JP5306873B2 - 窒化物半導体発光ダイオードおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、窒化物半導体発光ダイオード素子に関し、特に、電流密度の大きい領域で高い発光効率を有する窒化物半導体発光ダイオード素子およびその製造方法に関する。
特許文献1によれば、活性層が井戸層、障壁層からなり、井戸層と障壁層の間に両者のバンドギャップの間をとるようなバッファ層を形成する技術があげられている。この構造によれば、量子井戸にトラップされるキャリア数を充分確保できる電位障壁を実現しつつ、格子定数の変化をなだらかにすることで界面に生ずる格子欠陥を抑制することができると報告されている。
特許第3304782号公報
窒化物半導体発光ダイオードでは、電流密度が数A/cmを超える領域では電流密度が上がるに従い効率が低下するという課題が挙げられる。この課題を解決する手段の一つとして発光層の体積を大きくすることがあげられる。それを実現する案として量子井戸数を増やすこと、井戸層厚をあげることが挙げられるが、前者はキャリアの偏りにより発光層の体積を増やすことができない。後者はピエゾ電界によるキャリアの空間的な分離により、発光効率が低下し、課題解決には至らない。高い電流密度で効率の高い発光ダイオードは単位面積あたりの光量を増やすことができるため、チップを小型化できること、チップ単価を下げることができる。従ってこの課題を解決することができる窒化物半導体発光ダイオード素子およびその窒化物半導体発光ダイオードの製造方法が要望されている。
上記の事情に鑑みて、本発明の目的は、高い密度の電流を注入したときの発光効率を向上させることができる窒化物半導体発光ダイオード及びその窒化物半導体発光ダイオードの製造方法を提供することにある。
本発明は、少なくともn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層からなる発光ダイオードにおいて、活性層中の発光層は複数の層からなり、異なるIn混晶比を持つ層が少なくとも2以上ともに接して形成される、窒化物半導体発光ダイオードである。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記複数の層からなる発光層は、n型窒化物半導体層側に形成された発光層のIn混晶比がより大きいものであることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記複数の層からなる発光層のうち、少なくとも2層のIn混晶比は、それぞれ10%以上であることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記複数の層からなる発光層のうち、最もIn混晶比の大きい層を除く少なくとも1層の層厚は2nm以上であることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記複数の層からなる発光層において、In混晶比の小さい層の層厚が、In混晶比のより大きい層の層厚に比べ大きいものであることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記活性層は障壁層と井戸層の周期構造であり、井戸層のうち少なくとも一層は、前記複数の層からなる発光層であることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記障壁層はGaN層からなることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記障壁層の層厚は5nm以上であることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記活性層と前記p型窒化物半導体層の間にGaN層が形成されたことが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードは、前記活性層と前記p型窒化物半導体層の間に形成されたGaN層の層厚は5nm以上であることが好ましい。
本発明は、前記の窒化物半導体発光ダイオードの製造方法において、前記複数の層からなる発光層は、各層ごと有機金属気相成長法によりトリメチルガリウムに対するトリメチルインジウムの供給量を変化させることにより形成される、窒化物半導体発光ダイオードの製造方法である。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードの製造方法は、前記複数の層からなる発光層は、各層ごと有機金属気相成長法により成長温度が一定で形成されることが好ましい。
本発明に係る窒化物半導体発光ダイオードの製造方法は、前記活性層とp型窒化物半導体層の間に形成されたGaN層は、前記複数の層からなる発光層と同じ成長温度で形成されることが好ましい。
本発明によれば、高い密度の電流を注入したときの発光効率を向上させることができる窒化物半導体発光ダイオードおよびその窒化物半導体発光ダイオードの製造方法を提供することができる。
本発明の窒化物半導体発光ダイオードの一例である窒化物半導体層構成の好ましい一例の模式的な断面図である。 本発明の窒化物半導体発光ダイオードの一例である窒化物半導体層構成の好ましい一例の模式的な断面図である。 本発明の実施例、及び比較例における窒化物半導体層構成の好ましい一例の模式的な断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものとする。
図1に、本発明の窒化物半導体発光ダイオードの一例である窒化物半導体層構成の好ましい一例の模式的な断面図を示す。この窒化物半導体発光ダイオードは、基板1上にn型窒化物半導体2、活性層3、p型窒化物半導体層4を少なくとも形成させる。
<基板>
本発明において、基板1はサファイア、SiC、GaN基板など選択できる。
<n型窒化物半導体層>
本発明において、n型窒化物半導体層2はAlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)から形成され、低温バッファ層、アンドープ層を形成してもよく、ドーパントはSi、Geなどが選択される。
<p型窒化物半導体層>
本発明において、p型窒化物半導体層4は後述する活性層3上に、AlxInyGa1-x-yN(0≦x≦1、0≦y≦1)から形成され、ドーパントはMg、Znなどが選択される。
<活性層>
本発明において、活性層3はn型窒化物半導体層2上に形成された井戸層とすることもできる。
この井戸層は発光層として機能し、異なるIn混晶比を持つ層が少なくとも2以上ともに接して形成される。発光層の組成はInxGa1-xN(x>0.1)であることが発光効率の観点から好ましい。さらに、本発明においてIn混晶比とは、全13族元素のモル原子数に対するInのモル原子数の比を意味する。
このような構造とすることでより厚い発光層を得ることができ、高い電流密度での効率をあげることができる。さらに同一組成で厚い発光層を形成するときと比べて、ピエゾ電界によるキャリアの空間的な分離を小さくすることができ、効率の高い発光層を得ることができる。
この構造と類似する従来構造は井戸層と障壁層の間にバッファ層が形成されている。しかし、該バッファ層は層厚、発光層に対する組成から発光しないと考えられ、本発明の構造とは本質的に異なるものである。
この発光層に形成された複数の層において、In混晶比の小さい層はそれよりも大きい層に対し、p層側に形成されることが、In混晶比の小さい層で発光を有効に得るうえで好ましい。また、発光層に形成された複数の層において、隣り合う層のIn混晶比の差は2〜10%であることが好ましい。
さらに発光層うち少なくとも2層のIn混晶比はそれぞれ10%以上であることが量子井戸のキャリアのトラップの効果を得、高い発光効率を実現するうえで好ましく、全層のIn混晶比が10%であることがさらに好ましい。
さらに発光層の層厚は最もIn混晶比の大きい層を除く少なくとも1層が2nm以上であることが、In混晶比の異なるそれぞれの層で発光を得て、高い電流密度での発光効率向上のうえで好ましく、全層が2nm以上であることがさらに好ましい。
さらに発光層中に形成されたIn混晶比の異なる各層において、In混晶比の小さい層がそれよりも大きい層に比べ大きい層厚のとき、In混晶比の小さい層と大きい層でキャリアを分配し、複数の波長をもつ発光を得て、結果として高い電流密度での発光効率を高める点で好ましい。
また、In混晶比が小さくなればなるほど、最適な結晶品質の層厚が大きくなるため好ましい。
また活性層3は図2のように井戸層3a、障壁層3bの周期構造とすることもできる。
その場合少なくとも複数形成された井戸層3aのうち、主要に発光に寄与する少なくとも井戸層3aの1層は上記異なるIn混晶比からなる複数の層からなる発光層であることが好ましい。複数の井戸層3aを形成することにより、発光層の発光効率を高めることができる。
本発明において、障壁層3bは、GaN層であることが、結晶品質を向上させ、結果として発光層の発光効率を高めることができる点で好ましい。さらに障壁層3bの層厚は5nm以上であることが発光層の発光効率向上の点で好ましく、一方で動作電圧低減の観点からは層厚が薄いことが好ましいことから、両方を鑑みて6nm程度が最も好ましい。
前記発光層は有機金属気相成長法により形成され、In混晶比の異なる層それぞれは、トリメチルガリウムに対するトリメチルインジウムのモル流量を調整することにより形成されることが好ましく、さらに成長温度一定で形成することがIn蒸発を防ぐ点で好ましい。
活性層3とp型窒化物半導体層4の間にGaN層を形成することが発光層のInの蒸発を防ぐ点、発光層へのp型ドーパントの拡散を防ぐ点で好ましく、この効果を得る上で層厚は5nm以上が好ましい。
このGaN層は有機金属気相成長法により形成され、発光層と同じ温度で形成されることが発光層のInの蒸発を防ぐ点で好ましい。
<電極>
正負の電極形成は、例えばサファイヤのような絶縁基板の場合は、p型窒化物半導体層4側からn型窒化物半導体層2までエッチングすることで、p型窒化物半導体4上に電流拡散層を挟んで正電極、露出したn型窒化物半導体層2上に負電極をそれぞれ形成できる。
一方、GaN、SiCのような導電性基板の場合は、p型窒化物半導体4上に電流拡散層を挟んで正電極、基板1裏面に負電極を形成できる。
<実施例1>
実施例1においては、図3に示す構成を有する窒化物半導体発光ダイオード素子を作製した。まず、サファイアからなる基板11を用意し、その基板11をMOCVD装置の反応炉内にセットした。そして、その反応炉内に水素を流しながら基板11の温度を1050℃まで上昇させて、基板11の表面(C面)のクリーニングを行なう。
(n型窒化物半導体層の形成)
次に、基板11の温度を510℃まで低下させ、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG(トリメチルガリウム)を反応炉内に流して、基板11の表面(C面)上にGaNからなるバッファ層をMOCVD法により約20nmの厚さで積層する。
次いで、基板11の温度を1050℃まで上昇させて、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてシランを反応炉内に流して、SiがドーピングされたGaNからなるn型窒化物半導体下地層(キャリア濃度:1×1018/cm3)をMOCVD法によりバッファ層上に6μmの厚さで積層する。
続いて、キャリア濃度が5×1018/cm3となるようにSiをドーピングしたこと以外はn型窒化物半導体下地層と同様にして、GaNからなるn型窒化物半導体コンタクト層をMOCVD法によりn型窒化物半導体下地層上に0.5μmの厚さで積層する。
以上、バッファ層、n型窒化物下地層、n型窒化物コンタクト層をn型窒化物半導体層12とする。
(活性層の形成)
次に、基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に第1井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層、続いてTMGに対するTMI流量を変更することで第2井戸層として3nmの厚さのIn0.15Ga0.85N層を形成し、活性層13とする。
(蒸発防止層の形成)
続いて、基板11の温度を700℃のまま維持し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGを反応炉内に流して、活性層13上に蒸発防止層14としてGaN層を15nm形成した。
(p型窒化物半導体層の形成)
次いで、基板11の温度を950℃に上昇させ、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMA(トリメチルアルミニウム)、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1020/cm3の濃度でドーピングされたAl0.20Ga0.85Nからなるp型窒化物半導体クラッド層をMOCVD法により蒸発防止層14上に約20nmの厚さで積層する。
次に、基板11の温度を950℃に保持し、キャリアガスとして水素、原料ガスとしてアンモニアおよびTMG、不純物ガスとしてCP2Mgを反応炉内に流して、Mgが1×1020/cm3の濃度でドーピングされたGaNからなるp型窒化物半導体コンタクト層をMOCVD法によりp型窒化物半導体クラッド層上に80nmの任意の厚さで積層する。
以上、p型窒化物半導体層15はp型窒化物半導体クラッド層、p型窒化物半導体コンタクト層からなる。
次に、基板1の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素を反応炉内に流して、アニーリングを行なう。
(透光性電極の形成)
次に、ウェハーを反応炉から取り出し、最上層のp型窒化物半導体層15の表面にEB蒸着によりITO(インジウム・スズ酸化物)からなる透光性電極16を100nmの厚さで形成する。
(パット電極の形成)
透光性電極16上に所定の形状にパターニングされたマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置で透光性電極16側からエッチングを行い、n型窒化物半導体コンタクト層の表面を露出させる。透光性電極16上及び露出したn型窒化物半導体コンタクト層上の所定の位置にTiとAlを含むパット電極17、18をそれぞれ形成する。以上によりLED素子とする。
このLED素子において、第1井戸層からは450nm、第2井戸層からは430nmの発光を得ることができ、それらが合成されてブロードで440nm程度にピークをもつ発光を得ることができる。また比較例1に対し発光効率の高いLEDを得ることができる。また発光層厚が大きいため、50A/cm2以上の高い電流密度において発光効率の高いLEDを得ることができる。
<実施例2>
実施例1に対し、活性層13の条件を変更させる以外は同様とする。
(活性層の形成)
基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に第1井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層、続いてTMGに対するTMI流量を変更することで第2井戸層として3nmの厚さのIn0.15Ga0.85N層、その上に第3井戸層として3.5nmのIn0.10Ga0.90N層を形成し、活性層13とした。
このLED素子において、第1井戸層からは450nm、第2井戸層からは430nm、第3井戸層からは410nmの発光を得ることができ、それらが合成されてブロードな430nm程度にピークをもつ発光を得ることができる。発光効率は実施例1に比べ劣るものの、50A/cm2以上の高い電流密度において、それよりも小さい電流密度に比べて発光効率の低下の小さいLEDを得ることができる。
<実施例3>
実施例1に対し、活性層13の条件を変更させる以外は同様とする。
(活性層の形成)
基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に第1井戸層として3nmの厚さのIn0.15Ga0.85N層、続いてTMGに対するTMI流量を変更することで第2井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層を形成し、活性層13とした。
このLED素子において、第1井戸層からは430nm、第2井戸層からは450nmの発光を得ることができ、それらが合成されてブロードで440nm程度にピークをもつ発光を得ることができる。発光効率は実施例1に及ばないものの、比較例1に対し発光効率の高いLEDを得ることができる。
<実施例4>
実施例1に対し、活性層13の条件を変更させる以外は同様とする。
(活性層の形成)
基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に第1井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層、続いてTMGに対するTMI流量を変更し、成長時間を任意に変更することで第2井戸層として1〜4nmの厚さのIn0.15Ga0.85N層を形成し、活性層13とする。
第2井戸層の厚さが2nm以下ではこの層からの発光が第1井戸層に比べて小さくなり、ほぼ第1井戸層の450nmのピークを持つ発光がメインとなり、高い電流密度での発光効率向上の効果は小さくなる。層厚3nm以上では逆に第2井戸層の結晶品質が低下し発光効率低下を招くので、この組成の組み合わせでは層厚3nmのとき、つまり実施例1のときが一番好ましい。
<実施例5>
実施例1に対し、活性層13の条件を変更させる以外は同様とする。
(活性層の形成)
基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に第1井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層、続いてTMGに対するTMI流量を任意に変更し、第2井戸層3nmの厚さのInxGa1-xN層(x=0.05〜0.20)を形成し、活性層13とする。
第2井戸層のIn混晶比が10%以下のときこの層からの発光が第1井戸層に比べて小さくなり、ほぼ第1井戸層の450nmのピークを持つ発光がメインとなり、高い電流密度での発光効率向上の効果は小さくなる。ピエゾ電界によるキャリアの空間的分離を、層を第1井戸層、第2井戸層に分けることにより、小さくする効果を得る上でIn混晶比15%のとき、つまり実施例1のときが最も好ましい。
<実施例6>
実施例1に対し、活性層13の条件を変更させる以外は同様とする。
(活性層の形成)
基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に第1井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層、続いてTMGに対するTMI流量を変更することで第2井戸層として3nmの厚さのIn0.15Ga0.85N層を形成し、続いてTMGを反応炉内に流して厚さ6nmのGaNからなる障壁層を形成し、これを1周期とする5周期の多重量子井戸構造を形成する。その後第1井戸層として2.5nmの厚さのIn0.20Ga0.80N層、続いてTMGに対するTMI流量を変更することで第2井戸層として3nmの厚さのIn0.15Ga0.85N層を形成し、活性層13とする。
このLED素子において、第1井戸層からは450nm、第2井戸層からは430nmの発光を得ることができ、それらが合成されてブロードで440nm程度にピークをもつ発光を得ることができる。また比較例1、実施例1に対しさらに発光効率の高いLEDを得ることができ、好ましい。また発光層厚が大きいため、50A/cm2以上の高い電流密度において発光効率の高いLEDを得ることができる。
<比較例1>
実施例1に対し、活性層13の条件を変更させる以外は同様とする。
(活性層の形成)
基板11の温度を700℃に低下し、キャリアガスとして窒素、原料ガスとしてアンモニア、TMGおよびTMI(トリメチルインジウム)を反応炉内に流して、n型窒化物半導体コンタクト層上に5.5nmの厚さのIn0.17Ga0.80Nからなる井戸層を形成し、活性層13とした。
このLED素子において、440nmの発光を得ることができる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、高い電流密度の電流を注入したときの発光効率を向上させることができる窒化物半導体発光ダイオードおよびその窒化物半導体発光ダイオードの製造方法を提供することができる。
1,11 基板、2,12 n型窒化物半導体層、3,13 活性層、3a 井戸層、3b 障壁層、4,15 p型窒化物半導体層、14 蒸発防止層、16 透光性電極 17,18 パット電極。

Claims (12)

  1. 少なくともn型窒化物半導体層、活性層、p型窒化物半導体層からなる発光ダイオードにおいて、
    活性層中の発光層は複数の層からなり、異なるIn混晶比を持つ層が少なくとも2以上ともに接して形成され、
    前記複数の層からなる発光層のうち、最もIn混晶比の大きい層を除く少なくとも1層の層厚は2nm以上であ
    前記複数の層からなる発光層において、In混晶比の小さい層の層厚が、In混晶比のより大きい層の層厚に比べ大きいものである窒化物半導体発光ダイオード。
  2. 前記複数の層からなる発光層は、n型窒化物半導体層側に形成された発光層のIn混晶比がより大きいものである、請求項1記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  3. 前記複数の層からなる発光層のうち、少なくとも2層のIn混晶比は、それぞれ10%以上である、請求項1または2記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  4. 前記複数の層からなる発光層において、各層の層厚はそれぞれ2nm以上である、請求項1〜3いずれか記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  5. 前記活性層は障壁層と井戸層の周期構造であり、井戸層のうち少なくとも一層は、前記複数の層からなる発光層である、請求項1〜いずれか記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  6. 前記障壁層はGaN層からなる、請求項記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  7. 前記障壁層の層厚は5nm以上である、請求項または記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  8. 前記活性層と前記p型窒化物半導体層の間にGaN層が形成された、請求項1〜いずれか記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  9. 前記活性層と前記p型窒化物半導体層の間に形成されたGaN層の層厚は5nm以上である、請求項記載の窒化物半導体発光ダイオード。
  10. 請求項1〜いずれか記載の窒化物半導体発光ダイオードの製造方法において、
    前記複数の層からなる発光層は、各層ごと有機金属気相成長法によりトリメチルガリウムに対するトリメチルインジウムの供給量を変化させることにより形成される、窒化物半導体発光ダイオードの製造方法。
  11. 請求項1〜いずれか記載の窒化物半導体発光ダイオードの製造方法において、
    前記複数の層からなる発光層は、各層ごと有機金属気相成長法により成長温度が一定で形成される、請求項10記載の窒化物半導体発光ダイオードの製造方法。
  12. 請求項1〜いずれか記載の窒化物半導体発光ダイオードの製造方法において、
    前記活性層とp型窒化物半導体層の間に形成されたGaN層は、前記複数の層からなる発光層と同じ成長温度で形成される、請求項10または11記載の窒化物半導体発光ダイオードの製造方法。
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