JP7204363B2 - 回折光学素子、その製造方法および光学機器 - Google Patents

回折光学素子、その製造方法および光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP7204363B2
JP7204363B2 JP2018136002A JP2018136002A JP7204363B2 JP 7204363 B2 JP7204363 B2 JP 7204363B2 JP 2018136002 A JP2018136002 A JP 2018136002A JP 2018136002 A JP2018136002 A JP 2018136002A JP 7204363 B2 JP7204363 B2 JP 7204363B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
resin layer
optical element
diffractive optical
refractive index
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018136002A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019032518A (ja
Inventor
研逸 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to US16/048,715 priority Critical patent/US10852460B2/en
Publication of JP2019032518A publication Critical patent/JP2019032518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7204363B2 publication Critical patent/JP7204363B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lenses (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)

Description

本発明は、カメラやビデオ等の光学機器に使用される回折光学素子、特に光学特性が異なる2種類の樹脂を用いた回折光学素子及びその製造方法に関する。また、その回折光学素子を用いた光学機器に関する。
レンズなどに用いられる光学素子として、光学特性が異なる2種類の樹脂を用いた回折光学素子が知られている。この回折光学素子は、回折光学系と屈折光学系では色収差が全く逆に発生する性質を利用してレンズとしての色収差を抑制し、かつレンズ全体の大幅な小型化、軽量化を実現可能としている。2種類の樹脂を用いた回折光学素子とその製造方法に関しては様々なものが提案されている。
例えば、特許文献1には第1の基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が密着して設けられ、それらの樹脂層が第1の基材と第2の基材に挟まれた構成の回折光学素子とその製造方法が開示されている。
また、特許文献2には第1の基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層、第2の樹脂層の上に中間層が設けられ、それらの樹脂層が第1の基材と第2の基材に挟まれた構成の回折光学素子とその製造方法が開示されている。
特開2007-212547号公報 特開2013-205534号公報
しかしながら、特許文献1に開示された回折光学素子は1つの輪帯内で第2の樹脂層に屈折率分布が発生する。図1は特許文献1に開示された回折光学素子の断面概略図であり、左端が回折光学素子の中心であり、横方向の矢印で示した範囲が第1輪帯である。この回折光学素子は、図1(a)で示す様に、第2の樹脂層104が、第1の基材101上に設けられた回折格子形状を有する第1の樹脂層103と第2の基材102と、に拘束されたまま硬化されて製造される。そのため、第2の樹脂層104のA部分はB部分より硬化収縮量が小さくなる。また第2の樹脂層104は拘束されているため、自由に収縮できず、A部分の密度が疎になり、B部分の密度が密となり、当該部分には屈折率差が生じる(図1(b))。この回折光学素子を用いて撮像すると、第2の樹脂層の1つの輪帯内に生じた屈折率差が原因で透過波面の位相ずれが生じ、ボケ像(レンズの焦点の範囲外の領域における像)に同心円状の縞模様が発生するという課題があった。
一方、特許文献2に開示された回折光学素子は、特許文献1とは第2の樹脂層の上に中間層が存在するという点で異なる。中間層は第1の樹脂層の段差形状の影響を緩和する目的で40μm程度の厚みで設けられているため、第1の樹脂層、第2の樹脂層および中間層に生じる屈折率差はわずかである。そのため、この回折光学素子を用いて撮像すると、特許文献1の回折光学素子と比べて、同心円状の縞模様は抑制できる。しかし、第2の樹脂層の上に中間層が存在するため、全体の層厚が80μm以上と厚い。そのため、温度変化が生じた際に、2つの基材に挟まれた回折格子層(第1の樹脂層と第2の樹脂層と中間層)の伸縮の絶対量が大きくなるとともに、基材と回折格子層の線膨張係数差に起因する内部歪が増大し、回折格子層に割れが発生するという課題があった。
本発明は上述の課題に対処するためになされたものであり、透過波面の位相ずれを低減し、温度変化による割れが発生しない回折光学素子を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の回折光学素子は、第1の基材と、前記第1の基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が積層され、前記第2の樹脂層の上に第2の基材が積層された回折光学素子であって、前記回折格子形状は斜面部と壁面部からなり、前記回折光学素子の積層方向から平面視した際に、同心円状の複数の輪帯を形成し、前記第2の樹脂層が、第1の部と第2の部からなり、前記第1の部が、前記第1の樹脂層の上の一部である前記複数の輪帯のうち回折光学素子の中心を囲む円である第1輪帯の全体を含む領域の上に設けられ、前記第2の部が、前記第1の部の上から前記第1の樹脂層の周縁を含む領域の上まで連続的に設けられ、前記第1の部が前記第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積をS1、前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積をS2としたときに、S2がS1より大きく、前記第1輪帯の中心上における前記第2の部の屈折率と、前記第1輪帯の円周上における前記第2の部の屈折率との差が0.0005以内であることを特徴とする
本発明の回折光学素子は、回折格子の各輪帯内に生じる屈折率差が小さいため、この屈折率差に起因する透過波面の位相ずれを低減することが出来る。また、温度変化の際に回折格子層(第1の樹脂層および第2の樹脂層)の基材に対する伸縮に起因した割れを防止することができる。
従来技術の回折光学素子の一実施形態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の概略図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子と従来技術の回折光学素子の断面図である。 従来技術の回折光学素子の一実施形態を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層を形成する工程を示した図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層を形成する工程を示した図である。 従来技術の回折光学素子の透過波面の位相ずれの関係を示す図である。 従来技術の回折光学素子の断面図である。 従来技術の第2の樹脂層の形状と透過波面の位相ずれの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る光学機器を示す概略図である。
(回折光学素子)
図2は本発明の一実施形態に係る回折光学素子を表したものであり、図2(a)は回折光学素子の中心を通る断面図である。
回折光学素子20は、第1の基材1と第2の基材2及びそれらに挟まれた回折格子層で構成される。
第1の基材1と第2の基材2は、例えば、ランタン系の高屈折率低分散ガラスであるS-LAH55(株式会社オハラ製)や超低分散ガラスであるS-FPL51(株式会社オハラ製)などを用いることができる。
回折格子層を形成する樹脂としては、広い波長帯域で高い回折効率を得るために、一方に高屈折率低分散の樹脂を、他方に低屈折率高分散の樹脂を使用することが好ましい。可視域全域で99%以上の高い回折効率を得るためには、低屈折率高分散の樹脂に部分分散比θgFが通常の樹脂より小さいリニア分散特性を有する材料を使用することが好ましい。このリニア分散特性を得るためには、ベース樹脂に無機微粒子を分散させて混ぜる方法が知られており、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化ジルコニムなどを好適に用いることができる。また、ベース樹脂は紫外線硬化型樹脂が好ましく、特にアクリレート系樹脂が好ましい。また、第1の樹脂層は低屈折率高分散の樹脂を含有すること、第2の樹脂層は高屈折率低分散の樹脂を含有することが好ましい。
回折格子層は同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層3と、第1の部5と第2の部4からなる第2の樹脂層とで構成され、第1の樹脂層3、第2の部4及び第1の部5はそれぞれ互いに密着している。また、第2の樹脂層は、第2の部4及び第1の樹脂層の中心近傍の上に設けられた第1の部5で構成される。また、前記第2の部4は、前記第1の部5の上から前記第1の樹脂層の周縁を含む領域の上まで連続的に設けられる。ここで、第1の部5と第2の部4は同じ樹脂からなることが好ましい。また、前記第1の部の中心における屈折率は前記第2の部の中心における屈折率より大きいことが好ましい。屈折率差に起因する透過波面の位相ずれを低減することが出来、その効果として縞模様の中心輝度を10%程度減少させることが出来るためである。
上述した形態の回折光学素子は第2の基材2を有しているが、第2の基材はあってもなくても構わない。回折格子として得られる光学性能に大きな差が生じないためである。
図2(b)は回折光学素子を積層方向(光軸O方向)から見た上面図である。
前記第1の樹脂層3の回折格子形状は、積層方向から平面視した際に、光軸Oを中心にしたN個(Nは2以上の整数)の複数の円からなる同心円状のレリーフパターンからなる。レリーフパターンにおける格子ピッチは、回折光学素子の中心近傍では大きく、周縁に向かうほどが小さい。また、第1の部5は、積層方向から平面視した際に、前記第1の樹脂層3の中心近傍の上に設けられた円形状である。
図2(c)は輪帯の説明図である。本明細書においては、回折光学素子の中心および回折格子形状の中心を囲む円の領域を第1輪帯14と呼ぶ。また、中心から数えて2番目の円と中心を囲むと円とで囲まれた領域を第2輪帯15、中心から数えて3番目の円と2番目の円とで囲まれた領域を第3輪帯16と呼ぶ。すなわち、中心から数えてN番目の円と(N-1)番目の円とで囲まれた領域を第N輪帯と呼ぶ。ここで第1の部5は真円形状であることが好ましいが、第1の部5は前記第1の樹脂層3の回折格子形状の同一輪帯上に設けられていれば構わない。多少の隙間が存在したり、円弧の形状が直線になっていたりしても、前記第1の樹脂層3の回折格子形状の同一輪帯上に設けられていれば本発明の効果を奏するためである。
ここで、第1の部5は少なくとも第1輪帯14の上に形成されている。第1輪帯14は格子ピッチが最も大きく、硬化収縮で生じる疎の部分と密の部分(図1参照)の距離が長くなり屈折率差が生じ易く、光学特性に与える影響が他の輪帯に比べて大きいからである。
図3(a)は本発明の第一実施形態に係る回折光学素子の断面図である。また、図3(b)は特許文献1のような第2の樹脂層が一様な部材からなる回折光学素子の断面図である。これらの断面図は、左端が回折光学素子の中心になるように描いている。図3(b)中のAは第1輪帯内での第2の樹脂層104の最大膜厚、Bは第1輪帯内での第2の樹脂層104の最小膜厚の位置を示している。一方、本発明の回折光学素子は、第1の部5を有するため、図3(a)中のαとβの位置での第2の樹脂層の厚みはほぼ同じとなり、第1輪帯内における硬化収縮量の差が小さい。そのため、第1輪帯内での屈折率差も小さくなり、透過波面の位相ずれが低減できる。屈折率差として具体的には、第1輪帯の中心上(位置α)における第2の部の屈折率と、第1輪帯の円周上(位置β)における第2の部の屈折率との差を0.0005以内とすることができる。このように第1輪帯内での屈折率差を小さくすることにより、透過波面の位相ずれが低減できる。
本発明の回折光学素子は、上記要件を満たすことにより、同一輪帯内における屈折率差に起因する透過波面の位相ずれを低減することが出来る。
また、第1輪帯の中心上における第2の部の屈折率と、第1の樹脂層の周縁上における第2の部の屈折率との差が0.0005以内であることがより好ましい。透過波面の位相ずれがより低減できるためである。
また、第1の部の膜厚は第1の樹脂層の壁面部の高さより厚いことが好ましい。第2の部の膜厚を同一輪帯内で屈折率分布を生じさせないためである。具体的には、10~30μm程度が好ましい。より好ましくは、12~25μmが好ましい。
本発明の回折光学素子の透過波面は、例えば、以下の手法で測定できる。まず、回折光学素子を回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように光学系を設計する。次に、レーザー干渉計を用いて、レーザー干渉計に対して被計測物、反射ミラーの順に配置する。次に、反射ミラーを回折光学素子の焦点位置に調整して、回折光学素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれ及び輪帯間の位相ずれを算出する。干渉計の計測波長λは例えば、632.8nmである。透過波面のズレは最大で0.05λ以下であることが好ましい。
また、回折光学素子の透過波面は、この回折光学素子を搭載したレンズで用いて撮影した写真によっても評価することができる。具体的には、第2の樹脂層の変形量と撮影写真のボケ像中の明暗の縞模様における輝度差との関係により評価することができる。透過波面の位相ずれは、撮影写真のボケ像中に同心円状の明暗の縞模様として現れるが、その明暗の輝度差やコントラスト値が、透過波面の位相ずれの程度に等しくなるからである。写真のボケ像中の明暗の縞模様の輝度差は、一般的な画像処理ソフトを用いて解析できる。
ここで、前記第1の部5が前記第1の樹脂層の斜面部31に接する面の面積をS1、前記第2の樹脂層(第1の部と第2の部)が前記第1の樹脂層の斜面部31に接する面の面積をS2とすると、S2はS1より大きい。図2(d)は、第1の樹脂層3の概略図であり、第1の樹脂層3の回折格子形状は斜面部31と壁面部32よりなる。そのため、S1とS2には第1の樹脂層の壁面部32に接する面の面積は含まれない。
また、S1/S2が13%以下であることが好ましい。S1/S2が13%以下であると、回折光学素子の面精度が特に優れるためである。第2の部4の膜厚は、第1の部5の上の領域では薄く、第1の樹脂層3の上の領域では厚いため、第2の樹脂層が硬化されると2つの領域の収縮量に差が生じる。しかし、S1/S2が13%以下であれば、2つの領域の収縮量は第2の部の方が支配的となる。結果、第2の樹脂層の径方向の収縮は第1の部と第2の部とによらずほぼ均一となり、面をひずませることが無くなるため、良好な面精度を有する回折光学素子が得られる。前記S1と前記S2は、例えば、光軸Oを通る直線で回折光学素子を切断し、その断面の断面画像を電子顕微鏡により取得することにより、測定することが出来る。
本発明の回折光学素子の面精度は例えば、レーザー干渉計で測定することができる。回折光学素子の光学有効部内でアス、クセが共に0.5本以下であることが好ましい。アス、クセを前記範囲にすることにより、本発明の回折光学素子は特に優れた光学特性を有するからである。
また、本発明の回折光学素子は第1の樹脂層3の層厚と第2の樹脂層の層厚の和が70μm以下であることが好ましい。温度変化が生じても、後述する割れの発生を防止することができるためである。より好ましくは60μm以下である。
次に、割れの発生メカニズムについて図4を用いて説明をする。図4は特許文献2の回折光学素子の一実施形態を示す概略図である。第2の樹脂層204は、第1の基材201上に設けられた第1の樹脂層203に密着して設けられている。また、第2の基材202と第2の樹脂層204との間には、第1の樹脂層の格子形状の影響を緩和する目的で40μm程度の第3の樹脂層205が設けられている(図4(c))。本発明の第2の樹脂層に相当する箇所は、第2の樹脂層204と第3の樹脂層205と2層になり、その膜厚は80μm以上と厚くなる。
また、第1の基材201として好適に使用するガラスは線膨張係数が6.0×10-6~9.0×10-6/Kと小さい。一方、回折格子層の樹脂がアクリレート系であれば、線膨張係数は4.5×10-5~7.0×10-5/Kと大きい。ここで、ガラスのヤング率が80GPa程度であるのに対し、樹脂のヤング率は2~3GPaである。そのため樹脂はガラスより変形し易い。温度が変化すると、樹脂はガラスとの界面で変形しようとするが、ガラスにより変形が抑制される。一方、ガラスとの界面から離れている部分では樹脂の線膨張係数に応じた変形が生じる。その結果、樹脂は回折格子層内で変形量の小さい領域と大きい領域とが存在することになり、これが歪みとなって温度変化が生じた時の割れの発生要因となる。このように本発明の第2の樹脂層に相当する箇所が厚くなると、伸縮の絶対量が大きくなり、歪も増大するため、温度変化に対して割れやすくなるおそれがある。
なお、回折光学素子の割れの発生は、例えば、-40℃の恒温槽に一定時間放置して、割れが発生するか否かによって判断することができる。
以上、本発明の回折光学素子は、屈折率差に起因する透過波面の位相ずれを低減すること、温度変化の際に回折格子層の基材に対する伸縮に起因した割れを防止すること、を両立することができる。
(回折光学素子の製造方法)
本発明の回折光学素子の製造方法を以下に説明する。
図5は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層を形成する工程(成形工程)を示した図である。
初めに、回折格子形状を反転した形状を有する型7と基材1との間に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第1の樹脂6を設ける。以下は、第1の樹脂6として紫外線硬化樹脂を用いた例である。
具体的には、図5(a)のように第1の基材1に第1の樹脂6として紫外線硬化樹脂を含有する樹脂をディスペンサーで滴下する。次に、図5(b)のように回折格子形状を反転した形状を有する型7を用意する。型の材質は加工性、耐久性、樹脂との密着力などの観点からステンレス鋼(SUS材及びウッデホルム社製STAVAXなど)やNiPなどが好ましい。また、必要に応じてCrNなどのコートを施しても良い。第1の樹脂6を滴下した基材1を型7の上に配置し、基材1を徐々に下降させることにより、滴下した第1の樹脂6と型7を接触させる。空気(泡)を巻き込まないように基材1と型7との間に第1の樹脂6を充填する。この際、加圧用ガラス8を介して、基材1と型7との間に設けた第1の樹脂6に圧力をかけて、回折光学素子の光学有効領域外まで押し拡げる(図5(c))。加圧用ガラス8は基材1を均一に加圧する為に使用され、基材1と接する側は基材1と同一の曲率を有する球面形状、反対側は加圧方向に対して垂直な平面形状を有する。材質は、紫外線透過率が大きいことが好ましく、基材1と同材質であることがより好ましい。加圧用ガラスにかける圧力は、使用する樹脂の粘度、基材の形状等により決まるが、0.01~10N/mmの範囲であれば充填性、泡の巻き込み等の課題が発生しない。
次いで、光エネルギーを与えて第1の樹脂6を硬化させ、積層方向から平面視した際に同心円状の複数の輪帯を有する回折格子形状である第1の樹脂層3を形成する。
具体的には、図5(d)に示すように、基材1を通して紫外線光源9から紫外線を照射して第1の樹脂6を硬化させ、基材1上に第1の樹脂層3を形成する。紫外線の照射量は硬化反応率が80%以上100%以下の範囲にするのが好ましい。80%より小さいと、離型を行う際に形状が大きく変化し、型の転写精度が低下するおそれがある。硬化反応が完了する紫外線照射量は、使用する樹脂、基材等により決定されるが、アクリレート系樹脂の場合0.5~50J/cmの照射量が必要となる。紫外線硬化型樹脂の反応率は、FT-IR(フーリエ変換型赤外分光計)を用いて算出することが出来る。具体的には、硬化反応に寄与するC=C二重結合の振動が表す波数(809cm-1)の濃度と寄与しないC-C単結合の振動が表す波数(763cm-1)の濃度を測定し、その比率を照射量毎に算出し、初期(照射量0)との比較で反応率とする。これを事前に行って、予め照射条件を設定することができる。
次いで、型7から第1の樹脂層3を離型する。
硬化が終わったのち、図5(e)に示すように、基材1と一体化した第1の樹脂層3を型7から離型して成形レンズ10を得る。離型の方法は、成形した格子を破損しなければ、エジェクタによる押し上げ、冷却など如何なる方法を用いても良い。
次いで、第1の樹脂層3の中心の上に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第2の樹脂11を設ける。以下は、第2の樹脂11として紫外線硬化樹脂を用いた例である。
図6は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層を形成する工程(接合工程)を示した図である。
具体的には、成形レンズ10に第2の樹脂11として紫外線硬化樹脂を含有する樹脂を微量吐出ディスペンサー12を使用して滴下する(図6(a))。滴下する量及び位置は格子形状及び同心円状の縞模様の輝度の要求レベルに合わせて適宜調整できる。調整の指針については後述するが、滴下量は数マイクロリットルレベル、滴下範囲はφ数mmレベルであるため、ディスペンサーにはサブマイクロリットルレベルの吐出量制御が要求される。ここで、樹脂の滴下領域は光軸に対して軸対称である方が良い。屈折率が変動する領域と光軸との成す角には相関があるためである。また、第2の樹脂11を滴下する前に、成形した格子を破損しないよう成形レンズ10を洗浄し、接合工程前にパーティクルを除去することが好ましい。
次いで、光エネルギーを与えて第2の樹脂11を硬化させ、第2の樹脂層の第1の部5を第1の樹脂層3の少なくとも第1輪帯の上に形成する。
具体的には、滴下した微量の第2の樹脂11に紫外線光源9から紫外線を照射して硬化させ、成形レンズ13を得る(図6(b))。一般に紫外線硬化型のアクリレート系樹脂では、酸素が重合に必要なラジカルと反応してラジカルを消耗することで重合を阻害してしまうことがある。微量の紫外線硬化樹脂を硬化させる場合は、比表面積が大きいために酸素による阻害を一層受けやすくなる。このため、紫外線照射は真空下もしくは窒素雰囲気下などの低酸素雰囲気下で実施することが好ましい。
第1の部5の硬化の際には、第1の部5は厚み方向に加圧等を行わないため、拘束を受けることなく、樹脂の収縮率通りに硬化収縮する。このため、図1(b)の様な径方向の粗密差が生じず、形成される第1の部5は径方向に屈折率差が生じない。
次いで、第1の樹脂層3と第1の部5の上に第3の樹脂を設ける。以下は、第3の樹脂6として第2の樹脂を用いた例である。
具体的には、図6(c)で示す様に、第2の基材2に、第2の樹脂11の接合層として必要な量をディスペンサーで滴下する。この際、必要量の一部を成形レンズ13に滴下しておくことが好ましい。接合に必要な第2の樹脂11を第2の基材2と成形レンズ13とに分けて滴下することにより、泡の混入を防いで貼り合わせることができる。液体-固体の接触に比べて液体同士の接触は、泡の混入リスクが小さいためである。更に、一方の樹脂の滴下量を少なくし、曲率を小さくして多点接触させて、泡の混入を防ぐことが出来る。図6(d)に示す様に、第2の樹脂11を滴下した第2の基材2と成形レンズ13を相対速度0.1mm/秒で近づけて接液する。その後加圧用ガラス8を成形レンズ13の上面に設置した状態で加圧して、第2の樹脂11の充填を完了する(図6(e))。
さらに、光エネルギーを与えて第2の樹脂11を硬化させ、第1の部5の上から第1の樹脂層3の周縁を含む領域の上まで連続的に第2の樹脂層の第2の部4を形成する。
具体的には、第2の樹脂11に紫外線光源9から紫外線を照射して硬化させて、第1の部5の上から第1の樹脂層3の周縁を含む領域の上まで連続的に第2の樹脂層の第2の部4を形成し、回折光学素子を得る(図6(f))。
第2の部4は硬化の際に、第2の基材2から拘束を受けながら収縮する。第1の部5が形成されているため、輪帯内での粗密差は生じないが、第2の部4全域に渡って一様に粗な状態となる。一方で、第1の部5は、上述したように拘束を受けることなく硬化収縮するため、第2の部4と比較すると密であり、第2の部4より屈折率が高くなる。
ここで、前記第2の樹脂層の第1の部を形成する工程において、前記第1の部が前記第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積をS1とする。また、前記第2の樹脂層(第1の部と第2の部)が前記第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積をS2とする。ここで図2(d)の説明で前述したように、S1とS2には第1の樹脂層の壁面部32に接する面の面積を含まない。このとき、前記第1の部5は、S1/S2が13%以下になるように形成することが好ましい。S1/S2が13%以下であると、得られる回折光学素子の面精度が特に優れるためである。第2の部4の膜厚は、第1の部5の上の領域では薄く、第1の樹脂層3の上の領域では厚いため、第2の樹脂層が硬化されると2つの領域の収縮量に差が生じる。しかし、S1/S2が13%以下であれば、収縮量は第2の部の方が支配的となる。結果、第2の樹脂層の径方向の収縮は第1の部と第2の部とによらずほぼ均一となり、面を歪ませることが無くなるため、良好な面精度を有する回折光学素子が得られる。
なお、上述した形態の回折光学素子の製造方法では第2の樹脂層の第1の部と第2の部は同じ材料を用いて製造したが、異なる材料でも構わない。
また、上述した形態の回折光学素子の製造方法によって得られた回折光学素子は第2の基材2を有しているが、図6(f)の工程の後に第2の基材を離型しても構わない。得られる回折格子の光学性能に大きな差が生じないためである。
以下、成形レンズ10に第2の樹脂11を微量吐出ディスペンサー12を使用して滴下する(図6(a))際の、滴下する量及び位置の調整の指針について説明する。
図7は従来技術の回折光学素子の透過波面の位相ずれを示すグラフであり、横軸は素子中心からの距離(mm)、縦軸はその位置での透過波面の位相ずれ(λ)を示している。このように同心円状の縞模様の要因となる透過波面の位相ずれの値は素子中心近傍で大きく、周縁に向かうに従って小さくなる。これは、中心近傍では格子ピッチが大きく硬化収縮で生じる疎な部分と密な部分の距離が長くなり粗密差が付き易いが、周縁では格子ピッチが小さいため、粗密差が生じるだけの距離が得られず、平均化するためである。
図8は従来技術1と同様の第2の樹脂層が一様な樹脂からなる回折光学素子の断面図であり、第2の樹脂層104の形状の説明図である。図中でaは格子ピッチ、bは格子高さ、cは各輪帯内での第2の樹脂層の最大膜厚を示している。ここで、第2の樹脂層の光線方向(図8の上下方向)における厚みムラは輪帯内における第2の樹脂層の最大膜厚と最小膜厚の比率(c-b)/cで表わせる。すると、(c-b)/cで表される厚みムラと格子ピッチaの積が大きくなると、透過波面の位相ずれは大きくなる。一方でb=0の場合は、格子高さの無いフラットな形状を意味しており、その場合は透過波面の位相ずれは発生しない。これより、透過波面の位相ずれは、以下の(1)式と相関があるものとなる。
(1-(c-b)/c)×a ・・・・・・・・・・・・・(1)
図9(a)は、上記(1)式で計算される第2の樹脂層の形状を有する回折光学素子の透過波面の位相ずれを測定した結果である。図中で横軸は上記(1)式で計算された数値、縦軸は輪帯毎に算出した透過波面の位相ずれ量を示しており、プロットした各点を通る近似線も同時に示す。この相関は、回折格子層を構成する二つの樹脂の屈折率差にも影響を受けて近似式が変わり、図9(a)では回折効率95%以上で格子高さが10~20μm程度の回折光学素子から得られた結果を示している。この結果より、回折光学素子の格子形状から、第2の樹脂層が一様な樹脂からなる回折光学素子の透過波面の位相ずれ量を予測できる。ここで、(1)式を径方向の影響因子aと光軸方向の厚みムラの因子に分け、図9(a)から求めた透過波面の位相ずれ量の予測値(近似式からの算出)との関係に変換したものが図9(b)である。図9(b)では、横軸は格子ピッチa、縦軸は(c-b)/cを表しており、透過波面の位相ずれ量毎にグラフを示している。透過波面の位相ずれ量として0.05λ、0.20λ、0.30λをグラフ化しており、要求される位相ずれ量を達成するためには、それぞれのラインの上側になる様に3つのパラメータa、b、cを調整する必要がある。
本発明では図6に示した接合プロセスを踏むことで、格子高さb及び輪帯内での第2の樹脂層の最大膜厚cを変更することが可能である。微量吐出ディスペンサーで滴下する量及び位置は図9(b)より算出されるcの値を満足する様に吐出、充填、硬化を行えば良い。
以上、本発明の回折光学素子の製造方法によれば、透過波面の位相ずれを低減し、温度変化の際に回折格子層と基材の膨張または収縮に起因した割れが発生しないことを両立した回折光学素子を提供できる。
(光学機器)
次に本発明の光学機器に関して説明する。本発明の光学機器は、筐体と、前記筐体の内部に配置された光学系とを有する光学機器であって、前記光学系が上記回折光学素子とレンズを有する。
図10は、本発明の光学機器の好適な実施形態の一例である一眼レフカメラの交換レンズ鏡筒の光学系の断面図である。レンズ鏡筒30の光学系は、筐体29の内部において、レンズ21~28および回折光学素子20が光軸Oに対して垂直に配列されている。ここでレンズ21側がレンズ鏡筒の表面であり、レンズ28側がカメラとの着脱マウント側である。
本発明の回折光学素子20を光学系の適切な位置に配置させることにより、同心円状の縞模様が低減した、色収差が低減した小型かつ軽量のレンズ鏡筒を提供することができる。また、図10のように回折光学素子20をレンズ21の内側に設けることにより、回折光学素子20に外光が直接当たることを防止できるため、フレアを抑制することができる
次に、実施例を挙げて本発明の回折光学素子、およびその製造方法を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
図5及び図6で説明した製造方法で回折光学素子を製造した。基材1には、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S-FPL)を球面形状に加工(第1の樹脂層3の成形面は曲率半径R200で凸形状、反対側の面はR150に設計)したφ55mmのものを用いた。第1の樹脂層の成形面には樹脂との密着性を高める目的でカップリング処理を施した。カップリング液は、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM503)を水とエタノールの混合液(水10%)に5%濃度で溶かし、pH調整として酢酸を0.5%添加したものを使用した。このカップリング液をスプレーコーターで塗布し、100℃のオーブン内で1時間の脱水乾燥処理をした。反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜した。
型7はステンレス鋼(ウッデホルム株式会社製、商品名:STAVAX)の土台にNiPを200μmメッキしたものを研削機で鋸歯断面形状に加工したものを使用した。
次いで、第1の樹脂6を用意した。まず、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分とし、光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を含有するものを用意した。これらに酸化インジウム錫微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂50mgをディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社製、商品名:MEASURING MASTER MPP-1)を使用して基材1に滴下した(図5(a))。基材1を0.1mm/秒の速度でゆっくりと下降させ、滴下した樹脂と基材1を接触させた後、空気(泡)を巻き込まないように基材1と型とに挟まれた樹脂を光学有効部外まで押し拡げた(図5(b)、(c))。この際、基材1と同材料で構成される加圧用ガラス8を基材1の上に設置してその上から均一に圧力を加えて、樹脂を充填させた。
その状態で、加圧用ガラスと基材1を通して樹脂に紫外線を照射して、樹脂を硬化させた(図5(d))。紫外線の照射には紫外線照射装置(HOYA CANDEO OPTRONICS社製、商品名:UV光源UL750)を使用し、その照射量は15J/cm(15mW/cmの照度で1000秒照射)とした。照射終了後に樹脂と一体化した基材1を離型して、積層方向から平面視した際に、同心円状の複数の輪帯を有する回折格子形状である第1の樹脂層が形成された成形レンズ10を得た(図5(e))。
次に、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層の第1の部を形成した。具体的にはまず、第2の樹脂11として、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を含有する物を用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂3.0mgを微量吐出ディスペンサー(エンジニアリングシステム株式会社製、商品名:高精度ディスペンサーR-jet)を使用して、上記で得た成形レンズ10に滴下した(図6(a))。成形レンズ10はステージを用いて、ディスペンサーの直下に同心円の中心が来る様に移動させた。滴下した樹脂の第1の樹脂層の斜面部との接触はφ6mmであり、且つ第1輪帯内であった。この樹脂が塗布された領域の面積は、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS1が、第2の樹脂層が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS2の1%に相当していた。この状態で成形レンズ10を真空チャンバに入れ、100Paまで減圧した後、真空チャンバの石英窓を通して成形レンズ10上に滴下した上記の紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射した(図6(b))。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は200mJ/cm(10mW/cmの照度で20秒照射)とした。
次に、第2の樹脂層の第2の部を形成するために、接合に必要な樹脂362mgを、ディスペンサー(MPP-1)を使用して成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した(図6(c))。基材2は、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S-LAH55)を球面形状に加工(第1の樹脂層3の成形面は曲率半径R200で凹形状、反対側の面はR300に設計)したφ60mmのものを用いた。基材2は、基材1の時と同様に第1の樹脂層3の成形面にカップリング処理を施した。また、反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜している。
その後、成形レンズと基材2を貼り合わせ装置内で接合した(図6(d))。この装置を用いて、基材2(凹形状)を下側に配置して固定し、成形レンズ(凸形状)を逆向きにして基材2に一定速度で近づけた。ここで、予め成形レンズと基材2との間に60μm厚のSUS製スペーサーを挿入した。成形レンズを下降速度0.1mm/秒で基材2に近付け、完全に接液した後で加圧用ガラスを成形レンズの上に設置し、一定圧力(10kgf)を加えてスペーサーに突き当たるまで成形レンズを下降させた(図6(e))。樹脂が完全に成形レンズと基材2との間に充填され、樹脂の反発力が無くなった後、スペーサーと加圧ガラスを取り除いた。その状態で成形レンズとは反対側から紫外線を照射して充填された樹脂を硬化させて、回折光学素子20を得た(図6(f))。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は32J/cmとした。
この回折光学素子の透過波面をレーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。素子は回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように設計した。まず、干渉計(ZYGO社製、商品名:レーザー干渉計 GPI)を用いて、干渉計に対して被計測物、反射ミラーの順で配置した。次に、反射ミラーを素子の焦点位置に調整して、素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれ及び輪帯間の位相ずれを算出した。なお、干渉計の計測波長λは632.8nmである。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られなかった。
上記で作製した素子を、光軸Oを通るように半分に切断加工し、その断面における各層の反射率測定を行い、その結果から屈折率を算出した。結果、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1輪帯の円周上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0002大きかった。また、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1の樹脂層の周縁上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0002大きかった。また、第1の部の屈折率は、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.00045大きかった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.33本、クセ0.43本であった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察を行ったが、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久前と同様の結果が得られた。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂10.0mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。滴下した樹脂の第1の樹脂層との接触はφ12mmとなり、第4輪帯より内側に塗布された状態であった。この樹脂が塗布された領域の面積は、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS1が、第2の樹脂層が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS2の5%に相当していた。この状態で成形レンズを真空チャンバに入れ、実施例1と同様の条件で紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射した。
接合に必要な樹脂355mgを、ディスペンサー(MPP-1)を使用して成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した。基材2は、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2を貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られなかった。
上記で作製した素子を実施例1と同様に加工し、反射率測定を行うことにより屈折率を算出した。結果、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1輪帯の円周上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0002大きかった。また、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1の樹脂層の周縁上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0002大きかった。また、第1の部の屈折率は、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.00040大きかった。更にこの素子の面精度を実施例1と同様にレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.35本、クセ0.42本であった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察を行ったが、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久前と同様の結果が得られた。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂370mgを実施例1の第2の部を形成するプロセスと同様の手法で、成形レンズに滴下した。そのため、実施例1とは第1の部を形成するプロセスを行わなかったという点で異なる。なお、基材2は、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2を貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.29λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様が発生しており、更にその中心部には輝点も見られた。上記で作製した素子を実施例1と同様に加工し、反射率測定を行うことにより屈折率を算出した。結果、結果、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1輪帯の円周上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0100小さかった。また、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1の樹脂層の周縁上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0100小さかった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察を行ったが、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで第2の樹脂を用いて成形レンズの第1の樹脂層上の全面に第2の樹脂層の第1の部を形成した。使用した樹脂はウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)と二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂である。この樹脂440mgを、ディスペンサー(MPP-1)を使用して平坦形状を有する型と成形レンズに滴下した。型はテフロン(登録商標)製のものを使用した。成形レンズを0.1mm/秒の速度でゆっくりと下降させ、滴下した樹脂と成形レンズを接触させた後、空気(泡)を巻き込まないように成形レンズと型とに挟まれた空間にある樹脂を格子層が形成されているのと同一の領域であるφ55mmまで押し拡げた。その状態で、成形レンズを通して樹脂に紫外線を照射して、第2の樹脂層を硬化させた。紫外線照射装置を使用し、その照射量は32J/cmとした。照射終了後に第2の樹脂層が形成された成形レンズを離型した。
次いで、第2の部を形成するために、ディスペンサー(MPP-1)を使用して、前記第2の樹脂層を形成したものと同一の紫外線硬化型樹脂300mgを第2の樹脂層が形成された成形レンズと基材2に滴下した。基材2は、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、成形レンズと基材2とを貼り合せ装置内で接合した。この装置を用いて、基材2(凹形状)を下側に配置して固定し、成形レンズ(凸形状)を逆向きにして基材2に一定速度で近づけた。ここで、予め成形レンズと基材2との間に85μm厚のSUS製スペーサーを挿入した。成形レンズを下降速度0.1mm/秒で基材2に近付け、完全に接液した後で加圧用ガラスを成形レンズの上に設置し、一定圧力(10kgf)を加えてスペーサーに突き当たるまで成形レンズを下降させた。樹脂が完全に成形レンズと基材2との間に充填され、樹脂の反発力が無くなった後、スペーサーと加圧ガラスを取り除いた。その状態で成形レンズとは反対側から紫外線を照射して充填された樹脂を硬化させて、回折光学素子を得た。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は32J/cmとした。ここで第1の樹脂層の厚さと第2の樹脂層(第1の部と第2の部からなる)の厚さの和は80μmであった。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.05λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、同心円状の縞模様や中心の輝点はほぼ問題無いレベルであった。上記で作製した素子を実施例1と同様に加工し、反射率測定を行うことにより屈折率を算出した。結果、結果、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1輪帯の円周上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0010小さかった。また、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1の樹脂層の周縁上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0012小さかった。
この回折光学素子の外観を確認したところ、素子端部が光っており、断面を観察したところ、素子端部で第2の樹脂層の第2の部と基材2との界面で剥離が発生していた。
また、この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察を行ったが、10日後に取り出した時には素子全面で第2の樹脂層が割れていた。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂35.0mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。滴下した樹脂の第1の樹脂層の斜面部との接触はφ20mmとなり、第11輪帯より内側に塗布された状態であった。この樹脂の塗布された領域の面積は、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS1が、第2の樹脂層が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS2の13%に相当していた。この状態で成形レンズを真空チャンバに入れ、実施例1と同様の条件で紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射した。
接合に必要な樹脂332mgをディスペンサー(MPP-1)を使用して成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した。基材2は、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2とを貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.02λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られなかった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス、クセ共に0.45本であった。
上記で作製した素子を実施例1と同様に加工し、反射率測定を行うことにより屈折率を算出した。結果、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1輪帯の円周上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0002大きかった。また、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1の樹脂層の周縁上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0003大きかった。また、第1の部の屈折率は、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.00050大きかった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察を行ったが、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久前と同様の結果が得られた。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で成形レンズを作成した。次いで、実施例1と同一の光反応開始剤を用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂50.0mgを実施例1と同様の手法で、上記で得た成形レンズに滴下した。滴下した樹脂の第1の樹脂層の斜面部との接触はφ26mmとなり、第19輪帯より内側に塗布された状態であった。この樹脂の塗布された領域の面積は、第2の樹脂層の第1の部が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS1が、第2の樹脂層が第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積であるS2の22%に相当していた。この状態で成形レンズを真空チャンバに入れ、実施例1と同様の条件で紫外線硬化型樹脂に紫外線を照射した。
接合に必要な樹脂370mgを、ディスペンサー(MPP-1)を使用して成形レンズと基材2に滴下した。基材2は、硝材、球面形状およびカップリング処理が実施例1と同一のものを使用した。
その後、実施例1と同様にして成形レンズと基材2とを貼り合せ装置内で接合して回折光学素子を得た。
この回折光学素子の透過波面を実施例1と同様の方法で、レーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第1輪帯で最大値0.03λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られなかった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.65本、クセ0.55本であった。
上記で作製した素子を実施例1と同様に加工し、反射率測定を行うことにより屈折率を算出した。結果、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1輪帯の円周上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0005大きかった。また第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率は、第1の樹脂層の周縁上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.0006大きかった。また、第1の部の屈折率は、第1輪帯の中心上における第2の樹脂層の第2の部の屈折率より0.00050大きかった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察を行ったが、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久前と同様の結果が得られた。
以上、表1に実施例1から4と比較例1、2の結果をまとめた。
Figure 0007204363000001
実施例1から4は透過波面のずれが最大でも0.03λと比較例1、2と比べて小さかった。また、比較例1ではS1/S2が0%であったため、透過波面のずれが0.29λと大きかった。また、比較例2は第2の樹脂層が第1の部を第1の樹脂層上の全面に有していたため、低温試験後に割れが発生した。また、実施例1から4はいずれも第1の樹脂層の厚さと第2の樹脂層の厚さの和が70μm以下であった。
さらに、実施例1から3はS1/S2が13%以下と小さかったため、実施例4と比べて面精度がアス、クセともに0.45以下と良好な値であった。
1 第1の基材
2 第2の基材
3 第1の樹脂層
4 第2の樹脂層の第2の部
5 第2の樹脂層の第1の部
6 第1の樹脂
7 型
8 加圧用ガラス
9 紫外線照射光源
10 成形レンズ
11 第2の樹脂
12 ディスペンサー
13 成形レンズ
20 回折光学素子
21 レンズ
22 レンズ
23 レンズ
24 レンズ
25 レンズ
26 レンズ
27 レンズ
28 レンズ
29 筐体
30 レンズ鏡筒
31 第1の樹脂層の斜面部
32 第1の樹脂層の壁面部
101 第1の基材
102 第2の基材
103 第1の樹脂層
104 第2の樹脂層
201 第1の基材
202 第2の基材
203 第1の樹脂層
204 第2の樹脂層
205 第3の樹脂層

Claims (13)

  1. 第1の基材と、前記第1の基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が積層され、前記第2の樹脂層の上に第2の基材が積層された回折光学素子であって、
    前記回折格子形状は斜面部と壁面部からなり、前記回折光学素子の積層方向から平面視した際に、同心円状の複数の輪帯を形成し、
    前記第2の樹脂層が、第1の部と第2の部からなり、
    前記第1の部が、前記第1の樹脂層の上の一部である前記複数の輪帯のうち回折光学素子の中心を囲む円である第1輪帯の全体を含む領域の上に設けられ、
    前記第2の部が、前記第1の部の上から前記第1の樹脂層の周縁を含む領域の上まで連続的に設けられ、
    前記第1の部が前記第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積をS1、前記第2の樹脂層が前記第1の樹脂層の斜面部に接する面の面積をS2としたときに、S2がS1より大きく、
    前記第1輪帯の中心上における前記第2の部の屈折率と、前記第1輪帯の円周上における前記第2の部の屈折率との差が0.0005以内であることを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記第1の部と第2の部とが同じ樹脂からなる請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記第1輪帯の中心上における前記第2の部の屈折率と、前記第1の樹脂層の周縁上における前記第2の部の屈折率との差が0.0005以内である請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 前記S2に対する前記S1の比であるS1/S2が22%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  5. 前記S2に対する前記S1の比であるS1/S2が13%以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 前記第1輪帯の中心上における前記第2の部の屈折率が、前記第1の樹脂層の屈折率より大きい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  7. 前記第1の樹脂層の厚さと第2の樹脂層の厚さの和が70μm以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  8. 前記第1の樹脂層が、低屈折率高分散の樹脂を含有し、
    前記第2の樹脂層が、高屈折率低分散の樹脂を含有する請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  9. 第1の基材と、前記第1の基材上に回折格子形状を有する第1の樹脂層と、前記第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が積層され、前記第2の樹脂層の上に第2の基材が積層された回折光学素子の製造方法であって、
    回折格子形状を反転した形状を有する型と前記第1の基材との間に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第1の樹脂を設ける工程と、
    熱または光エネルギーを与えて前記第1の樹脂を硬化し、前記回折光学素子の積層方向から平面視した際に、同心円状の複数の輪帯を有する回折格子形状である第1の樹脂層を前記第1の基材上に形成する工程と、
    前記型から前記第1の樹脂層を離型する工程と、
    前記第1の樹脂層の上の一部である前記複数の輪帯のうち回折光学素子の中心を囲む第1輪帯の全体を含む領域の上に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第2の樹脂を設ける工程と、
    積層方向から加圧せずに、熱または光エネルギーを与えて前記第2の樹脂を硬化し、第2の樹脂層の第1の部を形成する工程と、
    前記第1の樹脂層と前記第1の部の上に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含有する第3の樹脂を設ける工程と、
    前記第3の樹脂の上に前記第2の基材を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第3の樹脂を硬化し、前記第1の部の上から前記第1の樹脂層の周縁を含む領域の上まで連続的に第2の樹脂層の第2の部を形成する工程と、
    を有することを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  10. 前記第2の樹脂層の第1の部を形成する工程において、
    真空下もしくは窒素雰囲気下で、熱または光エネルギーを与えて前記第2の樹脂を硬化する請求項9に記載の回折光学素子の製造方法。
  11. 前記第2の樹脂と前記第3の樹脂とが同じ樹脂である請求項9または10に記載の回折光学素子の製造方法。
  12. 前記第1の樹脂が、低屈折率高分散の樹脂であり
    前記第2の樹脂が、高屈折率低分散の樹脂である請求項9乃至11のいずれか1項に記載の回折光学素子の製造方法
  13. 筐体と、前記筐体の内部に配置された光学系とを有する光学機器であって、
    前記光学系が回折光学素子とレンズを有し、
    前記回折光学素子が請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回折光学素子であることを特徴とする光学機器。
JP2018136002A 2017-08-04 2018-07-19 回折光学素子、その製造方法および光学機器 Active JP7204363B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16/048,715 US10852460B2 (en) 2017-08-04 2018-07-30 Diffraction optical element, manufacturing method thereof, and optical apparatus

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017151683 2017-08-04
JP2017151683 2017-08-04

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019032518A JP2019032518A (ja) 2019-02-28
JP7204363B2 true JP7204363B2 (ja) 2023-01-16

Family

ID=65524276

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018136002A Active JP7204363B2 (ja) 2017-08-04 2018-07-19 回折光学素子、その製造方法および光学機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7204363B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009066827A (ja) 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 光学素子の成形方法
JP2009300507A (ja) 2008-06-10 2009-12-24 Panasonic Corp 回折レンズならびにその製造方法および製造装置
JP2011090074A (ja) 2009-10-21 2011-05-06 Canon Inc 積層型回折光学素子および光学系
JP2012083382A (ja) 2010-10-06 2012-04-26 Canon Inc 回折光学素子、光学系および光学機器
JP2013205534A (ja) 2012-03-28 2013-10-07 Canon Inc 回折光学素子及びその製造方法並びに回折光学素子を用いた光学系

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5718496A (en) * 1996-06-25 1998-02-17 Digital Optics Corporation Projection pointer
KR101389323B1 (ko) * 2012-08-09 2014-04-29 한국표준과학연구원 광경화성수지를 이용한 위상격자 하이브리드 렌즈, 광경화성수지를 이용한 위상격자 하이브리드 렌즈 제조방법

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009066827A (ja) 2007-09-12 2009-04-02 Canon Inc 光学素子の成形方法
JP2009300507A (ja) 2008-06-10 2009-12-24 Panasonic Corp 回折レンズならびにその製造方法および製造装置
JP2011090074A (ja) 2009-10-21 2011-05-06 Canon Inc 積層型回折光学素子および光学系
JP2012083382A (ja) 2010-10-06 2012-04-26 Canon Inc 回折光学素子、光学系および光学機器
JP2013205534A (ja) 2012-03-28 2013-10-07 Canon Inc 回折光学素子及びその製造方法並びに回折光学素子を用いた光学系

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019032518A (ja) 2019-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10852460B2 (en) Diffraction optical element, manufacturing method thereof, and optical apparatus
JP4567094B2 (ja) 回折光学素子および回折光学素子の製造方法
US7070862B1 (en) Resin-bond type optical element, production method therefor and optical article
EP2995977B1 (en) Multilayer diffractive optical element
JP6783829B2 (ja) 回折光学素子およびそれを用いた光学機器
KR102068138B1 (ko) 회절 도광판 및 회절 도광판의 제조 방법
JP2019117421A (ja) 回折光学素子およびその製造方法
JP2001249208A (ja) 回折光学素子およびその製造方法
JP2010169708A (ja) 複合型光学素子
JP7204363B2 (ja) 回折光学素子、その製造方法および光学機器
JP7106279B2 (ja) 回折光学素子及び光学機器
JP2009276726A (ja) 光学用の材料組成物およびそれを用いた光学素子
JP2022152224A (ja) 回折光学素子、回折光学素子の製造方法、光学機器、および撮像装置
JP2006232907A (ja) 光学材料、及び該光学材料を用いた光学素子の成形方法、該成形方法によって成形された光学素子、該光学素子を有する光学系装置
JP7346278B2 (ja) 回折光学素子、光学機器および撮像装置
WO2021200175A1 (ja) 光学体、光学体の製造方法及び光学デバイス
US20240168227A1 (en) High refractive index nanoimprintable resin for optical waveguide applications
US20230110024A1 (en) Optical element, optical equipment, and imaging apparatus
JP2006220739A (ja) セラミックスハイブリッドレンズ
JP2019207326A (ja) 回折光学素子およびそれを用いた光学機器
JP2019012209A (ja) 回折光学素子およびその製造方法
JP2010224367A (ja) 複合光学素子
JP2021184048A (ja) 回折光学素子、光学機器および撮像装置
JP2020027225A (ja) 光学素子、光学機器および光学素子の製造方法
JP2023014556A (ja) 回折光学素子、光学機器、撮像装置および回折光学素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210708

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220628

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220920

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20221110

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221129

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221228

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7204363

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151