JP5308185B2 - 表面処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、処理対象物の表面を処理する装置に関するものである。
処理対象物の表面を処理する技術としては種々のものが知られている。例えば、特許文献1に開示された発明は、処理対象物の表面に塗布した処理溶液に電子ビームを照射して処理溶液を活性化し、この活性化した処理溶液により処理対象物の表面を処理するものである。
特開2008−053646号公報
特許文献1に開示された発明では、処理対象物の表面上に処理溶液を所定の厚さで均一に塗布することが困難である。処理対象物の表面上の処理溶液が薄いと、電子ビームが処理対象物の表面に到達して、その表面が損傷する場合がある。一方、処理対象物の表面上の処理溶液が厚いと、その処理溶液の上層部分で電子ビームが消費されて、処理対象物の表面の近傍にある処理溶液が電子ビームによって活性化されず、表面処理の効率が悪い場合がある。
また、特許文献1には、処理対象物の表面上に塗布する処理溶液としてフッ酸が挙げられているが、その場合には、処理溶液の扱いが容易ではなく、また、廃液処理も容易ではなく、この点でも表面処理の効率が悪い。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、表面処理の高効率化を図ることができる表面処理装置を提供することを目的とする。
本発明に係る表面処理装置は、処理対象物の表面を処理する装置であって、水蒸気を処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、水蒸気供給部により供給される水蒸気に電子ビームを照射して水蒸気を活性化する電子ビーム照射部と、を備え、電子ビーム照射部が電子ビームを直接には処理対象物に照射しないことを特徴とする。
或いは、本発明に係る表面処理装置は、処理対象物の表面を処理する装置であって、水蒸気を処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、水蒸気供給部により供給される水蒸気と混合させるように溶液を噴霧する溶液噴霧部と、水蒸気供給部により供給される水蒸気および溶液噴霧部により噴霧された溶液に電子ビームを照射して水蒸気および溶液を活性化する電子ビーム照射部と、を備え、電子ビーム照射部が電子ビームを直接には処理対象物に照射しないことを特徴とする。
或いは、本発明に係る表面処理装置は、処理対象物の表面を処理する装置であって、水蒸気を処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、水蒸気供給部により供給される水蒸気に電子ビームを照射して水蒸気を活性化する電子ビーム照射部と、電子ビーム照射部により電子ビームが照射された水蒸気と混合させるように溶液を噴霧する溶液噴霧部と、を備え、電子ビーム照射部が電子ビームを直接には処理対象物に照射しないことを特徴とする。
或いは、本発明に係る表面処理装置は、処理対象物の表面を処理する装置であって、水蒸気と噴霧状態とした溶液とを共通のノズルの出口から処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、水蒸気供給部により供給される水蒸気および溶液に電子ビームを照射して水蒸気および溶液を活性化する電子ビーム照射部と、を備え、電子ビーム照射部が電子ビームを直接には処理対象物に照射しないことを特徴とする。
本発明に係る表面処理装置では、処理対象物の表面を処理するための水蒸気は、電子ビーム照射部により電子ビームが照射されて活性化され、処理対象物の表面に供給される。これにより、処理対象物の表面が処理される。また、処理対象物の表面には、水蒸気が供給されるだけでなく、溶液が噴霧されて液滴となったものも供給されるのが好ましい。
また、本発明に係る表面処理装置では、このノズルの出口の温度を50℃〜200℃とする温度調整手段を更に備えるのが好適である。水蒸気の温度を100℃〜200℃として水蒸気を処理対象物の表面に供給するのが好適である。噴霧状態とした溶液の温度を50℃〜200℃として溶液を処理対象物の表面に供給するのが好適である。
また、本発明に係る表面処理装置は、電子ビーム照射部から出力され水蒸気を透過した電子ビームおよび該電子ビーム照射により発生したX線を吸収するシールド部を更に備えるのが好適である。本発明に係る表面処理装置は、溶液を噴霧する際に不活性ガスを用いるのが好適である。本発明に係る表面処理装置は、水蒸気供給部における水蒸気吹き付け口の外周に設けられ不活性ガスを供給するガス供給管を更に備えるのが好適である。また、本発明に係る表面処理装置は、水蒸気の供給および溶液の供給を断続的に行うのが好適である。
本発明によれば、処理対象物の表面の損傷を抑制して、表面処理の高効率化を図ることができる。
第1実施形態に係る表面処理装置1の構成図である。 第1実施形態の変形例の表面処理装置1Aの構成図である。 第1実施形態に係る表面処理装置1を用いた実験例の結果を示す図である。 第1実施形態に係る表面処理装置1を用いた実験例の結果を示す図である。 第2実施形態に係る表面処理装置2の構成図である。 第2実施形態の変形例の表面処理装置2の構成の一部を示す図である。 第3実施形態に係る表面処理装置3の構成図である。 第4実施形態に係る表面処理装置4の構成図である。 第5実施形態に係る表面処理装置5の構成図である。 第6実施形態に係る表面処理装置6の構成図である。 第6実施形態の変形例の表面処理装置6Aの構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
先ず、第1実施形態について説明する。図1は、第1実施形態に係る表面処理装置1の構成図である。この表面処理装置1は、水蒸気80により処理対象物90の表面を処理するものであって、電子ビーム照射部10、水蒸気発生器21、配管22、配管23、モータ31および試料台32を備える。
電子ビーム照射部10は、真空容器11、カソード12、高電圧発生部13および窓14を含む。電子ビーム照射部10では、真空容器11内に入れられたカソード12に対して高電圧発生部13により負の高電圧(50kV〜150kV)が印加されて、カソード12から電子が放出される。そのカソード12から放出された電子Eのうち窓14を通過して外部に出たものは、電子ビームとして、配管22の吹き出し口から吹き出された水蒸気80に照射される。窓14は、Be、Si、T1、Alなどの薄い箔で構成されている。窓の外部は、大気圧の不活性ガスで充填されているのが好適である。
水蒸気発生器21および配管22は、水蒸気80を処理対象物90の表面に供給する水蒸気供給部を構成する。配管22はテフロン(登録商標)からなるのが好適である。水蒸気発生器21で発生した水蒸気80は、配管22内を通り、配管22の吹き出し口から外部へ吹き出され、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームが照射される。この電子ビーム照射により活性化された水蒸気80は、モータ31により回転させられている試料台32に載置された処理対象物90の表面に吹き付けられる。このとき、水蒸気80の温度が100℃〜200℃であるのが好適である。
配管23は、配管22の周囲または上部に設けられていて、不活性ガス81を吹き出す。配管23から吹き出される不活性ガス81によって、配管22から吹き出される水蒸気80の方向が一定の方向になり、その水蒸気80が窓14に当たることが回避され、窓14の腐食が防止される。
配管22の吹き出し口から外部へ吹き出された水蒸気80は、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームが照射されて水分子が分解され、水素ラジカル、OHラジカル、水素イオン、オゾン等の極めて活性な分子を含む活性水蒸気となる。この活性化された水蒸気80は、モータ31により回転させられている試料台32に載置された処理対象物90の表面に吹き付けられる。
ここで、電子ビームが照射された水蒸気80は、極めて活性なラジカルやイオンを含む活性水蒸気ガスの状態で処理対象物90の表面に吹き付けられるので、これらラジカルやイオンの寿命が長くなり、処理対象物90の表面を処理することができる。なお、水蒸気ではなく水に電子ビームを照射する場合にもラジカルやイオンが生成されるが、これらのラジカルやイオンは、寿命が短く、μ秒からミリ秒の程度で消滅する。しかし、本実施形態では、水蒸気80に電子ビームを照射するので、生成されたラジカルやイオンの寿命は長い。
したがって、本実施形態では、水蒸気80に電子ビームを照射して水蒸気80を活性化し、この活性化した水蒸気80を処理対象物90の表面に吹き付けるので、効率よく表面処理を行うことができる。また、酸やアルカリを使用しなくてもよいので、装置の扱いが容易であり、また、廃液処理も容易であるので、この点でも表面処理の効率がよい。
なお、図1に示される表面処理装置1の構成では、電子ビーム照射部10から出力された電子ビームが直接には処理対象物90に照射されないようになっているが、図2に示される表面処理装置1Aの構成のように、電子ビームが直接に処理対象物90に照射されるようになっていてもよい。後者の場合にも、所期の効果を奏することができる。
次に、第1実施形態に係る表面処理装置1または表面処理装置1Aを用いた実験例について説明する。アルコール系の油性インクでガラス板の面上に線を描いた。このガラス板を、温度300℃に熱したホットプレートの上で5分間から30分間に亘って保持した。これを処理対象物90のサンプルとした。約10分間保持したサンプルでは、アルコールで湿らせた紙を手に持って強く拭いても、油性インクを剥離することができなかった。この剥離できないサンプル(図3(a))を、表面処理装置1により処理したところ、数分間で油性インクが自然に剥離した(図3(b))。また、表面処理装置1Aを用いて、水蒸気をサンプル表面に吹き付けながらサンプル表面に同時に電子ビームを照射したところ、上記の実験にくらべ、より容易に油性インクを剥離することができた。ここで、水蒸気の温度は120℃から200℃であり、温度が高いほど剥離が容易であり、水蒸気の温度が高いことが望ましい。
なお、水蒸気でなく、水や温度90℃の温水をサンプルの上に塗布しながら、その上に電子ビームを照射しても、油性インクを剥離することができなかった。電子ビーム照射した後、アルコールで湿らせた紙でサンプル表面を強くこすると、油性インクの一部を剥離することができたが、全ての油性インクを剥離することはできなかった。また、サンプルをアルコールにいれて20分間から30分間に亘って超音波処理しても、また、その超音波処理したサンプル(図4(a))をアルコールで湿らせた紙でこすっても、油性インクを剥離することができなかった(図4(b))。アルコールで湿らせた紙で数分間に亘ってサンプルを擦っていると、紙に黒いインクがうっすらとつくが、サンプル表面の油性ペンはほとんど落ちなかった。
以上のことから、以下のことが判る。すなわち、水に電子ビームを照射して発生したOHラジカルなどは、極めて活性が強いが、寿命が短いので、水の中で反応して消滅してしまい、処理対象物の表面に殆ど到達しないことから、処理に有効に利用できないという問題点がある。これに対して、本実施形態では、水蒸気に電子ビームを照射して発生したOHラジカルなどは、極めて活性が強い一方、周囲に水などの結合分子が希薄であるので、長い時間その活性を保持することが可能となり、上記に示したようなアルコールでこすってもとれないような接着力の強い有機物汚染でさえ剥離することができたと考えられる。また、水蒸気そのものも、常温の水より有機物汚染の洗浄効果があり、この点でも効果があるものと考えられる。
本実施形態に係る表面処理装置1,1Aは、半導体、液晶、精密部品またはガラス等の表面の有機物汚染、金属汚染または微粒子の除去に使用され得る。また、本実施形態に係る表面処理装置1,1Aは、レジスト剥離やレジスト剥離後の残存するレジスト等の有機物の除去にも応用できる。また、水蒸気80の中に、H、オゾン、水素ガス、酸素ガスまたは不活性ガスを添加することによって、活性ラジカルをより多く含んだ水蒸気を作ることができる。また、水蒸気をつくるのに、還元水を使用してもよい。
次に、第2実施形態について説明する。図5は、第2実施形態に係る表面処理装置2の構成図である。この表面処理装置2は、水蒸気80および液滴82により処理対象物90の表面を処理するものであって、電子ビーム照射部10、水蒸気発生器21、配管22、配管23、溶液タンク41、配管42、モータ31および試料台32を備える。
図1に示された第1実施形態に係る表面処理装置1の構成と比較すると、この図5に示される第2実施形態に係る表面処理装置2は、溶液タンク41および配管42を更に備える点で相違し、また、その配管42が配管22と接続されている点で相違する。溶液タンク41および配管42は、水蒸気供給部により供給される水蒸気80と混合させるように溶液82を噴霧する溶液噴霧部を構成する。
溶液タンク41に容れられている溶液82は、例えば、純水であり、或いは、H、オゾン、水素ガス、酸素ガスまたは不活性ガスを添加された純水や還元水などである。溶液タンク41に容れられている溶液82は、配管42を通って配管22内に導入され、この配管22内の水蒸気80の吹き出しによって噴霧されて微小な液滴83とされ、その液滴83が水蒸気80と混合される。
この混合された水蒸気80および液滴83は、配管22の吹き出し口から外部に出て、電子ビーム生成部10の窓14から出力された電子ビームが照射される。この電子ビーム照射により、水蒸気80や液滴83の活性分子やイオンが多数作成される。この活性状態となった水蒸気80や液滴83は、モータ31により回転させられている試料台32に載置された処理対象物90の表面に吹き付けられる。このとき、水蒸気の温度が100℃〜200℃であるのが好適であり、また、液滴の温度が50℃〜200℃であるのが好適である。
なお、溶液82が噴霧されて微小な液滴83となるメカニズムは、溶液タンク41の内部に圧力ガスを供給して配管42内の溶液82を押し上げるものであってもよいし、サイホンの原理で噴霧してもよいし、或いは、重力供給式で噴霧してもよい。
また、図6に示されるように、溶液82を噴霧して微小な液滴83とする機構として、配管22内に吹き出し口が設けられた同軸の配管43,44が設けられてもよい。内側の配管43から配管22内に圧力ガス84が噴き出され、外側の配管44から配管22内に溶液82が押し出される。この溶液82が液滴83となって、この液滴83が水蒸気80と混合される。
また、本実施形態においても、電子ビーム照射部10から出力された電子ビームが直接には処理対象物90に照射されないようになっていてもよいし、電子ビームが直接に処理対象物90に照射されるようになっていてもよい。何れの場合にも、所期の効果を奏することができる。
仮に電子ビームを照射することなく液滴および水蒸気を処理対象物の表面に吹き付けるとすれば、溶液にぬれ性が少ないので、微粒子と処理対象物表面との間のすきまに水蒸気が入りこめず、微粒子と処理対象物表面との様々な結合や接着を断ち切ることができず、有効に不純物を除去することができなかい。これに対して、本実施形態では、電子ビームで活性になったイオンやラジカルが、これらの結合や接着を断ち切ることが可能であり、有効に微粒子を除去することができる。
次に、第3実施形態について説明する。図7は、第3実施形態に係る表面処理装置3の構成図である。この表面処理装置3は、水蒸気80および液滴82により処理対象物90の表面を処理するものであって、電子ビーム照射部10、水蒸気発生器21、配管22、配管23、配管45、配管46、モータ31および試料台32を備える。
図1に示された第1実施形態に係る表面処理装置1の構成と比較すると、この図7に示される第3実施形態に係る表面処理装置3は、配管45および配管46を更に備える点で相違する。配管45および配管46は、水蒸気供給部により供給される水蒸気80と混合させるように溶液82を噴霧する溶液噴霧部を構成する。
配管45の一端は配管46の側面に接続されている。溶液82は配管45を通って配管46内に導入され、この配管46内の不活性ガス84の吹き出しによって溶液82が噴霧されて微小な液滴83とされる。配管46の吹き出し口から出た液滴83は、電子ビーム生成部10の窓14から出力された電子ビームが照射されて活性化された水蒸気80と混合される。配管45,46は、電子ビームが照射されても中まで電子ビームが透過しない厚さのステンレスからなる。したがって、溶液82および液滴83には電子ビームが照射されない。
この混合された水蒸気80および液滴83は、モータ31により回転させられている試料台32に載置された処理対象物90の表面に吹き付けられる。このとき、水蒸気の温度が100℃〜200℃であるのが好適であり、また、液滴の温度が50℃〜200℃であるのが好適である。
本実施形態では、水蒸気80と液滴83とを互いに独立に制御できるので、処理対象物90の表面処理の内容に応じて適切な条件を設定することができる。また、溶液82および液滴83には電子ビームが照射されないので、溶液82として様々な種類のものを使用することができる。
次に、第4実施形態について説明する。図8は、第4実施形態に係る表面処理装置4の構成図である。この表面処理装置4は、水蒸気80および液滴82により処理対象物90の表面を処理するものであって、電子ビーム照射部10、ノズル50、モータ31および試料台32を備える。ノズル50は、水蒸気80と液滴83とを共通のノズルの出口から処理対象物90の表面に供給する水蒸気供給部を構成する。電子ビーム照射部10とノズル50とは一体化されていることが好ましい。
ノズル50は、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームを通過させる貫通孔を中央部に有し、また、この貫通孔に側方から繋がる配管51,配管52および配管53を有する。ノズル50の中央の貫通孔には、配管51により圧力ガス84が供給され、その下流に配管52により水蒸気80が供給され、また、配管53により溶液82が供給される。
配管53により供給された溶液82は、配管51により供給された圧力ガス84により噴霧されて液滴83となって、配管52により供給された水蒸気80と混合される。このように混合された液滴83および水蒸気80は、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームが照射されて、多数のイオンやラジカル等を発生させる。これらのイオンやラジカルは、モータ31により回転させられている試料台32に載置された処理対象物90の表面に吹き付けられる。なお、溶液82が供給されることなく、水蒸気80のみが供給されてもよい。
ここで、電子ビーム照射部10における電子ビームの加速エネルギーと、窓14から処理対象物90までの距離とを適当に設定することで、電子ビームが水蒸気80や液滴83の中で消費されてしまって処理対象物90の表面に到達しない状態にすることができる。また、電子ビームの加速エネルギーを大きくして、たとえば、150kVにして、窓14から処理対象物80までの距離を2cm〜3cmにすれば、電子ビームが水蒸気80や液滴83と相互作用したあとも生き残り、処理対象物90の表面に到達するようにすることもできる。
また、ノズル50における水蒸気80や液滴83が出る出口や水蒸気80の注入部分が、ヒータ54によって保温されているのが好適である。このようにすることにより、水蒸気80や液滴83のしずくが付かないようになり、水蒸気80や溶液83の温度を低下させないようにすることができる。
次に、第5実施形態について説明する。図9は、第5実施形態に係る表面処理装置5の構成図である。この表面処理装置5は、水蒸気80および液滴82により処理対象物90の表面を処理するものであって、電子ビーム照射部10、ノズル60、モータ31および試料台32を備える。ノズル60は、水蒸気80と液滴83とを共通のノズルの出口から処理対象物90の表面に供給する水蒸気供給部を構成する。電子ビーム照射部10とノズル60とは一体化されていることが好ましい。
ノズル60は、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームを通過させる通路と、この通路に側方から繋がる配管61および配管62と、この通路の下方に設けられたシールド部64と、このシールド部63の側方に設けられた配管63とを有する。ノズル60の中央通路には、配管61により不活性ガス81が供給され、その下流に配管62により水蒸気80が供給される。配管61により供給される不活性ガス81により、配管62により供給される水蒸気80は、窓14へ向うことが抑制され、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームが照射されて活性化され、モータ31により回転させられている試料台32に載置された処理対象物90の表面に吹き付けられる。
電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームはシールド部64に到達する。配管62から放出される水蒸気80と電子ビームとが相互作用した後のエネルギーが低下した電子ビームがシールド部64で吸収される。シールド部64は、SUS等の電子ビームを吸収する金属物質からなる。また、シールド部64は、その厚みを厚くすることで、電子ビームが相互作用したことから発生するX線をシールドすることもできる。このシールド部64と電子ビームとが相互作用することで発生する不純物ガス85は、配管63により排気される。
次に、第6実施形態について説明する。図10は、第6実施形態に係る表面処理装置6の構成図である。この表面処理装置6は、水蒸気80および液滴82により処理対象物90の表面を処理するものであって、電子ビーム照射部10、ノズル70、モータ31および試料台32を備える。ノズル70は、水蒸気80と液滴83とを共通のノズルの出口から処理対象物90の表面に供給する水蒸気供給部を構成する。電子ビーム照射部10とノズル70とは一体化されていることが好ましい。
ノズル70は、電子ビーム照射部10の窓14から出力された電子ビームを通過させる貫通孔を中央部に有し、この貫通孔に側方から繋がる配管71および配管72を有し、また、貫通孔の内部に吹き出し口を有する配管73を有する。ノズル70の中央の貫通孔には、配管71により不活性ガス81(例えば窒素ガス)が供給され、その下流に配管72により水蒸気80が供給される。水蒸気80の温度は100℃〜200℃であるのが好適である。
また、配管73により溶液82が供給される。ここで、水蒸気80や不活性ガス81により溶液82が液滴83とされて、この液滴83がノズル70の先端の吹き出し口74から放出される。ノズル70の先端の吹き出し口74の口径は内部の口径より小さくなっている。これによって、ノズル70の先端の吹き出し口74から外部へ放出される液滴83の速度を増すことができ、また、液滴83を微粒子状(大きさは数ミクロンから数10ミクロン)にすることができる。
上記のようにノズル70の中で混合された水蒸気80および液滴83に電子ビームが照射される。この電子ビーム照射により水蒸気80や液滴83の分子をイオン化やラジカル化することで、極めて活性な状態の液滴83を含む水蒸気80を作ることができる。これらの電子ビームにより活性化された水蒸気80および液滴83は処理対象物90の表面に照射される。
ここで、処理対象物90の上表面の微粒子を除去する場合には、処理対象物90表面と微粒子との結合を弱めるために、電子ビームで活性化された水蒸気80が有効に作用する。次に、液滴83を適当な速度で処理対象物90の表面に吹き付けることによって、処理対象物90表面との結合が弱くなった微粒子を、液滴83が表面にあたったときに発生する圧力によって吹き飛ばすことが可能である。電子ビームで活性化された水蒸気は、より処理対象物90表面と微粒子との間の結合力を弱め、従来より短時間に微粒子除去をすることができる。
ノズル70を構成している材質は、テフロン、SiC、インコネル、石英などが有用である。また、このノズル70全体がこれらの材質である必要はなく、表面がこれらの材質でコートされていてもよい。
図11は、第6実施形態の変形例の表面処理装置6Aの構成図である。図10に示された構成と比較すると、この図11に示される構成では、溶液80を供給する配管73Aがノズル70Aの中央の貫通孔に直結している点で相違する。この構成によっても、所期の効果を奏することができる。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、以上の実施形態1〜6において、水蒸気80や溶液82を噴霧する部分が、長手方向に多数ならんでおり、また、電子日0無発生部1の窓14が長方形であり、その長方形のかたちに電子ビームが外部に照射されるような構造であってもよい。
また、以上の実施形態1〜5において、水蒸気および溶液の供給を断続的に行うこととしてもよい。水蒸気80の吹き付けは、処理対象物80の表面への微粒子の付着を弱めることを主目的とし、また、液滴83の吹き付けは、物理的力で微粒子をとばすことを主目的としている。そこで、付着の強度が強い微粒子の場合は、水蒸気80の吹き付けのみを十分な時間行って、水蒸気80を効率的に微粒子に作用させる必要がある。このように水蒸気80の吹き付けと液滴83の吹き付けとを断続的に行うことで、効率良く微粒子を除去することが可能となる。
1〜6…表面処理装置、10…電子ビーム照射部、11…真空容器、12…カソード、13…高電圧発生部、14…窓、21…水蒸気発生器、22,23…配管、31…モータ、32…試料台、41…溶液タンク、42〜46…配管、50…ノズル、51,52,53…配管、54…ヒータ、60…ノズル、61,62,63…配管、64…シールド部、70…ノズル、71,72,73…配管、74…吹き出し口、80…水蒸気、81…不活性ガス、82…溶液、83…液滴、84…圧力ガス、85…不純物ガス、90…処理対象物。

Claims (11)

  1. 処理対象物の表面を処理する装置であって、
    水蒸気を前記処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、
    前記水蒸気供給部により供給される水蒸気に電子ビームを照射して前記水蒸気を活性化する電子ビーム照射部と、
    を備え、
    前記電子ビーム照射部が電子ビームを直接には前記処理対象物に照射しない、
    ことを特徴とする表面処理装置。
  2. 処理対象物の表面を処理する装置であって、
    水蒸気を前記処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、
    前記水蒸気供給部により供給される水蒸気と混合させるように溶液を噴霧する溶液噴霧部と、
    前記水蒸気供給部により供給される水蒸気および前記溶液噴霧部により噴霧された溶液に電子ビームを照射して前記水蒸気および前記溶液を活性化する電子ビーム照射部と、
    を備え、
    前記電子ビーム照射部が電子ビームを直接には前記処理対象物に照射しない、
    ことを特徴とする表面処理装置。
  3. 処理対象物の表面を処理する装置であって、
    水蒸気を前記処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、
    前記水蒸気供給部により供給される水蒸気に電子ビームを照射して前記水蒸気を活性化する電子ビーム照射部と、
    前記電子ビーム照射部により電子ビームが照射された水蒸気と混合させるように溶液を噴霧する溶液噴霧部と、
    を備え、
    前記電子ビーム照射部が電子ビームを直接には前記処理対象物に照射しない、
    ことを特徴とする表面処理装置。
  4. 処理対象物の表面を処理する装置であって、
    水蒸気と噴霧状態とした溶液とを共通のノズルの出口から前記処理対象物の表面に供給する水蒸気供給部と、
    前記水蒸気供給部により供給される水蒸気および溶液に電子ビームを照射して前記水蒸気および前記溶液を活性化する電子ビーム照射部と、
    を備え、
    前記電子ビーム照射部が電子ビームを直接には前記処理対象物に照射しない、
    ことを特徴とする表面処理装置。
  5. 前記ノズルの出口の温度を50℃〜200℃とする温度調整手段を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の表面処理装置。
  6. 前記水蒸気の温度を100℃〜200℃として前記水蒸気を前記処理対象物の表面に供給することを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
  7. 噴霧状態とした前記溶液の温度を50℃〜200℃として前記溶液を前記処理対象物の表面に供給することを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
  8. 前記電子ビーム照射部から出力され前記水蒸気を透過した電子ビームおよび該電子ビーム照射により発生したX線を吸収するシールド部を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
  9. 前記溶液を噴霧する際に不活性ガスを用いることを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
  10. 前記水蒸気供給部における水蒸気吹き付け口の外周に設けられ不活性ガスを供給するガス供給管を更に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
  11. 前記水蒸気の供給および前記溶液の供給を断続的に行うことを特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の表面処理装置。
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