J1の当接部J11と支柱1の外壁112とが互いに圧接し、取付部材固定ボルトJ3の締着が緩むのを抑制し、支柱1と横架材2とが強固に連結される。
しかして、本実施形態の横架材2は、前記第1取付部21を下端部側に位置付けた第1姿勢(P)と、前記第2取付部22を下端部側に位置付けた第2姿勢(Q)との間で上下反転可能なものであり、取り付けるオプション部材に応じて、第1姿勢(P)又は第2姿勢(Q)の何れかの姿勢で支柱1の上端部間に設けられる。
第1姿勢(P)で支柱1の上端部間に配された横架材2に取付可能なオプション部材としては、図6に示す可動パネル3が挙げられる。
可動パネル3は、可動パネル本体31と、可動パネル本体31の上端部に設けられ第1取付部21の係わり合い部212に係合可能な可動パネル取付具32と、可動パネル本体31の下端部に設けられ床面に接地可能なアジャスタ33とを備えたものである。本実施形態では、可動パネル本体31の上端部及び下端部にそれぞれ複数の可動パネル取付具32及びアジャスタ33を適宜の固定手段により一体的に固着している。
可動パネル取付具32は、概略円柱状をなし、外周面の一部に下方に向かって漸次径寸法を小さく設定したテーパ面32aを有する。可動パネル取付具32の先端部は部分球状をなし、この先端部近傍に第1取付部21の一対の係わり合い部212に引っ掛かり得る鍔部32bを設けている。
そして、可動パネル3を移動不能な状態にするには、アジャスタ33を調節して可動パネル本体31を上方へ移動させ、可動パネル取付具32のテーパ面32aをそれぞれ係わり合い部212の先端部に圧接させる。この際、テーパ面32a自体が弾性変形しながら各係わり合い部212の先端部に圧接することにより、テーパ面32aと係わり合い部212と間に大きな摩擦抵抗が生じ、この摩擦抵抗により、可動パネル取付具32、ひいては可動パネル3全体が横架材2の長手方向に沿ってスライド移動不能な状態となる。一方、可動パネル3をスライド移動させる場合には、アジャスタ33を調節して可動パネル本体31を下方へ移動させ、可動パネル取付具32のテーパ面32aと係わり合い部212との圧接状態を解除する。これにより、可動パネル取付具32、ひいては可動パネル3全体が横架材2の長手方向に沿ってスライド移動可能な状態となる。可動パネル取付具32、ひいては可動パネル3全体を横架材2の長手方向に沿ってスライド移動させる際、可動パネル取付具32の鍔部32bが係わり合い部212の上方又は係わり合い部212に接触した位置でこれら係わり合い部212を跨いだ状態となり、横架材2の長手方向全域又は略全域に亘って延伸するこれら一対の係わり合い部212が、オプション部材(可動パネル3)をスライド移動可能に支持するスライド移動案内部として機能する。また、鍔部32bが係わり合い部212を跨いだ状態で係わり合い部212の上方又は係わり合い部212に接触した位置に位置付けられるため、可動パネル3に対して起立姿勢を崩す方向に不意な外力が作用しても、鍔部32bが係わり合い部212に引っ掛かることによって可動パネル取付具32、ひいては可動パネル3全体が横架材2から抜け外れるという事態を回避することができる。なお、可動パネル3を横架材2に取り付ける際には、可動パネル3をある程度大きく傾斜させて可動パネル取付具32の鍔部32bを係わり合い部212の先端部同士の隙間に挿入しながら順次起立姿勢に近付けていくことにより行う。可動パネル3を第1取付部21に取り付けた状態において、可動パネル取付具32は、第1開口部213の開口縁よりも奥方(上方)であって、且つ第1対向壁211同士の間に位置付けられ、外部から視認し難い又は視認不能なものとなる。
可動パネル本体31として、図6に示すようなパネル面がフラットなものや、水平軸回りに回転可能な羽板状のルーバーを高さ方向に所定ピッチで有するもの(図示省略)、或いは収納ボックスや収納トレー等の収納具を所定高さ位置に設けたもの(図示省略)等、種々のタイプのものを適用しても構わない。
また、第1姿勢(P)で支柱1の上端部間に配された横架材2に取付可能なオプション部材としては、可動パネル3の他に、図7に示す簾状のスクリーン(以下「簾スクリーン4」と称す)や、図8に示すロールスクリーン5が挙げられる。
簾スクリーン4は、幕状の簾スクリーン本体41と、簾スクリーン本体41の上端部に設けられ第1取付部21の係わり合い部212に係合可能な簾スクリーン取付具42とを備えたものである。本実施形態では、簾スクリーン4を横架材2に取り付けた状態で簾スクリーン本体41の下端部が床面から所定距離離間するように簾スクリーン本体41の高さ寸法を設定している。簾スクリーン本体41の全幅に亘って簾スクリーン取付具42を設けている。
簾スクリーン取付具42は、押出し成形により形成された樹脂製のものであり、第1取付部21の対をなす係わり合い部212を跨ぎ、且つ対向する第1対向壁211の内向面に当接又は近接した状態で係わり合い部212に引っ掛け可能な下向き部分円弧状の引っ掛け部42aと、引っ掛け部42aの中央位置に設けられ簾スクリーン本体41の上端部に設けた掛け具41aを保持し得る保持部42bとを備えたものである。この簾スクリーン取付具42を第1取付部21に取り付けるには、簾スクリーン取付具42を第1開口部213の下方から上方に向かって押圧して、一対の係わり合い部212に下方から当たる過程で弾性変形させ、一対の係わり合い部212を乗り越えた時点で弾性復帰力により対向する第1対向壁211の内向面に当接又は近接した状態で係わり合い部212に引っ掛けることにより行う。簾スクリーン4を第1取付部21に取り付けた状態において、簾スクリーン取付具42は、第1開口部213の開口縁よりも奥方(上方)であって、且つ第1対向壁211同士の間に位置付けられ、外部から視認し難い又は視認不能なものとなる。
ロールスクリーン5は、ロールスクリーン本体51と、ロールスクリーン本体51に付属の専用取付金具52と、専用取付金具52に適宜の固定手段により一体的に取り付けられ且つ第1取付部21の係わり合い部212に係合可能なロールスクリーン取付具53とを備えたものである。本実施形態では、ロールスクリーン本体51の上端部に前記専用取付金具52を所定ピッチ離間させて設け、これら各専用取付金具52にそれぞれロールスクリーン取付具53を適宜の固定手段により一体的に固着している。
ロールスクリーン取付具53は、対をなす係わり合い部212の先端部同士の離間寸法より僅かに小さい径寸法を有する小径円柱部53aと、対をなす係わり合い部212の先端部同士の離間寸法より大きい径寸法を有し、対をなす係わり合い部212を上方から跨いだ状態で係わり合い部212に引っ掛け可能な大径円盤部53bとを一体に有するものである。このロールスクリーン取付具53を係わり合い部212の長手方向(横架材2の長手方向)に沿ってスライド移動させることにより、ロールスクリーン5全体が横架材2の長手方向にスライド移動させることが可能である。ロールスクリーン5を第1取付部21に取り付けた状態において、ロールスクリーン取付具52は、第1開口部213の開口縁よりも奥方(上方)であって、且つ第1対向壁211同士の間に位置付けられ、外部から視認し難い又は視認不能なものとなる。
また、図8に示すように、横架材2が第1姿勢(P)にある場合、上方に開口する第2開口部223を有する第2取付部22に、展開したロールスクリーン本体51を照らし得るスポットライトLを取り付けてもよい。スポットライトLは、第2取付部22の収容部222に載置した状態で収容されたスポットライト取付具L1と、スポットライト取付具L1から横架材2の厚み方向に向かって延伸し先端部を下方に向かって傾斜させたアーム部L2と、アーム部L2の先端部に設けたスポットライト本体L3とを備えたものである。スポットライト取付具L1は、ロールスクリーン本体51よりも幅寸法を小さく設定したものであり、このスポットライト取付具L1を収容部222に収容した状態(第1接続壁241に載置した状態)で一対の第2対向壁221にガイドさせながら横架材2の長手方向に沿ってスライド移動させることにより、スポットライトL全体が横架材2の長手方向にスライド移動させることが可能である。スポットライト本体L3は、展開したロールスクリーン本体51を照明する方向に向けられている。
一方、第2姿勢(Q)で支柱1の上端部間に配された横架材2に取付可能なオプション部材としては、図9〜図11に示す各種固定パネル(クリアパネル6、ホワイトボードパネル7、タッカブルパネル8)が挙げられる。
これら各種固定パネル(クリアパネル6、ホワイトボードパネル7、タッカブルパネル8)を横架材2に取り付けるに際しては、予め、支柱1の下端部間に下部横架材9を取り付けている。下部横架材9は、押出し成形により形成され、上方及び下方に向かって開口する上方開口部91及び下方開口部92を有する概略角筒状のものである。下部横架材9の厚み方向に対向する一対の対向壁93間の離間寸法を、第2対向壁221間の離間寸法と同一又は略同一に設定するとともに、本実施形態では、上方開口部91の開口縁、換言すれば各対向壁93の上端部に、上方開口部91の開口寸法を狭める方向に突出し、オプション部材の一部が当接又は近接する一対の当たり部93aを設けている。各当たり部93aの突出端部間の離間寸法を、第2取付部22の前記当たり部221aの突出端部間の離間寸法と同一又は略同一に設定している。下部横架材9は、各当たり部93aよりも下方に寄った位置に対向壁93同士を接続する接続壁94を備え、この接続壁94が、オプション部材(クリアパネル6、ホワイトボードパネル7、タッカブルパネル8)の下端部を載置した状態で支持する支持壁として機能する。なお、下部横架材9自体は、床面から離間した位置に配されるものであり、下部横架材9の下端部に所定ピッチで下部横架材用アジャスタ95を設けている。
各固定パネル(クリアパネル6、ホワイトボードパネル7、タッカブルパネル8)は、横架材2と下部横架材9との間に取付可能なものである。
クリアパネル6は、例えばアクリル樹脂製の薄型(例えば厚み寸法5mm)のクリアパネル本体61と、クリアパネル本体61の上端部及び下端部をそれぞれ挟持し且つ収容部222に収容可能な上下一対のクリアパネル取付具62とを備えたものである。各クリアパネル取付具62は、クリアパネル本体61の挟持可能な一対の挟持部62aと、対をなす当たり部221a(又は対をなす当たり部93a)に挟持される被挟持部62bとを備えたものである。このようなクリアパネル6を横架材2と下部横架材9との間に取り付ける作業は、先ず、クリアパネル6を所定角度傾斜させた状態で、上側のクリアパネル取付具62を第2取付部22の第2開口部223から収容部222内に収容させながら上方へ持ち上げつつ、クリアパネル6全体を徐々に起立姿勢に近付け、引き続き、下側のクリアパネル取付具62を下部横架材9の上方開口部91に上方から落とし込む一連の作業、いわゆるけんどん方式によって行う。このような作業により横架材2と下部横架材9との間にクリアパネル6を取り付けた状態において、各クリアパネル取付具62の被挟持部62bがそれぞれ対をなす当たり部221a又は対をなす当たり部93aに挟持されるため、クリアパネル6全体がガタツキの無い状態で横架材2と下部横架材9との間に保持される。また、クリアパネル取付具62の被挟持部62bに、対をなす当たり部221a又は対をなす当たり部93aに当接し、且つ第2開口部223に挿入する際又は上方開口部91に挿入する際に当たり部221a又は当たり部93aに添接し得る一対のガイド壁62cを設けている。
ホワイトボードパネル7は、例えば第2開口部223の開口縁における開口寸法、換言すれば対をなす当たり部221aの突出部同士間の離間寸法より若干小さい厚み寸法を有するホワイトボードパネル本体71を主体としてなり、前記けんどん方式によって横架材2と下部横架材9との間に取付可能なものである。横架材2と下部横架材9との間にホワイトボードパネル7を取り付けた状態において、ホワイトボードパネル本体71の上端部及び下端部がそれぞれ対をなす当たり部221a又は対をなす当たり部93aに挟持されるため、ホワイトボードパネル7全体がガタツキの無い状態で横架材2と下部横架材9との間に保持される。
タッカブルパネル8は、例えば第2開口部223の開口縁における開口寸法、換言すれば対をなす当たり部221aの突出部同士間の離間寸法より若干小さい厚み寸法を有するタッカブルパネル本体81を主体としてなり、前記けんどん方式によって横架材2と下部横架材9との間に取付可能なものである。横架材2と下部横架材9との間にタッカブルパネル8を取り付けた状態において、タッカブルパネル本体81の上端部及び下端部がそれぞれ対をなす当たり部221a又は対をなす当たり部93aに挟持されるため、タッカブルパネル8全体がガタツキの無い状態で横架材2と下部横架材9との間に保持される。なお、タッカブルパネル8とは、パネル面に資料やメモ等をピンで留めることが可能なパネルのことである。
さらに、第2姿勢(Q)で支柱1の上端部間に配された横架材2に取付可能なオプション部材としては、横架材2の長手方向に沿ってスライド移動可能な照明装置(図示省略)が挙げられる。この照明装置は、第2取付部22の収容部222に収容されるライティングレールと、ライティングレールに支持される照明本体とを備えたものが挙げられる。
しかして、本実施形態に係るフレーム構造体Xは、平面視平行又は略平行をなす横架材2間に、少なくとも平面視において当該フレーム構造体Xの作業空間を分割し得る中間フレームAを取付可能に構成している。具体的には、図12に示すように、横架材2の第1対向壁211と第2対向壁221との間に形成したスリット25を利用して、平面視において対向する横架材2同士の間に中間フレームAを取付可能に構成している。
中間フレームAは、押出し成形により形成した長尺の中間フレーム本体A1と、中間フレーム本体A1の両端部にそれぞれ設けた中間フレーム取付具A2とを備えたものである。中間フレーム本体A1は、概略四角筒状をなし、少なくとも下向面の厚み方向中央部に開口凹部A11を形成している。また、中間フレーム本体A1の高さ寸法を、横架材2の高さ寸法の半分より若干小さい寸法に設定している。中間フレーム取付具A2は、中間フレーム本体A1の側端面に一体的に設けられ、起立壁A211、起立壁A211の上端に形成した下向きL字状の上部引っ掛け部A212、及び起立壁A211の下端部近傍部位であって前記中間フレーム本体A1の開口凹部A11内に位置付けられるネジ軸A213とを有する中間フレーム第1取付具A21と、前記開口凹部A11内に収まる幅寸法及び高さ寸法に設定し、且つ幅中央部に高さ方向に延びる長孔A221aを形成した起立壁A221、及び起立壁A221の下端に形成した上向きL字状の下部引っ掛け部A222を有する中間フレーム第2取付具A22と、ネジ軸A213に螺合可能なナットA23とを備えたものである。
このような中間フレームAを横架材2のスリット25を利用して取り付ける手順を説明する。なお、中間フレームAは、スリット25及び第1対向壁211を利用して横架材2に取り付けることが可能であるとともに、スリット25及び第2対向壁221を利用して横架材2に取り付けることも可能である。図12では、スリット25及び第2対向壁221を利用して第1姿勢(P)にある横架材2の上半部側に中間フレームAを取り付けた態様を示しており、この場合の取付手順について説明する。
予め中間フレームAの開口凹部A11に位置付けられるネジ軸A213に長孔A221aを通し、中間フレーム第1取付具A21に中間フレーム第2取付具A22を高さ方向に移動自在な状態で支持させておく。そして、中間フレーム第1取付具A21の上部引っ掛け部A212を第2対向壁221の先端部に引っ掛け、次いで、スリット25に挿入した中間フレーム第2取付具A22の下部引っ掛け部A222を第2対向壁221の基端部に引っ掛かる位置までこの中間フレーム第2取付具A22を上方へ移動させる。この状態、つまり、上部引っ掛け部A212及び下部引っ掛け部A222をそれぞれ第2対向壁221の先端部及び基端部に引っ掛けた状態で、ネジ軸A213にナットA23を螺合させて締め付けることにより、中間フレーム第2取付具A22が中間フレーム第1取付具A21に対して移動不能に固定される。以上の手順により、中間フレームAを横架材2にガタツキの無い状態で取り付けることができる。なお、中間フレームAの開口凹部A11内において露出するナットA23及びネジ軸A213を図示しないキャップによって被覆しても構わない。
また、スリット25及び第1対向壁211を利用して第1姿勢(P)にある横架材2の下半部側に中間フレームAを取り付ける場合も上記手順に準じて行うことができ、スリット25に挿入した上部引っ掛け部A212を第1対向壁211の基端部に引っ掛けるとともに、下部引っ掛け部A222を第2対向壁221の先端部に引っ掛けた状態で、ネジ軸A213にナットA23を螺合させて締め付けることにより、中間フレームAを横架材2にガタツキの無い状態で取り付けることができる。
本実施形態に係るフレーム構造体Xは、それぞれに対向する二組の横架材2が相互に平面視平行又は略平行をなすように枠組みしたものであり、二組の横架材うち一方の組の横架材2間に一の中間フレームAを横架材2の上半部に取り付けるとともに、他方の組の横架材2間に他の中間フレームAを横架材2の下半部に取り付け、これら中間フレームAが作業空間内において平面視交差するようにしている。
対向する横架材2に架設した中間フレームAは、横架材2に対する取付位置を横架材2の長手方向に沿って変更可能に構成している。本実施形態では、前記ネジ軸A213と前記ナットA23とによる締付状態を解除することにより、中間フレーム第2取付具A22が下方に移動して下部引っ掛け部A222の引っ掛け状態も解除され、中間フレームAが横架材2の長手方向に沿ってスライド移動可能な状態となる。そして、使用態様やレイアウト変更等に応じて中間フレームAを横架材2の長手方向に沿って移動させ、所望の位置に到達させた時点で、下部引っ掛け部A222が引っ掛け状態となる位置まで中間フレーム第2取付具A22を上方に移動させて、ネジ軸A213とナットA23とを再度締め付けることにより、中間フレームAはスライド移動不能な状態となる。このように、中間フレームAの取付位置を変更可能に構成することにより、中間フレームAに照明装置や各種パネル等のオプション部材を取り付けた状態で中間フレームAをスライド移動させた場合には、照明装置や各種パネル等のオプション部材の配置位置も簡単に変更することができる。
もちろん、第2姿勢(Q)にある横架材2にも、スリット25を利用して中間フレームAを取り付けることが可能である。第2姿勢(Q)にある横架材2の上半部側に横架材2を取り付ける場合には、上部引っ掛け部A212を第1対向壁211の先端部に引っ掛けるとともに、スリット25に挿入した下部引っ掛け部A222を第1対向壁211の基端部に引っ掛ける態様となり、第2姿勢(Q)にある横架材2の下半部側に横架材2を取り付ける場合には、スリット25に挿入した上部引っ掛け部A212を第2対向壁221の基端部に引っ掛けるとともに、下部引っ掛け部A222を第2対向壁221の先端部に引っ掛ける態様となる。
このように、本実施形態に係るフレーム構造体Xは、平面視平行又は略平行をなす横架材2間に少なくとも平面視において作業空間を分割し得る中間フレームAを備え、中間フレームAの取付位置を横架材2の長手方向に沿って変更可能に構成しているため、中間フレームAによってフレーム構造体Xの基本となる単位モジュールの作業空間をさらに小分けすることが可能となるとともに、中間フレームAの取付位置を横架材2の長手方向に沿って変更することにより、作業空間を均等又は略均等に分割する態様や、作業空間を意図的に不均等に分割する態様を、作業空間の使用態様等に応じて選択することができ、作業空間内における種々のレイアウト変更にも柔軟に対応することができる。しかも、中間フレームAに各種パネルを取付可能に構成することにより、作業空間を平面的にではなく立体的に複数の空間に仕切ることができるとともに、中間フレームAに照明装置を取付可能に構成することにより、作業空間内にある照明対象物の位置を当該作業空間内で移動させた場合であっても、中間フレームAの取付位置を変更することによって、その照明対象物を照明するのに最適な位置に位置付けることができ、好適である。
特に、前記中間フレームAが、平面視平行又は略平行をなす前記横架材2間にスライド移動可能に取り付けられたものであれば、中間フレームAの取付位置をスライド移動可能な範囲内で自由に変更することができ、横架材2間から一旦取り外して所望の取付位置に再度取り付けるという手間が省け、取付位置変更時の作業をスムーズに行うことができる。
また、複数の横架材2を用いて平面視矩形状又は略矩形状に枠組みしたフレーム構造体Xとし、各横架材2が、高さ方向中央部を境とした上半部及び下半部にそれぞれ前記中間フレームAを取付可能に構成したものであり、平面視平行又は略平行な二組の横架材2のうち一方の組の横架材2間に一の前記中間フレームAを前記上半部に取り付けるとともに、他方の組の横架材2間に他の前記中間フレームAを前記下半部に取り付ければ、作業空間において一の中間フレームAと他の中間フレームAとを段違いに配置することが可能となり、2本の中間フレームAを用いて作業空間を4分割することができる。しかも、各中間フレームAの取付位置を変更することによって作業空間を均等又は略均等に4分割する態様や、作業空間を不均等な4つのスペースに分割する態様が採用でき、多様性に富むものとなる。さらに、横架材2の上半部に取り付けた中間フレームAの下向面が、横架材2の下向面よりも上方に位置するため、横架材2の上半部に取り付けた中間フレームAの下向面と床面との離間寸法が、横架材2の下向面と床面との離間寸法よりも大きくなり、作業空間内における有効高さを稼ぐことができる。
加えて、横架材2が、高さ方向中央部にスリット25を長手方向全域又は略全域に亘って形成したものであり、スリット25を境とした横架材2の上半部に前記一の中間フレームAをスライド移動可能に取り付けるとともに、スリット25を境とした横架材2の下半部に前記他の中間フレームAをスライド移動可能に取り付けているため、スライド移動可能に支持するための構造を少なくともスリット25を用いて実現することができ、構造の簡素化に資する。
しかも、スリット25の開口高さ寸法を、スリット25を境とした横架材2の上半部に取り付けた一の中間フレームAの下向面と、スリット25を境とした横架材2の下半部に取り付けた他の中間フレームAの上向面とが接触しない高さ寸法に設定しているため、平面視において交差する中間フレームAをスライド移動させる際に、中間フレームA同士が相互に干渉することを回避し、スムーズにスライド移動させることができる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
例えば、フレーム構造体は、平面視において平行又は略平行な一対の横架材を少なくとも備え、これら横架材間に中間フレームを取付位置変更可能に設けたものであればよく、これら一対の横架材以外の横架材として、平面視部分円弧状(例えば4分の1円弧状等)のものを適用した平面視長円形(小判形)のフレーム構造体であっても構わない。
また、平面視において平行又は略平行な一対の横架材は、相互に同一又は略同一な形状を有するものであればよく、平面視曲線状(部分円弧状を含む)や平面視において蛇行する形状のものであっても構わない。
また、横架材に対する中間フレームの取付構造は、前記実施形態に示したものに限定されず、中間フレームの端部を横架材に単に引っ掛けるだけとし、常時スライド移動可能な状態にしておくことも可能である。
横架材に、その長手方向に沿って所定ピッチ又は間欠的に中間フレームを取り付けるための中間フレーム取付部を複数設け、中間フレームをこれら複数の中間フレーム取付部から選択した任意の中間フレーム取付部に取り付ける或いは取り外すことによって、横架材に対する中間フレームの取付位置を変更できるようにしても構わない。
また、平面視において平行又は略平行な一対の横架材間に複数の中間フレームを設け、各中間フレームの取付位置を横架材の長手方向に沿って変更可能に構成してもよい。一のフレーム構造体が、単一の中間フレームを備えたものであっても構わない。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。