JP5310163B2 - エンジンの軸受装置 - Google Patents

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本発明は、エンジンの軸受装置に関し、特に、クランク軸を転がり軸受で支持した軸受装置に関する。
エンジンのクランク軸の軸受装置として、転がり軸受を用いたものが提案されている。。転がり軸受は、一般には、複数の転動体を保持した環状の保持器と、アウタレース(外輪)と、から構成される。アウタレースは、転がり軸受が装着される軸受孔の内周面を保護する役割がある。多気筒エンジンのクランク軸は、アーム部やカウンタウエイト部を有するため、転がり軸受をその端部から所望のジャーナル部等へ挿入することは困難である。このため、通常は、アウタレースと保持器とをそれぞれ半割りの一対のもの(分割アウターレース、分割保持器)として構成し、これらをジャーナル部の径方向から組み込むようにしている。
しかし、組み付け誤差により分割アウタレースの当接部分に段差が生じる場合がある。この段差に転動体が衝突することにより、異音が発生したり、転動体の磨耗を招いて転がり軸受の寿命が短くなる場合がある。そこで、特許文献1には、一対の分割アウタレースの当接部分において、分割アウタレースの内周面をえぐるようにして薄肉化することで、転動体と段差との衝突を回避したものが開示されている。
特開2007−2914号公報
ここで、シリンダブロック等の部品は、エンジンの軽量化のためにアルミ合金製とされることが多くなっている一方、分割アウタレースは軸受孔の内周面を保護する役割があることから鉄製のままとされている。アルミ合金は、鉄よりも熱膨張・収縮が大きく、エンジン冷間時の収縮により分割アウタレースの当接部分が内側に変位して転動体と衝突する場合がある。また、転がり軸受の転動体には潤滑油の供給が必要であるが、多量に供給されると却って転動体の転動に抵抗する要素となる。よって、比較的少量の潤滑油が供給されることが好ましく、特に、潤滑油がミスト状で供給されることが好ましい。
本発明の目的は、アウタレースの当接部分と転動体との衝突を防止し、しかも、転動体を好適に潤滑することにある。
本発明によれば、一対の半円環状の分割アウタレースを含み、クランク軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受が装着される円形軸受孔の半分を形成する軸受部を有するエンジン本体部材と、前記軸受部に固定され、前記円形軸受孔の残り半分を形成するキャップ部材と、を備えたエンジンの軸受装置において、前記軸受部と前記キャップ部材との接合部と、前記一対の分割アウタレースとの間に形成された隙間部と、前記隙間部に連通した給油通路と、を備え、前記一対の分割アウタレースの、互いに当接する各当接部が前記隙間部の内側に位置するように前記一対の分割アウタレースが配置され、かつ、前記当接部は、当接方向の力が作用した場合に、径方向外方への前記当接部の変位を促進させる形状を有することを特徴とするエンジンの軸受装置が提供される。
この軸受装置では、前記当接部の径方向外方には前記隙間部が位置しており、冷間時に前記エンジン本体部材に熱収縮が生じても、また、組付け時に分割アウタレースの当接部同士に位置ずれがあっても、前記当接部が径方向外方へ変位することから、その変位を阻害されない。よって、分割アウタレースの当接部分と転動体との衝突を防止することができる。また、前記隙間部を利用して潤滑油を噴出させることで、転動体に雰囲気給油をすることができ、転動体を好適に潤滑できる。
本発明においては、前記隙間部が、前記軸受部及び前記キャップ部材の内周面に形成された凹部により形成され、前記当接部は、径方向外方側が先当たりする傾斜面であってもよい。この構成によれば、比較的簡易な構成で、径方向外方への前記当接部の変位を促進できる。
また、本発明においては、前記隙間部が、前記当接部近傍において前記一対の分割アウタレースの外周面に形成された切り欠き部により形成され、一方の前記分割アウタレースの前記当接部が楔形状の凸部であり、他方の前記分割アウタレースの前記当接部が楔形状の凹部であり、前記凸部及び前記凹部の径方向外側の面の当接方向に対する傾斜角度が、前記凸部及び前記凹部の径方向内側の面の当接方向に対する傾斜角度よりも大きくてもよい。この構成によれば、前記分割アウタレースの構成で、前記隙間部が構成されるので、前記分割アウタレース側の構成で、分割アウタレースの当接部分と転動体との衝突を防止し、しかも、転動体を好適に潤滑することができる。
また、本発明においては、前記給油通路が前記エンジン本体部材に形成され、前記給油通路は、その上流部が前記エンジン本体部材に形成されたオイルギャラリに連通し、その下流部が前記円形軸受孔に対する接線方向に延在して前記隙間部に連通していてもよい。この構成によれば、前記給油通路を比較的簡便に形成できる。
また、本発明においては、前記エンジン本体部材と前記キャップ部材とがアルミ合金製であってもよい。本発明は、前記エンジン本体部材及び前記キャップ部材を、熱収縮が大きいアルミ合金製とした場合に特に効果的である。
以上述べた通り、本発明によれば、分割アウタレースの当接部分と転動体との衝突を防止し、しかも、転動体を好適に潤滑することができる。
本発明を適用したエンジンの例を示す図であり、シリンダブロック1の気筒列方向の断面図である。 図1の線I−Iに沿う断面図及び要部拡大図である。 (a)はアウタレース21の説明図及び当接部211a及び212aの拡大図、(b)は保持器22の説明図、(c)は図3(b)の線II−IIに沿う断面図、(d)は図3(b)の線III−IIIに沿う断面図である。 (a)は軸受部4の下面側を示す斜視図、(b)はキャップ部材30の上面側を示す斜視図である。 (a)は従来の問題点の説明図、(b)は冷間時における分割アウタレース211、212の当接部211a及び212aの変位の説明図である。 本発明を適用したエンジンの他の例を示す図である。 アウタレース21の変位の説明図である。 参考例の説明図である。
<第1実施形態>
図1は本発明を適用したエンジンの例を示す図であり、シリンダブロック1の気筒列方向の断面図、図2は図1の線I−Iに沿う断面図及び要部拡大図である。本実施形態のエンジンは、4サイクル直列4気筒ガソリンレシプロエンジンであるが、本発明は、他の気筒列配置、他の気筒数、或いはディーゼル形式等、他の種類のエンジンにも適用可能である。
本実施形態においてエンジン本体部材であるシリンダブロック1には、#1乃至#4の気筒が形成されており、各気筒#1乃至#4にはピストン2が設けられている。各ピストン2にはコンロッド3(図1において一部破断図にて示す)の上端部が回動自在に連結されており、コンロッド3の下端部はクランク軸10のピン部に回動自在に連結されている。シリンダブロック1は、クランク軸10を支持する転がり軸受20が装着される複数の軸受部4を有する。この軸受部4には、キャップ部材30がボルト40により固定されている。本実施形態では、シリンダブロック1及びキャップ部材30はアルミ合金製であることを想定するが、他の金属材料も採用可能である。
ここで、図3(a)乃至(d)を参照して転がり軸受20の構成について説明する。図3(a)はアウタレース21の説明図及び当接部211a及び212aの拡大図、図3(b)は保持器22の説明図、図3(c)は図3(b)の線II−IIに沿う断面図、図3(d)は図3(b)の線III−IIIに沿う断面図である。
転がり軸受20は、アウタレース21と、複数の針状ころ23を保持した環状の保持器22とを備える。転がり軸受20は本実施形態の場合、針状ころ23を転動体とした針状ころ軸受であるが、他の種類の転動体を用いた転がり軸受も採用可能である。アウタレース21は、一対の半円環状の分割アウタレース211、212からなる。分割アウタレース211、212の、互いに当接する各当接部211a、212aは、これらを当接させる方向の力が作用した場合に、アウタレース21の径方向外方への当接部211a、212aの変位を促進させる形状を有している。
詳細には、本実施形態の場合、図3(a)の拡大図に示すように、当接部211a、212aは、径方向外方側が先当たりする傾斜面である。図3(a)の拡大図に示した破線は、従来の当接部の面を示しており、アウタレースの中心点を通る線でアウタレースを分割した場合に当接部となる線である。本実施形態の当接部211a、212aは径方向外方側が破線を越えていることが分かる。
保持器22は、一対の半円環状の分割保持器22a、22bを組み合わせて環状に構成された公知の保持器である。針状ころ23はその軸線周りに回転可能に保持されており、その外周側がアウタレース21の内周面に、その内周側がクランク軸10のジャーナル部の外周面に、それぞれ当接する。図3(c)及び(d)を参照して、分割保持器22aは、その側面を構成する一対のリング部221、一対のリング部221間に設けられ、針状ころ23の脱落を防止する柱部222及び針状ころ23を収容する空洞のポケット部223を備える。
柱部222とポケット部223とは周方向に交互に配置されている。柱部222は、径方向外方に針状ころ23が脱落することを防止する外側柱部222aと、径方向内方に針状ころ23が脱落することを防止する内側柱部222bと、これら外側柱部222a及び内側柱部222bを連結する傾斜部222cとを有している。針状ころ23は柱部222によりその脱落が防止されながら、ポケット部223内に回転自在に収容されている。分割保持器22bも同様の構成である。
図2を参照して、軸受部4とキャップ部材30との接合部(合わせ面部分)と、アウタレース21との間には隙間部7が形成されている。分割アウタレース211及び212は、当接部211a、212aが隙間部7の内側に位置するように配置される。本実施形態の場合、隙間部7は、軸受部4及びキャップ部材30に凹部を設けて形成されている。図4(a)は軸受部4の下面側を示す斜視図、図4(b)はキャップ部材30の上面側を示す斜視図である。
軸受部4は、転がり軸受20が装着される円形軸受孔の半分を形成する半円柱形状の切り欠き部4aと、接合部4dに形成され、ボルト40が螺着するネジ孔4bと、軸受部4の内周面(切り欠き部4a表面)に設けられた凹部4cと、を備える。キャップ部材30は、転がり軸受20が装着される円形軸受孔の残り半分を形成する半円柱形状の切り欠き部31と、接合部30aに形成され、ボルト40が挿通するボルト孔32と、キャップ部材30の内周面(切り欠き部31表面)に設けられた凹部33と、を備える。そして、凹部4c、33は隙間部7を形成することになる。
図2に戻り、2ヶ所の隙間部7のうちの一方(同図で右側の隙間部7)には、給油通路6が連通している。なお、本実施形態では、2ヶ所の隙間部7のうちの一方に給油通路6が連通しているが、双方の隙間部7に連通させる構成も採用可能である。本実施形態の場合、給油通路6はシリンダブロック1に形成されている。シリンダブロック1には、気筒列方向に延びるオイルギャラリ5が形成されている。
給油通路6の上流部6aはオイルギャラリ5に連通している。給油通路6の下流部6bは切り欠き部4a、31により確定される円形軸受孔に対する接線方向に上下方向に延在して隙間部7に連通しており、図4(a)に示すように、下流部6bの先端部は切り欠き部4aから凹部4cに渡って開口している。給油通路6は、例えば、キャップ部材30内部通路と外付け配管により形成することもできるが、シリンダブロック1に形成すると、全て内部通路で形成できるので簡便である。また、下流部6bが円形軸受孔に対する接線方向に上下方向に延在することで、ドリル加工等による縦孔状で形成できるので、給油通路6を比較的簡便に形成できる。
オイルギャラリ5から供給される潤滑油は、給油通路6を通って隙間部7へ到達し、隙間部7から軸受部4及びキャップ部材30の両側方(クランク軸10の軸方向と平行な方向)に噴出する。よって、各転がり軸受20の周囲にミスト状に潤滑油が飛散し、転がり軸受20に雰囲気給油をすることができる。これは、直接給油の場合と比べて、針状ころ23の転動抵抗を低減しながら潤滑できるという利点がある。
次に、冷間時の作用について、従来の問題点を指摘しながら説明する。図5(a)は従来の問題点の説明図である。図5(a)に示すように、アルミ合金は熱膨張・収縮が鉄に比べると大きく、冷間時には矢印方向に収縮力が作用する。このとき、分割アウタレース211、212の各当接部には、図5(a)の拡大図に示すように、矢印d1で示す当接方向の応力が軸受部4やキャップ部材30から作用し、当接部が内側に変位してしまうという現象が生じる。この内側で突出した部分は、針状ころ30と衝突するおそれがある。
次に、本実施形態について説明する。本実施形態では、まず、分割アウタレース211、212の当接部211a及び212aが傾斜面となっている(図3(a))。ボルト40で軸受部4とキャップ部材30を固定した状態では、その締結力により、傾斜面同士が略全面に渡って当接している状態となる。図5(b)に示すように、冷間時には矢印d1で示す当接方向の応力が軸受部4やキャップ部材30から作用するが、当接部211a及び212aが径方向外方側が先当たりする傾斜面であるため、当接部211a及び212aの径方向外側への変位が促進される。このとき、当接部211a及び212aの径方向外側には隙間部7が位置しているため、当接部211a及び212aの変位が許容され、図5(a)に示すように内側に突出しない。
このように本実施形態では、冷間時にシリンダブロック1やキャップ部材30に熱収縮が生じると、当接部211a及び212aが径方向外方へ変位する。よって、分割アウタレース211、212の当接部分と針状ころ23との衝突を防止することができる。このことは、組付け時に分割アウタレース211、212の当接部211a及び212aに軸受部4とキャップ部材30との接合部沿いに位置ずれがあっても有利に働く。また、隙間部7を当接部211a及び212aの逃げ空間としてだけではなく、隙間部7を利用して潤滑油を噴出させることで、転がり軸受20、特に針状ころ23に雰囲気給油をすることができ、針状ころ23を好適に潤滑できる。
<第2実施形態>
上記第1実施形態では、隙間部7を、軸受部4及びキャップ部材30に凹部4c、33を設けて形成したが、分割アウタレース211、212側の構成で隙間部7を形成してもよい。また、当接部211a及び212aを径方向外方側が先当たりする傾斜面としたが、他の形状も採用可能である。
図6は、本発明を適用したエンジンの他の例を示す図であり、図2に相当する本実施形態におけるシリンダブロック1の断面図である。図7は本実施形態におけるアウタレース21の変位の説明図である。以下、上記第1実施形態と同じ構成については同じ符号を付して説明を割愛し、異なる構成についてのみ説明する。
本実施形態では、軸受部4及びキャップ部材30に凹部4c、33を設けて形成せず、隙間部7は分割アウタレース211、212に切り欠き部2112、2122を形成することにより、形成している。切り欠き部2112、2122は、当接部2111、2121近傍において分割アウタレース211、212の外周面を面削ぎしたものである。この結果、切り欠き部2112、2122の表面と、軸受部4及びキャップ部材30の内周面との間に隙間部7が形成されている。給油通路6は、上記第1実施形態と同様の構成であり、下流部6bが隙間部7に連通している。これにより、隙間部7から潤滑油が噴出することになる。
分割アウタレース212の当接部2121は楔形状の凸部をなし、分割アウタレース211の当接部2111は、当接部2121が嵌合する楔形状の凹部をなしている。図7の上側の図を参照して、当接部2121は、径方向外側の傾斜面2121aと、径方向内側の傾斜面2121bとを有している。また、当接部2111は、径方向外側の傾斜面2111aと、径方向内側の傾斜面2111bとを有している。そして、矢印d1で示す当接方向に対する傾斜面2121a及び2111aの傾斜角度は、矢印d1で示す当接方向に対する傾斜面2121b及び2111bの傾斜角度よりも大きくなっている。矢印d1で示す当接方向に対する傾斜面2121b及び2111bの傾斜角度は0であること(平行)が好ましい。
温間時においては、図7の上側の図で示す状態にある。当接部2111に対して、当接部2121が更に深く嵌る余裕がある。当接部2111、2112の近傍において分割アウタレース211、212の内周面は円滑であり、切り欠き部2112、2122の表面も円滑な平面をなしている。
冷間時において矢印d1で示す当接方向の応力が作用すると、図7の下側の図で示すように、当接部2111に対して、当接部2121が深く嵌まり、凹部である当接部2111が径方向内外に開く。このとき、矢印d1で示す当接方向に対する傾斜面2121a及び2111aの傾斜角度が、傾斜面2121b及び2111bの傾斜角度よりも大きくなっているので、当接部2111は、その径方向外側部分が径方向外側に、より大きく変位して隙間部7に出っ張り、その径方向内側部分は、径方向内側に変位するものの最小限となる。このように、楔形状の傾斜角度を利用することで、径方向内側と外側との変位量に差を設け、径方向内側への出っ張りを最小にすることができる。なお、本実施形態の場合、当接部2111は、その径方向内側部分が内側に微量だけ突出する場合があることから、針状ころ23との干渉を回避すべく、針状ころ23の転動方向が矢印d2方向となるように分割アウタレース211、212が組みつけられることが望ましい。
このように本実施形態においても、上記第1実施形態と同様の作用効果が得られる。そして、分割アウタレース211、212の構成で隙間部7が構成されるので、分割アウタレース211、212側の構成で、分割アウタレースの当接部分と針状ころ23との衝突を防止し、しかも、針状ころ23を好適に潤滑することができる。
なお、上記第1実施形態と上記第2実施形態とを組み合わせることも可能であり、例えば、上記第1実施形態において、凹部4c、33に代えて切り欠き部2112、2122を分割アウタレース211、212に形成することで隙間部7を形成したり、上記第1実施形態において、当接部211a、212aに代えて、当接部2111a、2121aを採用してもよい。
<参考例>
図8は参考例の説明図である。ここでは分割アウタレースの当接部分の、組み付け誤差に起因する段差の発生防止、冷間時の熱収縮による突出(図5(a))の防止を目的とした構成例を説明する。図8の構成例は、軸受部4に相当する軸受部4’、キャップ部材30に相当するキャップ部材30’を備える。本参考例では、転がり軸受20’が装着される円形軸受孔が、軸受部4’とキャップ部材30’とにより半分ずつ形成されるのではなく、軸受部4’の方が少なくしている。つまり、軸受部4’とキャップ部材30’との接合部(合わせ面)Lfが、クランク軸10の中心を通る線L1(つまり一般的な合わせ面)よりも、軸受部4’に設定されている。
このため、軸受部4’の切り欠き部4a’は、半円柱形状ではなく、半円よりも小さい柱形状となっている。一方、キャップ部材30’の切り欠き部は、半円状の部分31’と、線L1よりも上方の長方形状の部分34とを有している。長方形状の部分34とアウタレース21’との間には隙間7’が形成されており、これに給油通路6の下流部6bを連通させることで、上記第1及び第2実施形態と同様に、転がり軸受20’に雰囲気給油をすることができる。
アウタレース21’の組み付けの際、一対の分割アウタレースの当接部21”は線L1近傍に位置させる。その際、キャップ部材30’の切り欠き部31’、34を案内に利用できるので、組み付け誤差に起因して当接部21”に段差が生じることを防止できる。また、軸受部4’はアルミ合金製であっても、キャップ部材30’をアルミ合金製ではなく鉄製とすると、鉄は熱膨張・熱収縮がアルミ合金よりも極めて小さく、しかも本参考例ではキャップ部材30’がアウタレース21’を囲む範囲が大きくなることから、熱収縮によるアウタレース21’の締め付け力が小さくなり、当接部21”に作用する応力も小さくなる。よって、冷間時の熱収縮による当接部21”の内側への突出(図5(a))を防止することもできる。
まとめると、本参考例によれば、一対の半円環状の分割アウタレースを含み、クランク軸を支持する転がり軸受と、前記転がり軸受が装着される軸受孔の一部を形成する軸受部を有するエンジン本体部材と、前記軸受部に固定され、前記軸受孔の残りの部分を形成するキャップ部材と、を備えたエンジンの軸受装置において、前記軸受孔が、前記軸受部により形成される半円未満の部分と、前記キャップ部材により形成される半円部分及び長方形部分と、を有するエンジンの軸受装置が提供される。そして、前記エンジン本体部材がアルミ合金製であり、前記キャップ部材が鉄製であってもよい。
1 シリンダブロック
4 軸受部
6 給油通路
7 隙間部
10 クランク軸
20 転がり軸受
30 キャップ部材
211、212 分割アウタレース
211a、212a、2111、2121 当接部

Claims (5)

  1. 一対の半円環状の分割アウタレースを含み、クランク軸を支持する転がり軸受と、
    前記転がり軸受が装着される円形軸受孔の半分を形成する軸受部を有するエンジン本体部材と、
    前記軸受部に固定され、前記円形軸受孔の残り半分を形成するキャップ部材と、
    を備えたエンジンの軸受装置において、
    前記軸受部と前記キャップ部材との接合部と、前記一対の分割アウタレースとの間に形成された隙間部と、
    前記隙間部に連通した給油通路と、を備え、
    前記一対の分割アウタレースの、互いに当接する各当接部が前記隙間部の内側に位置するように前記一対の分割アウタレースが配置され、かつ、前記当接部は、当接方向の力が作用した場合に、径方向外方への前記当接部の変位を促進させる形状を有することを特徴とするエンジンの軸受装置。
  2. 前記隙間部が、前記軸受部及び前記キャップ部材の内周面に形成された凹部により形成され、
    前記当接部は、径方向外方側が先当たりする傾斜面であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの軸受装置。
  3. 前記隙間部が、前記当接部近傍において前記一対の分割アウタレースの外周面に形成された切り欠き部により形成され、
    一方の前記分割アウタレースの前記当接部が楔形状の凸部であり、
    他方の前記分割アウタレースの前記当接部が楔形状の凹部であり、
    前記凸部及び前記凹部の径方向外側の面の当接方向に対する傾斜角度が、前記凸部及び前記凹部の径方向内側の面の当接方向に対する傾斜角度よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のエンジンの軸受装置。
  4. 前記給油通路が前記エンジン本体部材に形成され、
    前記給油通路は、その上流部が前記エンジン本体部材に形成されたオイルギャラリに連通し、その下流部が前記円形軸受孔に対する接線方向に延在して前記隙間部に連通していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエンジンの軸受装置。
  5. 前記エンジン本体部材と前記キャップ部材とがアルミ合金製であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のエンジンの軸受装置。
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