JP5308061B2 - 配管路のシール方法 - Google Patents

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Description

本発明は、配管路(例えば、ガス管などの気体供給または輸送用配管路)の漏洩部(ネジ継手部など)をシールするのに有用なシール方法に関する。特に、閉管路を形成するガス管の漏洩箇所からのガスの漏洩を抑制又は抑止するのに有用なシール方法に関する。
ガス管からガスの漏洩を防止するため、管内に液滴状や気泡状封止剤を導入する方法が知られている。しかし、これらの方法では、封止剤の到達距離が限定されるため、配管路を有効にシールできない。特開平11−140423号公報(特許文献1)には、ウレタン系樹脂プレポリマーと、溶剤及び/又は可塑剤と、噴射剤とを含む配管用スプレーシール剤組成物、およびこの組成物を噴射させて漏洩部分に浸透させて硬化させる配管の修繕方法も記載されている。しかし、この方法では、噴射によるシール剤の飛散距離が2m程度と短いため、長い管路に対して適用できない。
特開2002−356670号公報(特許文献2)には、配管内のガス流とともに流通可能であり、かつ反応又は体積膨張により漏洩部を閉塞可能な封止性化合物で構成されているシール剤をガス配管内のガス流とともに流通させて、漏洩部からのガスの漏洩を抑制する方法が開示されている。この文献にはシール剤として、湿気反応硬化型成分、ラジカル重合硬化型成分、カチオン重合硬化型成分などを例示している。しかし、この文献の方法では、ガスの漏洩部においてシール剤を反応させる必要があるので、温度が低い場合、ガスの漏洩部を有効にシールできない場合がある。また、反応性モノマーに応じてモノマー濃度や温度あるいは重合開始剤の量などを調整する必要があり、シール手順が煩雑になる虞がある。
特開2006−342337号公報(特許文献3)には、必要により低級アルコールなどの吸収促進剤とともに、シクロヘキセンオキシドなどの封止性化合物をガス配管内にガス流とともに流通させ、配管の漏洩部のシール剤に封止性化合物を吸収させて蓄積し、漏洩部をシールすることが記載されている。この文献には、封止性化合物の濃度は0.1〜15000ppm(体積基準)であってもよく、濃度0.1〜500ppm(体積基準)で封止性化合物を流通させて漏洩部をシールできることが記載され、実施例1ではシクロヘキセンオキシドを濃度13000ppm(体積基準)で、実施例2ではアセチルアセトンを濃度7000ppm(体積基準)で、1日流通させたことが記載されている。しかし、この方法では、配管路(閉管路を含む)の漏洩部を短時間内に有効にシールできない場合がある。
特開平11−140423号公報(特許請求の範囲) 特開2002−356670号公報(特許請求の範囲、段落番号[0014]、[0019]) 特開2006−342337号公報(特許請求の範囲、段落番号[0069]、実施例1及び2)
従って、本発明の目的は、配管路(閉管路を含む)の漏洩部(又は漏洩箇所)を短時間内に簡便にかつ効率よくシール(閉塞)できる方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、温度などの変動の有無に拘わらず、配管の漏洩部[例えば、継手部(ネジ継手部など)の漏洩部]を確実にシールできるシール方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、配管路の封止には封止剤を含むガス流の圧力が漏洩部のシール性に大きく影響すること、所定の圧力で封止剤をガス流とともに供給すると、漏洩部の残存封止剤に対する吸収性が大きく向上し、温度などの変動に拘わらず短時間内に簡便にかつ効率よく漏洩部を確実にシールできることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、配管内に供給ガス流とともに封止剤を2.5kPa以上の圧力で流通させ、配管路の漏洩部をシールする。この方法において、封止剤を含むガス流の圧力は5kPa以上、例えば、10〜25kPa程度であってもよい。なお、封止剤の濃度は100〜20000ppm(例えば、500〜17500ppm)程度であってもよい。この方法において、封止剤の体積基準濃度は、1500〜17500ppm(例えば、2000〜17500ppm)程度であってもよく、2500〜15000ppm(例えば、3000〜15000ppm)程度であってもよい。また、封止剤は、エポキシ基を有する化合物および複数のケトン基を有する化合物から選択された少なくとも1種で構成できる。封止剤は、沸点50℃以上であり、かつ20℃での蒸気圧が5000Pa以下の化合物で構成してもよい。前記封止剤は、例えば、C5−10シクロアルケンオキシド類、ヒドロキシC3−10アルケンオキシド類、およびβ−C5−10アルカンジオン類から選択された少なくとも1種の化合物(封止性化合物)で構成できる。前記封止剤は、C1−4アルカノール類と組み合わせて構成してもよい。すなわち、前記封止性化合物と供給ガス流とともにC1−4アルカノール類を流通させてもよい。本発明のシール方法では、閉管路を形成するガス配管(例えば、循環可能な閉管路)内に供給ガス流とともに封止剤を流通させ、ガス配管路の漏洩部に残存する残存シール剤に封止剤を吸収させて前記漏洩部をシールしてもよい。
なお、ガス管からのガスの漏洩は、ガス管を配設してシールする部分のシール剤(又は目止め剤、通常、ネジ継手をシールするネジシール剤)が、減容又は体積減少(すなわち、残存したシール剤が減容)したり、シール箇所(通常、ネジ継手部)に圧力が作用してシールされている箇所から剥離するなどの原因により、配管に隙間が形成されることにより生じる場合が多い。このような配管路に対して本発明の方法を適用すると、配管の漏洩部の残存シール剤に対して封止剤を直接的(及び選択的)に効率よく吸収させて蓄積できる。そのため、残存シール剤と反応させる必要はなく、低温であっても有効にシールできる。
なお、本明細書において、配管の「漏洩部」とは、少なくとも予め配管に施されているシール剤(例えば、配管のネジ継手部をシールするシール剤)が、収縮(体積減少)している箇所(又は残存シール剤が存在している箇所)や剥離している箇所などを意味し、配管(配管のネジ継手部)とシール剤との間に隙間[配管のシール部分(例えば、継手部など)の隙間]が生じていればよく、必ずしもガスが漏洩していなくてもよい。
本発明の方法では、所定の条件で封止剤を供給するため、配管路(閉管路を含む)の漏洩部(又は漏洩箇所)を短時間内に簡便にかつ効率よくシール(閉塞)できる。また、残存シール剤に対して反応する必要がないため、温度などの変動の有無に拘わらず、配管の漏洩部[例えば、継手部(ネジ継手部など)の漏洩部]を確実にシールできる。
本発明のシール方法は、封止剤(又は補修剤)を配管内に供給ガス流とともに流通させ、配管の漏洩部を閉塞(抑止又は封止)する。封止剤は、配管の漏洩部[詳細には、残存シール剤と配管(配管のネジ継手部)との間に形成された隙間]に残存する残存シール剤に、吸収されて蓄積することにより前記漏洩部を閉塞するようである。また、前記封止剤は、配管内で流通している供給ガス(例えば、都市ガスなど)とともに流通可能である。すなわち、封止剤は、代表的には、常温常圧において蒸気圧を有しており、通常、気体状態の供給ガスとともに流通可能である。また、封止剤は、通常、残存シール剤に接触して吸収されたのち、残存シール剤から脱離することなく蓄積する性質を有している。
このような封止剤は、前記特許文献3(特開2006−342337号公報)に詳細に記載されており、本発明でも前記特許文献3に記載されているシール剤又は封止性化合物が使用できる。封止剤は、通常、エポキシ基を有する化合物および複数のケトン基を有する化合物から選択された少なくとも1種の化合物で構成されている。好ましい封止剤としては、シクロアルケンオキシド類(例えば、C5−10シクロアルケンオキシド類、好ましくはC5−8シクロアルケンオキシド類など)、ヒドロキシアルケンオキシド類(例えば、ヒドロキシC3−10シクロアルケンオキシド類、好ましくはヒドロキシC3−6シクロアルケンオキシド類など)、β−脂肪族ジケトン類[β−アルカンジオン類(例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオンなどのβ−C5−10アルカンジオン類、好ましくはβ−C5−8アルカンジオン類など)など]などが例示できる。また、好ましい封止剤は、高沸点化合物、例えば、沸点50℃以上(例えば、50〜300℃)、好ましくは80℃以上(例えば、80〜250℃)、さらに好ましくは100℃以上(例えば、100〜220℃)、特に120〜200℃程度の化合物である。さらに、封止剤を蓄積させるため、封止剤は、比較的小さい蒸気圧、例えば、20℃での蒸気圧5000Pa以下(例えば、30〜5000Pa)、好ましくは40〜3000Pa(例えば、50〜2000Pa)、さらに好ましくは60〜1500Pa(例えば、80〜1000Pa)程度の封止剤を用いるのが有利である。特に、前記シクロアルケンオキシド類などの蒸気圧は、20℃において、例えば、500〜5000Pa、好ましくは600〜4000Pa、さらに好ましくは700〜3000Pa(例えば、750〜2500Pa)程度であってもよい。また、封止剤は、供給ガスと共に流通するため、供給ガスとともに燃焼(完全燃焼)可能であるのが好ましい。これらの封止剤は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
さらに、封止剤は、残存シール剤に対する封止剤の吸収を促進するための吸収促進剤と組み合わせて使用してもよい。代表的な吸収促進剤としては、慣用の溶媒、例えば、炭化水素類(脂肪族炭化水素類、脂環族炭化水素類、芳香族炭化水素類)、アルコール類[アルカノール類(例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、イソアミルアルコール、オクタノール、デカノールなどのC1−10アルカノール、好ましくはC1−6アルカノールなど)などの脂肪族アルコール類;シクロアルカノール類(例えば、シクロペンタノール、シクロヘキサノールなどのC5−8シクロアルカノールなど)などの脂環族アルコール類など]、エーテル類[ジアルキルエーテル類などの鎖状エーテル類;ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテル類など]、ケトン類[ジアルキルケトン類などの脂肪族ケトン類;シクロアルカノン類など]、エステル類な(酢酸エチルなど)どが挙げられる。吸収促進剤は、単独で又は2種以上組みあわせて使用してもよい。吸収促進剤の沸点は、例えば、30℃以上(例えば、35〜250℃)、好ましくは40℃以上(例えば、45〜200℃)、さらに好ましくは50℃以上(例えば、55〜150℃)、特に55℃以上(例えば、60〜120℃)程度であってもよい。
好ましい吸収促進剤は、残存シール剤の種類にもよるが、アルコール類[例えば、C1−4アルカノール(メタノール、エタノール、ブタノールなど)などのアルカノール類]である。
前記封止剤と吸収促進剤とを用いる場合、封止剤と吸収促進剤とを混合して用いてもよく、例えば、封止剤の供給に先立って吸収促進剤を予め供給するなどの態様で、個別に又は分離して用いてもよい。封止剤と吸収促進剤との使用割合は、前者/後者(重量比)=90/10〜1/99、好ましくは70/30〜2/98、さらに好ましくは50/50〜3/97、特に30/70〜5/95程度であってもよい。
なお、吸収促進剤は、供給ガスとともに流通可能であればよく、残存シール剤に吸収されて蓄積(又は残留)してもよく、残存シール剤に封止剤が吸収された後、残存シール剤から揮散又は脱離してもよい。また、吸収促進剤の蓄積の形態は、残存シール剤に対する吸着(物理吸着、化学吸着など)などであってもよく、残存シール剤に対して反応して蓄積してもよい。さらに、必要であれば、他の成分、例えば、特開2002−356670号公報に記載の封止性化合物(例えば、シランカップリング剤、シアノアクリレート類、イソシアネート類、(メタ)アクリル系モノマー、ビニルエーテル類、カチオン重合性オレフィン、シクロアルカン類、ラクトン類、ラクタム類、環状エーテル類、環状スルファイド類、環状イミン類など)、反応又は重合開始剤などを含む封止剤を使用してもよい。
なお、残存シール剤を構成するシール剤(又はネジシール剤)としては、特に限定されず、慣用のシール剤、例えば、フェノール樹脂系シール剤(フェノール樹脂をベース又は構成成分とするシール剤、以下同じ)、エポキシ樹脂系シール剤、アクリル樹脂系シール剤、ゴム系シール剤(シリコーン変性オレフィン系樹脂などのゴム変性樹脂など)などが例示できる。なお、封止剤は、特に、フェノール樹脂系(又はフェノール樹脂をベースとする)シール剤に吸収および蓄積されやすいようである。フェノール樹脂系シール剤において、フェノール樹脂は、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などであってもよいが、通常ノボラック樹脂である。なお、ノボラック樹脂は、酸触媒の存在下、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール、トリメチルフェノール、エチルフェノールなどのC1−4アルキルフェノール、ジヒドロキシベンゼン、レゾルシノール、ナフトールなど)とアルデヒド類(例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒドなどの脂肪族アルデヒド、ベンズアルデヒドなどの芳香族アルデヒドなど)との反応により得られる。
残存シール剤(例えば、フェノール樹脂系シール剤)は、種々の添加剤、例えば、安定剤(酸化防止剤など)、充填剤[鉱物質物質(例えば、タルク、マイカなど)、金属酸化物(アルミナ、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタンなど)など]、着色剤(カーボンブラックなど)、難燃剤などを含んでいてもよい。残存シール剤は、これらの添加剤を単独で又は2種以上組み合わせて含んでいてもよい。これらの添加剤の割合は、残存シール剤(又はネジシール剤)全体に対して、1〜80重量%、好ましくは5〜70重量%、さらに好ましくは10〜60重量%程度であってもよく、通常20〜75重量%(例えば、30〜65重量%)程度であってもよい。
本発明では、配管内にガス流とともに前記封止剤を所定の圧力で流通させる。封止剤(又は補修剤)を含むガス流の圧力は、2.5kPa以上(例えば、3〜30kPa)、好ましくは3.5kPa以上(例えば、4〜30kPa)、特に5kPa以上(例えば、6〜30kPa)程度の範囲から選択できる。なお、ガス流の圧力が低すぎると漏洩部の封止に指数関数的に長時間を要する。そのため、封止剤(又は補修剤)を含むガス流の圧力は、7〜25kPa、好ましくは10〜23kPa(例えば、12〜20kPa)程度であってもよく、10〜25kPa(例えば、10〜20kPa)程度であってもよい。なお、5kPa以上、特に7.5kPa以上の圧力であれば、漏洩部を短時間内に封止できる。ガス流の圧力が漏洩部のシール性に影響する理由は明確ではないが、残存シール剤が封止剤を一旦吸収すると、封止剤の吸収速度が急激に大きくなるためと思われる。
封止剤を含むガス流を前記圧力で流通させると、封止剤の濃度が低くても漏洩部を有効にシールできる。そのため、封止剤(又は補修剤)の濃度は、体積基準で、広い範囲(例えば、50〜25000ppm程度)、好ましくは100〜20000ppm、さらに好ましくは500〜17500ppm(例えば、750〜15000ppm)程度から選択できる。なお、ガス流の圧力が高いほど、また封止剤濃度が高いほど、漏洩部の封止に有利である。そのため、封止剤(又は補修剤)の濃度は、ガス流の圧力に応じて選択できる。例えば、封止剤の濃度は、通常、100〜3000ppm(例えば、200〜2500ppm)、好ましくは300〜2000ppm(例えば、500〜1800ppm)、さらに好ましくは750〜1500ppm程度であってもよい。このような封止剤濃度はガス流の圧力が高い(例えば、5kPa以上(例えば、5〜30kP程度))場合に利用してもよい。また、封止剤(又は補修剤)の濃度は、体積基準で、1500ppm以上(例えば、1500〜17500ppm)、好ましくは2000〜20000ppm(例えば、2500〜15000ppm)、さらに好ましくは3000〜12000ppm(例えば、4000〜11000ppm)、特に5000〜10000ppm程度であってもよい。このような封止剤濃度はガス流の圧力が小さい(例えば、5kPa未満(例えば、2.5〜5kPa程度))場合に利用してもよい。封止剤の濃度は、上記濃度の下限値と上限値とを適当に組み合わせて選択できる。封止剤の濃度が低すぎると漏洩部の残存シール剤に対する吸収効率が小さく、漏洩部の封止に指数関数的に長時間を要するが、漏洩部の残存シール剤が封止剤を一旦吸収すると、封止剤の吸収速度が急激に大きくなるためか、ガス流を加圧することにより低濃度の封止剤であっても漏洩部を効率よく封止できる。なお、1000ppm以上、好ましくは2000ppm以上、さらに好ましくは3000ppm以上、特に4000ppm以上(特に5000ppm以上)の濃度では、漏洩部を短時間内に封止できる。
本発明では、吸収促進剤を残存シール剤に吸収させて(さらに膨張又は膨潤させて)、残存シール剤に対してより一層選択的に封止剤を吸収させることにより、残存シール剤に対する封止剤の吸収性(選択吸収性)を促進又は向上させて漏洩部をより一層効率よくシールしてもよい。すなわち、前記封止剤とともに、前記吸収促進剤を流通させることにより、残存シール剤に対する前記封止剤の吸収性および蓄積性を向上させることができる。
吸収促進剤の割合(供給割合、流通割合)は、ガス流全体(ガスと封止剤との総量)に対して、体積基準で、0.1〜200000ppm(例えば、0.1〜100000ppm)、好ましくは0.5〜50000ppm、さらに好ましくは1〜30000ppm(例えば、10〜20000ppm)程度であってもよい。さらに、封止剤と吸収促進剤との割合(供給割合、流通割合)は、例えば、前者/後者(体積比)=90/10〜1/99、好ましくは70/30〜3/97、さらに好ましくは60/40〜4/96(例えば、50/50〜5/95)程度であってもよく、40/60〜5/95(例えば、30/70〜6/94)程度であってもよい。
本発明の方法は、気体を流通させる種々の管体(又は配管)、特に都市ガスなどのガス管に適用でき、配管は1つの流路に限らず複数の流路を有する分岐管であってもよい。配管の種類は特に限定されず、種々の配管又は管路(例えば、平均内径15〜100mmφ程度の管体)に有効に適用できる。特に、シール剤との間に隙間が生じやすい配管、例えば、本管から分岐した枝管の継手部(例えば、微小のガス漏れが生じやすいネジ継手部など)を有する管体又は管路に有効に適用でき、ガスの漏洩を有効に抑止又は防止できる。
本発明は、閉管路を形成するガス管のガス流を利用して漏洩部をシールするのに有効である。すなわち、閉管路を形成するガス配管内に供給ガス流(又は都市ガス流)とともに封止剤(必要により吸収促進剤)を流通(又は循環)させ、ガス配管路の漏洩部に残存する残存シール剤に封止剤を吸収させて蓄積させることにより、前記漏洩部を閉塞するのに有効であり、ガス管などからの漏洩箇所を探索して掘削し、ガス管を補修(復元)するなどの手間を省略することができる。
本発明の方法において、配管内のガス流の種類は特に制限されず、非燃焼性ガス(空気、不活性ガス(窒素、ヘリウムなど)など)であってもよく、配管路内に供給される供給ガス(都市ガスなどの燃焼性ガス)であってもよい。
前記閉管路は、種々の建造物(例えば、デパートなどの商用ビル、コンドミニアム又はマンションなどの集合住宅など)などに敷設された閉鎖系でループ状の配管路であってもよい。このような閉管路は、ガス流の入口と出口とを連結管(又はループ配管)で接続することにより形成でき、形成された閉管路の適所からガス流とともに封止剤(及び必要により吸収促進剤)を流通又は循環させることにより閉管路の漏洩部を有効にシールできる。閉管路においては、封止剤を循環させて管路内に封止剤を充満させ、圧力や流量を検出し、漏出した封止剤の分(流量変動分)だけを補充してもよい。
この方法において、供給ガス(都市ガスなどの燃焼性ガスの供給)を停止することなく、広域の漏洩部(ガス漏洩部など)をシールしてもよいが、短時間内に漏洩部をシールするためには、必要により吸収促進剤とともに封止剤を流通させるのが有利である。特に、定期点検時や漏洩箇所が多いなどの非常時などにおいては、供給ガス(都市ガスなどの燃焼性ガスの供給)を一時的に停止し、封止剤を供給することにより、短時間内に漏洩部をシールするのが有効である。
さらに、封止剤(必要により吸収促進剤)は配管の適所からガス流に供給でき、メータボックスなどの機器の上流側であってもよいが、機器の下流側、特に、配管路(特に閉管路)又は配管系の圧力を一括して管理(検出)する圧力検出用の検圧孔から供給してもよい。なお、検圧孔を利用すると、家庭でのガス流量が6m/hr程度であるのに対して、流量10〜150m/hr、好ましくは30〜120m/hr(例えば、50〜100m/hr)程度で多量の封止剤を供給できる。検圧孔からのガス流量は10〜50m/hr(例えば、20〜50m/hr)程度であってもよい。なお、検圧孔は配管路のうち業務用ガスメータの下流側に形成されている場合が多い。
なお、前記封止剤は、配管に対して所定の期間(例えば、6時間〜50日間、特に10時間〜2週間程度)に亘り定常的(又は連続的)に流通(又は添加)させてもよく、断続的に又は間欠的に流通させてもよい。また、吸収促進剤は、ガス流に封止剤が存在している状態で供給してもよく、封止剤の非存在下で供給してもよい。封止剤と吸収促進剤とは、予め混合してガス流に供給(又は添加)してもよく、封止剤と吸収促進剤とを個別に配管内に供給してもよい。好ましい態様では、吸収促進剤が供給を停止すると残存シール剤から徐々に脱離する性質を有していることを利用して、吸収促進剤は、封止剤の供給にオーバーラップさせて供給してもよい。封止剤及び吸収促進剤は、それぞれ、連続的に流通させてもよく、間欠的に供給してもよい。なお、封止剤及び吸収促進剤は、それぞれ、必要に応じて、配管を加熱又は加温しながら流通させてもよい。
間欠的に供給する場合、封止剤又は吸収促進剤をガス流に供給又は添加する回数(あるいは供給又は添加を停止する回数)は、2回以上(例えば、2〜100回程度)、好ましくは2〜50回(例えば、2〜30回)、さらに好ましくは3〜15回(例えば、4〜10回)程度であってもよい。
封止剤及び吸収促進剤について、供給時間と停止時間(第n回目に封止剤を供給する期間と、第n回目に封止剤の供給を停止する期間)との割合は、例えば、前者/後者=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは70/30〜30/70(例えば、60/40〜40/60)程度であってもよい。
本発明では、ガス漏れを抑止又は防止できる。そのため、本発明のシール方法は、種々の配管路(ガス管、例えば、広範囲に配管された都市ガス又は燃料ガスの配管路(管体又は管路)など)、特に、閉鎖系でループ状の閉管路のシールに有効に適用できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
なお、実施例および比較例では、フェノール樹脂と無機成分(タルク/二酸化チタン/カーボンブラック(重量部)=23.5/3.0/6.1)とを、前者/後者=50.5/48.5(重量部)の割合で含むフェノール樹脂系ネジシール剤を使用した。
(実施例1)
建物を模擬して配管し、かつフェノール樹脂系ネジシール剤を用いてシールした配管継手部に5ml/分程度のガス漏れを生じさせた。室温で、密閉容器中の封止剤(シクロヘキセンオキサイド)にバブリングさせ、封止剤濃度が約1000ppm(体積基準)の空気を、圧力2.5〜20kPaで配管路内に連続的に供給した(流量約6m/hr)。なお、シクロヘキセンオキサイドの濃度はバブリングの程度により調整した。そして、ガス漏れがなくなるまでの日数を測定したところ、図1に示す結果を得た。図1に示すように、封止剤(シクロヘキセンオキサイド)を含むガス流の圧力を大きくすることにより、漏洩抑止が見られるまでの日数が、比例関係以上に短縮される。
(実施例2)
建物を模擬して配管し、かつフェノール樹脂系ネジシール剤を用いてシールした配管継手部に5ml/分程度のガス漏れを生じさせた。室温で、密閉容器中の封止剤(シクロヘキセンオキサイド)にバブリングさせ、封止剤濃度(体積基準)の異なる空気(封止剤濃度500〜10000ppm)を、約2.5kPaの圧力で配管路内に連続的に供給した(流量約6m/hr)。なお、シクロヘキセンオキサイドの濃度はバブリングの程度により調整した。そして、ガス漏れがなくなるまでの日数を測定したところ、図2に示す結果を得た。図2に示すように、封止剤(シクロヘキセンオキサイド)の濃度を大きくすることにより、漏洩抑止が見られるまでの日数が、比例関係以上に短縮される。
図1は実施例1の結果を示すグラフである。 図2は実施例2の結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 配管内にガス流とともにエポキシ基を有する化合物および複数のケトン基を有する化合物から選択された少なくとも1種の封止剤を10〜25kPaの圧力で流通させ、ガス配管路の漏洩部に残存する残存シール剤に封止剤を吸収させて前記漏洩部をシールする方法。
  2. 封止剤を体積基準濃度100〜20000ppmで流通させる請求項1記載のシール方法。
  3. 封止剤を体積基準濃度1500〜17500ppmで流通させる請求項1又は2記載のシール方法。
  4. 封止剤を体積基準濃度2500〜15000ppmで流通させる請求項1〜3のいずれかに記載のシール方法。
  5. 封止剤が、沸点50℃以上、および20℃での蒸気圧5000Pa以下の化合物で構成されている請求項1〜4のいずれかに記載のシール方法。
  6. 封止剤が、C5−10シクロアルケンオキシド類、ヒドロキシC3−10アルケンオキシド類、およびβ−C5−10アルカンジオン類から選択された少なくとも1種の化合物で構成されている請求項1〜5のいずれかに記載のシール方法。
  7. さらに、供給ガス流とともにC1−4アルカノール類を流通させる請求項1〜6のいずれかに記載のシール方法。
  8. 閉管路を形成するガス配管内に供給ガス流とともに封止剤を流通させる請求項1〜7のいずれかに記載のシール方法。
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