JP5312875B2 - プラットホーム - Google Patents
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Description
列車がホームに進入する際に、想定外の巨大地震などによる強い横揺れが発生して、列車が線路から逸脱してしまった場合、列車がホームの側縁部と衝突して、ボディが大破してしまったり、ホームの先端部が列車のボディを突き破るような損傷を生じることが想定される。
したがって、より安全性を高めるために、薄板だけでなく、床板についても材質や構造を適切に選択する必要があるが、緩衝部は、材質の異なる薄板と床板のハイブリッド構造であるため、緩衝部で衝突エネルギを有効に吸収できる最適構造の設計は非常に難しい。
トラス構造の床板支持部材は、床板支持部材に沿った上下方向および水平方向、ならびに床板支持部材に直交する方向(列車の進行方向)に対する強度バランスを調整しやすい。
このような材料を床板に採用することで、床板を軽量化できる。また、列車が衝突したときに、破片が飛び散っても、それによる被害を抑えることができる。
その場合、補強材は、複数の床板支持部材に対し、互いに隣接する床板支持部材のうち、一方の床板支持部材の上側を通り、他方の床板支持部材の下側を通るように配設され、かつ両端部が固定されて所定の張力を付与されたものとすることもできる。つまり、補強材はジグザグ状に配設される。このような補強材は、線状のワイヤまたは繊維、またはメッシュ状あるいはシート状に編まれたワイヤまたは繊維であるのが好ましい。
このような補強材により、通常時においては床板上に作用する乗客等の上載荷重に対して緩衝部の強度を向上させつつ、列車が衝突したときには、補強材が緩んで緩衝部が容易に変形、破損して衝撃エネルギを有効に吸収できる。
このとき、床板支持部材を二次元トラス状とし、床板を軽量な材料から形成することで、施工の容易化、使用鋼材量の低減等を図ることができる。
また、補強材により、床板および床板上の乗客などの上載荷重を支持する強度を高めることができる。さらに、補強材を、列車の進行方向に配列された複数の床板支持部材に対し、床板支持部材の下端部側と上端部側とに交互に沿うようジグザグ状に設けることで、通常時においては、複数の床板支持部材および床板からなる、全体として帯状の緩衝部が補強できる。そして、地震等により列車が緩衝部に衝突して床板支持部材が変形すると、補強材の張力が緩み、緩衝部全体の強度が低下して通常時よりも脆弱になり、列車の衝突エネルギを有効に吸収することができる。
[第一の実施形態]
図1及び図2は、この発明に係る第一の実施形態を示している。
図1にプラットホームの衝撃吸収構造を示す斜視図を示す。
ホーム本体2は、既存のホームと同様の構造で、例えばコンクリート版を並べた構造や鉄筋コンクリート構造などである。
緩衝部4Aは、列車の進行方向Aに所定の相互間隔を有して、複数配列して設けられる床板支持部材6と、床板支持部材6の上端部6dに敷設される床板7と、を備える。
このような床板支持部材6を実現するため、本実施形態においては、床板支持部材6を、鋼製、アルミ製等のロッド(典型的には鉄筋)を平面トラス状に組んだ構造とする。トラス構造においては、ロッドの材質、太さ、トラスの組み方によって、上記したような三方向に対する強度バランスを設計段階で調整しやすい。
床板支持部材6を、平面視基端部6aから先端部6bへ、列車の進行方向Aに傾斜しておけば、衝突時の列車の衝撃を軽減させることができる。また、側方視下端部6c側から上端部6d側へ、列車の進行方向Aに傾斜しておけば、さらに衝突時の列車の衝撃を軽減させることができるとともに、破損した床板支持部材6の飛散方向をホーム本体2の床下側とすることができる。
また、床板7の上面7aに、滑り止めとしてゴム材等からなるシートを敷設するのが好ましい。
また、床板支持部材6および床板7を軽量なものとすることができるので、施工の容易化、使用鋼材量の低減等を図ることができる。
次に、本発明に係る第二の実施形態を示す。なお、以下においては、上記第一の実施形態と異なる構成を中心に説明を行い、上記第一の実施形態と共通する構成については同符号を付してその説明を省略する。
図3に示すように、プラットホーム1Bは、ホーム本体2と、緩衝部4Bと、で構成される。
緩衝部4Bは、列車の進行方向Aに所定の間隔を隔てて複数配列して設けられる床板支持部材6と、床板支持部材6の上端部6dに敷設される床板7と、床板7の補強材8Aおよび8Bと、を備える。
このとき、補強材8Bは予め定められた張力を発揮した状態で、床板支持部材6に固定するのが好ましい。
さらに、補強材8Bを、列車の進行方向Aに配列された複数の床板支持部材6に対し、床板支持部材6の下端部6cと上端部6dに交互に沿うようジグザグ状に設けられることで、通常時においては、複数の床板支持部材6および床板7からなる、全体として帯状の緩衝部4Bが補強される。そして、地震等により列車が緩衝部4Bに衝突して床板支持部材6が変形すると、補強材8Bの張力が緩み、緩衝部4B全体の強度が低下して通常時よりも脆弱になり、列車の衝突エネルギを有効に吸収することができる。
2 ホーム本体
2a 側縁部
4A、4B 緩衝部
6 床板支持部材
7 床板
8A、8B 補強材
Claims (2)
- 列車の走行路の側方に、前記走行路が連続する方向に沿って設けられるホーム本体と、
前記ホーム本体の前記列車と接する側の側縁部に設けられる緩衝部と、を備え、
前記緩衝部は、前記列車の進行方向に所定の相互間隔を有してそれぞれ前記側縁部から前記走行路側に向けて延びるように複数設けられ、前記列車の進行方向にほぼ直交する平面に含まれる床板支持部材と、
複数の前記床板支持部材上に敷設され柔軟な材料からなる床板と、を備え、
前記床板が、ゴム、発泡スチロール、発泡ウレタン、ハニカム状に成形したプラスチックまたは段ボールの少なくとも一つからなり、
前記床板支持部材は、前記平面に含まれる二次元トラス状をなし、
前記緩衝部には、前記走行路が連続する方向に沿って延びる帯状又は線状をなす補強材が設けられ、
前記補強材は、複数の前記床板支持部材に対し、互いに隣接する前記床板支持部材のうち、一方の前記床板支持部材の上側を通り、他方の前記床板支持部材の下側を通るようにジグザグ状に配設されていることを特徴とするプラットホーム。 - 前記補強材は、両端部が固定されて所定の張力を付与されていることを特徴とする請求項1に記載のプラットホーム。
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