JP2022152224A - 回折光学素子、回折光学素子の製造方法、光学機器、および撮像装置 - Google Patents

回折光学素子、回折光学素子の製造方法、光学機器、および撮像装置 Download PDF

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【課題】 回折光学素子において、透過波面の位相ずれを低減することと、割れの発生を低減することを両立させることを目的とする。【解決手段】 第1の基材と、第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、第3の樹脂層および第2の基材と、が順に積層され、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との界面に回折格子を有する回折光学素子であって、前記第3の樹脂層の弾性率は、前記第1の樹脂層の弾性率および前記第2の樹脂層の弾性率よりも小さく、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の弾性率の差は、前記第2の樹脂層と前記第3の樹脂層の弾性率の差よりも小さい、ことを特徴とする回折光学素子。【選択図】 図1

Description

本発明は、回折光学素子、その製造方法、およびその回折光学素子を用いた光学機器並びに撮像装置に関する。
カメラやビデオ等のレンズなどに用いられる光学素子として、光学特性が異なる2種類の樹脂材料を用いた(2層型)回折光学素子が知られている。この回折光学素子は、回折光学系と屈折光学系では色収差が全く逆に発生する性質を利用してレンズとしての色収差を抑制し、かつレンズ全体の大幅な小型化、軽量化を実現可能としている。2種類の樹脂材料を用いた回折光学素子とその製造方法に関しては様々なものが提案されている。
例えば、特許文献1には2つの基材に挟まれた、第1の基材上に同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層が密着して設けられた回折光学素子とその製造方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示された回折光学素子は1つの輪帯内で第2の樹脂層に屈折率分布が発生する。この回折光学素子を用い撮像すると、この第2の樹脂層の屈折率分布が原因で透過波面の位相ずれが生じ、撮影手法の1つであるボケ像撮影を行う際に、ボケ像にムラが生じて、撮影画像の品質を低下させることがあった。
また、特許文献2には基材上に同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層と、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層とが、第2の樹脂層の上に第2の樹脂層と同一の材料からなる中間層が密着して設けられた回折光学素子とその製造方法が開示されている。
特許文献2に開示された回折光学素子は、第1の樹脂層の上に第2の樹脂層と中間層が形成され、樹脂層に生じる屈折率分布が小さく、ボケ像のムラは改善される。しかし、樹脂層が3層存在するため、樹脂層が厚い構成である。高温環境において、樹脂層が厚みと、樹脂層と樹脂層を挟むレンズの弾性率の差と、に起因して、樹脂層に割れが生じるおそれがあった。
特開2007-212547号公報 特開2013-205534号公報
本発明は、回折光学素子において、透過波面の位相ずれを低減することと、割れの発生を低減することを両立させることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の回折光学素子は、第1の基材と、第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、第3の樹脂層および第2の基材と、が順に積層され、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との界面に回折格子を有する回折光学素子であって、前記第3の樹脂層の弾性率は、前記第1の樹脂層の弾性率および前記第2の樹脂層の弾性率よりも小さく、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の弾性率の差は、前記第2の樹脂層と前記第3の樹脂層の弾性率の差よりも小さい、ことを特徴とする。
上記課題を解決するための本発明の回折光学素子の製造方法は、第1の基材と、第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、第3の樹脂層および第2の基材と、が順に積層され、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との界面に回折格子を有する回折光学素子の製造方法であって、回折格子の形状を反転した形状を有する第1の型と前記第1の基材との間に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第1の材料を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第1の材料を硬化させ、前記第1の基材上前記第1の樹脂層を形成する工程と、第2の型と前記第1の樹脂層との間に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第2の材料を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第2の材料を硬化させ、前記第1の樹脂層との界面に回折格子を有する第2の樹脂層を形成する工程と、前記第2の基材と前記第2の樹脂層との間に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第3の材料を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第3の材料を硬化させ、前記第2の基材と前記第2の樹脂層との間に前記第3の樹脂層を形成する工程と、を有し、前記第3の樹脂層は、前記第1の樹脂層の弾性率および前記第2の樹脂層の弾性率よりも小さく、かつ、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の弾性率の差に対し前記第2の樹脂層と前記第3の樹脂層の弾性率の差が小さくなるように形成することを特徴とする。
本発明によれば、透過波面の位相ずれが低減されるとともに、割れの発生を低減される回折光学素子およびその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る回折光学素子の断面図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子における、各樹脂層の弾性率の関係を示す断面模式図である。 2層型回折光学素子の概略図である。 3層型回折光学素子の概略図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層を形成する工程を示した図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層を形成する工程を示した図である。 本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第3の樹脂層を形成する工程を示した図である。 従来技術の回折光学素子の透過波面の位相ずれの関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る一眼レフデジタルカメラの断面図である。
(回折光学素子)
図1は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の断面図である。回折光学素子20は、第1の基材1と第2の基材2およびそれらに挟まれ、樹脂で形成された第1の樹脂層3、第2の樹脂層4、および第3の樹脂層5を有する。
第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との界面は回折格子としての機能を備える。第3の樹脂層5は、温度変化による樹脂層の歪みを吸収する機能を備える。
本発明の回折光学素子20は、温度変化による樹脂層の歪みを第3の樹脂層5に集中させるために各樹脂層の弾性率を次の通りに規定している。1つ目の条件は、第3の樹脂層5の弾性率を第1の樹脂層3および第2の樹脂層4よりも小さいことである。もう1つの条件は、第1の樹脂層3と前記第2の樹脂層4の弾性率の差は、前記第2の樹脂層4と前記第3の樹脂層5の弾性率の差よりも小さいことである。
図2(a)、(b)、(c)は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子における、各樹脂層の弾性率の関係を示す断面模式図である。以下、図2(a)、(b)、(c)を使って説明する。図2(a)は第1の基材1と第2の基材2の間に第1の樹脂層3、第2の樹脂層4、および第3の樹脂層5が順に積層されている状態を示している。図の左側に第1の樹脂層3、第2の樹脂層4、および第3の樹脂層5の弾性率の相対的な大小関係を明記している。具体的には、弾性率の大小関係は第2の樹脂層4>第1の樹脂層3>第3の樹脂層5となっている。この場合は、樹脂層間での2つの界面(第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との間および第2の樹脂層4と第3の樹脂層5との間)の弾性率差は第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との間の差よりも、第2の樹脂層4と第3の樹脂層との間の差の方が大きい。これにより、第1の樹脂層3と第2の樹脂層4は合わせて1つの層として振る舞い易く、第3の樹脂層5は単独の層として振る舞い易くなる。第3の樹脂層5は、弾性率が他の2つの層よりも小さいことにより、第3の樹脂層5に歪みが集中して、温度変化による樹脂層の歪みを吸収する機能を発揮する。第3の樹脂層5内の矢印は、この層が柔軟に動いて歪みを吸収している状態を模式的に示したものである。
一方、図2(b)、(c)では何れも各層の弾性率の関係は第1の樹脂層3>第2の樹脂層4>第3の樹脂層5の関係にある。図2(b)は、樹脂層間での2つの界面の弾性率差は第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との間での差よりも第2の樹脂層4と第3の樹脂層5との間での差の方が大きい場合を表している。この場合は、第1の樹脂層3と第2の樹脂層4は1つの層として振る舞うので、第3の樹脂層5は樹脂層の歪みを吸収する機能を発揮することになる。
図2(c)は、樹脂層間での2つの界面の弾性率差は第2の樹脂層4と第3の樹脂層5との間での差よりも第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との間での差の方が大きい場合を表している。この場合は、第2の樹脂層4と第3の樹脂層5が1つの層として振る舞い易い状態にある。第3の樹脂層5は相対的に最も弾性率が小さいので、樹脂層の歪みを吸収する機能は有するが、第2の樹脂層4と第3の樹脂層5が1つの層として振る舞うことになる。よって、第3の樹脂層5が歪みを吸収するために変形すると、第2の樹脂層4も変形することがある。第2の樹脂層4の変形し回折格子の形状が変化すると、回折格子を形成する界面での屈折率分布を生じさせて、透過波面の位相ずれを引き起こすことがある。
以上より、第3の樹脂層5が樹脂層の歪みを吸収する機能を発揮するためには、各樹脂層の弾性率は第3の樹脂層5が最も小さいことが、好ましい。加えて、第1の樹脂層3と第2の樹脂層4との弾性率の差より、第2の樹脂層4と第3の樹脂層5との弾性率の差が大きいことが、より好ましい。
さらに、第1の樹脂層の第1基材に接していない部分は、第2の樹脂層に覆われていることが好ましい。それにより、第1の樹脂層3は第2の樹脂層4に拘束されるため、第1の樹脂層3と第2の樹脂層4は1つの層として振る舞いやすくなる。
図3は、2層型回折光学素子の一実施形態を示す概略図である。この回折光学素子は、図3(a)で示す様に、第2の樹脂層104が回折格子形状を有する第1の樹脂層103と第2の基材102に拘束されたまま硬化される。そのため、第2の樹脂層104は、図中A部分の硬化収縮量が大きく、同B部分の硬化収縮量が小さくなる。また第2の樹脂層104は拘束されているため、自由に収縮できず、A部分の密度とB部分の密度とが異なり、屈折率分布の原因となる(図3(b))。この回折光学素子を用い撮像すると、この第2の樹脂層の屈折率分布が原因で透過波面の位相ずれが生じ、撮影手法の1つであるボケ像撮影を行う際に、ボケ像にムラが生じて、画質を劣化させるという課題があった。
次に、図4は、3層型回折光学素子の一実施形態を示す概略図である。第2の樹脂層204は、第1の基材201上に密着して設けられた第1の樹脂層203に密着して設けられる(図4(a)(b))。第1の樹脂層203が形成している格子の高さをd1、これと同じ輪帯で第2の樹脂層204が形成している格子の高さをd2とすると、d2はd1と比較して小さい値となる。したがって、2層型回折光学素子より、屈折率分布は小さくなり、ボケ像が改善される。
さらに、2層型回折光学素子の場合は、格子段差を埋めるための2層目の形成が接合工程となるため、樹脂硬化時に発生した歪みが開放されずに応力が残り易くなっている。
一方、3層型回折光学素子の場合は、格子段差を埋めるための2層目の形成が1層目と同様に型を使用したレプリカ成形となるので、硬化時に生じた歪みは離型の際に緩和される。これにより、残留応力が小さくなって屈折率差も低減し、透過波面の位相ずれも改善される。
図4を用いて3層構成による透過波面の位相ずれについて説明したが、図4(b)では格子形状による段差は低減しているが、完全に無くなってはいない。第2の樹脂層204を形成した後も格子による段差は残っている。使用する材料にも依るが、第3の樹脂層の形成時には、数百nmの段差が生じている。ここで、第2の樹脂層204の屈折率と第3の樹脂層205の屈折率に差が生じていると、屈折率差×段差分の透過波面の位相ずれが発生する。したがって、第3の樹脂層205の屈折率は第2の樹脂層204の屈折率と出来る限り近い方が良い。具体的には、第3の樹脂層205と第2の樹脂層204とのd線の屈折率の差を0.05以下にすることが好ましい。それにより、第1の樹脂層203と第2の樹脂層204界面で発生する透過波面の位相ずれと合わせて0.05λ程度に抑えることが可能となり、回折光学素子を鏡筒に組み込んで撮像を行った際にも良好な結果が得られる。
しかし、図3での第2の樹脂層104に相当する層が3層型回折光学素子を説明する図4では第2の樹脂層204と第3の樹脂層205と2層になるため、膜厚は厚くなっている。材料にも依るが、一般的なアクリレート系の材料を用いる場合、段差の影響を小さくするのに必要な第2の樹脂層204の膜厚は40μm程度を必要とする。型を使用して第2の樹脂層204を成形したことにより格子段差の影響を低減させた状態から、透過波面の位相ずれを撮像の際に問題とならない程度まで低減するには、第3の樹脂層205の膜厚は30μm程度が必要となる。これにより、1層目を含めた回折光学素子としての樹脂層厚は少なくとも80μm程度となる。
一般に、第1の基材201として好適に使用するガラスは線膨張係数が6.0~9.0×10-6/Kと小さい。一方、回折格子層の樹脂がアクリレート系であれば、線膨張係数は4.5~7.0×10-5/Kと大きい。また、ガラスの弾性率が80GPa程度であるのに対し、樹脂の弾性率は一般的には2~3GPa位のものが多い。そのため樹脂はガラスより変形し易い。ここで、温度が変化すると、樹脂はガラスとの界面において変形しようとするが、ガラスの影響により変形が抑制される。一方、ガラスとの界面から離れている部分では樹脂の線膨張係数に応じた界面よりも大きな変形が生じる。その結果、樹脂は1つの層内で変形量の小さい領域と大きい領域とが存在することになり、これが歪みとなって温度変化が生じた時の割れの発生要因となりえる。樹脂層の膜厚が厚くなると、伸縮の絶対量が大きくなり、歪は増大する。したがって、3層型回折光学素子には、温度変化によって回折光学素子に割れが発生する可能性に対して改善の余地がある。しかし、本発明においては、第1の樹脂層3、第2の樹脂層4、および第3の樹脂層5の各弾性率を上述の大小関係とすることで、第3の樹脂層5を干渉層として機能させている。したがって、温度変化によって生じた歪みは第3の樹脂層5で低減されるので、割れの発生を低減することが出来る。
以上のとおり、本発明の回折光学素子は、樹脂層の歪みを吸収する機能を有する第3の樹脂層5を備えた3層型の構成とし、更に各樹脂層の弾性率を規定した。これにより、透過波面の位相ずれを低減することと、温度変化による割れの発生を低減することと、を両立することが出来る。
なお、本発明の回折光学素子の透過波面は、例えば、レーザー干渉計により測定することができる。まず、回折光学素子を回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように光学系を設計する。次に、レーザー干渉計を用いて、レーザー干渉計に対して被計測物、反射ミラーの順に配置する。次に、反射ミラーを回折光学素子の焦点位置に調整して、回折光学素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれおよび輪帯間の位相ずれを算出する。干渉計の計測波長λは例えば、632.8nmである。透過波面のズレは最大で0.04λ以下であることが好ましい。
また、回折光学素子の透過波面は、この回折光学素子を搭載したレンズで用いて撮影した写真によっても評価することができる。具体的には、第2の樹脂層の変形量と撮影写真のボケ像中の明暗の縞模様における輝度差との関係により評価することができる。透過波面の位相ずれは、撮影写真のボケ像中に同心円状の明暗の縞模様として現れるが、その明暗の輝度差やコントラスト値が、透過波面の位相ずれの程度に等しくなるからである。写真ボケ像中の明暗の縞模様の輝度差は、一般的な画像処理ソフトを用いて解析できる。
本発明の回折光学素子の面精度は例えば、レーザー干渉計で測定することができる。回折光学素子の光学有効部内でアス、クセが共に0.5本以下であることが好ましい。アス、クセを前記範囲にすることにより、本発明の回折光学素子は特に優れた光学特性を有するからである。
更に、回折光学素子の割れの発生は、例えば、-40℃の恒温槽に一定時間放置して、割れが発生するか否かによって判断することができる。
(材料)
ここで、本発明の回折光学素子を構成する材料について説明する。
第1の基材1と第2の基材2は、例えば、ランタン系の高屈折率低分散ガラスであるS-LAH55(株式会社オハラ製)や超低分散ガラスであるS-FPL51(株式会社オハラ製)などを用いることができる。
回折格子として機能する第1の樹脂層3および第2の樹脂層4は、広い波長帯域で高い回折効率を得るために高屈折率低分散材料と低屈折率高分散材料を使用することが好ましい。可視域全域で99%以上の高い回折効率を得るためには、低屈折率高分散材料に部分分散比θgFが通常の材料より小さいリニア分散特性を有する材料を使用することが好ましい。このリニア分散特性を得るためには、無機微粒子を分散させてベース樹脂材料に混ぜる方法が知られており、酸化チタン、酸化インジウム錫、酸化ジルコニムなどを好適に用いることができる。また、ベース樹脂は紫外線硬化型樹脂材料が好ましく、特にアクリレート系樹脂が好ましい。高屈折率低分散材料、低屈折率高分散材料のどちらを第1の樹脂層或いは第2の樹脂層にするかは、光学設計によって適宜変更される。
光学素子に好適に使用されるアクリレート系樹脂の弾性率は2~3GPa位であるが、特に回折光学素子の場合は少なくとも一方の層は3GPa程度であることが望ましい。これは、回折光学素子では格子形状を変形させないことおよび格子間での屈折率差を一定に保つことが要求される為に、一般の接合レンズの場合と異なり、弾性率が比較的高い材料が好適に使用される。
干渉層として機能する第3の樹脂層5の材料は、回折格層を形成する第1の樹脂層3および第2の樹脂層4の材料よりも弾性率が低い材料であることが必要である。さらに、第3の樹脂層5の弾性率が、前記第1の樹脂層3および/または第2の樹脂層4の弾性率の1/2以下であると、第3の樹脂層5が干渉層としての機能を発揮しやすいため、より好ましい。第1の樹脂層3および第2の樹脂層4の少なくとも一方の層は3GPa程度である場合、第3の樹脂層5が干渉層としての機能を発揮するためには、第3の樹脂層5の弾性率は1.5GPa以下であることが好ましい。更に、第3の樹脂層5は回折格子層と同様に光学素子としての性能も要求されている。第1の樹脂層3および第2の樹脂層4の材料と同様に紫外線硬化型のアクリレート系樹脂が好ましく、必要に応じてチオールなどを添加して弾性率を調整することも可能である。
(回折光学素子の製造方法)
本発明の回折光学素子の製造方法について、図を用いて以下に説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第1の樹脂層3を形成する工程を示した図である。図6は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第2の樹脂層4を形成する工程を示した図である。また、図7は、本発明の一実施形態に係る回折光学素子の第3の樹脂層5を形成する工程を示した図である。
本発明の製造方法は、回折格子形状を反転した形状を有する型7と基材1との間に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第1の材料6を設ける工程(図5(a)(b)(c))を有する。次いで、熱または光エネルギーを与えて第1の材料6を硬化させ、基材1上に同心円状の輪帯形状を有する第1の樹脂層3を形成する工程(図5(d))と、型7から第1の樹脂層3を離型する工程(図5(e))を有して、第1の成形レンズ10を得る。
その後、基材1の第1の樹脂層3が形成されている側の面と同程度の曲率形状を有する型12と第1の成形レンズ10との間に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第2の材料11を設ける工程(図6(a)、(b))を有する。次いで、熱または光エネルギーを与えて第2の材料11を硬化させ、第2の樹脂層4を第1の樹脂層3に積層する工程(図6(c))と、型12から第2の樹脂層4を離型する工程(図6(d))を有して第2の成形レンズ13を得る。
次いで、第2のレンズ2と第2の成形レンズ13の間に光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第3の材料14を設ける工程(図7(a)(b)(c))を有する。次いで、熱または光エネルギーを与えて第3の材料14を硬化させ(図7(d))、3積層型回折光学素子20を得ることを特徴とする。
以下より、本発明の回折光学素子の製造方法について、より詳細に説明する。
図5(a)のように第1の基材1に第1の樹脂層3となる第1の材料6として紫外線硬化材料をディスペンサーで適量滴下する。
次に、図5(b)のように回折格子形状を反転した形状を有する型7を用意する。金型の材質は加工性、耐久性、樹脂との密着力などの観点からステンレス鋼(SUS材およびウッデホルム社製STAVAXなど)やNiPなどが好ましい。また、必要に応じてCrNなどのコートを施しても良い。第1の材料6を滴下した基材1を型7の上に配置する。
基材1を徐々に下降させることにより、滴下した第1の材料6と型7を接触させる。空気(泡)を巻き込まないように基材1と型7との間に第1の材料6を充填する。この際、基材1の層とは反対側の面から加圧用ガラス8を介して基材1と型7との間に設けられた第1の材料6に圧力をかけて、回折光学素子の光学有効部外まで押し拡げる(図5(c))。加圧用ガラス8は基材1を均一に加圧する為に使用され、基材1と接する側は基材1と同一の曲率を有する球面形状、反対側は加圧方向に対して垂直な平面形状を有する。材質は、これを通して紫外線を照射するため、紫外線透過率が大きいことが好ましく、基材1と同材質であることがより好ましい。加圧用ガラスにかける圧力は、使用する樹脂の粘度、ベース基板の形状、および成形する層の形状により決定されるが、0.01~10N/mmの範囲であれば充填性、泡の巻き込み等の課題が発生しない。
その後、図5(d)に示すように、基材1を通して紫外線光源9から紫外線を照射して第1の材料6を硬化させ、基材1上に同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層3を形成する。紫外線の照射量は硬化反応率が80%以上100%以下の範囲にするのが好ましい。80%より小さい硬化反応率で離型を行うとその後の形状変化量が大きく、型の転写精度が低下するおそれがある。硬化反応が完了する紫外線照射量は、使用する樹脂、ベースレンズ、加圧用ガラスなどにより決定されるが、一般的にアクリレート系樹脂の場合0.5~50J/cmの照射量が必要となる。紫外線硬化型樹脂の反応率は、FT-IR(フーリエ変換型赤外分光計)を用いて算出することが出来る。具体的には、硬化反応に寄与するC=C二重結合の振動が表す波数(809cm-1)の濃度と寄与しないC-C単結合の振動が表す波数(763cm-1)の濃度を測定し、その比率を各照射量毎に算出し、初期(照射量0)との比較で反応率とする。これを事前に行って、予め照射条件を設定しておく。
硬化が終わったのち、図5(e)に示すように、基材1と一体化した第1の樹脂層3を型7から離型して第1の成形レンズ10を得る。離型の方法は、成形した格子を破損しなければ、エジェクタによる押し上げ、冷却など如何なる方法を用いても良い。
次に、図6(a)のように基材1の格子が形成された面側の曲率と同程度の曲率を有する型12を用意する。金型の材質は型7と同様に加工性、耐久性、樹脂との密着力などの観点からステンレス鋼(SUS材およびウッデホルム社製STAVAXなど)やNiPなどが好ましい。また、必要に応じてCrNなどのコートを施しても良い。その後、第1の成形レンズ10および型12に第2の樹脂層4となる第2の材料11をディスペンサーで適量滴下すし、第2の材料11を滴下した第1の成形レンズ10を型12の上に配置する。
第1の成形レンズ10を徐々に下降させることにより、滴下した第2の材料11と型12を接触させる。空気(泡)を巻き込まないように第1の成形レンズ10と型12との間に第2の材料11を充填する。この際、第1のレンズ10の第1の樹脂層3が形成された面とは反対側の面から加圧用ガラス8を介して第1の成形レンズ10と型12との間に設けられた第2の材料11に圧力をかけて、第1の樹脂層3を覆う様に外側まで押し拡げる(図6(b))。加圧用ガラス8は第1の樹脂層を形成する際に使用したものと同一のものを使用すれば良い。加圧用ガラスにかける圧力は、使用する樹脂の粘度、ベース基板の形状、および成形する層の形状により決定されるが、0.01~10N/mmの範囲であれば充填性、泡の巻き込み等の課題が発生しない。
その後、図6(c)に示すように、加圧用ガラス8、基材1および第1の樹脂層3を通して紫外線光源9から紫外線を照射して第2の材料11を硬化させ、基材1および第1の樹脂層3上に第2の樹脂層を形成する。第1の樹脂層3を形成する時と同様に、紫外線の照射量は硬化反応率が80%以上100%以下の範囲にするのが好ましい。80%より小さい硬化反応率で離型を行うとその後の形状変化量が大きく、型の転写精度が低下するおそれがある。硬化反応が完了する紫外線照射量は、使用する樹脂、ベースレンズ、加圧用ガラスなどにより決定されるが、一般的にアクリレート系樹脂の場合0.5~50J/cmの照射量が必要となる。紫外線硬化型樹脂の反応率は、FT-IR(フーリエ変換型赤外分光計)を用いて算出することが出来る。具体的には、硬化反応に寄与するC=C二重結合の振動が表す波数(809cm-1)の濃度と寄与しないC-C単結合の振動が表す波数(763cm-1)の濃度を測定し、その比率を各照射量について算出し、初期(照射量0)との比較で反応率とする。これを事前に行って、予め照射条件を設定しておく。
硬化が終わったのち、図6(d)に示すように、基材1、第1の樹脂層3と一体化した第2の樹脂層4を型12から離型して2層型の回折光学素子である第2の成形レンズ13を得る。離型の方法は、成形した格子を破損しなければ、エジェクタによる押し上げ、冷却など如何なる方法を用いても良い。
その後、図7(a)、(b)で示す様に、第3の材料14を基材2および第2の成形レンズ13にディスペンサーを使用して滴下する。基材2と第2の成形レンズ13に分けて滴下することにより、貼り合わせの際、材料に泡が混入するのを防ぐことができる。液体-固体の接触に比べて液体同士の接触は点接触になるので泡の混入リスクが小さく出来るためである。更に、一方の樹脂の滴下量を少なくして、曲率を小さくする方が多点接触による泡の混入を防ぐことが出来る。
図7(c)に示す様に、第3の材料14を滴下した基材2と第2の成形レンズ13を相対速度0.1mm/秒で近づけて接液する。その後加圧用ガラス8を第2の成形レンズ13の上面に設置した状態で2枚の成形レンズを加圧して、第3の材料14の充填を完了する。
その後、第3の材料14に紫外線光源9から加圧用ガラス8、基材1、第1の樹脂層3、第2の樹脂層4を通して紫外線を照射して硬化させる(図7(d))。
次に、第2の樹脂層4と基材2の間に第3の樹脂層5を形成し、回折光学素子を得る(図7(e))。
最後に必要に応じて、基材2側から紫外線を照射することで第3の樹脂層の硬化状態を一層均一化する処理を実施しても良い。
図8は回折光学素子の透過波面の位相ずれを示すグラフであり、横軸は素子中心からの距離(mm)、縦軸はその位置での透過波面の位相ずれ(λ)を示している。このようにボケ像の要因となる透過波面の位相ずれの値は素子中心近傍で大きく、周辺部に向かうに従って小さくなる。これは、中心近傍では格子ピッチが大きく硬化収縮で生じる疎な部分と密な部分の距離が長くなり粗密差が付き易いが、逆に周辺部分は格子ピッチが小さいため、粗密差が生じるだけの距離が得られず、平均化しているためと考えられる。
ボケ像ムラの発生要因となる屈折率分布は、上述した様に下地となる格子形状の影響を大きく受ける。一方で、第2の樹脂層4の膜厚が厚い場合には格子形状が形成する偏肉比率(図3(a)に示したAに対するBの割合)は相対的に小さくなり、下地の影響を打ち消すことになる。更に、第2の樹脂層を従来の様に接合工程で形成するのではなく、型を使用したレプリカ成形法にすることにより、成形で生じる応力を開放することが可能となる。
本発明では図5から図7に示した成形、接合プロセスを踏むことで、格子段差に起因した輪帯内での屈折率変動を低減することが可能となる。
以上、本発明の回折光学素子の製造方法によれば、透過波面の位相ずれを低減し、温度変化の際に回折格子層と基材の膨張または収縮に起因した割れが発生しないことを両立した回折光学素子を提供できる。
(光学機器)
次に本発明の光学機器に関して説明する。本発明の光学機器は、上記の回折光学素子とレンズとを有することを特徴とする。
図9は、本発明の撮像装置の好適な実施形態の一例である、一眼レフデジタルカメラ300の構成を示している。図9において、カメラ本体320と光学機器であるレンズ鏡筒310とが結合されているが、レンズ鏡筒310はカメラ本体320対して着脱可能ないわゆる交換レンズである。
被写体からの光は、レンズ鏡筒310の筐体311内の撮影光学系の光軸O上に配置された複数のレンズ311、312などからなる光学系を通過し、撮像素子321に受光される。本発明の回折光学素子は例えば、レンズ312に用いることができる。
ここで、レンズ312は筐体内の内筒313によって支持されて、フォーカシングやズーミングのためにレンズ鏡筒310の外筒に対して可動支持されている。本実施形態において、回折光学素子はレンズ312の位置に設けられているが、この位置に限定されず、目的に応じて好適な位置に設けられれば良い。また、回折光学素子が単数であるレンズ鏡筒の例を示したが、回折光学素子は複数設けられてもよい。
以上より、本発明の回折光学素子を光学系の適切な位置に配置させることにより、ボケ像が低減した、色収差が低減した小型かつ軽量のレンズ鏡筒およびカメラを提供することができる。また、図9のように回折光学素子をレンズ312の内側に設けることにより、回折光学素子に外光が直接当たることを防止できるため、フレアを抑制することができる。
また、本実施形態では、カメラの交換レンズの場合を示したが、これに限定するものではなく、ビデオカメラやスマートフォンの撮影レンズ、事務機のイメージスキャナ、およびデジタル複写機のリーダレンズ等の光学機器に用いても良い。
次に、実施例を挙げて本発明の回折光学素子、およびその製造方法を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
図5、図6、および図7で説明した製造方法で3層型の回折光学素子を製造した。基材1には、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S-FPL)を球面形状に加工(レプリカ成形面は曲率半径R200で凸形状、反対側の面はR150に設計)したφ55mmのものを用いた。レプリカを形成する側の面には樹脂との密着性を高める目的でカップリング処理を施した。カップリング液は、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製、商品名:KBM503)を水とエタノールの混合液(水10%)に5%濃度で溶かし、pH調整として酢酸を0.5%添加したものを使用した。このカップリング液をスプレーコーターで塗布し、100℃のオーブン内で1時間の脱水乾燥処理をした。反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜した。
型7はステンレス鋼(ウッデホルム株式会社製、商品名:STAVAX)の土台にNiPを200μmメッキしたものを研削機で鋸歯断面形状に加工したものを使用した。
次いで、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名Irgacure184)を添加した紫外線硬化型樹脂材料を用意した。これらに酸化インジウム錫微粒子を分散させて第1の材料6を作製し、50mgをディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社製、商品名:MEASURING MASTER MPP-1)を使用して基材に滴下した(図5(a))。
基材1を0.1mm/秒の速度でゆっくりと下降させ、滴下した樹脂材料と型7を接触させた後、空気(泡)を巻き込まないように基材1と型7とに挟まれた空間にある樹脂を光学有効部外まで押し拡げた(図5(b)、(c))。この際、基材1と同材料で構成される加圧用ガラス8を基材1の上に設置してその上から均一に圧力を加えることによって樹脂を充填させた。
その状態で、加圧用ガラスと基材1を通して樹脂材料に紫外線を照射して、基材1と樹脂を一体化させた(図5(d))。紫外線の照射には紫外線照射装置(HOYA CANDEO OPTRONICS 社製、商品面:UV光源UL750)を使用し、その照射量は15J/cm(15mW/cmの照度で1000秒照射)とした。
照射終了後に格子の成形された樹脂と一体化した基材1を離型して同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層が形成された第1の成形レンズ10を得た(図5(e))。
次いで、第2の材料11として、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を添加した紫外線硬化型樹脂材料を用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂材料10mgをディスペンサー(武蔵エンジニアリング株式会社製、商品名:MEASURING MASTER MPP-1)を使用して、上記で得た第1の成形レンズ10に滴下した。また、同じディスペンサーを使用して必要樹脂量の残りに相当する180mgを型12に滴下した(図6(a))。
その後第1の成形レンズ10を0.1mm/秒の速度で下降させ、第1の成形レンズ10と型12に滴下した第2の材料11を接触させた。その後、空気を巻き込まないように第1の成形レンズ10と型12とに挟まれた空間にある樹脂を押し拡げた(図6(b))。押し拡げる領域は、第1の樹脂層3の最外縁の外側、つまり第1の樹脂層3を第2の材料11で覆うまで充填させた。この際、第1の成形レンズ10を形成したのと同様に加圧用ガラス8を第1の成形レンズ10の上に設置してその上から均一に圧力を加えることによって樹脂を充填させた。
その状態で、加圧用ガラスと基材1を通して樹脂材料に紫外線を照射して、第1の成形レンズ10に第2の樹脂を積層させた(図6(c))。
紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は32J/cmとした。照射終了後に格子の成形された樹脂と一体化した基材1を離型して同心円状の2層型の回折格子形状を有する第1の樹脂層および第2の樹脂層が形成された第2の成形レンズ13を得た(図6(d))。
次いで、第3の材料14として、チオール基を有するアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を添加した紫外線硬化型樹脂を用意した。第3の材料165mgをディスペンサー(MPP-1)を使用して第2の成形レンズおよび第2の成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した(図7(a)(b))。基材2は、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S-LAH55)を球面形状に加工(レプリカ成形面は曲率半径R200で凹形状、反対側の面はR300に設計)したφ60mmのものを用いた。基材1の時と同様にレプリカを形成する側の面には樹脂との密着性を高める目的でカップリング処理を施した。また、反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜している。
その後、第2の成形レンズと基材2を貼り合わせ装置内で接合した。この装置は基材2(凹形状)を下側に配置して固定し、成形レンズ(凸形状)を逆向きにして基材2に一定速度で近づけるものである。予め第2の成形レンズと基材2との間の樹脂層が成形されていない領域に75μm厚のSUS製スペーサーを挿入した。第2の成形レンズを下降速度0.1mm/秒で基材2に近付け、完全に接液した後で加圧用ガラスを第2の成形レンズの上に設置し、一定圧力(10kgf)を加えてスペーサーに突き当たるまで第2の成形レンズを下降させた(図7(c)(d))。
樹脂材料が完全に第2の成形レンズと基材2との間に充填され、樹脂の反発力が無くなった後、スペーサーと加圧ガラスを取り除いた。その状態で第2の成形レンズを通して紫外線を照射して充填された樹脂材料を硬化(図7(d))させて、3層型の回折光学素子20を得た(図7(e))。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は32J/cmとした。
形成した樹脂層の各3層をナノインデンター(アジレントテクノロジー社製 NanoIndenter G-200)により、室温下(23±2℃)で材料単体としての弾性率を測定した。その結果は、第1の樹脂層が2.8GPa、第2の樹脂層が3.8GPa、第3の樹脂層が1.5GPaであり、弾性率の関係は第2の樹脂層>第1の樹脂層>第3の樹脂層となった。また、各層間での弾性率の差は第1の樹脂層と第2の樹脂層では1.0GPa、第2の樹脂層と第3の樹脂層では2.3GPaであった。
この回折光学素子の透過波面をレーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第一輪帯で最大値0.02λを示した。素子は回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように設計した。まず、干渉計(ZYGO社製、商品名:レーザー干渉計 GPI)を用いて、干渉計に対して被計測物、反射ミラーの順で配置した。次に、反射ミラーを素子の焦点位置に調整して、素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれおよび輪帯間の位相ずれを算出した。なお、干渉計の計測波長λは632.8nmである。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られず、回折光学素子を搭載していないレンズで撮影したボケ像と同様の結果が得られた。
上記で作製した素子を半分に切断した断面から各層の反射率測定を行った。その結果から屈折率を算出したところ、第1の樹脂層は1.57、第2の樹脂層は1.62、第3の樹脂層は1.61であり、第2の樹脂層と第3の樹脂層の屈折率差は0.01と小さいものであった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.33本、クセ0.43本であった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察をする耐久試験を行ったところ、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久試験後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久試験前と同様の結果が得られた。
(実施例2)
実施例2の回折光学素子について以下に説明する。実施例1と異なる点について記載し、その他の点は実施例1と同様にして回折光学素子を製造した。
第1の材料として実施例1と同様にウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名Irgacure184)を添加した紫外線硬化型樹脂材料を用意した。これらに実施例1と同様に酸化インジウム錫微粒子を分散させているが、光学的な設計の面から酸化インジウム錫微粒子の添加量は実施例1の60%に抑えたものである。但し、オリゴマー比率も減少させたので弾性率は実施例1と同等になっている。光学特性の関係で、所望の格子形状が実施例1とは異なり、更にそれに合わせて滴下する樹脂の量も150mgと変更した。以上により第1の成形レンズを作製した。
次いで、第2の材料としてフルオレン骨格を有するアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド)を添加した紫外線硬化型樹脂を用意した。この材料を第1の成形レンズに10mg滴下した。また、必要樹脂量の残りに相当する240mgを型12に滴下した。以上により第2の成形レンズを作製した。
第3の樹脂層の形成は、予め第2の成形レンズと基材2との間の樹脂層が成形されていない領域に挿入するSUS製スペーサーの厚みを90μm厚とした以外は実施例1と同様の材料と方法で行って3層型の回折光学素子を得た。
形成した樹脂層の各3層の弾性率を測定した結果は、第1の樹脂層が2.6GPa、第2の樹脂層が2.4GPa、第3の樹脂層が1.5GPaであり、弾性率の関係は第1の樹脂層>第2の樹脂層>第3の樹脂層であった。また、各層間での弾性率の差は第1の樹脂層と第2の樹脂層では0.2GPa、第2の樹脂層と第3の樹脂層では0.9GPaとなり、第1の樹脂層と第2の樹脂層の差よりも、第2の樹脂層と第3の樹脂層との差の方が大きくなった。
この回折光学素子の透過波面をレーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第一輪帯で最大値0.03λを示した。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られず、回折光学素子を搭載していないレンズで撮影したボケ像と同様の結果が得られた。
上記で作製した素子を半分に切断した断面から各層の反射率測定を行い、その結果から屈折率を算出した。第1の樹脂層は1.56、第2の樹脂層は1.60、第3の樹脂層は1.62であり、第2の樹脂層と第3の樹脂層の屈折率差は0.02と小さいものであった。更にこの素子の面精度を測定したところ、光学有効部内でアス0.35本、クセ0.42本であった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察をする耐久試験を行ったところ、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久試験後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久試験前と同様の結果が得られた。
(実施例3)
実施例3の回折光学素子について以下に説明する。実施例1と異なる点について記載し、その他の点は実施例1と同様にして回折光学素子を製造した。
基材1には、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S-LAM)を球面形状に加工(レプリカ成形面は曲率半径R200で凹形状、反対側の面はR100に設計)したφ65mmのものを用いた。
次いで、第1の材料としてチオール基を有するアクリレートを主成分としたものに実施例1と同じ光反応開始剤を添加した紫外線硬化型樹脂を用意した。150mgを基材に滴下した。その後、実施例1と同様に基材1と型7とに挟まれた空間にある樹脂を光学有効部外まで押し拡げた。
その状態で、加圧用ガラスと基材1を通して樹脂材料に紫外線を照射して、基材1と樹脂を一体化させた。紫外線の照射には実施例1と同じ紫外線照射装置を使用し、その照射量は5J/cmとした。照射終了後に格子の成形された樹脂と一体化した基材1を離型して同心円状の回折格子形状を有する第1の樹脂層が形成された第1の成形レンズ10を得た。
次いで、第2の材料としてフルオレン骨格を有するアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(ジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド)を添加した紫外線硬化型樹脂を用意した。この材料を上記で得た第1の成形レンズに10mg滴下した。また、必要樹脂量の残りに相当する240mgを型12に滴下した。その後は実施例1と同様にして第2の成形レンズを作製した。
次いで、第3の材料として、脂肪族ウレタンアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(Irgacure184)とチオールを5%添加した紫外線硬化型樹脂を用意した。この材料100mgを第2の成形レンズおよび第2の成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した。基材2は、硝材(株式会社オハラ製、商品名:S-FPL)を球面形状に加工(レプリカ成形面は曲率半径R200で凸形状、反対側の面はR80に設計)したφ60mmのものを用いた。その後は、SUS製スペーサーの厚さが80μmである点、および紫外線の照射量は20J/cmとした点以外は、実施例1と同様とした。
実施例1と同様に形成した樹脂層の各3層の弾性率を測定した。結果は、第1の樹脂層が1.8GPa、第2の樹脂層が2.9GPa、第3の樹脂層が0.3GPaであり、弾性率の関係は第2の樹脂層>第1の樹脂層>第3の樹脂層となった。また、各層間での弾性率差は第1の樹脂層と第2の樹脂層との間では1.1GPa、第2の樹脂層と第3の樹脂層との間では2.6GPaとなり、第1の樹脂層と第2の樹脂層の差よりも第2の樹脂層と第3の樹脂層との差の方が大きくなった。
この回折光学素子の透過波面をレーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第一輪帯で最大値0.04λを示した。素子は回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように設計した。実施例1と同様に、素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれおよび輪帯間の位相ずれを算出した。なお、干渉計の計測波長λは632.8nmである。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られず、回折光学素子を搭載していないレンズで撮影したボケ像と同様の結果が得られた。
上記で作製した素子を半分に切断した断面から各層の反射率測定を行った。その結果から屈折率を算出したところ、第1の樹脂層は1.62、第2の樹脂層は1.59、第3の樹脂層は1.58であり、第2の樹脂層と第3の樹脂層の屈折率差は0.01と小さいものであった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.45本、クセ0.45本であった。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察をする耐久試験を行ったところ、1ヶ月経過しても割れなどの不良は発生しなかった。また、耐久試験後の素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、耐久試験前と同様の結果が得られた。
(比較例1)
比較例1の回折光学素子について以下に説明する。実施例1と異なる点について記載し、その他の点は実施例1と同様にして回折光学素子を製造した。
実施例1と同様の材料と方法で第1の成形レンズを作製した。
次いで、第2の材料として、ウレタン変性ポリエステルアクリレートを主成分としたものに光反応開始剤(日本チバガイギー株式会社製、商品名:Irgacure184)を添加したものを用意した。これらに二酸化ジルコニア微粒子を分散させた紫外線硬化型樹脂材料を実施例1と同じディスペンサーを使用して、上記で得た第1の成形レンズに10mg滴下した。また、同じディスペンサーを使用して必要樹脂量の残りに相当する180mgを型に滴下した。その後は実施例1と同様にして第2の成形レンズを作製した。
第3の材料は第2の材料と同一のものを使用した。第3の材料165mgを実施例1と同じディスペンサーを使用して第2の成形レンズおよび第2の成形レンズと貼り合せる基材2に滴下した。基材2は、実施例1と同一の硝材と球面形状に加工(レプリカ成形面は曲率半径R200で凸形状、反対側の面はR80に設計)したものを用いた。基材1の時と同様にレプリカを形成する側の面には樹脂との密着性を高める目的でカップリング処理を施した。また、反対側の面にはSiOとSiOで構成される反射防止膜を成膜している。その後、実施例1と同様の方法で3層型の回折光学素子を得た。紫外線照射装置は上記と同様のUL750を使用し、紫外線の照射量は32J/cmとした。
形成した樹脂層の各3層の弾性率を測定した。結果は、第1の樹脂層が2.8GPa、第2および第3の樹脂層が6.3GPaであり、弾性率の関係は第3の樹脂層=第2の樹脂層>第1の樹脂層となった。また、第1の樹脂層と第2の樹脂層との弾性率差、および第2の樹脂層と第3の樹脂層との弾性率差は、同一の3.5GPaであった。
この回折光学素子の透過波面をレーザー干渉計により測定したところ、素子中心の透過波面位相ずれは第一輪帯で最大値0.03λを示した。素子は回折レンズとして、1次回折光が焦点を結ぶように設計した。実施例1と同じ干渉計を用いて、素子の透過波面を計測して、その輪帯内の位相ずれおよび輪帯間の位相ずれを算出した。なお、干渉計の計測波長λは632.8nmである。この回折光学素子を搭載したレンズでボケ像写真を撮影したところ、ボケ像には同心円状の縞模様や中心の輝点は見られず、回折光学素子を搭載していないレンズで撮影したボケ像と同様の結果が得られた。
上記で作製した素子を半分に切断した断面から各層の反射率測定を行い、その結果から屈折率を算出したところ、第1の樹脂層は1.57、第2の樹脂層および第3の樹脂層は1.62であり、第2の樹脂層と第3の樹脂層の屈折率差は同一材料なので0であった。更にこの素子の面精度を同じくレーザー干渉計で測定したところ、光学有効部内でアス0.35本、クセ0.45本であった。初期の光学性能としては、何ら問題の無い回折光学素子が作製されていた。
この回折光学素子を低温(-40℃)試験槽に投入し、経過観察をする耐久試験を行ったところ、10日後に取り出した時には素子全面で樹脂層に割れが発生していた。この素子を切断して割れの発生した領域をSEM観察したところ、第2の樹脂層および第3の樹脂層の樹脂が割れていることが確認された。
以上、表1に実施例1から3と比較例1の結果をまとめた。
Figure 2022152224000002
1 第1の基材
2 第2の基材
3 第1の樹脂層
4 第2の樹脂層
5 第3の樹脂層
6 第1の材料
7 第1の型
8 加圧用ガラス
9 紫外線照射光源
10 第1の成形レンズ
11 第2の材料
12 第2の型
13 第2の成形レンズ
14 第3の材料
20 3層型回折光学素子
101 第1の基材
102 第2の基材
103 第1の樹脂層
104 第2の樹脂層
201 第1の基材
202 第2の基材
203 第1の樹脂層
204 第2の樹脂層
205 第3の樹脂層
300 一眼レフデジタルカメラ
310 レンズ鏡筒
311、312 レンズ
313 内筒
320 カメラ本体
321 撮像素子

Claims (12)

  1. 第1の基材と、第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、第3の樹脂層および第2の基材と、が順に積層され、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との界面に回折格子を有する回折光学素子であって、
    前記第3の樹脂層の弾性率は、前記第1の樹脂層の弾性率および前記第2の樹脂層の弾性率よりも小さく、
    前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の弾性率の差は、前記第2の樹脂層と前記第3の樹脂層の弾性率の差よりも小さい、
    ことを特徴とする回折光学素子。
  2. 前記第2の樹脂層の弾性率が前記第1の樹脂層の弾性率よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 前記第1の樹脂層および/または第2の樹脂層の材料にアクリレート系樹脂を用いることを特徴とする請求項1または2に記載の回折光学素子。
  4. 前記第3の樹脂層の弾性率が、前記第1の樹脂層および/または第2の樹脂層の弾性率の1/2以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  5. 前記第3の樹脂層の弾性率が1.5GPa以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  6. 前記第3の樹脂層と前記第2の樹脂層の屈折率の差が0.05以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  7. 前記第3の樹脂層の材料にアクリレート系樹脂を用いることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  8. 前記第1の樹脂層の前記第1基材に接していない部分は、前記第2の樹脂層に覆われていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の回折光学素子。
  9. 第1の基材と、第1の樹脂層と、第2の樹脂層と、第3の樹脂層および第2の基材と、が順に積層され、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層との界面に回折格子を有する回折光学素子の製造方法であって、
    回折格子の形状を反転した形状を有する第1の型と前記第1の基材との間に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第1の材料を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第1の材料を硬化させ、前記第1の基材上前記第1の樹脂層を形成する工程と、
    第2の型と前記第1の樹脂層との間に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第2の材料を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第2の材料を硬化させ、前記第1の樹脂層との界面に回折格子を有する第2の樹脂層を形成する工程と、
    前記第2の基材と前記第2の樹脂層との間に、光硬化性樹脂または熱硬化性樹脂を含む第3の材料を設け、熱または光エネルギーを与えて前記第3の材料を硬化させ、前記第2の基材と前記第2の樹脂層との間に前記第3の樹脂層を形成する工程と、
    を有し、
    前記第3の樹脂層は、前記第1の樹脂層の弾性率および前記第2の樹脂層の弾性率よりも小さく、かつ、前記第1の樹脂層と前記第2の樹脂層の弾性率の差に対し前記第2の樹脂層と前記第3の樹脂層の弾性率の差が小さくなるように形成することを特徴とする回折光学素子の製造方法。
  10. 筐体と、該筐体内に複数のレンズを有する光学系を備える光学機器であって、
    前記複数のレンズの少なくとも1つが請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回折光学素子であることを特徴とする光学機器。
  11. 筐体と、該筐体内に複数のレンズを有する光学系と、該光学系を通過した光を受光する撮像素子と、を備える撮像装置であって、
    前記複数のレンズの少なくとも1つが請求項1乃至8のいずれか1項に記載の回折光学素子であることを特徴とする撮像装置。
  12. 前記撮像装置がカメラである請求項11に記載の撮像装置。
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