JP5314752B2 - フレネルレンズを形成する表面にコーティングを塗布する方法 - Google Patents

フレネルレンズを形成する表面にコーティングを塗布する方法 Download PDF

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Description

この発明は、光学的欠陥のない光学製品、詳細には眼科用レンズを製造する方法、さらに正確には、上記光学製品の基体上にフレネルレンズを形成する幾何学形状に形成された表面をコーティングする方法に関する。
この発明はまた、光学製品の表面上に形成された幾何学形状に構成されたフレネルレンズ上にコーティング層を転写する方法にも関する。
本発明が属する技術分野では、完成したレンズに光学的または機械的特性を与えるために眼科用レンズまたはレンズブランクのようなレンズ基体の少なくとも一つの主面を、数種のコーティングでコーティングすることは通常のことである。これらのコーティングは、一般的に機能性コーティングと称されている。
このように、レンズ、典型的な例では有機ガラス製のレンズの基体の少なくとも一つの主面を、その表面から始めて耐衝撃コーティング(耐衝撃性の下塗り)、耐摩耗および/または耐ひっかきコーティング(ハードコート)、反射防止コーティング、任意で、汚れ防止トップコーティングというように連続的にコーティングすることは通常行うことである。フォトクロミックまたは染色の極性を持ったコーティングのようなコーティングは、レンズ基体の片面または両面に塗付されても良い。
コーティングを転写するためのコーティング液または液状粘着性組成物を利用して滑らかな表面、または凹凸の少ない表面をコーティングする方法はこれまで多数提案されてきた。
特許文献1は、粗度S値が1μm以下の幾何学形状に構成された表面を持つレンズブランクの少なくとも一つの表面に、少なくとも一つの支持体または金型部分から、コーティングを転写する方法を記載しており、前記方法は、
-コーティングを有する内側面および外側面を有する支持体または金型部分を提供する;
-事前に計量された分量の硬化性粘着性組成物を、前記幾何学形状に構成されたレンズブランクの表面または前記コーティングに堆積する;
-コーティングを硬化性粘着性組成物に接触させるよう、または、硬化性粘着性組成物に幾何学形状に構成されたレンズブランクの表面に接触させるよう、レンズブランクと支持体を相関的に動かす;
-硬化性組成物が硬化した後に、最後の粘着層の厚さが100マイクロメーター未満になるように支持体の外側面に十分な圧力を加える;
-粘着性組成物の層を効果する;および
-幾何学形状に構成された表面にコーティングが施されたレンズブランクを回収するために、支持体または金型部分を引き抜く
を含む方法を記載している。
特許文献2は、表面粗度(R)が1.5μm以下の、精密研削されているが研磨されていない幾何学形状に構成された光学製品の主面をコーティングする方法を記載しており、前記方法は:
-所量の液状硬化性コーティング組成物を、光学製品の主面または、金型の内側面に堆積する;
-コーティング組成物を光学製品の主面に接触させる、またはコーティング組成物を金型の内側に接触させるために、相関的に光学製品と金型を動かす;
-前記液状硬化性コーティングを前記主面に広げ、前記主面に均一の液状コーティング組成物の層が形成されるよう圧力を加える;
-液状コーティング組成物を硬化させる;そして
-可視の精密研削除加工線が無い光学製品を回収するために、金型を引き抜く
を含む。
特許文献3、特許文献4、特許文献5は、累進多焦点レンズまたは2焦点レンズのような複合レンズを製造するための外側被覆の製造方法を開示している。コーティングされる、または外側被覆される表面はすべて滑らかな湾曲した表面である。
樹脂が硬化し収縮することは、重合化と硬化性組成物を硬化させる場合不可避な現象である。この現象は密度の変化によるもので、コーティング樹脂に3次元の方向で影響を及ぼす。収縮の程度は、コーティング樹脂の特性による。例えば、CR−39(登録商標)の収縮率は、体積の12%であり、その他のメタクリレートモノマーは、組成と化学構造によって7−14%である。
コーティングされる表面が滑らかであるか、粗度が微小である(通常は、表面粗度が<2.0μm)場合、この収縮という現象は大きな問題とならない。しかしながら、コーティングされる表面の粗度が2ミクロンより大きい場合、すなわち、粗度が通常5から300μmの範囲にあるフレネルレンズの場合は、収縮は重要な問題となる。フレネルの構造のサイズが大きくなればなるほど、収縮の問題は重大となる。少なくとも50μmの粗度の表面を有するフレネル構造は、特に考慮されなければならない。
いかなる理論にも拘束されることを望まなかったとしても、担体とその表面にフレネル構造を有する光学製品を相関的に動かして圧力を加えると、液状硬化性組成物に満たされた小さい液状セルが多数発生する。重合化および硬化した場合、前記液状セルは収縮する。外部からの力によって、ある程度のセルが完全にブロックされるかまたは担体に封印されると、収縮によって気泡が形成され、環状に変形する。これらの表面的な欠陥は光学製品では許容されない。
また別の側面としては、フレネルレンズを形成する表面を慣例的なスピンコーティングまたはディップコーティング方法を利用してコーティングした場合は、滑らかで平坦コーティング表面を得ることは不可能である。特定の幾何学形状の前記構造の表面のため、光学歪みのような光学的欠陥が、平坦ではないコーティングから発生する。
なお、少数の光学製品の回折の表面をコーティングするための製造方法または方法が提案されている。
特許文献6は、多層回折光学製品を外測被覆により製造することを開示している。硬化性組成物は、金型と、表面が格子状の硬化したコーティングを有するガラスベース材料との間に硬化性組成物が置かれる。前記組成物は硬化され、金型がはずされ、2つの光学部材が20μmの高さの回折格子を構成する1つの層を挟んでいる光学製品が製造される。
特許文献7は、レンズの平らな回折表面をコーティングまたはラミネートすることが開示されており、その方法では、液状組成物の流入は容易に制御されている。硬化性組成物の層は2つのレンズ部材の間に挟まれ、うち1つのレンズ部材は内側が回折表面となっており、回折格子を有している。硬化すると、2つのうちの1つのレンズ部材は、コーティングの収縮を補うために動かされる。最終の光学製品においては、硬化されたコーティング組成物を通して、前記二つのレンズ部材は重ね合わさる。
しかしながら、特許文献6においても、特許文献7においても、硬化性組成物の硬化およびキャスティングの間に、レンズ部材/光学部材または金型に圧力を加えていない。結果として、コーティングの収縮は気泡の形成を引き起こさない。しかしながら、レンズの表面全体においてコーティング樹脂の厚さを正確に制御することが、特に前記構造が湾曲した表面にある場合は、非常に難しく、その制御は高い品質の光学レンズを製造するためには必要である。
米国特許第6,562,466号明細書 米国特許出願公開2005/140033号明細書 米国特許第5,147,585号明細書 国際公開 第97/33742号パンフレット 特開平 08-90665号公報 欧州特許第1830205号明細書 特開 2007−212547号公報
本発明は前述の問題点を考慮して製造され、フレネルタイプの表面にコーティングを施す方法を提供することが本発明の目的である。
本発明のまた別の目的は、担体から光学製品のフレネルタイプの表面に、コーティング層を転写させる方法を提供することである。
さらに、本発明のまた別の目的は、表面的な欠陥を有さない、すなわち、滑らかで、均一にコーティングされた表面を持つ光学製品をもたらす方法を提供することである。その方法は、前記のコーティングがそれから形成されるところの硬化可能な組成物を、硬化している間に気泡が発生することを避ける方法である。
本発明の発明者は、ある特定の状態によって、特にコーティング液を広げるときに担体にかける圧力を制御することにより、また、担体の特性のうち、特に表面の湾曲と厚さを制御することにより、これらの問題を解決できることを発見した。
ここに、実施され、ここに広範囲にわたり記載されている発明に従って上記の目的を達成するために、本発明は、光学製品の基体上の、フレネルレンズを形成する幾何学形状に構成された表面の少なくとも一つをコーティングする工程に関する、
−(a) プラスチック製で内側の表面および外側の表面を有し、前記内側の表面は表面が露出したコーティング層を少なくとも一つ有していてもよい、取り外し可能な担体と
−(b) 幾何学形状に構成され、フレネルレンズを形成する表面を有し、基体のベースの湾曲および担体のベースの湾曲が実質的に同じである光学製品とを提供する;、
−(c) フレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面、担体の内側の表面、または、担体に荷われたコーティング積層体の外側にさらされている表面に、硬化性(可能な)組成物を堆積する;
−(d) フレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面、担体の内側の表面、または、担体に荷われたコーティング積層体の外側にさらされている表面に、硬化性組成物を接触させるために、担体と光学製品を関連させながら動かす;
−(e) 前記フレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面をカバーするよう硬化性コーティング組成物を広げるために、Rtb率は 「担体の厚さ(単位:mm)/圧力(単位:Bar)」が1.85以上であるという条件で、担体の外側の表面に0.138Bar以上の圧力を加える;
−(f) 硬化性組成物の層を硬化させる:
−(g) 硬化したコーティング組成物でコーティングされた、および任意で転写されたコーティング積層体でコーティングされたフレネルレンズを形成する表面の少なくとも一つを有する光学製品の基体を回収するために、取り外し可能な担体を引き下げる工程、
を含む方法である。
これら以外の本発明の目的、特徴、および利点は下記の詳細な説明によって明らかなものとなる。しかしながら本発明の真髄と範囲の範疇において、様々な変化と修正はこの詳細な説明によって当業者に明らかになるものであるので、詳細な記載および特定の例は、発明の特定の実施例を記載している一方で、例示のみという意図で提供されることについてご理解願いたい。
本発明の前述の、およびその他の目的、特徴および利点はこの後に続く詳細な説明が下記に説明されるような図面と考慮されながら読まれることで、当業者にとって容易に明らかなものとなる:
図1Aから図1Eは、本発明のコーティング方法の第1の実施例の主要な工程の概略図であり、光学製品の基体の突面上にフレネルレンズが形成される。 図2Aから図2Eは、本発明のコーティング方法の第2の実施例の主要な工程の概略図であり、光学製品の基体の凹面上にフレネルレンズが形成される。 図3Aから図3Eは、本発明のコーティング方法の第3の実施例の主要な工程の概略図であり、フレネルレンズを形成する幾何学形状に構成された表面をコーティングする間に、担体に荷われたコーティング積層体が同時に基体に転写される。 図4は、本発明で使用しても良いフレネルタイプのコーティングの部位の断面の概略である。
発明の詳細な説明および好ましい形態
用語「含む」(「含んでいる」などの文法的な活用形)、「有する」(「有している」などの文法的な活用形)は、制限なく関連する動詞である。これらの動詞は、記載された特性、整数、工程、成分、またはグループ、 またはそのグループの存在を特定するために用いられるのであり、一つ以上の他の特性、整数、工程、または成分またはそのグループを除外するものではない。結果として、一つ以上の工程または要素を「含む」および「有する」ある方法、ある方法に含まれるある工程は、それらの工程または要素を所有するが、それらの工程または要素のみを所有するという限定をするものではない。
特に示されることがない限り、成分、範囲、反応条件等の量に関するここに使用されているすべての数字と表現は、すべて用語「約」によって修正されるとして理解されるべきものである。
光学製品または担体が一つ以上の表面コーティングを含んでいる場合、「光学製品または担体に層を1層堆積する」という表現は、層は光学製品または担体の一番外側のコーティングの表面に堆積されることを意味する。
担体に荷われたコーティング積層体のうちの最も外側の(または外側の)および最も内側のコーティング層は、それぞれ担体に対して最も離れている、および最も近接しているコーティング層のコーティングを意味する。
担体の「上に」ある、または「担体上に」堆積されたコーティングは(i)担体の上に位置し、(ii)担体と接触する必要はなく、すなわち、一つ以上の別のコーティングが担体とそのコーティングの間に堆積される、(iii)担体を完全に覆う必要はないが、完全に覆うことが望ましい、と定義される。
本発明に従って、本発明の方法によってコーティングされるべき無機または有機ガラスの光学製品は通常、後ろ側と前側の主面を有する基体を含む。
本発明の光学製品は、好ましくは透明の光学製品で、さらに好ましくは、レンズまたはレンズブランクであり、それ以上に好ましくは眼科用レンズまたは眼下用レンズブランクであり、完成品であってもセミフィニッシュ品(半製品)であっても良い。
完成品のレンズとは、明確な形を有し、両方の主面が所望の形に処理されているかまたは型押ししされているレンズと定義される。完成品のレンズは一般的に、所望の表面形状を有している二つの型に硬化性組成物を流し込み、そして硬化されて製造される。
セミフィニッシュ品(半製品)のレンズは、その主面のうち一つの主面のみ(一般的には、レンズの前側の主面)が、所望の形に処理または型どりをされていると定義される。もう一方の表面は、好ましくはレンズの後ろ側の面であり、後に所望の形に表面処理されると定義される。
レンズの場合、基体の後ろ側(裏側)の表面(一般的には凹面)は、レンズ基体の表面で、そのレンズ基体の表面は使用時には、レンズ使用者の眼に最も近い面である。レンズ基材の前側の面(一般的に凸面)は、使用時はレンズ使用者の眼から最も遠いレンズ基材の面である。
基体は、無機ガラスまたは有機ガラスで作られ、好ましくは有機ガラス(ポリマー基材)で作られる。前記有機ガラスは、有機眼科用レンズに現在使用されている材料、例えば、ポリカーボネートおよび熱可塑性ポリウレタンのような熱可塑性材料、またはエチレングリコールビス(2-メチルカーボネート)、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、エチレングリコールビス(2-クロロアリルカーボネート)、トリエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、1,3−プロパンジオールビス(アリルカーボネート)、プロピレングリコールビス(2−エチルアリルカーボネート)、1,3-ブテンジオールビス(アリルカーボネート)、1,4-ブテンジオールビス(2−ブロモアリルカーボネート)、ジプロピレングリコールビス(アリルカーボネート)、トリメチレングリコールビス(2-エチルアリルカーボネート)、ペンタメチレングリコールビス(アリルカーボネート)、イソプロピレンビスフェノール-A ビス(アリルカーボネート)のような、直鎖状もしくは分岐鎖状の脂肪族もしくは、芳香族ポリオールのアリルカーボネートエステルのようなアリル誘導体の重合によって得られる材料、ポリ(メタ)アクリレートエステルならびに、メタクリル酸アルキルエステル、特に、(メタ)アクリル酸メチルおよび(メタ)アクリル酸エチルのようなメタクリル酸C1-C4アルキルエステルの重合によって得られる基材、(メタ)アクリルポリマーとビスフェノールAから誘導されるポリマーとを含む基体のような共重合体ベースの基体、ポリエトキシル化ビスフェレートジ(メタ)アクリレートのようなポリエトキシ化芳香族(メタ)アクリレート、ポリチオ(メタ)アクリレート、熱硬化性ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリエポキシド、ポリエピスフィルド、これらの共重合体ならびにこれらのブレンドのような熱硬化性(架橋性)材料で、作ることができる。
特に推奨される基体は、ポリカーボネートであり、例えば、ビスフェノール−Aポリカーボネートから成る、商品名LEXAN(登録商標)でゼネラルエレクトリックが販売しているもの、バイエルAGが商品名MAKROLON(登録商標)で販売しているもの、または、炭酸塩官能基を含むもの、特にジエチレングリコール(アリルカーボネート)を重合化または共重合化して得られるピーピージーインダストリーズの商品名CR−39(登録商標)(ORMA(登録商標)エシロールのレンズ)で販売されているものである。
その他の推奨される基体では、仏国特許出願公開第2734827号で開示されるような、チオメタアクリルモノマーを重合して得られる基体である。
上記のモノマーの混合物を重合化して得られる基体でももちろんよい。「(コ)ポリマー」と表示されているものは、コポリマーまたはポリマーを意味する。「(メタ)アクリレート」は、アクリレート、またはメタアクリレートを意味する。
光学製品の基体は、フレネルレンズを形成する幾何学形状に構成される表面を少なくとも一つ有している。本出願において、その表面は通常「フレネルタイプの表面」または「フレネルレンズを形成する表面」と称される。前記幾何学形状に構成された表面は、平坦でも、凹面でも凸面でも良い。
「フレネルレンズ」または「エシュロンレンズ」という用語はフレネルフォーカスメカニズムに基づいており、慣例的なフレネルレンズにみられるような空間節約、重量軽減の原則に基づくレンズを意味している。従って、「フレネルレンズ」という用語は、例えば、欧州特許第0342895号明細書に開示された改善されたフレネルレンズまたは改善されたエシュロンレンズを含む。
フレネルレンズを形成する表面は、主として光学部品の性能を改善するために利用されるということは周知である。米国特許第3,904,281号明細書および国際公開第2007/141440号パンフレットを参照のこと。
一般に、フレネルレンズを形成する表面は意図的に作られた構造で、フレネルゾーンと呼ばれる、zと示される光学軸を中心にzに向かった一連の同心環状レンズ部分を有している。z軸は、フレネルレンズを形成している幾何学形状に構成された表面の光学的中心を貫く軸である。前記表面は、同心円状に分離したレンズ部分を含み、対応する連続した表面を持つ一つのレンズに比べて短焦点で大きな直径を持つより薄いレンズをそこに形成する。
好ましくは、二つの連続したフレネルゾーン間のギャップΔzは、2μmより大きく、好ましくは、3μmより大きい、より好ましくは4μmより大きい。この好ましい実施形態における、フレネルレンズを形成する表面は、純粋な、屈折による光学的効果を示す。「二つのフレネルゾーンの間のギャップ」は、一つのフレネルソーンの底面部(谷間)と、隣接するフレネルゾーン部の頂点(ピーク)との高低差を指し、別の表現では、頂点から底面部の高さと言える。
ここで使用されているとおり、フレネルレンズを形成する幾何学形状に構成された表面の光学的な中心において、その下にある滑らかな表面に対して垂直に接するz軸の方向に従って(すなわち基体の表面に対して垂直に)ギャップは計測される。
図4は、本発明で使用されても良いフレネルタイプのコーティングの部分の限定のない断面図であり、右隣のフレネルゾーンとのギャップのΔzを示すフレネルゾーン8を示している。ギャップのΔzの大きさは、フレネルゾーン8の谷の底面部Aから隣接するフレネルゾーンの頂点までの間を計測して得られる。z軸はフレネルタイプコーティングの光学的中心Oを貫く。ギャップΔzは、z軸およびレンズ部に対応するそれぞれのフレネルゾーンに対して平行で、フレネルタイプコーティングの厚さは、前記ゾーン内で連続的に変化する。
幾何学形状に構成された表面全体または少なくともその一部上にある二つの連続するフレネルゾーンの間のギャップの大きさは一定でも良く、変化しても良い。二つの連続するフレネルゾーン間のギャップの大きさは、通常2、3、または5μmから250μm、好ましくは2、3、または4から200μm、さらに好ましくは5から150μmである。
一般に、使用されるフレネルタイプコーティングで好ましいものは、Δz×Δn≧10λ、λ=可視スペクトラルの一波長であり、典型的には、λ=500nmである。Δnは、フレネルレンズの材料およびそのフレネルレンズに隣接する材料との間の屈折率の差異である(実際はコーティングである)。これは、それぞれのゾーン間の干渉を回避することを可能にする。
好ましくは、行程(b)の表面を形成しているコーティングされていないフレネルレンズの表面の粗度Rは、2μm以上、好ましくは≧5μm、さらに好ましくは、≧10μmである。また、好ましくは、250μm以下、より好ましくは、≦200μm、さらに好ましくは≦150μmである。二乗平均平方根(RMS)粗度(R)は、当業者には周知である慣習的なパラメーターである。それは粗度プロファイル縦座標の二乗平均平方根の平均(二次元から計測された、あるサンプルの長さの平均線からのプロファイルのRMS偏差)に対応し、米国特許出願公開第2005/140033号明細書に定義され、本明細書に参照により組み込まれる。
は、接触型または光波干渉型の表面粗度計測器(例えば米国特許出願公開第2005/140033号明細書に開示された方法を見よ)、または原子間力顕微鏡(AFM)をもって計測することが可能である。
二つの連続したフレネルゾーンの間を隔てるもの、すなわち供与ピッチは、幾何学形状に構成された表面全体においてまたは少なくともある一点において、一定であっても良く、または変化してもよい。このピッチの範囲は、10μmから2mm、好ましくは20μmから200μmである。
第一の好ましいフレネルタイプの構造は、国際公開第2007/141440号パンフレットに記載されている。前記構造は、幾何学形状に構成された表面の光学的中心に中心を持つ典型的には直径20mmを有する円形の領域内において、実質的に同じ大きさの二つの連続するフレネルゾーンの間にギャップを持つ。ギャップは、前記円形の領域内において好ましくは5から50μmの範囲内であり、幾何学形状に構成された表面(例えば円形の領域内の外)にあるギャップは、サイズが可変であり、好ましくは5から250μmの範囲内である。
第二の好ましいフレネルタイプの構造は、国際公開第2007/141440号パンフレットに記載されている。前記構造は、フレネルレンズを形成している幾何学形状に構成された表面の全面上に、二つの連続したフレネルゾーンの間に実質同じ大きさであるギャップを持つ。前記大きさは5から100μm。
明らかに、フレネルレンズを形成する表面の構造は、その用途によって決まり、また、当業者によって所望の光学的特性を達成するように容易に計算される。最終の光学製品の性能は、二つの連続したフレネルゾーン間のギャップと前記構造の供与ピッチに依存する。
フレネルレンズを形成している材料は、光学製品を形成している材料と同様でも良く、または、同様でなくても良い。例えば、フレネルレンズを形成している材料は、熱可塑性または熱硬化性であることができ、例えば、グリコールのビス(アリルカーボネート)エステル、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリウレタン、ポリチオウレタン、エポキシ材、エピスルフィドおよび(チオ)ウレタンから得られるポリマーが挙げられる。
基体のフレネルタイプの表面は無制限に得ることができ、モールディング、フレネルレンズを形成している表面を持つコーティングを基体上に堆積することで(すなわち、少なくとも基体の一部をコーティングする「フレネルタイプコーティング」)、モールド中でコーティングすることで、または基体をオーバーモールディングすることで、得られる。このような技術は、当業者には周知である。
好ましい実施形態においては、基体は、フレネルタイプのコーティングでコーティングされる。前記コーティングは、光学製品の何もコーティングされていない基体上に、または基体上に設けられた一つ以上の機能を持つコーティング上に直接に堆積されるか、または接着され、前記機能を持つコーティングの例としては、耐衝撃コーティング(プライマーコーティング)、耐摩擦・引っかきコーティング(硬質コーティング)、フォトクロミックコーティング、または染色コーティングがある。フレネルタイプコーティングまたは、「パッチ」の調整は、国際公開第2007/1411440号パンフレットに開示される、本明細書に参照により組み込まれる。
本発明の工程を利用してコーティングされたフレネルレンズを形成する表面は、基体表面の全体を覆っても良く、また一部のみを覆ってもよい。基体の中心に配置されること、すなわち、光学軸を中心とすることが好ましく、しかし、基体の光学軸から外れても良い。
レンズの場合は、コーティングされるフレネルレンズを形成する表面は、好ましくは基体の前側(凸面)である主面に広がることが望ましいが、基体の後ろ側(凹面)に広がっても良く、または両面でも良い。本発明の工程を利用して、光学製品の前側と後ろ側の両面の幾何学形状に構成された表面にフレネルタイプ表面は、連続してまたは同時にコーティングされても良い。
好ましいということではなく、任意で、コーティングの前に、フレネルレンズ表面に物理的または化学的な粘着性を高める事前処理をしても良い。
本発明のプロセスで使用されている担体は、剛性でも柔軟性のものでも良く、好ましくは柔軟性のあるものが良い。担体はモールド部品でも良い。後で詳述する理由のため、担体のベースの湾曲は、基体のベースの湾曲と実質的に同一であることが重要な条件である。結果として、たとえ担体が、光学表面の一般的な形状に合致する形状を有する柔軟性のある担体であっても、ベースの湾曲が実質的に基体と異なることはできない。
剛性または柔軟性の担体のベースの湾曲と、基体のベースの湾曲の差異は、−0.3から0.3、さらに好ましくは、−0.2から0.2、さらに好ましくは、−0.1から0.1の範囲であり、最良は0である。
好ましくは、ベースの湾曲は同一、すなわち、基体に対して圧力を受ける担体の表面は、光学製品のフレネルタイプ表面の幾何学形状を逆方向で再現している。
「担体の内側の表面」は、本発明の工程において、表面を形成するフレネルゾーンを有する光学製品の表面に直接に向いている担体の主面を指す。接するフレネルタイプ表面を有する基材の形状によって、担体の内側の表面は、凹面でも凸面でも良い。
「担体のベースの湾曲」は、担体の内側の表面のベースの湾曲を指す。ベースの湾曲は、慣習的に530/R(Rはmmの単位で湾曲の半径)と等しいと定義される。
一般に、光学製品の基材は、半球の形状をしている。この場合、担体は半球の形状をしており、一般的には二つの並行の主面を有しており、結果、厚みが一定である。光学製品の基体がシリンダー形状をしており、そのため二つの底面湾曲を決定する二つの主要な経線を有している場合は、担体はシリンダー形状をしており、基体のベースの湾曲と実質的に同一のベースの湾曲を有している。
担体は、取り外し可能であり、すなわち、フレネルタイプ表面は、硬化性コーティング組成物および、任意で担体に荷われたコーティング積層体から得られたコーティングのみによってフレネルタイプの表面がコーティングされるよう、担体はコーティング工程の最後で取り外されることを意図している。
担体は、プラスチック材料、熱硬化性または熱可塑性プラスティックからできている薄い支持要素である。担体を形成するのに使用されることのできる熱可塑性プラスチック(コ)ポリマーの例は、ポリスルホン、メチルポリ(メタ)アクリレートのような脂肪族ポリ(メタ)アクリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンのようなSBM(スチレン-ブタジエン-メチル メタクリレート)ブロックコポリマー、ポリフェニレンスルフィド、アリレンポリオキサイド、ポリイミド、ポリエステル、ビスフェノール Aポリカーボネートのようなポリカーボネート、PVC、ナイロンのようなポリアミド、その他のコポリマー、およびその混合物からなるものがある。好ましい熱可塑性プラスチックは、ポリカーボネートである。
好ましくは、担体は、非エラストマー素材である。
好ましくは、担体の材料の弾性係数は、1GPaから5GPa、より好ましくは、1.5GPaから3.5GPaの範囲にある。
担体は、好ましくは光透過性、特に、UV透過性であり、UV硬化性組成物のUV硬化を可能にするものである(好ましくは、光は担体側から照射される)。使用された硬化性組成物が熱によって熱硬化性ある場合、担体の素材は、硬化温度に耐えるものが選択される。
一般に、取り外し可能な担体は、0.26から5mmであり、好ましくは、0.3から5mm、さらに好ましくは0.6から2.0mmの厚さを有する。しかしながら、厚さは、無制限ではなく、後に詳述される本発明の工程(e)の間に加えられる圧力に関連する。
任意で、担体は、最初に保護および剥離剤コーティング層を塗布される(PRC)。前記層保護および剥離剤コーティングは、本発明の工程中には転写されることなく、工程(g)の間に取り除かれるまでは、担体上に存在する。
アルコキシシランを含むペルフルオロエーテルを含む疎水性組成物のような疎水性コーティング(すなわち、ダイキンのオプツールDSX(商標)は、樹脂コーティングからの剥離性を改善するためにPRCとして使用することが可能である。
担体の内側の表面は、保護および剥離コーティングのような転写可能なコーティングでコーティングされ、前記転写可能なコーティングのむき出しの表面は、担体の内側の表面とされる。
担体の内側の表面は、基体の幾何学形状に構成された表面に転写される目的で一つ以上のコーティングを有する。前記コーティングは、限定なく、反射防止コーティング、汚れ防止トップコーティング、耐摩擦および/または耐ひっかき性コーティング、耐衝撃性コーティング、分極コーティング、フォトクロミックコーティング、染色コーティング、印刷層、マイクロ構造層、静電防止コーティングから選択される。これらのコーティングおよびコーティングされた担体は、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2008/015223 号パンフレットおよび米国特許第6,562,466号明細書に記載されている。これらのコーティングは、基体のコーティング積層に対して所望される順番と反対の順番で担体の表面に塗布される。
最初の好ましい実施形態では、担体に荷われたコーティング積層体は、一つの転写可能なコーティングとして、転写されたときに、基体の表面から始まり、汚れ防止トップコーティング、反射防止コーティング、耐摩擦および/または耐引っかきコーティングを含む。第2の好ましい実施形態では、担体に荷われたコーティング積層体は、一つの転写可能なコーティングとして耐摩擦および/または耐引っかきコーティングを含む。
一つまたは二つのコーティングの層が転写されたとき、その層の全体の厚さは、典型的には1から500μmであるが、50μm未満、より好ましくは、20μm未満、さらに好ましくは10μm以下である。
本開示は滑らかなコーティング表面を得ることに主に尽力しているが、本発明は担体の作用表面(その内側の表面)がパターンに従ってレリーフを形成していること、言いかえれば、マイクロ構造によって与えられた特性(例えば反射防止特性)を有する光学表面を有する完成した光学製品に適合するマイクロ構造の表面を有している場合を含むことは注目に値する。この場合、本発明の工程(g)から得られる光学製品のむき出しになった表面は、滑らかではない。マイクロ構造のモールド部品を得るための、別の技術は、国際公開第99/29494号パンフレットに開示される。
担体のマイクロ構造の表面は硬化性コティーティング組成物に接触する表面であってもよい。すなわち、担体自体の内側の表面、または、担体の外側のコーティングの外表面である。この場合、マイクロ構造は、コーティング工程において硬化したコーティング中で複製される。担体のマイクロ構造表面は、コーティング工程で転写されるだろうものを荷っている最も内側のコーティングに接触する表面であっても良い。
硬化性コーティング組成物は、担体の内側の表面に、(そのような積層体がある場合には)坦体に荷われた積層体の外表面に、堆積されるか、または、フレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面、好ましくはフレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面上に堆積される。
「担体に荷われたコーティング積層体の外表面」は、前記担体の最も外側のコーティングの表面を指す。
本発明のコーティング工程で使用するための前記硬化性コーティング組成物は液体組成物であり、熱によって硬化するもの(熱硬化性)、光照射(光硬化性または照射硬化性)、特にUV照射、によって硬化するもの、または熱および光の両方によって硬化するものである。
公知の方法によって硬化は行われる。例えば、熱硬化は、熱湯槽、炉、IR熱源またはマイクロウェーブ源などの加熱装置の近くまたはその加熱装置の中に、基体によって形成されたアセンブリ、硬化性コーティング組成物および担体を配置することによって実施される。熱硬化は、典型的には40-130℃で、好ましくは60-120℃、より好ましくは70-110℃で行われる。
硬化性コーティング組成物は、最終的な光学製品の光学特性を損なってはならず、どのような典型的な液体の硬化性コーティング組成物、特に、眼科用レンズのような光学製品の光学的および/または機械的な特性を向上させるための機能性コーティング層を成形するために、使用される組成物であっても良い。例えば、分極コーティング組成物、フォトクロミックまたは染色コーティング組成物のようなその他のコーティング組成物と同様に、粘着性および/または耐衝撃性を改善するためのプライマーコーティング組成物、耐磨耗および/または耐ひっかきコーティング組成物は、硬化可能コーティング組成物として機能することができる。好ましい実施形態では、硬化性コーティング組成物は、耐磨耗および/または耐引っかきコーティング組成物である。
硬化後にフレネルレンズを形成する表面が粘着性を有するように、硬化性コーティング組成物はフレネルレンズ表面で粘着性の特性を有している。
硬化性コーティング組成物は、この技術分野で公知である技術のいずれかによって堆積される。基材の幾何学形状に構成された表面または、担体の中心に少なくとも一滴投下されることが望ましい。
重要な要件は、圧力を与える工程(e)において、硬化工程の後に、滑らかなコーティング層または光学製品の幾何学形状に構成された表面全体を覆う粘着性のある挿入層が形成されるよう、硬化性コーティング組成物は、フレネルレンズを形成する光学製品の幾何学形状に構成された表面上に過度な圧力を与えることなく、均一に延ばされることである。過度の圧力は、樹脂の収縮とRtb率の変化によって気泡を引きおこす。圧力を与える工程(e)の後で、表面上に覆われていない部分がないように、すなわち、少なくとも粗いフレネル構造の溝を埋め最終の完成されたアセンブリを形成するのに、前記組成物の分量は十分な分量でなければならない。
付随して、前記組成物の過剰分を取り除く余計なクリーニング工程を避けるためには、光学製品の周囲に前記組成物が溢れないように前記組成物はできる限り少量を維持しなければならない。
本発明の一つの実施形態では、フレネルレンズ表面に対しての粘着性に加え、硬化性組成物は、担体がそれらのコーティングを運んできた際にそれらのコーティングに対して粘着性のある硬化性コーティング組成物または硬化性接着組成物である。
この実施形態は、担体が、転写されるべきコーティングを荷っている場合に、特に興味深い。実際、粘着性組成物の硬化によって、硬化した粘着性組成物の層を通して基体の幾何学形状に構成された表面に担体によって荷われた転写されたコーティング積層体を安全に接着する結果となる。
液状の硬化性接着剤または、接着性組成物は、限定することなく、ポリウレタン化合物、エポキシ化合物および/または(メタ)アクリレート化合物を含んでも良い。
液状の硬化性接着剤の好ましい成分は、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、エトキシレートビスフェノールA(メタ)アクリレート、エトキシレートトリメチロールプロパントリアクリレート、トリ(2−ハイドロキシエチル)イソチアニュレートのような種々の3官能アクリレートのような、アクリレート化合物である。イソボルニルアクリレート、2−ハイドロキシエチルメタクリレートベンジルアクリレート、フェニルチオエチルアクリレートのような単官能アクリレートも適している。前記の化合物は、単体でも組み合わせても使用可能である。好ましい接着剤は市販されており、それはウルトラオプティクス社またはヘンケル社が販売している商品名Loctite(登録商標)である。
一つの実施形態では、硬化したコーティング組成物の屈折率は、フレネル構造を形成する材料の屈折とは異なる。屈折率の差が大きいほど、光学的性能は高い。この実施形態においては、最小の屈折率差は>0.03である。
硬化性組成物は、光学的染料またはフォトクロミック染料のような添加剤を含むことも可能である。
最良の実施形態では、表面的欠陥のない、表面の滑らかな最終光学製品を得るために、硬化性コーティング組成物が、気泡がおこることなく表面全体を覆うようにフレネルレンズを形成する表面に硬化性コーティング組成物広げるために、担体と光学製品は注意深くお互いに向かって近づけられることが推奨される。担体の中心は、フレネルタイプ表面に対して非常にゆっくりと軽く押し付けられることが望ましく、それによって液状のコーティング組成物は、非常にゆっくりとした速度で、好ましくは10mm/s未満、より好ましくは6mm/s未満、さらに好ましくは5mm/s未満、通常は約3mm/sで広がることが可能となる。
本発明の発明者は、硬化の間の気泡の形成は、加える圧力の強さと同様に、担体の特徴、つまり、そのベースの湾曲、そして厚さに関係していることを発見した。
従って、担体の外側の表面に加えられる圧力(例えば、硬化性組成物および/または転写可能なコーティングに接触しない担体の表面)は注意深く制御されなければならない。
第一に、加える圧力は、0.138Bar(2Psi)以上であり、好ましくは、0.207Bar(3Psi)以上、より好ましくは0.345Bar(5Psi)以上である。本発明によると、硬化性コーティング組成物に覆われるフレネル構造のアセンブリはこのように、工程(e)の最後で均一の厚さを有するよう形成する。「均一の厚さ」は、層の領域全体の厚さの変化が、完成した光学製品の光学性能には影響しないことを意味する。
それに対して、加えられる圧力が過小またはゼロの場合は、硬化性組成物は幾何学形状に構成された表面全体に広がらず、良く制御されず、結果として均一でない最終コーティングとなる。
「加えられる圧力」は、工程(e)の間に加えられる圧力と圧力がゼロの場合との差であると理解されなければならない。
第2には担体の厚さ(単位:mm)/加えられる圧力(単位:Bar)と定義されるRtb率は、1.85以上でなければならず、好ましくは、1.92以上、さらに好ましくは2.00以上である。フレネルレンズの構造の大きさ(Δzおよび/または格子のピッチ)が小さくなるほど、Rtb率は低くなる。
これらの第1要件および第2要件は担体の厚さが0.26以上が必要であり、好ましくは0.30mmであることを意味している。
与えられた圧力およびフレネル構造について、担体の厚さが薄すぎた場合、Rtb率が1.85以下となり、フレネルタイプ領域のコーティング樹脂の収縮率は、硬化後に完成した光学製品において、気泡を発生させてしまう。特定の理論に拘束されることは望むことなく、薄すぎる担体はより柔軟性を有し、外部から圧力を加えられた場合により容易に隔離され、密閉された硬化性組成物のセルを形成する。前記組織中のコーティング組成物の密閉度が高いほど、前記セル中のコーティングの収縮によって気泡発生現象の率が高まる。
また、与えられた担体の厚さについて、工程(e)中に、過度の圧力が加えられると、Rtb率が1.85より低くなり、同様の気泡発生減少がみられ、一方、コーティングされた表面が滑らかであるかまたは微小な粗度である場合は、気泡発生現象は起こらない。いかなる特定の理論に束縛させることは好まないとしても、高すぎる圧力は、相互に呼応しない隔離された硬化性組成物セルをつくるのに十分な担体の変形を生む傾向があると考えられている。
さらに、過度の圧力は基体の変形を引き起こす。
本発明の発明者は、気泡発生を回避するのと実質的に同様に、フレネルタイプ領域のコーティングの収縮は、担体と基体の個々の湾曲によって影響されることを発見した。
「基体のベースの湾曲」は、フレネルレンズを形成する幾何学形状に構成された表面を有する基体の表面の湾曲を指す。
本発明の方法の三つの要件が同時に満たされた場合、つまり、Rtb率≧1.85、加えられる圧力が0.138以上、基体のベースの湾曲が担体のベースの湾曲と実質的に同一であれば、本発明の工程(g)で得られる光学製品では、フレネルレンズを形成する表面が均一にコーティングされ、回避不可能なコーティングの収縮現象によって引き起こされる気泡も形成されない。
完成した光学製品では、硬化したコーティング組成物によって充填およびコーティングされたフレネルレンズを形成する構造(例えば、フレネルタイプコーティング)によって形成されたアッセンブリの厚さは、好ましくは300μm未満、より好ましくは、10から260nm、さらに好ましくは、20から200nmの範囲である。
通常、コーティングされたフレネルレンズを形成する表面のむき出しの表面の粗度Rは0.05μmである。
担体の外側の表面に加えられる圧力は、フレネルレンズを形成する表面に硬化したコーティングが十分に接着されるよう、硬化性組成物が十分に硬化するまで維持されなければならない。
必要とされる圧力、特に必要とされる空気圧は、担体を光学製品に向けて押し上げるのに適切な流体による圧力の付加により、十分に変形するエラストマーで作られても良い膨張可能な膜を使って加えられても良い。例えば、国際公開第03/004255号パンフレットに開示されるように、膨張可能な膜装置が担体の外側の表面上に配置される。
好ましくは、圧力は始めに、担体の中心部に加えられ、次に基体の中心部から基体の縁部に向かって圧力を増加する。
加えられる圧力は、基体と担体の大きさと湾曲による。通常は、0.138から1.38Bar(2から20Psi)の範囲であり、好ましくは、0.345から1.03Bar(5から15Psi)である。
好ましい実施形態として、本発明は担体上の膨張可能な膜によって加えられる圧力を記載している一方で、フレネル表面を有するレンズの外側の表面上に前記膨張可能な膜を配置させてもよいことが理解されなければならない。担体の外側の表面は、支持要素で支持されている。レンズの外側の表面に加えられる圧力は、反動によって、支持要素に対して押し上げられる担体の上に加えられる。
ここで図面を参照する。図面は本発明の特定の実施例のみを示しており、特に、図1Aから1Eは、フレネルレンズ2をその凸面上に形成する幾何学形状に構成された表面を有する基体は、その凸面が上向きの状態で支持要素(書かれていない)上に配置される(図1A)。液状の硬化性コーティング組成物3が雫状でフレネルレンズ形成表面上にのせられる(図1B)。同様のベースの湾曲を持つ担体4が、担体としてその内側の表面が下向きの状態で支持要素上に配置される(図1C)。
フレネル構造のため、基体の凸面側に堆積された液状の滴は非常に安定しているので、凹面の担体が、気泡の発生を防ぐためにゆっくりと近づいて直接接触できる。硬化性組成物3および担体4の内側の表面(図1D)が直接接触するよう支持要素は互いに関連して動き、このようにしていくつかの液状コーティングセル6は形成される。
その後、本発明の圧力およびRtb率の要件が満たされた状態で、支持要素は互いに押し合わされる。そして、硬化性組成物3は、その組成物の性質によって、例えば、熱または光によって、硬化され、加えられた圧力が除かれると、担体4は引き離され、フレネルレンズを形成する表面に接着し、硬化したコーティング組成物5にコーティングされている基体1が、図1Eが示すように回収される。得られた光学製品は、滑らかな表面と適切に保護されたフレネル型構造を示す。
図2Aから2Eは、幾何学形状に構成されたフレネルレンズ2`を形成する表面が基材1の凹面上にあることを除いて、表面が図1Aから図1Eに関して開示されているものに類似の方法の主要工程を示している。
図3Aから3Eは、担体4”がコーティング積層体7をその内側の主面(凸面)に有している(図3C)ことを除いて、表面が図2Aから2Eに関して開示されているものに類似の方法の主要工程を示している。支持要素は硬化性組成物3”と担体4”によって転写されたコーティング積層体のむき出しになっている表面が直接接するように互いに関連して動く(図3D)。この場合、フレネルレンズを形成している表面のコーティングは、同時に基体上にコーティング層を転写する。図3Eが示すように、この方法は、硬化したコーティング組成物5”およびコーティング積層体7によって連続的にコーティングされているフレネルレンズを形成する表面を有する基体1”を生産する。
本発明の方法によって得られ、完成した光学製品は、非常に高い光学的品質を保持しており、干渉縞は全くないか、非常に低いレベルでしか発生しない。それらは可視域の光を吸収しない(またはほとんど吸収しない)ことが好ましく、これは、ここでは、本発明の方法によって片側がコーティングされるとき、光学製品が可視域において、好ましくは、1%もしくはそれ未満の、より好ましくは1%未満の蛍光吸収を持つこと、および/または好ましくは90%よりも高い、より好ましくは95%よりも高い、さらに好ましくは96%よりも高い、可視スペクトルにおける相対光透過率Tvを持つこと、を意味する。両方の特性が同時に満たされ、また、コーティングの厚さが注意深く制御されることにより、達成されることが好ましい。ここで使用されているように、Tv要因は、規格ISO 8980−3で定義されているようなものであり、380−780nmの波長範囲である。
本発明のコーティング方法は、眼科用レンズ産業に用いられることができ(好ましくは)、画像装置、テレビジョン、照明機器、交通信号、ソーラーセル等の分野でも用いられることができる。
本発明は下記の実施例によってさらに説明される。これらの実施例は本発明を説明するものであり、発明の範囲を限定するためのものではない。
a)概論
下記の実験に示されたコーティングされた光学製品は、ポリカーボネート基板(直径:70mm、底面の湾曲:7.5)および国際公開第07/141440号パンフレットに開示されるような、フレネルタイプパッチを凹面の表面に有するプラノレンズブランクである。前記パッチは、直径50mmで格子ピッチは130から260μmであり、二つの連続したフレネルゾーンの間に20から90μmの範囲のギャップを有する。前記フレネルタイプパッチは、屈折率1.59のポリカーボネート材料で作られる。
実施例1から3およびC1からC7において、使用されている担体は、半球型のポリカーボネートモールド部品であり、厚さは0.6、1.2、または2.2mmで底面湾曲は7.5(例外:C2およびC4は6.5)であり、国際公開第08/015223号パンフレットに開示されているように保護および開放のコーティングをその内側の凹面の表面に有している。このコーティングは、このコーティング方法が実施された際には転写されない。
UV硬化性粘着性組成物は表1にある化学式を有し、レンズの凸面のフレネルタイプの表面をコーティングするために使用される。前記組成物は、硬化したときに1.52の屈折率を有する。
Figure 0005314752
b)コーティングの一般的方法
表1のUV硬化性接着剤15滴(約30g)をレンズのフレネルタイプの表面(の中心部)に堆積し、上記記載の担体を、その凹面側から注意深く液の滴とフレネルタイプの凸面に接触させる。担体は、重力によって、硬化性組成物がフレネルタイプの領域全体または、フレネルタイプの領域の大部分を覆うように実質的に広がるまでそのまま維持される。液体の流入が早すぎる場合は、フレネル構造にトラップされている気泡が発生するリスクが低減する。そして、フレネルタイプ表面上に硬化性コーティング組成物が広がるよう、軽量のバルーンによって0.345Bar(5Psi)、 0.689Bar (10Psi)、または1.034Bar(15Psi)、または1.378Bar(20Psi)の圧力が、担体にかけられる(C3からC5は例外であり、圧力はかけられない)。コーティングされていない部分はなく、全面がコーティングされている。圧力を維持する一方で、担体側に配置されている紫外線照明器具(80mW/cm2)で40秒紫外線を照射することで硬化性コーティング組成物は硬化させられた。
圧力は開放され、担体が取り外され、コーティングされたフレネルタイプの表面を有するレンズが提供された。コーティングされたフレネルレンズの表面は、滑らかであったため、必要に応じて、前記レンズはそのまま連続して、ディップまたはスピンコーティングでハードコートされること、まはた、反射防止層でコーティングされることも可能である。
c)結果
方法のパラメーターおよびそれぞれの実施例で得られたレンズの性能は、表2に集約されている。
Figure 0005314752
硬化後の気泡は、自然光のなかで裸眼で、担体が取り外される前に確認された。レンズ表面全体のコーティングの厚さは、コーティングされたレンズが横断面で切断された後に顕微鏡検査で測定された。
完成したレンズの外観は、担体が取りはずされた後に自然光の中で裸眼で検査された。気泡が存在した場合は、構造体は、コーティング層によって覆われておらず、自然光の中で可視の欠陥があった。
上記の表が示すように、気泡の発生現象は、モールド部品の特性および加えられる圧力に関連する。
コーティング方法の特性の選択によって、つまり、選択する担体およびレンズの底面の湾曲、かけられる圧力、および担体の厚さによっては、実施例1から3では、コーティングの収縮によって引き起こされる気泡の発生現象はみられなくなる。これらの実施例で得られたレンズは、滑らかな表面を有しており、適切にコーティングされたフレネルレンズを形成する表面を有していた。レンズが検査されたときには、コーティングされた表面にはいかなる光学的なゆがみもなかった。硬化したコーティング組成物とフレネル構造を形成している材料との間の屈折率の差によって、完成したレンズの光学的機能は非常に高かった。
比較例1は、(1)/(2)の比率が1.85以下の非常に薄い担体を使用したこと以外、実施例1と同様である。得られた完成したレンズでは、フレネルタイプ領域のコーティング樹脂の表面での収縮により、気泡が多く発生した。実施例2から比較例7で担体の厚さを薄くした場合に同様の減少が観察された。
実施例6は、(1)/(2)の比率が1.85以下となるような過度の圧力をかけたこと以外は、実施例1および3と同様である。得られた完成したレンズでは、フレネルタイプ領域のコーティング樹脂の表面での収縮により、気泡が多く発生した。
比較例2は、底面の湾曲のことなる担体とレンズを使用したこと以外は、実施例2と同様である。得られた完成したレンズでは、底面の湾曲が合わないことから気泡が多く発生した。
比較例3から5は、コーティング工程において、担体の外側の表面に圧力がかけられなかったこと以外は実施例1から2と同様である。気泡は発生しなかったが、硬化性組成物を伸ばすことを十分に制御することができず、最終のコーティング層の厚さが不均一となった。
実施例4: ハードマルチコート(HMC)コーティングのフレネルレンズ表面への転写
a)ハードマルチコートにコーティングされた担体は、米国特許第6,562,466号明細書に記載されている。7.5ベースのハードマルチコーティングの担体は、コーティングを転写するのに使用されている。前記ハードマルチコーティングの担体は、厚さ0.6mmであり、直径は73mmである。
b)表1で詳細が記載されている15滴(約30g)の紫外線硬化性接着剤は、レンズ(7.5ベース)のフレネルタイプの表面の中心部分に堆積された(圧力無:(フレネル構造以外)は、前と後ろの面の形状は同一)。フレネル構造はレンズの凸面にあり、そのフレネル構造においては、連続する二つのフレネル部分間の高さ(ギャップ(Δz)が一定的に28μmであり、中心から円周までの異なる幅(格子ピッチ)は、(100nmから211nmであった)。そして、前記ハードマルチコートの担体は、液体の滴の上に反対になったハードマルチコートおよび凹面のフレネル表面を有している前記担体の凸面から、注意深く寄せられた。担体は、その担体の重力により、硬化性組成物が適正に広がり、フレネル領域の大部分を覆うまでそのまま維持された。そして、硬化性コーティング組成物が凹面のフレネル表面全体に広がるよう、圧力0.138Bar(2Psi)が、軽量のバルーンを用いて担体に加えられた。覆われていない部分はなかった。Rtb率は、4.35で維持された。
c)圧力が維持される一方で、硬化性コーティング組成物は、担体側に配置されたUVランプ(80mW/cm)による40秒間の照射によって硬化された。硬化後、担体は取り除かれ、マルチハードコートはフレネル構造レンズに転写された。このレンズに転写されたハードマルチコート層は非常に滑らかで気泡を含んでいなかった。このコーティングされたフレネルレンズの表面にはいかなる光学的歪みもみられなかった。得られたフレネルレンズは、硬度、耐反射性、粘着性などの、光学的および機械的性能は非常に高かった。

Claims (16)

  1. a)プラスチック材料からなり、内側の表面および外側の表面を有する、取り外し可能な担体を提供する工程と
    (b)フレネルレンズを形成する一つ以上の幾何学形状に構成された表面を有する基体を含む光学製品を提供する工程と
    (c)フレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面、または前記担体の内側の表面に硬化性コーティング組成物を堆積する工程と
    (d)前記堆積された硬化性コーティング組成物を、少なくとも、フレネルレンズを形成する表面、または前記担体の内側の表面と接触させるために、前記担体と前記光学製品を相互に関連して動かす工程と
    (e)前記少なくとも一つのフレネルレンズを形成する表面を覆うよう前記硬化性コーティング組成物を広げるために前記担体の外側の表面に圧力をかける工程と
    (f)硬化性コーティング組成物の層を硬化する工程と
    (g)前記硬化したコーティング組成物で被覆された少なくとも一つのフレネルレンズを形成する表面を有する前記光学製品の基体を回収するために、前記担体を取り除く工程と
    を含み、
    下記の要件
    前記基体の底面の湾曲と前記担体の底面の湾曲が実質的に同一である
    程(e)で与えられる圧力は、0.138Bar以上であおよび
    前記担体の厚さ(単位:mm)/圧力と定義されるRtb率が、工程(e)(単位:Bar)で1.85以上であ
    が同時にみたされる、
    少なくとも一つの光学製品基体の幾何学形状に構成された表面であって、フレネルレンズを形成する表面をコーティングする方法。
  2. a)プラスチック材料からなり、内側の表面および外側の表面を有しており、前記内側の表面は、むき出しになった表面を有し、転写されるための、一つ以上のコーティングからなるコーティング積層体を有する、取り外し可能な担体を提供する工程と
    (b)フレネルレンズを形成する一つ以上の幾何学形状に構成された表面を有する基体を含む光学製品を提供する工程と
    (c)フレネルレンズを形成する少なくとも一つの表面、または前記担体によって荷われたコーティング積層体の表面に硬化性コーティング組成物を堆積する工程と
    (d)前記堆積された硬化性コーティング組成物を、少なくとも、フレネルレンズを形成する表面、まは前記担体によって荷われた前記コーティング積層体の表面と接触させるために、前記担体と前記光学製品を相互に関連して動かす工程と
    (e)前記少なくとも一つのフレネルレンズを形成する表面を覆うよう前記硬化性コーティング組成物を広げるために前記担体の外側の表面に圧力をかける工程と
    (f)硬化性コーティング組成物の層を硬化する工程と
    (g)前記硬化したコーティング組成物および転写された前記コーティング積層体で被覆された少なくとも一つのフレネルレンズを形成する表面を有する前記光学製品の基体を回収するために、前記担体を取り除く工程と
    を含み、
    下記の要件
    前記基体の底面の湾曲と担体の底面の湾曲が実質的に同一である
    程(e)で与えられる圧力は、0.138Bar以上であおよび
    前記担体の厚さ(単位:mm)/圧力と定義されるRtb率が、工程(e)(単位:Bar)で1.85以上であ
    が同時にみたされる、
    少なくとも一つの光学製品基体の幾何学形状に構成された表面であって、フレネルレンズを形成する表面をコーティングする方法。
  3. 工程(e)で与えられる圧力は、0.207Barから1.03Barの範囲である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記Rtb率が1.92以上である、請求項1または2に記載の方法。
  5. 前記担体の厚さが0.26から5mmである、請求項1または2に記載の方法。
  6. フレネルレンズを形成する前記幾何学形状に構成された表面が、基体の凸面の主面上にある、請求項1または2に記載の方法。
  7. 前記フレネルレンズが、フレネルゾーンを形成する一式の同心円の環状のレンズ領域を含み、二つの連続したフレネルゾーン間のギャップのΔzが2μmより大きく、前記ギャップΔは、基体の表面に対して垂直で、フレネルレンズを形成する幾何学形状に構成された表面の光学的中心にあるz軸方向に計測される、請求項1または2に記載の方法。
  8. 前記ギャップΔzの大きさが5から250μmの範囲である、請求項に記載の方法。
  9. 前記ギャップΔzの大きさが5から150μmの範囲である、請求項に記載の方法。
  10. 工程(b)で提供されるフレネルレンズを形成する前記幾何学形状に構成された表面の表面粗度Rqが2μm以上である請求項1または2に記載の方法。
  11. 連続した二つのフレネルゾーン間のギャップが、前記幾何学形状に構成された表面の光学的中心を中心とする直系20mmの円の領域内で、5から50μmの範囲で同一であり、前記円の領域外では、前記連続する二つのフレネルゾーン間のギャップが5から250μmの範囲で変化する、請求項に記載の方法。
  12. 前記連続する二つのフレネルゾーン間のギャップが、フレネルレンズを形成する前記幾何学形状に構成された表面のすべての表面上において、5から100μmの範囲内である請求項に記載の方法。
  13. 工程(b)で提供される前記光学製品がフレネルレンズを形成するむき出しの表面を有する、コーティングによって少なくとも一部コーティングされる基体を有する請求項1または2に記載の方法。
  14. 工程(a)において、前記担体の内側の表面が、汚れ防止トップコート、反射防止コーティング、耐摩耗および/または耐ひっかきコーティング、耐衝撃コーティング、分極性コーティング、フォトクロミックコーティング、染色コーティング、印刷層、マイクロ構造層、および静電防止コーティングから選ばれる一以上の層を有している、請求項に記載の方法。
  15. 前記フレネルレンズを形成している材料と硬化したコーティング組成物の屈折率の差は、0.03より大きい、請求項1または2に記載の方法。
  16. 前記フレネルレンズを形成する材料が、グリコールのビス(アリルカーボネート)、ポリカーボネート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリウレタン、ポリチオウレタン、エピスルフィドおよび(チオ)ウレタンから得られるエポキシ材およびポリマーから選択される熱可塑性または熱硬化性ポリマーである、請求項1または2に記載の方法。
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