JP5313799B2 - 送風機能付き内装パネル装置 - Google Patents
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Description
このような送風機としては、室内に配置される扇風機型のものが知られているが、このようなものでは、室内空間の有効活用が図れないという問題があった。
下記特許文献1では、送風機能を有した間仕切りが提案されており、この間仕切りは、間仕切りの内部に設けられた送風路と、この送風路を介して連通し、間仕切りの表面に開口した吸気口及び排気口と、送風路内に送風手段として設けられたラインフローファンとを備えた構成とされている。
しかしながら、このような間仕切り等のパネルの内部に送風路を設けて、パネルの表面に吸気口と排気口とからなる通気開口部を設けた構成とした場合には、通気開口部を出入りする空気と送風路内を流れる空気の気流方向が大きく90度に変更されることとなるために、圧力損失が大きくなり、送風効率が低下するという問題があった。
また、送風路内のラインフローファン等の送風手段を停止させている状態では、通気開口部を介して送風路内に埃や虫等の異物が侵入し、送風手段等の内部部品に悪影響を与える可能性があった。
また、一対の通気開口部のうちの少なくともいずれか一方に開閉扉を設けているので、不使用時には、該開閉扉を閉状態にすることで、内部送風路内への埃や虫等の異物の侵入を防止できるとともに、当該通気開口部を開閉扉によって目立ち難くすることができ、外観を良好なものとできる。
さらに、上記R面形状を有した送風ガイド面が、該開閉扉が設けられた通気開口部を出入りする空気と内部送風路内を流れる空気の気流方向を、内部送風路の奥側の内壁面、送風ガイド面及び開閉扉の内側面に沿わせてスムーズに変える。従って、圧力損失が低減し、送風効率を向上させることができる。
また、上記開閉扉が閉状態において上記ルーバーの前面側を被覆するので、該ルーバーが隠蔽され、外観を良好なものとできる。
このような構成とすれば、室内の天井付近または床面付近の空気を吸気し、その逆側に排出させることができるので、室内の空気をより効率的に循環させ、攪拌することができる。
また、該開閉扉の開状態において当該開閉扉の重心が回動支点よりも後方なので、開閉扉には、開状態において後方側、すなわち、開状態を維持する側へのモーメントが作用し、開閉扉の開状態を安定させることができる。従って、該開閉扉の開状態を保持させるロック機構等の固定手段を設ける必要がなく、装置構造の簡略化を図ることができる。
本実施形態では、送風機能付き内装パネル装置として、図1(a)及び図2(a)に示すように、壁面Wに沿って鉛直に立てて設置される縦長で扁平矩形状の壁パネル1を例示している。
この壁パネル1は、パネル内空間に設けられた内部送風路2と、この内部送風路2を介して連通し、パネル表面に開口して排気口と吸気口とを構成する一対の通気開口部3,4と、送風手段としてのシロッコファン5とを備えている。
また、壁パネル1は、上下に長い中間部30、並びにこの中間部30の上下にそれぞれ接続された上側外郭部10及び下側外郭部20からなり、これらの内部空間を連通するように内部送風路2が形成されている。
この中間部30は、図2(b)に示すように、ダクト部材7の両側壁前端部のそれぞれから外方に向けて突設された取付片7a,7aを、前面板6の背面に固着させて組み付けられて上下に開口した中空の略四角筒形状とされ、その内周壁30aによって、内部送風路2の一部を区画形成している。
また、前面板6は、ダクト部材7よりも上下長さ及び横幅が大きく形成されており、これらを組み付けた状態では、前面板6の上下左右端部が、ダクト部材7の上下左右端部よりもそれぞれ上下左右方向に向けて延出するように組み付けられている。
また、これらケーシング21と前面カバー22とを組み付けて下側外郭部20を構成した状態で、その前面側部は、上記した中間部30の前面板6の横幅及び板厚に応じた形状とされ、その背面側部は、上記した中間部30のダクト部材7の横幅及び前後厚さに応じた形状とされている。つまり、前面側部は、上記した前面板6の延出した左右端部と同様、背面側部よりも左右に延出した延出部26,26(図2(b)参照)を有している。また、該背面側部は、上記前面側部よりも上方に向けて突出するような形状とされている。この背面側部の上方開口と、上記した中間部30の下方開口とが連通接続され、かつ、この背面側部の突出した部位の前面に、上記した前面板6の延出した下端部の背面が当接される。
吸気口4の背面側には、図1(a)に示すように、フィルタ24と、ファンカバー25と、シロッコファン5とが奥側に向けてこの順に配置されている。
フィルタ24は、塵埃等の捕捉性や脱臭性を有した活性炭フィルタとしてもよい。
シロッコファン5は、当該壁パネル1の横幅(実質的にはダクト部材7の凹溝幅)に応じて、左右方向に複数個、設置されており、前方側から吸入した空気を上方、すなわち、中間部30の内部空間に向けて吐出する構成とされている。
ファンカバー25には、このシロッコファン5の吸入部位に対応する部位に、吸気口4とシロッコファン5の吸入部位とを連通させる連通孔25aが穿設されている。
尚、下側外郭部20は、前面カバー22がケーシング21に対して容易に着脱できる構造とされており、その内部のフィルタ24の交換やシロッコファン5のメンテナンス等が前面カバー22を脱離させることで可能とされている。
この排気口3には、排気口3を開閉する回動自在な開閉扉15と、この開閉扉15の閉状態において開閉扉15の背面側に位置するルーバー13とが設けられている。
開閉扉15は、図1に示すように、ケーシング11に設けられた支持軸16を回動支点として、ルーバー13を迂回するように上方側かつ後方側に向けて回動移動する構造とされている。尚、これらルーバー13及び開閉扉15の詳細については後記する。
また、ケーシング11と前面カバー12とを組み付けて上側外郭部10を構成した状態で、その前面側部は、上記同様、中間部30の前面板6の横幅及び板厚に応じた形状とされ、その背面側部は、上記同様、中間部30のダクト部材7の横幅及び前後厚さに応じた形状とされて、前面側部の両側が延出部17,17とされている。また、該背面側部は、上記前面側部よりも下方に向けて突出するような形状とされている。この背面側部の下方開口と、上記した中間部30の上方開口とが連通接続され、かつ、この背面側部の突出した部位の前面に、上記した前面板6の延出した上端部の背面が当接される。
この湾曲区画部材14は、その断面形状が、開閉扉15の支持軸16の軸心16a(図3参照)を円心とする円を略四等分した程度の四半円弧形状部14aの両端部をそれぞれ下方及び前方に延出させた形状とされている。この湾曲区画部材14は、その下方延出部が内部送風路2の奥側内壁面2aに固着され、その下端が排気口3の下側縁部と同高さ程度に位置し、また、その前方延出部の前端が排気口3の上側縁部近傍の前面カバー12の裏面に近接乃至は当接して、上側外郭部10の上方空間と、内部送風路2とを区画形成している。
このように内部送風路2と区画された上方空間に制御部8を配設することで、内部送風路2を送風される空気による影響を受け難く、故障等を防止できる。
この制御部8が操作部9からの操作信号を受信し、シロッコファン5の駆動制御(ON/OFF制御、風量制御など)がなされる。
また、上側外郭部10は、上記した下側外郭部20と同様、前面カバー12がケーシング11に対して容易に着脱できる構造とされており、その内部の制御部8のメンテナンス等が前面カバー12を脱離させることで可能とされている。
また、ルーバー13のR形状面13aの終端部は、内部送風路2の奥側内壁面2aに向けて先細り状とされた尖頭部とされている。このような尖頭部を設けることで、内部送風路2から排気口3に向けて送風される空気への摩擦抵抗を低減でき、圧力損失を低減できる。
このルーバー13の上端部のR形状面13aと、排気口3の上側縁部及び上記した湾曲区画部材14の前方延出部との間には、空隙が形成されており、この空隙が開閉扉15の迂回移動スペース及び収納スペースとなる。
また、開閉扉15は、この平板部15aの左右端部から背面側(閉状態における背面側)に向けて突設された取付片15dを有し、この取付片15dに設けられた軸挿通孔に、上記したケーシング11に設けられた支持軸16を挿通させて、この支持軸16に回動自在に支持されている。尚、取付片15d及び支持軸16は、左右の一方のみを図示している。
また、平板部15aは、図1(a)及び図3(a)に示すように、開閉扉15の開状態においてその大部分が上側外郭部10の内部空間に収容されて略水平に配置され、その開状態における前端部が、壁パネル1の表面よりも前方に向けて突出する構成とされるとともに、排気口3の上側縁部に近接乃至は当接する構成とされている。
つまり、上記した湾曲区画部材14の四半円弧形状部14a、ルーバー13のR形状面13a、及び開閉扉15のR形状片15bは、いずれも支持軸16の軸心16aを円心とする同心円の円弧形状とされている。
また、このR形状片15bは、図1(c)及び図3(b)に示すように、開閉扉15の閉状態において上記したルーバー13の上端部のR形状面13aと、排気口3の上側縁部及び湾曲区画部材14の前方延出部との間の空隙に収容される構成とされるとともに、その最後端部が軸心16aからの垂線上に位置する構成とされている。
ここに、上記連続面は、開閉扉15が開閉される際に必要となる内部送風路2の奥側内壁面2aとのクリアランスや、開閉扉15の厚みによる段差が形成されるが、これらを含めて連続面としている。
この支持軸16の軸心16aよりも開閉扉15の重心15eが、図3(a)に示すように、開閉扉15の開状態において後方側かつ上方側に位置する構成とされ、図3(b)に示すように、開閉扉15の閉状態において前方側に位置する構成とされている。
特に、本実施形態では、上記したように開閉扉15の開状態における後端部にR形状片15bを設けているので、当該壁パネル1の厚さを大きくすることなく、また、排気口3の上下開口幅を小さくすることなく、効率的に開閉扉15の重心15eを支持軸16の軸心16aよりも後方に位置させることができる。
また、閉状態では、開閉扉15の重心15eが、支持軸16の軸心16aよりも前方側に位置するので、閉状態を維持する側へのモーメントが作用し、開閉扉15の閉状態を安定させることができる。
当該開閉扉15の開状態では、上記のように、開状態を維持する側へのモーメントが作用しているが、開閉扉15の平板部15aが、排気口3の上側縁部に当接して規制されて、開状態が維持される。
一方、当該開閉扉15の閉状態では、上記のように、閉状態を維持する側へのモーメントが作用しているが、開閉扉15の平板部15aが、排気口3の下側縁部乃至はルーバー13の手前面に当接して規制されて、閉状態が維持される。
この取り込まれた空気は、シロッコファン5の吐出口から上方に向けて吐出され、内部送風路2を送風される。
この内部送風路2を上方に向けて送風される空気は、上側外郭部10の内部空間に至り、送風ガイド面を構成する開閉扉15のR形状片15bの内側面によって気流方向を排気口3側に向けて変更するように案内され、開閉扉15の平板部15aの内側面15cに沿うようにして、排気口3から室内空間に向けて排出される。
また、排気口3を開閉する開閉扉15を設けているので、不使用時には、開閉扉15を閉状態にすることで、内部送風路2内への埃や虫等の異物の侵入を防止できるとともに、当該排気口3を開閉扉15によって目立ち難くすることができ、外観を良好なものとできる。
特に、本実施形態では、開閉扉15の平板部15aの前端部が当該壁パネル1の表面よりも前方に向けて突出しているので、この突出した平板部15aの前端部が整流部として機能し、よりスムーズかつ効率的な送風がなされる。
さらにまた、ルーバー13の前面側を、開閉扉15を閉状態にすることで被覆できるので、ルーバー13が隠蔽され、外観を良好なものとできる。
特に、本実施形態では、開閉扉15が回動して移動する側のルーバー13の上端部を、回動移動する開閉扉15の内側面15cに沿うR形状面13aを有した形状としているので、ルーバー13を迂回するように移動して開閉される開閉扉15の移動半径を比較的小さくでき、開閉扉15とルーバー13との隙間を比較的小さくすることができる。
他の壁パネル等の表面と面一状となるように取り付ける場合は、壁内部の間柱間に、上記した上側外郭部10の背面側部、中間部30のダクト部材7、及び下側外郭部30の背面側部を配置し、間柱の前面に、これら上側外郭部10及び下側外郭部30の前面側部の延出部17,26、並びに中間部30の前面板6の左右延出部を取り付けるようにしてもよい。
また、既設の壁面に付設する場合は、上記した上側外郭部10及び下側外郭部30の前面側部の延出部17,26、並びに中間部30の前面板6の左右延出部の背面側と、壁面との間にスペーサー部材を配設して取り付けるようにしてもよい。または、このような延出部を設けずに、当該壁パネル1の厚さを全体に亘って略均一のものとしてもよく、この場合は、スペーサー部材等は不要である。
このように、本実施形態では、送風機能付き内装パネル装置であるので、壁面を構成するように設置でき、室内設置タイプの扇風機等の送風機に比べて、室内空間の有効活用を図ることができる。
さらに、壁パネルの表面に開口させた一対の通気開口部を上下に離間させて形成した態様を例示しているが、左右に離間させて形成するようにしてもよい。すなわち、当該壁パネルを横置きにして設置するような態様にしてもよい。
さらに、図例では、送風ガイド面を構成する開閉扉のR形状片と内部送風路の奥側内壁面との間にクリアランスや開閉扉の厚さの段差が形成されるような態様としているが、段差を緩和するように開閉扉のR形状片の最後端部の形状を、上記ルーバーのような先細りの尖頭形状にしてもよい。また、湾曲区画部材の下方延出部の下端部の形状も上記同様の先細りの尖頭形状としてもよい。このような態様によれば、より圧力損失を低減することができる。
また、本実施形態では、開閉扉が設けられた通気開口部にルーバーを設けた態様としているが、開閉扉を閉状態とすれば、異物等の侵入を防止できるので、ルーバーを設けない態様としてもよい。
さらに、本実施形態では、開閉扉が手動開閉されるものとし、かつ、上方側の通気開口部に設けて、その開状態が安定するように、開閉扉の重心位置を、開閉扉の回動支点よりも後方側に位置するように構成した例を示しているが、このような構成に代えて、開閉扉の開状態及び閉状態を保持させるロック機構等を設けるようにしてもよい。
また、本実施形態に係る壁パネルの内部送風路を、送風方向に沿って分割する仕切板を設けるとともに、それぞれに独立駆動可能な送風手段を設け、一方を上記同様の下側吸気、上側排気とし、他方を上側吸気、下側排気とするような態様としてもよい。これによれば、室内空間の温度分布の状況に応じて、いずれかの送風手段を駆動させることで、室内空間の温度差をより効率的に減少させることができる。
または、このように内部送風路を分割する態様とした場合には、いずれかの内部送風路に、ハニカム状構造体を配設するような態様としてもよい。
このように、内部送風路を分割する態様とした場合には、上記した各通気開口部及び開閉扉を各内部送風路に対応させて複数個、設けるようにしてもよい。
2 内部送風路
2a 奥側内壁面
3 排気口(通気開口部)
4 吸気口(通気開口部)
5 シロッコファン(送風手段)
13 ルーバー
13a R形状面
15 開閉扉
15b R形状片(送風ガイド面)
15c 開閉扉の平板部の内側面
15e 開閉扉の重心
16a 支持軸の軸心(開閉扉の回動支点)
Claims (2)
- パネル内空間に設けられた内部送風路と、該内部送風路を介して連通し、パネル表面に開口して吸気口と排気口とを構成する一対の通気開口部と、送風手段と、前記一対の通気開口部のうちの少なくともいずれか一方に設けられた回動自在な開閉扉と、この開閉扉が設けられた通気開口部に設けられたルーバーと、前記開閉扉の開状態における後端部に設けられ、この開閉扉の開状態において前記内部送風路の奥側の内壁面から該開閉扉の内側面に連なる連続面を構成するR面形状を有し、該開閉扉が設けられた通気開口部を出入りする空気と前記内部送風路内を流れる空気の気流方向を変更するよう案内する送風ガイド面を構成するR形状片と、を備えており、
前記開閉扉は、閉状態において前記ルーバーの前面側を覆う一方、前記通気開口部を開放するよう回動する際には、該ルーバーを迂回するように移動する構成とされ、かつ、閉状態において前記パネル表面と略同一平面となる平板部の一端部に湾曲形成された前記R形状片が設けられており、
前記ルーバーは、前記開閉扉が回動して移動する側の端部が回動移動する該開閉扉の内側面に沿うR形状面とされ、かつ閉状態の前記開閉扉の背面側に位置するように前記通気開口部の一縁部から他縁部に向けて立設され、その途中部位から後方側に湾曲するように形成され、その湾曲部の前面が前記R形状面とされていることを特徴とする送風機能付き内装パネル装置。 - 鉛直に立てて設置して壁パネルとして使用され、
前記一対の通気開口部は、上下に離間して形成されており、
前記開閉扉は、上方側の通気開口部に設けられるとともに、開状態において重心が回動支点よりも後方となっていることを特徴とする請求項1に記載の送風機能付き内装パネル装置。
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