JP5310490B2 - エステル含有物品の保存方法 - Google Patents

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Description

本発明は、アルミニウム箔等の金属箔または金属蒸着多層フィルムを使用した保香性とガスバリア性と耐内容物性に優れた包装材料を使用したエステル含有物品の保存方法に関するものである。
エステルは、有機酸または無機酸のオキソ酸とアルコールまたはフェノールのようなヒドロキシル基を含む化合物との縮合反応で得られる化合物である。その中で、カルボン酸とアルコールから成るカルボン酸エステルが一般的であり、低分子量のカルボン酸エステルは果実臭をもち、バナナやリンゴ、マンゴーなどに含まれている。
工業的なエステルの用途としては、香料として、食品、化粧品、石鹸、香水、入浴剤、消臭剤、洗剤などに添加されている。また、酢酸エチルのように、種々の有機物を溶かす能力が大きく、塗料など広範囲にわたって溶剤として使われるエステルも知られている。また、サリチル酸メチル、サリチル酸グリコールのように経皮吸収されて消炎鎮痛作用を示すことから医薬品に使用されるエステルも知られている。
エステル含有物品においては、エステルの香気を外部に逃がさないためや、保存安定性のために、保存する包装形態として、アルミニウム等の金属箔積層フィルムなどが使用されている。アルミニウム等の金属箔はその優れた水蒸気、各種ガスのバリア性や遮光性を生かして、食品、医薬品、感光材料、タバコなどの包装材料に使用されている。アルミニウム等の金属箔を包装材料に利用するにあたっては、保護や接着、印刷などの加工性の付与のため、主としてポリオレフィンから成るシーラント層や、ポリアミドやポリエステルから成る層と組み合わせて使用されている。これらの多層体を作製するにあたり、接着剤を使用する場合は、ポリウレタン系接着剤を使用することが一般的である。
アルミニウム等の金属箔を使用した多層体は、酸素バリア性能や保香性は十分に有しているが、一般的なポリウレタン接着剤を使用すると、得られる多層体の耐内容物性が優れておらず、該フィルムを用いてエステル含有物品を保存すると、保存前のフィルムのラミネート強度およびヒートシール強度と比較し、エステル含有物品を保存した後でのラミネート強度およびヒートシール強度が著しく低下する問題があった。ラミネート強度が著しく低下するとデラミや剥がれの問題が発生し、シール強度が著しく低下すると袋では破袋、蓋材では破裂および開封不良(二重ブタ)の問題があった。
アルミニウム箔積層フィルムの耐薬品性の改善方法として、アルミニウムを含有する基材層、エポキシ樹脂硬化物からなる層および熱可塑性樹脂層がこの順に積層された積層体であって、該エポキシ樹脂硬化物が、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂と、キシリレンジアミン骨格構造を含有するエポキシ樹脂硬化剤が反応して得られた硬化物であることを特徴とする積層体が提案されている(特許文献1参照。)。この積層体は、耐薬品性に優れるものの、金属箔に対する接着性がやや低く、ラミネート強度が安定しないという問題があった。
特開2007−98708号公報
本発明の目的は、アルミニウム箔等の金属箔積層フィルムを用いて、エステル含有物品を安定的に、エステルの香気を逃すことなく、かつ、包装用多層体のラミネート強度およびヒートシール強度の低下もなく保存する方法を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定のエポキシ樹脂組成物を主成分とする接着剤を用いて作製した多層体を用いた包装容器を使用して、エステル含有物品を充填して密封保存することで、エステル含有物品を安定に保存できるばかりでなく、エステルの優れた保香性も得られ、かつ多層体のラミネート強度およびヒートシール強度の低下を起こさないことを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、つぎの通りである。
1. 少なくとも、金属箔もしくは金属蒸着層、接着剤樹脂層、およびシーラント層からなる多層体を用いてエステル含有物品を密封するエステル含有物品の保存方法であって、該接着剤樹脂層が1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂およびアミン系硬化剤を主成分とする接着剤の硬化により形成され、該アミン系硬化剤がメタキシリレンジアミンとジカルボン酸成分との反応生成物であり、該ジカルボン酸成分の70モル%以上が炭素数18〜36の脂肪族ジカルボン酸であり、接着剤樹脂の破断伸び率(JISK−7161に準拠。幅10mm、厚み30μm、引張速度10mm/min)が100〜700%であることを特徴とするエステル含有物品の保存方法。
2. 前記エステルが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、サリチル酸メチルおよびサリチル酸エチルからなる群より選ばれる1種以上である第1項に記載の保存方法。
3. 前記金属箔がアルミニウム箔であり、アルミニウム箔の厚さが3μm以上50μm以下である第1項または第2項に記載の保存方法。
4. 前記脂肪族ジカルボン酸がダイマー酸である第1項〜第3項のいずれかに記載の保存方法。
5. 前記エポキシ樹脂がメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂である第1項〜第4項のいずれかに記載の保存方法。
6. 前記エポキシ樹脂がメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂である第1項〜第5項のいずれかに記載の保存方法。
本発明によれば、エステル含有物品を安定的に、かつ、エステルの香気を逃がすことなく、包装用多層体のラミネート強度の低下もなく保存することができる。
本発明において、エステル含有物品とは、各種エステルを含有する種々の物品を指し、例えば、食品、化粧品、石鹸、香水、入浴剤、消臭剤、洗剤、溶剤、医薬品等が挙げられる。該エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、サリチル酸メチル、サリチル酸エチルなどの脂肪族酸エステル類や芳香族酸エステル類などが挙げられる。
本発明の保存方法において、エステル含有物品を密封する際に使用する多層体は、少なくとも、金属箔または金属蒸着層、接着剤樹脂層、シーラント層からなる積層フィルムである。ここで金属箔または金属蒸着層は、アルミニウムからなる金属箔や、アルミニウムやアルミナ等の金属又は金属酸化物を蒸着したナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン等のフィルムを用いてもよい。アルミニウム箔を用いる場合はその厚さが3μm以上50μm以下であることが好ましい。
多層体(積層フィルム)の層構成を例示すると、金属箔または金属蒸着層/接着剤樹脂層/シーラント層、基材層/接着剤樹脂層/金属箔または金属蒸着層/接着剤樹脂層/シーラント層、基材層/接着剤樹脂層/金属箔または金属蒸着層/接着剤樹脂層/基材層/接着剤樹脂層/シーラント層などが挙げられる。基材層とは積層フィルムに機械的性能、美麗性、印刷適性などを付与する目的で設けられる層であり、具体的には、延伸ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートなどの延伸ポリエスエテルフィルム、延伸ポリプロピレンフィルム等が選択される。これらの基材層を構成するフィルムの厚さは10〜30μm程度が好ましい。グラビア印刷等、従来公知の方法で印刷が施されていても本発明に充分供しうる。
本発明の保存方法において用いる多層体のシーラント層は、ヒートシール性を付与するために設けられる層であり、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンやヒートシール性を有するナイロンやポリエステルなどの一般に使用されているヒートシール性を有する熱可塑性ポリマーフィルムが使用されるが、良好なヒートシール性の発現を考慮した場合には、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルムを選択することが好ましい。これらのフィルムの厚さは、10〜300μm程度、好ましくは10〜100μm程度が実用的であり、フィルムの表面には火炎処理やコロナ放電処理などの各種表面処理が実施されていてもよい。
多層体における金属箔または金属蒸着層は、通常は積層フィルム中の1層に用いられるが、2層以上に用いられてもよい。
多層体における金属箔または金属蒸着層は、充分なバリア性を有するが、金属箔または金属蒸着層以外のバリア層を併用してもよい。金属箔または金属蒸着層以外のバリア層としては、ポリビニルアルコール、エチレン−ポリビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、ナイロンMXD6等のバリア性ポリアミド、ポリエチレンナフタレートやイソフタル酸−レゾルシノールエチレンオキサイド付加物共重合ポリエチレンテレフタレート等のバリア性ポリエステルから成る層が挙げられる。
本発明の保存方法に用いる多層体において、接着剤樹脂層は、少なくとも1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂およびアミン系硬化剤を主成分とする接着剤の硬化により形成され、アミン系硬化剤がメタキシリレンジアミンとジカルボン酸成分との反応生成物であり、ジカルボン酸成分の70モル%以上が炭素数18〜36の脂肪族ジカルボン酸である。該接着剤樹脂層は金属箔または金属蒸着層や熱可塑性樹脂を接着させる働きを有し、エステル含有物品保存後もラミネート強度の低下が小さく、破袋や内容物の漏れを防止する働きを有する。接着剤樹脂の破断伸び率(JISK−7161に準拠)が高いことにより、金属箔または金属蒸着層への高い接着性が発現する。
また、アミン系硬化剤はメタキシリレンジアミン骨格が高いレベルで含有されることにより、高い耐内容物性が発現する。アミン系硬化剤中のメタキシリレンジアミン骨格の含有量は好ましくは5重量%、より好ましくは10重量%、特に好ましくは15重量%である。
本発明の保存方法における多層体に使用される接着剤樹脂層は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂およびアミン系硬化剤を主成分とする接着剤の硬化により形成される。この硬化により得られる接着剤樹脂(エポキシ樹脂硬化物)の破断伸び率(JISK−7161に準拠、30μm、引張速度10mm/min)は、100〜700%の範囲、好ましくは200%〜700%の範囲、より好ましくは300〜700%の範囲である。接着剤樹脂層を形成するエポキシ樹脂硬化物の破断伸び率が上記範囲にあることにより、柔軟性が向上し、金属箔または金属蒸着層への高い接着性が発現する。
以下に、エポキシ樹脂硬化物を形成するエポキシ樹脂およびアミン系硬化剤について説明する。
本発明におけるエポキシ樹脂は飽和または不飽和の脂肪族化合物や脂環式化合物、芳香族化合物、あるいは複素環式化合物のいずれであってよいが、塗布作業性を考慮した場合には基本液状タイプまたは溶剤に可溶なエポキシ樹脂が好ましい。
具体例としては、メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、パラアミノフェノールから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラックから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびレゾルシノールから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂が挙げられる。
この中でもメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂が特に好ましい。具体的には三菱ガス化学(株)製のTETRAD-X、ジャパンエポキシレジン(株)製のビスフェノールA型基本液状樹脂であるJER828、ビスフェノールF型基本液状樹脂であるJER807などが挙げられる。
また、柔軟性や耐衝撃性、耐湿熱性などの諸性能を向上させるために、上記の種々のエポキシ樹脂を適切な割合で混合して使用することもできる。
アミン系硬化剤は、メタキシリレンジアミンとジカルボン酸成分との反応生成物であり、ジカルボン酸成分の70モル%以上が炭素数18〜36の脂肪族ジカルボン酸である。
ジカルボン酸は、シクロヘキサノンを主原料として合成される炭素数18〜22の脂肪族二塩基酸や、炭素数36のダイマー酸が挙げられる。
シクロヘキサノンを主原料として合成される炭素数18〜22の脂肪族二塩基酸は、典型的な市販品の例としては、岡本製油(株)の炭素数20のUB−20(化学名:12−ビニル−8−オクタデセン二酸、含有量90%、酸価305−340)や炭素数22のIPU−22(化学名:8,13−ジメチル−8,12−エイコサジエン二酸、含有量90%、酸価280−320)が挙げられる。
ダイマー酸は、炭素数18の不飽和脂肪酸を2量化して得られる炭素数36の脂肪族2塩基酸である。ダイマー酸は、天然の油脂脂肪酸であるトール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、菜種油脂肪酸、サフラワ油脂肪酸,綿実油脂肪酸等を熱重合させたものである。ダイマー酸は、「ダイマー酸」として市販されており、典型的な市販品の例としては、築野食品工業(株)製のツノダイム395(組成:ダイマー成分90%以上、トリマー成分5%以下、モノマー成分5%以下、酸価191−199、粘度5500〜7000mPa・s)が挙げられる。
HPLCによる測定でダイマー成分が約70%〜約99%の範囲であり、そしてトリマー及びより高い酸の成分は約0.1%〜約20%であり、その残りがモノマーの脂肪酸である、ダイマー酸が本発明の目的に適している。しかしながら、トリマー及びより高い脂肪酸の官能基が多いほど分岐が増えそして生成物における分子量が増加し、そしてさらには生成物をゲル化することがあるので好ましくない。
好ましいダイマー酸成分は、70%〜99%のダイマーの酸の範囲を有するものであり、築野食品工業(株)製のツノダイム395、395R、398、398R、205(W)、216(W)、228が挙げられる。
本発明においてダイマー酸と組み合わせて脂肪酸を使用してもよい。この脂肪酸は、0〜4つの不飽和ユニットを有するC8〜C22、好ましくはC16からC22の、モノカルボン酸を含む。通常、このような脂肪酸は、天然製品、例えばババス、カストリウム、ココナツ、トウモロコシ、綿実、ブドウの種、大麻の種、カポック、亜麻の種、ワイルドマスタード、オイチシカ、オリーブ、オウリ−キュリ(ouri−curi)、ヤシ、ヤシの核、ピーナツ、シソ、ポピーの種、菜種、紅花、ゴマ、大豆、サトウキビ、ひまわり、トール(tall)、茶の種、バターの木、ユチューバ(uchuba)、又はクルミ油、のトリグリセリドから派生した混合物である。純粋な脂肪酸又は純粋な脂肪酸の混合物、例えばステアリン酸、パルチミン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等の酸、等も採用されてもよく、これらの脂肪酸のいずれかでの種々のエステル、特にC1〜C4のエステルが採用可能である。モノマー酸としても知られるイソステアリン酸も実用的である。モノマー酸は大部分がダイマー酸の調合から派生したC18脂肪モノ酸の流れである。
メタキシリレンジアミンとジカルボン酸成分との反応比は、メタキシリレンジアミンに対するジカルボン酸のモル比で0.51〜0.95の範囲が好ましく、0.80〜0.95が特に好ましい。0.51より少ない比率では、接着剤樹脂(エポキシ樹脂硬化物)の破断伸び率が小さく、金属箔に対する接着性が低下する。また、0.95より高い範囲では、ラミネート用溶剤であるメタノールやエタノールおよびイソプロパノール等のアルコール類に対する溶解度が低下するため好ましくない。また高粘度となるためラミネート時の作業性が低下するため好ましくない。
本発明で用いられるアミン系硬化剤のアミン当量は、好ましくは500〜7000の範囲、より好ましくは1500〜7000の範囲、特に好ましくは3000〜6000の範囲である。なお、アミン当量はJIS K7237に指定されている全アミン価試験方法により求めることができる。
本発明で用いられるアミン系硬化剤の合成法は、特に限定されることなく公知の方法が用いられる。例えば、メタキシリレンジアミン中にダイマー酸を投入後、加温し反応させる方法が挙げられる。
本発明で使用する接着剤の主成分であるエポキシ樹脂とアミン系硬化剤の配合割合については、一般にエポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤との反応によりエポキシ樹脂硬化物を作製する場合の標準的な配合範囲であってよい。具体的には、エポキシ樹脂中のエポキシ基の数に対するアミン系硬化剤中の活性水素数の比が0.2〜5.0、好ましくは0.6〜4.0の範囲である。
本発明で使用する接着剤には各種フィルム材料に塗布時の表面の湿潤を助けるために、必要に応じてシリコンあるいはアクリル系化合物といった湿潤剤が添加されていても良い。適切な湿潤剤としては、ビックケミー社から入手しうるBYK331、BYK333、BYK348、BYK381などがある。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01〜2.0重量%の範囲が好ましい。
本発明で使用する接着剤にはラミネート直後の粘着性を向上させるために、必要に応じてキシレン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、ロジン樹脂などの粘着付与剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01〜5.0重量%の範囲が好ましい。
本発明における接着剤樹脂層の耐薬品性、耐衝撃性、耐熱性などの諸性能を向上させるために、接着剤樹脂層形成用の接着剤の中にシリカ、アルミナ、マイカ、タルク、アルミニウムフレーク、ガラスフレークなどの無機充填剤を添加しても良い。フィルムの透明性を考慮した場合には、このような無機フィラーが平板状であることが好ましい。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01〜10.0重量%の範囲が好ましい。
さらに、本発明における接着剤樹脂層のアルミニウム箔やプラスチックフィルム材料に対する接着性を向上させるために、接着剤の中にシランカップリング剤、チタンカップリング剤などのカップリング剤を添加しても良い。これらを添加する場合には、接着剤組成物の全重量を基準として0.01〜5.0重量%の範囲が好ましい。
本発明に用いる多層体を作製する場合には、ドライラミネート、ノンソルベントラミネート、押出しラミネート等公知のラミネート法を用いることが可能である。
本発明で使用する接着剤をフィルム材料に塗布し、ラミネートする場合には、接着剤樹脂層となるエポキシ樹脂硬化反応物を得るのに十分な接着剤組成物の濃度および温度で実施されるが、これは開始材料およびラミネート方法の選択により変化し得る。すなわち、接着剤組成物の濃度は選択した材料の種類およびモル比、ラミネート方法などにより、溶剤を用いない場合から、ある種の適切な有機溶剤および/または水を用いて約5重量%程度の組成物濃度に希釈する場合までの様々な状態をとり得る。
適切な有機溶剤としては、トルエン、キシレン、酢酸エチルなどの非水溶性系溶剤、2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノール、2-プロポキシエタノール、2-ブトキシエタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、1-エトキシ-2-プロパノール、1-プロポキシ-2-プロパノールなどのグリコールエーテル類、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノールなどのアルコール類、N, N-ジメチルホルムアミド、N, N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの非プロトン性極性溶剤などが挙げられるが、エタノール、酢酸エチル、2-プロパノールなどの比較的低沸点溶剤が好ましい。
また、溶剤を使用した場合には塗布後の溶剤乾燥温度は室温から約180℃までの様々なものであってよい。接着剤組成物をフィルム材料に塗布する際の塗装形式としては、ロール塗布やスプレー塗布、エアナイフ塗布、浸漬、はけ塗りなどの一般的に使用される塗装形式のいずれも使用され得る。ロール塗布またはスプレー塗布が好ましい。例えば、ポリウレタン系接着剤成分をフィルム材料に塗布し、ラミネートする場合と同様のロールコートあるいはスプレー技術および設備が適用され得る。
続いて、各ラミネート方法での具体的な操作について説明する。ドライラミネート法の場合には、基材となるフィルム材料に本発明で使用する接着剤の有機溶剤および/または水による希釈溶液をグラビアロールなどのロールにより塗布後、溶剤を乾燥させ直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることにより積層フィルムを得ることができる。この場合、ラミネート後に必要に応じて室温〜60℃で一定時間のエージングを行ない、硬化反応を完了することが望ましい。一定時間のエージングを行なうことにより、十分な反応率でエポキシ樹脂硬化反応物が形成され、高い耐薬品性と接着性が発現する。
また、ノンソルベントラミネート法の場合には、基材となるフィルム材料に予め40〜100℃程度に加熱しておいた本発明で使用する接着剤を40℃から120℃に加熱したグラビアロールなどのロールにより塗布後、直ちにその表面に新たなフィルム材料を貼り合わせることによりラミネートフィルムを得ることができる。この場合もドライラミネート法の場合と同様にラミネート後に必要に応じて一定時間のエージングを行なうことが望ましい。
押出しラミネート法の場合には、基材となるフィルム材料に接着補助剤(アンカーコート剤)として本発明で使用する接着剤の主成分であるエポキシ樹脂およびアミン系硬化剤の有機溶剤および/または水による希釈溶液をグラビアロールなどのロールにより塗布し、室温〜140℃で溶剤の乾燥、硬化反応を行なった後に、押出し機により溶融させたポリマー材料をラミネートすることによりラミネートフィルムを得ることができる。溶融させるポリマー材料としては低密度ポリエチレン樹脂や直線状低密度ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂などのポリオレフィン系樹脂が好ましい。
本発明の保存方法における接着剤を各種フィルム材料等に塗布、乾燥、貼り合わせ、熱処理した後の接着剤樹脂層の厚さは0.1〜100μm、好ましくは0.5〜10μmが実用的である。0.1μm以下では十分な耐内容物性および接着性が発揮し難く、一方100μm以上では均一な厚みの接着剤樹脂層を形成することが困難になる。
本発明において多層体を使用してエステル含有物品を保存する場合には、内容物の種類や使用環境、使用形態に応じてその使用状態は変化し得る。すなわち、該多層体をそのまま多層包装材料として使用することもできるし、必要に応じて酸素吸収層や熱可塑性樹脂フィルム層、紙層などを該多層体にさらに積層することもできる。この際、本発明の保存方法における接着剤を用いて積層させても良いし、他の接着剤やアンカーコート剤を用いて積層させても良い。
多層包装材料を使用して、エステル含有物品を保存する方法としては従来公知の方法が利用できるが、多層包装材料を使用して包装用袋を製袋し、その中にエステル含有物品を充填する方法が一般的である。包装用袋は、多層包装材料を使用し、そのヒートシール性シーラント層を対向して重ね合わせ、しかる後、その周辺端部をヒートシールしてシール部を形成して製造することができる。その製袋方法としては、例えば、前記多層包装材料を折り曲げるかあるいは重ね合わせて、その内層の面を対向させ、更にその周辺端部を、例えば、側面シール型、二方シール型、三法シール型、四方シール型、封筒貼りシール型、合掌貼りシール型(ピローシール型)、ひだ付シール型、平底シール型、角底シール型、ガゼット型、その他等のヒートシール形態によりヒートシールする方法が挙げられる。包装用袋は内容物や使用環境、使用形態に応じて種々の形態をとり得る。その他、ヒートシールの方法としては、例えば、バーシール、回転ロールシール、ベルトシール、インパルスシール、高周波シール、超音波シール等の公知の方法で行うことができる。
また、多層体は蓋材として使用することもできる。容器は、熱可塑性樹脂が用いられ、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、メタロセン触媒によるポリエチレン等の各種ポリエチレン類、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、プロピレンホモポリマー、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体、メタロセン触媒によるポリプロピレン等の各種ポリプロピレン類、ポリメチルペンテン、熱可塑性エラストマー、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等が挙げられ、これらを単独で、または組み合わせて使用することができる。
包装容器にその開口部からエステル含有物品を充填し、しかる後、その開口部をヒートシールすることで、エステル含有物品の包装製品を製造することができる。充填方法としては含気充填、窒素等のガス置換充填法など公知の方法が適用できる。
以下に、本発明の実施例を紹介するが、本発明はこれらの実施例により何ら制限されるものではない。
<アミン系硬化剤A>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下90℃に昇温し、0.90molのダイマー酸(築野食品工業(株)製ツノダイム395)を1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で1時間攪拌し、さらに、生成する水を留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のエタノールを加え、アミン系硬化剤Aを得た。固形分のアミン当量は3300であった。
<アミン系硬化剤B>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下90℃に昇温し、0.93molのダイマー酸(築野食品工業(株)製ツノダイム395)を1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で1時間攪拌し、さらに、生成する水を留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のエタノールを加え、アミン系硬化剤Bを得た。固形分のアミン当量は5600であった。
<アミン系硬化剤C>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下90℃に昇温し、0.80molのダイマー酸(築野食品工業(株)製ツノダイム395)を1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で1時間攪拌し、さらに、生成する水を留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のエタノールを加え、アミン系硬化剤Cを得た。固形分のアミン当量は1700であった。
<アミン系硬化剤D>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下90℃に昇温し、0.50molのダイマー酸(築野食品工業(株)製ツノダイム395)を1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で1時間攪拌し、さらに、生成する水を留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が60重量%になるように所定量のエタノールを加え、アミン系硬化剤Dを得た。固形分のアミン当量は400であった。
<アミン系硬化剤E>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下60℃に昇温し、0.90molのアクリル酸メチルを1時間かけて滴下した。滴下終了後120℃で1時間攪拌し、さらに、生成するメタノールを留去しながら3時間で160℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が70重量%になるように所定量のメタノールを加え、アミン系硬化剤Eを得た。固形分のアミン当量は180であった。
<アミン系硬化剤F>
反応容器に1molのメタキシリレンジアミンを仕込んだ。窒素気流下90℃に昇温し、0.93molの岡村製油(株)製UB-20(炭素数20のジカルボン酸)を1時間かけて滴下した。滴下終了後100℃で1時間攪拌し、さらに、生成する水を留去しながら3時間で180℃まで昇温した。100℃まで冷却し、固形分濃度が53重量%になるように所定量のエタノールを加え、アミン系硬化剤Fを得た。固形分のアミン当量は3500であった。
また、接着剤樹脂の伸び率、ラミネート強度、ヒートシール強度、耐内容物性等の評価方法は以下の通りである。
<接着剤樹脂の破断伸び率(%)>
エポキシ樹脂とエポキシ樹脂硬化剤と溶剤を所定量混合して、よく攪拌して塗布液を調製した。この塗布液をバーコーターNo.60を使用して塗布し、40℃で2日間乾燥させ、厚み30μmの接着剤樹脂を得た。破断伸び率測定は、JIS K-7161に指定されている方法を用い、10mm幅、10mm/minの引張速度にて行った。
<ラミネート強度 (N/15mm)>
積層フィルムのラミネート強度を測定した。測定は、JIS K-6854に指定されている方法を用い、T型剥離試験により15mm幅、300mm/minの剥離速度にて行った。
<耐内容物性試験>
積層フィルム2枚(大きさ縦150mm×横100mm)を用意し、その低密度ポリエチレンフィルムの面を対向させて重ね合わせ、その外周周辺の端部を三方ヒートシールしてシール部を形成させ、上方に開口部を有する三辺シール型の包装用袋を作製した。作製した三辺シール型の包装用袋内に、その開口部から各種エステル(サリチル酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、酢酸エチル、酢酸ブチル)を1種類ずつ100g充填し、開口部をヒートシールにより密封して包装体を製造した。この包装体を40℃で、1ヶ月保存した後、積層フィルムのラミネート強度およびヒートシール強度を調査した。
<ヒートシール強度 (N/15mm)>
包装用袋のヒートシール強度を測定した。測定は、JIS Z-0238に指定されている方法を用い、15mm幅、300mm/minの速度にて行った。
<実施例1>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を10重量部およびアミン系硬化剤Aを280重量部含むエタノール/酢酸エチル=1/1溶液(固形分濃度;38重量%)を作製し、そこにシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング(株)製;DOW CORNING(R) Z-6050 SILANE)を5.3重量部加え、よく攪拌して塗布液Hを調製した。この塗布液Hを厚み12μmの延伸PETフィルムにバーコーターNo.8を使用して塗布し(塗布量:4.3 g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み7μmのアルミニウム箔をニップロールにより貼り合わせた。次いで、アルミニウム箔のPETフィルムを貼っていない側に、塗布液HをバーコーターNo.8を使用して塗布し(塗布量:4.3 g/m2(固形分))、85℃で10秒乾燥させた後、厚み40μmの低密度ポリエチレンフィルムをニップロールにより貼り合わせた後、40℃で2日間エージングすることによりアルミニウム箔積層フィルムを得た。接着剤樹脂の破断伸び率は350%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例2>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)の代わりにビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;JER807)を17重量部用いた塗布液Iを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は400%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例3>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を6重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Bを280重量部用いた塗布液Jを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は390%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例4>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)の代わりにビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;JER807)を10重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Bを280重量部用いた塗布液Kを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は430%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例5>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を23重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Cを280重量部用いた塗布液Lを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は210%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例6>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)の代わりにビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製;JER807)を38重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Cを280重量部用いた塗布液Mを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は240%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<実施例7>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を9重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Fを280重量部用いた塗布液Nを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は160%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<比較例1>
エポキシ系接着剤塗布液として、エポキシ樹脂(三井化学ポリウレタン(株)製;タケラックA-369)を10重量部、エポキシ樹脂硬化剤(三井化学ポリウレタン(株)製;タケネートA-19(ウレタン系))を1重量部含むイソプロピルアルコール溶液(固形分濃度;35重量%)を作製し、実施例1の接着剤塗布液Hの代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は580%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<比較例2>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を5重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Eを16重量部用いた塗布液Oを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は4%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<比較例3>
ポリウレタン系接着剤塗布液として、ポリエステル成分(東洋モートン(株)製;TM-251)を17重量部、ポリイソシアネート成分(東洋モートン(株)製;CAT-RT88)を3.4重量部含む酢酸エチル溶液(固形分濃度;30重量%)を作製し、実施例1の接着剤塗布液Hの代わりに用いた以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は600%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
<比較例4>
メタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂(三菱ガス化学(株)製;TETRAD-X)を85重量部用いて、アミン系硬化剤Aの代わりにアミン系硬化剤Dを280重量部用いた塗布液Pを使用した以外は実施例1と同様の方法で作製した。接着剤樹脂の破断伸び率は43%であった。得られた積層フィルムについてラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。また、各種エステルを密封し、40℃/1ヶ月保存後のラミネート強度およびヒートシール強度を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005310490
上記の表1に示す試験結果より明らかなように、本発明はエステル内容物が、サリチル酸メチル、安息香酸エチル、酢酸ベンジル、酢酸エチル、酢酸ブチルいずれにおいても、良好なラミネート強度およびヒートシール強度を保持する包装容器であり、その容器を用いることにより、エステル含有物品を長期保存する方法である。

Claims (6)

  1. 少なくとも、金属箔もしくは金属蒸着層、接着剤樹脂層、およびシーラント層からなる多層体を用いてエステル含有物品を密封するエステル含有物品の保存方法であって、該接着剤樹脂層が1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂およびアミン系硬化剤を主成分とする接着剤の硬化により形成され、該アミン系硬化剤がメタキシリレンジアミンとジカルボン酸成分との反応生成物であり、該ジカルボン酸成分の70モル%以上が炭素数18〜36の脂肪族ジカルボン酸であり、接着剤樹脂の破断伸び率(JISK−7161に準拠。幅10mm、厚み30μm、引張速度10mm/min)が100〜700%であることを特徴とするエステル含有物品の保存方法。
  2. 前記エステルが、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸メチルシクロヘキシル、酢酸ベンジル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸ベンジル、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸イソプロピル、酪酸ブチル、酪酸イソアミル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、イソ吉草酸エチル、イソ吉草酸イソアミル、シュウ酸ジエチル、シュウ酸ジブチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、サリチル酸メチルおよびサリチル酸エチルからなる群より選ばれる1種以上である請求項1記載の保存方法。
  3. 前記金属箔がアルミニウム箔であり、アルミニウム箔の厚さが3μm以上50μm以下である請求項1または2に記載の保存方法。
  4. 前記脂肪族ジカルボン酸がダイマー酸である請求項1〜3のいずれかに記載の保存方法。
  5. 前記エポキシ樹脂がメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂、ビスフェノールAから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂およびビスフェノールFから誘導されたグリシジルオキシ基を有するエポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1つの樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の保存方法。
  6. 前記エポキシ樹脂がメタキシリレンジアミンから誘導されたグリシジルアミノ基を有するエポキシ樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載の保存方法。
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