JP2014091058A - 排ガス処理装置と排ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボイラなどの石炭を含む燃料の燃焼装置から発生する排ガス中の水銀酸化率を向上させて、水銀の排出量を低減可能な排ガス処理装置と排ガス処理方法の提供である。
【解決手段】石炭を含む燃料を燃焼するボイラ20からの排ガスと空気との熱交換により燃焼装置の燃焼用空気を予熱する空気予熱器4と、水銀を酸化する触媒を担持したバグフィルタ8を内部に有し、空気予熱器4出口の排ガス中の水銀を酸化すると共に排ガス中の煤塵を除去する集塵装置5とを排ガス流路の上流側から順に配置した排ガス処理装置において、空気予熱器4と集塵装置5との間の排ガス流路に、該集塵装置よりも集塵効率の低い低効率集塵装置21を設けることで、大気中に排出される水銀量を低減できる。また、低効率集塵装置21によって集塵装置5に流入する灰の量が減少するため、ファン動力が低減でき、バグフィルタ8の逆洗頻度が低下してバグフィルタ8の寿命が長くなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、石炭類を燃焼した際に発生する排ガス中に含まれる水銀を効率よく除去するための排ガス処理装置に係わり、特に石炭焚ボイラなどの燃焼装置から排出される排ガス中に含まれる水銀を効率的に除去する排ガス処理装置と排ガス処理方法に関するものである。
火力発電所等の石炭を燃料とした場合のボイラの一例を図6に示す。
この排ガス処理装置は主にボイラ20の排ガスダクトの上流側から下流側にかけて、ボイラ20から発生する排ガス中の窒素酸化物を処理するための脱硝装置3、脱硝装置3の出口排ガスの温度を下げるための空気予熱器(A/H)4、A/H4から排出される排ガス中の灰(フライアッシュ)を源とした煤塵等を除去するための集塵装置(バグハウス)5、バグハウス5の出口排ガス中の硫黄酸化物を処理するための湿式脱硫装置6、湿式脱硫装置6の出口排ガスを大気中に排出する煙突7等が順次配置され、これらにより構成されている。
一般に石炭中には、1kg当たり30〜100μgの水銀が含まれており、石炭中の水銀濃度はppbレベルと微量であるが、燃焼によって大気中に放出されると、健康や環境に影響を及ぼす恐れがあるため、排ガス中から高度に除去されなければならない。
ボイラ20からの排ガス中のガス状の金属水銀の一部は、ボイラ20の後部伝熱部2、脱硝装置3の脱硝触媒などで酸化されて酸化状水銀(酸化水銀)となる。酸化水銀は、固体の表面に付着しやすく、水溶液に吸着されやすいため、バグハウス5などの集塵装置や湿式脱硫装置6などで除去することができる。しかし、酸化されなかった金属水銀が集塵装置5や湿式脱硫装置6をすり抜けてしまうという問題がある。
ボイラ20の火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温の排ガスは、後部伝熱部2によって400℃程度に冷却された後、脱硝装置3で脱硝触媒により窒素酸化物(NOx)が分解されて無害なN2に変化する。その後、A/H4で温度がさらに160〜200℃程度になるように冷却された後、バグハウス5で灰が除去される。灰を除去後の排ガスは湿式脱硫装置6に導入され、排ガス中の硫黄酸化物(SOx)が除去された後、煙突7から排出される。
石炭中に含まれる水銀は、ボイラ20の火炉1内で燃焼による高温のために気化し、金属水銀の状態となる。その後、ガス状の金属水銀の一部は排ガス温度の低下に従って徐々に酸化水銀に変化する。酸化水銀は固体(主に未燃カーボン)の表面に付着しやすく、一部は灰粒子に捕捉されて粒子結合水銀となってバグハウス5で除去されるが、それ以外に、酸化水銀自体も水溶性であるため、湿式脱硫装置6で脱硫吸収液などの液相に溶解して除去される。しかし、酸化せずに残存した金属水銀は灰への吸着性に乏しく、かつ難溶性であるため、水銀除去率を向上させるためには、排ガス中の水銀の酸化率を向上させる必要がある。
水銀の主要な酸化形態は塩化水銀(HgCl2)であるため、一般に、石炭中に含まれる塩素(Cl)の量、ひいては排ガス中のCl量が多いほど、排ガス中における水銀酸化率が高くなる。このため、従来の水銀低減技術としては、燃料の石炭又は排ガス中へ塩素化合物を添加して排ガス中のCl濃度を上昇させる方法や、脱硝触媒による水銀酸化の促進等が挙げられる。また、金属水銀を捕捉できる活性炭等の吸着剤を使用する場合もある。
従来、集塵装置として、特に大型の排ガス処理装置のプラントでは電気集塵機が採用されることが多かった。しかし、今後のプラントにおける排ガスの規制強化では、特に粒子状物質の規制値が厳しくなることが予測される。したがって、規制値を達成するためには、より効率の高い集塵装置としてバグフィルタの採用が必要となる場合がある。
図6には、集塵装置としてバグハウス5を示しており、バグハウス5内には底が閉じた円筒状のバグフィルタ8が多数設置されている。バグハウス5に導入された排ガスは、バグフィルタ8の円筒の外側から内側へと通過する際にろ過作用によって灰が除去されて、灰が除去された後のガスはバグハウス5上部の排ガスライン9から排出される。
バグフィルタ8に堆積した灰の層が厚くなり、バグハウス5の入口と出口の差圧(圧力差)が上昇して一定レベルに達すると、圧縮空気ライン10に設置された電磁弁11が開いて圧縮空気がパルス状にバグフィルタ8の円筒内に吹き込まれることにより、空気が瞬間的に高速で逆向きに通過してバグフィルタ8が波打ち、表面に堆積した灰が払い落とされる。この操作を逆洗と呼ぶ。払い落とされた灰はバグハウス5の底部に溜まり、抜き出しライン12から適宜抜き出される。抜き出された灰13は廃棄処分されたり、セメント原料等として利用されたりする。
図2には、触媒の水銀酸化率に対するガス中のHCl(塩化水素)濃度の影響を示したグラフを示し、図3には、触媒の水銀酸化率に対する排ガス温度の影響を示したグラフを示す。測定条件として、電気炉で加熱した反応管内に酸化チタン系の脱硝触媒を設置して実験装置とし、これに模擬ガスを供給した。模擬ガスの組成は、H2O:10%、CO2:12%、O2:3%、Hg:10ng/リットル、SO2:500ppm、HCl:5〜95ppm、残りをN2とした。また、水銀酸化率(%)は、下記(1)式より求めた。
水銀酸化率(%)=(1−触媒出口金属水銀濃度/触媒入口金属水銀濃度)×100 (1)
図2に示すように、触媒による水銀の酸化率は排ガス中のHCl濃度が高いほど高くなり、その結果、水銀除去率も高くなる。排ガス中のHClは石炭中のCl含有量に由来するため、Cl含有量の少ない石炭を燃料とした場合は、脱硝触媒による水銀酸化率が低くなる。
そこで、石炭又は排ガス中へ塩素化合物を添加したり、活性炭等の水銀吸着剤を供給したり、触媒そのものが水銀酸化能力を持っている脱硝触媒を増設したりする方策が採られる場合があるが、これらの方策はコストが高くなるだけでなく、排ガス処理システム全体からの固体廃棄物の増加に繋がってしまう。
これに対し、下記特許文献1や下記特許文献2には、排ガス流路の上流側からボイラ、脱硝装置、エアヒータ、バグフィルタ、湿式脱硫装置等を設置した排ガス処理装置において、排ガス中に含まれる水銀を除去するために、バグフィルタに酸化触媒を担持することで、金属水銀を塩化水銀に酸化させて除去する構成が開示されている。
この構成によれば、集塵装置としてバグフィルタを設置したバグハウスを使用し、バグフィルタとして触媒成分を担持した触媒バグフィルタを適用することにより、脱硝触媒で酸化しきれなかった水銀を触媒バグフィルタで酸化することで、排ガス処理システム全体としての水銀酸化率を向上させ、ひいては水銀除去率を向上させることができる。
図4には、小型装置で実験的に確認した触媒バグフィルタにおける水銀の酸化率及び水銀捕捉率に対する温度の影響を示したグラフを示す。
これは、バグハウスだけを用いて模擬ガスをバグハウスに流した実験の結果であり、前記図2及び図3の測定で使用した装置を使用し、図2及び図3の場合の触媒とは活性成分を変更して酸化能力を強化した酸化チタン系の脱硝触媒を担持した小型の触媒バグフィルタを設置した。模擬ガスの組成は、H2O:10%、CO2:12%、O2:3%、Hg:10ng/リットル、HCl:0.100ppm、残りをN2とした。また、使用した石炭の種類は瀝青炭で、水銀酸化率は上記(1)式により求め、水銀捕捉率は下記(2)式より求めた。なお、全水銀とは、金属水銀+酸化水銀を指す。
水銀捕捉率(%)=(1−出口全水銀濃度/入口全水銀濃度)×100 (2)
図4に示したように、排ガス中のHCl濃度が一定の場合、通常の脱硝触媒の運転温度(300〜400℃)よりも触媒バグフィルタの運転温度(150℃前後)の方が触媒による水銀酸化率が高いため、HCl濃度が低くても高い酸化率が得られる。
触媒バグフィルタにおいては、排ガスがフィルタを通過する際に灰がフィルタ表面に保持されて堆積すると共に、フィルタに担持された触媒によって水銀が酸化する。灰はフィルタ繊維の隙間にも入っており、フィルタを通過する排ガスの速度は分速0.5〜1m程度と遅いため、酸化水銀の一部は灰の堆積層とフィルタの界面で灰に捕捉される。なお、触媒バグフィルタの運転温度が低いほど灰への水銀の吸着性が高まるため、灰による水銀捕捉量は増加する。また、灰による水銀捕捉量が増加するほど、排ガス流路の後流の湿式脱硫装置6へ流入する水銀量が減少することから、脱硫装置6内の脱硫吸収液からの水銀の再放出も抑制することができる。
特開2008−30017号公報 特開2006−205128号公報 特開2006−116526号公報 特開2001−198435号公報
上述の従来技術における触媒バグフィルタを用いた場合は、以下のような問題がある。
まず、装置に関する問題がある。
触媒バグフィルタは、フィルタの繊維の目に触媒成分が詰まっている状態であるため装置の運転時の圧力損失が大きい。したがって、排ガス流路に設けたファンの動力を大きくする必要が生じる。また触媒バグフィルタの差圧の上昇速度が速いと逆洗の間隔も短くなるため、装置のランニングコストが高くなる。更に、触媒バグフィルタの寿命は触媒自体の寿命よりも短いことから、フィルタ交換時に、まだ使用可能な高価な触媒も交換することとなり、経済的ではない。触媒を担持していない通常のバグフィルタを使用して、別途、バグハウスの入口に触媒反応器を設置する方法も考えられるが、設置スペースや設備にかかるコスト等が問題となる。
また、水銀酸化率及び水銀除去率という性能面の問題もある。
図4には、触媒バグフィルタにおける水銀の酸化率及び水銀捕捉率に対する温度の影響を示しており、このときの灰中の酸化カルシウム(CaO)の濃度は5%(質量%、以後同じ)である。この濃度は一般的な石炭のレベルの範囲である。
排ガス中のHCl濃度は触媒バグフィルタを設置したバグハウスの入口で10ppmと低い条件であるが、バグハウスの出口でも7〜9ppmであり大きな変化はない。
水銀酸化率は排ガス温度が100〜220℃の間ではほぼ一定であるのに対し、水銀捕捉率、すなわち触媒バグフィルタ表面における灰による水銀の補捉率(吸着率)は温度が低いほど高くなっている。このことは、バグハウス内の温度が高い場合は、水銀が酸化されてもほとんど灰に捕捉されず、ガス状の酸化水銀としてバグハウスから排出されて後流の湿式脱硫装置に流入することを意味している。
湿式脱硫装置において、酸化水銀は基本的には液相に吸収されて除去されるが、その濃度が高い場合は再放出が起こって煙突からの排出量が増加してしまう。したがって、酸化された水銀であっても、できるだけ脱硫装置への流入量は低減されるべきであり、バグハウス内の温度はできるだけ低温にすることが望ましい。しかし、通常のA/Hの排ガス冷却能力には限界があるだけでなく、火炉へ供給する燃焼用空気の温度を所定値とするため、排ガス処理の点からの理由で制御することはできない。
一方、図5には、灰中のCaO濃度が26%と、比較的CaO濃度が高い石炭(亜瀝青炭)を燃焼した場合について、触媒バグフィルタにおける水銀の酸化率及び水銀捕捉率に対する温度の影響を示した。石炭の種類以外は図4と同じ条件とした。
先の図4と比較すると、140℃よりも低温側で水銀の酸化率及び水銀捕捉率が低くなっている。このとき、バグハウスの入口で10ppmだったHCl濃度は、バグハウス内の反応温度が100℃の場合、バグハウスの出口では1ppmにまで低下していた。このことから、バグハウス内の温度が低い場合は、灰中のCa(カルシウム成分)により排ガス中のHClが一部除去されることによって、触媒に到達するHCl量が極端に減少し、水銀酸化率が低下するためと考えられる。このようにカルシウム成分の含有量が多い石炭(以下、高Ca炭と言う)では、触媒バグフィルタの利点を最大限に発揮することができない場合がある。
なお、上記特許文献3には、下水汚泥の焼却炉の排ガスを800℃以上の高温用サイクロンに導いて焼却灰を分離回収した後、排ガス温度を250℃以下に低下させてろ過式集塵装置でAs(ヒ素)やSe(セレン)などの重金属を除去する構成が開示されており、上記特許文献4には、スクラップの溶解炉から粗粒ダストを分離後、排ガスを間接的に冷却して細粒ダストをろ過式集塵装置で分離する構成が開示されている。
これらの文献では、高沸点のAsやSeやダイオキシンを、灰を捕集する高温の分離装置は通過させて、排ガス流路後流側の低温の集塵機で回収することで、目的物の回収率を上げている。
上記特許文献3や特許文献4で除去対象とされるAsやSe等と比べて、水銀は低濃度でも毒性が高く、高度に除去する必要がある。しかし、水銀は非ガス温度を下げるだけではその除去率を大幅に向上させることは難しい。なぜなら、金属水銀(ボイラ内は高温のため全ての水銀は金属状となる)は吸着性を持たないためである。
本発明の課題は、上述のような従来技術の問題に対して、コストを抑えながら、石炭を含む燃料を燃焼するボイラなどの燃焼装置から発生する排ガス中の水銀酸化率を向上させて水銀の排出量を低減可能な排ガス処理装置と排ガス処理方法を提供することである。
上記課題は、空気予熱器と触媒を担持した触媒バグフィルタを内部に設けた集塵装置との間の排ガス流路に、集塵装置よりも集塵効率の低い低効率集塵装置を設けることで達成される。
また、上記課題は、空気予熱器により低効率集塵装置の入口の排ガス温度を排ガス中のSO3の酸露点を超えるようにし、低効率集塵装置と集塵装置との間の排ガス流路にガスクーラを設置して、集塵装置に導入される排ガス温度を水露点以上、且つ排ガス中のSO3の酸露点以下に調整することにより達成される。
具体的に本発明の課題は、次の手段により解決することができる。
請求項1記載の発明は、石炭を含む燃料を燃焼するボイラを含む燃焼装置から排出する排ガスと燃焼装置に供給する空気とを熱交換して前記排ガスの温度を低下させると共に燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、水銀を酸化する触媒を担持したバグフィルタを内部に有し、前記空気予熱器出口の排ガス中の水銀を酸化すると共に排ガス中の煤塵を除去する集塵装置とを燃焼装置の排ガスダクトの上流側から下流側に順次配置した排ガス処理装置において、前記空気予熱器と前記集塵装置との間の排ガス流路に、前記集塵装置よりも集塵効率が低く、排ガス中の煤塵の一部を除去する低効率集塵装置を設けた排ガス処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記低効率集塵装置と前記集塵装置との間の排ガス流路に、排ガス温度を低下させるガスクーラを設けた請求項1記載の排ガス処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記低効率集塵装置と前記ガスクーラとの間の排ガス流路に、排ガス中の硫黄酸化物を除去する添加剤の供給部を設けた請求項2に記載の排ガス処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記低効率集塵装置と前記添加剤の供給部との間の排ガス流路に、排ガス中のSO3濃度を測定するSO3濃度測定器を設け、前記添加剤の供給部から供給される添加剤の量を調整する調整手段を設け、石炭の灰の分析値から計算されるCaO濃度と前記SO3濃度測定器から測定されるSO3濃度、又は石炭の灰の分析値から計算されるCaO濃度と石炭の灰の分析値から計算されるSO3濃度から排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)を算出し、前記ガスクーラ入口のモル比(CaO/SO3)が1以上となるように、前記調整手段を制御して添加剤の量を調整する添加剤調整機能を有する制御装置を設けた請求項3記載の排ガス処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記添加剤はカルシウム化合物である請求項3又は請求項4に記載の排ガス処理装置である。
請求項6記載の発明は、前記低効率集塵装置の入口の排ガス温度が排ガス中のSO3の酸露点を超えるように前記空気予熱器における熱交換量を調整する熱交換量調整機能と、前記ガスクーラの出口の排ガス温度を水露点以上、且つ排ガス中のSO3の酸露点以下に低下させるガス温度冷却機能とを有する制御装置を設けた請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の排ガス処理装置である。
請求項7記載の発明は、前記低効率集塵装置は、該低効率集塵装置の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が、1を超えて且つ石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵とSO3との質量比未満となる集塵効率を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排ガス処理装置である。
請求項8記載の発明は、前記低効率集塵装置はサイクロン機構を有する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の排ガス処理装置である。
請求項9記載の発明は、石炭を含む燃料を燃焼するボイラを含む燃焼装置から排出する排ガスと燃焼装置に供給する空気とを熱交換することで燃焼用空気を予熱してガス温度が低下した排ガスを、水銀を酸化する触媒を担持したバグフィルタを内部に有する集塵装置に導入して、排ガス中の水銀を酸化させると共に排ガス中の煤塵を除去する排ガス処理方法において、前記集塵装置よりも集塵効率の低い低効率集塵装置を使用して燃焼用空気の予熱後の排ガスから煤塵の一部を除去した後、排ガスを前記集塵装置に導入する排ガス処理方法である。
請求項10記載の発明は、前記低効率集塵装置により排ガスから煤塵の一部を除去した後、前記集塵装置の入口で排ガス温度を低下させる請求項9記載の排ガス処理方法である。
請求項11記載の発明は、前記低効率集塵装置により排ガスから煤塵の一部を除去した後、排ガス中の硫黄酸化物を除去する添加剤を供給してから、前記集塵装置の入口で排ガス温度を低下させる請求項10記載の排ガス処理方法である。
請求項12記載の発明は、前記集塵装置の入口の排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)が1以上となるように添加剤を供給する請求項11記載の排ガス処理方法である。
請求項13記載の発明は、前記添加剤としてカルシウム化合物を使用する請求項11又は請求項12に記載の排ガス処理方法である。
請求項14記載の発明は、前記燃焼用空気を予熱後の排ガス温度が排ガス中のSO3の酸露点を超えるように前記排ガスと燃焼用空気との熱交換量を調整すると共に、前記集塵装置の入口の排ガス温度を水露点以上、且つ排ガス中のSO3の酸露点以下に低下させる請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の排ガス処理方法である。
請求項15記載の発明は、前記低効率集塵装置の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が、1を超えて且つ石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵とSO3との質量比未満となる集塵効率を有する低効率集塵装置を使用する請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の排ガス処理方法である。
請求項16記載の発明は、サイクロン機構を有する低効率集塵装置を使用する請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の排ガス処理方法である。
(作用)
請求項1又は請求項9記載の発明によれば、集塵装置の排ガス流路の上流側に集塵装置よりも集塵効率の低い低効率集塵装置を設置することで、灰中のCaは一部が低効率集塵装置によって除去される。したがって、水銀酸化作用のあるHClの濃度の低下を防止でき、低効率集塵装置の排ガス流路の後流側の集塵装置で触媒バグフィルタによって水銀が効率よく酸化される。
また、低効率集塵装置によって、それより排ガス流路の後流側の集塵装置に流入する灰の量が減少して、触媒バグフィルタの差圧の上昇速度が遅くなり、排ガス流路に設けたファンの動力を低減できる。また触媒バグフィルタの差圧の上昇速度が遅くなることで、触媒バグフィルタの逆洗頻度が低下するため、触媒バグフィルタの寿命を延長できる。
更に、請求項2又は請求項10記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項9に記載の発明の作用に加えて、低効率集塵装置と集塵装置との間の排ガス流路にガスクーラを設けることによって触媒バグフィルタを任意に低温で運転することができる。ガスクーラの通過時に排ガス温度は下がるため、A/H出口よりも低温の排ガスが集塵装置に導入される。触媒の活性が高い温度で触媒バグフィルタを使用することにより、水銀の酸化を促進し、水銀除去率を向上させることができる。
灰中のCa濃度が低い場合は図4に示すように、触媒バグフィルタ表面における灰による水銀の捕捉率は温度が低いほど高いため、集塵装置の内部を低温にすることで低効率集塵装置における水銀の捕捉率が向上する。
また、燃料に高Ca炭を使用した場合は、図5に示すように排ガスの温度が低いと水銀酸化率が低下する場合があるが、Caを含んだ灰の一部が低効率集塵装置によって除去されるため、水銀酸化作用のあるHClの濃度の低下を防止できる。したがって、集塵装置で触媒バグフィルタによって水銀が効率よく酸化され、排ガス流路の後流側の湿式脱硫装置に流入する水銀量が減少するため、脱硫吸収液からの水銀の再放出を低減できる。
また、低効率集塵装置からは比較的水銀濃度の低い灰が回収され、集塵装置からは比較的水銀濃度の高い灰が回収される。
一方、ガスクーラで排ガスの温度を低下させた際に、排ガス中の亜硫酸(SO3)の凝縮によってガスクーラ内の部材、例えば熱媒を内部に有する伝熱管などに灰が付着して閉塞したり、伝熱管が腐食したりする問題も考えられる。この場合は集塵装置に流入する灰の量が減ってしまい、水銀を吸着しきれなくなるおそれが生じる。
しかし、請求項3又は請求項11記載の発明によれば、上記請求項2又は請求項10に記載の発明の作用に加えて、ガスクーラに排ガスが導入される前に添加剤によって排ガス中の硫黄酸化物(主にSO3)を除去することで、集塵装置に流入する灰量の低下を防止でき、ひいては水銀捕捉率の低下を防止できる。
そして、SO3への対応の面からは、ガスクーラで排ガス温度が低下した際、酸露点以下となってSO3がミストとなって凝縮し、ガスクーラ内の伝熱管が腐食しやすくなるため、SO3が灰中のCaによって中和される量の灰を残す必要がある。石炭の種類によっては灰中のCa濃度が1%以下と極端に低く、SO3を中和しきれない場合も考えられる。
請求項4又は請求項12記載の発明によれば、上記請求項3又は請求項11記載に発明の作用に加えて、排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)が1以上になるように供給する添加剤の量を調整することで、ガスクーラで排ガス温度が低下して酸露点以下となっても、SO3が灰中のCaによって中和される。
また、請求項5又は請求項13記載の発明によれば、上記請求項3又は請求項4、請求項11又は請求項12に記載の発明の作用に加えて、カルシウム化合物(以下、Ca化合物と言う)の添加剤によって排ガス中のSO3を除去することで、ガスクーラ内の伝熱管の腐食を抑制できる。また、Ca化合物はべたつきにくく灰が堆積しにくい。更に、アルカリに比べて安価であり、比較的安全で扱いやすい。
また、燃焼装置の低負荷運転時、起動操作時、停止操作時などの際は排ガスの温度が低くなる傾向がある。ガスクーラの出口の排ガス温度が水露点よりも低くなると、集塵装置において水蒸気の凝結が始まり、さらに温度が下がると水となることから、湿った灰が大量に付着して触媒バグフィルタの閉塞などの問題が起こったり、また、水が液状だとSO2やSO3を吸収して酸性となり、腐食の要因となったりする場合がある。
請求項6又は請求項14記載の発明によれば、上記請求項2から請求項5のいずれか1項、請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、低効率集塵装置の入口の排ガス温度が排ガス中のSO3の酸露点を超えるようにし、ガスクーラの出口の排ガス温度を水露点以上、且つ排ガス中のSO3の酸露点以下に低下させることで、上述の触媒バグフィルタの閉塞や腐食等の問題が生じることなく、集塵装置において確実に排ガス中のSO3を灰と共に高効率で除去できる。
石炭に硫黄(S)濃度が高い高S炭を使用した場合は排ガス中のSO3濃度が上昇して酸露点は高くなるが、低S炭(硫黄(S)濃度が1%以下の石炭)を使用した場合でも低効率集塵装置の入口の排ガス温度をSO3の酸露点よりも高くすることで、且つ水銀が吸着されにくくなる。一方、ガスクーラの出口の排ガス温度を水露点以上に低下させることで水銀が灰に吸着されやすくなる。
そして、低効率集塵装置では、粗い粒子や比重の大きい粒子が優先的に除去されるため、低効率集塵装置を抜けて集塵装置に流入する灰粒子は細かいものや比重の小さいものが多くなる。このような低効率集塵装置を抜ける粒子は、未燃カーボンの含有率が高い。
未燃カーボン含有率の高い粒子は比表面積が大きいため、水銀を吸着する能力が高いことから、集塵装置内で水銀を効率良く吸着することができる。しかし、灰の粒径が細かいものばかりになると、触媒バグフィルタの目詰まりが生じやすくなる。
また、低効率集塵装置での集塵効率が高すぎる場合は、ガスクーラ内で排ガス温度を低下させた際にSO3の凝縮によって灰の付着閉塞や伝熱管の腐食が問題となったり、集塵装置に流入する灰の量が減りすぎて水銀を吸着しきれなくなるおそれが生じたりする。したがって、低効率集塵装置の集塵効率は、石炭の灰分量(ダスト(煤塵)量)、石炭のS(硫黄)分量、灰中のCa量、設備(排ガス処理装置の全体構成)などに応じて設定する必要がある。
前述のように、SO3への対応の面からは、ガスクーラで排ガス温度が低下した際に、SO3が灰中のCaによって中和できる量の灰を残す必要がある。SO3はガス状で、集塵装置を通過するため、集塵効率が高いほど、煤塵だけが減って(煤塵/SO3)の質量比が小さくなる。
請求項7又は請求項15記載の発明によれば、上記請求項1から請求項6のいずれか1項、請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、低効率集塵装置の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が、1を超えて且つ石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵とSO3との質量比未満となる集塵効率を有する低効率集塵装置を使用することで、排ガス中のSO3が煤塵に含まれる灰中のCaによって中和できる量の灰を残すことができる。
したがって、低効率集塵装置で灰の一部を除去しても、ガスクーラ内における伝熱管の閉塞や腐食等を防止しつつ、触媒バグフィルタでの水銀の酸化率や水銀の捕捉率を向上させることができる。
請求項8又は請求項16記載の発明によれば、上記請求項1から請求項7のいずれか1項、請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の発明の作用に加えて、サイクロン機構によって煤塵を分離することで、簡易な機構で遠心力により粗い粒子と細かい粒子、比重の大きい粒子と比重の小さい粒子に分離できる。また、サイクロン機構は構造がシンプルで可動部が少ないため、トラブルも少なく、コストも低く、メンテナンス性にも優れる。したがって、低効率集塵装置に電気集塵機やバグフィルタを、集塵効率を下げて使用するまでもない。
本発明によれば、排ガス処理装置から大気中に排出される水銀の量を低減できる。また、排ガス処理装置の排ガス流路に設けたファンの動力の低減や集塵装置の触媒バグフィルタの交換頻度の低減も可能となるため、コストも抑制される。
また、排ガス中の水銀除去率を向上させるために塩化水素や活性炭等を使用する必要もないため、また使用する場合でも使用量を低減できるため、排ガス処理装置のランニングコストを抑えることができる。
具体的に、請求項1又は請求項9記載の発明によれば、排ガス中のHCl濃度の低下要因となるCaの一部が低効率集塵装置によって除去され、また低温の排ガスが集塵装置に導入されるため、集塵装置の触媒バグフィルタにより水銀が効率よく酸化、捕捉される。特に、燃料に高Ca炭を使用した場合は効果が高い。
更に、低効率集塵装置の排ガス流路の後流側の集塵装置に流入する灰の量が減少して、触媒バグフィルタの差圧の上昇速度が遅くなるため、排ガス流路に設けたファンの動力を低減できる。また触媒バグフィルタの差圧の上昇速度が遅くなることで、触媒バグフィルタの逆洗頻度が低下するため、触媒バグフィルタの寿命を延長できる。
また、請求項2又は請求項10記載の発明によれば、上記請求項1又は請求項9に記載の発明の効果に加えて、ガスクーラによって触媒バグフィルタを確実に低温で運転することができるため、低効率集塵装置における水銀の捕捉率が向上する。したがって、排ガス流路の後流側の湿式脱硫装置に流入する水銀の量が減少し、脱硫吸収液からの水銀の再放出を低減できる。
なお、燃料に高Ca炭を使用した場合、排ガスの温度が低いと水銀酸化率が低下することもあるが、灰中のCaは一部が低効率集塵装置によって除去されるため、水銀酸化率の低下を防止できる。
請求項3又は請求項11記載の発明によれば、上記請求項2又は請求項10に記載の発明の効果に加えて、添加剤によって排ガス中のSO3を除去することで、ガスクーラ内の部材に灰が付着したり、腐食したりすることを防止できる。また、集塵装置に流入する灰量の低下を防ぎ、水銀捕捉率の低下を防止できる。
請求項4又は請求項12記載の発明によれば、上記請求項3又は請求項11に記載の発明の効果に加えて、排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)が1以上となるように添加剤の量を調整することで、Ca濃度の低い石炭を用いた場合に、ガスクーラで排ガス温度が低下して酸露点以下となってもSO3が灰中のCaによって中和される。したがって、ガスクーラ内の部材に灰が付着したり、腐食したりすることを確実に防止できる。
請求項5又は請求項13記載の発明によれば、上記請求項3又は請求項4、請求項11又は請求項12に記載の発明の効果に加えて、Ca化合物の添加剤によって排ガス中のSO3を除去することで、アルカリに比べて安全性が高く、安価で行え、排水処理も簡易にできる。
また、請求項6又は請求項14記載の発明によれば、上記請求項2から請求項5のいずれか1項、請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、低効率集塵装置の入口の排ガス温度やガスクーラの出口の排ガス温度を適正な温度範囲となるように低下させることで、排ガスの温度が低くなりやすい運転状態の時でも、集塵装置において排ガス中のSO3を灰と共に高効率で除去できる。特に、石炭に低S炭を使用した場合でも低効率集塵装置の入口の排ガス温度がSO3の酸露点よりも高くなり、且つ水銀が吸着されにくくなる一方、ガスクーラの出口の排ガス温度が水露点以上、且つSO3の酸露点以下に低下することで集塵装置において水銀が灰に吸着されやすくなる。
請求項7又は請求項15記載の発明によれば、上記請求項1から請求項6のいずれか1項、請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、排ガス中のSO3を煤塵に含まれる灰中のCaによって中和できる量の灰を残すように、低効率集塵装置の集塵効率を設定することで、ガスクーラ内における伝熱管の閉塞や腐食等を防止しつつ、触媒バグフィルタでの水銀の酸化率や水銀の捕捉率を向上させることができる。
請求項8又は請求項16記載の発明によれば、上記請求項1から請求項7のいずれか1項、請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、簡易な機構で遠心力により粗い粒子と細かい粒子、比重の大きい粒子と比重の小さい粒子に任意の効率で分離できる。また、設置スペースや設備にかかるコストもあまり掛からなくて済む。
更に、サイクロン機構はトラブルも少なく、コストも低く、メンテナンス性にも優れる。
本発明の実施例の排ガス処理装置の全体構成図である。 触媒の水銀酸化率に対するガス中のHCl濃度の影響を示したグラフである。 触媒の水銀酸化率に対する排ガス温度の影響を示したグラフである。 触媒バグフィルタにおける水銀の酸化率及び水銀捕捉率に対する温度の影響を示したグラフである。 石炭灰中のCa濃度が高い場合の触媒バグフィルタにおける水銀の酸化率及び水銀捕捉率に対する温度の影響を示したグラフである。 従来の排ガス処理装置の全体構成図である。
以下に、本発明の実施例について説明する。
図1には、本発明の実施例の排ガス処理装置の全体構成図を示す。
この排ガス処理装置は主にボイラ20の排ガスダクトの上流側から下流側にかけて、ボイラ20から発生する排ガス中の窒素酸化物を処理するための脱硝装置3、脱硝装置3の出口排ガスの温度を下げるための空気予熱器(A/H)4、A/H4から排出される排ガス中の灰(フライアッシュ)を源とした煤塵等を除去するための集塵装置(バグハウス)5、バグハウス5の出口排ガス中の硫黄酸化物を処理するための湿式脱硫装置6、湿式脱硫装置6の出口排ガスを大気中に排出する煙突7等が順次配置されている点で、図6の排ガス処理装置と共通している。
ボイラ20の火炉1で微粉炭の燃焼により発生した高温の排ガスは、後部伝熱部2によって400℃程度に冷却された後、脱硝装置3で脱硝触媒により窒素酸化物(NOx)が分解されて無害なN2に変化する。その後、A/H4で温度がさらに160〜200℃程度になるように冷却された後、低効率の集塵装置であるサイクロン21によって、灰を含む煤塵等の一部が除去される。サイクロン21を通過した煤塵はサイクロン21よりも高効率の集塵装置であるバグハウス5で除去され、灰が除去された排ガスは湿式脱硫装置6に導入され、排ガス中の硫黄酸化物(SO2)が除去された後、煙突7から排出される。
本実施例では、低効率の集塵装置としてサイクロン21を適用しているが、遠心力集塵装置であるサイクロン21の他に、粒子の捕集機構によって重力集塵装置、電気集塵装置などがある。
サイクロン21は、空気に含まれるダストを、強力な旋回気流で分離する集塵装置である。低効率集塵装置としてサイクロン21を用いることで、簡易な機構で遠心力により粗い粒子と細かい粒子、比重の大きい粒子と比重の小さい粒子に分離できるため、好適である。サイクロン21の底部に溜まった灰は、抜き出しライン22からサイクロン回収灰23として適宜抜き出される。
また、本実施例では、サイクロン21とバグハウス5との間の排ガス流路にガスクーラ24を設けている。ガスクーラ24によって任意に排ガス温度を下げることで、触媒バグフィルタ8を確実に低温で運転することができる
具体的には、サイクロン21により灰の濃度が低下した排ガスはガスクーラ24に導入されて、排ガス温度が90〜120℃程度に調整された後、触媒バグフィルタ8を内部に装備したバグハウス5に導入される。ガスクーラ24では、内部に熱媒を有する伝熱管24aによって排ガスの熱を回収している。このとき、排ガス温度を90〜120℃よりも低下させようとすると、ガスクーラ24の伝熱管24aの表面温度を、水露点を下回るほど下げなければならない。そうすると、伝熱管24aの表面に水が凝縮して灰が付着しやすくなる。更にその水に排ガス中のSO2やSO3 が溶解して酸性液となり、腐食に繋がってしまう。
このため、ガスクーラ24による排ガス温度の調整は90℃程度が下限となる。石炭焚きボイラ排ガスの水分濃度10〜20%において、水露点は、通常約45〜60℃である。
制御装置30により伝熱管24aを流れる熱媒量を調整することで、排ガス温度を調整できる。また、図示しないが熱媒を冷却する手段を設け、熱媒の冷却量を調整することで、排ガス温度を調整することもできる。
そして、触媒バグフィルタ8を90〜120℃程度の低い温度範囲で使用することにより、図3に示すように水銀の酸化が促進され、且つ酸化水銀が触媒バグフィルタ8に堆積した灰に補足されることによって効率よく除去される。
バグハウス5から排出された除塵後の排ガスは湿式脱硫装置6に導入されて、硫黄酸化物(SO2)が除去されるが、これと同時に排ガス中に残存している少量の酸化水銀が脱硫吸収液に溶解して除去される。
本実施例では、バグハウス5よりも排ガス流路の上流側に設けたサイクロン21によって灰の一部を除去することにより、従来技術と比較してバグハウス5に流入する灰の量が減少する。したがって、触媒バグフィルタ8の差圧が低い状態で装置の運転ができるため、排ガス流路に設けたファン(図示せず)の動力を低減できる。また、触媒バグフィルタ8の差圧の上昇速度が遅くなることで触媒バグフィルタ8の逆洗頻度も低下するため、触媒バグフィルタ8の寿命を延長できる。
また、サイクロン21では、遠心力により粗い粒子と比重の大きい粒子が優先的に除去されるため、サイクロン21を通り抜けてバグハウス5に流入する灰粒子は細かいものや比重の小さいものが多くなる。
このようなサイクロン21を通り抜ける粒子は、未燃カーボンの含有率が高い。未燃カーボンの含有率が高い粒子は比表面積が大きいため、水銀を吸着する能力が高いことから、バグハウス5内で効率良く水銀を吸着することができる。
しかし、灰の粒径が細かいものばかりになると、触媒バグフィルタ8の目詰まりが生じやすくなる。また、サイクロン21での集塵効率が高すぎる場合は、ガスクーラ24内で排ガス温度を低下させた際にSO3の凝縮によって灰の付着閉塞や伝熱管24aの腐食が問題となり、バグハウス5に流入する灰の量が減りすぎて水銀を吸着しきれなくなるおそれがある。したがって、低効率集塵装置としてのサイクロン21の集塵効率は、石炭の灰分量(ダスト(煤塵)量)、石炭のS(硫黄)分量、灰中のCa量、設備などに応じて設定する必要がある。
前述のように、SO3への対応の面からは、ガスクーラ24で排ガス温度が低下した際に、SO3が灰中のCaによって中和できる量の灰を残す必要がある。したがって、サイクロン21の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が、1を超えて且つ石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵とSO3との質量比未満となるように、サイクロン21の集塵効率を設定する。石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵量とSO3量は石炭の燃焼により発生する最大の煤塵量とSO3量に相当する。
例えば、サイクロン21の出口において排ガス中に含まれる煤塵(灰)とSO3との質量比(煤塵/SO3質量比)が5以上となるように、サイクロン21の集塵効率を設定すると良い。なお、他の集塵装置を使用した場合でも、その仕様を変更することで対応できる。
具体的には、サイクロンの出口管径を小さくし、ガス流速を大きくするほど集塵効率が向上する。必要に応じて、小口径のサイクロンを多数並列に設置するマルチサイクロンを適用しても良い。なお、他の集塵装置を使用した場合でも、その仕様を変更することで対応できる。
なお、SO3はガス状で、集塵装置を通過するため、集塵効率が高いほど、煤塵だけが減って(煤塵/SO3)の質量比が小さくなる。したがって、この比が5以上となるように除去する煤塵量(集塵効率)を調節する。石炭の種類によって発生する煤塵量とSO3の濃度は異なるため、一般的なダストの集塵効率ではなく、中和可能な煤塵とSO3との質量比を指標とするものである。
例えば、石炭中のS量が3〜4%と高く、排ガス中SO3濃度が50〜80ppmと高くなるような石炭であっても、通常はダストとSO3質量比は15以上となる。これは、石炭の分析値(灰分、S分)から算出される。
したがって、サイクロン21の集塵効率をサイクロン21の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が5以上となるように設定することで、サイクロン21の集塵効率がバグハウス5の集塵効率の1/3〜2/3程度になり、サイクロン21で1/3以上の灰を除去しても、ガスクーラ24内における伝熱管24aの閉塞や腐食等を防止しつつ、触媒バグフィルタ8での水銀の酸化率や水銀の捕捉率を向上させることができる。
そして、排ガス中にこの程度(1/3以上2/3未満)の煤塵の量が残っていれば、水銀量に対しては大過剰であるため、サイクロン21で灰を除去しても水銀の除去性能が低下することはない。また、この煤塵中には比較的粗い灰粒子も残存するため、触媒バグフィルタ8の目詰まりが顕著に発生することもない。
なお、日本のように輸入石炭を使用する発電所において1つのボイラで多種の石炭を燃焼する場合でも、ボイラの仕様に応じて燃焼される炭種の変動範囲であれば、炭種ごとにサイクロン21の仕様を変更する必要はない。なお、炭種によってSO3の発生量は異なるが、その変動範囲は問題にならないレベルである。
また、石炭の産地の近隣に設置された発電所では燃焼される炭種は一定であるため(基本的に1種類)、サイクロン21の仕様は一定である。
一方、石炭の種類によっては灰中のCa濃度が1%以下と極端に低く、SO3を中和しきれない場合も考えられる。実際に、排ガス中のCaO/SO3のモル比が1を下回る場合はSO3を中和しきれない。
この場合の対策としては、ガスクーラ24の入口でSO3を除去する添加剤供給装置26の供給ライン25から、排ガス中のCaOとSO3とのモル比が1以上となるよう添加剤を供給する。この値は、通常石炭の分析値(灰分、S分)から算出するが、SO3濃度はSO3濃度測定器34(図1)を設置して、測定しても良い。
そして、先の制御装置30によってガスクーラ24入口の排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)が1以上となるように供給ライン25から添加剤が供給される。添加剤の量は、供給ライン25の電磁弁25aを制御したり、添加剤濃度変更機構(図示せず)を設けてこれを制御したりすることで調整される。
本実施例では、伝熱管24aを流れる熱媒量を調整する制御装置30によって添加剤の量を調整する場合を示しているが、それぞれの制御毎に個別に制御装置を設けても良い。本実施例のように複数の機能を有する制御装置30を設けると、簡素な構成となって好ましい。
また、添加剤としては、Ca化合物であるCaCO3、Ca(OH)2といった中和剤を使用すると良い。
SO3が灰中のCaによって中和されるため、ガスクーラ24で排ガス温度が低下して、酸露点以下となっても伝熱管24aの腐食を防止できる。中和剤としては、Ca化合物の他に、炭酸ナトリウム(Na2CO3)、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)、炭酸カリウム(K2CO3)、炭酸水素カリウム(KHCO3)などが用いられるが、安価で取り扱いが容易との理由からCa化合物が好適である。また、Ca化合物はべたつきにくく灰が堆積しにくい。
なお、石炭にSO3を除去する添加剤を混合して燃焼させる方法もあるが、Caの増加は石炭灰の融点を低下させることになるため、火炉1のスラッギングの面から注意が必要である。なお、スラッギングとは、燃焼により溶融した灰が炉壁や伝熱管に付着して収熱の低下、及び炉内の圧力損失を大きくする現象が生じることを言う。
ボイラ1が低負荷運転を行っている場合や、起動操作及び停止操作の際は、排ガス量が少ないため、サイクロン21での集塵効率が低下する。しかし、それと同時に排ガス中の灰量自体も減少するため、集塵効率が低下してもバグハウス5に流入する灰量が大幅に増加することはない。
したがって、触媒バグフィルタ8の差圧は低い状態に維持されることで、排ガス流路に設けたファンの動力を低減できると共に、触媒バグフィルタ8の寿命を延長できるという長所は維持される。また、排ガス量が減少してバグハウス5における排ガスの滞留時間が長くなることは、触媒バグフィルタ8による水銀の酸化や灰による水銀の捕捉を促進する方向に働く。
一方、このような起動操作及び停止操作などの際は排ガスの温度も低くなる傾向がある。サイクロン21入口の排ガス温度は120℃よりも高く、バグハウス5に導入される排ガス温度は水露点以上、且つ120℃以下に調整されることが好ましい。サイクロン21入口の排ガス温度とガスクーラ24出口の排ガス温度はサイクロン21入口やガスクーラ24出口にそれぞれ設けた温度計36により測定され、その電気信号が制御装置30に入力される。A/H4では、ボイラから排出する排ガスと空気との熱交換により火炉1に供給する燃焼用空気を予熱しており、排ガス量が減少すると、この熱交換量も減少するため、ボイラ排ガスの温度が低下していても、サイクロン21入口の排ガス温度を120℃以上に維持できる。そして、ボイラ20の負荷を下げるときに燃焼用空気量を減らす運転を行うので、熱交換量が変わり排ガス温度も調整される。
石炭に硫黄(S)濃度が高い高S炭を使用した場合は排ガス中のSO3濃度が上昇して酸露点は高くなるが(160℃程度)、低S炭を使用した場合でもサイクロン21の入口の排ガス温度を120℃以上とすることでSO3の酸露点以上、酸露点を超える温度となり、且つ水銀が吸着されにくくなる。一方、ガスクーラ24の出口の排ガス温度を水露点以上まで低下させることで水銀が灰に吸着されやすくなる。
サイクロン21入口の排ガス温度が低いと、すでに一部酸化していた水銀がサイクロン回収灰23に付着することになる。一方、このような排ガス温度の低い場合はガスクーラ24の冷却能力を抑制するが、ガスクーラ24の伝熱管表面の温度が低下しすぎて水露点を下回らないようにガスクーラ24の出口温度を制御装置30によって制御すると良い。前述したが、伝熱管24aを流れる熱媒量を調整したり、熱媒の冷却量を調整したりすることで、ガスクーラ24の出口温度を調整できる。
排ガスの温度が水露点を下回ると水分が凝縮して、さらに温度が下がると水となって、排ガス中のSO3やSO2を吸収して酸性の液となり、灰の固着、腐食を発生させるが、このような不具合を防止できる。
なお、上述した各構成、すなわちサイクロン21の集塵効率をサイクロン21出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比により設定すること、SO3を除去する添加剤をCaOとSO3とのモル比が1以上となるように供給すること、サイクロン21入口の排ガス温度やガスクーラ24の出口の排ガス温度を調整することなどは、それぞれ個別に実施しても良いし、複数実施しても良い。使用する石炭の種類(石炭の灰分量、石炭のS分量、灰中のCa量など)や設備の関係など、その時の状況に応じて、適宜必要な構成を採用すれば良い。
このように、本実施例によれば、触媒バグフィルタ8により煤塵等の粒子状物質を高効率で除去しつつ、担持された触媒の水銀酸化性能及び水銀捕捉性能を無駄なく発揮させることができる。したがって、バグハウス5の排ガス流路の後流側の湿式脱硫装置6へ流入する水銀量が減少し、脱硫吸収液からの水銀の再放出も抑制できることから、排ガス処理装置のシステム全体としての粒子状物質及び水銀の排出量を低減できる。
なお、ガスクーラ24を熱交換式とすることにより、排ガス温度を下げる際に回収した熱を排ガス処理装置のプラント内で活用することも可能である。さらに、水銀の酸化を促進するための塩素化合物の添加や、水銀の除去率を向上させるための活性炭等の添加剤の使用も不要であるため、排ガス処理装置全体としてランニングコストを低く抑えることができる。
また、石炭灰中のCa濃度が高い場合に、触媒バグフィルタ8による水銀の捕捉率を上げようとしてバグハウス5の運転温度を下げると、HClの一部が灰中のCaによって除去されて触媒に到達するHClが極端に減少し、水銀の酸化率及び水銀の捕捉率が逆に低下することもある。
これに対して本実施例によれば、バグハウス5に流入する灰の量、すなわちCa量が減少することにより、灰中のCaによるHClの除去が抑制されて、触媒バグフィルタ8で水銀を効率良く酸化させるのに必要な量のHClが排ガス中に残存する。したがって、高Ca炭を使用した場合でも、触媒バグフィルタ8を低温で運転することにより水銀除去率を高く維持することができる。
さらに、サイクロン21は運転温度が160℃以上と高いことから、サイクロン回収灰23には水銀がほとんど付着していない。一方、バグハウス5は運転温度が90〜120℃と低いため、回収灰13中の水銀濃度は比較的高くなる。このように、水銀濃度の高い灰と水銀濃度の低い灰を別々に回収できることから、廃棄処分や有効利用の際に有利である。また、バグハウス5の運転温度を低くすることで、触媒バグフィルタ8のろ布材として耐熱温度の低いものが使用でき、コストも低減できる。
本発明によれば、ボイラに限らず、他の燃焼装置を使用する排ガス処理装置においても、排ガス中の水銀を効率よく除去できる技術として、利用可能性がある。
1 火炉 2 後部伝熱部
3 脱硝装置 4 空気予熱器
5 集塵装置(バグハウス)
6 湿式脱硫装置 7 煙突
8 バグフィルタ(触媒バグフィルタ)
9 排ガスライン 10 圧縮空気供給ライン
11 電磁弁 12 灰抜き出しライン
13 バグフィルタ回収灰
20 ボイラ 21 低効率集塵装置(サイクロン)
22 灰抜き出しライン 23 サイクロン回収灰
24 ガスクーラ 25 添加剤供給ライン
26 添加剤供給装置 30 制御装置
34 SO3濃度測定器
36 温度計

Claims (16)

  1. 石炭を含む燃料を燃焼するボイラを含む燃焼装置から排出する排ガスと燃焼装置に供給する空気とを熱交換して前記排ガスの温度を低下させると共に燃焼用空気を予熱する空気予熱器と、
    水銀を酸化する触媒を担持したバグフィルタを内部に有し、前記空気予熱器出口の排ガス中の水銀を酸化すると共に排ガス中の煤塵を除去する集塵装置とを
    燃焼装置の排ガスダクトの上流側から下流側に順次配置した排ガス処理装置において、
    前記空気予熱器と前記集塵装置との間の排ガス流路に、前記集塵装置よりも集塵効率が低く、排ガス中の煤塵の一部を除去する低効率集塵装置を設けたことを特徴とする排ガス処理装置。
  2. 前記低効率集塵装置と前記集塵装置との間の排ガス流路に、排ガス温度を低下させるガスクーラを設けたことを特徴とする請求項1記載の排ガス処理装置。
  3. 前記低効率集塵装置と前記ガスクーラとの間の排ガス流路に、排ガス中の硫黄酸化物を除去する添加剤の供給部を設けたことを特徴とする請求項2に記載の排ガス処理装置。
  4. 前記低効率集塵装置と前記添加剤の供給部との間の排ガス流路に、排ガス中のSO3濃度を測定するSO3濃度測定器を設け、
    前記添加剤の供給部から供給される添加剤の量を調整する調整手段を設け、
    石炭の灰の分析値から計算されるCaO濃度と前記SO3濃度測定器から測定されるSO3濃度、又は石炭の灰の分析値から計算されるCaO濃度と石炭の灰の分析値から計算されるSO3濃度から排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)を算出し、前記ガスクーラ入口のモル比(CaO/SO3)が1以上となるように、前記調整手段を制御して添加剤の量を調整する添加剤調整機能を有する制御装置を設けたことを特徴とする請求項3記載の排ガス処理装置。
  5. 前記添加剤はカルシウム化合物であることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の排ガス処理装置。
  6. 前記低効率集塵装置の入口の排ガス温度が排ガス中のSO3の酸露点を超えるように前記空気予熱器における熱交換量を調整する熱交換量調整機能と、前記ガスクーラの出口の排ガス温度を水露点以上、且つ排ガス中のSO3の酸露点以下に低下させるガス温度冷却機能とを有する制御装置を設けたことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  7. 前記低効率集塵装置は、該低効率集塵装置の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が、1を超えて且つ石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵とSO3との質量比未満となる集塵効率を有することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  8. 前記低効率集塵装置はサイクロン機構を有することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の排ガス処理装置。
  9. 石炭を含む燃料を燃焼するボイラを含む燃焼装置から排出する排ガスと燃焼装置に供給する空気とを熱交換することで燃焼用空気を予熱してガス温度が低下した排ガスを、水銀を酸化する触媒を担持したバグフィルタを内部に有する集塵装置に導入して、排ガス中の水銀を酸化させると共に排ガス中の煤塵を除去する排ガス処理方法において、
    前記集塵装置よりも集塵効率の低い低効率集塵装置を使用して燃焼用空気の予熱後の排ガスから煤塵の一部を除去した後、排ガスを前記集塵装置に導入することを特徴とする排ガス処理方法。
  10. 前記低効率集塵装置により排ガスから煤塵の一部を除去した後、前記集塵装置の入口で排ガス温度を低下させることを特徴とする請求項9記載の排ガス処理方法。
  11. 前記低効率集塵装置により排ガスから煤塵の一部を除去した後、排ガス中の硫黄酸化物を除去する添加剤を供給してから、前記集塵装置の入口で排ガス温度を低下させることを特徴とする請求項10記載の排ガス処理方法。
  12. 前記集塵装置の入口の排ガス中のCaOとSO3とのモル比(CaO/SO3)が1以上となるように添加剤を供給することを特徴とする請求項11記載の排ガス処理方法。
  13. 前記添加剤としてカルシウム化合物を使用することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載の排ガス処理方法。
  14. 前記燃焼用空気を予熱後の排ガス温度が排ガス中のSO3の酸露点を超えるように前記排ガスと燃焼用空気との熱交換量を調整すると共に、前記集塵装置の入口の排ガス温度を水露点以上、且つ排ガス中のSO3の酸露点以下に低下させることを特徴とする請求項10から請求項13のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  15. 前記低効率集塵装置の出口の排ガス中に含まれる煤塵とSO3との質量比が、1を超えて且つ石炭中の硫黄分と灰分から計算される煤塵とSO3との質量比未満となる集塵効率を有する低効率集塵装置を使用することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  16. サイクロン機構を有する低効率集塵装置を使用することを特徴とする請求項9から請求項15のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
JP2012241044A 2012-10-31 2012-10-31 排ガス処理装置と排ガス処理方法 Pending JP2014091058A (ja)

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