JP5314295B2 - 炭酸カルシウムの製造方法 - Google Patents

炭酸カルシウムの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5314295B2
JP5314295B2 JP2008049378A JP2008049378A JP5314295B2 JP 5314295 B2 JP5314295 B2 JP 5314295B2 JP 2008049378 A JP2008049378 A JP 2008049378A JP 2008049378 A JP2008049378 A JP 2008049378A JP 5314295 B2 JP5314295 B2 JP 5314295B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
quicklime
calcium carbonate
quick lime
causticizing
supplied
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008049378A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009203137A (ja
Inventor
裕司 小野
利通 大藤
雅人 高山
喜威 山田
武紘 小島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paper Industries Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paper Industries Co Ltd filed Critical Nippon Paper Industries Co Ltd
Priority to JP2008049378A priority Critical patent/JP5314295B2/ja
Publication of JP2009203137A publication Critical patent/JP2009203137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5314295B2 publication Critical patent/JP5314295B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/40Production or processing of lime, e.g. limestone regeneration of lime in pulp and sugar mills

Description

本発明は炭酸カルシウムの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、パルプ製造工程の苛性化工程を利用して、白液分離性及び洗浄性が良好で、かつ粉砕性に優れた、製紙用顔料としての利用に適した安価な炭酸カルシウムを得るための方法に関するものである。
近年、高白色度、高不透明度、高光沢度を有する高品位な軽量塗工紙の需要が高い。これらの要求に応えるために高品質軽量塗工紙の塗工顔料には、カオリン、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウムなどの無機顔料以外に、高価な二酸化チタンやプラスチックピグメントなどが配合される。
従来から塗工用顔料に用いられる炭酸カルシウムは非常に安価であり、塗料中の配合率を高くすることで塗工紙の白色度や不透明度を向上できるものの、白紙光沢度が著しく低下する。このため、炭酸カルシウムを高配合化するためには、白紙光沢度発現性を向上させるために、湿式粉砕により炭酸カルシウムを小粒径化するのが一般的である。しかし、小粒径化するには分散剤の添加量を増やし、長時間粉砕しなくてはならないため、顔料製造コストが高くなる。
炭酸カルシウムは製紙用のほか、ゴム、プラスチック、ペイント、シーリング剤、粘着剤、肥料等、工業用原料として重要で、天然の石灰石を乾式或いは湿式で機械粉砕して得られる重質炭酸カルシウムと、化学的方法によって得られる沈降性炭酸カルシウム(合成炭酸カルシウム)がある。
特許文献1(特開平10−226517号公報)には、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程において炭酸カルシウムを製造する方法が記載されている。
[苛性化工程]
化学的方法によって得られる沈降性炭酸カルシウムのひとつとして、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程で、生石灰を水または弱液で消和した後、緑液で苛性化反応することによって製造(苛性化法)される苛性化軽質炭酸カルシウムが挙げられる。
硫酸塩法又はソーダ法によるパルプ製造工程は、一般に以下の工程を含んでなる。すなわち、水酸化ナトリウムや硫化ナトリウムを溶解した「白液」を用いて木材を高温、高圧下で蒸解し、木材から繊維素を単離する。繊維素は固相として分離精製してパルプとし、蒸解廃液(「黒液」)は回収ボイラーで濃縮燃焼する。その際、木材からの溶出成分は熱源として回収し、薬液中の無機物は炭酸ナトリウム又は硫化ソーダとの混合物を主成分とするスメルトとして回収する。スメルトは、弱液と呼ぶ白液成分が一部溶解した炭酸カルシウム洗浄液に溶解して、「緑液」となる。
この緑液と生石灰を混合して、以下の[1]、[2]式で示す消和反応と苛性化反応により、炭酸ナトリウムを蒸解薬液に有用な水酸化ナトリウムに転換し、「白液」を得ると同時に「炭酸カルシウム」が副生する。従来のパルプ工場では緑液と生石灰をスレーカーと呼ばれる反応槽で混合する為、実際にはこの二段の反応はかなり重複して進行し、消和反応と苛性化反応はほとんど同時に起こる。
Figure 0005314295
[苛性化工程で製造される炭酸カルシウム]
上記製紙工程で生成する炭酸カルシウムは、主生産物である白液を製造する際の副産物であるため、塗工用顔料として使用した場合、非常に低コストで利用できる。また、ここで生成する炭酸カルシウムは、通常その一部あるいは全部がロータリーキルンと呼ばれる焼成炉で脱炭酸されて再び生石灰となり、上記苛性化反応に再利用される。
[脱塩素]
回収ボイラーで黒液を燃焼する際に、チップ由来の塩素が黒液に混入し、ボイラーの腐食が発生する傾向にある。そのため黒液の燃焼物の一部であるフライアッシュを系外に放流し、塩素量を低減することにより、ボイラーの腐食を防止する対策がとられている。しかしながら、スメルトの一部を系外に放流すると塩素と同時にNaS由来の硫黄分等も系外に放流されてしまう。そのため緑液の硫化度(NaOH+1/2NaS)が低下し、苛性化工程後の白液の有効アルカリ(NaOH+1/2NaS)が低下する。パルプの生産量を一定にするために白液の有効アルカリを上げるには、緑液に添加する生石灰量を増加させる必要がある。そのためには、キルンで焼成する石灰(以下、「キルン焼成石灰」と称する。)の系内への補充量を増加させる必要がある。
特開平10−226517号公報
しかし、このようにボイラーの腐食を防ぐために、脱塩のために黒液の燃焼物の一部のフライアシュを系外に放流し、その結果として、キルン焼成石灰量が多くなると、苛性化工程で得られる苛性化軽質炭酸カルシウムの品質に新たな問題が生じた。
すなわち、苛性化工程で発生した生石灰(キルン焼成石灰)量が多くなると、苛性化工程で得られる苛性化軽質炭酸カルシウムの粉砕性が低下し、通常の粉砕時間では目標の粒子径の粉砕物が得られないという問題が発生した。苛性化軽質炭酸カルシウムの粉砕性が低下すると、苛性化軽質炭酸カルシウム顔料の粒子径が大きくなり、塗工紙の光沢発現性が低下することや、所望の光沢度を得るためにカレンダー線圧を高くすることにより、紙厚が低下し、不透明度が低下する等の紙品質上の問題が発生した。
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を克服し、生成後の白液分離性・洗浄性、および粉砕性が良好な、安価な塗工用顔料としての苛性化工程で製造される炭酸カルシウムを得る方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程で炭酸カルシウムを製造する方法において、原料の生石灰として、前記苛性化工程で発生した生石灰と外部から供給した生石灰との混合物、または、外部から供給した生石灰のみを用い、(i)前記外部から供給した生石灰の配合比率を、生石灰の全配合重量の50〜100重量%とし、さらに、(ii)前記外部から供給した生石灰の平均1次粒子径を3μm以下にすることによって、粉砕性が改善された苛性化軽質炭酸カルシウムが得られるという驚くべき効果を発見し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程において、白液分離性・洗浄性が高く、粉砕性に優れる塗工用顔料に適した炭酸カルシウムを安価に多量に得ることができるようになる。
本発明は、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程で炭酸カルシウムを製造する方法において、原料の生石灰として、苛性化工程で発生した生石灰と外部から供給した生石灰との混合物、または、外部から供給した生石灰のみを用いることができる。本発明において、苛性化工程で発生した生石灰とは、苛性化工程で発生した炭酸カルシウムをキルン等の焼成炉で脱炭酸して得られる生石灰である。
本発明においては、苛性化工程の生石灰の少なくとも一部として、外部供給の生石灰を使用する。苛性化工程のカルシウム(生石灰、消石灰、炭酸カルシウム)は循環系を構成しているため、系外から生石灰を供給することによって、系内の清浄および循環石灰の高純度化が達成され、苛性化工程の反応性向上や白液の清澄性の向上、さらには廃棄物の低減が期待できる。
[炭酸カルシウムの焼成]
本発明で使用する苛性化工程で発生した炭酸カルシウム由来の生石灰(キルン焼成石灰ともいう)は、硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程において、炭酸ナトリウムを水酸化ナトリウムに転化する際に生成する炭酸カルシウムを焼成したものであればよい。なお、その際の焼成装置に関しては、ベッケンバッハ炉、メルツ炉、ロータリーキルン、国井式炉、KHD(カーハーディー)炉、コマ式炉、カルマチック炉、流動焼成炉、混合焼き立炉等、炭酸カルシウムを生石灰(酸化カルシウム)に転化する装置であれば特に制限されない。
[外部供給の生石灰と配合比率]
本発明で使用する外部から供給する生石灰(購入生石灰ともいう)は、種々検討した結果、平均1次粒子径が3μm以下のものが好ましく、全生石灰(苛性化工程内で発生した生石灰+外部供給生石灰)中の外部供給生石灰の比率が50〜100重量%であることが好ましい。本発明においては、外部供給生石灰の平均1次粒子径は、より好ましくは2.0μm以下であり、さらに好ましくは1.5μm以下である。また、外部供給生石灰の配合量は、より好ましくは50〜85重量%、さらに好ましくは55〜80重量%である。生石灰の平均1次粒子径は、電子顕微鏡で観察した20個の生石灰の1次粒子径の平均をとることにより測定することができる。
また、生石灰は、高温で焼成すると焼結が起こり、結晶が溶融して1次粒子径が大きくなる傾向があるので(C. Hanson and H. Theliander, ”Properties and quality of lime, Part1. The influence of conditions during reburning”, Nordic Pulp and Paper Research Journal no.3 p.161-166 (1994))、外部供給生石灰としては、焼成温度が900〜1000℃の生石灰が好ましい。
ここで言う1次粒子とは、例えば、前記C.Hansonの文献における図2のgrainのことを表現し、これら1次粒子の集合体がparticleであり、ここでは2次粒子と表現する。2次粒子の大きさは通常は10〜30μmである。
[生石灰の粒度]
生石灰の粒度に関しては特に制限はないが、平均粒度0.01mm〜10cm、好ましくは0.01mm〜10mmのものが消和時の攪拌において均一混合という面で好適である。粒度が0.01mm以下の場合は粉砕のためのコストがかかると同時に、粉塵の発生や移送装置でのトラブルの原因となり好ましくない。
[緑液]
本発明において用いる緑液としては、トータルアルカリ濃度で80〜160g/L(NaO換算:以下同様)、好ましくは100〜150g/Lで行うことができる。80g/Lより低い場合は最終白液の濃度が下がる為、蒸解に使用する際に濃度調節を行う必要が出てくる。一方、160g/Lより高い場合は、苛性化する前の緑液中で炭酸ナトリウム等の結晶が生成し易くなって工程でトラブル発生の原因となる等の理由により、好ましくない。
[生石灰への緑液添加速度]
本発明において、生石灰と緑液の混合方法は特に制限はない。好ましい態様において、生石灰1gに対する緑液の添加速度を、0.02〜50cc(緑液)/min/g(生石灰)、好ましくは0.02〜30cc(緑液)/min/g(生石灰)で行うことができる。0.02cc(緑液)/min/g(生石灰)より小さい添加速度では、生産性が劣り現実的でなく、また一方50cc(緑液)/min/g(生石灰)より大きい添加速度は、非常に容量の大きいポンプが必要となり現実的でない。
[混合機]
消和時における生石灰と緑液との混合には、一般的な攪拌羽根式、ポンプ式、押し出し機類、捏和機類、混練機類の中から、混合時の液あるいはスラリーの粘度にあわせて適宜選定して使用すれば良い。必要に応じて、「化学工学便覧」(丸善株式会社発行、昭和63年3月18日)などの文献を参照することができる。
[反応温度]
消和および苛性化時の反応温度については、反応温度が30〜105℃で行うことが好ましい。105℃より高くする場合には、消和装置や苛性化槽で沸騰点を超えるため、加圧型の消和装置や苛性化装置等を必要とするため不経済である。一方30℃より低い場合には反応速度が極端に遅くなる為、容積の大きな苛性化槽を必要とする。さらに、反応前の緑液の冷却工程に大型の冷却装置が必要になり、又白液を高温の蒸解に使用するには白液の加熱が必要で、経費がかさみ不経済である。
[白液分離装置]
白液と炭酸カルシウムの分離、及び炭酸カルシウムに同伴する白液成分の洗浄除去方法は、通常の固液分離装置、例えばクラリファイヤーによる重力沈降分離方式、オリバーフィルターに代表される減圧濾過分離方式、及びリーフ濾過機に代表される加圧濾過分離方式、遠心力を利用した遠心濾過方式等、要件が達成できれば何れの分離装置も利用できる。
[粉砕機]
一方、分離回収した炭酸カルシウムの粒径は、一般に粒子径の大きな不定形カルサイト結晶であるため、そのままでは塗工用顔料として使用するには充分な品質が得られない場合が多い。したがって、目的とする品質要求に応じて平均粒子径を0.2〜10μmに調整する事が望ましい。粒径の調整はサンドミルに代表される媒体攪拌型粉砕機、ボールミル粉砕機等の粉砕機が利用できる。
[BET比表面積]
本発明によって得られる炭酸カルシウムは、塗工用顔料としての優れた品質ばかりでなく、主生産物である白液が工業的規模で生産が可能になる為、軽質炭酸カルシウムを安価に提供できる。また、本発明の好ましい態様において、BET比表面積が1.4〜3.0m/g、さらには1.4〜2.0m/gである炭酸カルシウムを得ることができる。
[メカニズム]
本発明によって、高品質な炭酸カルシウムが得られるメカニズムの詳細は明らかでなく、本発明は以下に拘束されるものではないが、本発明のメカニズムは以下のように推測される。
一般に、苛性化工程内で発生した生石灰は、NaやClやS分等の不純物が比較的多く含まれる。そして、生石灰にNaClやCaSO等の不純物が多い場合には、生石灰の平均1次粒子が大きくなることが報告されている(D. R. Glasson, “Reactivity of lime and related oxides, XVI. Sintering of lime”, J. appl. Chem. Vol.17 April (1967))。苛性化反応は前述の様に、消和反応と苛性化反応がほぼ同時に起こるので、生石灰の形状が苛性化軽質炭酸カルシウムの形状に反映され、平均1次粒子径の小さな外部供給生石灰からは、平均1次粒子径の小さな苛性化軽質炭酸カルシウムが製造され、苛性化工程内で発生した生石灰からは、平均1次粒子径の大きな苛性化軽質炭酸カルシウムが製造されるものと推測される。
したがって、平均1次粒子径が3μm以下の外部生石灰の比率が50〜100%になると、緑液との反応で得られる苛性化軽質炭酸カルシウムの平均1次粒子径が小さくなり、その後の粉砕工程で粉砕され易くなると思われる。
以下に本発明を実施例および比較例をあげてより詳細に説明するが、当然ながら、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
<原料生石灰>
表1に、本発明の実施例・比較例で使用した生石灰の性状を示す。生石灰Aは、日本製紙株式会社の工場における苛性化工程で製造されたキルン焼成石灰である。外部供給生石灰として用いる生石灰は、宇部マテリアルズから市販の生石灰をそれぞれ100メッシュの篩でスクリーン処理したものである。
原料生石灰の平均1次粒子径は、電子顕微鏡(JSM−840A、日本電子)で生石灰の1次粒子20個の粒子径を観察し、その平均値とした。平均1次粒子径は、生石灰A(キルン焼成石灰)が7.0μm、生石灰B(外部供給生石灰)が1.1μm、生石灰C(外部供給生石灰)が3.2μmであった(二次粒子径はいずれも約20μm)。
<苛性化炭酸カルシウムの平均粒子径と比表面積の測定>
平均粒子径の測定:マイクロトラックMT3300(日機装株式会社)を用いて、重量累積分布の50%点における粒子径を平均粒子径として算出した。
比表面積:BET窒素吸着法(マイクロメリティックス・ジェミニ2360;島津)で測定した。苛性化軽カルスラッジの1次粒子径が小さい場合には、比表面積が大きくなるので、一般に、比表面積は1次粒子径の一つの指標になる。
<ろ過性の評価>
下記の装置・方法にてケーキ比抵抗を求めた。この値は『1mの濾過面積に1kgのケーキが生成した時、粘度1kg/m/secの液体を1m/secで濾過するのに必要な圧力差』で、値が大きい程ろ過性が悪く、分離性・洗浄性が悪い。
・装置 :定圧式スラリー評価装置(IKABUST JT-F;中央化工機)
・試料 :約20mLスラリー(濃度10%)
・減圧度 :0.4MPa
・ろ過面積:9.62cm
[実施例1]
日本製紙株式会社の工場の実機スレーカーで、緑液(組成:NaCO=108g/L、NaS=21g/L、NaOH=6g/L。いずれもNaO換算値であり、以下の実施例・比較例について同じ)とキルン焼成石灰である生石灰Aは137t/日、外部供給生石灰である生石灰Bは230t/日を混合し、この生石灰を緑液1Lに対して生石灰が70gになる比率にて、温度90℃で約3時間の滞留時間で反応させて苛性化軽質炭酸カルシウムを得た。外部供給生石灰の比率は63%であった。
この苛性化軽質炭酸カルシウムをマッドフィルターにて約75%に濃縮し、ポリアクリル酸系分散剤(日本製紙ケミカル社製)1.0重量部と水を一括添加し、濃度73重量%に調製した。この苛性化軽カルスラッジを粗粉砕機にて約20μmから約6μmに粉砕しスラリー化した後に、サンドグラインダー(RL250V−SP)にて330L/時の処理速度で粉砕した。
[実施例2]
使用する生石灰を136t/日の生石灰Aと249t/日の生石灰Bの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は65%であった。
[実施例3]
使用する生石灰を155t/日の生石灰Aと226t/日の生石灰Bの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は59%であった。
[実施例4]
使用する生石灰を66t/日の生石灰Aと228t/日の生石灰Bの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は78%であった。
[比較例1]
使用する生石灰を188t/日の生石灰Aと175t/日の生石灰Bの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は48%であった。
[比較例2]
使用する生石灰を179t/日の生石灰Aと163t/日の生石灰Bの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は48%であった。
[比較例3]
使用する生石灰を181t/日の生石灰Aと177t/日の生石灰Bの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は49%であった。
[比較例4]
使用する生石灰を136t/日の生石灰Aと225t/日の生石灰Cの混合物としたこと以外は、実施例1と同様に行った。購入生石灰の比率は62%であった。
Figure 0005314295
表1に示されるように、平均1次粒子系が1.1μmの生石灰B(外部供給生石灰)を使用し、外部供給生石灰の比率が50〜100%の場合は、粉砕前の苛性化軽質炭酸カルシウムの比表面積が1.5m/g以上になり、高品質な炭酸カルシウムが得られた。また、同一処理量で比較した場合に、生石灰Bを50%以上配合した生石灰から得られた炭酸カルシウムからは、粉砕処理により、1.1μm以下の比較的微粒な苛性化軽質炭酸カルシウム顔料が得られた。
一方、生石灰B(外部供給生石灰)の比率が50%以下の場合は、粉砕前の苛性化軽質炭酸カルシウム比表面積が1.4m/gよりも小さくなった。また、同一処理量で比較した場合には、得られた炭酸カルシウムを粉砕しても、1.2μm以上の苛性化軽質炭酸カルシウム顔料となってしまい、粉砕性が劣っていた。
また、平均1次粒子径が3.2μmの生石灰C(外部供給生石灰)を使用すると生石灰Cの比率が50%以上であっても、得られた炭酸カルシウムを粉砕処理しても、同一処理量で比較した場合に、1.2μm以上の苛性化軽質炭酸カルシウム顔料となってしまい、粉砕性が劣っていた。
また、ケーキ比抵抗について、実施例1〜4は比較例2・3より抵抗値が小さく、白液分離性および洗浄性が良い結果となった。

Claims (4)

  1. 硫酸塩法またはソーダ法によるパルプ製造工程の苛性化工程によってBET比表面積が1.4〜3.0m /gの炭酸カルシウムを製造する方法であって、
    原料の生石灰が、前記苛性化工程で発生した生石灰と外部から供給した生石灰との混合物であり、前記外部から供給した生石灰の配合比率が、生石灰の全配合重量の50〜85重量%であり、前記外部から供給した生石灰の平均1次粒子径が3μm以下である、上記方法。
  2. 苛性化工程によって得られた炭酸カルシウムの平均粒子径を、粉砕機を用いて0.2〜10μmに調整することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記外部から供給した生石灰の平均1次粒子径が2μm以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 苛性化工程を30〜105℃で行う、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
JP2008049378A 2008-02-29 2008-02-29 炭酸カルシウムの製造方法 Active JP5314295B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008049378A JP5314295B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 炭酸カルシウムの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008049378A JP5314295B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 炭酸カルシウムの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009203137A JP2009203137A (ja) 2009-09-10
JP5314295B2 true JP5314295B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=41145764

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008049378A Active JP5314295B2 (ja) 2008-02-29 2008-02-29 炭酸カルシウムの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5314295B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5539844B2 (ja) * 2010-10-28 2014-07-02 三菱製紙株式会社 炭酸カルシウムの製造方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3227421B2 (ja) * 1996-12-09 2001-11-12 日本製紙株式会社 炭酸カルシウムの製造方法
JP3227420B2 (ja) * 1996-12-09 2001-11-12 日本製紙株式会社 炭酸カルシウムの製造方法
JP4340019B2 (ja) * 2001-03-29 2009-10-07 日本製紙株式会社 炭酸カルシウムの製造方法
JP4194288B2 (ja) * 2002-03-29 2008-12-10 日本製紙株式会社 炭酸カルシウムの製造方法
JP5117749B2 (ja) * 2007-03-29 2013-01-16 日本製紙株式会社 炭酸カルシウムの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009203137A (ja) 2009-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101759765B1 (ko) 고순도 침전형 탄산칼슘의 제조
US8658119B2 (en) Production and/or recovery of products from waste sludge
US20230271845A1 (en) Method for producing calcium carbonate and calcium carbonate
JP2010077009A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
KR20170004915A (ko) 백운석을 이용하는 탄산마그네슘과 염화칼슘 제조방법
JP2008230898A (ja) 軽質炭酸カルシウム含有スラリーの製造方法及びそれを用いた塗工紙
JP5314295B2 (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JPH1111941A (ja) 軽質炭酸カルシウムの製造方法
JP5274049B2 (ja) 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法
JP2004026639A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP2011225390A (ja) 紡錘状軽質炭酸カルシウムの製造方法
JP5117749B2 (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP5673072B2 (ja) 軽質炭酸カルシウムの製造方法
JP5320242B2 (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
KR101933659B1 (ko) 백운석을 이용한 수산화마그네슘과 염화칼슘의 제조방법
JP4194288B2 (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP2023069225A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP4661308B2 (ja) 苛性化工程の操業方法
JP2005507356A (ja) 高濃度の炭酸カルシウムを含有する産業副産物から沈降炭酸カルシウムを生成する方法
JP5009024B2 (ja) 軽質炭酸カルシウムの粉砕方法
JP2008115052A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP2010132522A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP2009001438A (ja) 炭酸カルシウムの製造方法
JP4813075B2 (ja) アラゴナイト系針状炭酸カルシウムの製造方法
JP2658702B2 (ja) サチンホワイトを製造する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100728

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20110819

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130122

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130412

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130522

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5314295

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150