JP5312760B2 - 搬送物浮上装置及びこれを用いたステージ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ガラス基板などの搬送物をエアにより非接触で浮上させる搬送物浮上装置及びこれを用いたステージ装置に関する。
従来から、移動テーブルやガラス基板などの搬送物をエアにより非接触で浮上させる技術が知られている。かかる技術において、安定性を考慮せず、単に搬送物の移動を行うために浮上させるのであれば、搬送路の表面からエアを吹き出すだけでも十分であるが、吹出流路からエアを吹き出して浮上させる一方、吸引流路を通してエアを吸引することで、安定した浮上保持能力を得ることができ、またかかる技術が実用化されている。
しかしながら、単純にエアを吹き出し、かつ吸引するのみでは、十分な保持剛性が得られない場合がある。保持剛性が不十分であると、例えばガラス基板を搬送しながら加工処理するときに、浮上高さのずれや振動が起こり、ガラス基板に対する処理の要求精度を満足できなくなるおそれがある。
そこで、搬送台内部の吹出流路から、エアを吹き出してガラス基板等を浮上させる一方、別流路からエアを排出又は吸引流路を通じてエアを吸引し、更に吹出流路内に大きな圧損を生じさせる流路抵抗を設けることにより、基板等の保持剛性を高める技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、ユニット化した吹出流路と、そのユニット内部の流路形状の構成により、大きな圧力損失を発生させて保持剛性を高めるようにした技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
このように、吹出側に流路抵抗(圧損回路)を設けることにより、保持剛性を高めることができる。
国際公開WO 03/060961号公報 特開2006−273576号公報
しかしながら、搬送台内部には、一般に非常に多数(例えば、1m当たり千〜数千個)の吹出流路が形成され、上述の特許文献1又は特許文献2に記載の構成では、流路抵抗(圧損回路)を設けるために、多数個の吹出流路に複雑な形状加工を行う必要があり、製作が困難であるとともに、高価になるという問題があった。
そこで、本発明は、加工容易でありながら、より大きな保持剛性を実現できる搬送物浮上装置及びこれを用いたステージ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明に係る搬送物浮上装置は、表面に吹出孔と吸引孔とを有し、内部に前記吹出孔に連通する吹出流路と前記吸引孔に連通する吸引流路とを有する搬送台と、
該搬送台の外部に設けられ、前記吹出流路にエアを供給するエア供給路とを有する搬送物浮上装置であって、
前記搬送台は、前記吹出孔及び前記吹出流路を複数有し、
前記吹出流路は、圧力損失を発生しない管路形状となっており、
前記搬送台の外部に設けられた前記エア供給路は、前記エアに圧力損失を生じさせる圧力損失発生手段と、複数の前記吹出流路の下端の各々に接続された複数のエア供給配管を含むことを特徴とする。

これにより、搬送台の外部のエア供給路に圧力損失手段を設けることができ、加工容易かつ安価に圧力損失発生手段を設けることが可能になるとともに、搬送台の構造を簡素化することができる。また、圧力損失発生手段の設置が容易になるので、種々の態様の圧力損失発生手段を適用することができ、用途に応じた必要十分な圧力損失効果を発生させて十分な保持剛性を得ることができる。更に、圧力損失手段を通過するエア流量を増加させることができ、大きな圧力損失を容易に発生させることができ、保持剛性を十分に大きくすることができる。また、複数の吹出流路に接続された複数の吹出孔について一度に保持剛性を高めることができるので、エア供給路に用いられる供給配管の数を減少させることができる。
第2の発明は、第1の発明に係る搬送物浮上装置において、
前記圧力損失発生手段は、圧力損失回路を含むことを特徴とする。
これにより、圧損効果の高い圧力損失回路を設けることができ、保持剛性を更に高めることができる。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る搬送物浮上装置において、
前記エア供給配管は、エア源と接続され、
前記圧力損失発生手段は、前記エア供給配管の径よりも小さい径の小径管を含むことを特徴とする。
これにより、通常設けられているエア供給配管より小さい径の小径管を用いることにより、特別の圧力損失回路を設けることなく、容易に圧力損失を発生させることができる。
第4の発明は、第1〜3のいずれか一つの発明に係る搬送物浮上装置において、
記エア供給路は、複数の前記吹出流路を連結するマニホールドを含み、
前記圧力損失発生手段は、前記マニホールドの上流側に設けられたことを特徴とする。
これにより、マニホールドを用いることにより、吹出孔から吹き出されるエアが均一化され、搬送面の保持剛性を均一化することができる。

第5の発明は、第4の発明に係る搬送物浮上装置において、
前記複数の吹出流路に連通する複数の吹出孔は、前記搬送台の搬送方向に垂直に列をなして配置されたことを特徴とする。
これにより、基板等の搬送物の移動中であっても、均一化された高い保持剛性を得ることができる。
第6の発明は、第4又は第5の発明に係る搬送物浮上装置において、
前記搬送台の表面は、各々が複数の吹出孔を含む複数の領域に分割され、分割された該領域毎に前記圧力損失発生手段が対応して設けられたことを特徴とする。
これにより、所望の領域毎に保持剛性を高めることができる。特に、加工処理を行なう領域についてのみ保持剛性を高めるエア供給を行うことができ、省エネを行いつつ最大の加工効果を得ることができる。
第7の発明に係るステージ装置は、第1〜6のいずれか一つの発明に係る搬送物浮上装置と、
搬送物を把持し、前記搬送物浮上装置上を通過させる搬送装置と、を備えることを特徴とする。
これにより、高い保持剛性を有する非接触式のステージ装置を簡素な構造で実現することができる。
本発明によれば、高い保持剛性を容易に得ることができるとともに、搬送台の構造を簡素化することができる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、実施例1に係る搬送物浮上装置200の要部の全体構成斜視図である。図1において、実施例1に係る搬送物浮上装置200は、搬送台10と、エア供給路20とから構成される。また、エア排気路90を更に備えてよい。
搬送台10は、搬送物をエアにより非接触に浮上させて支持する搬送面を備えた搬送物浮上手段である。搬送台10の表面11には、吹出孔50と、吸引孔60とが設けられている。搬送台10の内部12には、吹出孔50に連通する吹出流路70と、吸引孔60に連通する吸引流路80が設けられる。吹出流路70及び吸引流路80は、各々吹出孔50及び吸引孔60の下方に設けられるが、搬送物に垂直にエア浮上力を与えるために、各々吹出孔50及び吸引孔60の鉛直下方に設けられることが好ましい。
搬送台10は、1つの部材から構成されてもよいし、複数の異なる部材を組み合わせた一体的なユニットとして構成してもよい。複数の異なる部材を組み合わせる場合には、例えば、図1に示すように、定盤18及び搬送物浮上ユニット15等を含む、一体的なユニットとして構成されてよい。図1において、定盤18は、搬送台10の上部に設けられ、その表面11に吹出孔50及び吸引孔60を有し、内部12にはこれらと各々連通する吹出流路70及び吸引流路80を備える。搬送物浮上ユニット15は、搬送台10の下部に設けられ、下方から搬送路を形成する表面11を支持して搬送台10の一部として構成される。そして、その内部には、吹出孔50と吸引孔60と連通する吹出流路70及び吸引流路80が、定盤18と連続的に連通して形成される。逆に、搬送台10が一部材で構成される場合には、定盤18のみが必要な厚さに構成されて配置されていればよい。
このように、搬送台10は、定盤18のみから構成されてもよいし、図1に示したように、定盤18を更に下から支持する搬送物浮上ユニット15等を含み、複数の異なる部材の組合せから一体的に構成されてもよい。また、複数の異なる部材から構成される場合には、更に別の部材を備えていてもよい。搬送台10の表面11に吹出孔50及び吸引孔60が形成され、これらと連通する吹出流路70及び吸引流路80が内部12を貫通し、搬送台10の外部に設けられたエア供給路20及びエア排気路90と接続可能に構成されていれば、搬送台10の態様は問わない。
エア供給路20は、搬送台10の吹出流路70にエアの供給をするための供給路であり、一端が吹出流路70に接続されるとともに、他端はエア供給源40に接続される。エア供給源40は、例えばコンプレッサ等が適用されてよい。
エア供給路20は、エア供給源40に接続された元配管24と、搬送台10の吹出流路70側に接続された分岐配管25、26等の通常のエア供給用の配管を含む。また、本実施例に係る搬送物浮上装置200においては、エア供給路20は、更に圧力損失発生手段21を含む。また、エア供給路20は、マニホールド22、23を備えてよい。また、マニホールド22、23は、親マニホールド23と、子マニホールド22とを含む2段構成で備えられてもよい。
図1において、エア供給路20は、非常に多数の吹出孔50への配管26が複雑になるのを避けるため、複数個の子マニホールド22を設けて、多数分岐させている。また、親マニホールド23と子マニホールド22の2段構成とし、数百個〜数千個の吹出孔50及び吹出流路70が設けられていても、整然として簡素化された配管系を構成できるように工夫されている。なお、図1においては、説明の容易のためにエア供給路20の一部が示されているが、もっと多数の子マニホールド22が備えられ、数百個〜数千個の吹出孔50及び吹出流路70に対応可能に構成されてよい。
マニホールド22、23は、エア供給路20のバッファとしての役割を果たし、接続された分岐配管25、26のエア流量を均一化する。従って、エア供給源40に接続された元配管24から親マニホールド23に供給されたエアは、親マニホールド23に接続された分岐配管25に略均一に供給され、更に各々圧力損失発生手段21を介して各子マニホールド22に供給される。各子マニホールド22に供給された各エアは、各々子マニホールド22から略均一に各分岐配管26に供給される。
分岐配管25、26は、子マニホールド22と親マニホールド23との間及び吹出流路70と子マニホールド22との間を接続し、エア流路を形成する配管であり、通常の円筒形のエア用配管が用いられてよい。分岐配管26は、全体で吹出流路70と同数設けられてよく、一端は搬送台10の内部に設けられた吹出流路70の下端に接続され、他端は各々の子マニホールド22に接続されてよい。また、分岐配管25は、各子マニホールド22と親マニホールド23との間に、圧力損失発生手段21を介して設けられ、親マニホールド23と圧力損失発生手段21及び子マニホールド22とのエア流路を構成する。
なお、吸引孔60及び吸引流路80からエアを吸引して排気するエア排気路90も、エア供給路20と同様に搬送台10の外部に設けられているが、この配管系も同様にマニホールド(図示せず)を用いて構成してもよい。これにより、エア供給路20と同様に、吸引孔60及び吸引流路80が数百個〜数千個も存在し、複雑にならざるを得ないエア排気路90の配管系の構造も、簡素化して構成することが可能となる。エア排気路90の反対側は、吸引ポンプ等の排気手段(図示せず)に接続され、エア排気路90を介して、吸引孔60及び吸引流路80の吸引がなされるように構成されてよい。
圧力損失発生手段21は、通過するエアに圧力損失を発生させるための手段である。圧力損失手段21は、エア流量に比例した圧力損失を生じさせることができ、エア流量が大きい程、圧力損失発生手段21で発生する圧力損失が大きくなる。圧力損失発生手段21は、複雑な配管路構成で構成される圧力損失回路や、圧力損失が発生し易い、細長い配管を用いて構成されてよい。図1においては、圧力損失発生手段21には、圧力損失回路が適用されている。
圧力損失発生手段21は、エア供給路20の一部に組み込まれて設けられる。これにより、エア供給路20を通過し、吹出流路70を通って吹出孔50を吹出すエアに圧力損失を発生させることができ、これによりエア浮上している搬送物の保持剛性を高めることができる。
次に、圧力損失発生手段21を用いて、エア浮上している搬送物の保持剛性を高める原理について、図2を用いて説明する。
図2は、圧力損失回路21aを、搬送台10の内部12に設けた場合の搬送台10の断面図である。かかる態様は、本発明が適用された実施例とは異なる態様であるが、本実施例に係る搬送物浮上物装置200の理解の容易のために、まず圧力損失回路21aが搬送台10の内部12に組み込まれた態様について説明する。
図2において、搬送台10の表面11には、吹出孔50と吸引孔60が形成されている。これらは、搬送台10の表面11に、数百個又は千個〜数千個形成されていてよいが、本実施例においては、理解の容易のため、吹出孔50及び吸引孔60は、各1個のみ示されている。また、吹出孔50は、搬送台10の内部に形成された吹出流路70に連通されており、吹出流路70は、圧力損失回路21aに連通されている。圧力損失回路21aは、エア供給路20aに接続されており、エア供給路20aからエアが供給されるように構成されている。なお、エアの供給は、コンプレッサ等のエア供給源40により行われてよい。また、吸引孔60は、やはり搬送台10の内部12に形成された吸引流路80に連通され、吸引流路80は、エア排気路90に接続されている。エア排気路90は、吸引ポンプ等の排気手段に接続され、これにより排気される。吸引側は、吸引ポンプにより、エア排気路90を介して排気され、吸引孔60及び吸引流路80からエアが吸引される。吹出孔50よりエアが吹き出され、吸引孔60からエアを吸引することにより、隙間hで搬送物Sを非接触で浮上支持している。また、隙間hを流れるエアの流量は、流量Qで平衡状態を保っているものとする。例えば、隙間hの大きさは、40〜50μm程度のオーダーであってよい。また、吹出孔50及び吸引孔60の直径は、例えば1mm程度のオーダーであってよく、吹出孔50及び吸引孔60の大きさに対して、隙間hは微小な大きさの関係にある。
このような構成において、エア供給路20aから搬送台10に供給される正圧の圧力Ps2と、エア排気路90から吸引される負圧の圧力Pv2は一定であると仮定する。そして、吹出孔50の吹出圧力をPs1、吹出孔50の隙間内圧力をPs0、同様に吸引孔60の吸引圧力をPv1、吸引孔60の隙間内圧力をPv0とする。
まず、エア供給路20aから供給されるエアが、圧力損失回路21aに導入される。エアは、圧力損失回路21aの複雑な通路を流れて吹出流路70を経由し、吹出孔50から圧力Ps1で吹き出される。ここで、吹出孔50から吹き出される圧力Ps1は、圧力損失回路21aを通過して吹き出されるので、エア供給路20aから供給されるエア圧力Ps2よりは減少しており、Ps1<Ps2となる。そして、ガラス基板等の搬送物Sの隙間hの大きさは、吹出孔50の直径に対して微小であるので、ここでも圧力損失を生じ、Ps0<Ps1となる。
次に、吹出孔50から搬送物Sの下面に向けて吹き出されたエアは、搬送物Sと搬送台10との隙間hを通して流れ、吸引孔60から吸引流路80に吸引される。ここで、上述のように、吸引孔60の直径の大きさも隙間hに対して遥かに大きいので、吸引孔60においても圧力損失を生じ、Pv1<Pv0となる。そして、吹出孔50から吸引孔60の方向に流れる流量は、(Ps0−Pv0)の圧力差に依拠して流れることになる。
図2において、搬送物Sと搬送台10との隙間hが平衡位置よりも大きくなったとすると、隙間h内の流路断面積は増加するので、隙間hを流れるエア流量は増加する。エア流量が増加すると、圧力損失回路21aにより発生する圧力損失も増加し、結果として吹出孔50の圧力Ps1及び吹出孔50の隙間内圧力Ps0は以前より減少する。ここで、圧力損失回路21aにおいては、エア流量に比例した圧損が生じるので、エア流量の増加に伴い、大幅な圧力損失を生ずる。
一方、吸引側では、吹出側で増加したエアの流れが流量保存して流量増大する必要から、吸引孔60の隙間内圧力Pv0は高くなる(負圧の絶対値は小さくなる)。そして、上述のように、隙間内圧力Pv0と吸引孔60との間でも圧力損失が生じているので、Pv1の圧力も変化し、やや高くなる(負圧の絶対値は減少する)。なお、Pv2は一定と仮定する。しかしながら、ここで、吸引側には圧力損失回路は設けていないので、その圧力変化の割合は、吹出側と比較すると小さくなる。
結果として、隙間h内の圧力勾配(Ps0−Pv0)は上述のように小さくなるが、流量変化に対しては隙間hの影響が大きく、hの3乗に比例するため、流量は増大する。
ここで、吹出孔50の隙間内圧力Ps0の変化量と、吸引孔の隙間内圧力Pv0の変化量の差を、搬送物Sの面積に亘って積分したものが保持剛性となるが、吹出側の圧損回路21aの影響により、同じ流量変化量に応じた圧力変化は吹出側の方が大きい。これはすなわち、保持剛性があることを意味し、圧力損失回路21aの圧損が大きいほど大きい。
具体的な例を挙げて説明すると、例えば、平衡状態で、吹出側の圧力がPs2=10kPa、Ps1=9kPa、Ps0=8kPaであり、吸引側の圧力が、Pv2=−10kPa、Pv1=−9kPa、Pv0=−8kPaであったとする。ここで、吹出側と吸引側が同じ程度で圧力損失を発生する構成では、隙間hが増加し、流量Qが増加する変化があると、Ps1=9→8.5kPa、Ps0=8→7.5kPaと吹出側が各々0.5kPa減少する変化をしたときに、吸引側もPv0=−8→−7.5kPa、Pv1=−9→−8.5kPaと各々0.5kPa増加する変化をする。
しかしながら、図2に示した構成のように、吹出側に圧力損失回路21aを設けると、同様大きさの隙間hの変化に対し、例えば、吸引側はPv0=−8→−7.5kPa、Pv1=−9→−8.5kPaと同様の0.5kPa増加する変化しかしないのに対し、吹出側はPv0=8→6kPa、Ps1=9→7kPaというように、2kPa減少する変化をし、吸引側よりも大きく圧力が変化する。そうすると、隙間hの増加に対して、隙間内圧力Ps0の圧力の減少量が大きくなるので、搬送物Sを元に戻して下げる力が大きく作用し、大きなバネ性の復元力を生じるので、保持剛性が高まる。なお、この例では、吹出側の隙間hが増加する例を説明したが、吹出側の隙間hが減少する場合についても、逆にして同様に考えればよい。
このように、吹出側に圧力損失回路を設けることにより、搬送物Sと搬送台10との隙間hが変化しても、これを元に戻すバネ作用を大きくすることができ、保持剛性を高めることができる。
しかしながら、図2で示した構成のように、搬送台10の内部に圧力損失回路21aを組み込む構成とすると、圧力損失回路21aの加工に大きな労力を要する。つまり、圧力損失回路21aは複雑な流路構成をしており、これらを非常に多数個(例えば数千個)存在する吹出孔50各々に設けるためには、複雑な流路形状を多数工作しなければならず、製作が困難で高価となる問題がある。
そこで、本実施例に係る搬送物浮上装置200においては、かかる圧力損失回路21aを、浮上物搬送ユニット10の外部に構成し、この問題を解決している。
図1に戻ると、圧力損失発生手段21に適用されている圧力損失回路は、搬送台10の外部の、エア供給路20内に設けられている。すなわち、エア供給路20内の親マニホールド23から各子マニホールド22に分岐する分岐配管25の部分に、圧力損失発生手段21が組み込まれている。このように構成することにより、多数の圧力損失発生ユニットを搬送台10の内部12に組み込むことなく、同等以上の剛性増加を得ることができる。
本実施例に係る搬送物浮上装置200において、この機能を図2における説明と同様に説明すると、以下のようになる。
まず、搬送台10と搬送物Sとの隙間hが全体的に平衡位置よりも大きくなったとすると、隙間h内の流量断面積は増えるので、エアの流量は増加する。個々の吹出孔50を通る流量が増加すると、当然それを集合した子マニホールド22に流れる流量も増加する。従って、圧力損失発生手段21での圧力損失も大きくなり、結果として子マニホールド22に入るエアの圧力Ps3は以前より低下する。これに伴って、子マニホールド22から搬送台への圧力Ps2、各吹出孔50の圧力Ps1、Ps0も以前より小さくなる(Ps1は、図2と同様に吹出孔50の圧力を表す)。
一方、吸引側での変化は、図2で説明したように、その圧力変化の割合は吹出側に比べると小さい。
吹出孔50の隙間内圧力Ps0の変化量と、吸引孔60の隙間内圧力Pv0の変化量の差を、搬送物Sの面積に亘って積分したものが保持剛性となるが、吹出側の圧力損失発生手段21の影響により、同じ流量変化に対応する圧力変化は吹出側の方が大きい。これは即ち、剛性増加を意味する。また、個々の吹出孔50での流量変化が子マニホールド22で合流するので、圧力損失発生手段21を通る流量は、本実施例に係る浮上物搬送装置200の方が、図2に説明した構成よりも格段に大きい。従って、圧力変化も大きく、剛性増加も大きくなる。すなわち、図2において説明したように、吹出孔50は1mm程度の直径で構成される場合が多く、かかる場合には、各々の吹出孔50の流量は小さくならざるを得ないが、これを子マニホールド22で複数個まとめることにより、大きな流量に対して圧力損失発生回路21を適用することができる。上述のように、圧力損失発生回路21は、流量に比例した圧力損失を発生させるので、複数個の吹出孔50に対して1つの圧力損失発生手段21を設けることは、圧力損失の発生効率上好ましく、搬送物浮上装置200の保持剛性を一層高めることができる。
また、本実施例に係る搬送物浮上装置200においては、単に圧力損失発生手段21を搬送台10の外部に設けただけではなく、複数の吹出孔50を連結する子マニホールド22を設け、1個の子マニホールド22に対して1個の圧力損失発生手段21を設けた構成としている。このように構成することにより、同じ数の吹出孔50に対して、圧力損失発生手段21の数を減少させることができ、圧力損失発生手段21の設置に必要なコスト及びスペースを減少させることができる。なお、圧力損失発生手段21は、子マニホールド22を設ける場合には、子マニホールド22の上流側に設けることにより、圧力損失発生手段21の数を減少させることができる。
更に、本実施例に係る搬送物浮上装置200によれば、保持剛性の調整を、少数の子マニホールド22への圧力損失発生手段21で行うことができ、その調整が簡易化される。
なお、図1において、吸引ポンプからの吸引孔60への配管系であるエア排気路90及び吸引流路80は、間接的に保持剛性の大きさに影響する。吹出孔50へのエア供給路20とは逆に、できるだけ圧力損失の少ない管路にすることが好ましい。図2において説明したように、吹出側と吸引側との圧力損失の差が保持剛性となるからである。
次に、図3を用いて、本実施例に係る搬送物浮上装置200の保持剛性特性について説明する。図3は、配管系の圧力損失を約3倍にしたときの支持剛性の変化を示した図である。
図3において、横軸は圧力損失の大きさの比、縦軸はある面積あたりの支持剛性の大きさ(例えばN/μm)を示している。複数の特性が示されているのは、隙間hと流量Qの値の組合せを種々変化させたためである。図3に示されるように、エア供給路20内に設けられた圧力損失の大きさを3倍にすることにより、支持剛性の大きさ(N/μm)は、2〜4倍に変化していることが分かる。そして、図3において、詳細の数値は図示していないが、隙間hが小さく、流量Qが大きいものがより支持剛性が高い特性を示している。従って、本実施例に係る搬送物浮上装置200においては、子マニホールド22を流れるエア流量を調整することにより、所望の大きな支持剛性を得ることができる。
このように、図3に示したように、本実施例に係る搬送物浮上装置200は、構成が簡素でありながら、大きな保持剛性を得ることが可能であることが分かる。
次に、図4を用いて、実施例2に係る搬送物浮上装置200aについて説明する。図4は、実施例2に係る搬送物浮上装置200aの要部の構成を示した斜視図である。
実施例2に係る搬送物浮上装置200aは、実施例1に係る搬送物浮上装置200と同様に、搬送台10と、エア供給路20aとを備える。また、エア排気路90を更に備えてよい。搬送台10は、表面11に吹出孔50と吸引孔60を有し、内部12に吹出流路70と、吸引流路80とを備える。また、エア供給ユニット20aは、分岐配管26と、子マニホールド22と、圧力損失発生手段21bと、親マニホールド23と、元配管24と、エア供給源40とを備える。
図4において、搬送台10と、エア排気路90の構成は、実施例1と同様であるので、同様の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
実施例2においては、エア供給路20aの圧力損失発生手段21bの態様が、実施例1とは異なっている。なお、エア供給路の他の構成要素についても、実施例1の説明と同様であるので、同様の構成要素には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
実施例2における圧力損失発生手段21bは、圧力損失回路ではなく、細長い配管が用いられている点で異なる。管路による圧力損失は、その長さに比例し、管径の4乗に反比例することが分かっているので、管径を細くすることで、容易に圧力損失を大きくすることができる。この場合には、特段の圧力損失回路を必要としない。また、圧力損失、ひいては保持剛性の調整も、管路の長さや径を変化させることで容易に可能である。
なお、図4に示すように、実施例2における圧力損失発生手段21bは、ループ状に形成してよい。このように構成することにより、省スペース化を図ることができる。管路形状については、用途等に応じて、他にも種々の態様を適用することができる。
このように、圧力損失発生手段21bを、圧力損失回路を用いなくても、細長い管路を適用することにより、より簡素な構成としつつ保持剛性を高めることができる。また、複雑な管路形状の圧力損失回路を必要としないので、より安価に圧力損失発生手段21bを設置でき、搬送物浮上装置200aのコストを更に低減することができる。
なお、実施例1及び実施例2の応用例としては、子マニホールド22から搬送台10への分岐配管26を細長い配管とし、これにより同様の圧力損失を得ることが考えられる。しかしながら、数百〜数千ある吹出孔50への分岐配管26の変更は容易でない上に、個々の吹出しでの流量変化は小さいため効率的ではなく、実施例1又は実施例2に係る搬送物浮上装置200、200aの方が、効果が大きいと考えられる。
また、エア供給源40から親マニホールド23への元配管24上に、圧力損失発生手段21、21a、21bを設ける応用例も考えられる。これも一見効率的に思えるが、搬送台10の表面11を搬送物Sが覆っていて、隙間hが一様に変化する場合にしか対応できず、局所的な制御が不可能であるため、搬送物Sが移動、傾斜等する場合には、実用的ではない。
次に、図5乃至図8を用いて、本実施例に係る搬送物浮上装置200、200aを、ステージ装置に適用した例について説明する。
図5は、本実施例に係る搬送物浮上装置200、200aが適用された実施例に係る基板検査システム100を示す斜視図である。なお、本実施例においては、基板搬送システム100に適用された搬送物浮上装置200、200aをまとめて、搬送物浮上装置200bとして表示するものとする。
また、図6は、この基板検査システム100の構成を示す平面図である。なお、図6においては、ガントリ140は一点鎖線で示している。
基板システム100は、図5及び図6に示されるように、ステージ装置111と、検査装置114とを備えている。ステージ装置111は、搬送装置112と、搬送物浮上装置200bを備えている。
搬送装置112は、ベース116と、1対のガイドレール118と、4つのスライダ120と、駆動機構122と、4つの保持部材124とを備えている。
ベース116は、外形が直方体形状をなし、床面などの水平面上に載置される。このベース116の上面116aは、所定方向(X方向)に延在形成されている。このベース116の上面116aの延在方向が、搬送物であるガラス基板128の搬送方向となる。
1対のガイドレール118は、搬送方向(X方向)に延びるように、ベース116の上面116aに設置されている。これら1対のガイドレール118は、ガラス基板128の幅よりも若干大きめの間隔を開けて互いに平行に配置されている。
スライダ120は、1対のガイドレール118にそれぞれ2個ずつ設けられている。各スライダ120は、ガイドレール118にガイドされて、搬送方向(X方向)に移動可能に設けられている。
図7は、駆動機構122、保持部材124、搬送物浮上装置200bの構成を示す側面図である。図7に示されるように、駆動機構122は、固定子130と稼動し132とを含むリニアモータ機構から構成されている。固定子130は、一対のガイドレール118それぞれの外側において、ガイドレール118に沿うようにベース116上に設けられている。可動子132は、図5乃至図7に示されるように、固定子130と作用して駆動される駆動体133と、駆動体133の両端から搬送方向(X方向)に延設され、駆動体133とスライダ120とを連結する連結部材137を含んでいる。連結部材137は、スライダ120の外側面にそれぞれ固定されている。これにより、各ガイドレール118に設けられた2つのスライダ120は、一定距離を保ったまま同期して移動する。
保持部材124は、4つのスライダ120の内側面にそれぞれ固定されている。また、保持部材124は、図7に示されるように、吸着部134とバネ板部136とを含んでいる。この保持部材124は、吸着部134でのエア引きにより、ガラス基板128の下側縁部を吸着して確実に保持する。これら保持部材124により、ガラス基板128はベース116の上面116aから離間した状態で保持される。なお、ガラス基板が大きい場合は、エアの吹き出しを併用して保持してもよい。バネ板部136は、鉛直方向Zに沿って延びる基部136aと、幅方向(Y方向)に沿って延びる屈曲部136bとを含んでいる。吸着部134は、屈曲部136b上に固定されている。
ここで、バネ板部136の屈曲部136bは、鉛直方向(Z方向)にバネ性を有することが好ましい。このようにすれば、保持部材124は鉛直方向(Z方向)にバネ性を有することとなり、鉛直方向(Z方向)についてガラス基板128の高さ位置を微調整することができる。これにより、ガラス基板128が搬送物浮上装置200bに当たる等の不具合が生じるおそれを低減することができる。
また、一方のガイドレール118上に設けられた2つのスライダ120に固定された保持部材124について、バネ板部136の基部136aは、幅方向(Y方向)にバネ性を有することが好ましい。このようにすれば、保持部材124は幅方向(Y方向)にバネ性を有することになる。その結果、ガイドレール118が歪んでいるとき、他方のガイドレール118側を基準として、ガラス基板128の幅方向(Y方向)のズレやベース116の上面116aと平行な面内におけるガラス基板128の回転を是正することが可能となる。
搬送物浮上装置200bは、ベース116上であって、検査装置114の下方の検査領域に設けられている。この搬送物浮上装置200bは、図7に示されるように、ガラス基板128の下面128a側に対向する搬送台10の表面11に、エア搬送路30を形成するために吹出孔50及び吸引孔60が設けられ、内部12に吹出流路70及び吸引流路80が形成されている(図7中、破線で示す)。吹出流路70及び吸引流路80は、圧力損失を発生させる複雑な形状とはなっておらず、簡素な鉛直方向上下に延在する流路として構成されている。
この搬送物浮上装置200bは、定盤18と、複数の搬送物浮上ユニット15を含む搬送台10を有している。複数の搬送物浮上ユニット15は、上面152及び下面158(図8参照)が同一平面になるように、互いに当接した状態で2次元状に配置されている。
図8は、搬送物浮上装置200bの定盤18と搬送物浮上ユニット15との配置関係を示す縦断面図である。図8に示されるように、定盤18は2次元状に配置された複数の搬送物浮上ユニット15の上面に載置されており、複数の吹出流路70及び吸引流路80が、定盤18及び搬送物浮上ユニット15を貫通している。吹出流路70及び吸引流路80は、鉛直上下方向に延在する管路のみにより構成され、圧力損失を発生させるための複雑な管路形状は設けられていない。従来であれば、定盤18又は搬送物浮上ユニット15のいずれかに圧力損失を発生させるための複雑な管路を組み込む必要があったが、本実施例に係る搬送物浮上装置200bを適用することにより、簡素な構造となっている。
また、定盤18の吹出流路70及び吸引流路80は、X方向及びY方向に所定間隔で交互に配置され、X方向及びY方向に整列されている。
更に、搬送物浮上ユニット200bの下面において、吹出流路70が、外部に設けられたエア供給路20の分岐配管26と接続され、エア供給源40からエア供給を受けるように構成されている。一方、同様に搬送物浮上ユニット200bの下面において、吸引流路80が、外部に設けられたエア排気路90に接続され、吸引ポンプによりエア排気がなされるように構成されている。このような構成により、分岐配管26から搬送台10の吹出流路70を通じてエア搬送路30にエアを吹き出すとともに、同じく搬送台10の吸引流路80を通じてエアをエア排気路90から吸引することで、安定したエア圧分布を有するエア搬送路30を形成することが可能となり、エア圧による十分な保持剛性でガラス基板128を水平状態に保持した状態で浮上させることができる。
ここで、分岐配管26の上流側には、実施例1及び実施例2で説明したような、子マニホールド22と、圧力損失発生手段21、21a、21bが設けられる。従って、エア搬送路30における吹出孔50から吹き出すエアと吸引孔60から吸引するエアの流量変化に対する圧力変化は、吹出側の方が十分に大きくなり、ガラス基板128が平衡位置から上方又は下方に移動したときの保持剛性が十分に高められる。
再び、基板検査システム100の説明に戻る。図5に示されるように、検査装置114は、上面128b側からガラス基板128を検査する。検査装置114としては、CCDカメラ等の撮像装置や、レーザ光を照射してその反射光を受光するレーザ計測装置が挙げられる。撮像装置によれば、例えばガラス基板128上に形成された回路パターン等の光学像が得られ、これにより不良品等の検査が可能となる。またレーザ計測装置によれば、レーザ光の反射率を調べることで、不良品等の検査が可能となる。なお検査装置114としては、これらCCDカメラやレーザ計測装置に限定されず、ガラス基板128の状態を非接触で検査可能な装置が総て含まれる。
この検査装置114は、ベース116上に設置されたガントリ140に、スライド部材144を介して取り付けられており、ガラス基板128に対するY方向のスキャンが可能となる。また、検査装置114自身も、スライド部材144に対して鉛直方向(Z方向)に移動可能であり、これにより検査装置114をベース116上の所定高さ位置で支持することができる。従って、撮像装置においては焦点の合った光学像が得られ、レーザ計測器においてはデータの精度が向上されることになり、検査精度の向上が図られる。
ここで、今まで説明したように、ガラス基板128は、X方向に搬送され、検査装置114はこれと垂直なY方向にスキャンして検査を行うので、ガラス基板128の保持剛性は、ガラス基板128の移動の際、これを横切るY方向の一線に高められていることが好ましい。よって、本実施例に係る搬送物浮上装置200bを基板搬送システム100に適用する際、1つの子マニホールド22により集合される吹出孔50は、ガラス基板128の搬送方向(X方向)に垂直に横切るY方向の一線単位でまとめられていることが好ましい。このような配置とすることにより、ガラス基板128の移動中の保持剛性を、検査に適する形で高めることができる。よって、子マニホールド22が複数設けられている場合には、幅方向(Y方向)の列単位で、各子マニホールド22に接続する構成とするのが好ましい。
なお、本実施例においては、搬送物が長方形のガラス基板128であり、横方向(X方向)に直線的に移動する例を挙げて説明したので、このようなY方向一直線状の配置及び集合方法が好ましいが、円形等を含む他の不定形上の場合には、もっと狭い領域で保持剛性を高めたい場合がある。そのような場合には、子マニホールド22の集合単位を小さくしたり、又は子マニホールド22から搬送台10への分岐配管26を細長い配管としたり、圧力損失発生手段21、21aを設けるようにしたりし、微小面積の範囲に対しても剛性増加を得ることができる。このような構成であっても、圧力損失発生手段21、21a、21bは搬送台10の外部に設けられるので、構造はやはり簡素なものとすることができる。子マニホールド22を設ける単位は、保持剛性を高めたい領域を複数に分割し、所望の各々の領域に設けることができるので、本実施例に係る搬送物浮上装置200bは、種々の態様の基板検査システム100やステージ装置111に適用可能である。
また、本実施例に係る搬送物浮上装置200bによるガラス基板128のエア浮上制御は、ガラス基板128が搬送物浮上装置200bの上を移動しているときのみ行えば足りる。従って、基板検査システム100にガラス基板128の移動位置を検知するセンサを設け、ガラス基板128が搬送物浮上装置200bの上にあるときにのみ搬送物浮上装置200bがエア浮上制御を行うようにしてもよい。このように構成することにより、エア浮上の必要のない状態では搬送物浮上装置200bの電力供給を停止することができ、省エネルギーを図りつつガラス基板128の保持剛性を高めるエア浮上制御を行うことができる。
次に、上述した基板検査システム100を用いたガラス基板128の検査方法について説明する。
まず、ベース116上における検査装置114よりも前段で、4つの保持部材124により、ガラス基板128をY方向の側縁部にて吸着して保持する。このとき、ガラス基板128は、ベース116の上面116aから離間した状態で保持されている。
次に、駆動機構122によりスライダ120を移動させることで、ガラス基板128を搬送方向(X方向)に所定速度で搬送する。そして、ガラス基板128が検査領域に来たとき、搬送物浮上装置200bによりガラス基板128の下面128aに対してエアの吹き出し及び吸引を行う。このとき、ガラス基板128は搬送物浮上装置200b上において、定盤18の表面11に形成されたエア搬送路30から50μm程度離間した高さ位置で高い保持剛性で保持される。なお、ガラス基板128の浮上量は、エア供給路20に接続されたエア供給源40からの圧力と流量、及びエア排気路90に接続された吸引ポンプからの圧力と流量により制御される。
次に、上述の通り、検査領域においてガラス基板128の下面128aにエアの吹き出し及び吸引を行うと同時に、搬送方向(X方向)へのガラス基板128の搬送を停止する。そして、スライド部材144を幅方向(Y方向)にスライドさせて、検査装置114によりガラス基板128上をスキャンする。スキャンが終了すると、搬送方向Xにガラス基板128を所定距離だけ移動させ、再び搬送を停止した後、2回目のスキャンを行う。このようにして、複数回のスキャンを行うことで、検査装置114によりガラス基板128を上面128bから検査する。このとき、ガラス基板128の保持剛性は高められているため、振動が抑制されて、ガラス基板128の検査精度の向上が図られる。
次に、検査領域を通過してベース116の後段に搬送された検査済みのガラス基板128に対し、保持部材124による吸着を解除する。そして、ガラス基板128を系外に搬出するとともに、次のガラス基板128に対する検査のために、保持部材124をベース116の前段に戻す。
以上詳述したように、本実施例では、搬送物浮上装置200bによりガラス基板128に対しエアの吹き出し及び吸引を行うとき、搬送台10の外部のエア供給路20に設けた圧力損失発生手段21により、ガラス基板128の保持剛性を高めている。その結果、検査装置114による検査領域においてガラス基板128の振動を抑制することが可能となり、検査精度の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施例においては、ガラス基板128を搬送して検査する態様を例に挙げて説明したが、これに限らず、ガラス基板128以外の搬送物を搬送する場合にも、本発明を適用することができ、或いは、上記検査装置の代わりに搬送物の表面を加工する加工装置をガントリ140に設ける構成の装置にも、本発明を適用できることは言うまでもない。本発明は、搬送物をエア浮上して搬送する種々の態様のステージ装置111に適用できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
実施例1に係る搬送物浮上装置200の要部の全体構成斜視図である。 圧力損失回路21aを搬送台10の内部12に設けた搬送台10の断面図である。 配管系の圧力損失を約3倍にしたときの支持剛性の変化を示した図である。 実施例2に係る搬送物浮上装置200aの要部の構成を示した斜視図である。 本実施例に係る搬送物浮上装置200、200aが適用された基板検査システム100を示す斜視図である。 基板検査システム100の構成を示す平面図である。 駆動機構122、保持部材124、搬送物浮上装置200bの構成を示す側面図である。 搬送物浮上装置200bの定盤18と搬送物浮上ユニット15との配置関係を示す縦断面図である。
符号の説明
10 搬送台
11 表面
12 内部
15 搬送物浮上ユニット
18 定盤
20 エア供給路
21、21a、21b 圧力損失発生手段
22 子マニホールド
23 親マニホールド
24 元配管
25、26 分岐配管
30 エア搬送路
40 エア供給源
50 吹出孔
60 吸引孔
70 吹出流路
80 吸引流路
90 エア排気路
100 基板搬送システム
111 ステージ装置
112 搬送装置
114 検査装置
116 ベース
118 ガイドレール
120 スライダ
122 駆動機構
124 保持部材
128 ガラス基板(搬送物)
200、200a、200b 搬送物浮上装置

Claims (7)

  1. 表面に吹出孔と吸引孔とを有し、内部に前記吹出孔に連通する吹出流路と前記吸引孔に連通する吸引流路とを有する搬送台と、
    該搬送台の外部に設けられ、前記吹出流路にエアを供給するエア供給路とを有する搬送物浮上装置であって、
    前記搬送台は、前記吹出孔及び前記吹出流路を複数有し、
    前記吹出流路は、圧力損失を発生しない管路形状となっており、
    前記搬送台の外部に設けられた前記エア供給路は、前記エアに圧力損失を生じさせる圧力損失発生手段と、複数の前記吹出流路の下端の各々に接続された複数のエア供給配管を含むことを特徴とする搬送物浮上装置。
  2. 前記圧力損失発生手段は、圧力損失回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の搬送物浮上装置。
  3. 前記エア供給配管は、エア源と接続され、
    前記圧力損失発生手段は、前記エア供給配管の径よりも小さい径の小径管を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送物浮上装置。
  4. 前記エア供給路は、複数の前記吹出流路を連結するマニホールドを含み、
    前記圧力損失発生手段は、前記マニホールドの上流側に設けられたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の搬送物浮上装置。
  5. 前記複数の吹出流路に連通する複数の吹出孔は、前記搬送台の搬送方向に垂直に列をなして配置されたことを特徴とする請求項4に記載の搬送物浮上装置。
  6. 前記搬送台の表面は、各々が複数の吹出孔を含む複数の領域に分割され、分割された該領域毎に前記圧力損失発生手段が対応して設けられたことを特徴とする請求項4又は5に記載の搬送物浮上装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項に記載の搬送物浮上装置と、
    搬送物を把持し、前記搬送物浮上装置上を通過させる搬送装置と、を備えることを特徴とするステージ装置。
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