JP5307643B2 - 排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化触媒ハニカム構造体 - Google Patents

排ガス浄化用触媒及び排ガス浄化触媒ハニカム構造体 Download PDF

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本発明は、燃焼機関から発生する排ガスを浄化する排ガス浄化用触媒、及び排ガス浄化触媒ハニカム構造体に関する。
化石燃料を用いた燃焼機関、例えば、ボイラー、加熱炉、火力発電所、自動車エンジン等の内燃エンジン、から発生する排気ガスには、種々の有害物が含まれており、それらの除去浄化が行われている。このような排ガス浄化に関する技術は、近年の地球環境問題の深刻化に伴い、更なる向上が望まれている。
軽油などを燃料とするディーゼルエンジンの排ガスには、未燃炭化水素(hydrocarbons、HC)、一酸化炭素(CO)、及び窒素酸化物(NO)とともに、煤(スート、粒子状物質、particulate matter、PM等とも呼ばれる。)や可溶性有機成分(soluble organic fraction、SOF)等が含まれている。これらの内、CO、HC、SOFを除去する方法として、排ガス流路に酸化触媒を配置して、CO、HC、SOFを酸化してしまう方法がある。ディーゼルエンジンの排ガス処理で用いられる、このような酸化触媒は、ディーゼル排ガス用酸化触媒(diesel oxidation catalyst、DOC)と呼ばれる。
また、DOCは、次のような目的にも使用される。ディーゼルエンジンの排ガス浄化には、前記のPMを捕集して除去するために、排ガス流路にディーゼルパーティキュレートフィルタ(diesel particulate filter、DPF)を配設される。DPFでPMを捕集されるのであるが、DPFにPMが堆積するに伴い、背圧が上昇してエンジンの出力低下等を招くので、PMの捕集量が所定量以上になったときには、何らかの方法で捕集したPMを燃焼して除去しなければならない。DPFに捕集されたPMを燃焼させる方法として、例えば、排ガス温度を強制的に上昇させてPM燃焼を起こす方法がある。そのために、ディーゼルエンジンの排ガス流路には、DPFの上流に、排ガス中に含有されるHC成分等を酸化して排ガス温度を上昇させるためにDOCを配置する。即ち、DPFの自動再生制御時には、エンジンへの燃料噴射量を増量して排ガス中のHC成分量を増やし、この余剰のHCを排ガス流路上のDOCで酸化燃焼させ、その際の燃焼熱により排ガス温度を上昇させて、DPFに捕集されたPMの燃焼を促進させるのである。
上記DOCの主なものは、アルミナAlを担体として白金Pt、パラジウムPd等の貴金属を担持させた触媒である。中でも、Pt−Pdを担持したPt−Pd/Al触媒が一般的に使用されている。DOCにおいて、アルミナ担体以外には、シリカSiO−アルミナ、ゼオライト、チタニアTiO等の酸化物を使用することが開示されている(特許文献1、2)。
ガソリンエンジンの排ガス浄化においては、エンジンから排出されるガス中のCO、NO、HCを全て浄化する三元触媒が使用される。前記触媒では、Pt、Pd、ロジウムRhの貴金属を組み合わせた触媒が使用され、アルミナに担持されている。近年の排ガス規制の強化に伴い、触媒の高活性や高寿命等の性能を向上すべく、触媒金属及びその担体酸化物についてそれぞれ検討されている。担体酸化物については、前記アルミナだけではなく、以下のように、その他の酸化物も検討されている。
三元触媒は、理論空燃比付近で有効に働くが、その有効に働く空燃比幅(ウィンド)を拡大すべく、セリウム酸化物等の酸素吸蔵材料を担体の一部として触媒性能を向上させることも行われている。貴金属/アルミナ系酸化物触媒にセリアCeOを助触媒として添加する方法が、例えば、特許文献3に開示されている。セリアによる酸素吸蔵能を付与してリーン(lean、燃料希薄混合)からリッチ(rich、燃料過剰混合)までの幅広い領域で触媒性能が発揮できる(広いウィンド)触媒が開発されている。
また、セリア以外の酸化物として、複合酸化物も担体として検討されており、特に、希土類元素を含むペロブスカイト構造の複合酸化物が多い。例えば、特許文献4では、三元触媒の活性向上、特に活性の耐久性向上を目的として、それぞれ、Laを含むLaAl1−x(M:1〜5族、12〜14族の元素)のペロブスカイト型複合酸化物にPdを担持した触媒が開示されている。また、特許文献5では、同様に高い触媒活性を得るために、特に、低温活性の向上を図るために、(La,Sr)FeOや(La,Sr)MnOのような希土類元素を含むペロブスカイト型複合酸化物に貴金属元素を担持させることが開示されている。さらに、前記(La,Sr)FeOや(La,Sr)MnOの組成や添加元素を検討し、その耐久性や耐熱性の改善も図られている(特許文献6)。さらに、貴金属の触媒活性の耐久性を向上するために、貴金属Rhがペロブスカイト格子に取り込まれたLa(Fe,Rh)O等の複合酸化物が開示されている(特許文献7、8)。以上のように、ペロブスカイト型複合酸化物は、多くの種類の元素を選択でき、担体として設計幅が広い酸化物であるが、三元触媒の触媒性能を効果的に向上させるには、La等の希土類元素が必須となっている。金属触媒を担持する担体の酸化物、特に、貴金属触媒を使用する場合には、担体とする酸化物は原料コストが低いものが望まれる。即ち、希土類元素のような高価な原料を使用しない酸化物を担体とすることが望ましい。
三元触媒に関して、希土類元素を含まないペロブスカイト酸化物を担体とした例としては、例えば、特許文献9に開示されている。具体的には、希土類元素を含まないAα1−xB’3−δ(ここで、Aは実質的にBa及びSrから選択される1種の元素又は2種の元素の組み合わせを表し、Bは実質的にFe及びCoから選択される1種の元素又は2種の元素の組み合わせを表し、B’は実質的にNb、Ta、及びTiから選択される1種の元素又は2種以上の元素の組み合わせを表し、αは0.95以上1.05以下であり、xは0.05以上0.3以下であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)が開示され、前記複合酸化物に貴金属を担持して三元触媒の浄化性能が示されている。
また、三元触媒に関し、特許文献10では、ペロブスカイト構造は、900度以上の高温で不安定であり、他の成分と反応して触媒活性が低下する、還元雰囲気(リッチ雰囲気)ではペロブスカイト構造が壊れるとして、正方晶系複合酸化物ABO(式中、AはCa、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種を表し、BはMn、Fe、Ti、Sn及びVからなる群から選択される少なくとも1種を表す)が有効であるとされ、貴金属を固溶又は担持して三元触媒として示されている。
また、ディーゼルエンジン等の排ガスの窒素酸化物分解触媒であるが、特許文献11では、一般式AB1−x3+−z(但し、Aはアルカリ土類元素から選ばれた1種類の金属、Bはチタン族元素から選ばれた1種類の金属、Mは鉄族、白金族または銅族元素から選ばれた1種類の金属、0<x<1、zは常温大気圧時における金属酸化物の酸素欠陥数或は酸素過剰数)で表される複合酸化物の窒素酸化物分解触媒が開示され、前記複合酸化物として、SrTi1−xFe(但しxは0<x<1)で表される組成を有する窒素酸化物(NO)分解触媒が開示されている。前記触媒は、貴金属を使用せずに前記複合酸化物自体が還元触媒作用を有するというものであり、還元剤を使用せずにNOを高い分解率で直接NとOに還元分解することができるとしている。
また、特許文献12には、AM(A:アルカリ金属又はアルカリ土類金属、M:Fe、Co又はNi)複合酸化物、特に、スピネル型AM複合酸化物を貴金属と組み合わせて、ディーゼルエンジン等の排ガス中の微粒子状炭素物質(PM)とNOを除去するのに効果的であるとされている。
また、特許文献13では、直接的な排ガス浄化触媒ではないが、排ガス浄化触媒の助触媒等の酸素ストレージ材として、SrFeOやCaFeO等のATO(A:アルカリ土類金属、T:遷移金属)の複合酸化物を担体として触媒金属を担持し、前記担体に酸素を吸収、放出させることが開示されている。
特開2007−111625号公報 特開2006−81988号公報 特開昭54−159391号公報 特開2005−205280号公報 特開2006−36558号公報 特開2003−175337号公報 特開2004−41866号公報 特開2004−41867号公報 特開2007−160149号公報 再公表2004−089538号公報 特開平11−151440号公報 特開2005−66559号公報 特開2006−176346号公報
V. V. Kharton, A. V. Kovalevsky, E. V. Tsipis, A. P. Viskup, E. N. Naumovich, J. R. Jurado, J. R. Frade, J. Solid State Electrochem. 7, 30-36(2002).
ディーゼルエンジン排ガスのDOCに関し、上述のように、Ptを主体とした触媒が使用され、その担体にはアルミナが主に使用されている。Ptは、酸化活性に優れており、低温でも活性が高いために、ディーゼルエンジン排ガスのような排ガス温度が低い場合には有効である。しかしながら、Ptは、PdやRhに比べてディーゼル排ガスのようなリーン雰囲気(酸化雰囲気)ではシンタリングが進行しやすく、耐久性が劣るという問題がある。劣化による活性低下を見込んで予めPt量を増やしておくこともできるが、コストが高くなるという問題が生ずる。また、Ptの耐久性を向上させるために、Pdを同時に添加することも行われているが、十分な耐久性が得られていない。
ディーゼルエンジン排ガスに係る触媒として、DOCではないが、特許文献11では、SrTi1−xFe(但しxは0<x<1)等の複合酸化物自体が窒素酸化物を還元分解する触媒作用があるとしている。また、特許文献12では、AM(A:アルカリ金属又はアルカリ土類金属、M:Fe、Co又はNi)複合酸化物を貴金属と組み合わせて、PMとNOの両方を浄化する触媒作用があるとしている。
本発明者らは、アルカリ土類金属MとFeを含む複合酸化物(M−Fe−O系酸化物)の中でいくつかの特定の結晶相が、Pdを含む貴金属を担持すると、DOCとして触媒性能に優れ、特に、ライトオフ性能と耐久性に優れていることを見出した。前記貴金属を担持した複合酸化物は、アルミナと混合すると排ガス拡散が有効的に起こり、より優れたライトオフ性能を示すようになるとともに、ハニカムの内壁への密着性が向上することも見出した。しかしながら、前記複合酸化物とアルミナとを混合した場合、初期のライトオフ性能に優れるものの、900℃を超える高温に長時間曝されるとライトオフ性能が低下するという問題が生じることが分かってきた。
また、ガソリンエンジンの排ガス浄化に使用される三元触媒に関し、上述のように、アルミナやセリア以外の複合酸化物に、貴金属を担持して三元触媒作用を有するものが開発されてきた。
本発明者らも、アルカリ土類金属MとFeを含む複合酸化物(M−Fe−O系酸化物)の中でいくつかの特定の結晶相が、Pdを含む貴金属を担持すると、三元触媒として実車性能に優れ、貴金属の中で高価なPtやRhの使用量を減らしたり、使用しなくてよかったりすることができる、即ち、低コストにできることを見出した。実車性能に優れるのは、主に、前記複合酸化物が酸素吸蔵能と活性酸素形成能を有し、これらの相乗効果によるものと考えている。更に、酸素吸蔵と活性酸素形成を効率的に行えるように、前記複合酸化物各粒子の隅々まで酸素ガスを拡散させるためには、前記貴金属を担持した複合酸化物をアルミナと混合して使用するのが有効であることも見出した。しかしながら、前記複合酸化物とアルミナとを混合した場合、初期の浄化性能に優れるものの、1000℃以上の温度に長時間曝される(耐久試験を行う)と浄化性能の低下が大きいという問題が生じることが分かってきた。
本発明では、上記問題点に鑑みてなされたものであり、ディーゼルエンジンの排ガス浄化に係るDOCとして、ライトオフ性能に優れ、高温における耐久性に優れた排ガス浄化触媒及び排ガス浄化触媒ハニカム構造体を提供することを目的とする。また、ガソリンエンジンの排ガス浄化に係る三元触媒として、貴金属の使用量を低減でき、実車の浄化性能に優れ、耐久性も優れた排ガス浄化触媒及び排ガス浄化触媒ハニカム構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、アルカリ土類金属MとFeを含む複合酸化物(M−Fe−O系酸化物)の中で、MFeO4−δ、MFeO3−δ、MFe4−δ、MFe13−δ、MFe1219−δの結晶相が、Pdを含む貴金属を担持し、更にアルミナと混合すると、DOCとしては、ライトオフ性能に優れ、三元触媒としては、実車の浄化性能に優れることを見出した。DOCにおける高温長時間耐久試験(900℃を超える170時間以上の耐久加速試験)を行うとライトオフ性能が低下するという問題、及び、三元触媒における耐久試験(1000℃以上の耐久試験)を行うと浄化性能の低下が大きいという問題を詳細に検討した結果、耐久試験中に前記複合酸化物を構成するアルカリ土類金属Mの一部が混合したアルミナと反応し、当初の上記結晶相の割合が低下することが主原因であることが分かった。発明者らは、更に種々検討した結果、前記アルカリ土類金属Mとアルミナの反応を抑制するためには、前記複合酸化物のFeの一部をTiで置換することが有効であることを見出し、DOC及び三元触媒の性能を低下させない特定の割合のTiで置換させることが有効であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の要旨とするものである。
(1)貴金属が担持された複合酸化物とアルミナとが混合されてなる排ガス浄化用触媒であって、
前記複合酸化物が、アルカリ土類金属M、Fe、及びTiを含み、下記化学式(I)〜(V)のいずれかで表される結晶相を有し、かつ
前記貴金属が、Pdであるか、又はPdとPtとの両方である、ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
(Fe1−zTi)O3.5±δ ・・・・(I)
M(Fe1−zTi)O2.5±δ ・・・・(II)
M(Fe1−zTi)4±δ ・・・・(III)
(Fe1−zTi)13±δ ・・・・(IV)
M(Fe1−zTi1219±δ ・・・・(V)
(ここで、zは0<z<0.5であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)
(2)前記アルカリ土類金属Mが、Sr若しくはCa、又はSrとCaの両方であることを特徴とする上記(1)記載の排ガス浄化用触媒。
(3)前記貴金属の担持率が、0.1質量%〜15質量%であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の排ガス浄化用触媒。
(4)前記アルミナが、貴金属が担持されたアルミナを含むものであることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかに記載の排ガス浄化用触媒を、金属製又はセラミックス製のハニカム内壁に被覆したことを特徴とする排ガス浄化触媒ハニカム構造体。
(6)貴金属総量で0.1g/L〜15.0g/Lの貴金属が含まれていることを特徴とする上記(5)記載の排ガス浄化触媒ハニカム構造体。
以上のように、本発明によれば、ディーゼルエンジンの排ガス浄化に関して、DOCのライトオフ性能に優れるので、ディーゼルエンジンの排ガス浄化に係る酸化処理を低温で行うことができる。即ち、例えば、低温の排ガスであっても、酸化反応を起こして排ガス温度を上昇させることができ、DPFに捕集されたPMの燃焼を促進させることが可能になる。更に、DOCとして高温における耐久性に優れるので、ディーゼルエンジンの排ガス浄化に係る酸化処理を、長期に亘り効率よく行うことができる。また、耐久性に優れること(長寿命であること)、Pt使用量を低減できることなどから、前記酸化処理を低コストで行うことができる。
また、本発明によれば、ガソリンエンジンの排ガス浄化に係る三元触媒に関して、実車の浄化性能に優れ、かつ耐久性も優れる三元触媒を提供できる。また、担体に高価な希土類元素を含まず、三元触媒として白金を使用しなくても高い触媒活性とすることができるので、低コスト化が図れる。
本発明の貴金属が担持された複合酸化物とアルミナとが混合されてなる排ガス浄化触媒、及び貴金属が担持された複合酸化物のみでなる排ガス浄化触媒の構成の模式図 本発明触媒及び従来触媒の耐久試験後の転化率−温度曲線とT50の例を示す図
本発明の排ガス浄化用触媒は、貴金属が担持された複合酸化物と、アルミナとが混合されてなる。複合酸化物はアルカリ土類金属M、Fe、及びTiを含み、下記化学式(I)〜(V)のいずれかで表される結晶相を有する。
(Fe1−zTi)O3.5±δ ・・・・(I)
M(Fe1−zTi)O2.5±δ ・・・・(II)
M(Fe1−zTi)4±δ ・・・・(III)
(Fe1−zTi)13±δ ・・・・(IV)
M(Fe1−zTi)1219±δ ・・・・(V)
(ここで、zは0<z<0.5であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)
また、前記複合酸化物に担持された貴金属はPdであるか、又はPdとPtとの両方である。
前記構成にすることで、DOCとしては、ライトオフ性能に優れ、DOCとしての高温長時間耐久試験(900℃を超える170時間以上の耐久加速試験)を行っても、ディーゼル排ガスの酸素分圧条件(酸素濃度5〜21%)におけるライトオフ性能の低下が見られないか、又はその低下が極めて小さいものとなる。また、前記構成にすることで、三元触媒としては、実車の浄化性能に優れ、三元触媒における耐久試験(1000℃以上の耐久試験、酸化還元繰り返し耐久試験)を行っても浄化性能の低下が小さいものとなる。
前述のように、アルカリ土類金属Mと混合しているアルミナとの反応が、前記(I)〜(V)の複合酸化物のFeをTiで置換することによって抑制できるために、耐久性や安定性に優れた排ガス浄化触媒にすることができたのである。Tiによる置換割合zは、0<z<0.5である。Tiで置換されていない(z=0)では、上述のような問題が生じる。一方、Tiによる置換割合zが、0.5以上では、十分な触媒活性が得られない。また、Tiによる置換割合zが、0.5以上では、Tiが固溶できず、酸化チタンTiOが形成することもある。
前記(I)〜(V)の複合酸化物で、FeをTiで置換すると、アルカリ土類金属Mがアルミナと反応するのが抑制されるのは、次のような理由が考えられる。
アルミナと酸化鉄は、どちらも両性酸化物(中性酸化物)であるが、両者の酸性度を比較すると、アルミナの方が酸性側である(例えば、酸化物の等電荷点で酸性度が比較でき、アルミナの等電荷点は8.9、酸化鉄の等電荷点は9.27で、アルミナの方が酸性側である。)。塩基性酸化物であるアルカリ土類金属酸化物は、酸−塩基という組み合わせの概念から、アルミナとも、酸化鉄とも、化合物を形成する。しかし、アルカリ土類金属との化合物は、酸化鉄に比べて酸性であるアルミナの方が、より安定となる。したがって、アルカリ土類金属が酸化鉄と複合酸化物を形成していても、アルミナが共存すると、複合酸化物中のアルカリ土類金属は、酸性度の高いアルミナと化合物を形成する傾向になるのである。一方、酸化チタンは、両性酸化物ではあるが、アルミナよりも酸性度の高い酸化物(酸化チタンの等電荷点は6.0である。)であるので、アルカリ土類金属と化合物を形成した場合、アルミナとの化合物に比べてより安定になる。そこで、酸化鉄と酸化チタンとの固溶体とすると、酸化鉄よりも酸性度が高くなり、アルミナよりも高い酸性度が得られる。そうすると、アルカリ土類金属と酸化鉄−酸化チタン固溶体との化合物では、アルミナが共存していても、アルカリ土類金属は、アルミナと化合物を形成するよりも前記固溶体と化合物を形成していた方が安定である。即ち、上記(I)〜(V)の複合酸化物でFeをTiで置換すると、アルカリ土類金属Mがアルミナと反応するのを抑制できる。
また、チタンのイオン半径(Ti4+)は、61pm(6配位)であり、鉄のイオン半径Fe3+で65pm(6配位)、Fe2+で78pm(6配位)よりも小さいので、上記(I)〜(V)の複合酸化物のFeをTiで置換可能となる。更に、イオン半径の観点から、イオン半径の小さいチタンイオンで置換されると、上記(I)〜(V)の複合酸化物結晶のマーデルングエネルギー(Madelung energy)が低くなって安定化するので、アルカリ土類金属が抜け出し難くなる、即ち、共存するアルミナと反応し難くなるとも考えることができる。特に、アルカリ土類金属のイオン半径が大きい(Ca以上)とマーデルングエネルギーが高く、Tiによる置換で安定化する効果が多いと考えられる。
よって、Tiによる置換割合zが増加するほど、安定になり、アルカリ土類金属がアルミナと反応し難くなる。しかしながら、触媒性能の観点からは、Tiによる置換割合zが多くなりすぎると、触媒性能が低下する傾向にあるので、Tiによる置換割合zは、より好ましくは、0.01以上0.4以下であり、更に好ましくは、0.02以上0.2以下である。
前記アルカリ土類金属Mとしては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、及びRaが挙げられる。前記アルカリ土類金属は、1種又は2種以上使用できる。Feとの複合酸化物の形成しやすさから、好ましいのは、Mg、Ca、Sr、Baである。更に、Sr若しくはCa、又はSrとCaの両方であると、より優れた触媒性能が得られる。DOCでは、5%〜21%程度の酸素分圧の高い排ガスにおいてその触媒活性が発揮できるものであるが、前記アルカリ土類金属MがSrであると、前記酸素分圧範囲の中でも酸素分圧が低い10%未満の領域(5%以上10%未満)でも優れた触媒活性を示す。また、前記アルカリ土類金属MにCaが含まれると、DOC及び三元触媒で、耐久性により優れたものとなる。
前記複合酸化物の結晶相は、X線回折法を使用して、結晶相を判定、定量できる。ここで、前記結晶相は単相である。ただし単相とは、X線回折法で検出できないか、又は、不純物相又は第2相が0.5モル%未満であって本発明の作用効果に影響しない量を含むことをも意味する。
本発明に係る複合酸化物粒子の粒子サイズは、製造効率、及び貴金属を効果的に担持できるという理由により、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置で測定される体積累積基準D50(中心粒径)が、0.5μm〜10.0μmの範囲であるのが好ましい。1.0μm〜5.0μmの範囲がより好ましい。通常の酸化物担体では、粒径が100nm以下の小さい方が貴金属を微細に分散できるので好ましいが、本発明では、そのような小さな粒子にしなくても十分な触媒性能が得られる。したがって、中心粒径D50が0.5μm未満では、触媒性能としては問題ないが、製造過程における粉砕等による粒径調製に時間がかかり、経済的ではない場合がある。一方、中心粒径が10.0μmを超えると、貴金属を均一に分散担持することが難しくなり、貴金属が多量に必要となる場合がある。また、前記複合酸化物粒子の比表面積は、前記と同様に、製造効率、及び貴金属を効果的に担持できるという理由により、1〜20m/gの範囲が好ましい。比表面積が1m/g未満では、貴金属を高分散できなかったり、担持過程で貴金属の凝集が起こったりする場合がある。一方、比表面積が20m/gを超えると、複合酸化物粒子の調製が経済的でなかったり、スラリー調製の際に分散させるのが難しかったりする場合がある。
前記Tiを含む(I)〜(V)の複合酸化物は、Pd、又はPdとPtとの両方の貴金属が担持される。前記貴金属の担持率(貴金属と複合酸化物の総質量に対する貴金属の質量の百分率)は、各触媒の目的に合わせて設計するので特に限定しないが、0.1質量%〜15質量%の範囲が好ましい。前記範囲であると、DOC及び三元触媒のいずれにおいても、より優れた触媒性能が得られる。担持率が低くなると、貴金属が担体酸化物に高分散される(貴金属同士の距離が大きくなる)が、0.1質量%未満になると、ハニカム基材に必要な貴金属をコートするためにコート量が多く必要になり、ハニカム基材のセル密度によってはコートによってセル目が小さくなり圧損が大きくなる場合がある。また、コート厚が大きくなるので(触媒層が厚くなるので)、排ガスが触媒層深部まで効率よく拡散していかない場合がある。一方、担持率が高くなると、コート厚を薄くできるので、前述のようなことは生じないが、担体酸化物上の貴金属の密度が高くなって分散性が低くなる(貴金属同士の距離が小さくなる)ので、貴金属同士が凝集してシンタリングし易くなる傾向にあり、15質量%を超えると貴金属の種類や熱履歴条件(又は耐久試験条件)によってはシンタリングして触媒性能が低下する場合がある。貴金属の担持率は、0.2質量%〜10質量%の範囲がより好ましく、0.4質量%〜6.0質量%の範囲が更に好ましい。また、担持された前記貴金属の粒子サイズは、15nm以下であれば十分であるが、1〜3nmの範囲がより好ましく、より高い触媒性能を示す。ここで、貴金属の粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して求めるものである。具体的には、TEMで観察される貴金属粒子の円相当直径を測定し、無作為に選んだ50個の粒子を測定して数平均した粒子径を粒子サイズとする。
DOCとして貴金属を設計する場合は次のように考える。Pdは、低温活性化(ライトオフ性能の向上)には担持率を高める必要があるが、廉価である。Ptは、高価であるが、低温活性(ライトオフ性能)には優れている。PdとPtは、ディーゼルエンジンのエンジンマネージメント、後処理設計等の目的とコストに合わせて選択し、使用量を決定すればよい。特に、PdとPtとの両方の貴金属を担持するのが、性能とコストを両立させ易くなるので、好ましい。PdとPtとの両方の貴金属が担持されているPt/Pd質量比Rが、0<R<1の範囲であるのが、より好ましい。前記範囲内であると、ライトオフ性能と耐久性との両方が更に優れるものとなる。
三元触媒としては、PdとPtで同程度の浄化性能が得られるので、廉価であるPdを使用する方が好ましい。また、Pdは、ガソリンエンジン排ガスにおいてNO浄化性能を高める傾向がある。
前記貴金属が担持された(I)〜(V)の複合酸化物は、アルミナと混合されることで、ガスの拡散経路を十分確保された微細構造となるので、優れた触媒性能が得られる。図1(a)及び(b)に、その模式構造例を示す。貴金属が担持された前記複合酸化物だけであると(図1(c))、ガスの拡散経路が狭く限られるので、排ガス中の反応ガス(酸化種や還元種)が全ての粒子(特に深部にある粒子に)に行き渡らないので、触媒量の割には十分な触媒性能が得られない。ハニカム基材の内壁に触媒層を形成した際は、特に、触媒層の表面域の粒子のみが反応に寄与して、触媒層の深部(基材表面側)にある粒子は十分反応に寄与しない。このような現象は、特に、前記複合酸化物の粒子が好ましい中心粒径D50である0.5μm以上で、より顕著になる。具体的には、DOCにおいては、多量の触媒をハニカム基材にコートしているにも関わらず、ライトオフ性能が低い。三元触媒においては、リーンとリッチが繰り返される実車評価において、十分な浄化性能が得られない。また、貴金属が担持された前記複合酸化物だけであると、ハニカムの内壁への密着性に劣り、衝撃や振動でコートした触媒が剥がれ落ちるということもある。
しかしながら、貴金属が担持された前記複合酸化物がアルミナと混合されていると、ハニカム基材の内壁に触媒層を形成した際に、ハニカム内壁に対する触媒層の密着性が向上するとともに、排ガスがアルミナで形成される多孔質部分を通過しながら、反応点である貴金属が担持された複合酸化物の粒子表面に到達するので、排ガス中の反応ガスが攪拌されながら(均一な組成で)触媒表面に到達することになる。このような状況では、触媒層の特定の局所部位で反応が進むのではなく、触媒層全体に渡って均一に反応が起こる(図1)。したがって、DOCにおいては、貴金属が担持された前記複合酸化物がアルミナと混合されていると、上述の理由で酸化反応に関わる反応種が局在せずに効率よく各触媒粒子表面に拡散するので優れたライトオフ性能を示すようになる。三元触媒においては、特に、リーンとリッチが繰り返される実車環境で前記複合酸化物各粒子に酸素ガス(酸素分子)を有効に拡散して貴金属が担持された前記複合酸化物が酸素吸蔵と活性酸素形成が効率よく行えるので、優れた浄化性能が得られる。
貴金属が担持された前記複合酸化物と混合されるアルミナは、複合酸化物とアルミナとの総質量を100質量%として、4質量%〜86質量%であるのがより好ましく、更に好ましくは、15質量%〜65質量%である。アルミナを混合する量が少な過ぎると、上述のような排ガスの拡散が効率よく起こらない場合がある。また、アルミナを混合する量が多過ぎると、貴金属が担持された前記複合酸化物の効果が十分得られない場合がある。
本発明で使用されるアルミナは、特に限定されないが、例えば、α-アルミナ、γ-アルミナ、ρ-アルミナ、χ-アルミナ、η-アルミナ、δ-アルミナ、κ-アルミナ、θ-アルミナ、無定形アルミナ等が挙げられる。中でも、γ-アルミナ、ρ-アルミナ、χ-アルミナ、η-アルミナ、δ-アルミナ、κ-アルミナ、θ-アルミナ、無定形アルミナ等の活性アルミナと呼ばれるアルミナが、比表面積が大きいので好ましい。また、活性アルミナの耐熱性を向上させるために、ランタン等の添加元素が含まれていてもよい。
本発明で使用されるアルミナの粒子径は、特に限定されないが、前記複合酸化物の粒径(D50)より小さい方がより好ましい。ここで、アルミナの粒子径とは、透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して求める一次粒子の粒子径であり、観察されるアルミナ粒子の円相当直径を測定し、無作為に選んだ50個の粒子を測定して数平均した粒子径を粒子サイズとする。より好ましいアルミナの粒子径は、25nm〜500nmである。また、本発明で使用されるアルミナの比表面積は、大きいほど好ましく、60m/g以上がより好ましい。200m/gを超えると扱い難くなったり高価であったりする場合がある。
本発明のアルミナは、貴金属が担持されていないアルミナ(貴金属無担持アルミナ)でもよいが、貴金属が担持されたアルミナ(貴金属担持アルミナ)を含んでいてもよい。DOCでは、アルミナに担持される貴金属としては、Ptがより好ましい。三元触媒では、アルミナに担持される貴金属としては、Rhがより好ましい。担持する貴金属の粒子サイズは、1〜3nmの範囲が好ましい。ここで、貴金属の粒子サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察して求めるものである。具体的には、TEMで観察される貴金属粒子の円相当直径を測定し、無作為に選んだ50個の粒子を測定して数平均した粒子径を粒子サイズとする。前記貴金属の担持率は、貴金属が担持された前記複合酸化物の触媒作用に対して補助的な役割であるので、特に限定されないが、0.1質量%〜20質量%の範囲がより好ましい。0.1質量%未満であると、触媒性能の向上効果が小さい場合がある。20質量%を超えると、触媒性能の向上効果が飽和してしまう場合がある。また、アルミナに担持されて使用される貴金属量は、総貴金属量に対して、50質量%未満であるのが好ましい。50質量%以上であると、本発明の効果が得られない場合がある。
本発明に係る、上記(I)〜(V)の複合酸化物は、固相反応法、共沈法やゾル・ゲル法などの液相法、化学気相析出法、レーザーアブレーション法等のどのような方法で、製造してもよい。例えば、固相反応法と共沈法による製造方法を以下に説明する。
固相反応法による製造では、出発原料として、アルカリ土類金属Mの酸化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩、有機酸塩、硫酸塩等、Feの酸化物、水酸化物、硝酸塩、硫酸塩、Tiの酸化物等が使用できる。前記M、Fe、Tiの出発原料粉を(I)〜(V)の化学式で所望の組成になるようにそれぞれ秤量し、混合した後、800〜1250℃の範囲内で仮焼する。前記出発原料の混合は、湿式、乾式のいずれでもよく、乳鉢混合、ボールミル、遊星ボールミル、ドラムミキサー、ピンミル等既存の方法であればどのような方法でもよい。仮焼して得られる複合酸化物は、粉砕し、場合によっては分級して、使用される。
共沈法による製造では、出発原料として、Mの硝酸塩、硫酸塩、有機酸塩等、FeとTiの硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、塩化物、キレート錯体、有機酸塩等が使用できる。前記M、Fe、Tiの出発原料を(I)〜(V)の化学式で所望の組成になるようにそれぞれ秤量し、水に溶解する。pH調整剤を添加して溶液のpHを中性〜塩基性にして、又は共沈剤(シュウ酸塩、クエン酸塩等)を添加して、溶解しているM、Ti、Feのイオンを共沈させる。共沈物をろ過あるいは遠心分離で分離・洗浄して、乾燥した後、800〜1250℃の範囲内で仮焼する。仮焼して得られる複合酸化物は、必要に応じて、粉砕、分級して使用される。
本発明に係る、上記(I)〜(V)の複合酸化物粒子に、Pd、又はPdとPtとの両方の貴金属を担持する方法は、特に限定しないが、例えば、以下の方法で担持できる。水溶性のPdやPt塩、例えば、硝酸塩、亜硝酸塩、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、アンミン錯体等、又は、PdコロイドやPtコロイドに、水に加えて、貴金属担持溶液を調製する。更に、前記溶液中に前記複合酸化物粒子を加えて攪拌、超音波分散等で分散する。前記懸濁溶液の水分を除去し、乾燥させた後、400〜900℃の範囲で熱処理して、貴金属が担持された前記複合酸化物が調製できる。前記熱処理温度のより好ましい範囲は、450〜700℃である。
貴金属が担持された前記複合酸化物とアルミナとの混合は、両者の粉末を乾式又は湿式混合して得られる混合粉末であってもいいし、ハニカム基材等に触媒層を形成するスラリーを調製する過程で両者の粉末を添加してスラリー中で混合されてもよい。触媒反応が起こる状況で、両者が混合されていればよい。即ち、粉末やペレット触媒として使用する場合や評価する場合には、混合粉末である。一方、ハニカム基材等にコートして使用する場合には、混合粉末をスラリーにする、又は各粉末を別々に加えて両者を含むスラリーにするという方法で調製したスラリーを基材にコートして得られる触媒層であり、前記触媒層には、貴金属が担持された前記複合酸化物とアルミナとが混合された状態となっている。
本発明の排ガス浄化用触媒は、セラミックス製又は金属製のハニカムにウォッシュコートして排ガス浄化触媒ハニカム構造体(DOCハニカム構造体、三元触媒ハニカム構造体)とすることができる。本発明で使用できるセラミックスハニカムは、特に限定されないが、例えば、コージエライトハニカム、炭化珪素ハニカム等が挙げられる。また、本発明で使用できる金属ハニカムも、特に限定されないが、例えば、ステンレスハニカムやAl富化ステンレスハニカム等が挙げられる。
本発明の排ガス浄化触媒をハニカムにウォッシュコートする場合には、まず、触媒及び結合材等が分散するスラリーを調製し、その中にハニカムを浸漬する、又は、前記スラリーをハニカム内部に流入させる。結合剤としては、例えば、硝酸アルミニウム、コロイダルシリカ、ρ−アルミナ、有機バインダー等が挙げられる。次いで、ハニカム表面の余剰スラリーを吹き飛ばす等の方法で取り除き、乾燥した後、500〜900℃の温度で熱処理する。尚、前記スラリーをハニカム内部に流入させる場合は、前記スラリーがハニカム内壁にのみ塗布されるようになるが、その方法の一つとして、ハニカムを装着する治具を工夫して前記スラリーを吸い上げる方法がある。
本発明の排ガス浄化触媒ハニカム構造体では、貴金属量が、0.1g/L〜15.0g/Lの範囲で含まれているのが好ましい。0.1g/L未満では、排ガス浄化触媒ハニカム構造体として十分な触媒性能を発揮できない場合がある。15.0g/Lを超えると、排ガス浄化触媒ハニカム構造体の触媒性能が飽和し、貴金属量を増やしてもそれ以上触媒性能が向上しない場合がある。より好ましくは、0.4g/L〜11.0g/Lである。更に好ましくは、0.8g/L〜8g/Lである。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
上記(I)の複合酸化物M(Fe1−zTi)O3.5±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を2:1で、更に、表1の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、900℃で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)O3.5±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表1(表1−1〜1−5)に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径40nmで、比表面積101.4m/gであった。
表1に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表1に示したように、γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合するγ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表1に示した担持率で上記と同様にして行った。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が25.4mm、長さが25mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、2.1g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体に関し、以下のようにしてDOC触媒性能評価を行った。ディーゼル排ガスの模擬ガスとして、THC(プロパン、C):600ppm(1800ppmC)、NO:500ppm、CO:1000ppm、O:10%、HO:12%、N:バランスを用いた。ここで、HCを、総HC(total hydrocarbons)としてTHCで表している。SV(空間速度):60,000h−1で前記模擬ガスをハニカム触媒構造体に流し、触媒の温度を常温から600℃まで電気炉で加熱し、各温度における触媒通過後のガス組成をガスクロマトグラフ及びNO計で測定した。THC転化率(%)を100×{1−[THC]out/[THC]in}とし、CO転化率(%)を100×{1−[CO]out/[CO]in}として、触媒通過前後のTHCとCOの濃度変化から、DOC触媒活性を求めた。各温度における転化率を測定して、図2に示すような転化率−温度曲線から転化率が50%となる温度T50(ライトオフ性能を代表する指標)として、表2(表2−1〜2−3)に示したように、各触媒のDOC触媒活性を比較した。
触媒の耐久性については、ハニカム触媒構造体を空気中で800℃、200h熱処理した後に、上記と同様にDOC触媒性能評価を行い、T50を熱処理前後で比較した。更に、空気中で920℃、200h熱処理を行い、上記と同様にDOC触媒性能評価を行い、表2に示したように、T50を比較した。
表3(表3−1〜3−3)は、表2の結果に関し、従来触媒をγ−アルミナにPdとPtを担持した触媒としてNo.1−97の評価結果と比較してまとめたものである。耐久試験を行う前の初期触媒のTHC転化率とCO転化率のT50に関し、従来触媒より高いT50の場合は「×」、従来触媒と同じT50の場合は「○」、従来触媒より低いT50の場合は「◎」として、ライトオフ性能を比較した。耐久試験を行う前の初期触媒のTHC転化率とCO転化率のT50と比べて、耐久試験を行った後のそれぞれのT50について、15℃を超える低下(温度上昇)があった場合は「×」、5℃を超え15℃以下であった場合は「△」、0℃(T50の変化無し)を超え5℃以下であった場合は「○」、0℃であって耐久試験後でも変化しなかった場合は「◎」として、耐久性を比較した。
表1〜表3に示すように、No.1−2〜1−5、No.1−7〜1−20、No.1−23〜1−26、No.1−28〜1−37、No.1−40〜1−43、No.1−45〜1−54、No.1−57〜1−61、No.1−63〜1−64、No.1−66〜1−69、No.1−71〜1−77、No.1−80〜1−86、No.1−89〜1−95の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)O3.5±δには、DOCとしてライトオフ性能に優れ、アルミナと混合されているがTiが0<z<0.5の範囲で含まれているので900℃を超える高温の耐久試験で十分な耐久性を示すものである。一方、No.1−1、No.1−22、No.1−39、No.1−56、No.1−70、No.1−79、No.1−88の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期のライトオフ性能が良くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.1−21、No.1−38、No.1−55、No.1−65、No.1−78、No.1−87、No.1−96の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。No.1−6、No.1−27、No.1−44、No.1−62の比較例では、アルミナが混合されていないので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。
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(実施例2)
上記(II)の複合酸化物M(Fe1−zTi)O2.5±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(FeO、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を1:1で、更に、表4(表4−1〜4−5)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1100℃で4時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で4時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)O2.5±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表4に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径40nmで、比表面積101.4m/gであった。
表4に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表4に示したように、γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合γ−するアルミナに貴金属を担持する場合も、表4に示した担持率で上記と同様にして行った。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が25.4mm、長さが20mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、2.5g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体に関し、実施例1と同様にDOC触媒性能評価を行った。表6(表6−1〜6−3)は、表5(表5−1〜5−3)の結果に関し、従来触媒をγ−アルミナにPdとPtを担持した触媒としてNo.2−97の評価結果と比較してまとめたものである。
表4〜表6に示すように、No.2−2〜2−5、No.2−7〜2−20、No.2−23〜2−26、No.2−28〜2−37、No.2−40〜2−43、No.2−45〜2−54、No.2−57〜2−61、No.2−63〜No.2−64、No.2−66〜2−69、No.2−71〜2−77、No.2−80〜2−86、No.2−89〜2−95の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)O2.5±δには、DOCとしてライトオフ性能に優れ、アルミナと混合されているがTiが0<z<0.5の範囲で含まれているので900℃を超える高温の耐久試験で十分な耐久性を示すものである。一方、No.2−1、No.2−22、No.2−39、No.2−56、No.2−70、No.2−79、No.2−88の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期のライトオフ性能が良くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.2−21、No.2−38、No.2−55、No.2−65、No.2−78、No.2−87、No.2−96の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。No.2−6、No.2−27、No.2−44、No.2−62の比較例では、アルミナが混合されていないので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。
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(実施例3)
上記(III)の複合酸化物M(Fe1−zTi4±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を1:2で、更に、表7(表7−1〜7−5)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1150℃で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi4±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表7に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径40nmで、比表面積101.4m/gであった。
表7に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表7に示したように、γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合するγ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表7に示した担持率で上記と同様にして行った。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が25.4mm、長さが20mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、2.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体に関し、実施例1と同様にDOC触媒性能評価を行った。表9(表9−1〜9−3)は、表8(表8−1〜8−3)の結果に関し、従来触媒をγ−アルミナにPdとPtを担持した触媒としてNo.3−93の評価結果と比較してまとめたものである。
表7〜表9に示すように、No.3−2〜3−5、No.3−7〜3−20、No.3−23〜3−26、No.3−28〜3−37、No.3−40〜3−43、No.3−45〜3−54、No.3−57〜3−61、No.3−63〜No.3−64、No.3−67〜3−73、No.3−76〜3−82、No.3−85〜3−91の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi4±δには、DOCとしてライトオフ性能に優れ、アルミナと混合されているがTiが0<z<0.5の範囲で含まれているので900℃を超える高温の耐久試験で十分な耐久性を示すものである。一方、No.3−1、No.3−22、No.3−39、No.3−56、No.3−66、No.3−75、No.3−84の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期のライトオフ性能が良くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.3−21、No.3−38、No.3−55、No.3−65、No.3−74、No.3−83、No.3−92の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。No.3−6、No.3−27、No.3−44、No.3−62の比較例では、アルミナが混合されていないので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。
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(実施例4)
上記(IV)の複合酸化物M(Fe1−zTi13±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を2:3で、更に、表10(表10−1〜10−5)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1150℃で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi13±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表10に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径40nmで、比表面積101.4m/gであった。
表10に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表10に示したように、γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合するγ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表10に示した担持率で上記と同様にして行った。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が25.4mm、長さが20mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、3.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体に関し、実施例1と同様にDOC触媒性能評価を行った。表12(表12−1〜12−3)は、表11(表11−1〜11−3)の結果に関し、従来触媒をγ−アルミナにPdとPtを担持した触媒としてNo.4−93の評価結果と比較してまとめたものである。
表10〜表12に示すように、No.4−2〜4−5、No.4−7〜4−20、No.4−23〜4−26、No.4−28〜4−37、No.4−40〜4−43、No.4−45〜4−54、No.4−57〜4−61、No.4−63〜No.4−64、No.4−67〜4−73、No.4−76〜4−82、No.4−85〜4−91の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi13±δには、DOCとしてライトオフ性能に優れ、アルミナと混合されているがTiが0<z<0.5の範囲で含まれているので900℃を超える高温の耐久試験で十分な耐久性を示すものである。一方、No.4−1、No.4−22、No.4−39、No.4−56、No.4−66、No.4−75、No.4−84の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期のライトオフ性能が良くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.4−21、No.4−38、No.4−55、No.4−65、No.4−74、No.4−83、No.4−92の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。No.4−6、No.4−27、No.4−44、No.4−62の比較例では、アルミナが混合されていないので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。
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(実施例5)
上記(V)の複合酸化物M(Fe1−zTi)1219±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を1:12で、更に、表13(表13−1〜13−5)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1200℃で3時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で3時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)1219±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表13に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径40nmで、比表面積101.4m/gであった。
表13に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表13に示したように、γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合γ−するアルミナに貴金属を担持する場合も、表13に示した担持率で上記と同様にして行った。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が25.4mm、長さが20mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、5.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体に関し、実施例1と同様にDOC触媒性能評価を行った。表15(表15−1〜15−3)は、表14(表14−1〜14−3)の結果に関し、従来触媒をγ−アルミナにPdとPtを担持した触媒としてNo.5−93の評価結果と比較してまとめたものである。
表13〜表15に示すように、No.5−2〜5−5、No.5−7〜5−20、No.5−23〜5−26、No.5−28〜5−37、No.5−40〜5−43、No.5−45〜5−54、No.5−57〜5−61、No.5−63〜5−64、No.5−67〜5−73、No.5−76〜5−82、No.5−85〜5−91の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)1219±δには、DOCとしてライトオフ性能に優れ、アルミナと混合されているがTiが0<z<0.5の範囲で含まれているので900℃を超える高温の耐久試験で十分な耐久性を示すものである。一方、No.5−1、No.5−22、No.5−39、No.5−56、No.5−66、No.5−75、No.5−84の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期のライトオフ性能が良くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.5−21、No.5−38、No.5−55、No.5−65、No.5−74、No.5−83、No.5−92の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。No.5−6、No.5−27、No.5−44、No.5−62の比較例では、アルミナが混合されていないので、触媒性能そのものが十分得られない(初期のライトオフ性能が低すぎる)ものである。
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(実施例6)
上記(I)の複合酸化物M(Fe1−zTi)O3.5±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を2:1で、更に、表16(表16−1〜16−4)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、900℃で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)O3.5±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表16に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物と、Laが15質量%(La/(La+Al)の酸化物質量%である。)含有する耐熱性γ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径35nmで、比表面積98.2m/gであった。
表16に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表16に示したように、耐熱性γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合する耐熱性γ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表16に示した担持率で上記と同様にして行った。ここで、Rhの原料としては、硝酸ロジウムを使用した。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が40mm、長さが60mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、2.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体で、以下のようにして触媒性能評価を行った。
触媒性能評価を行うためには、実用車両(排気量125mLエンジン)を用いた試験を実施した。まず、前記作製したハニカム触媒構造体をマフラーに溶接にて装着した。すべて装着した後に、排気ガス系統からのガス漏れがないことを確認した。また、評価を行う前には暖機運転を行い、その後も排気ガス系統からのガス漏れがないことを確認して評価を実施した。試験方法は国土交通省が定めた試験方法(TRIAS)に準じて行った。走行モードとしては、EU二輪車モーターサイクル・テストサイクルにて実施した。
耐久性試験については、ハニカム触媒構造体を、1%CO還元雰囲気(Nバランス)1時間と2%O酸化雰囲気(Nバランス)1時間と繰り返して1000℃、48h熱処理した後に、上記と同様に触媒性能評価を行った。
CO、THC、NOの浄化率としての評価結果を表17(表17−1〜17−2)に示す。表17は、各浄化率は、触媒無しでの同条件にける排ガス成分量を100として、触媒を設置した場合の各排ガス成分量の減少割合を質量%で計算し、浄化率性能の欄には、
CO浄化率 ×:65%未満、○:65%以上、◎:70%以上
THC浄化率 ×:65%未満、○:65%以上、◎:70%以上
NO浄化率 ×:20%未満、○:20%以上、◎:22%以上
として結果を表した。
表16〜表17に示すように、No.6−2〜6−5、No.6−7〜6−19、No.6−22〜6−25、No.6−27〜6−35、No.6−38〜6−41、No.6−43〜6−51、No.6−54〜6−58、No.6−60〜6−61、No.6−63〜6−66、No.6−68〜6−74の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)O3.5±δに、Tiが0<z<0.5の範囲で含まれており、かつアルミナと混合されているので、三元触媒として浄化率が高く、酸化・還元繰り返し環境の耐久試験でも十分な耐久性を示している。
一方、No.6−1、No.6−21、No.6−37、No.6−53、No.6−67の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期の三元触媒として浄化率が高くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しい。また、No.6−20、No.6−36、No.6−52、No.6−62、No.6−75の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、浄化性能が十分得られないものである。No.6−6、No.6−26、No.6−42、No.6−59の比較例では、アルミナが混合されていないので、浄化性能が十分得られないものである。
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(実施例7)
上記(II)の複合酸化物M(Fe1−zTi)O2.5±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を1:1で、更に、表18(表18−1〜18−4)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1050℃で3時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で3時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)O2.5±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表18に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物と、Laが15質量%(La/(La+Al)の酸化物質量%である。)含有する耐熱性γ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径35nmで、比表面積98.2m/gであった。
表18に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表18に示したように、耐熱性γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合する耐熱性γ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表18に示した担持率で上記と同様にして行った。ここで、Rhの原料としては、硝酸ロジウムを使用した。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が40mm、長さが60mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、1.5g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体で、実施例6と同様にして触媒性能評価及び耐久試験を行った。CO、THC、NOxの浄化率としての評価結果を表19(表19−1〜19−2)に示す。
表18〜表19に示すように、No.7−2〜7−5、No.7−7〜7−19、No.7−22〜7−25、No.7−27〜7−35、No.7−38〜7−41、No.7−43〜7−51、No.7−54〜7−58、No.7−60〜7−61、No.7−63〜7−66、No.7−68〜7−74の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)O2.5±δに、Tiが0<z<0.5の範囲で含まれており、かつアルミナと混合されているので、三元触媒として浄化率が高く、酸化・還元繰り返し環境の耐久試験でも十分な耐久性を示す。
一方、No.7−1、No.7−21、No.7−37、No.7−53、No.7−67の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期の三元触媒として浄化率が高くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.7−20、No.7−36、No.7−52、No.7−62、No.7−75の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、浄化性能が十分得られないものである。No.7−6、No.7−26、No.7−42、No.7−59の比較例では、アルミナが混合されていないので、浄化性能が十分得られないものである。
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(実施例8)
上記(III)の複合酸化物M(Fe1−zTi)4±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を1:2で、更に、表20(表20−1〜20−4)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1100℃で4時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で4時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)4±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表20に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物と、Laが15質量%(La/(La+Al)の酸化物質量%である。)含有する耐熱性γ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径35nmで、比表面積98.2m/gであった。
表20に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表20に示したように、耐熱性γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合する耐熱性γ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表20に示した担持率で上記と同様にして行った。ここで、Rhの原料としては、硝酸ロジウムを使用した。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が40mm、長さが60mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、1.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体で、実施例6と同様にして触媒性能評価及び耐久試験を行った。CO、THC、NOの浄化率としての評価結果を表21(表20−1〜20−2)に示す。
表20〜表21に示すように、No.8−2〜8−5、No.8−7〜8−19、No.8−22〜8−25、No.8−27〜8−35、No.8−38〜8−41、No.8−43〜8−51、No.8−54〜8−58、No.8−60〜8−61、No.8−64〜7−70の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)4±δに、Tiが0<z<0.5の範囲で含まれており、かつアルミナと混合されているので、三元触媒として浄化率が高く、酸化・還元繰り返し環境の耐久試験でも十分な耐久性を示す。
一方、No.8−1、No.8−21、No.8−37、No.8−53、No.8−63の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期の三元触媒として浄化率が高くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.8−20、No.8−36、No.8−52、No.8−62、No.8−71の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、浄化性能が十分得られないものである。No.8−6、No.8−26、No.8−42、No.8−59の比較例では、アルミナが混合されていないので、浄化性能が十分得られないものである。
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(実施例9)
上記(IV)の複合酸化物M(Fe1−zTi)13±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を2:3で、更に、表22(表22−1〜22−4)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1150℃で3時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で3時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)13±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表22に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物と、Laが15質量%(La/(La+Al)の酸化物質量%である。)含有する耐熱性γ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径35nmで、比表面積98.2m/gであった。
表22に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表22に示したように、耐熱性γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合する耐熱性γ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表22に示した担持率で上記と同様にして行った。ここで、Rhの原料としては、硝酸ロジウムを使用した。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が40mm、長さが60mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、2.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体で、実施例6と同様にして触媒性能評価及び耐久試験を行った。CO、THC、NOの浄化率としての評価結果を表23(表23−1〜23−2)に示す。
表22〜表23に示すように、No.9−2〜9−5、No.9−7〜9−19、No.9−22〜9−25、No.9−27〜9−35、No.9−38〜9−41、No.9−43〜9−51、No.9−54〜9−58、No.9−60〜9−61、No.9−64〜9−70の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)13±δに、Tiが0<z<0.5の範囲で含まれており、かつアルミナと混合されているので、三元触媒として浄化率が高く、酸化・還元繰り返し環境の耐久試験でも十分な耐久性を示す。
一方、No.9−1、No.9−21、No.9−37、No.9−53、No.9−63の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期の三元触媒として浄化率が高くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.9−20、No.9−36、No.9−52、No.9−62、No.9−71の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、浄化性能が十分得られないものである。No.9−6、No.9−26、No.9−42、No.9−59の比較例では、アルミナが混合されていないので、浄化性能が十分得られないものである。
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(実施例10)
上記(V)の複合酸化物M(Fe1−zTi)1219±δの調製、及び貴金属の担持を以下の方法で行い、アルミナと混合して排ガス浄化用触媒を作製した。
アルカリ土類金属Mの原料として炭酸塩(MCO)を、Fe,Tiの原料として酸化物(Fe、TiO)を用いた。Mと(Fe+Ti)のモル比を1:12で、更に、表24(表24−1〜24−4)の「複合酸化物」欄に示したTiのモル比(z値)になるように、前記原料を秤量して、ボールミルで混合した。前記混合粉末を、1150℃で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕した。前記粉砕粉末を、更に、同温で5時間仮焼し、仮焼粉末をボールミルで粉砕し、本発明に係る複合酸化物を作製した。
得られた粉末は、粉末X線回折法によって、M(Fe1−zTi)1219±δ結晶相が得られたことを確認した。また、中心粒径D50の測定には、島津製作所社製レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定した。比表面積の測定には、日本ベル社製比表面積測定装置を用い、窒素ガス吸着によるBET法により求めた。
次に、上記の複合酸化物に、以下のようにして表24に示した貴金属をその担持率で担持した。具体的には、硝酸パラジウムと白金コロイドを用いて、PdとPtをそれぞれ担持した。硝酸パラジウム又は白金コロイドを含む水溶液と前記複合酸化物の粉末100gをロータリーエバポレータに入れ、まず、常温、減圧下で回転攪拌しながら脱泡処理をした。常圧に戻して60〜70℃の間で加熱した後、減圧して脱水、乾燥した。常温まで冷却後、常圧に戻して固形物を取り出し、180℃で2時間乾燥した。乾燥した固形物(粉末)を大気中600℃で3時間熱処理した。以上の操作により、貴金属が担持された複合酸化物を作製した。
次に、上記貴金属が担持された複合酸化物と、Laが15質量%(La/(La+Al)の酸化物質量%である。)含有する耐熱性γ−アルミナを用いて、スラリーを作製し、ハニカムにウォッシュコートした。ここで使用したγ−アルミナは、TEM観察で求めた一次粒子の数平均粒径35nmで、比表面積98.2m/gであった。
表24に示した貴金属が担持された複合酸化物とγ−アルミナをそれぞれ19質量部、純水7質量部と、結合剤として市販メチルセルロース溶液(固形分2.5質量%)10質量部を攪拌しながら添加し、さらに消泡剤を添加して、混合してスラリーとした。また、従来の触媒として、表24に示したように、耐熱性γ−アルミナのみを担体として上記と同様に貴金属を担持して試験した。また、複合酸化物に混合する耐熱性γ−アルミナに貴金属を担持する場合も、表24に示した担持率で上記と同様にして行った。ここで、Rhの原料としては、硝酸ロジウムを使用した。
前記触媒粉末をウォッシュコートするハニカムとして、直径が40mm、長さが60mm、ハニカムのセル密度として1インチ(25.4mm)平方当たり300セルである円筒型のステンレス鋼製ハニカムを用いた。前記スラリーをハニカム内壁に塗布し、乾燥した。その後、大気中650℃で1時間熱処理することによって、本発明及び比較例の触媒粉末をウォッシュコートしてなるステンレス鋼製ハニカム触媒構造体を得た。尚、前記ハニカムに固定された総貴金属量は、2.0g/Lである。
前記作製したハニカム触媒構造体で、実施例6と同様にして触媒性能評価及び耐久試験を行った。CO、THC、NOの浄化率としての評価結果を表25(表25−1〜25−2)に示す。
表24〜表25に示すように、No.10−2〜10−5、No.10−7〜10−19、No.10−22〜10−25、No.10−27〜10−35、No.10−38〜10−41、No.10−43〜10−51、No.10−54〜10−58、No.10−60〜10−61、No.10−64〜10−70の実施例では、貴金属が担持された複合酸化物M(Fe1−zTi)1219±δに、Tiが0<z<0.5の範囲で含まれており、かつアルミナと混合されているので、三元触媒として浄化率が高く、酸化・還元繰り返し環境の耐久試験でも十分な耐久性を示している。
一方、No.10−1、No.10−21、No.10−37、No.10−53、No.10−63の比較例では、前記複合酸化物にTiが含まれないので(z=0)、初期の三元触媒として浄化率が高くても、耐久試験をするとアルカリ土類金属Mが共存するアルミナと反応して性能が大きく低下するので耐久性に乏しいものである。また、No.10−20、No.10−36、No.10−52、No.10−62、No.10−71の比較例では、前記複合酸化物にTiは含まれるものの、多すぎる(zが0.5以上)ので、浄化性能が十分得られないものである。No.10−6、No.10−26、No.10−42、No.10−59の比較例では、アルミナが混合されていないので、浄化性能が十分得られないものである。
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本発明の排ガス浄化用触媒又は排ガス浄化ハニカム構造体によれば、触媒性能が高く、耐久性に優れているので、貴金属量を少なくでき、特に、Ptの使用量を少なくできる、或いはPtを使用しなくてもよいので、低コストになる。
1 貴金属が担持された複合酸化物粒子
2 アルミナ粒子

Claims (6)

  1. 貴金属が担持された複合酸化物とアルミナとが混合されてなる排ガス浄化用触媒であって、
    前記複合酸化物が、アルカリ土類金属M、Fe、及びTiを含み、下記化学式(I)〜(V)のいずれかで表される結晶相を有し、かつ
    前記貴金属が、Pdであるか、又はPdとPtとの両方である、ことを特徴とする排ガス浄化用触媒。
    (Fe1−zTi)O3.5±δ ・・・・(I)
    M(Fe1−zTi)O2.5±δ ・・・・(II)
    M(Fe1−zTi)4±δ ・・・・(III)
    (Fe1−zTi)13±δ ・・・・(IV)
    M(Fe1−zTi)1219±δ ・・・・(V)
    (ここで、zは0<z<0.5であり、δは電荷中性条件を満たすように決まる値である。)
  2. 前記アルカリ土類金属Mが、Sr若しくはCa、又はSrとCaの両方であることを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化用触媒。
  3. 前記貴金属の担持率が、0.1質量%〜15質量%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化用触媒。
  4. 前記アルミナが、貴金属が担持されたアルミナを含むものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス浄化用触媒を、金属製又はセラミックス製のハニカム内壁に被覆したことを特徴とする排ガス浄化触媒ハニカム構造体。
  6. 貴金属総量で0.1g/L〜15.0g/Lの貴金属が含まれていることを特徴とする請求項5記載の排ガス浄化触媒ハニカム構造体。
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