JP5307370B2 - 電力変換回路 - Google Patents

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本発明は、スナバ回路及びこれを備える電力変換回路に関する。
電源ラインに接続されたスイッチング素子では、スイッチング動作によってターンオフする際、当該電源ラインの寄生リアクタンスが作用し、スイッチング素子へ印加される供給電圧にノイズ又はサージ(以下、ノイズ等と呼ぶ)を重畳させる。当該スイッチング素子では、ノイズ等の発生状態に応じて供給電圧が変動し、供給電圧が最大定格電圧を上回ると、当該素子が破壊されてしまう。
そこで、かかるスイッチング素子を保護すべく、電源ラインまたは当該スイッチング素子にスナバ回路を接続させ、供給電圧に重畳されるノイズ等を吸収させる技術が広く用いられている。例えば、CRD型スナバ回路は、コンデンサと整流素子と放電抵抗とから構成されており、整流素子のカソード側がコンデンサに直列接続され、放電抵抗が整流素子に並列接続された回路構成とされている。CRD型スナバ回路では、スイッチング素子がターンオフされると、かかる動作によって生じたノイズ等をコンデンサの電荷量として蓄積し、その後、スイッチング素子がターンオンされると、コンデンサの電荷量が放電抵抗を介して外部へと放電される。
しかし、かかるコンデンサは、電気容量の低い素子を用いると、周波数特性の共振点が低周波側に現われるため、高周波で発生するノイズを吸収する場面に適さないとの問題が生じる。一方、コンデンサの電気容量が大きく設定される場合、当該コンデンサの体格が必然的に大きくなるので、CRDスナバ回路の大型化を招き、これに応じて、スイッチング素子等によって構成される電力変換回路の大型化を招来させるとの問題を生じる。
かかる問題を回避すべく、特開2002−095238号公報(特許文献1)では、コンデンサを構成部品から排除させたスナバ回路の技術が紹介されている。かかるスナバ回路は、IGBT(特許請求の範囲におけるスイッチング素子)とツェナーダイオードと整流素子と保護抵抗とから構成される。そして、IGBTでは、保護抵抗の両端がエミッタ端子とゲート端子とに接続され、ツェナーダイオードのカソード側がコレクタ端子に接続され、アノード側が整流素子を介してゲート端子に接続されている。かかる構成とされたスナバ回路では、供給電圧にノイズ等が重畳されると、ツェナーダイオードを降伏させ、IGBTにゲート電位が印加される。これにより、IGBTでは、コレクタ端子〜エミッタ端子間に電流(実施の形態における透過電流)を透過させ、供給電圧のノイズ等に係る成分が吸収される。
特開2002−095238号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、スイッチング素子に印加される電圧がツェナーダイオードのブレークダウン電圧に至らなければ、当該スイッチング素子がオン状態に切替わらないので、所定の電圧値に対してノイズ等の吸収効果が得られないとの不都合が生じる。このとき、電源ラインでは供給電圧にノイズ等が慢性的に重畳されることとされ、かかる如く生じた高周波ノイズは、電源ラインを介して周辺機器に電磁波障害を及ぼすとの問題が生じる。
また、特許文献1の技術では、供給電圧に重畳されるノイズ等の状態に応じて、個別具体的にツェナーダイオードを変更しなければならないので、種々の変更に対する汎用性に欠き、製造コストの高騰に繋がるとの問題も懸念される。
本発明は上記課題に鑑み、回路の大型化を回避しつつ、供給電圧へ重畳されるノイズ又はサージ等を極力排除し、併せて、製造コストの高騰を抑え得るスナバ回路の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では次のような電力変換回路の構成とする。即ち、陽極側に設けられたハイサイドライン及び陰極側に設けられたローサイドラインから成る電源ラインと、前記電源ラインに介挿された力率改善回路と、前記電源ラインを介して前記力率改善回路に接続されたインバータ回路と、前記力率改善回路及び前記インバータ回路との間に配置され且つ一方が前記ハイサイドラインに接続され他方が前記ローサイドラインに接続されたスナバ回路と、を備える電力変換回路において、
前記スナバ回路は、電圧制御回路を前記陽極側に配置させ保護抵抗を前記陰極側に配置させて双方を直列に接続させた直列回路と、当該直列回路の陽極側接続端と当該直列回路の陰極側接続端と前記電圧制御回路及び前記保護抵抗の間に形成される制御側接続端とにそれぞれ接続されたスイッチング素子とを備え、
前記スイッチング素子は、前記陽極側から前記陰極側へ向けて透過電流が流れる配置とされ、前記電圧制御回路は、セラミックコンデンサと発振防止抵抗とが直列接続された状態で設けられていることとする。
好ましくは、前記スナバ回路は、前記陽極側に配される陽極端子から前記直列回路を経由して前記陰極側に配される陰極端子に至る迄の区間に介挿される少なくとも一つの整流素子を備え、当該整流素子は、前記陽極側から前記陰極側へ向かって順方向に接続されることとする。
好ましくは、前記整流素子は、特に、前記陽極端子から前記直列回路に至る迄の区間に配置される陽極側整流素子であることとする。
好ましくは、前記陽極側整流素子には、放電抵抗が並列に接続されていることとする。
好ましくは、前記整流素子は、特に、前記セラミックコンデンサと前記保護抵抗との間に配置される電圧制御部整流素子とされ、前記電圧制御部整流素子及び前記保護抵抗から成る回路部には、放電抵抗が並列に接続されていることとする。
好ましくは、前記スイッチング素子は、前記セラミックコンデンサから前記保護抵抗の間で、駆動感度を調整させる調整電位が印加されることとする。
本発明に係るスナバ回路では、ノイズ等の波形成分の大半を透過電流によって吸収するため、制御電流の電流値が低く抑えられる。このとき、コンデンサ又は電界効果型スイッチング素子は、制御電流のみが流れる経路に組み込まれるので、当該コンデンサ又は電界効果型スイッチング素子における消費電力が抑制され、これによって素子体格を小さく抑えることが可能とされ、回路の大型化を防止することができる。
また、コンデンサ又は電界効果型スイッチング素子に蓄積される電荷量が幾分でも増加すると、かかる電荷量の増分に応じて制御電流が発生し、当該制御電流に応じてスイッチング素子が駆動されるので、供給電圧に重畳されるノイズ等の発生状態に関わらず当該ノイズ等が一掃されることとなる。これにより、電源ラインに印加される供給電圧の波形状態が常に安定するので、高周波ノイズの発生が抑制され、周辺機器の誤動作を防止することが可能となる。
更に、スイッチング素子を駆動制御させる電気的素子としてコンデンサ又は電界効果型スイッチング素子が採用されるので、制御電流の設定値が変更される場合であっても、一種類のコンデンサ又は電界効果型スイッチング素子によって幅広く対応することが可能とされ、これにより、製造コストの高騰を防止させることができる。
本発明に係る電力変換回路では、スナバ回路の小型化が図られるので、装置の小型化及び低コスト化が実現される。
以下、本発明に係る実施の形態につき図面を参照して説明する。図1乃至図4では本実施の形態に係るスナバ回路の構成が示されている。
先ず、図1(1a)を参照して、本実施の形態に係るスナバ回路の基本構成について説明する。図示の如く、スナバ回路11aは、直列回路Cdとスイッチング素子Ssとから構成される。また、スナバ回路11aは、一方に陽極端子Pが設けられ、他方に陰極端子Nが設けられている。ここで、陽極端子Pが配される方向を陽極側と呼び、陰極端子Nが配される方向を陰極側と呼ぶ。
直列回路Cdは、陽極側に配置される電圧制御回路Cvと陰極側に配置される保護抵抗Rhとが直列に接続されている。
電圧制御回路Cvには、少なくとも容量型素子Co(図示なし)が設けられ、この他、電気的素子が必要に応じて適宜設けられる。電圧制御回路Cvは、陽極端子Pから陰極端子N迄の区間に供給電圧が与えられる場合、容量型素子Coの両端に両端電圧Vcが発生する。このとき、供給電圧が一定値に制御され電位の変動が無い場合、容量型素子の両端電圧Vcは、規定両端電圧Vcdに維持される。一方、供給電圧にノイズ等が重畳される場合、このときの容量型素子の両端電圧Vcは、ノイズ等に応じて増加電位ΔVnが加えられ、規定両端電圧Vcd及び増加電位ΔVnの和から成る電位差へと変動する。
同図では、容量型素子CoがコンデンサCsとされている。かかるコンデンサCsは、一端が陽極側接続端Xに接続され、他端が制御側接続端Zに接続されている。そして、上述した容量型素子の両端電圧Vcは、コンデンサCsに帯電する電荷量に基づいて定められる。従って、供給電圧にノイズ等が重畳されると、コンデンサCsに帯電する電荷量が増加し、これにより、容量型素子の両端電圧Vcでは、ノイズ等に応じて増加電位ΔVnが更に加えられる。そして、ノイズ成分が消失すると、電荷量は直ちに放電され、コンデンサの両端電圧Vcは元の規定両端電圧Vcdに復帰する。かかるコンデンサCsでは、コンデンサの両端電圧Vcに基づいて飽和状態とされた電荷量が帯電されるので、供給電圧が幾分でも変動すると、これに応じて、微量の制御電流を生成させる。即ち、供給電圧に微小なノイズ等が重畳される場合であっても、ノイズ等の状態に応じた制御電流が確実に流れる。
コンデンサCsは、フィルムコンデンサ又はセラミックコンデンサ等、設計条件に応じて適宜に選定される。尚、本実施の形態では、ノイズ成分を除去するために生じる電流の殆どが、透過電流Isとなってスイッチング素子Ssを通過する。従って、コンデンサCsは、制御電流しか流れないので、消費電力が抑えられ、素子体格を小型化させることが可能となる。かかるコンデンサCsは、セラミックコンデンサとするのが好ましい。これにより、温度が150℃程度とされる環境下での使用が可能とされる。また、セラミックコンデンサを用いる場合、スナバ回路11aでは、高周波数における低インピーダンス化が実現される。尚、前述の如く、本実施の形態では、制御電流を低値に設定できるので、コンデンサCsは、電荷容量の維持及び素子の長寿命化が図られ、セラミックコンデンサを適用させることが可能とされる。
保護抵抗Rhは、一端が制御側接続端Zに接続され、他端が陰極側接続端Yに接続されている。かかる保護抵抗Rhは、制御側接続端Zからスイッチング素子Ssを介して陰極側接続端Yに流れる電流の上昇を抑制し、制御側接続端Z〜陰極側接続端Y間の電位の上昇が抑えられ、これにより、スイッチング素子Ssの破壊を防いでいる。
スイッチング素子Ssは、ベース端子及びコレクタ端子及びエミッタ端子を備えるnpn型バイポーラトランジスタが用いられている。但し、設計条件に応じて、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)又は電界効果型トランジスタ(MOSFET)等を適宜用いても良い。スイッチング素子Ssは、直列回路Cdの両接続端と電圧制御回路Cv及び保護抵抗Rhの間とにそれぞれ接続されている。ここで、両接続端とは、陽極側接続端X及び陰極側接続端Yを指す。即ち、スイッチング素子Ssは、コレクタ端子が陽極側接続端Xに導通され、エミッタ端子が陰極側接続端Yに導通され、ベース端子が制御側接続端Yに導通されている。これにより、スイッチング素子Ssでは、図示の如く、陽極側から陰極側へ向けて透過電流Isが流れる配置とされる。
かかるスイッチング素子Ssは、閾値電圧の低い素子を採用するのが好ましい。これにより、制御電流が微小値の場合であっても当該スイッチング素子が駆動され、供給電圧に重畳されるノイズ等をより効果的に排除できる。
かかる構成を具備するスナバ回路11aは以下の如く動作を行う。先ず、陽極端子Pから陰極端子N迄の区間に供給電圧が与えられる場合であって、当該供給電圧が一定値に制御され電位の変動が殆ど無い場合について説明する。かかる場合、コンデンサCsの電荷量は、略飽和状態とされるので、コンデンサの両端電圧Vcが規定両端電圧Vcdとされる。このとき、スイッチング素子Ssでは、制御側接続端Zから陰極側接続端Yに向けて、即ち、ベース端子からエミッタ端子に向けて電流が流れない。よって、ベース端子〜エミッタ端子間では電位差が発生しないので、スイッチング素子Ssでは、コレクタ端子〜エミッタ端子間、即ち、陽極側から陰極側へ向けて透過電流Isが流れない状態とされる。
一方、供給電圧にノイズ等に基づく波形成分が重畳されると、陽極端子Pから陰極端子N迄の区間の電位差が若干増加する。かかる場合、コンデンサCsでは、かかる電位差の増加に応じて電荷量が増加し、陽極端子Pから制御側接続端Zに向けて制御電流が流れる。そして、制御電流は、当該制御電流が微量の場合であっても、ノイズ等の発生状態に応じて、ベース端子からエミッタ端子に向けて流れることとなる。これに応じて、ベース端子〜エミッタ端子の電位差が閾値電圧を上回ると、スイッチング素子Ssは、コレクタ端子〜エミッタ端子、即ち、陽極側から陰極側へ向けて透過電流Isを通過させる。このとき、透過電流Isは制御電流と比較して十分大きい電流値とされるので、供給電圧の電圧値は、透過電流Isがスイッチング素子Ssを経由して陰極側へ流れることにより、ノイズ等の波形成分が有効に排除されていく。供給電圧のノイズ成分が除去されると、コンデンサCsでは、電荷量が低下し、コンデンサの両端電圧Vcは、規定両端電圧Vcdに近づく。かかる動作により、陽極端子P〜陰極端子N間の供給電圧は、元の電圧値に回復する。
上述の如く、図1(1a)に示されるスナバ回路11aによると、ノイズ等の波形成分の大半を透過電流Isによって吸収するため、制御電流の電流値が低く抑えられる。このとき、コンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETは、制御電流のみが流れる経路に組み込まれるので、当該コンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETにおける消費電力が抑制され、これによって素子体格を小さく抑えることが可能とされ、回路の大型化を防止することができる。
また、コンデンサCsに蓄積される電荷量が幾分でも増加すると、かかる電荷量の増分に応じて制御電流が発生し、当該制御電流に応じてスイッチング素子Ssが駆動されるので、供給電圧に重畳されるノイズ等の発生状態に関わらず、当該ノイズ等が一掃されることとなる。これにより、供給電圧の波形状態が常に安定するので、高周波ノイズの発生を防止することが可能となる。
更に、スイッチング素子を駆動制御させる電気的素子としてコンデンサCsが採用されるので、制御電流の設定値が変更される場合であっても、一種類のコンデンサCsによって幅広く対応することが可能とされ、これにより、製造コストの高騰を防止させることができる。
尚、図1(1b)に示す如く、上述したスナバ回路11aに整流素子を追加したスナバ回路11bとするのが好ましい。具体的に説明すると、整流素子は、陽極側に配される陽極端子Pから直列回路Cdを経由して陰極側に配される陰極端子Nに至る迄の区間に介挿され、且つ、陽極側から陰極側の方向へ順方向に接続されている。即ち、整流素子は、アノード端子を陽極側としカソード端子を陰極側として配置される。かかる構成とすることにより、陽極端子Pと陰極端子Nとの電位差が何らかの原因で逆転する場合であっても、陰極端子Nから陰極端子Pに向けて逆流電流が流れることはない。よって、スイッチング素子Ssでは、エミッタ端子の電位がベース端子の電位より大きくならないように制御され、当該スイッチング素子Ssの破壊から免れる。
かかる整流素子は、図1(1b)に示す位置のみに限定するものではない。例えば、陽極側接続端XとコンデンサCsとの間に配されても良く、コンデンサCSと保護抵抗Rhとの間に配されても良く、保護抵抗Rhと陰極端子Nとの間に配されても良い。
また、整流素子は、陽極端子Pから陽極側接続端Xに至る迄の区間に配置されると、スイッチング素子Ssの動作に起因して生じた逆流電流の流れをも阻止することが可能とされる。以下、陽極端子Pから直列回路Cvに至る迄の区間に配置された整流素子を、陽極側整流素子Dsと呼ぶ。
図1(2a)には、図1(1a)で説明したスナバ回路11aの変更例が示されている。かかるスナバ回路12aでは、発振防止抵抗Rfが新たに追加されている。具体的には、電圧制御回路Cvが容量型素子Coと発振防止抵抗Rfとから構成され、当該振動保護抵抗Rfが容量型素子Coと保護抵抗Rhとの間に接続されている。尚、同図では、容量型素子CoとしてコンデンサCsが用いられている。
かかる如く、振動保護抵抗Rfが設けられると、電圧制御回路CvがRC回路によって構成されるので、制御電流の波形が安定する。
即ち、図1(2a)に示されるスナバ回路12aによると、ベース端子へ導かれる制御電流の波形が安定するので、スイッチング素子Ssの動作がこれに応じて安定し、これにより、供給電圧に重畳されるノイズ成分は、振動波形を伴うことなく静的に減衰する。
尚、図1(2b)に示す如く、整流素子を追加構成させたスナバ回路12bとしても良い。かかるスナバ回路12bでは、スナバ回路12aで発揮される効果と併せて、スナバ回路11bにおける整流素子の機能に基づく同様の効果を奏する。
図1(3a)には、図1(1a)で説明したスナバ回路11aの更なる変更例が示されている。かかるスナバ回路13aでは、電源供給ラインLbが新たに設けられている。具体的には、電源供給ラインLbが電圧制御回路Cvから保護抵抗Rh迄の区間に接続されている。より具体的には、電源供給ラインLbがコンデンサCsから保護抵抗Rh迄の区間に接続されている。
かかる構成により、電源供給ラインLbの他端に所定の電位が印加されると、制御側接続端Zの電位が上昇するので、これに応じて、スイッチング素子Ssのベース端子の電位が上昇する。尚、かかる電源ラインLbの接続点は、制御側接続端Yに限定するものでなく、コンデンサCsから保護抵抗Rh迄の範囲であれば何れの場所に配置させても良い。
このとき、電源供給ラインLbの他端には、スイッチング素子Ssの駆動感度を調整させる調整電位が印加されているのが好ましい。具体的に説明すると、かかる調整電位は、所定の正電位とされ、供給電圧にノイズ等の波形成分が重畳されない場合、スイッチング素子Ssを駆動させない電位に設定される。尚、ここで用いられる調整電位は、例えば、プリント基板に実装されるレギュレータ又は制御IC等から適宜に導引される。
かかる構成により、スイッチング素子Ssは、ベース端子に流れる制御電流が低電流値の場合であっても、感度良く駆動され、コレクタ端子からエミッタ端子へと透過電流Isを通過させる。即ち、かかる如く、スイッチング素子Ssの駆動感度が調整されるので、供給電圧のノイズ波形が制御電流の電流値に大きく寄与しない場合であっても、スナバ回路13aでは、スイッチング素子Ssが低電流値とされた制御電流によって適宜に駆動され、供給電圧のノイズ波形を確実に除去できる。
尚、図1(3b)に示す如く、整流素子を追加構成させたスナバ回路13bとしても良い。かかるスナバ回路13bでは、スナバ回路13aで発揮される効果と併せて、上述した整流素子の機能に基づく同様の効果を奏する。
また、図1(4a)又は図1(4b)に示す如く、電源ラインLb及びこれに印加される調整電位をスナバ回路12a又は12bに適用させ、スナバ回路14a又は14bとしても良い。かかる構成とされたスナバ回路では、スナバ回路12a又は12bで発揮される効果と併せて、電源ラインLb及びこれに印加される調整電位に基づく同様の効果を奏する。
図2(1a)には、図1(1a)で説明したスナバ回路11aの更なる変更例が示されている。かかるスナバ回路21aは、第1放電抵抗Rs1が新たに追加されている。具体的に説明すると、第1放電抵抗Rs1は、直列回路Cdへ並列に接続される。尚、第1放電抵抗Rs1の接続点は、陽極側接続端X及び陰極側接続端Yに限定するものでなく、陽極側接続端Xにあっては陽極端子PからコンデンサCs迄の範囲の何れの場所であっても良く、陰極側接続端Yにあっても陰極端子Yから保護抵抗Rh迄の何れの場所であっても良い。
かかる構成により、制御電流の電流値が減少しスイッチング素子Ssの動作が停止すると、スナバ回路21aでは、スイッチング素子Ssの停止期間において、コンデンサCsに蓄積された不要な電荷が放電され、放電によって生じた放電電流が、第1放熱抵抗Rs1を通過する際に熱となって消費される。これにより、コンデンサCsでは、不要な電荷量が放電され、コンデンサの両端電圧Vcが元の規定両端電圧Vcdへと収束する。従って、スナバ回路の陽極端子P〜陰極端子N間に生じる電圧は、外部から供給される供給電圧に極めて近い電圧値にサーチレートされる。
尚、図2(1b)に示す如く、整流素子を追加構成させたスナバ回路21bとしても良い。かかるスナバ回路21bでは、コンデンサCsに蓄積された電荷が放電される際、放電電流が陽極端子Pへ漏出することなく第1放電抵抗へと導かれるので、陽極端子Pの電位は、放電電流によって波形状態が毀損されることなく、安定した状態が維持される。尚、かかる場合にあっても、スナバ回路の陽極端子P〜陰極端子N間に生じる電圧は、外部から供給される供給電圧に極めて近い電圧値にサーチレートされることは言うまでも無い。
また、上述したスナバ回路12a〜14aに第1放電抵抗Rs1を追加構成させ、スナバ回路22a〜24aとしても良い。かかる構成とされたスナバ回路では、スナバ回路12a〜14aのそれぞれに特有な効果が発揮されると共に、第1放電抵抗Rs1の機能に基づく同様の効果を奏する。
更に、上述したスナバ回路12b〜14bに第1放電抵抗Rs1及び整流素子Dsを追加構成させ、スナバ回路22b〜24bと改変させても良い。かかる構成とされたスナバ回路では、スナバ回路12a〜14aのそれぞれに特有な効果が発揮されると共に、第1放電抵抗Rs1及び整流素子Dsの機能に基づく同様の効果を奏する。
図3(1a)には、スナバ回路11bの更なる変更例が示されている。かかるスナバ回路31aには、第2放電抵抗Rs2が追加構成されている。具体的に説明すると、第2放電抵抗Rs2は、一端が陽極側整流素子Dsのアノードと陽極端子Pとの間に接続され、他端が陽極側接続端Xに接続され、これにより、第2放電抵抗Rs2は、陽極側整流素子Dsへ並列に接続された状態とされる。
かかる構成により、制御電流の電流値が減少しスイッチング素子Ssの動作が停止すると、スナバ回路31aでは、コンデンサCsの電荷が第2放電抵抗Rs2によって消費され、スナバ回路の陽極端子P〜陰極端子N間に生じる電圧が、供給電圧に極めて近い電圧値にサーチレートされる。
また、第2放電抵抗Rs2及びコンデンサCs及び保護抵抗Rhが直列に配列され、コンデンサの両端電圧Vcは供給電圧の大部分を担うこととすれば、陽極端子P〜陰極端子N間に供給電圧が印加されている時、第2放電抵抗Rs2では、消費される電力量を小さく抑えることが可能とされる。即ち、第2放電抵抗Rs2は、抵抗値を低く設定できるので、許容損失の低い抵抗素子の選択が可能とされ、これにより、素子体格の小型化が実現される。
尚、図3(1b)に示す如く、発振防止抵抗Rfを追加構成させたスナバ回路31bとしても良い。かかるスナバ回路31bでは、スイッチング素子Ssの動作の安定化が図られると共に、上述したスナバ回路31aと同様の効果を奏する。
図3(2a)には、スナバ回路11bの更なる変更例が示されている。かかるスナバ回路32aでは、第3放電抵抗Rs3が追加構成され、整流素子の位置が変更されている。具体的に説明すると、スナバ回路32aに設けられる整流素子は、容量型素子Cvと保護抵抗Rhとの間に配置されている。より具体的には、コンデンサCsと保護抵抗Rhとの間に配置されている。尚、かかる如く配置される整流素子を電圧制御部整流素子Dtと呼ぶ。更に、第3放電抵抗Rs3は、一端が電圧制御部整流素子Dtのアノードに接続され、他端が保護抵抗Rhの陰極側に接続され、これにより、電圧制御部整流素子Dt及び保護抵抗Rhから成る回路に並列に接続されている。
かかる構成により、制御電流の電流値が減少しスイッチング素子Ssの動作が停止すると、スナバ回路32aでは、コンデンサCsの電荷が第3放電抵抗Rs3によって消費され、スナバ回路の陽極端子P〜陰極端子N間に生じる電圧が、供給電圧に極めて近い電圧値にサーチレートされる。
また、第3放電抵抗Rs3及びコンデンサCsが直列に配列され、コンデンサの両端電圧Vcは供給電圧の大部分を担うこととすれば、陽極端子P〜陰極端子N間に供給電圧が印加されている時、第3放電抵抗Rs3では、消費される電力量を小さく抑えることが可能とされる。即ち、第3放電抵抗Rs3では、第2放電抵抗Rs2と同様に、素子体格の小型化を実現できる。
更に、スナバ回路32aでは、コンデンサCsに蓄積される電荷量が飽和状態とされると、制御電流の流れはコンデンサCsによって遮断されるので、透過電流Is及び制御電流が一切流れなくなり、電力量の消費が極めて効果的に抑えられる。
尚、図3(2b)に示す如く、発振防止抵抗Rfを追加構成させたスナバ回路32bとしても良い。かかるスナバ回路32bでは、スイッチング素子Ssの動作の安定化が図られると共に、上述したスナバ回路32aと同様の効果を奏する。
また、上述したスナバ回路31a又は31bの構成を変更し、調整電位が印加された電源ラインLbを追加構成したスナバ回路33a又は33bとしても良い。かかるスナバ回路33a又は33bでは、スナバ回路31a又は31bで発揮される効果と併せて、電源ラインLb及びこれに印加される調整電位に基づく同様の効果を奏する。
更に、上述したスナバ回路32a又は32bの構成を変更し、調整電位が印加された電源ラインLbを追加構成したスナバ回路34a又は34bとしても良い。かかるスナバ回路34a又は34bでは、スナバ回路32a又は32bで発揮される効果と併せて、電源ラインLb及びこれに印加される調整電位に基づく同様の効果を奏する。
図4には、スナバ回路32bの更なる変更例が示されている。かかるスナバ回路34bは、容量型素子がコンデンサCsの替わりに電界効果型スイッチング素子FETへと置換えられている。同図では、電界効果型スイッチング素子FETとしてnチャネル型MOSFETが用いられている。
電界効果型スイッチング素子FETは、ゲート端子と出力端子との間に保護抵抗Rm(特許請求の範囲における他の保護抵抗)が接続されているのが好ましい。このとき、出力端子とは、電界効果型スイッチング素子FETにおけるソース端子を指す。かかる保護抵抗Rmは、ゲート端子〜ソース端子間の電位差の上昇を抑制させ、電界効果型スイッチング素子FETの破壊を防止させる。
電界効果型スイッチング素子FETでは、半導体の積層構造によって形成される寄生容量が存在し、かかる寄生容量は、ソース端子〜ドレイン端子間に配置されることとなる。即ち、かかる寄生容量は、上述したコンデンサCsと同一のレイアウトとされ、同様の機能を担う。従って、電界効果型スイッチング素子FETを用いたスナバ回路40にあっても、スナバ回路32bと同様の効果を発揮する。尚、同図では、スナバ回路32bの変更例が代表的に示されているが、電界効果型スイッチング素子FETを適用できるスナバ回路はこれに限定されるものではない。即ち、図1乃至図3において説明した全てのスナバ回路で、容量型素子として当該電界効果型スイッチング素子FETを適用させることが可能である。
上述の如く、本実施例に係るスナバ回路11a〜40によると、ノイズ等の波形成分の大半が透過電流Isによって吸収するため、制御電流の電流値が低く抑えられる。このとき、コンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETは、制御電流のみが流れる経路に組み込まれるので、当該コンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETにおける消費電力が抑制され、これによって素子体格を小さく抑えることが可能とされ、回路の大型化を防止することができる。
また、コンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETに蓄積される電荷量が幾分でも増加すると、かかる電荷量の増分に応じて制御電流が発生し、当該制御電流に応じてスイッチング素子Ssが駆動されるので、供給電圧に重畳されるノイズ等の発生状態に関わらず、当該ノイズ等が一掃されることとなる。これにより、供給電圧の波形状態が常に安定するので、高周波ノイズの発生を防止することが可能となる。
更に、スイッチング素子Ssを駆動制御させる電気的素子としてコンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETが採用されるので、制御電流の設定値が変更される場合であっても、一種類のコンデンサCs又は電界効果型スイッチング素子FETによって幅広く対応することが可能とされ、これにより、製造コストの高騰を防止させることができる。
図5には、上述したスナバ回路を適用させた電力変換回路が示されている。図示の如く、電力変換回路100は、整流回路120と、力率改善回路130と、スナバ回路32bと、インバータ回路140とから構成され、図示されないパワーモジュール内に格納されている。尚、同図には、かかる電力変換回路100に接続される交流電源110及び制御モータ150が便宜的に示されている。ここで、交流電源110とは、商用電源から供給される交流の電源をいう。また、本実施例において、制御モータ150は、インバータ回路140によって駆動される交流3相モータとされる。但し、インバータ回路140の構成を変更することにより、単相モータ、他の複相モータを適用することができる。
整流回路120は、整流素子Drによってブリッジ回路が構成されている。また、ブリッジ回路は、交流電源110に接続されると共に、両電源ラインに接続されている。かかる電源ラインのうち、陽極側に配される電源ラインをハイサイドラインLhと呼び、陰極側に配される電源ラインをローサイドラインLLと呼ぶこととする。かかる整流回路120は、交流電源の負の成分を反転させ、これにより、交流電源を全波整流電源へと変換させる。尚、かかる全波整流電源は、電圧成分の位相と電流成分の位相とが異なるため、力率が低い状態とされている。
力率改善回路130は、リアクトルLwと、整流素子Dwと、スイッチング素子Trwと、コンデンサCwと、図示されないドライブ回路とから構成され、整流回路120に接続されている。力率改善回路130では、ドライブ回路によってスイッチング素子Trwを適宜に断続させ、リアクトルLwを用いて全波整流電源を昇圧させつつコンデンサCwに供給させ、これにより、高力率に制御された電力へと変換させる。このとき、コンデンサCwの後段では、ハイサイドラインLhとローサイドラインLLとの間に、略一定値とされた供給電圧が印加されている。
スナバ回路32bは、力率改善回路130に接続されている。スナバ回路32bは、ハイサイドラインLhに重畳されるノイズ成分を吸収させる。かかるスナバ回路32bは、力率改善回路130及びインバータ回路140と共に、パワーモジュール内に配置される内蔵部品とされるのが好ましい。かかる構成により、スナバ回路32bでは、ノイズ発生源〜スナバ回路間の配線距離が短縮されるため、寄生インダクタンスの低減が図られ、ノイズ成分を効果的に吸収することが可能とされる。尚、同図に示されるスナバ回路32bは、図3(2b)に示されるスナバ回路であるが、電力変換装置100には、この他、図1乃至図3に示した何れのスナバ回路も適用できる。
インバータ回路140は、一方がスナバ回路32bに接続され、他方が制御モータ150に接続されている。かかるインバータ回路140は、トランジスタTriから成る3組の反転直列回路と、当該反転直列回路に各々設けられた電源供給ラインと、図示されない制御回路とが構成されている。当該制御回路は、反転直列回路に構成されるトランジスタTriを交互に駆動させ、電源供給ラインをハイサイドラインLh又はローサイドラインLLの何れかに導通させる様に制御する。このとき、制御回路は、所定タイミングに従って、反転直列回路の制御状態をそれぞれ切替えることで、制御モータ150に導かれる電流の経路が適宜に変更される。これにより、インバータ回路140は、電源供給ラインから3相交流電源を生成し、制御モータ150を駆動させる。
かかる構成を具備する電力変換回路100は以下の如く動作する。即ち、整流回路120は、交流電源を全波整流電源に変換し、力率改善回路130へ供給する。そして、力率改善回路130では、全波整流電源を昇圧し、スナバ回路32bへと供給する。このとき、スナバ回路32bでは、ハイサイドラインLh〜ローサイドラインLL間に電圧が印加されるので、コンデンサCsに電荷が飽和状態に迄チャージされ、コンデンサの両端電圧Vcが規定両端電圧Vcdに達している。かかる場面では、コンデンサCsが飽和状態とされているので、スイッチング素子Ssに透過電流Isが流れることもなく、放電抵抗Rs3に放電電流が流れ込むこともない。その後、インバータ回路140が駆動されると、トランジスタTriのターンオフ動作に応じて、ハイサイドラインLhの電位が急上昇するので、ハイサイドラインLh側の電位にノイズ等の波形成分が重畳される。このとき、スナバ回路32bでは、コンデンサの電荷量が飽和状態とされた電荷量よりも更に上昇するので、これに応じて、スイッチング素子Ssのベース端子に制御電流が流れ込み、スイッチング素子Ssを導通状態とさせる。このとき、スイッチング素子Ssでは透過電流IsがハイサイドラインLhからローサイドラインLLへと流れ込み、これにより、ノイズ等の波形成分が吸収される。かかる動作の後、スイッチング素子Ssが非導通状態に切替わると、コンデンサCsでは蓄積された電荷量を放電させ、放電抵抗Rsでは、これにより生じた放電電流をエネルギーとして消費させる。そして、コンデンサの両端電圧Vcが規定両端電圧Vcdに回復すると、ハイサイドラインLh〜ローサイドラインLL迄の電位差と、スナバ回路32bにおける接続端子Pa〜接続端子Na迄の電位差とが一致する。然して、スナバ回路32bでは、コンデンサCsの電荷量の放電が止まり、放電電流が流れなくなる。
上述の如く、本実施例に係る電力変換回路100では、スナバ回路32bの小型化が図られるので、装置の小型化及び低コスト化が実現される。
また、スナバ回路32bにセラミックコンデンサを用いる場合、当該セラミックコンデンサは高周波域でインピーダンスを低下させる性質が優れているので、電力変換回路100では、かかるスナバ回路32bによって、インバータ回路140で発生する高周波ノイズが効果的に吸収され、動作の安定化が図られる。
更に、スナバ回路32bにセラミックコンデンサを用いる場合、当該セラミックコンデンサは高温状態における使用範囲が拡大されるので、電力変換回路100では、使用環境が高温状態とされる場合又は苛酷な使用条件により発熱する場合であっても、スナバ回路32bが安定的に機能し、動作精度の維持が図られる。
以上の如く記された実施の形態は、あくまでも本発明の一つの実施形態であって、他の実施の形態を適用させることが可能である。例えば、本実施の形態では、電力変換回路として、AC−ACコンバータを代表的に説明しているが、これに限らず、DC−DCコンバータ、DC−ACコンバータ等種々の電力変換回路に適用させることも可能である。また、本実施例にて用いられる用語の意義は、あくまで具体例について説明されるものであって、本発明の技術的範囲を限定的に解釈させてはならない。例えば、電力変換回路の用語の意義は、インバータ回路を具備する形態に限定するものでなく、直接交流型電力変換回路等、電力を変換する機能を備える回路を指すものとする。また、スナバ回路の用語の意義は、配線基板に実装された電気的素子の集合を指すことは勿論、この他、半導体基板に当該スナバ回路を形成させたワンチップスナバ回路、又は、他の半導体基板の一領域に当該スナバ回路を形成させたハイブリッド回路をも含むものとする。
実施の形態に係るスナバ回路の構成を示す図 実施の形態に係るスナバ回路の構成を示す図 実施の形態に係るスナバ回路の構成を示す図 実施の形態に係るスナバ回路の構成を示す図 実施例に係る電力変換回路の構成を示す図
符号の説明
11a スナバ回路
P 陽極端子
N 陰極端子
Cd 直列回路
Cv 電圧制御回路
Co 容量型素子
Cs コンデンサ
FET 電界効果型スイッチング素子
Rh 保護抵抗
Rf 発振防止抵抗
X 陽極側接続端
Y 陰極側接続端
Z 制御側接続端
Ss スイッチング素子
Rm 他の保護抵抗
Ds 陽極側整流素子
Dt 電圧制御部整流素子
Rs1 第1放電抵抗
Rs2 第2放電抵抗
Rs3 第3放電抵抗
Lb 電源ライン
Eb 調整電位
100 電力変換回路
130 力率改善回路
140 インバータ回路

Claims (6)

  1. 陽極側に設けられたハイサイドライン及び陰極側に設けられたローサイドラインから成る電源ラインと、前記電源ラインに介挿された力率改善回路と、前記電源ラインを介して前記力率改善回路に接続されたインバータ回路と、前記力率改善回路及び前記インバータ回路との間に配置され且つ一方が前記ハイサイドラインに接続され他方が前記ローサイドラインに接続されたスナバ回路と、を備える電力変換回路において、
    前記スナバ回路は、電圧制御回路を前記陽極側に配置させ保護抵抗を前記陰極側に配置させて双方を直列に接続させた直列回路と、当該直列回路の陽極側接続端と当該直列回路の陰極側接続端と前記電圧制御回路及び前記保護抵抗の間に形成される制御側接続端とにそれぞれ接続されたスイッチング素子とを備え、
    前記スイッチング素子は、前記陽極側から前記陰極側へ向けて透過電流が流れる配置とされ
    前記電圧制御回路は、セラミックコンデンサと発振防止抵抗とが直列接続された状態で設けられている、ことを特徴とする電力変換回路
  2. 前記スナバ回路は、
    前記陽極側に配される陽極端子から前記直列回路を経由して前記陰極側に配される陰極端子に至る迄の区間に介挿される少なくとも一つの整流素子を備え、
    当該整流素子は、前記陽極側から前記陰極側へ向かって順方向に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電力変換回路
  3. 前記整流素子は、特に、前記陽極端子から前記直列回路に至る迄の区間に配置される陽極側整流素子であることを特徴とする請求項2に記載の電力変換回路
  4. 前記陽極側整流素子には、放電抵抗が並列に接続されていることを特徴とする請求項3に記載の電力変換回路
  5. 前記整流素子は、特に、前記セラミックコンデンサと前記保護抵抗との間に配置される電圧制御部整流素子とされ、
    前記電圧制御部整流素子及び前記保護抵抗から成る回路部には、放電抵抗が並列に接続されていることを特徴とする請求項2に記載の電力変換回路
  6. 前記スイッチング素子は、前記セラミックコンデンサから前記保護抵抗の間で、駆動感度を調整させる調整電位が印加されることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の電力変換回路
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