JP5307974B2 - 排ガス処理装置 - Google Patents
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Description
しかしながら上記手段にあっては、中和剤の注入により生成した中和塩は微細な粒子であることから、電気集塵装置や排煙脱硫装置の吸収塔で捕集され難く、このため電気集塵装置の容量を大きくし、又は上記吸収塔を大型化する必要があり、プラントの設置面積が増大するとともに設置コストも高くなるという問題があった。
上記特許文献1の技術においては、湿式排煙脱硫装置の吸収塔入口に荷電装置を設けるとともに、排ガス中にアンモニア等の中和剤を注入して排ガス中のSO3を中和させるための中和剤注入手段及び加圧スプレーを上記荷電装置の前流側に設置して、煤塵及び硫安((NH4)2SO4)等の中和塩に荷電し、加圧スプレーから微細液滴を噴霧して微細粒子を肥大化させ、湿式排煙脱硫装置の吸収塔で上記煤塵及び硫安((NH4)2SO4)等の中和塩
を高効率で捕集可能としている。
(1)上記排煙脱硫装置出口のSO3濃度を検出するSO3濃度検出手段と、該SO3濃度検出手段からのSO3濃度の検出値に基づき上記荷電・吸着手段への上記固体粒子の供給量を制御する固体粒子供給量制御手段を備える(請求項2)。
(1)上記排ガス降温手段は、上記電気集塵装置の前流側の排ガスと冷却媒体とを熱交換して該排ガスを降温させることにより排ガス熱を回収する熱回収器からなる(請求項3)。
(2)上記排ガス降温手段は、上記電気集塵装置の前流側の排ガス中に冷却流体を噴射して該排ガスを降温させる冷却スプレーからなる(請求項4)。
ここで、好ましくは、上記冷却スプレーは、上記冷却流体を上記排煙脱硫装置において生成された濾液で構成する(請求項5)。
これによって、排ガス降温手段で排ガスを、好ましくは150℃から90℃に低下させることによりSO3ガスをSO3フュームに変化させ、荷電・吸着手段において固体粒子に帯電させた帯電固体粒子に上記SO3フュームを吸着させることにより、該帯電固体粒子の粒径を増大させて排煙脱硫装置に送り込むことが可能となる。
したがって、上記のようにして粒径が増大した帯電固体粒子を排煙脱硫装置に送り込むことによって、該排煙脱硫装置において帯電固体粒子に吸着したSO3フュームを容易に捕集することができる。
図1は本発明の第1実施形態に係る重油焚きボイラの排煙脱硫式排ガス処理装置の系統図である。
図1において、4はボイラ(図示省略)から排ガス管10を通して通流する排ガス中のNOxを除去する脱硝装置、5は上記ボイラの燃焼用空気を予熱するエアヒータである。3は上記エアヒータ5を経た排ガスを冷却する(降温する)排ガス降温手段で、この実施形態では上記排ガスと冷却媒体とを熱交換して該排ガスを降温させることにより排ガス熱を回収する熱回収器31にて構成される。
2は排ガスを除塵する電気集塵機、1は該電気集塵機2で除塵した排ガス中の硫黄分(SO2,SO3)を除去する排煙脱硫装置、6は該排煙脱硫装置1で浄化した排ガスを大気中に排出する煙突である。
7は後述するような固体粒子を貯留する固体粒子貯留部、9は上記固体粒子に電荷を帯電させて上記電気集塵機2の後流の排ガス管10内に噴出させる荷電装置、8は上記固体粒子貯留部7内の固体粒子を上記荷電装置9に搬送する搬送ファンである。
このようにすれば、荷電装置9において電荷を帯電させる固体粒子として、NaHSO 3 ,CaO,CaCO 3 等を利用することができる。
一方、NaHSO 3 ,CaO,CaCO 3 等からなる固体粒子は固体粒子貯留部7に収容され、上記搬送ファン8が駆動されると、該固体粒子は該搬送ファン8により後述する固体粒子供給量制御装置12で制御された所要量、上記荷電装置9に送り込まれる。
上記電気集塵機2後流の排ガス中のSO3は、上記排ガス降温手段3の熱回収器31での冷却によってSO3フュームに変化しており、前荷電装置9では電荷を帯電させた帯電固体粒子を、上記SO3フュームを含む排ガス中に噴出させ、該帯電固体粒子に上記SO3フュームを吸着させることにより、該帯電固体粒子の粒径を増大させて排煙脱硫装置1に送り込むことが可能となる。
以上のようにして粒径が増大した帯電固体粒子を排煙脱硫装置1に送り込むことによって、該排煙脱硫装置1において帯電固体粒子に吸着したSO3フュームを容易に捕集することができる。
この第2実施形態においては、上記エアヒータ5を経た排ガスを冷却する(降温する)排ガス降温手段3を、上記電気集塵機2の前流側の排ガス中に冷却流体を噴射して該排ガスを降温させる冷却スプレー32にて構成している。該冷却スプレー32には上記排煙脱硫装置1において生成された濾液が濾液管13を通して導入され、該冷却スプレー32から排ガス中に濾液を噴出せしめて降温させている。
このようにすれば、上記冷却スプレー32の冷却流体として排煙脱硫装置1において生成された濾液を有効利用することができる。
その他の構成及び効果は、図1に示される第1実施形態と同様であり、これと同一の部材、要素は同一の符号で示す。
この第1参考形態においては、排ガス管10の上記排煙脱硫装置1の入口部位にプレチャージャ(荷電・吸着手段)15を設置している。該プレチャージャ15は、上記排ガス降温手段3を構成する熱回収器31で90℃程度まで降温させることにより生成されたSO3フュームに電荷を帯電させ、帯電SO3フュームを微細液滴に吸着して排煙脱硫装置1に送り込み、該排煙脱硫装置1においてSO3を除去するように構成している。
すなわち、該プレチャージャ制御装置16においては、上記SO3濃度の検出値が増加すると荷電電流値を増加してプレチャージャ15への荷電電流を大きくし、上記プレチャージャ15におけるSO3フュームの帯電量を増加してSO3の除去作用を促進する。一方、上記SO3濃度の検出値が減少すると荷電電流を小さくしてSO3フュームの帯電量を減少し、SO3の除去作用を緩慢にする。
このように構成すれば、SO3濃度センサ11とプレチャージャ制御装置16とを組み合わせて用いることにより、SO3濃度の除去状態をモニターしながら、SO3フュームの荷電電流を調整できるので、常時SO3濃度を制限濃度以下に精度よく保持することができる。
その他の構成及び効果は図1に示される第1実施形態と同様であり、これと同一の部材、要素は同一の符号で示す。
この第2参考形態においては、上記エアヒータ5を経た排ガスを冷却する(降温する)排ガス降温手段3を、上記第3実施形態における排ガス熱回収器31に代えて、上記電気集塵機2の前流側の排ガス中に冷却流体を噴射して該排ガスを降温させる冷却スプレー32にて構成している。
その他の構成及び効果は図3に示される第1参考形態と同様であり、これと同一の部材、要素は同一の符号で示す。
この第3参考形態においては、図4に示される第2参考形態に対し、排ガス降温手段3を構成する冷却スプレー32を、上記電気集塵機2の後流側に設置し、電気集塵機2で除塵後の排ガス中に冷却流体を噴射して該排ガスを降温させるように構成している。
その他の構成及び効果は図4に示される第2参考形態と同様であり、これと同一の部材、要素は同一の符号で示す。
各計測結果に明らかなように、AH後流(1)に対して、脱硫後流(4)おけるSO3量が大幅に減少している。
2 電気集塵機
3 排ガス降温手段
4 脱硝装置
5 エアヒータ
7 固体粒子貯留部
8 搬送ファン
9 荷電装置
10 排ガス管
11 SO3濃度センサ
12 固体粒子供給量制御装置
15 プレチャージャ
16 プレチャージャ制御装置
31 熱回収器
32 冷却スプレー
Claims (5)
- 排ガス源と排ガス中の硫黄分を除去する石灰石を吸収剤とする湿式排煙脱硫装置との間の排ガス通路に、排ガスを除塵する電気集塵装置を設けた排ガス処理装置において、上記排ガス通路の上記電気集塵装置の入口側又は出口側のいずれか一方に、上記排ガスの温度を該排ガス中のSO3ガスがSO3フュームに変化する温度まで降温させる排ガス降温手段を設けるとともに、該排ガス降温手段及び上記電気集塵装置と、上記湿式排煙脱硫装置との間に、固体粒子に電荷を帯電させてなる帯電固体粒子に上記排ガス降温手段からのSO3フュームを吸着させる荷電・吸着手段を設けて、上記湿式排煙脱硫装置にSO3フュームが吸着された上記帯電固体粒子を送り込み、SO3を除去するように構成し、上記荷電・吸着手段が、NaHSO 3 ,CaO,CaCO 3 のいずれかの固体粒子に、帯電装置によって電荷を帯電させることにより、上記帯電固体粒子を生成し、該帯電固体粒子を上記湿式排煙脱硫装置に送りこむように構成されていることを特徴とする排ガス処理装置。
- 上記排煙脱硫装置出口のSO3濃度を検出するSO3濃度検出手段と、該SO3濃度検出手段からのSO3濃度の検出値に基づき上記荷電・吸着手段への上記固体粒子の供給量を制御する固体粒子供給量制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
- 上記排ガス降温手段は、上記電気集塵装置の前流側の排ガスと冷却媒体とを熱交換して該排ガスを降温させることにより排ガス熱を回収する熱回収器からなることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
- 上記排ガス降温手段は、上記電気集塵装置の前流側の排ガス中に冷却流体を噴射して該排ガスを降温させる冷却スプレーからなることを特徴とする請求項1に記載の排ガス処理装置。
- 上記冷却スプレーは、上記冷却流体を上記排煙脱硫装置において生成された濾液で構成したことを特徴とする請求項4に記載の排ガス処理装置。
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