JP5310612B2 - ハイブリッド車両用クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハイブリッド車両用クラッチ装置に関するものである。
ハイブリッド車両(HV:Hybrid Vehicle)は、作動原理が異なる二つ以上の動力源として内燃機関とモータとを備えるものがある。そして、ハイブリッド車両は、状況によって2つの駆動源のうちのどちらか一方、または両方を用いて走行する。このようなハイブリッド車両は、クラッチ装置を備える。前記クラッチ装置は、例えば、第1回転部材と、第2回転部材と、油圧室と、ピストンとを有する。クラッチ装置は、油圧室に作動油が導かれ、ピストンがストロークすることにより、第1回転部材と第2回転部材とを係合させる。これにより、クラッチ装置は、内燃機関が発生する機関回転力をドライブシャフト側の回転部材へ伝達できる。
また、前記クラッチ装置は、油圧室からの作動油の排出を可能とし、第1回転部材と第2回転部材との係合を解除する。これにより、クラッチ装置は、前記機関回転力のドライブシャフトへの伝達を遮断できる。以下、前記回転力をドライブシャフトへ伝えることをクラッチ装置の係合といい、前記回転力のドライブシャフトへの伝達を遮断することをクラッチ装置の開放という。
ハイブリッド車両は、モータが駆動している際にクラッチ装置が係合することで、内燃機関が発生する機関回転力がモータが発生するモータ回転力と共にドライブシャフトへ伝達される。このようなハイブリッド車両として、例えば、特許文献1には、内燃機関の始動を開始するための判定がなされると、油圧室に作動油を一気に供給するクイックフィルと呼ばれる制御がなされるものが開示されている。以下、前記判定のことを内燃機関始動開始判定という。これにより、特許文献1に開示されている技術は、クラッチ装置の開放から係合への切り替え速度の向上を図っている。
特開2002−349309号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術は、内燃機関始動開始判定がなされてから、クラッチ装置の制御が開始される。よって、特許文献1に開示されている技術は、油圧室に作動油が溜まり、ピストンがストロークを開始し、ピストンのストロークが完了してからクラッチ装置が係合する。これにより、特許文献1に開示されている技術は、内燃機関始動開始判定がなされてからクラッチ装置が係合するまでに時間を要する。以下、前記時間を応答時間という。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、モータによる内燃機関の始動時のクラッチ装置の応答時間を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るハイブリッド車両用クラッチ装置は、車両に搭載される内燃機関と連結され、前記内燃機が発生する機関回転力が伝達される第1回転部材と、モータを介して車輪と連結され、前記モータが発生するモータ回転力が伝達される第2回転部材と、前記第1回転部材と前記第2回転部材との少なくとも一方に回転軸方向の推力を与えることで、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の隙間を調節し、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを係合する係合機構と、を備え、前記係合機構は、前記推力を調節することで前記隙間の大きさを調節可能であり、前記モータ回転力によって前記内燃機関を始動させる前において、アクセルペダルの開度と前記車両の速度との少なくとも一方の増加方向への変化に基づいて、前記隙間の大きさを減少させることを特徴とする。
本発明の好ましい態様としては、前記係合機構は、前記アクセルペダルの開度が、前記内燃機関を始動させるための所定開度に近づくほど、前記隙間を小さくすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記係合機構は、前記車両の速度が、前記内燃機関を始動させるための所定回転速度に近づくほど、前記隙間を小さくすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記係合機構は、前記第1回転部材または前記第2回転部材に前記推力を伝達できるように移動可能に設けられるピストンと、供給される作動油によって前記ピストンに前記推力を与えて、前記ピストンを一方向に移動させる油圧室と、前記一方向とは反対の方向の離反力を前記ピストンに与える弾性部材と、を含み、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが係合されていない時の前記推力の最大値は、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが接触した時の前記離反力以下であることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが係合されていない時の前記推力の最大値は、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが接触した時の前記離反力と等しいことが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記係合機構は、前記モータ回転力のみが前記車輪に伝えられて前記車両が走行している時に、前記モータの出力軸の回転速度を前回取得した時よりも、当該回転速度が減少したと判定すると、前記推力を現在の値よりも所定量分小さくすることが望ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記係合機構は、前記モータの前記出力軸の回転速度に基づいて引きずりトルクを算出し、算出した前記引きずりトルクに基づいて前記所定量を設定することが望ましい。
本発明は、モータによる内燃機関の始動時のクラッチ装置の応答時間を低減できる。
図1は、ハイブリッド車両の構成を模式的に示す説明図である。 図2は、クランクシャフトの回転軸を含む面におけるクラッチ装置及びクラッチ装置の周辺の構成要素を示す断面図である。 図3は、制御装置が有する機能を示すブロック図である。 図4は、クラッチ装置の開放時に制御装置が実行する一連の手順を示すフローチャートである。 図5は、内燃機関始動準備開始線及び内燃機関始動開始線を示すマップである。 図6は、引きずりトルクを低減するために制御装置が実行する一連の手順を示すフローチャートである。
以下に、本発明に係るハイブリッド車両用クラッチ装置の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
(実施形態)
図1は、ハイブリッド車両の構成を模式的に示す説明図である。図1に示す本実施形態のハイブリッド車両10は、内燃機関11と、クラッチ装置20と、モータ12と、トルクコンバータ13と、前後進切換機構14と、変速装置15と、減速装置16と、差動装置17と、ドライブシャフト18と、車輪19とを含む。内燃機関11は、燃料を燃焼させてクランクシャフト11aを回転させるものである。なお、内燃機関11は、レシプロ式のものでもよいし、ロータリー式のものでもよい。モータ12は、電気が供給されることでロータ12aを回転させるものである。なお、ロータ12aは、回転力を出力するのみではなく、例えば内燃機関11が発生する機関回転力が入力される場合もある。
クラッチ装置20は、クランクシャフト11aとロータ12aとを連結可能にするものである。クラッチ装置20は、クランクシャフト11aとロータ12aとの間で回転力を伝達する場合(クラッチ装置の係合)と、クランクシャフト11aとロータ12aと間での回転力の伝達を遮断する場合(クラッチ装置の開放)とがある。トルクコンバータ13は、クランクシャフト11aから伝えられた回転力(トルク)や、ロータ12aから伝えられた回転力(トルク)を増幅して前後進切換機構14に伝える。前後進切換機構14は、トルクコンバータ13から入力された回転力の回転方向を切り替えできる。変速装置15は、前後進切換機構14から入力された回転の回転速度を調節する。減速装置16は、変速装置15から入力された回転を減速する。差動装置17は、ハイブリッド車両10が旋回中に、各車輪19の回転速度差を低減する。ドライブシャフト18は、差動装置17から入力された回転力を車輪19へ伝える。
上記構成により、例えば、モータ12が発生するモータ回転力は、トルクコンバータ13と、前後進切換機構14と、変速装置15と、減速装置16と、差動装置17と、ドライブシャフト18とを順に介して車輪19に伝えられる。また、ハイブリッド車両10は、クラッチ装置20が係合すると、モータ12が発生するモータ回転力がクラッチ装置20を介してクランクシャフト11aに入力される。これにより、内燃機関11のクランクシャフト11aが回転して内燃機関11が始動する。内燃機関11が始動すると、内燃機関11が発生する機関回転力は、クラッチ装置20と、トルクコンバータ13と、前後進切換機構14と、変速装置15と、減速装置16と、差動装置17と、ドライブシャフト18とを順に介して車輪19に伝えられる。なお、ハイブリッド車両10は、内燃機関11が発生する機関回転力のみによって走行する場合、ロータ12aが空転して内燃機関11が発生する機関回転力をトルクコンバータ13へ伝える。以上により、ハイブリッド車両10は、車輪19が回転して走行可能となる。
図2は、クランクシャフトの回転軸を含む面におけるクラッチ装置及びクラッチ装置の周辺の構成要素を示す断面図である。クラッチ装置20は、図2に示す第1回転部材としての摩擦材21と、第2回転部材としてのプレート22と、係合機構と、図1に示す制御装置30とを含む。係合機構は、スナップリング23と、ピストン24と、油圧室25と、リターンスプリング26とを含む。摩擦材21及びプレート22は、それぞれ回転軸Zrを中心に回転できる。本実施形態では、摩擦材21及びプレート22は、回転軸Zr方向に交互に、それぞれ複数設けられる。摩擦材21及びプレート22は、それぞれ回転軸Zr方向に移動できるように設けられる。
クランクシャフト11aからの機関回転力は、図2に右肩上がりの斜線で示す回転部材群28を介して摩擦材21に伝えられる。すなわち、摩擦材21は、内燃機関11に連結される。また、摩擦材21が回転軸Zrを中心に回転すると、摩擦材21の回転力は回転部材群28を介してクランクシャフト11aに伝えられる。ロータ12aからのモータ回転力は、図2に右肩下がりの斜線で示す回転部材群29を介してプレート22に伝えられる。また、プレート22が回転軸Zrを中心に回転すると、プレート22の回転力は回転部材群29を介してロータ12aに伝えられる。すなわち、プレート22は、モータ12を介して車輪と連結される。
スナップリング23は、回転軸Zr方向に移動しないように、回転部材群29のドラム29aに設けられる。スナップリング23は、プレート22と接触して、プレート22及び摩擦材21の回転軸Zr方向の移動を規制する。ピストン24は、スナップリング23との間に複数の摩擦材21及び複数のプレート22を回転軸Zr方向で挟むように設けられる。ピストン24は、回転軸Zr方向に移動できるように設けられて、プレート22を回転軸Zr方向に押し付ける。以下、ピストン24がプレート22に与える回転軸Zr方向に押し付ける力を推力という。
油圧室25は、ピストン24とドラム29aとで囲まれた空間である。油圧室25は、オイルパン25cからオイルポンプ25bによって吸引された作動油が油路25aを介して導かれる。油圧室25に作動油が充填され、さらに油圧室25に作動油が導かれると、作動油はその圧力でピストン24をスナップリング23側に押し付ける。すなわち、油圧室25は、ピストン24を介して摩擦材21及びプレート22に推力を与える。リターンスプリング26は、推力とは反対方向の力をピストン24に与える。推力とは反対方向の力とは、ピストン24がスナップリング23から離れる方向の力である。以下、リターンスプリング26がピストン24に与える力を離反力という。
油圧室25がピストン24に与える推力が、リターンスプリング26がピストン24に与える離反力よりも大きくなると、摩擦材21及びプレート22は、推力によって回転軸Zr方向に移動する。これにより、クラッチ装置20は、摩擦材21とプレート22との間の隙間が小さくなる。そして、離反力よりも大きい推力が摩擦材21及びプレート22に与えられると、クラッチ装置20は、摩擦材21とプレート22とが互いに接触する。この状態で、油圧室25が離反力と等しい推力を摩擦材21及びプレート22に与えると、摩擦材21及びプレート22は、互いに接触した状態が維持される。さらに、離反力よりも大きい推力が摩擦材21及びプレート22に与えられると、クラッチ装置20は、摩擦材21とプレート22との間に摩擦力が生じる。この摩擦力により、クラッチ装置20は、摩擦材21とプレート22とが係合する。
制御装置30は、図1に示すように、少なくともクラッチ装置20の作動を制御する。本実施形態の制御装置30は、ECU(Electronic Control Unit)に含まれる。ECUは、クラッチ装置20の他に、図1に示す内燃機関11や、モータ12や、トルクコンバータ13や、変速装置15などのハイブリッド車両10に含まれる各装置の作動を制御する。なお、制御装置30は、ECUとは別個に設けられてもよい。制御装置30は、具体的には、オイルポンプ25bから吐出されて油圧室25に導かれる作動油の圧力や流量を調節する。すなわち、制御装置30は、図2に示す油圧室25に導く作動油の液量や、油圧室25に導く作動油の流速を調節する。
また、制御装置30は、図1に示すように、モータ回転速度センサS1と、車速センサS2と、アクセル開度センサS3とからそれぞれ信号を取得する。モータ回転速度センサS1は、図2に示すロータ12aの回転速度を検出し、ロータ12aの回転速度に対応した信号を出力する。車速センサS2は、ドライブシャフト18(車輪19)の回転速度を検出し、ドライブシャフト18(車輪19)の回転速度に対応した信号を出力する。すなわち、車速センサS2は、ハイブリッド車両10の速度に対応した信号を出力する。以下、ハイブリッド車両10の速度を車速という。アクセル開度センサS3は、アクセルペダルの開度を検出し、アクセルペダルの開度に対応した信号を出力する。アクセルペダルは、内燃機関11の出力をユーザが調節するためのものである。制御装置30は、モータ回転速度センサS1と、車速センサS2と、アクセル開度センサS3とから各信号を取得することで、ロータ12aの回転速度と、車速と、アクセルペダルの開度とを取得する。
図3は、制御装置が有する機能を示すブロック図である。制御装置30は、入出力部31と、記憶部32と、処理部33とを含む。入出力部31は、オイルポンプ25b(具体的にはオイルポンプ25bから吐出される作動油の圧力を調節する油圧回路)と、モータ回転速度センサS1と、車速センサS2と、アクセル開度センサS3と電気的に接続される。記憶部32は、処理部33が一連の手順を実行するために必要な情報を記憶する。前記情報は、例えば、一連の手順が記されたコンピュータプログラムや、処理部33が前記コンピュータプログラムを実行する際に用いる所定の閾値や、マップである。
処理部33は、情報取得部34と、演算部35と、作動制御部36とを含む。情報取得部34は、入出力部31を介してモータ回転速度センサS1と、車速センサS2と、アクセル開度センサS3とから各信号を取得する。すなわち、情報取得部34は、ロータ12aの回転速度Rと、車速Vと、アクセル開度Pとを取得する。また、情報取得部34は、記憶部32から情報を取得する。演算部35は、コピュータプログラムに含まれる手順に従って演算をしたり、複数の手順の中から次に実行する手順を選択したりする。作動制御部36は、オイルポンプ25bの制御用の信号を生成して、入出力部31を介してオイルポンプ25bに前記信号を送信する。
図4は、クラッチ装置の開放時に制御装置が実行する一連の手順を示すフローチャートである。ステップST101で、演算部35は、クラッチ装置20が開放中であるか否かを判定する。具体的には、まず、情報取得部34が記憶部32から、クラッチ装置20が現在開放中であるか否かを示す情報(フラグ)を取得する。演算部35は、その情報(フラグ)に基づいてクラッチ装置20が開放中であるか否かを判定する。クラッチ装置20が開放中ではないと演算部35が判定すると(ステップST101、No)、制御装置30は、一連の手順の実行を終了する。
クラッチ装置20が開放中であると演算部35が判定すると(ステップST101、Yes)、制御装置30は、ステップST102へ進む。ステップST102で、情報取得部34は、アクセル開度P及び車速Vを取得する。次に、ステップST103で、演算部35は、下限閾値P1及び上限閾値P2を算出する。以下に、下限閾値P1及び上限閾値P2について説明する。
図5は、内燃機関始動準備開始線及び内燃機関始動開始線を示すマップである。図5に示す内燃機関始動準備開始線ES1及び内燃機関始動開始線ES2は、アクセル開度P及び車速Vにより決定されるものである。内燃機関始動開始線ES2は、内燃機関始動準備開始線ES1よりも、アクセル開度P及び車速Vが大きい。内燃機関始動準備開始線ES1は、図1に示す内燃機関11を始動させる前のハイブリッド車両10の状態を示す線である。アクセル開度Pまたは車速Vが内燃機関始動準備開始線ES1以上になると、制御装置30は、クラッチ装置20を係合させる準備を開始する。内燃機関始動開始線ES2は、内燃機関11を始動させる時のハイブリッド車両10の状態を示す線である。アクセル開度Pまたは車速Vが内燃機関始動開始線ES2以上になると、制御装置30は、クラッチ装置20を係合させる。
ステップST103では、まず、情報取得部34は、図5に示すマップを取得する。すなわち、内燃機関始動準備開始線ES1及び内燃機関始動開始線ES2を取得する。そして、演算部35は、例えば、ステップST102で取得した車速Vに基づいて、現在の車速での内燃機関始動準備開始線ES1上のアクセル開度と、現在の車速での内燃機関始動開始線ES2上のアクセル開度とを算出する。演算部35は、現在の車速での内燃機関始動準備開始線ES1上のアクセル開度を下限閾値P1とする。また、演算部35は、現在の車速での内燃機関始動開始線ES2上のアクセル開度を上限閾値P2とする。
次に、ステップST104で、演算部35は、アクセル開度Pが下限閾値P1以上であるか否かを判定する。アクセル開度Pが下限閾値P1未満であると演算部35が判定すると(ステップST104、No)、制御装置30は、一連の手順の実行を終了する。アクセル開度Pが下限閾値P1以上であると演算部35が判定すると(ステップST104、Yes)、制御装置30は、ステップST105へ進む。
ステップST105で、演算部35は、アクセル開度Pが上限閾値P2未満であるか否かを判定する。アクセル開度Pが上限閾値P2以上であると演算部35が判定すると(ステップST105、No)、制御装置30は、ステップST106へ進む。ステップST106で、作動制御部36は、オイルポンプ25bを作動させてクラッチ装置20を係合させる。ステップST106の実行が完了すると、制御装置30は、一連の手順の実行を終了する。アクセル開度Pが上限閾値P2未満であると演算部35が判定すると(ステップST105、Yes)、制御装置30は、ステップST107へ進む。
ステップST107で、作動制御部36は、推力Nを調節する。作動制御部36は、アクセルペダルの開度Pと車速Vとの少なくとも一方の増加方向への変化に基づいて、摩擦材21とプレート22との間の隙間の大きさを減少させるように推力Nを調節する。具体的には、ステップST102で取得したアクセル開度Pが内燃機関始動開始線ES2で規定される所定開度に近づくほど、また、ステップST102で取得した車速Vが内燃機関始動開始線ES2で規定される所定車速度に(車輪19の回転速度が所定回転速度に)近づくほど、推力Nを大きくする。作動制御部36は、例えば、推力Nを現在値から一定量増加させ、ステップST107を繰り返し実行することで推力Nを徐々に最終的な設定推力N1に近づける(後述するステップST108で演算部35が否定判定し続ける限り制御装置30はステップST107を繰り返し実行する)。または、演算部35が現在の推力Nと設定推力N1との差分を算出し、作動制御部36は、その推力分(差分)推力Nを増加させる。以下に、設定推力N1について説明する。
図2に示すリターンスプリング26は、自身(リターンスプリング26)の変位量、すなわちピストン24の変位量によって離反力が変化する。ピストン24が移動して、摩擦材21とプレート22とが接触している場合にリターンスプリング26がピストン24に与える離反力を設定離反力とする。但し、この場合、油圧室25は、摩擦材21とプレート22とを係合させておらず、摩擦材21とプレート22との間の隙間を0としているものとする。設定推力N1は、クラッチ装置20の開放中に油圧室25が摩擦材21及びプレート22に与える推力の最大値であって、前記設定離反力と等しい値である。
次に、ステップST108で、演算部35は、現在の推力Nが設定推力N1と等しいか否かを判定する。現在の推力Nが設定推力N1と等しいと演算部35が判定すると(ステップST108、Yes)、制御装置30は、一連の手順の実行を終了する。現在の推力Nが設定推力N1と異なると演算部35が判定すると(ステップST108、No)、制御装置30は、ステップST107へ戻る。制御装置30は、ステップST107とステップST108を繰り返すことで、現在の推力Nを設定推力N1に近づける。すなわち、制御装置30は、摩擦材21とプレート22との隙間を0に近づける。
ここで、本実施形態の制御装置30は、ステップST103で、アクセル開度Pの下限閾値P1及び上限閾値P2を算出したが、車速Vの下限閾値及び上限閾値を算出してもよい。この場合、ステップST103で、情報取得部34は、図5に示すマップを取得する。すなわち、内燃機関始動準備開始線ES1及び内燃機関始動開始線ES2を取得する。そして、演算部35は、例えば、ステップST102で取得したアクセル開度Pに基づいて、現在のアクセル開度Pでの内燃機関始動準備開始線ES1上の車速と、現在のアクセル開度での内燃機関始動開始線ES2上の車速とを算出する。演算部35は、現在の車速での内燃機関始動準備開始線ES1上の車速を下限閾値とする。また、演算部35は、現在のアクセル開度での内燃機関始動開始線ES2上の車速を上限閾値とする。そして、ステップST104で、演算部35は、現在の車速Vが下限閾値以上であるか否かを判定する。また、ステップST105で、演算部35は、現在の車速Vが上限閾値未満であるか否かを判定する。この場合であっても、クラッチ装置20は、以下に説明する効果を奏する。
上記の一連の手順を制御装置30が実行することにより、クラッチ装置20は、図1に示す内燃機関11の始動前に、図2に示す油圧室25にあらかじめ作動油を導かせて油圧室25を作動油で満たすことができる。よって、クラッチ装置20は、内燃機関11の始動時に、迅速に係合できる。さらに、クラッチ装置20は、内燃機関11の始動前に、摩擦材21とプレート22との間の隙間が低減(本実施形態では0に設定)されている。よって、クラッチ装置20は、内燃機関11の始動時に、さらに迅速に係合できる。すなわち、クラッチ装置20は、自身(クラッチ装置20)の応答時間を低減できる。
また、設定推力N1は、摩擦材21とプレート22とが係合せず、かつ、摩擦材21とプレート22とが接触する時のリターンスプリング26の離反力に設定されている。すなわち、クラッチ装置20は、摩擦材21とプレート22とが係合されていない時の推力の最大値が、摩擦材21とプレート22とが接触した時の離反力と等しくなる。これにより、現在の推力Nが設定推力N1以下であれば、クラッチ装置20は係合しない。したがって、クラッチ装置20は、誤って係合するおそれを低減できる。
クラッチ装置20は、設定推力N1を設定離反力未満の値に設定されてもよい。すなわち、クラッチ装置20は、摩擦材21とプレート22とが係合されていない時の推力の最大値が、摩擦材21とプレート22とが接触した時の離反力以下になる。この場合、摩擦材21とプレート22とは接触しない。これにより、クラッチ装置20は、応答時間が若干増加するものの、誤って係合するおそれをより好適に抑制できる。
このように、制御装置30は、クラッチ装置20が誤って係合するおそれを低減できる。しかしながら、より正確にクラッチ装置20の作動を制御するためには、制御装置30は、現在の推力Nが設定推力N1を超える場合、すなわち、クラッチ装置20が誤って係合するおそれを想定しておくと好ましい。クラッチ装置20が誤って係合すると、クラッチ装置20は、引きずりトルクが増加する。引きずりトルクとは、クラッチ装置20を開放する制御中に、摩擦材21とプレート22との間で伝達されるトルクのことである。以下に、現在の推力Nが設定推力N1を超える場合に制御装置30が実行する一連の手順を説明する。なお、下記の一連の手順は、例えば、図4に示すステップST107で実行される。
図6は、引きずりトルクを低減するために制御装置が実行する一連の手順を示すフローチャートである。ステップST201で、情報取得部34は、ロータ回転速度R1を取得する。次に、ステップST202で、演算部35は、再度、ロータ回転速度R2を取得する。次に、ステップST203で、演算部35は、ロータ回転速度R2からロータ回転速度R1を減算して、回転速度変化量ΔRを算出する。次に、ステップST204で、演算部35は、回転速度変化量ΔRが負の値であるか否かを判定する。回転速度変化量ΔRが0または正の値であると演算部35が判定すると(ステップST204、No)、制御装置30は、一連の手順の実行を終了する。回転速度変化量ΔRが負の値であると演算部35が判定すると(ステップST204、Yes)、制御装置30は、ステップST205へ進む。
ステップST205で、演算部35は、回転速度変化量ΔRを微分した値と、ロータ12aのイナーシャと乗算して引きずりトルクToを算出する。次に、ステップST206で、演算部35は、引きずりトルクToを推力に換算する。次に、ステップST207で、作動制御部36は、ステップST206で求めた推力分、油圧室25が摩擦材21及びプレート22に与える推力Nを減少させる。なお、制御装置30は、回転速度変化量ΔRが所定値以上であると演算部35が判定した場合に、作動制御部36が現在の推力Nを所定値(一定値)分小さくしてもよい。この場合、制御装置30は、回転速度変化量ΔRが所定値未満であると演算部35が判定するまで、現在の推力Nを所定値(一定値)分小さくすることを繰り返す。これにより、制御装置30は、引きずりトルクToが十分に低減されるまで推力Nを調節できる。
図6に示す一連の手順を実行することにより、クラッチ装置20は、仮に誤って係合した場合であっても、推力Nを現在の値よりも減少させて、誤った係合を解除できる。これにより、クラッチ装置20は、引きずりトルクToを低減できる。
以上のように、本発明に係るハイブリッド車両用クラッチ装置は、クラッチ装置の応答時間を低減する技術に有用である。
10 ハイブリッド車両
11 内燃機関
11a クランクシャフト
12 モータ
12a ロータ
13 トルクコンバータ
14 前後進切換機構
15 変速装置
16 減速装置
17 差動装置
18 ドライブシャフト
19 車輪
20 クラッチ装置
21 摩擦材(第1回転部材)
22 プレート(第2回転部材)
23 スナップリング(係合機構)
24 ピストン(係合機構)
25 油圧室(係合機構)
25a 油路
25b オイルポンプ
25c オイルパン
26 リターンスプリング(係合機構)
28、29 回転部材群
29a ドラム
30 制御装置
31 入出力部
32 記憶部
33 処理部
34 情報取得部
35 演算部
36 作動制御部
ES1 内燃機関始動準備開始線
ES2 内燃機関始動開始線
S1 モータ回転速度センサ
S2 車速センサ
S3 アクセル開度センサ
Zr 回転軸

Claims (7)

  1. 車両に搭載される内燃機関と連結され、前記内燃機関が発生する機関回転力が伝達される第1回転部材と、
    モータを介して車輪と連結され、前記モータが発生するモータ回転力が伝達される第2回転部材と、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材との少なくとも一方に回転軸方向の推力を与えることで、前記第1回転部材と前記第2回転部材との間の隙間を調節し、前記第1回転部材と前記第2回転部材とを係合する係合機構と、
    を備え、
    前記係合機構は、
    前記推力を調節することで前記隙間の大きさを調節可能であり、
    前記モータ回転力によって前記内燃機関を始動させる前において、アクセルペダルの開度と前記車両の速度との少なくとも一方の増加方向への変化に基づいて、前記隙間の大きさを減少させることを特徴とするハイブリッド車両用クラッチ装置。
  2. 前記係合機構は、前記アクセルペダルの開度が、前記内燃機関を始動させるための所定開度に近づくほど、前記隙間を小さくすることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両用クラッチ装置。
  3. 前記係合機構は、前記車両の速度が、前記内燃機関を始動させるための所定回転速度に近づくほど、前記隙間を小さくすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のハイブリッド車両用クラッチ装置。
  4. 前記係合機構は、
    前記第1回転部材または前記第2回転部材に前記推力を伝達できるように移動可能に設けられるピストンと、
    供給される作動油によって前記ピストンに前記推力を与えて、前記ピストンを一方向に移動させる油圧室と、
    前記一方向とは反対の方向の離反力を前記ピストンに与える弾性部材と、
    を含み、
    前記第1回転部材と前記第2回転部材とが係合されていない時の前記推力の最大値は、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが接触した時の前記離反力以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用クラッチ装置。
  5. 前記第1回転部材と前記第2回転部材とが係合されていない時の前記推力の最大値は、前記第1回転部材と前記第2回転部材とが接触した時の前記離反力と等しいことを特徴とする請求項4に記載のハイブリッド車両用クラッチ装置。
  6. 前記係合機構は、前記モータ回転力のみが前記車輪に伝えられて前記車両が走行している時に、前記モータの出力軸の回転速度を前回取得した時よりも、当該回転速度が減少したと判定すると、前記推力を現在の値よりも所定量分小さくすることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のハイブリッド車両用クラッチ装置。
  7. 前記係合機構は、前記モータの前記出力軸の回転速度に基づいて引きずりトルクを算出し、算出した前記引きずりトルクに基づいて前記所定量を設定することを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車両用クラッチ装置。
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