WO2023233797A1 - 光学系 - Google Patents
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Abstract
光学系は、第1レンズ及び第2レンズを有する複合レンズを含む。第1レンズは、凸面と、凸面の外周縁から複合レンズの径方向外側に張り出す第1面とを有し、第2レンズは、凸面と接合された凹面と、凹面の外周縁から径方向外側に張り出し、第1面と接合された第2面とを有する。光学系は、径方向に沿った第1面の長さをa[μm]とし、径方向に沿った第2面の長さをb[μm]とし、第2面の表面粗さをRa[μm]とした場合に、条件式(1)、(2)、及び(3)を満足する。 a<b (1) 100μm≦a (2) 0.5μm≦Ra≦20μm (3)
Description
本開示の技術は、複合レンズを含む光学系に関する。
特許第6824424号公報には、基材レンズと、基材レンズの光学面を被覆する光学面形状の樹脂層とを有する複合レンズの製造装置が開示されている。
特開平07-68568号公報には、光学素子の基材上に載置されたエネルギー硬化型の樹脂を成形面が所望の光学的形状を有する金型で押圧して樹脂層を形成し、エネルギーを照射して樹脂層を硬化させる複合型光学素子の成形方法が開示されている。
特開平07-112491号公報には、ガラス基盤の両面に熱重合型樹脂から成る非球面樹脂層を有する複合光学素子が開示されている。
特開平08-258172号公報には、特定プラスチックレンズ用組成物を、活性エネルギー線により部分重合して不流動化する第1の工程と、これに続く加熱処理による重合完結の第2の工程により成形するプラスチックレンズの製造方法が開示されている。
国際公開第2022/039143号パンフレットには、十分に低いアッベ数とともに優れた透過率も実現した硬化物を得ることができる化合物、この化合物を含有する硬化性樹脂組成物、この硬化性樹脂組成物から得られた硬化物、並びに、この硬化物を含む光学部材及びレンズが開示されている。
特開2009-248483号公報には、光学素子基材又は金型に第1の樹脂を吐出する第1の吐出工程と、第1の樹脂に硬化エネルギーを照射し硬化させる第1の照射工程と、硬化した第1の樹脂の表面にさらに第2の樹脂を吐出する第2の吐出工程と、光学素子基材又は金型を第2の樹脂に近接し第2の樹脂を拡げる引き延ばし工程と、拡げた第2の樹脂に硬化エネルギーを照射し硬化させる第2の照射工程と、を有する複合光学素子の製造方法が開示されている。
特開2003-262708号公報には、素子基材と素子基材の表面に固定した樹脂層を含む複合光学素子が開示されている。
特許第3071277号公報には、略円板状の本体部と本体部の外周縁に外周縁を取り巻く様に接続された胴付き部とから成る硝子部材を母材として、本体部の表面に形成され本体部の外径よりも小さい外径を有する光学機能面上に、所定の表面形状を有する樹脂層を成形加工によって形成することにより、硝子材料と樹脂材料とを一体化したレンズを形成するためのレンズの製造方法が開示されている。
特許第4632942号公報には、光学素子基材と、光学素子基材に接合した樹脂層とを有する樹脂接合型の光学素子が開示されている。
特開2011-186440号公報には、光軸方向の一方を向く第1光学機能面および光軸方向の他方を向く第2光学機能面を有するとともに、第1光学機能面の周囲に設けられた外周面を有するガラス基材と、ガラス基材の第2光学機能面に接合された樹脂層と、を備える複合光学素子が開示されている。
特開平05-323104号公報には、ガラス製レンズの表面に、非球面からなる合成樹脂層を付着成形する複合型非球面レンズが開示されている。
特開2005-060696号公報には、ガラスレンズ母材に樹脂層を接合してなるハイブリッドレンズの樹脂層の形成に用いられる樹脂組成物が、ラジカル重合性モノマーとシランカップリング剤とを含有するハイブリッドレンズ用樹脂組成物が開示されている。
特開2003-191260号公報には、ガラス製のレンズにおける一側表面を樹脂膜接合面として、この樹脂膜接合面に、レンズに所定の特性を持たせるために、透明な樹脂膜を接合する装置が開示されている。
特開2018-151420号公報には、支持体上に、室温での押し込み弾性率が0MPaより大きく3000MPa以下の第1の樹脂層と、第1の樹脂層上に第2の樹脂層とを有し、支持体の反り量は0μm乃至50μmである、レンズ構造体が開示されている。
特開2015-219422号公報には、基板と樹脂からなる光学部材において、樹脂からなる主要構成パタンの最薄部樹脂厚をRTmin、最厚部樹脂厚をRTmax、とするとき、特定の式を満足する光学部材が開示されている。
本開示の技術に係る一つの実施形態は、第2面での光の反射によって光学的な不良が生じること、及び第1レンズの変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズが破壊されることを防止できる光学系を提供する。
本開示の技術に係る第1の態様は、第1レンズ及び第2レンズを有する複合レンズを含む光学系であって、第1レンズは、凸面と、凸面の外周縁から複合レンズの径方向外側に張り出す第1面とを有し、第2レンズは、凸面と接合された凹面と、凹面の外周縁から径方向外側に張り出し、第1面と接合された第2面とを有し、径方向に沿った第1面の長さをa[μm]とし、径方向に沿った第2面の長さをb[μm]とし、第2面の表面粗さをRa[μm]とした場合に、
a<b (1)
100μm≦a (2)
0.5μm≦Ra≦20μm (3)
で表される条件式(1)、(2)、及び(3)を満足する光学系である。
a<b (1)
100μm≦a (2)
0.5μm≦Ra≦20μm (3)
で表される条件式(1)、(2)、及び(3)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第2の態様は、第1の態様に係る光学系において、
b-a≧700μm (4)
で表される条件式(4)を満足する光学系である。
b-a≧700μm (4)
で表される条件式(4)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る光学系において、第1レンズは、樹脂によって形成されており、第2レンズは、ガラスによって形成されている光学系である。
本開示の技術に係る第4の態様は、第1の態様から第3の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、第1レンズは、複合レンズの光軸方向において、第1面とは反対側に位置する第3面を有し、光軸方向に沿った第2面から第3面までの長さをc[μm]とした場合に、
10μm≦c≦300μm (5)
で表される条件式(5)を満足する光学系である。
10μm≦c≦300μm (5)
で表される条件式(5)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第5の態様は、第4の態様に係る光学系において、
100μm≦c≦300μm (6)
で表される条件式(6)を満足する光学系である。
100μm≦c≦300μm (6)
で表される条件式(6)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第6の態様は、第1の態様から第5の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、
1μm≦Ra≦4μm (7)
で表される条件式(7)を満足する光学系である。
1μm≦Ra≦4μm (7)
で表される条件式(7)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第7の態様は、第1の態様から第6の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、第1レンズは、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたレンズであり、凸面は、第1レンズの像側の面であり、第1レンズの中心厚をdとし、第1レンズの物体側の面の曲率半径をRfとし、第1レンズの像側の面の曲率半径をRrとした場合に、
0<d×(1/Rf-1/Rr)<0.05 (8)
で表される条件式(8)を満足する光学系である。
0<d×(1/Rf-1/Rr)<0.05 (8)
で表される条件式(8)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第8の態様は、第1の態様から第7の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、第1レンズは、Lpレンズであり、無限遠物体に合焦した状態における、前群の最も物体側のレンズ面から後群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離と、後群の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の空気換算距離との和をTLとし、Lpレンズの焦点距離をfpとした場合に、
0.1<TL/fp<1.2 (9)
で表される条件式(9)を満足する光学系である。
0.1<TL/fp<1.2 (9)
で表される条件式(9)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第9の態様は、第1の態様から第8の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、第1レンズは、Lpレンズであり、無限遠物体に合焦した状態でのLpレンズの物体側の面における最大半画角の主光線の光軸からの高さをHppとし、無限遠物体に合焦した状態でのLpレンズの物体側の面における軸上マージナル光線の光軸からの高さをHpmとした場合に、
0.2<Hpp/Hpm<1.1 (10)
で表される条件式(10)を満足する光学系である。
0.2<Hpp/Hpm<1.1 (10)
で表される条件式(10)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第10の態様は、第1の態様から第9の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、第1レンズは、Lpレンズであり、凸面は、Lpレンズの像側の面であり、Lpレンズの像側の面の曲率半径をRrとし、無限遠物体に合焦した状態において、光軸上の開口絞りの位置にある点を物点とした場合に、開口絞りの像側に隣接するレンズ面からLpレンズの像側の面までの光学系により形成される像点の、Lpレンズの像側の面からの光軸上の距離をDeとし、Lpレンズの像側の面より像側の媒質は空気としてDeを算出し、Deの符号を、光軸上において、Lpレンズの像側の面より像点が物体側にあれば負とし、Lpレンズの像側の面より像点が像側にあれば正とした場合に、
-0.9<(De-Rr)/(De+Rr)<0.9 (11)
で表される条件式(11)を満足する光学系である。
-0.9<(De-Rr)/(De+Rr)<0.9 (11)
で表される条件式(11)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第11の態様は、第1の態様から第10の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、第1レンズは、Lpレンズであり、凸面は、Lpレンズの像側の面であり、合焦の場合に光軸に沿って移動するフォーカス群の焦点距離をffocとし、Lpレンズの焦点距離をfpとした場合に、
0.04<ffoc/fp<0.36 (12)
で表される条件式(13)を満足する光学系である。
0.04<ffoc/fp<0.36 (12)
で表される条件式(13)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第12の態様は、第1の態様から第11の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、第1レンズは、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズであり、無限遠物体に合焦した状態における最大画角をωmとした場合に、
ωm≧45° (13)
で表される条件式(13)を満足する場合、後群は、Lpレンズを含み、
ωm<45° (14)
で表される条件式(14)を満足する場合、前群は、Lpレンズを含む光学系である。
ωm≧45° (13)
で表される条件式(13)を満足する場合、後群は、Lpレンズを含み、
ωm<45° (14)
で表される条件式(14)を満足する場合、前群は、Lpレンズを含む光学系である。
本開示の技術に係る第13の態様は、第1の態様から第12の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、第1レンズは、Lpレンズであり、凸面は、Lpレンズの像側の面であり、Lpレンズの中心厚をAとし、Lpレンズの両面のうちの最大有効径高さにおける複合レンズの光軸方向の厚さをBとし、最大像高をYとし、Lpレンズのg線とF線間の部分分散比をθgFとし、Lpレンズのd線基準のアッベ数をνdとし、ΔθgFを条件式(15)で表した場合に、
ΔθgF=θgF-(0.6438-0.001682×νd) (15)
0.004<(|A-B|ΔθgF)/Y<0.020 (16)
で表される条件式(16)を満足する光学系である。
ΔθgF=θgF-(0.6438-0.001682×νd) (15)
0.004<(|A-B|ΔθgF)/Y<0.020 (16)
で表される条件式(16)を満足する光学系である。
本開示の技術に係る第14の態様は、第1の態様から第13の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、複合レンズは、前群に含まれ、第2レンズは、第1レンズに対して物体側に配置されている光学系である。
本開示の技術に係る第15の態様は、第1の態様から第13の態様の何れか一つの態様に係る光学系において、前群と、開口絞りと、後群とを備え、前群、開口絞り、及び後群は、物体側から像側へ前群、開口絞り、及び後群の順に配置され、複合レンズは、後群に含まれ、第2レンズは、第1レンズに対して像側に配置されている光学系である。
本開示の技術に係る第16の態様は、第1レンズ及び第2レンズを有する複合レンズを含む光学系であって、第1レンズは、凸面と、凸面の外周縁から複合レンズの径方向外側に張り出す第1面とを有し、第2レンズは、凸面と接合された凹面と、凹面の外周縁から径方向外側に張り出し、第1面と接合された第2面とを有し、径方向に沿った第1面の長さをa[μm]とし、径方向に沿った第2面の長さをb[μm]とし、第2面の表面粗さをRa[μm]とした場合に、
a<b (17)
5≦a/Ra (18)
で表される条件式(17)及び(18)を満足する光学系である。
a<b (17)
5≦a/Ra (18)
で表される条件式(17)及び(18)を満足する光学系である。
以下、添付図面に従って本開示の技術に係る光学系の実施形態の一例について説明する。
本明細書の説明において、「直交」とは、完全な直交の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの直交を指す。本明細書の説明において、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平行を指す。本明細書の説明において、「平面」とは、完全な平面の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差であって、本開示の技術の趣旨に反しない程度の誤差を含めた意味合いでの平面を指す。
(複合レンズの構成)
はじめに、複合レンズ10の構成の一例について説明する。一例として図1に示すように、複合レンズ10は、第1レンズ12及び第2レンズ14を有する。第1レンズ12及び第2レンズ14は、いずれも複合レンズ10の光軸方向視で円形状に形成されている。第1レンズ12は、樹脂によって形成されており、第2レンズ14は、ガラスによって形成されている。
はじめに、複合レンズ10の構成の一例について説明する。一例として図1に示すように、複合レンズ10は、第1レンズ12及び第2レンズ14を有する。第1レンズ12及び第2レンズ14は、いずれも複合レンズ10の光軸方向視で円形状に形成されている。第1レンズ12は、樹脂によって形成されており、第2レンズ14は、ガラスによって形成されている。
一例として、第1レンズ12は、凹メニスカスレンズであり、凸面16と、凹面18とを有する。凸面16は、凸状に形成されており、凹面18は、凹状に形成されている。凹面18は、複合レンズ10の光軸方向において、凸面16とは反対側に位置する面である。凸面16と凹面18とは、第1レンズ12のうちのレンズ本体20に形成されている。レンズ本体20は、第1レンズ12の有効径を規定する部位である。
また、第1レンズ12は、フランジ22を有する。フランジ22は、レンズ本体20の外周縁から複合レンズ10の径方向外側に張り出している。フランジ22は、レンズ本体20の外周縁に沿って環状に形成されている。フランジ22は、第1フランジ面24と、第2フランジ面26とを有する。第1フランジ面24は、凸面16の外周縁から複合レンズ10の径方向外側に張り出しており、第2フランジ面26は、凹面18の外周縁から複合レンズ10の径方向外側に張り出している。一例として、第1フランジ面24及び第2フランジ面26は、いずれも複合レンズ10の光軸方向と直交する方向に延びている。凹面18及び第2フランジ面26は、後述する金型56(図3参照)によって成形される被成形面28を形成している。
一例として、第2レンズ14は、平凹レンズであり、平面30と、凹面32とを有する。平面30は、平面状に形成されており、凹面32は、凹状に形成されている。凹面32は、複合レンズ10の光軸方向において、平面30とは反対側に位置する面である。凹面32には、第1レンズ12の凸面16が接合されている。また、第2レンズ14は、摺り面34を有する。摺り面34は、凹凸を有する粗面によって形成されている。摺り面34は、凹面32の外周縁から複合レンズ10の径方向外側に張り出している。一例として、摺り面34は、複合レンズ10の光軸方向と直交する方向に延びている。凹面32と摺り面34との間には、稜線36が形成されている。稜線36は、凹面32の外周縁に沿って環状に形成されている。
摺り面34には、第1フランジ面24が接合されている。一例として、第1フランジ面24は、摺り面34のうちの凹面32側の第1領域34Aに接合されている。摺り面34のうちの第1領域34Aを除く第2領域34Bは、例えば、複合レンズ10が把持装置(図示省略)によって把持される場合の掴み代として利用される。つまり、複合レンズ10のうちの第2領域34Bを含む部分は、把持装置によって把持される被把持部38である。
なお、図1に示す例では、第2レンズ14の一例として、平凹レンズが挙げられているが、第2レンズ14は、平面30の代わりに凹面を有する両凹レンズでもよい。また、第2レンズ14は、平面30の代わりに凸面を有する凹メニスカスレンズでもよい。
複合レンズ10は、本開示の技術に係る「複合レンズ」の一例である。第1レンズ12は、本開示の技術に係る「第1レンズ」の一例である。第2レンズ14は、本開示の技術に係る「第2レンズ」の一例である。凸面16は、本開示の技術に係る「凸面」の一例である。凹面18は、本開示の技術に係る「凹面」の一例である。第1フランジ面24は、本開示の技術に係る「第1面」の一例である。摺り面34は、本開示の技術に係る「第2面」の一例である。第2フランジ面26は、本開示の技術に係る「第3面」の一例である。
(複合レンズの寸法関係)
続いて、複合レンズ10の寸法関係について説明する。一例として図2に示すように、以下の説明では、複合レンズ10の径方向に沿った第1フランジ面24の長さを「長さa」と称し、複合レンズ10の径方向に沿った摺り面34の長さを「長さb」と称する。また、複合レンズ10の光軸方向に沿った第1フランジ面24から第2フランジ面26までの長さを「長さc」と称し、摺り面34の表面粗さを「表面粗さRa」と称する。長さa、長さb、長さc、及び表面粗さRaの単位は、いずれも「μm(マイクロメートル)」である。
続いて、複合レンズ10の寸法関係について説明する。一例として図2に示すように、以下の説明では、複合レンズ10の径方向に沿った第1フランジ面24の長さを「長さa」と称し、複合レンズ10の径方向に沿った摺り面34の長さを「長さb」と称する。また、複合レンズ10の光軸方向に沿った第1フランジ面24から第2フランジ面26までの長さを「長さc」と称し、摺り面34の表面粗さを「表面粗さRa」と称する。長さa、長さb、長さc、及び表面粗さRaの単位は、いずれも「μm(マイクロメートル)」である。
また、第1レンズ12の厚みの最大値を「最大厚みA」と称し、第1レンズ12の厚みの最小値を「最小厚みB」と称する。最大厚みA及び最小厚みの単位は、いずれも「mm(ミリメートル)」である。第1レンズ12の厚みは、複合レンズ10の光軸方向に沿った凸面16から凹面18までの長さによって規定される。一例として、最大厚みAは、第1レンズ12の中心での第1レンズ12の厚みに相当する。また、一例として、最小厚みBは、レンズ本体20のフランジ22側の端部の厚みに相当する。
(複合レンズに適用される寸法)
続いて、複合レンズ10に適用される寸法の一例について説明する。凸面16の中心での第1レンズ12の厚さと、第1フランジ面24での第1レンズ12の厚さ(すなわち、フランジ22の厚さ)との差は、0.01mm以上、1mm以下である。凸面16の有効径は、3mm以上、50mm以下である。第2レンズ14の外径は、4mm以上、110mm以下である。凹面32の中心での第2レンズ14の厚さは、0.5mm以上、10mm以下である。凹面32の有効径は、3mm以上、50mm以下である。凹面32の曲率半径は、5mm以上、300mm以下である。凸面16の曲率半径は、凹面32の曲率半径と同じである。なお、上記寸法は、あくまでも一例であり、複合レンズ10の寸法は、上記以外の寸法でもよい。
続いて、複合レンズ10に適用される寸法の一例について説明する。凸面16の中心での第1レンズ12の厚さと、第1フランジ面24での第1レンズ12の厚さ(すなわち、フランジ22の厚さ)との差は、0.01mm以上、1mm以下である。凸面16の有効径は、3mm以上、50mm以下である。第2レンズ14の外径は、4mm以上、110mm以下である。凹面32の中心での第2レンズ14の厚さは、0.5mm以上、10mm以下である。凹面32の有効径は、3mm以上、50mm以下である。凹面32の曲率半径は、5mm以上、300mm以下である。凸面16の曲率半径は、凹面32の曲率半径と同じである。なお、上記寸法は、あくまでも一例であり、複合レンズ10の寸法は、上記以外の寸法でもよい。
(第1レンズ及び第2レンズに適用される材料)
続いて、第1レンズ12及び第2レンズ14に適用される材料の一例について説明する。一例として、第1レンズ12は、光硬化性及び熱硬化性を有する光熱硬化性樹脂によって形成されている。具体的には、第1レンズ12は、光硬化性を有する光硬化性樹脂と熱硬化性を有する熱硬化性樹脂との混合樹脂によって形成されている。第1レンズ12を形成する光熱硬化性樹脂としては、例えば、国際公開第2022/039143号パンフレットに記載された硬化性樹脂等が挙げられる。
続いて、第1レンズ12及び第2レンズ14に適用される材料の一例について説明する。一例として、第1レンズ12は、光硬化性及び熱硬化性を有する光熱硬化性樹脂によって形成されている。具体的には、第1レンズ12は、光硬化性を有する光硬化性樹脂と熱硬化性を有する熱硬化性樹脂との混合樹脂によって形成されている。第1レンズ12を形成する光熱硬化性樹脂としては、例えば、国際公開第2022/039143号パンフレットに記載された硬化性樹脂等が挙げられる。
例えば、第1レンズ12の線膨張係数は、6×10-5/℃であり、第1レンズ12の弾性率は、2.5×109Paである。第2レンズ14を形成するガラスとしては、例えば、株式会社OHARA社製のS-FPL5等が挙げられる。例えば、第2レンズ14の線膨張係数は、0.77×10-5/℃であり、第2レンズ14の弾性率は、106.7×109Paである。
(複合レンズの製造方法)
続いて、複合レンズ10の製造方法の一例について説明する。図3に示す例では、第1レンズ12を形成するための樹脂として、樹脂50が用いられる。樹脂50は、光熱硬化性樹脂である。複合レンズ10の製造方法では、先ず、未硬化状態にある樹脂50が供給装置52によって凹面32に供給される。次いで、第2レンズ14が治具54によって保持された状態で、第2レンズ14とは反対側から樹脂50が金型56によって第2レンズ14側に押圧される。金型56には、被成形面28を反転させた形状を有する成形面58が形成されている。成形面58によって樹脂50に被成形面28が形成される。
続いて、複合レンズ10の製造方法の一例について説明する。図3に示す例では、第1レンズ12を形成するための樹脂として、樹脂50が用いられる。樹脂50は、光熱硬化性樹脂である。複合レンズ10の製造方法では、先ず、未硬化状態にある樹脂50が供給装置52によって凹面32に供給される。次いで、第2レンズ14が治具54によって保持された状態で、第2レンズ14とは反対側から樹脂50が金型56によって第2レンズ14側に押圧される。金型56には、被成形面28を反転させた形状を有する成形面58が形成されている。成形面58によって樹脂50に被成形面28が形成される。
次いで、樹脂50及び金型56とは反対側に配置された光源60から光62が出力される。光62は、樹脂50を硬化させる波長帯域の光である。光源60から出力された光62は、第2レンズ14を透過し、樹脂50に照射される。樹脂50に光62が照射されることにより、樹脂50に含まれる光硬化性樹脂が硬化反応し、樹脂50が半硬化状態になる。次いで、金型56が加熱装置64によって加熱される。加熱装置64によって加熱された金型56の熱が樹脂50に伝わることにより、樹脂50が加熱される。そして、樹脂50に含まれる熱硬化性樹脂が硬化反応し、樹脂50が硬化状態になる。樹脂50が硬化することで、第2レンズ14と一体化した第1レンズ12が形成される。以上の要領で、第1レンズ12及び第2レンズ14を有する複合レンズ10が製造される。
(複合レンズの課題)
続いて、複合レンズ10の課題について説明する。一例として図4に示すように、摺り面34には、凹凸形状が形成されている。摺り面34に形成された凹凸形状は、第1フランジ面24に形成された凹凸形状とかみ合っている。摺り面34に形成された凹凸形状に含まれる凹部40の直径φは、約50μmである。図4では、凹凸形状を容易に理解するために、凹凸形状の大きさが誇張して示されている。
続いて、複合レンズ10の課題について説明する。一例として図4に示すように、摺り面34には、凹凸形状が形成されている。摺り面34に形成された凹凸形状は、第1フランジ面24に形成された凹凸形状とかみ合っている。摺り面34に形成された凹凸形状に含まれる凹部40の直径φは、約50μmである。図4では、凹凸形状を容易に理解するために、凹凸形状の大きさが誇張して示されている。
摺り面34は、一例として研磨加工によって形成される。摺り面34のうちの凹面32との境界側の領域(以下、「境界領域34C」と称する)には、研磨加工に伴って複数のマイクロクラック42が生じる。マイクロクラック42は、摺り面34が研磨加工される場合に境界領域34Cに応力が集中することによって生じる。境界領域34Cに応力が集中するのは、境界領域34Cが稜線36と接するためである。境界領域34Cと隣接する領域(以下、「隣接領域34D」と称する)は、稜線36とは離れていることによって応力が緩和されるため、マイクロクラック42を含まない領域である。
図4に示す例では、第1フランジ面24が摺り面34に対して境界領域34Cのみで接合されている。すなわち、第1フランジ面24が境界領域34Cの長さの範囲に含まれる。図4に示す例では、第1レンズ12が硬化収縮及び/又は熱収縮等によって複合レンズ10の径方向内側(すなわち、矢印IN側)に変形した場合、第1フランジ面24によって摺り面34が引っ張られることにより、マイクロクラック42を起点にして摺り面34から第2レンズ14の内部に向かってクラック44が生じる虞がある。クラック44の数及び/又は大きさが許容範囲を超えた場合、第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊される虞がある。
ここで、第1フランジ面24によって摺り面34が引っ張られる力を抑えるために、表面粗さRaの値を減少させることが考えられる。しかしながら、表面粗さRaの値を減少させた場合、摺り面34で光が反射することによって複合レンズ10に光学的な不良が生じる虞がある。
したがって、複合レンズ10に対しては、摺り面34での光の反射によって光学的な不良が生じること、及び第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊されることを防止できることが要求される。また、樹脂によって形成される第1レンズ12に対しては、光学性能に関する品質を確保できることが要求される。
(複合レンズの実施例及び比較例)
続いて、表1を参照しながら、複合レンズ10の実施例及び比較例について、長さa、長さc、及び表面粗さRaを異ならせた場合の一例を説明する。一例として、実施例及び比較例に関する評価項目としては、「クラックの発生」、「光学特性」、及び「被把持性」が挙げられている。
続いて、表1を参照しながら、複合レンズ10の実施例及び比較例について、長さa、長さc、及び表面粗さRaを異ならせた場合の一例を説明する。一例として、実施例及び比較例に関する評価項目としては、「クラックの発生」、「光学特性」、及び「被把持性」が挙げられている。
「クラックの発生」については、摺り面34の境界領域34Cに存在するマイクロクラック42を起点にクラック44が発生することに関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。「クラックの発生」が「優」であることは、クラック44が生じず、第2レンズ14が破壊されることを防止できることを示す。「クラックの発生」が「良」であることは、クラック44が生じるが、クラック44の数及び/又は大きさが許容範囲内であり、第2レンズ14が破壊されることを防止できることを示す。「クラックの発生」が「不可」であることは、クラック44の数及び/又は大きさが許容範囲外であり、第2レンズ14が破壊されることを示す。
「光学特性」については、複合レンズ10の光学的な特性に関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。摺り面34が平面に近づくほど、摺り面34で反射する光の強度が増加し、複合レンズ10の光学的な特性に影響する。「光学特性」が「優」であることは、複合レンズ10の光学的な特性に影響がなく、複合レンズ10に光学的な不良が生じることを防止できることを示す。「光学特性」が「良」であることは、複合レンズ10の光学的な特性に影響が生じるが、摺り面34で反射する光の強度が許容範囲内であり、複合レンズ10に光学的な不良が生じることを防止できることを示す。「光学特性」が「不可」であることは、摺り面34で反射する光の強度が許容範囲外であり、複合レンズ10に光学的な不良が生じることを示す。
「被把持性」については、被把持部38が把持装置によって把持される場合の作業性に関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。上述の通り、複合レンズ10は、被把持部38を有しており、被把持部38が把持装置によって把持された状態で搬送作業及び組付作業が行われる。「被把持性」が「優」であることは、被把持部38の長さが、把持装置によって被把持部38が把持されるのに必要とされる最低限の長さよりも長いことにより、把持装置によって被把持部38が把持された場合に、複合レンズ10の安定性が確保されることを示す。「被把持性」が「良」であることは、被把持部38の長さが、把持装置によって被把持部38が把持されるのに必要とされる最低限の長さに設定されることにより、把持装置によって被把持部38が把持された場合に、複合レンズ10の安定性が確保されることを示す。「被把持性」が「不可」であることは、被把持部38の長さが、把持装置によって被把持部38が把持されるのに必要とされる最低限の長さよりも短いことにより、把持装置によって被把持部38を把持することができないことを示す。
表1に示される実施例及び比較例より、複合レンズ10は、下記条件式(1)、(2)、及び(3)を満足することが好ましい。
a<b (1)
100μm≦a (2)
0.5μm≦Ra≦20μm (3)
a<b (1)
100μm≦a (2)
0.5μm≦Ra≦20μm (3)
条件式(2)で長さaが100μmを下回る場合、クラック44が生じることにより、第2レンズ14が破壊される。条件式(2)で長さaが100μm以上である場合、クラック44が生じることが抑制されることにより、第2レンズ14が破壊されることを防止できる。長さaが100μm以上である場合に、摺り面34の境界領域34Cに存在するマイクロクラック42を起点にクラック44が生じることが抑制される要因としては、第1フランジ面24が、マイクロクラック42を含む境界領域34Cに加えて、境界領域34Cと隣接する隣接領域34D(すなわち、マイクロクラック42を含まない領域)とも接合されるからであると推測される。
条件式(3)で表面粗さRaが0.5μmを下回る場合、摺り面34で反射する光によって複合レンズ10の光学的な特性に影響が生じ、これにより、複合レンズ10に光学的な不良が生じる。条件式(3)で表面粗さRaが0.5μm以上である場合、摺り面34で反射する光によって複合レンズ10の光学的な特性に影響が生じることが抑制され、これにより、複合レンズ10に光学的な不良が生じることを防止できる。条件式(3)で表面粗さRaが20μmを上回る場合、摺り面34の境界領域34Cに存在するマイクロクラック42を起点にクラック44が生じ、これにより、第2レンズ14が破壊される。条件式(3)で表面粗さRaが20μm以下である場合、摺り面34の境界領域34Cに存在するマイクロクラック42を起点にクラック44が生じることが抑制され、これにより、第2レンズ14が破壊されることを防止できる。表面粗さRaが20μm以下である場合に、摺り面34の境界領域34Cに存在するマイクロクラック42を起点にクラック44が生じることが抑制される要因としては、摺り面34の凹凸形状と第1フランジ面24の凹凸形状がかみ合う力が抑えられることにより、第1レンズ12の変形に伴って摺り面34の境界領域34Cに生じる物理的な力が抑制されるからであると推測される。
なお、第2レンズ14が破壊されることに関して、ガラスと樹脂の線膨張係数差による影響は、樹脂の弾性率による影響よりも小さい。また、樹脂の弾性率が低いほどクラック44が生じにくくなるが、発明者らが鋭意検討した結果、樹脂の弾性率による影響よりも、長さa、長さc、及び表面粗さRaによる影響の方が大きいことが実験的に明らかになった。
また、表1に示される実施例及び比較例より、複合レンズ10は、下記条件式(4)を満足することが好ましい。
b-a≧700μm (4)
b-a≧700μm (4)
なお、複合レンズ10の実施例及び比較例において、長さbは1700μmに設定されており、表1において、条件式(4)の対応値が700μm以上であることは、長さaが1000μm以下であることに相当する。条件式(4)の対応値が700μmを下回る場合、把持装置がフランジ22と干渉し、把持装置によって被把持部38を把持することができず、複合レンズ10を撮像レンズに組み付けることが困難である。条件式(4)の対応値が700μm以上である場合、把持装置が被把持部38を把持する場合に、把持装置がフランジ22と干渉することが回避され、かつ複合レンズ10の安定性が確保される。これにより、複合レンズ10を撮像レンズに組み付ける場合の作業性が確保される。
また、複合レンズ10は、下記条件式(5)を満足することがより好ましい。
5≦a/Ra (5)
5≦a/Ra (5)
条件式(5)の対応値が5以上である場合、第2面での光の反射によって光学的な不良が生じること、及び第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊されることをより一層効果的に防止できる。
また、複合レンズ10は、下記条件式(6)を満足することがより好ましい。
10μm≦c≦300μm (6)
10μm≦c≦300μm (6)
条件式(6)で長さcが10μmを下回る場合、樹脂50が供給装置52によって凹面32に供給される場合に、樹脂50の量のばらつきを許容できず、長さaが安定しない。条件式(6)で長さcが10μm以上である場合、樹脂50が供給装置52によって凹面32に供給される場合に、樹脂50の量のばらつきを許容でき、長さaが安定する。また、条件式(6)で長さcが300μmを上回る場合、クラック44が生じることにより、第2レンズ14が破壊される。条件式(6)で長さcが300μm以下である場合、クラック44が生じることが抑制されることにより、第2レンズ14が破壊されることを防止できる。
また、複合レンズ10は、下記条件式(7)を満足することがより好ましい。
100μm≦c≦300μm (7)
100μm≦c≦300μm (7)
条件式(7)で長さcが100μm以上である場合、長さcが10μm以上である場合に得られる効果がより高まる。また、条件式(7)で長さcが100μm以上である場合、長さcが100μmを下回る場合と比べて、第1レンズ12を製造し易くなる。
また、複合レンズ10は、下記条件式(8)を満足することがより好ましい。
1μm≦Ra≦4μm (8)
1μm≦Ra≦4μm (8)
条件式(8)で表面粗さRaが1μm以上である場合、表面粗さRaが0.5μm以上である場合に得られる効果がより高まる。条件式(8)で表面粗さRaが4μm以上である場合、表面粗さRaが20μm以下である場合に得られる効果がより高まる。
続いて、表2を参照しながら、第1レンズ12の実施例及び比較例について、最大厚みA及び最小厚みBを異ならせた場合の一例を説明する。表2には、パラメータとして、最大厚みA及び最小厚みBに加えて、最小厚みBに対する最大厚みAの割合を示す偏肉比A/Bが示されている。一例として、実施例及び比較例に関する評価項目としては、「第1レンズの品質」が挙げられている。
「第1レンズの品質」については、一例として、金型56によって成形される被成形面28の品質に関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。「第1レンズの品質」が「優」であることは、金型56によって樹脂50が成形される場合に被成形面28に気泡及び転写不良が発生することが防止されることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質を確保できることを示す。転写不良は、第1レンズ12のうちの最大厚みAに対応する部分(以下、「最大厚み部」と称する)に対して金型56による押圧力が不足することに起因して発生する。「第1レンズの品質」が「良」であることは、被成形面28に気泡及び/又は転写不良が発生するが、気泡及び/又は転写不良が発生した領域の数及び/又は大きさが許容範囲内であることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質を確保できることを示す。「第1レンズの品質」が「不可」であることは、気泡及び/又は転写不良が発生した領域の数が許容範囲外であることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が不足することを示す。
表2に示される実施例及び比較例より、第1レンズ12は、下記条件式(9)及び(10)を満足することが好ましい。
A/B≦10 (9)
A≦3mm (10)
A/B≦10 (9)
A≦3mm (10)
条件式(9)で偏肉比A/Bが10より大きい場合、被成形面28に気泡が発生することにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が不足する。条件式(9)で偏肉比A/Bが10以下である場合、被成形面28に気泡及び転写不良が発生することが抑制されることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が確保される。条件式(10)で最大厚みAが3mmより厚い場合、被成形面28に気泡が発生することにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が不足する。条件式(10)で最大厚みAが3mm以下である場合、被成形面28に気泡及び転写不良が発生することが抑制されることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が確保される。
また、表2に示される実施例及び比較例より、第1レンズ12は、下記条件式(11)及び(12)を満足することが好ましい。
A≧0.1mm (11)
B≧0.02mm (12)
A≧0.1mm (11)
B≧0.02mm (12)
条件式(11)で最大厚みAが0.1mmを下回る場合、被成形面28に転写不良が発生することにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が不足する。条件式(11)で最大厚みAが0.1mm以上である場合、被成形面28に気泡及び転写不良が発生することが抑制されることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が確保される。条件式(12)で最小厚みBが0.02mmを下回る場合、被成形面28に気泡が発生することにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が不足する。条件式(12)で最小厚みBが0.02mm以上である場合、被成形面28に気泡及び転写不良が発生することが抑制されることにより、第1レンズ12の光学性能に関する品質が確保される。
(樹脂に対する微小硬度試験)
続いて、第1レンズ12に適用される樹脂に対して実施した微小硬度試験の一例について説明する。微小硬度試験には、例えば、株式会社島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH-211Sが用いられる。圧子には、ベルコビッチ型の圧子が用いられる。なお、微小硬度試験には、株式会社島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH-211Sと同様の他の測定装置が用いられてもよい。
続いて、第1レンズ12に適用される樹脂に対して実施した微小硬度試験の一例について説明する。微小硬度試験には、例えば、株式会社島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH-211Sが用いられる。圧子には、ベルコビッチ型の圧子が用いられる。なお、微小硬度試験には、株式会社島津製作所製のダイナミック超微小硬度計DUH-211Sと同様の他の測定装置が用いられてもよい。
微小硬度試験では、硬化した状態にある樹脂の試験片の一例として、直径が7.4mmで厚みが1.3mmの平板状の試験片が用いられる。試験片の厚みは、後述する塑性変形量x(図5参照)の10倍程度に設定されることが一般的である。従って、樹脂の厚みは1.3mmである必要は無く、例えば塑性変形量が5μmであれば、樹脂の厚みは、50μm、100μm又は200μm等であってもよい。また、厚みの条件を満たせば微小硬度試験に用いられる樹脂は平板状である必要は無い。試験片は、環境温度が25℃に設定された環境下に配置される。一例として、試験片は、25℃に設定されたホットプレート上に載置される。25℃は、室温を模擬した温度である。ホットプレートの代わりに、恒温槽が用いられ、恒温槽の温度が25℃に設定されてもよい。試験片は、環境温度が25℃の状態で、圧子によって200mN/10secの荷重速度で押し込まれる。
一例として図5には、微小硬度試験において試験片に対して圧子が押し込まれた場合の荷重変位曲線が示されている。一例として、微小硬度試験では、最大荷重が付加された状態と除荷された状態がそれぞれ5秒間保持されることにより試験片がクリープされる。
表3には、微小硬度試験により得られた塑性変形量xと、複合レンズ10に関する評価項目との関係が示されている。塑性変形量xの単位は、「μm(マイクロメートル)」である。微小硬度試験では、樹脂の材料を異ならせた場合の塑性変形量xが測定される。塑性変形量xは、除荷された状態が5秒間保持されることにより試験片がクリープされた後に残存する変形量で定義される。各材料に対する試験回数は10回であり、塑性変形量xは、各試験で得られた数値の平均値で算出される。一例として、複合レンズ10に関する評価項目としては、「コーティングの品質」、「耐環境性」、及び「耐吸着性」が挙げられている。
「コーティングの品質」については、第1レンズ12にAR(Anti Reflection)コートが施された場合の第1レンズ12のコーティングの品質に関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。ARコートとは、第1レンズ12の凹面18に施される反射防止用の多層膜を指す。ARコートは、例えば、蒸着によって形成される。「コーティングの品質」が「優」であることは、ARコートが施された凹面18が変形せず、コーティングの品質を確保できることを示す。「コーティングの品質」が「良」であることは、凹面18が変形するが、凹面18の変形量が許容範囲内であり、コーティングの品質を確保できることを示す。「コーティングの品質」が「不可」であることは、凹面18の変形量が許容範囲外であり、コーティングの品質が不足することを示す。
「耐環境性」については、複合レンズ10が低温環境下に置かれた場合の耐久性に関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。「耐環境性」が「優」であることは、複合レンズ10が低温環境下に置かれた場合でも、クラック44が生じず、第2レンズ14が破壊されることを防止できることを示す。「耐環境性」が「良」であることは、複合レンズ10が低温環境下に置かれた場合に、クラック44が生じるが、クラック44の数及び/又は大きさが許容範囲内であり、第2レンズ14が破壊されることを防止できることを示す。「耐環境性」が「不可」であることは、複合レンズ10が低温環境下に置かれた場合に生じるクラック44の数及び/又は大きさが許容範囲外であり、第2レンズ14が破壊されることを示す。
「耐吸着性」については、複合レンズ10を搬送するために吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合に凹面18に生じる傷に関して、「優」、「良」、又は「不可」で評価している。「耐吸着性」が「優」であることは、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合でも、凹面18が変形せず、第1レンズ12の品質を確保できることを示す。「耐吸着性」が「良」であることは、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合に、凹面18が変形するが、凹面18の変形量が許容範囲内であり、第1レンズの品質を確保できることを示す。「耐吸着性」が「不可」であることは、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合の凹面18の変形量が許容範囲外であり、第1レンズ12の品質が不足することを示す。
表3に示される微小硬度試験の結果より、樹脂は、下記条件式(13)を満足することが好ましい。
1.0μm≦x≦4.0μm (13)
1.0μm≦x≦4.0μm (13)
条件式(13)で塑性変形量xが1.0μmを下回る場合、クラック44が生じることにより、第2レンズ14が破壊される。条件式(13)で塑性変形量xが1.0μm以上である場合、クラック44が生じることが抑制されることにより、第2レンズ14が破壊されることを防止できる。条件式(13)で塑性変形量xが4.0μmを上回る場合、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合に、凹面18が変形することにより、第1レンズ12の品質が不足する。条件式(13)で塑性変形量xが4.5μm以上である場合、第1レンズ12にARコートが施された場合に、凹面18が変形することにより、第1レンズ12の品質が不足する。条件式(13)で塑性変形量xが4.0μm以下である場合、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合でも、凹面18が変形することが防止され、かつ、第1レンズ12にARコートが施された場合でも、凹面18が変形することが防止される。これにより、第1レンズの品質を確保できる。
なお、樹脂の25℃における硬度は、186MPa以上196MPa以下であることが好ましい。樹脂の25℃における硬度が186MPaを下回る場合、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合に凹面18に傷が生じる。樹脂の25℃における硬度が186MPa以上である場合、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合でも、凹面18に傷が生じることを防止できる。樹脂の25℃における硬度が196MPaを上回る場合、低温環境等で第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊される。樹脂の25℃における硬度が196MPa以下である場合、低温環境等でも第2レンズ14が破壊されることを防止できる。
また、樹脂の75℃における硬度は、149MPa以上164MPa以下であることが好ましい。75℃は、第1レンズ12の凹面18にARコート等が施される場合を想定した温度である。樹脂の75℃における硬度が149MPaを下回る場合、第1レンズ12にARコートが施された場合に、凹面18が変形する。樹脂の75℃における硬度が149MPa以上である場合、第1レンズ12にARコートが施された場合でも、凹面18が変形することを防止できる。樹脂の75℃における硬度が164MPaを上回る場合、第1レンズ12の凹面18にARコート等が施される場合に第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊される。樹脂の75℃における硬度が164MPa以下である場合、第1レンズ12の凹面18にARコート等が施される場合でも、第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊されることを防止できる。
また、樹脂の75℃における弾性回復率は、59%以上63%以下であることが好ましい。樹脂の75℃における弾性回復率が59%を下回る場合、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合に凹面18に傷が生じる。樹脂の75℃における弾性回復率が59%以上である場合、吸着パッド等で第1レンズ12の凹面18が吸着された場合でも、凹面18に傷が生じることを防止できる。樹脂の75℃における弾性回復率が63%を上回る場合、クラック44が生じることにより、第2レンズ14が破壊される。樹脂の75℃における弾性回復率が63%以下である場合、クラック44が生じることが抑制されることにより、第2レンズ14が破壊されることを防止できる。
また、樹脂の25℃における押し込み弾性率は、3.5GPa以上3.6GPa以下であることが好ましい。樹脂の25℃における押し込み弾性率が3.5GPaを下回る場合、第1レンズ12にARコートが施された場合に、凹面18が変形する。樹脂の25℃における押し込み弾性率が3.5GPa以上である場合、第1レンズ12にARコートが施された場合でも、凹面18が変形することを防止できる。樹脂の25℃における押し込み弾性率が3.6GPaを上回る場合、低温環境等で第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊される。樹脂の25℃における押し込み弾性率が3.6GPa以下である場合、低温環境等でも第2レンズ14が破壊されることを防止できる。
また、樹脂の75℃における押し込み弾性率は、2.2GPa以上2.4GPa以下であることが好ましい。樹脂の75℃における押し込み弾性率が2.4GPaを上回る場合、熱膨張による第1レンズ12の変形に伴って生じる物理的な力によって第2レンズ14が破壊される。樹脂の75℃における押し込み弾性率が2.4GPa以下である場合、熱膨張によって第1レンズ12が変形した場合でも、第2レンズ14が破壊されることを防止できる。
(複合レンズ10を含む撮像レンズの構成)
続いて、複合レンズ10を含む撮像レンズの一例について説明する。一例として図6には、本開示の一実施形態に係る撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態が示されている。撮像レンズは、本開示の技術に係る「光学系」の一例である。なお、本明細書では、無限遠の距離にある物体を無限遠物体といい、至近距離にある物体を至近物体という。図6に示す例では、左側が物体側であり、右側が像側である。
続いて、複合レンズ10を含む撮像レンズの一例について説明する。一例として図6には、本開示の一実施形態に係る撮像レンズの無限遠物体に合焦した状態が示されている。撮像レンズは、本開示の技術に係る「光学系」の一例である。なお、本明細書では、無限遠の距離にある物体を無限遠物体といい、至近距離にある物体を至近物体という。図6に示す例では、左側が物体側であり、右側が像側である。
一例として図6には、撮像レンズが撮像装置に適用されることを想定して、撮像レンズと像面Simとの間に平行平板状の光学部材PPが配置された例が示されている。光学部材PPは、各種フィルタ、及び/又はカバーガラス等を想定した部材である。各種フィルタは、ローパスフィルタ、赤外線カットフィルタ、及び/又は特定の波長域をカットするフィルタ等である。光学部材PPは屈折力を有しない部材である。光学部材PPを省略して撮像レンズを構成することも可能である。
撮像レンズは、前群GFと、開口絞りStと、後群GRとを有する。前群GF、開口絞りSt、及び後群GRは、光軸Zに沿って物体側から像側へ前群GF、開口絞りSt、及び後群GRの順に配置されている。この構成によれば、小型化及び軽量化を維持しながら諸収差を抑制することに有利となる。
一例として、撮像レンズの前群GF及び後群GRは以下のように構成されている。前群GFは、第1レンズ群G1を有する。第1レンズ群G1は、物体側から像側へ順に、レンズL11~L19の9枚のレンズを有する。後群GRは、物体側から像側へ順に、第2レンズ群G2と、第3レンズ群G3とを有する。第2レンズ群G2は、レンズL21~L28の8枚のレンズを有する。第3レンズ群G3は、レンズL31の1枚のレンズを有する。
図6に示す例では、合焦される場合、第1レンズ群G1及び第3レンズ群G3は像面Simに対して固定され、第2レンズ群全体が光軸Zに沿って一体的に移動する。ここでいう「一体的に移動」は、同時に同方向に同量移動することを意味する。本明細書では、合焦される場合に光軸Zに沿って移動する群をフォーカス群という。フォーカス群が移動することにより合焦が行われる。図6に示す第2レンズ群G2の下の左向きの矢印は、無限遠物体から至近物体への合焦される場合に、第2レンズ群G2が物体側へ移動するフォーカス群であることを示す。
なお、本明細書において、「レンズ群」は、撮像レンズの構成部分であって、合焦される場合に変化する空気間隔によって分けられた、少なくとも1枚のレンズを含む部分である。合焦される場合には、各レンズ群単位で移動又は固定され、かつ、各レンズ群内のレンズの相互間隔は変化しない。すなわち、本明細書では、合焦される場合に、隣り合う群との間隔が変化し、かつ自身内部では隣り合うレンズの全間隔が変化しない群を1つのレンズ群としている。
撮像レンズの後群GRは、レンズに接合された正の屈折力を有する樹脂製のLpレンズLpを少なくとも1枚含む。樹脂を材料とする上記のようなLpレンズLpを後群GRに配置することによって、軽量化を図りながら、軸上色収差と倍率色収差とをバランス良く補正することが容易となる。図6に示す例では、レンズL24がLpレンズLpに対応する。図6に示す例のレンズL24は、レンズL23及びレンズL25と接合されている。Lpレンズの像側の面は、凸面に対応し、Lpレンズの物体側の面は、凹面に対応する。
LpレンズLpは下記条件式(14)を満足することが好ましい。ここで、LpレンズLpの中心厚をdとし、LpレンズLpの物体側の面の曲率半径をRfとし、LpレンズLpの像側の面の曲率半径をRrとしている。一例として図7には、図6に示す撮像レンズのLpレンズLpを含む部分の拡大図が示されている。条件式(14)を満足するLpレンズLpは、dが小さく、RfとRrとが近い形状になる。条件式(14)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、LpレンズLpの屈折力を強くすることができるため、より高い色収差補正効果を得ることができる。条件式(14)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、LpレンズLpの屈折力と厚みとを適切に設定することができるため、温度等の環境変化によってLpレンズLpの屈折率が変動した際の収差変動を抑制することが容易となる。より良好な特性を得るためには、LpレンズLpは下記条件式(14-1)を満足することがより好ましく、下記条件式(14-2)を満足することがさらにより好ましく、下記条件式(14-3)を満足することがさらにより一層好ましい。
0<d×(1/Rf-1/Rr)<0.05 (14)
0.0001<d×(1/Rf-1/Rr)<0.025 (14-1)
0.0005<d×(1/Rf-1/Rr)<0.015 (14-2)
0.0013<d×(1/Rf-1/Rr)<0.009 (14-3)
0<d×(1/Rf-1/Rr)<0.05 (14)
0.0001<d×(1/Rf-1/Rr)<0.025 (14-1)
0.0005<d×(1/Rf-1/Rr)<0.015 (14-2)
0.0013<d×(1/Rf-1/Rr)<0.009 (14-3)
撮像レンズは下記条件式(15)を満足することが好ましい。ここで、無限遠物体に合焦した状態における、前群GFの最も物体側のレンズ面から後群GRの最も像側のレンズ面までの光軸上の距離と、後群GRの最も像側のレンズ面から像面Simまでの光軸上の空気換算距離との和をTLとし、LpレンズLpの焦点距離をfpとしている。なお、fpの算出は、LpレンズLpの物体側及び像側の媒質が空気であるとして行う。条件式(15)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、LpレンズLpの色収差補正効果を高くすることができる。条件式(15)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、温度等の環境変化によってLpレンズLpの屈折率が変動した場合の収差変動を抑制することができる。より良好な特性を得るためには、撮像レンズは下記条件式(15-1)を満足することがより好ましく、下記条件式(15-2)を満足することがさらにより好ましい。
0.1<TL/fp<1.2 (15)
0.15<TL/fp<0.95 (15-1)
0.25<TL/fp<0.61 (15-2)
0.1<TL/fp<1.2 (15)
0.15<TL/fp<0.95 (15-1)
0.25<TL/fp<0.61 (15-2)
撮像レンズは下記条件式(16)を満足することが好ましい。ここで、無限遠物体に合焦した状態でのLpレンズLpの物体側の面における最大半画角ωmの主光線3pの光軸Zからの高さをHppとしている。また、無限遠物体に合焦した状態でのLpレンズLpの物体側の面における軸上マージナル光線2mの光軸Zからの高さをHpmとしている。一例として図8には、図6に示す撮像レンズにおける高さHpp及び高さHpmを示す。図8では、LpレンズLpに対応するレンズL24から像面Simまでを各光線とともに拡大して示す。条件式(16)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、倍率色収差の補正に有利となる。条件式(16)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、軸上色収差の補正に有利となる。より良好な特性を得るためには、撮像レンズは下記条件式(16-1)を満足することがより好ましく、下記条件式(16-2)を満足することがさらにより好ましい。
0.2<Hpp/Hpm<1.1 (16)
0.31<Hpp/Hpm<0.9 (16-1)
0.5<Hpp/Hpm<0.72 (16-2)
0.2<Hpp/Hpm<1.1 (16)
0.31<Hpp/Hpm<0.9 (16-1)
0.5<Hpp/Hpm<0.72 (16-2)
撮像レンズは下記条件式(17)を満足することが好ましい。ここで、無限遠物体に合焦した状態において、光軸上の開口絞りStの位置にある点を物点とした場合に、開口絞りStの像側に隣接するレンズ面からLpレンズLpの像側の面までの光学系により形成される像点の、LpレンズLpの像側の面からの光軸上の距離をDeとしている。一例として図7には、図6に示す撮像レンズにおける距離Deが示されている。ここでは、LpレンズLpの像側の面より像側の媒質は空気としてDeを算出し、Deの符号を、光軸上において、LpレンズLpの像側の面より像点が物体側にあれば負とし、LpレンズLpの像側の面より像点が像側にあれば正としている。条件式(17)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、倍率色収差の補正に有利となる。条件式(17)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、小型化に有利となる。より良好な特性を得るためには、撮像レンズは下記条件式(17-1)を満足することがより好ましく、下記条件式(17-2)を満足することがさらにより好ましい。
-0.9<(De-Rr)/(De+Rr)<0.9 (17)
-0.7<(De-Rr)/(De+Rr)<0.5 (17-1)
-0.56<(De-Rr)/(De+Rr)<0.16 (17-2)
-0.9<(De-Rr)/(De+Rr)<0.9 (17)
-0.7<(De-Rr)/(De+Rr)<0.5 (17-1)
-0.56<(De-Rr)/(De+Rr)<0.16 (17-2)
合焦される場合に光軸Zに沿って移動するフォーカス群の焦点距離をffocとした場合、撮像レンズは下記条件式(18)を満足することが好ましい。条件式(18)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、合焦される場合の色収差の変動の抑制に有利となる。条件式(18)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、温度等の環境変化によってLpレンズLpの屈折率が変動した際の収差変動を抑制することができる。より良好な特性を得るためには、撮像レンズは下記条件式(18-1)を満足することがより好ましく、下記条件式(18-2)を満足することがさらにより好ましい。
0.04<ffoc/fp<0.36 (18)
0.065<ffoc/fp<0.28 (18-1)
0.094<ffoc/fp<0.22 (18-2)
0.04<ffoc/fp<0.36 (18)
0.065<ffoc/fp<0.28 (18-1)
0.094<ffoc/fp<0.22 (18-2)
無限遠物体に合焦した状態における最大画角をωmとした場合に、撮像レンズが下記条件式(19)を満足する場合、後群GRはLpレンズLpを含むことが好ましい。最大画角のωm単位は、「°(度)」である。条件式(19)の対応値が下限を下回らないようにすることによって、良好な光学性能を得ることができる。
ωm≧45° (19)
ωm≧45° (19)
一方、撮像レンズが下記条件式(20)を満足する場合、前群GFはLpレンズLpを含むことが好ましい。条件式(20)の対応値が下限以上とならないようにすることによっても、良好な光学性能を得ることができる。
ωm<45° (20)
ωm<45° (20)
LpレンズLpの中心厚をAとし、LpレンズLpの両面のうちの最大有効径高さにおける複合レンズの光軸方向の厚さをBとし、最大像高をYとし、Lpレンズのg線とF線間の部分分散比をθgFとし、Lpレンズのd線基準のアッベ数をνdとし、ΔθgFを条件式(21)で表した場合に、撮像レンズは条件式(22)を満足することが好ましい。条件式(22)の対応値が下限以下とならないようにすることによって、より高い色収差補正効果を得ることができる。条件式(22)の対応値が上限以上とならないようにすることによって、温度が変化した場合でも、LpレンズLpの中心部と周辺部との変形の差を抑えることができる。
ΔθgF=θgF-(0.6438-0.001682×νd) (21)
0.004<(|A-B|ΔθgF)/Y<0.020 (22)
なお、(|A-B|ΔθgF)/Yは、0.006より大きく、0.014より小さいことがより好ましい。(|A-B|ΔθgF)/Yは、0.008より大きく、0.012より小さいことが更に好ましい。
ΔθgF=θgF-(0.6438-0.001682×νd) (21)
0.004<(|A-B|ΔθgF)/Y<0.020 (22)
なお、(|A-B|ΔθgF)/Yは、0.006より大きく、0.014より小さいことがより好ましい。(|A-B|ΔθgF)/Yは、0.008より大きく、0.012より小さいことが更に好ましい。
撮像レンズにおいて、複合レンズ10は、前群GFに含まれ、第2レンズ14は、第1レンズ12に対して物体側に配置されてもよい。また、撮像レンズにおいて、複合レンズ10は、後群GRに含まれ、第2レンズ14は、第1レンズ12に対して像側に配置されてもよい。
次に、本開示の撮像レンズの実施例について図面を参照して説明する。なお、各実施例の断面図のレンズに付された参照符号は、参照符号の桁数の増大による説明及び図面の煩雑化を避けるため、実施例ごとに独立して用いている。したがって、異なる実施例の図面において共通の参照符号が付されていても、必ずしも共通の構成ではない。
[実施例1]
実施例1に係る撮像レンズの構成の断面図を図9に示す。実施例1に係る撮像レンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する。前群GFは、第1レンズ群を有する。後群GRは、第2レンズ群と、第3レンズ群とを有する。無限遠物体から至近物体への合焦される場合、第1レンズ群と第3レンズ群とは像面Simに対して固定されており、第2レンズ群が物体側へ移動する。
実施例1に係る撮像レンズの構成の断面図を図9に示す。実施例1に係る撮像レンズは、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、開口絞りStと、正の屈折力を有する第2レンズ群と、正の屈折力を有する第3レンズ群とを有する。前群GFは、第1レンズ群を有する。後群GRは、第2レンズ群と、第3レンズ群とを有する。無限遠物体から至近物体への合焦される場合、第1レンズ群と第3レンズ群とは像面Simに対して固定されており、第2レンズ群が物体側へ移動する。
LpレンズLpは、第2レンズ群の物体側から2番目のレンズ成分に含まれる。このレンズ成分は、物体側から順に、LpレンズLpと、負レンズとが接合されて構成された接合レンズである。
実施例1の撮像レンズについて、基本レンズデータを表4に、諸元および可変面間隔を表5に示し、非球面係数を表6に示す。基本レンズデータの表は以下のように記載されている。Snの列には最も物体側の面を第1面とし像側に向かうに従い1つずつ番号を増加させた場合の面番号を示す。Rの列には各面の曲率半径を示す。Dの列には各面とその像側に隣接する面との光軸上の面間隔を示す。Ndの列には各構成要素のd線に対する屈折率を示す。νdの列には各構成要素のd線基準のアッベ数を示す。θgFの列のうち、LpレンズLpに対応するレンズの欄には、そのレンズのg線とF線間の部分分散比を示す。表4の第23面から第24面がLpレンズLpに対応する。
基本レンズデータの表では、物体側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を正、像側に凸面を向けた形状の面の曲率半径の符号を負としている。開口絞りStに相当する面の面番号の欄には、面番号と(St)という語句を記入している。表の面間隔の列の最下欄の値は表中の最も像側の面と像面Simとの間隔である。合焦の際の可変面間隔についてはDD[ ]という記号を用い、[ ]の中にこの間隔の物体側の面番号を付して面間隔の列に記入している。
各表のデータにおいて、角度の単位としては「°(度)」を用い、長さの単位としては「mm(ミリメートル)」を用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため他の適当な単位を用いることもできる。また、以下に示す各表では予め定められた桁でまるめた数値を記載している。
[実施例2]
実施例2の撮像レンズの構成の断面図を図11に示す。実施例2の撮像レンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを有する。第2レンズ群は開口絞りStを含む。前群GFは、第1レンズ群と、第2レンズ群の物体側の一部とを有する。後群GRは、第2レンズ群の他部と、第3レンズ群とを有する。無限遠物体から至近物体への合焦される場合、第1レンズ群と第3レンズ群とは像面Simに対して固定されており、第2レンズ群が物体側へ移動する。
実施例2の撮像レンズの構成の断面図を図11に示す。実施例2の撮像レンズは、物体側から像側へ順に、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とを有する。第2レンズ群は開口絞りStを含む。前群GFは、第1レンズ群と、第2レンズ群の物体側の一部とを有する。後群GRは、第2レンズ群の他部と、第3レンズ群とを有する。無限遠物体から至近物体への合焦される場合、第1レンズ群と第3レンズ群とは像面Simに対して固定されており、第2レンズ群が物体側へ移動する。
LpレンズLpは、第2レンズ群の物体側から2番目のレンズ成分に含まれる。このレンズ成分は、物体側から順に、LpレンズLpと、負レンズとが接合されて構成された接合レンズである。
実施例2の撮像レンズについて、基本レンズデータを表7に示し、諸元と可変面間隔を表8に示し、非球面係数を表9に示し、各収差図を図12に示す。表7の第12面から第13面がLpレンズLpに対応する。
以上、実施形態及び実施例を挙げて本開示の技術を説明したが、本開示の技術は上記実施形態及び実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、アッベ数、及び非球面係数等は、上記各実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得る。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
第1レンズは、光硬化性及び熱硬化性を有する樹脂によって形成されている
第1の態様に係る光学系。
(付記2)
第1レンズの線膨張係数は、6×10-5/℃であり、
第1レンズの弾性率は、2.5×109Paであり、
第2レンズの線膨張係数は、0.77×10-5/℃であり、
第2レンズの弾性率は、106.7×109Paである
第1の態様に係る光学系。
(付記3)
凸面の中心での第1レンズの厚さと、第1面での第1レンズの厚さとの差は、0.01mm以上、1mm以下であり、
凸面の有効径は、3mm以上、50mm以下であり、
第2レンズの外径は、4mm以上、110mm以下であり、
凹面の中心での第2レンズの厚さは、0.5mm以上、10mm以下であり、
凹面の有効径は、3mm以上、50mm以下であり、
凹面の曲率半径は、5mm以上、300mm以下である
第1の態様に係る光学系。
第1レンズは、光硬化性及び熱硬化性を有する樹脂によって形成されている
第1の態様に係る光学系。
(付記2)
第1レンズの線膨張係数は、6×10-5/℃であり、
第1レンズの弾性率は、2.5×109Paであり、
第2レンズの線膨張係数は、0.77×10-5/℃であり、
第2レンズの弾性率は、106.7×109Paである
第1の態様に係る光学系。
(付記3)
凸面の中心での第1レンズの厚さと、第1面での第1レンズの厚さとの差は、0.01mm以上、1mm以下であり、
凸面の有効径は、3mm以上、50mm以下であり、
第2レンズの外径は、4mm以上、110mm以下であり、
凹面の中心での第2レンズの厚さは、0.5mm以上、10mm以下であり、
凹面の有効径は、3mm以上、50mm以下であり、
凹面の曲率半径は、5mm以上、300mm以下である
第1の態様に係る光学系。
Claims (16)
- 第1レンズ及び第2レンズを有する複合レンズを含む光学系であって、
前記第1レンズは、凸面と、前記凸面の外周縁から前記複合レンズの径方向外側に張り出す第1面とを有し、
前記第2レンズは、前記凸面と接合された凹面と、前記凹面の外周縁から前記径方向外側に張り出し、前記第1面と接合された第2面とを有し、
前記径方向に沿った前記第1面の長さをa[μm]とし、前記径方向に沿った前記第2面の長さをb[μm]とし、前記第2面の表面粗さをRa[μm]とした場合に、
a<b (1)
100μm≦a (2)
0.5μm≦Ra≦20μm (3)
で表される条件式(1)、(2)、及び(3)を満足する
光学系。 - b-a≧700μm (4)
で表される条件式(4)を満足する
請求項1に記載の光学系。 - 前記第1レンズは、樹脂によって形成されており、
前記第2レンズは、ガラスによって形成されている
請求項1又は請求項2に記載の光学系。 - 前記第1レンズは、前記複合レンズの光軸方向において、前記第1面とは反対側に位置する第3面を有し、
前記光軸方向に沿った前記第2面から前記第3面までの長さをc[μm]とした場合に、
10μm≦c≦300μm (5)
で表される条件式(5)を満足する
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の光学系。 - 100μm≦c≦300μm (6)
で表される条件式(6)を満足する
請求項4に記載の光学系。 - 1μm≦Ra≦4μm (7)
で表される条件式(7)を満足する
請求項1から請求項5の何れか一項に記載の光学系。 - 前記第1レンズは、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたレンズであり、
前記凸面は、前記第1レンズの像側の面であり、
前記第1レンズの中心厚をdとし、
前記第1レンズの物体側の面の曲率半径をRfとし、
前記第1レンズの像側の面の曲率半径をRrとした場合に、
0<d×(1/Rf-1/Rr)<0.05 (8)
で表される条件式(8)を満足する
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、
前記第1レンズは、前記Lpレンズであり、
無限遠物体に合焦した状態における、前記前群の最も物体側のレンズ面から前記後群の最も像側のレンズ面までの光軸上の距離と、前記後群の最も像側のレンズ面から像面までの光軸上の空気換算距離との和をTLとし、
前記Lpレンズの焦点距離をfpとした場合に、
0.1<TL/fp<1.2 (9)
で表される条件式(9)を満足する
請求項1から請求項7の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、
前記第1レンズは、前記Lpレンズであり、
無限遠物体に合焦した状態での前記Lpレンズの物体側の面における最大半画角の主光線の光軸からの高さをHppとし、
無限遠物体に合焦した状態での前記Lpレンズの物体側の面における軸上マージナル光線の光軸からの高さをHpmとした場合に、
0.2<Hpp/Hpm<1.1 (10)
で表される条件式(10)を満足する
請求項1から請求項8の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、
前記第1レンズは、前記Lpレンズであり、
前記凸面は、前記Lpレンズの像側の面であり、
前記Lpレンズの像側の面の曲率半径をRrとし、
無限遠物体に合焦した状態において、光軸上の前記開口絞りの位置にある点を物点とした場合に、前記開口絞りの像側に隣接するレンズ面から前記Lpレンズの像側の面までの光学系により形成される像点の、前記Lpレンズの像側の面からの光軸上の距離をDeとし、
前記Lpレンズの像側の面より像側の媒質は空気としてDeを算出し、Deの符号を、光軸上において、前記Lpレンズの像側の面より前記像点が物体側にあれば負とし、前記Lpレンズの像側の面より前記像点が像側にあれば正とした場合に、
-0.9<(De-Rr)/(De+Rr)<0.9 (11)
で表される条件式(11)を満足する
請求項1から請求項9の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、
前記第1レンズは、前記Lpレンズであり、
前記凸面は、前記Lpレンズの像側の面であり、
合焦の場合に光軸に沿って移動するフォーカス群の焦点距離をffocとし、
前記Lpレンズの焦点距離をfpとした場合に、
0.04<ffoc/fp<0.36 (12)
で表される条件式(13)を満足する
請求項1から請求項10の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記第1レンズは、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズであり、
無限遠物体に合焦した状態における最大画角をωmとした場合に、
ωm≧45° (13)
で表される条件式(13)を満足する場合、前記後群は、前記Lpレンズを含み、
ωm<45° (14)
で表される条件式(14)を満足する場合、前記前群は、前記Lpレンズを含む
請求項1から請求項11の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記後群は、正の屈折力を有し、樹脂によって形成されたLpレンズを少なくとも1枚含み、
前記第1レンズは、前記Lpレンズであり、
前記凸面は、前記Lpレンズの像側の面であり、
前記Lpレンズの中心厚をAとし、
前記Lpレンズの両面のうちの最大有効径高さにおける前記複合レンズの光軸方向の厚さをBとし、
最大像高をYとし、
前記Lpレンズのg線とF線間の部分分散比をθgFとし、
前記Lpレンズのd線基準のアッベ数をνdとし、
ΔθgFを条件式(15)で表した場合に、
ΔθgF=θgF-(0.6438-0.001682×νd) (15)
0.004<(|A-B|ΔθgF)/Y<0.020 (16)
で表される条件式(16)を満足する
請求項1から請求項12の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記複合レンズは、前記前群に含まれ、
前記第2レンズは、前記第1レンズに対して物体側に配置されている
請求項1から請求項13の何れか一項に記載の光学系。 - 前群と、開口絞りと、後群とを備え、
前記前群、前記開口絞り、及び前記後群は、物体側から像側へ前記前群、前記開口絞り、及び前記後群の順に配置され、
前記複合レンズは、前記後群に含まれ、
前記第2レンズは、前記第1レンズに対して像側に配置されている
請求項1から請求項13の何れか一項に記載の光学系。 - 第1レンズ及び第2レンズを有する複合レンズを含む光学系であって、
前記第1レンズは、凸面と、前記凸面の外周縁から前記複合レンズの径方向外側に張り出す第1面とを有し、
前記第2レンズは、前記凸面と接合された凹面と、前記凹面の外周縁から前記径方向外側に張り出し、前記第1面と接合された第2面とを有し、
前記径方向に沿った前記第1面の長さをa[μm]とし、前記径方向に沿った前記第2面の長さをb[μm]とし、前記第2面の表面粗さをRa[μm]とした場合に、
a<b (17)
5≦a/Ra (18)
で表される条件式(17)及び(18)を満足する
光学系。
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WO2018061331A1 (ja) * | 2016-09-29 | 2018-04-05 | 富士フイルム株式会社 | 複合光学素子 |
-
2023
- 2023-03-31 WO PCT/JP2023/013693 patent/WO2023233797A1/ja unknown
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