JP5312717B2 - 回転式乗客運搬装置 - Google Patents

Description

本発明は、エスカレータに類似する乗客の流れ特性を有するエレベータ様の乗客搬送装置に関する。

一般に、乗客は、ショッピングセンターなどの低層ビルにおいてエスカレータを利用して階床間を移動する。エスカレータは、より迅速に階床間を移動する手段として認知されているので、多数のショッピングセンターで広く使用されている。多くのショッピングセンターは、エレベータも幾つか備えているが、このようなエレベータは、エスカレータよりも使用頻度が低い。乗客が待ち時間や階床間の移動時間を嫌うために、エレベータが使用されないと考えられている。

統計によると、上記のような場所では、平均的なエスカレータはエレベータよりもかなり多くの乗客を搬送する。しかし、エスカレータもデメリットを有している。例えば、エスカレータは、エレベータほど容易にベビーカーや車椅子などを搬送することができない。

本発明の出願人は、ピストン式の乗客搬送装置を開発した。この装置では、少なくとも３つのかご室を含む一組のかご室が、２つの階床の間で乗客を移動させるために使用される。たいていの場合、かご室が各階床にそれぞれ待機しており、かつ他のかご室が該階床間を移動中である。上述の装置は、本出願の基礎出願と同日に出願された、名称「ピストン式乗客搬送装置」という米国特許出願に開示されている。

発明が解決しようとする課題

上述の乗客搬送装置は、エスカレータとエレベータの両方の利点を提供する。基本的な移動技術がエレベータ様なので、エスカレータのデメリットを回避することができる。また、乗客の流れが連続的であるために、より多くの乗客を階床間で移動させることができる。

本発明は、エレベータ様の技術を用いて乗客を連続的に搬送する固有の方法である。

課題を解決するための手段

本発明の開示された実施例では、回転する中央柱が少なくとも３つのかご室を支持する。中央柱とともに回転するかご室は、望ましくは、少なくとも４つ含まれ、最も望ましくは、少なくとも６つ含まれる。各かご室は、柱に沿って２つの階床間で移動可能であり、全てのかご室が柱と共に回転する。柱は、回転駆動される。また、かご室は、階床間での移動を希望する乗客が、各階床においていつでもかご室に歩いて近づいて乗ることができるように、ほとんどの時間に亘って各階床に位置している。かご室は、移動部分へと回転し続け、この移動部分において、２つの階床間で、かつ柱に沿って移動する。この移動に亘って、かご室が柱と共に回転し続けることが望ましい。柱に沿ったかご室の動きは、かご室を対向する対にグループ分けすることによって達成されることが望ましい。各対となった２つのかご室を２つの階床間で駆動するために、単一の機械が使用されることが望ましい。

本発明に係る上記及びその他の特徴は、以下の実施形態及び図面によって最もよく理解されよう。

回転駆動される中央柱２２を有する回転式乗客搬送装置２０が、図１に概略的に示されている。乗客は、かご室２６，２８，３０，３２，３４，３６，３８，４０によって階床２４，２５の間を移動する。８つのかご室が図示されているが、以下に説明するように、他の実施例では、コスト削減のために６つのかご室が使用される。少なくとも６つのかご室を使用することが望ましいが、これより少ない数のかご室を使用することもできる。少なくとも４つのかご室が含まれ、単一のかご室が各階床２４，２５にそれぞれ位置するとともに、少なくとも１つのかご室がこれらの各階床へ移動中であることが最も望ましい。

図示のように、エンクロージャ４２，４４が、かご室３０，３２，３８，４０を囲んでいる。これらのかご室は、階床間で移動中である。装置がショッピングセンター内にある場合には、エンクロージャ４２，４４は、乗客が周囲の店を見渡すことができるように透明であることが望ましい。

各階床において乗車区域と降車区域を区分するために、デバイダ４６，４８を使用することができる。従って、階床２４に到着したかご室２６は、乗客が降車する降車区域４９に位置している。デバイダ４８を通過したかご室２８は、かご室２８に乗客が乗車する乗車区域５１に位置することができる。柱２２は、回転し続け、各かご室は、これにつれて一連の位置の間を移動する。かご室３０は、かご室からの乗客の乗降がエンクロージャ４４によって妨げられる位置に移動している。より望ましくは、この時点でかご室のドアが閉じており、乗客の移動が防止される。かご室３２は、移動における次の段階にあり、下向きに移動中である。かご室３４は、少し前に階床２５に到着し、デバイダ４６によって定められた降車区域４９へと回転したところである。かご室３６は、かご室３４の位置から回転し続け、同様にデバイダ４６によって定められた乗車区域５１に位置している。かご室３８は、階床２４に戻るように移動し始める位置にあり、かご室４０は、階床２４に向かって移動中であるとともに、かご室２６が現時点で占める位置へとまもなく回転する。このような移動は、連続的であり、一般的なエレベータ装置に比べてより多くの乗客が階床２４，２５の間で搬送される。

他の実施例では、６つのかご室のみが必要とされる。この場合、かご室３０，３２が図示されている位置は、単一のかご室位置となるように組み合わされる。同様に、かご室３８，４０の位置には、いつの時点でも単一のかご室が位置する。よって、かご室は、かご室３８が占める位置へ移動するとともに、かご室４０が示すように上向きに移動し、続いてかご室２６が占める位置へ移動する。６つのかご室と８つのかご室との違いは、コスト及び大きさである。従って、８つのかご室を含む構成も同様に有利である。

周知のセンサを含む比較的柔軟性のある装置とすることができる安全バッファ１５１が、かご室３８の位置へとかご室３６が回転する位置の端部に隣接して配置される。同様の安全バッファは、かご室３０の位置へとかご室２８が回転するときのエンクロージャ４４の開始位置に隣接して設けることができる。安全バッファ１５１は、かご室３６の入口とエンクロージャ４２との間に挟まった乗客を感知し、乗客が挟まっている場合に中央柱２２の運転を停止する。更に、図示されていないが、かご室のドアが、乗客乗車位置３６から位置３８、及び位置２８から位置３０に向かってかご室が回転するに従って閉じることが望ましい。このようなかご室ドアは、かご室が降車位置２６，３４に移動するに従って開く。かご室ドアの技術は、周知のものとすることができ、ここでは開示していない。

図２は、図１に示した本発明の駆動モータを概略的に示している。図示のように、モータ５２が、歯車列部分５０を介して柱２２に設けられた歯車部分５３を駆動する。柱２２は、回転し、かご室は、回転する柱とともに移動する。

かご室を上下位置の間で移動させるために、ケーブルを綱車５６，５８の周りで駆動する機械５５が示されている。かご室の対が４つ含まれており、かご室の各対が個別の機械を備えている。ロープ６１が、綱車５６，５８上を移動している。図示の位置では、機械５５は、かご室３８を上向きに駆動している。図示の機械５５は、図示の綱車５６，５８と関連しておらず、別の対と関連している。マウントベアリング６３が、柱２２のスピンドル６４を支持している。電源６６が、電力スリップリング６０を通して連絡されている。回転柱を通る電気エネルギの供給に関する詳細は、概略的に示されている。このような電気エネルギの供給は、従来通りとすることができ、本発明の単独の部分を構成するものではない。

ガイドレール６２が、柱２２に沿って延在する。各かご室に対して２つのレールが設けられることが望ましい。かご室が階床２５，２４に到着すると、結合リング６４によってこれらの階床とかご室との間にシールが提供される。

図３は、上述の基本構成を得るための好適な方法の詳細を示している。図示のように、綱車５６，５８は、ロープ６１を受け入れる。機械５５が、ロープ６１と関連して示されている。ロープと綱車の他の組７０，７２，７４は、第１の組から周方向に離間して示されている。機械５５は、１つしか図示されていないが、各組に対してそれぞれ１つの機械５５が設けられている。

図４に示しているように、各綱車の組と関連するロープの垂直位置は、異なっていてもよい。図３から分かるように、ロープは、柱２２の中心を実質的に横切る。従って、異なる垂直位置にロープを配置することにより、柱を横切るようにした場合でも、比較的小さい空間に収まるように該ロープを設けることができる。単一のロープが、２つのかご室を共に駆動する。これらのかご室は、互いの釣合い錘として機能する。

図５は、かご室３４の取付部を示している。図示のように、ガイドレール６２は、柱２２の長さに亘って延び、かつ柱２２と共に回転する。これらのガイドレールは、かご室３４に取り付けられたローラ７６を受ける。よって、かご室３４は、案内経路に沿って移動するように案内される。柱の外側壁９０が、ガイドレールを支持する。

説明した特定の実施例は、８つのかご室を有しているが、本発明の基本的な目的は、最低限３つのかご室があれば達成することができる。最も好適には、少なくとも４つのかご室が使用され、常に、各階床にそれぞれ１つのかご室が位置するとともに、１つのかご室が各階へ移動中である。本明細書では、かご室の動きを、各階に停車しているかご室または各階へ移動中のかご室と説明している。しかし、かご室の制御において、短時間に亘ってかご室が停車していない階があってもよい。このことは、特に、３つのかご室を含む装置を使用した場合にいえることである。最も好適な実施例は、上述したように６つのかご室を含むものである。このような実施例では、各階床に必ずかご室が停車している。

本発明を要約すると、本発明の回転式乗客搬送装置は、軸を中心にいくつかのかご室を駆動する中央回転柱を含む。かご室は、第１の階床と第２の階床との間で軸に沿って移動可能となっている。中央柱は、連続的に回転し、かご室は、これらの２つの階床間で周期的（cyclically）に移動する。乗客が一方の階床でかご室に乗車すると、かご室は、移動領域へと回転する。かご室は、移動領域において他方の階まで移動する。この装置における乗客の流れは連続的であり、よって、回転式乗客搬送装置の乗客の搬送能力は、エレベータよりもエスカレータ装置に近い。

本発明の好適実施例を開示したが、当業者であれば分かるように、特定の改良も本発明の範囲内である。このような理由により、本発明の真の範囲及び趣旨を判断するためには、請求項を検討する必要がある。

回転式乗客搬送装置の概略的な説明図である。 図１の装置の基本的な駆動部材の断面図である。 本発明に係る中央コアの周囲に設けられた機械の平面図である。 図３の詳細を示す側面図である。 かご室の取付部の説明図である。

２０…回転式乗客搬送装置
２２…中央回転柱
２４，２５…階床
２６，２８，３０，３２，３４，３６，３８，４０…かご室

Claims (7)

1. 軸を中心に回転するとともに、少なくとも第１の階床と第２の階床との間で延在する中央柱を含み、
   前記中央柱と共に回転する少なくとも４つのかご室を含み、該各かご室は、前記第１の階床と前記第２の階床との間で前記中央柱に沿って移動可能となっており、前記少なくとも４つのかご室は、２つのかご室を含む対にグループ分けされ、該２つのかご室は、それぞれ単一のロープの各々の端部に懸吊されており、
   前記ロープの１つがそれぞれ架け渡された複数の綱車の対を含み、これらの綱車の対は、それぞれ異なる垂直高さで前記中央柱に周方向に設けられており、前記綱車の対にそれぞれ含まれる２つの綱車は、各々のロープが前記中央柱の幅を径方向に横切って直線的に水平に延びるように、互いに対向して配置されており、
   前記綱車の対の一方の綱車をそれぞれ駆動する複数の機械を含み、これらの機械は、前記かご室の少なくとも１つが、通常それぞれの前記各階床に位置し、かつ前記かご室の少なくとも他の１つが、前記各階床の１つに向かって移動中となるように、各々のロープを駆動して対応するかご室の対を移動させることを特徴とする回転式乗客運搬装置。
   
2. 前記かご室が少なくとも６つ含まれており、該かご室の少なくとも２つは、常に前記各階床にそれぞれ位置していることを特徴とする請求項１記載の回転式乗客運搬装置。
   
3. かご室入口部分とかご室出口部分を定めるように、デバイダが前記各階床と関連して設けられていることを特徴とする請求項１記載の回転式乗客運搬装置。
   
4. エンクロージャが、前記第１の階床と前記第２の階床との間で前記かご室が駆動される部分と関連して設けられていることを特徴とする請求項１記載の回転式乗客運搬装置。
   
5. 前記エンクロージャは、全体的に透明であることを特徴とする請求項４記載の回転式乗客運搬装置。
   
6. 前記中央柱を駆動するモータが、該中央柱の基部に隣接して配置されていることを特徴とする請求項１記載の回転式乗客運搬装置。
   
7. モータによって軸を中心に回転駆動されるとともに、第１の階床と第２の階床との間で延在する中央柱を含み、
   前記中央柱と共に回転するように駆動される少なくとも６つのかご室を含み、前記各かご室は、前記軸に沿って前記第１の階床と前記第２の階床との間で移動可能となっており、前記少なくとも６つのかご室は、２つのかご室を含む対にグループ分けされ、該２つのかご室は、それぞれ単一のロープの各々の端部に懸吊されており、
   前記ロープの１つがそれぞれ架け渡された複数の綱車の対を含み、これらの綱車の対は、それぞれ異なる垂直高さで前記中央柱に周方向に設けられており、前記綱車の対にそれぞれ含まれる２つの綱車は、各々のロープが前記中央柱の幅を径方向に横切って直線的に水平に延びるように、互いに対向して配置されており、
   前記綱車の対の一方の綱車をそれぞれ駆動する複数の機械を含み、これらの機械は、少なくとも１つの前記かご室が、常に前記各階床にそれぞれ位置し、少なくとも１つの前記かご室が、常に各階床へそれぞれ移動中となるように、各々のロープを駆動して対応するかご室の対を移動させることを特徴とする回転式乗客搬送装置。

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