JP5315235B2 - 水分発生用反応炉の並列運転方法 - Google Patents

水分発生用反応炉の並列運転方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば半導体製造設備や化学品製造設備等において使用されるものであり、特別な原料ガスの分流供給装置を用いることなしに、並列運転をする複数の水分発生用反応炉の各原料ガス供給管路に適宜の口径を有するオリフィスを挿入するだけで、各水分発生用反応炉を所定の水分発生量でもって安定して並列運転できるようにした水分発生用反応炉の並列運転方法に関するものである。
半導体製造設備の水分酸化法によるシリコン酸化膜付け処理等においては、高純度水の供給が必要となり、通常は、図8に示す如き水分発生用反応炉を用いて必要な高純度水分の供給が行われている。
即ち、当該水分発生用反応炉は、国際公開番号WO97/28085号や日本国特許第3639469号に開示されているように、入口側炉本体部材2と出口側炉本体部材3とを対向状に組み付けて内部に空間部4を有する反応炉本体1を形成すると共に、原料ガス入口5と水分ガス出口6とリフレクタ7及びリフレクタ8とを反応炉本体1に設け、更に、出口側炉本体部材3の内表面に白金コーティング被膜9を形成することにより構成されている。
また、水分を発生させる際には、先ず、原料ガス入口5から酸素O2と水素H2との混合ガスGを空間部4内へ供給し、リフレクター7,8によって混合ガスGを攪拌すると共に白金コーティング被膜9の触媒作用によってO2及びH2を活性化させる。次に、活性化されたO2とH2を、温度450℃以下の非燃焼状態下で瞬時に反応させることにより、水が生成される。この生成された水は、水分ガスWの形態で水分ガス出口6から反応炉本体1の外部へ放出されて行く。
上記図8に示した構造の水分発生用反応炉は、極く小型(例えば外径約114mm、厚さ約35mm)であるにも拘わらず、400℃以下の温度下で触媒反応により、約2SLM(0℃・1気圧の標準状態下に換算した水分ガス量)程度の水分ガスWを連続して発生することができ、優れた実用的効用を有するものである。
しかし、図8に示した水分発生用反応炉では、原料ガスGの供給量を増してその水分発生量を増加すると、出口側炉本体部材3の温度上昇が激しくなると共に、反応炉本体1の内部空間温度が上昇し、H2とO2の混合ガスである原料ガスGの爆発可能温度に近づくため、極めて危険な状態となる。また、原料ガスGの供給量を増加させると、水素H2と酸素O2の反応率が低下して、酸素O2及び又は水素H2が未反応のまま水分ガスGW内へ混入してくることになり、水分ガスWを使用するプロセス側に様々な不都合が生ずることになる。
更に、反応炉本体1の温度が上昇することにより、出口側炉本体部材3の内壁面に形成した白金コーティング被膜9が剥離脱落を起すことになり、触媒作用の大幅な低下を来たすことになる。
一方、上述のような不都合の発生を避けるため、図9に示したような冷却用フィン10、11を入口側炉本体部材2及び出口側炉本体部材の外壁面に設け、反応炉本体1からの熱放散を促進するようにした構造の水分発生用反応炉が開発されている。尚、図9において、12は電気ヒータであり、水分発生用反応炉1の起動時に、水分発生用反応炉11の温度を300℃近くに上昇させるためのものである。
しかし、冷却用フィン10、11を設けると、水分発生用反応炉1の外形寸法が大幅に増加することになり、例えば、水分発生量を1.3倍にしようとすれば、反応炉1の容積が約3倍に増すことになり、水分発生用反応炉1の小型化の要請に対応することが出来ないと云う問題がある。
又、冷却フィン10、11を使用することなしに水分発生量を増加させるには、反応炉本体1自体の外形寸法を大きくする方策が考えられる。しかし、白金コーティング被膜9の形成面積が一定面積以上になると、水分発生時に出口側炉本体部材3の内表面の温度分布に班が生ずることになり、その結果、白金コーティング被膜9の剥離が生じ易くなる。例えば、反応炉本体1の内径寸法を2倍以上にすると、白金コーティング被膜9の剥離頻度が著しく高くなることが判っており、水分発生量の増加の要請にうまく対応できないと云う問題がある。
そのため、従前のこの種水分ガスWの供給設備にあっては、複数台の水分発生用反応炉を並列に接続すると共に、高精度な混合ガス分流供給装置を用いて、各水分発生用反応炉へ供給する混合ガスGの流量を制御することにより、水分発生量(供給水分量)の増加の要請に対応するようにしている。
しかし、高精度な混合ガスGの分流供給装置を設けることは、設備量の高騰を招くだけでなく、その設置のために大きなスペースを必要とし、更には、混合ガス分流供給装置の保守管理等にも費用を要すると云う問題がある。
国際公開 WO97/28085号 日本国特許 第3639469号
本発明は、従前の水分発生用反応炉を用いた高純度水分の供給設備における上述のような問題、即ちイ.水分発生用反応炉の大型化(又は大容量化)でもって供給水量の増加の要請に対応することは、白金コーティング触媒被膜の耐久性等の構造的な面から水分発生用反応炉の大型化に限度があるため、一定の制約があること、ロ.混合ガスGの分流供給装置を設け、混合ガス分流供給装置から複数台の並列運転をする発生用反応炉へ混合ガスGを供給することにより、供給水量の増加の要請に対応する場合には、混合ガスGの分流供給装置の設備費や管理費の高騰を招くうえ、大きな設置スペースを必要とすること、等の問題を解決せんとするものであり、複雑な混合ガスGの分流供給装置を必要とすることなしに、並列運転をする各水分発生用反応炉への混合ガス供給管路に所定の内径を有するオリフィスを介設することにより、簡単な機構でもって安価に、しかも正確に、並列運転をする各水分発生用反応炉へ所定量の混合ガスGを供給できるようにし、これによって水分発生量の増加の要請に容易に対応することができるようにした水分発生用反応炉の並列運転方法を提供することを、発明の主たる目的とするものである。
請求項1の発明は、混合ガス供給装置から、混合ガス供給ライン及び当該混合ガス供給ラインに並列状に接続した複数の分岐管路を通して、各分岐管路に接続した水分発生用反応炉の混合ガス入口へ水素と酸素の混合ガスを分流供給すると共に、前記各分岐管路の混合ガス入口側に同じ口径の流量調整用オリフィスを夫々設けることにより、前記混合ガス供給ラインから複数の水分発生用反応炉の混合ガス入口へ夫々等量の混合ガスを供給し、また、前記複数の水分発生用反応炉で発生した水分を水分供給ラインを通して水分使用装置へ供給することを発明の基本構成とするものである。
請求項2の発明は、混合ガス供給装置から、混合ガス供給ライン及び当該混合ガス供給ラインに並列状に接続した複数の分岐管路を通して、各分岐管路に接続した水分発生用反応炉の混合ガス入口へ水素と酸素の混合ガスを分流供給すると共に、前記各分岐管路の混合ガス入口側に同じ口径の流量調整用オリフィスを夫々設けることにより、前記混合ガス供給ラインから複数の水分発生用反応炉の混合ガス入口へ夫々等量の混合ガスを供給し、また、各水分発生用反応炉の水分ガス出口側を並列に接続して、各水分発生用反応炉で発生した水分を水分供給ラインを通して水分使用装置へ供給することを発明の基本構成とするものである。
請求項3の発明は、請求項2の発明において、水分使用装置を大気圧に近い圧力下で使用されるプロセスチャンバとしたものである。
請求項4の発明は、請求項2の発明において、水分使用装置を1〜700Torrの圧力下で使用されるプロセスチャンバとすると共に、各水分発生用反応炉からの発生水分の水分供給ラインに減圧用オリフィスを設けるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、並列に接続する水分発生用反応炉を2基とするようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項5の発明において、各水分発生用反応炉の定格水分発生量を5SLM〜10SLMとすると共に、混合ガス入口側に配設するオリフィスの口径を0.8〜0.6mmφとするようにしたものである。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、水分発生用反応炉の内圧を200Torr以上の圧力値とするようにしたものである。
請求項8の発明は、請求項1又は請求項2の発明に於いて、水分発生用反応炉を、入口側炉本体部材と出口側炉本体部材とを対向状に組み合せて内部空間を形成すると共に、入口側炉本体部材に混合ガス入口を、また出口側炉本体部材に水分ガス出口を夫々設け、更に出口側炉本体部材の内壁面に白金コーティング被膜を設けると共に、内部空間内にリフレクタを設け、混合ガス内の水素ガスと酸素ガスを前記内部空間内で非燃焼状態下で白金コーティング被膜の触媒作用によって反応させ、水分を発生する構成の水分発生用反応炉とするようにしたものである。
本願発明では、並列に接続した水分発生用反応炉の混合ガス入口側に所定の口径のオリフィスを配置しただけの簡単な構成の分流構造でもって、水分発生用の原料ガスである混合ガスを極めて正確に分流することができ、従前の白金被膜触媒を用いた非燃焼式の水分発生用反応炉を用いて、高純度水の大量供給を行うことが可能となる。
即ち、本願発明によれば、複雑な構造の高価な混合ガス分流装置を用いることなしに、従前の非燃焼式水分発生用反応炉を用いてより安全且つより安価に、しかも設備の大型化を招くことなしに、高純度水を大量に供給することが可能となる。
本発明の第1実施形態を示す水分発生用反応炉の並列運転の系統図である。 本発明の第2実施形態を示す水分発生用反応炉の並列運転の系統図である。 混合ガスGに替えてN2ガスを供給して、各水分発生用反応炉への分流状態を測定する系統図を示すものである。 表3の各演算値をグラフ化したものであり、(a)は流量(MFM1)に対する分流誤差の関係を、(b)はオリフィス上流側圧力P2に対する分流誤差の関係を、(c)はオリフィス上流側圧力P2と計算圧力との関係を、(d)はオリフィス上流側圧力P2と流量の相対分流誤差(%)との関係を夫々示すものである。 図5は、常圧用チャンバーCHへ17SLMの水分ガスを2台の水分発生用反応炉から供給する場合の系統図である。 2基の水分発生用反応炉(定格5SLM)を用いた現実の並列運転による水分供給状態を示す系統図である。 図6の系統図における試験結果の一例を示す線図である。 従前の水分発生用反応炉の一例を示す断面図である。 従前の冷却フイン付き水分発生用反応炉の一例を示す断面図である。
符号の説明
2は水素ガス。
2は酸素ガス。
2は窒素ガス。
MはH2とO2のガス混合器。
Gは混合ガス(原料ガス)。
WG1、WG2は水分発生用反応炉。
OR1、OR2、OR3はオリフィス。
SはH2ガスセンサ。
Fはフィルタ。
CHはプロセスチャンバ。
1,PW1,PW2,Pcは圧力計。
1,W2,Wは水分(水分ガス)。
1,L2,L3,L4は配管路。
MFC1,MFM1,MFM2は質量流量計。
HTC1〜HTC4は温度制御器。
RG1〜RG4圧力調整器。
1〜V4はバルブ。
FA1,FA2は冷却用ファン。
HTM1,HTM2は温度モニタ。
1は反応炉本体。
2は入口側炉本体部材。
3は出口側炉本体部材。
4は炉本体の内部空間。
5は混合ガス(原料ガス)入口。
6は水分ガス出口。
7、8はリフレクタ。
9は白金コーティング被膜。
10、11は冷却用フィン。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態を示すものであり、常圧のプロセスチャンバCHへ2台の水分発生用反応炉WG1、WG2を用いて水分Wを供給する場合を示すものである。
図1において、H2は水素ガス、O2は酸素ガス、N2は窒素ガス、MはH2とO2のガス混合器、Gは混合ガス、WG1,WG2は水分発生用反応炉、OR1,OR2はオリフィス、SはH2センサ、Fはフィルター、CHはプロセスチャンバ、P1,PW1,PW2,Pcは圧力計、W1,W2,Wは水分、L1,L2,L3,L4は配管路である。
前記水分発生用反応炉WG1,WG2には、同一仕様の水分発生用反応炉が2台使用されおり、ステンレス鋼製であってその外径寸法は約180mmφ及び厚さは約37mmであり、出口側炉本体部材の内壁面は白金コーティング被膜が形成されている。
尚、本実施形態に於いては、同一仕様の水分発生用反応炉を2台並列に接続しているが、2台以上例えば3〜5台を、並列に接続することも可能である。
前記オリフィスOR1、OR2は、外径約12mmφ、厚さ0.2〜1.0mmのステンレス鋼薄板に所定のオリフィス孔(円形孔)を穿孔したものであり、オリフィス挿着器(図示省略)内に交換自在に挿着されている。尚、本実施形態においては、後述するように0.5〜1.0mmφのオリフィス孔を有するオリフィスOR1、OR2を使用している。
前記配管路L1〜L4は内径4.3mmφ、外径6.35mmφのステンレス鋼製パイプから形成されており、また、発生水分Wを消費するプロセスチャンバCHは常圧(760Torr)下で各種の半導体処理が行われるものとしている。
図1を参照して、ガス混合器Mから供給された混合ガスGは、混合ガス供給ラインL1、各オリフィス(0.6mmφ又は0.7mmφ)OR1、OR2、を通して各水分発生用反応炉WG1、WG2へ供給され、ここで発生した水分W1、W2が水分供給ラインL4を通して常圧チャンバへCHへ供給されて行く。
尚、混合ガスGの分流供給が円滑に行われるためには、各部の圧力P1、PW、Pcの間にP1>PW>PCの関係が成立している必要があり、また、圧力Pcは、圧力Pwよりも配管路の圧力損失分だけ低下(約0.02〜0.03MPa)することになる。
表1は、オリフィスOR1、OR2の口径を0.6又は0.7mmφとして、H2とO2の混合比及び常圧(760Torr)のプロセスチャンバCHへの水分供給流量(sccm)を変えた場合のオリフィスOR1、OR2の上流側圧力P1の試算の一例を示すものであり、圧力の概算値を知ることが出来る。尚、圧力の演算式は、後述する式(2)及び(3)を使用しており、且つ配管路は内径4mmφのステンレス鋼管とし、その亘長はlは600〜800mmとしている。また、表1中の供給水分量は、1台当りの供給量を示すものである。
Figure 0005315235
図2は、本発明の第2実施形態を示すものであり、1〜100Torrの減圧状態で使用されているプロセスチャンバCHへ2台の水分発生用反応炉WG1、WG2から発生水分Wを供給する場合を示すものである。
尚、図2において、OR3はフィルタFの下流側に設置したオリフィスであり、チャンバCHへ供給する発生水分Wの減圧用に設けられている。
本実施形態においても、前記図1に示した第1実施形態の場合と同様に、混合ガスGの分流供給が円滑に行われて、両水分発生用反応炉WG1、WG2から所定量の発生水分W1、W2が供給されるためには、水分発生用反応炉WG1、WG2の圧力は200Torr〜900Torrを必要とする。何故なら、水分発生用反応炉WG1、WG2の内圧が200Torr以下になると、H2ガスの爆発限界温度(爆発可能温度)が約350℃〜400℃の温度にまで低下するからである。
表2は、減圧用オリフィスOR3の口径を0.8mmφ及び1.0mmφとした場合の水分発生用反応炉WG1、WG2の内圧Pw等の演算値の一例を示すものであり、使用した圧力の演算式等は、前記表1の場合と同様である。
Figure 0005315235
また、表3は、表2の場合と混合ガスGの混合条件等が同一の場合に、上流側オリフィスOR1,OR2の口径を0.7mmφとした場合のオリフィスOR1、OR2の上流側の圧力値を演算した一例を示すものであり、オリフィスOR1、OR2上流側の圧力値P1の概要を知ることが出来る。
Figure 0005315235
図3は、前記図1に示した第1実施形態における水分発生用反応炉の並列運転において、混合ガスGの代替としてN2ガスを供給した場合のN2ガスの分流状態を調査した回路を示すものであり、図3に於いてMFC1、MFM1、MFM2は夫々質量流量計を示すものである。
図3において、MFM1及びMFM2の各測定値は水分発生用反応炉WG1、WG2への混合ガスGの流入量に直接比例するものであるから、当該MFM1及びMFM2の測定値から、各水分発生用反応炉WG1、WG2における水分発生量を知ることができる。
表4は、図3におけるオリフィスOR1、OR2の口径を0.7、0.6、0.5mmφとした場合の各測定値からの分流誤差や圧力誤差の演算値を示すものである。
Figure 0005315235
また、図4の(a)、(b)、(c)及び(d)は、前記表3の各演算値をグラフ化したものであり、(a)は流量MFM1に対する分流誤差の関係を、(b)はオリフィス上流側圧力P2に対する分流誤差の関係を、(c)はオリフィス上流側圧力P2と計算圧力との関係を、(d)はオリフィス上流側圧力P2と流量の相対分流誤差%との関係を、夫々示すものである。
表4及び図4(a)、(b)、(c)及び(d)からも明らかなように、分流誤差(図4の(a))は約5%以下となり、また、ばらつき(MFM1−MFM2/MFC1)も3%以下となる。従って、オリフィスOR1、OR2による分流は、実用上何等問題を生ずることなく使用することが出来、極く簡単な分流装置でもって、混合ガスGの各水分発生用反応炉GW1、GW2への分流供給が可能なことが判る。
図5は、常圧(760Torr)で使用するチャンバCHへ2台の水分発生用反応炉WG1、WG2を用いて17SLMの水分ガスWを供給する場合の系統図であり、また、表5は、図5の系統図において、オリフィスOR1、OR2の上・下流間に臨界条件が成立していると仮定して、流量Q及び断面積Sから演算したオリフィス上流側圧力を示すものである。
尚、式(1)は流量Qの演算式を表すものであり、
Figure 0005315235
但し、Qは流量、Sはオリフィス断面積、THは温度、PHは上流圧力、Cは定数187021、C´は実流量から換算した補正値(C×0.82)である。
Figure 0005315235
前記図5と同じ系統図において、17SLMの水分発生に対応するH2とO2の混合ガスGを流通させた場合の質量流量計MFCの上流側(チューブ上流側)と下流側(オリフィスOR1、OR2の上流側)の圧力P1、P2を夫々演算したものであり、式(2)及び(3)はその演算式を示すものである。
Figure 0005315235
Figure 0005315235
但し、(2)及び(3)式において、Qは流量、P1は上流圧力、P2は下流圧力、aはオリフィス半径、ηは粘性係数であり、また、配管圧力損失の計算(H2/O2)のときは、混合ガスGの粘性係数が計算できないため、表6に示す如くH2の場合とO2の場合の両方で計算している(H2の粘性係数ηは0.88×10-5Pa・sec、O2の粘性係数ζは1.75×10-5Pa・secである)。
Figure 0005315235
図6は、本発明により2基の水分発生用反応炉WG1、WG2の並列運転を実施した系統図であり、図6においてRG1〜RG4は圧力調整器、V1〜V4はバルブ、FA1、FA2は冷却ファン、HTC1、HTC2、HTC3、HTC4は温度制御器、HTM1、HTM2は温度モニタであり、水分発生用反応炉WG1、WG2の出口側は大気へ開放されている。
尚、前記温度制御器HTC1及びHTC4は水分発生用反応炉WG1、WG2の温度を350℃に保持するものであり、必要な場合には冷却ファンFA1、FA2の運転制御が行われる。また、HTC2及びHTC3は配管路の温度を夫々140℃に保持するためのものである。更に、オリフィスOR1、OR2には口径0.7mmφのオリフィスが、また、水分発生用反応炉WG1、WG2には外径180mmφの5SLM型反応炉が夫々使用されている。
図6の系統図に於いて、ガス混合器Mから混合ガスG(H2=6〜10SLM、O2=7SLM)を両オリフィスOR1、OR2を通して両水分発生用反応炉WG1、WG2へ流し、水分発生時の温度変化、未反応H2濃度、O2及びH2ガスの供給圧力PH、POを夫々測定した。尚、水分発生量は、1台の水分発生用反応炉当り6SLM〜10SLMの間とした。
表7は、前記図6に於ける水分発生試験の結果を示すものであり、また、図7は試験結果の概要を示す線図である。
Figure 0005315235
図7及び表7からも明らかなように、分流により各水分反応炉WG1、WG2へは均等量の混合ガスGが流入し、両水分反応炉は略同等の水分発生反応により同等の温度上昇を生ずることが判る。また、未反応H2の濃度も低い値に安定していることが判る。
本発明は、半導体製造設備や化学品製造設備のみならず、食品産業や医薬品産業等における高純度水供給設備等へも適用できるものである。

Claims (8)

  1. 混合ガス供給装置から、混合ガス供給ライン及び当該混合ガス供給ラインに並列状に接続した複数の分岐管路を通して、各分岐管路に接続した水分発生用反応炉の混合ガス入口へ水素と酸素の混合ガスを分流供給すると共に、前記各分岐管路の混合ガス入口側に同じ口径の流量調整用オリフィスを夫々設けることにより、前記混合ガス供給ラインから複数の水分発生用反応炉の混合ガス入口へ夫々等量の混合ガスを供給し、また、前記複数の水分発生用反応炉で発生した水分を水分供給ラインを通して水分使用装置へ供給する構成としたことを特長とする水分発生用反応炉の並列運転方法。
  2. 混合ガス供給装置から、混合ガス供給ライン及び当該混合ガス供給ラインに並列状に接続した複数の分岐管路を通して、各分岐管路に接続した水分発生用反応炉の混合ガス入口へ水素と酸素の混合ガスを分流供給すると共に、前記各分岐管路の混合ガス入口側に同じ口径の流量調整用オリフィスを夫々設けることにより、前記混合ガス供給ラインから複数の水分発生用反応炉の混合ガス入口へ夫々等量の混合ガスを供給し、また、各水分発生用反応炉の水分ガス出口側を並列に接続して、各水分発生用反応炉で発生した水分を水分供給ラインを通して水分使用装置へ供給する構成とした水分発生用反応炉の並列運転方法。
  3. 水分使用装置を大気圧に近い圧力下で使用されるプロセスチャンバとした請求項2に記載の水分発生用反応炉の並列運転方法。
  4. 水分使用装置を1〜700Torrの圧力下で使用されるプロセスチャンバとすると共に、各水分発生用反応炉からの発生水分の水分供給ラインに減圧用オリフィスを設けるようにした請求項2に記載の水分発生用反応炉の並列運転方法。
  5. 並列に接続する水分発生用反応炉を2基とするようにした請求項1又は請求項2に記載の水分発生用反応炉の並列運転方法。
  6. 水分発生用反応炉の定格水分発生量を5SLM〜10SLMとすると共に、混合ガス入口側に設けたオリフィスの口径を0.8〜0.6mmφとするようにした請求項5に記載の水分発生用反応炉の並列運転方法。
  7. 水分発生用反応炉の内圧を200Torr以上の圧力値とするようにした請求項6に記載の水分発生用反応炉の並列運転方法。
  8. 水分発生用反応炉を、入口側炉本体部材と出口側炉本体部材とを対向状に組み合せて内部空間を形成すると共に、入口側炉本体部材に混合ガス入口を、また出口側炉本体部材に水分ガス出口を夫々設け、更に出口側炉本体部材の内壁面に白金コーティング被膜を設けると共に、内部空間内にリフレクタを設け、混合ガス内の水素ガスと酸素ガスを前記内部空間内で非燃焼状態下で白金コーティング被膜の触媒作用によって反応させ、水分を発生する構成の水分発生用反応炉とするようにした請求項1又は請求項2に記載の水分発生用反応炉の並列運転方法。
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