JP5314389B2 - プラスチック積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチック積層体に関するものである。
プラスチック積層体は、プラスチック段ボール等、軽量で比較的強度があるため、従来のベニヤ板に代わるものとして、またその他の内装材や建材として多用されている。
一般的なプラスチック積層体は、紙製の段ボールと同様の形状を押出成型で製造したものや、円筒形にエンボスした芯材に表裏シートを貼ったもの等があり、どれも種々の分野で使用されている。
しかし、従来のプラスチック積層体は、どうしても強度が不足するため、ベニヤ板の完全な代替品にはなりえない。強度を確保すると、厚くなったり、重くなったりするためである。
そこで、本発明では、従来のものと比較して、軽量で、強度のあるプラスチック積層体を提供する。
以上のような状況に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果、本発明プラスチック積層体を完成したものであり、その特徴とするところは、複数の突出部がエンボス加工によって構成されたプラスチック製の芯材、その表裏に板状体を貼付する積層材であって、該芯材と板状体の少なくとも一方の間にカーボン繊維とプラスチック繊維だけからなり、カーボン繊維が30〜70重量%である不織布を挟持した点にある。
ここで芯材とは、プラスチックの板状体をエンボス加工することによって円筒体が突出した形状のものである。製造方法としては、板状体を加熱して多数の凹部を有するドラムに接当させ凹部をバキュームにすることによって、凹部にプラスチック材が入りその凹部の形状になる。これ自体は市販されているものと同じでよい。
この円筒体のサイズも自由であるが、高さも直径も2〜15mm程度が好適である。全面積に円筒体の占める割合も自由であるが、通常は25〜70%程度が好適である。
芯材の材質としては熱可塑性樹脂であればよく特に限定はしないが、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンが好適である。
この芯材の表裏に板状体を貼付する。この板状体も材質的には熱可塑性樹脂であればよいが、芯材と同じものが好適である。それは溶融温度が同じで相溶性があるほうが融着が容易なためである。この表裏の板状体は同じものでも異なるものでもよい。厚みも自由であるが、0.1〜2mmが好適である。
本発明でいう不織布は、熱可塑性プラスチックの繊維とカーボン繊維だけで構成されており、カーボン繊維が30〜70重量%である。熱可塑性プラスチックはどのようなものでもよいが、前記した板状体と同じものが好適である。
不織布は通常の方法で製造したものでよい。使用する繊維が上記したものであるというだけである。
この不織布の目付重量は、10〜150g/mが好適である。
この不織布を前記した芯材と板状体の間に挟むのである。芯材の表裏に積層するのであるが、一方側のみでもよい。
挟む方法は、接着剤で貼っても、加熱して融着してもよい。芯材のエンボス加工と同時に融着する連続方法でもよい。
カーボン繊維を含む不織布を挟むことによって、延びを防止し、それによって種々の変形を防止しようとするものである。
本発明プラスチック積層体には次のような大きな利点がある。
(1) 本体が円筒体を有するプラスチック積層体であるため、軽量で強度が大きい。
(2) ほとんど伸縮性のないカーボン繊維の不織布が挟持されているため、撓みにくい。これは厚みのあるものが撓む時は一方側が延びるためであり、その延びを軽減すれば撓みが防止できるのである。
(2) 多数の円筒体が形成されているため、そもそも屈折や延びに対しては大きな抵抗力を有している。
以下図面に示す実施の形態に基づいて、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明積層体の1例を示す断面図である。ポリプロピレン製の芯材2が中心部に存在する。これは多数の円筒体が構成されたものである。その表裏両面にポリプロピレン繊維とカーボン繊維を同量(重量比)使用した不織布3が貼付され、さらにその外側にポリプロピレン製のプラスチック板4が貼付されている。
この例の積層体1の厚みは6mmであり、自動車の床やタイヤハウスの蓋等に使用できるものである。
図2は、図1の例の積層体1の製造方法の1例を示す概略断面図である。芯材2となるプラスチック板(押出成型機から出た直後でまだ柔らかい)5と、一方側の表面プラスチック板4(同様に柔らかい)がロール間で挟持されていく。その2枚のプラスチック板の間に不織布3が挟み込まれている。ロールは、エンボスロール6と平滑ロール7とで構成されている。
エンボスロール6は、表面に多数の円筒状の凹部を有し、その最奥部から吸引し密着させて円筒系にするものである。この2つのロールから出ると、一方側面に円筒体が多数構成され、その下に不織布3がありさらにその下にプラスチック板が密着したものになっている。
この状態のものを、第2のロールセット8に導く。そこでは、前工程からのものが、上記同様プラスチック板(押出成型機から出た直後でまだ柔らかい)4と、不織布3と貼付される。プラスチック板はまだ溶融状態であるため融着可能であるが、前工程からのものや不織布は冷却されて融着力はない。よって、加熱装置9を設けて、不織布に含まれるポリプロピレン繊維を融解し融着力を持たせた状態でロール8で密着させる。
この不織布を融解して融着力を持たせるため、プラスチック繊維を混合しているのである。これによって、接着剤等が不要になる。
以上の例では不織布は芯材の表裏の両方に挟持したが、これはどちらか一方は省略してもよい。特に後に加熱して挿入する方はなくてもよい。勿論、強度のことを考えれば両方もうける方がよい。
本発明積層体の1例を示す断面図である。 図1の例の積層体の製造方法の1例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 本発明積層体
2 芯材
3 不織布
4 プラスチック板
5 プラスチック板
6 エンボスロール
7 ロール
8 ロール

Claims (1)

  1. 複数の突出部がエンボス加工によって構成されたプラスチック製の芯材、その表裏に板状体を貼付する積層材であって、該芯材と板状体の少なくとも一方の間にカーボン繊維とプラスチック繊維だけからなり、カーボン繊維が30〜70重量%である不織布を挟持したことを特徴とするプラスチック積層体。
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