JP5314758B2 - 自転車用タイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、車両に装着されるよう設計され、特に、二輪車、例えば自転車に装着されるよう設計されたタイヤに関する。
自転車用タイヤは、通常、2つのビードコア周りに折り返されることによって2つのビード内に繋留されたカーカス補強材の層から成っている。ビードの半径方向延長部として、サイドウォールが設けられ、これらサイドウォール自体の連続部又は延長部として、トレッドが設けられている。
タイヤの長手方向又は周方向は、タイヤの周囲に対応すると共にタイヤの転動方向によって定められる方向である。
周方向平面又は周方向断面は、タイヤの回転軸線に垂直な平面である。赤道面は、トレッドの中心又はクラウンを通る周方向平面である。
タイヤの横方向又は軸方向は、タイヤの回転軸線に平行である。
半径方向は、タイヤの回転軸線と交差すると共にこれに垂直な方向である。
タイヤの回転軸線は、タイヤが通常の使用中に回転する中心としての軸線である。
半径方向平面又は子午面は、タイヤの回転軸線を含む。
サイクル又は自転車用タイヤは「チューブ型」構成(即ち、インナーチューブを備えている)か「チューブレス」構成(即ち、インナーチューブなしでリムに取り付けられている)かのいずれかで用いられるよう設計されている。
両方の場合において、カーカスを定位置に保持するビードコアの機能は、とりわけ、リムをしっかりとグリップし、いわゆるチューブレスタイヤの場合、漏れを阻止し、或いは、両方の場合において、使用中、タイヤをリムに取り付けたままにすることにある。
外観がビードコアの形式で決まるタイヤについて2つのカテゴリが存在する。
タイヤの第1のカテゴリは、巻き金属ワイヤから成る金属ビードコアを有するものであり、ターンの数は、タイヤのサイズ及び使用、特にその作業圧力の関数である。したがって、これらタイヤは、ドーナツ形を形成するタイヤであるこれらの最終形状で提供され、したがって、その輸送又は貯蔵時には多量のスペースを占める。
サイクル用タイヤの貯蔵及び輸送を単純化するため、スペース上の要件を制限するよう折り畳み可能なタイヤの第2のカテゴリが既に提案されている。かかるタイヤは、繊維材料、例えばアラミドのビードコアを備え、これらビードコアは、これらの初期形状に戻される場合にこれらの性能に悪影響を及ぼさないで弾性的に変形可能である。かかるタイヤは、間違いなく占めるスペースが少なく、したがって、輸送が容易であるが、これらの製造費は、第1のカテゴリのタイヤの場合よりも高い。
本発明の目的は、上述の両方のカテゴリのタイヤの利点、即ち、タイヤの貯蔵及び輸送を容易にするためにスペース上の要件を緩和することができる一方で、第1のカテゴリのタイヤの製造費とほぼ同じ製造費でタイヤを製造することができるという利点を組み合わせた自転車用タイヤを提供することにある。
この目的は、本発明によれば、カーカス補強材を有する自転車用のタイヤであって、カーカス補強材の各縁部がビードコア周りの折り返し部によって2つのビード内に繋留され、各ビードの半径方向連続部としてサイドウォールが設けられ、サイドウォールがトレッドに合体している、タイヤにおいて、ビードコアの各々は、フィラメントで作られた飽和非巻き付け状態の金属ケーブルを巻回することによって形成され、ケーブルの直径は、1.5mm未満であり、フィラメントの直径は、0.25mm未満であることを特徴とするタイヤによって達成される。
ケーブルは、このケーブルを形成するフィラメント相互間に追加のフィラメントを追加することができない場合に「飽和状態」であると呼ばれる。ケーブルは、これがその外面に螺旋に巻き付けられた追加のフィラメントを備えていない場合に「非被覆状態」であると呼ばれる。たが掛け(hooping )フィラメントは、通常、ケーブルのフィラメントの直径よりも小さな直径を備えるよう選択され、かかるたが掛けフィラメントは、ピッチを減少させた状態で且つケーブルの外面を形成するワイヤの巻回方向の又は同一の方向に巻回される。たが掛けフィラメントの主要な機能は、ケーブルの座屈を制限することにある。
本発明者は、タイヤのビードコアを形成する飽和且つ非被覆状態の金属ケーブルの使用と同一のケーブルの直径及びフィラメントの直径と組み合わせて用いることにより、タイヤを使用不能状態にする有害な影響をビードコア及びこれらの特性に及ぼさないで変形させたり折り畳んだりすることはできるということを示すことができた。
かくして、本発明のタイヤに対して行われた最初の試験結果の示すところによれば、当初第2のカテゴリに属すると呼ばれ、即ち、繊維材料のビードコアを備えたタイヤに対して現在行われているやり方とほぼそのままのやり方で変形させることができた。
また、試験結果の示すところによれば、タイヤを自転車に用いられる前に累積的な輸送機関及び平均的な貯蔵時間に等しい期間にわたってこれらの折り畳み条件で貯蔵した後、本発明のタイヤは、これらの当初の形状を回復し、ビードコアの特性は変更されなかった。
本発明の好ましい実施形態では、ケーブルの直径は、1mm未満である。かかるケーブル直径により、特に、ビードの寸法がノーマルタイヤの寸法に等しいタイヤを製造することができ、本発明のケーブルは、通常用いられているワイヤの直径に非常に良く似た直径を有することができる。
また、好ましくは、ケーブルを形成するワイヤ又はフィラメントの直径は、0.20mm未満である。かかるフィラメント直径は、ケーブルの柔軟性にも貢献し、タイヤを撓ませるのに必要な力を制限する。
本発明の有利な一実施形態では、ケーブルの引張りモジュラスは、150GPaを超える。
また、有利には、ケーブルは、タイヤを使用不能にする変形を示さないで、2〜5mmの曲率半径に曲げやすい。ケーブルは、好ましくは、タイヤを使用不能にする変形を示さないで3mm未満の曲率半径に折り曲げ可能である。
本発明の一形態では、ケーブルは、ピッチp2で互いに螺旋に巻かれた直径d2のM(Mは、3〜12である)本のワイヤを含む少なくとも1つの中間層C2によって包囲された直径d1のL(Lは、1〜4である)本のワイヤを含む第1の層C1を有する[L+M]又は[L+M+N]構造の層を含む金属ケーブルであり、層C2は、オプションとして、ピッチp3で互いに螺旋に巻かれた直径d3のN(Nは、8〜20である)本のワイヤの外側層C3によって包囲されている。
Lが1である場合、第1の層は、直径d1のワイヤから成る中央コアを形成する。
有利には、この形態では、ピッチp2とピッチp3は、同一である。
この形態においても又、有利には、ケーブルは、1+6+12構造の19.18金属ケーブルであり、層は、同一の回転方向及び10mmに等しい同一ピッチを備えている。かかるケーブルの3〜5つのターンにより、ビードコアの形成が可能である。必要なターンの数は、タイヤのサイズ及びその使用の関数である。
別の形態では、ケーブルは、3+9構造の12.15金属ケーブルであり、層は、同一の回転方向及び10mmに等しい同一ピッチを備えている。かかるケーブルの6〜10個のターンがタイヤのサイズに応じて自動車用タイヤのビードコアを形成するのに必要である。
本発明の好ましい実施形態では、金属ケーブルは、スチールで作られ、スチールの炭素含有量は、0.5%未満である。
かかるスチールの選択により、ケーブル及びかくしてタイヤのコストを依然として大幅に減少させることができる。この理由は、例えばこのような炭素含有量がスチールを線引き(wire-drawing)するプロセスを単純化させ、特に段階的温度上昇を回避し又は少なくとも制限するからである。
本発明の他の有利な細部及び特徴は、図1〜図3を参照して行われる本発明の種々の例示の実施形態の説明において以下に明らかになろう。
本発明のタイヤの子午線略図である。 図1のタイヤのビードコアを形成するケーブルの概略断面図である。 本発明のタイヤのビードコアを形成するために使用できる別のケーブルの概略断面図である。
図の理解を容易にするために、図は、縮尺通りには示されていない。
図1は、「シティ」スタイルの自転車、即ち都市で用いられる自転車に装着可能に622mm直径のホイールリムに装着されるよう設計されたタイプ37‐622タイヤ1を示している。
タイヤ1は、カーカス補強層2を有し、このカーカス補強層は、これをビードコア4周りに折り返す又は巻き上げることによってタイヤ1のビード3の各々の中に繋留されている。カーカス補強層2の折り返し部5は、タイヤのクラウンまで延び、ここでこれら折り返し部は、互いにオーバーラップしている。したがって、カーカス補強層2の3つ分の厚さをタイヤのクラウン上に観察可能である。
自転車用タイヤは、これらのクラウンのところに他の補強要素層、例えばカーカス補強層とその折り返し部との間に挿入された保護層を有するのが良い。これら保護層も又、ビードコアまでタイヤのサイドウォール中に延びている。
次に、この補強材の半径方向上部には、トレッド6が設けられており、このトレッドは、タイヤ1のサイドウォール7を形成するよう延びるゴムコンパウンド層によって形成されている。
他の実施形態では、トレッド及びサイドウォールを構成するゴム材料は、互いに異なっていても良い。
本発明によれば、ビードコアは、タイプ19.18金属ケーブル8を巻回することによって形成され、かかる金属ケーブルは、図2を参照して説明する。図1に与えられたサイズの場合、「シティ」型用途に関し、選択されたケーブルは、各ビードコアを形成するためには4つのターンをなして巻回されなければならなかった。
図2は、タイヤ1のビードコア4を形成するタイプ19.18金属ケーブル8の概略断面図である。これは、測定値が18/100mmの19本のフィラメントから成る1+6+12構造ケーブルである。かくして、ケーブル8は、フィラメント21で形成された中央コアを6本のフィラメント23で構成された第1の層22で包囲し、フィラメント23を12本のフィラメント25で構成した外側層24で包囲したものである。フィラメント23とフィラメント25は、10mmに等しい同一ピッチで同一方向に巻回されている。このケーブル8は、0.4%に等しい炭素含有量を有するスチールで形成された飽和且つ非被覆状態のケーブルである。
このようにして構成されたケーブルの引張りモジュラスは、190GPaである。
かかるケーブルは、タイヤを使用不能にする永久歪を生じないで3mmの半径まで曲げ可能である。
図3は、本発明のタイヤのビードコアを形成することができるタイプ12.15金属ケーブル30の概略断面図である。これは、測定値が15/100mmの12本のフィラメントから成る3+9構造ケーブルである。かくして、ケーブル30は、3本のフィラメント32で形成された第1の層31を9本のフィラメント34で構成された第2の層33で包囲したものである。フィラメント32とフィラメント34は、10mmに等しい同一ピッチで同一方向に巻回されている。このケーブル30は、0.4%に等しい炭素含有量を有するスチールで形成された飽和且つ非被覆状態のケーブルである。
本発明は、本明細書に与えられた具体例に限定されるものと解されてはならない。ビードコアは、例えば、これらが規定された基準を満たすことを条件として、他のケーブルに用いることができ又は例えば、構造が上述の構造と同一であるがピッチが互いに異なる場合があると共に/或いはフィラメントが逆方向に巻かれている場合のあるケーブルに使用できる。
加うるに、本発明は、あらゆる形式の自転車又はサイクル、例えばロードサイクル、MTB(マウンテンバイク)、ハイブリッドサイクル、電動式又は他の動力式補助手段を備えたサイクル等に利用できる。
本発明は又、チューブレスタイヤ、即ち、インナーチューブなしでリムに直接取り付けられたタイヤ又はインナーチューブの存在を必要とするチューブ型タイヤにも利用できる。

Claims (9)

  1. カーカス補強材を有する自転車用のタイヤであって、前記カーカス補強材の各縁部がビードコア周りの折り返し部によって2つのビード内に繋留され、各ビードの半径方向連続部としてサイドウォールが設けられ、前記サイドウォールがトレッドに合体している、タイヤにおいて、前記ビードコアの各々は、フィラメントで作られた飽和且つ非被覆状態の金属ケーブルを巻回することによって形成され、前記ケーブルの直径は、1.5mm未満であり、前記フィラメントの直径は、0.25mm未満であり、前記ケーブルは、永久歪を生じないで2〜5mmの曲率半径まで折り曲げ可能であるタイヤ。
  2. 前記ケーブルの直径は、1mm未満である、請求項1記載のタイヤ。
  3. 前記ケーブルの前記フィラメントの直径は、0.20mm未満である、請求項1又は2記載のタイヤ。
  4. 前記ケーブルの引張りモジュラスは、150GPaを超える、請求項1乃至3の何れか1項に記載のタイヤ。
  5. 前記ケーブルは、ピッチp2で互いに螺旋に巻かれた直径d2のM(Mは、3〜12である)本のワイヤを含む少なくとも1つの中間層C2によって包囲された直径d1のL(Lは、1〜4である)本のワイヤを含む第1の層C1を有する[L+M]構造の層、又は、ピッチp 2 で互いに螺旋に巻かれた直径d 2 のM(Mは、3〜12である)本のワイヤを含む少なくとも1つの中間層C2によって包囲された直径d 1 のL(Lは、1〜4である)本のワイヤを含む第1の層C1を有し、前記層C2は、ピッチp 3 で互いに螺旋に巻かれた直径d 3 のN(Nは、8〜20である)本のワイヤの外側層C3によって包囲されている[L+M+N]構造の層を含む金属ケーブルであり、請求項1乃至の何れか1項に記載のタイヤ。
  6. 前記ピッチp2と前記ピッチp3は、同一である、請求項記載のタイヤ。
  7. 前記ケーブルは、1+6+12構造の19.18金属ケーブルであり、前記層は、同一の回転方向及び10mmに等しい同一ピッチを備えている、請求項1乃至の何れか1項に記載のタイヤ。
  8. 前記ケーブルは、3+9構造の12.15金属ケーブルであり、前記層は、同一の回転方向及び10mmに等しい同一ピッチを備えている、請求項1乃至の何れか1項に記載のタイヤ。
  9. 前記金属ケーブルは、スチールで作られ、前記スチールの炭素含有量は、0.5%未満である、請求項1乃至の何れか1項に記載のタイヤ。
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