JP5305226B2 - 水栓装置 - Google Patents
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Description
したがって、本発明では、異なる使用者が使用の時々に応じて選択した方向に操作して吐水開始させることができ、これにより、どちらに操作したらよいのか分からないといった問題が生じることなく、使い勝手の良好な水栓装置を提供することができる。
すなわち、使用者が操作部を止水位置に正確に止めることは難しく、わずかに止水位置を超えて操作してしまうことがあるので、このような場合でも、本発明では、使用者の意図を反映させて止水状態とする。これにより、本発明では、誤って再度吐水開始とならないので、使用者を戸惑わせることがなく、使い勝手を良好とすることができる。
図1乃至図6を参照して、本発明の実施形態による水栓装置を説明する。図1は水栓装置全体を示す斜視図、図2は水栓装置の構成を示すブロック図、図3は第1実施形態による吐水制御の吐水流量の時間変化を示すグラフ、図4は第2及び第3実施形態による吐水制御の吐水流量の時間変化を示すグラフ、図5,図6はそれぞれ第4,第5実施形態による吐水制御の時間変化を示すグラフである。
本実施形態では、流量操作部20及び温度操作部22は、同じ形状を有しており、それぞれ円盤状の操作ハンドル20a,22aと、各操作ハンドルに上端が固定され下方に延びる軸部と、各軸部の下端に接続された回転検出部とを備えている。
また、流量操作部20及び温度操作部22の操作ハンドル20a,22aの下面には、それぞれ発光手段である表示部21,23が配置されている。表示部21,23は、軸部まわりに複数配置されたLEDと、その制御基板から構成されている。
一方、流量操作部20は、操作ハンドル20aの増流量方向及び減流量方向が、時計方向及び反時計方向に固定されていない。すなわち、本実施形態では、使用者が、止水状態で操作ハンドル20aをいずれの方向に回動させても、吐水が開始し、その回動方向が増流量方向に設定され、他の回動方向が減流量方向に設定される。
なお、本実施形態では、表示部21が受け取る吐水流量を表す信号は、後述する流量調整手段33の流量調整弁33aの開度を表す信号である。
また、コントローラ35は、止水状態から受け取ったパルス信号の数により、操作ハンドル20aの止水状態からの相対的な回転量(回転角度)を算出し、この回転量に応じて流量設定値である目標吐水流量を決定する。この目標吐水流量は、流量調整手段33の流調弁33aの弁開度に対応する。
まず、図3に基づいて、本発明の第1実施形態による水栓装置1の作用を説明する。
図3は、本発明の第1実施形態に係る吐止水制御のタイミングチャートである。図3(B)は、使用者が止水状態から操作した流量操作部20の操作量(回転角度)の時間変化であり、図3(A)は、図3(B)の操作によって吐水口10aから吐水される吐水量の時間変化である。なお、図3(B)では、時間t0での位置をゼロとして、この位置からの相対位置で示している。
本実施形態では、コントローラ35は、流量操作部20から受け取る操作量及び操作方向を表す出力信号に基づいて、止水後継続操作を検知し、止水後操作量,止水後操作時間等を算出することができる。
なお、継続的な操作とは、流量操作部20を一方向に継続的に操作し続けることに加えて、流量操作部20を断続的に一方向に操作することを含む。
すなわち、コントローラ35は、止水後操作量が所定の設定操作量ΔLA以下の間、且つ、止水後操作時間が所定の設定操作時間ΔTA(例えば、3秒)以下の間は、止水状態を維持する。この場合、コントローラ35は、流量調整手段33に駆動信号を出力しない。なお、このときコントローラ35が、駆動信号を出力しても、流量調整手段33の流調弁33aはすでに閉状態であるので、この閉状態が保持される。このため、流量調整手段33は、この駆動信号を無効としてもよい。
これにより、図3(A)に示すように、時間t0から時間t1において、コントローラ35は、止水状態からの正方向への回転量に応じた吐水流量となるように、駆動信号を流量調整手段33に出力することで、吐水口10aから吐水させる。流量操作部20の操作量がゼロとなる時間t1には、流調弁33aが閉状態となり吐水量もゼロとなる(止水する)。
その後、使用者は流量操作部20を減流量方向(正方向)に操作しており、流量操作部20は時間t4に基準位置である位置L2に達し、時間t4に吐水量はゼロとなっている。
時間t5以降は、再び、コントローラ35は、基準位置L1からの操作量に応じて駆動信号を出力する。そして、時間t7に、流量操作部20は基準位置L1まで戻され、吐水量がゼロとなっている。
すなわち、使用者が、止水する意図で流量操作部20を減流量方向に操作したときに、実際には止水状態となっているにもかかわらず、吐水口10aから残水が吐水される場合がある。このとき、使用者が、流量操作部20を止水位置まで操作していないと勘違いして、流量操作部20をさらに減流量方向に操作してしまうおそれがある。このような場合、流量操作部20の停止によって即座に増減流量方向の設定がリセットされていると、再操作により、意図しない吐水が開始されてしまう。
なお、本実施形態では、時間t9から減流量方向に設定時間ΔTAもしくは設定操作量ΔTAだけ継続的に操作された場合には、使用者が再吐水する意図を有していると判定して、設定時間ΔTA経過時もしくは設定操作量ΔTAだけ操作した時に、増減流量方向の再設定が行われる。
また、本実施形態では、止水するために、使用者が、流量操作部20を減流量方向に操作したときに、止水位置を通り過ぎるまで操作しすぎた場合であっても、再吐水が開始されることがないので、使用者を戸惑わせることがなく、使い勝手を良好とすることができる。
図4(C)は、流量操作部20の操作量(回転角度)の時間変化であり、図4(A)(第2実施形態),図4(B)(第3実施形態)は、図4(C)の操作時における吐水量の時間変化である。
そして、時間t28に流量操作部20の操作方向は負方向に転じ、時間t29に流量操作部20は位置L2に戻され、時間t30に位置L4(L7<L4<L2<0)に達している。さらに、時間t30に流量操作部20の操作方向は正方向に転じ、時間t31に流量操作部20は位置L2に戻され、時間t32に位置0に達している。
図4(A)の態様では、コントローラ35は、止水前操作量と止水後操作量の和が、所定の設定操作量ΔLA以下の場合に、使用者が止水操作をしているものと判断して、止水後継続操作において止水状態を維持する。
このため、コントローラ35は、止水状態となった時間t23から時間t24までは、止水状態を維持し、時間t24に増減流量方向の再設定を行う。すなわち、時間t24において、負方向が増流量方向に再設定され、正方向が減流量方向に再設定される。
コントローラ35は、時間t24から時間t26においては、基準位置L2からの操作量に応じて吐水させる制御を行う。
時間t27から時間t30においては、コントローラ35は、正方向を増流量方向に設定し、位置L2を基準位置として吐水制御を行っている。
時間t28から時間t29までの止水前操作量と、時間t29から時間t30までの止水後操作量との和(=L3−L4)は、設定操作量ΔLAよりも小さいので、コントローラ35は、時間t29以後も時間t30まで止水状態を維持する。
時間t32から時間t34までの止水前操作量と、時間t34から時間t36までの止水後操作量との和(=0−L6)は、設定操作量ΔLAよりも小さいので、コントローラ35は、時間t34から時間t36まで止水状態を維持し、その後も止水状態を維持する。
図4(B)の態様では、コントローラ35は、止水後操作量が止水前操作量に対して所定割合R以下の大きさである場合に、使用者が止水操作をしているものと判断して、止水後操作において止水状態を維持する。
時間t22から時間t23までの止水前操作量(=L1−0)に対して、時間t23から時間t24までの止水後操作量が、設定割合Rより小さいので、コントローラ35は、時間t23から時間t24まで止水状態を維持している。
時間t28から時間t29までの止水前操作量(=L3−L2)に対して、時間t29から時間t30までの止水後操作量(=L2−L4)が、設定割合Rよりも小さいので、コントローラ35は、時間t29以後も時間t30まで止水状態を維持する。
したがって、時間t30から時間t31においては、コントローラ35は、流量操作部20の位置が基準位置L2より小さいため、止水状態を維持する。
時間t32から時間t33までの止水前操作量(=0−L2)に対して、時間t33から時間t35までの止水後操作量が、設定割合Rよりも小さいので、コントローラ35は、時間t33以後も時間t35まで止水状態を維持する。
第4及び第5実施形態では、コントローラ35は、止水状態において、流量制御部20が正方向及び負方向にわずかに回動しても、その回転量が基準位置から設定操作量ΔLB(例えば、3°)以下であれば、止水状態を維持する。
図5の態様では、コントローラ35は、止水状態において、流量制御部20が操作開始された位置を基準位置に設定する。
図5(B)の例では、使用者は、止水状態における時間t40から時間t41まで流量操作部20を操作しておらず、時間t41に流量操作部20を、選択した正方向とは反対方向の負方向に誤って操作している。
そして、流量操作部20は、時間t42に負の操作位置L12(<0)に達しているが、このときの操作量(=0−L12)も設定操作量ΔLBより小さいので、コントローラ35は、増減流量方向の設定を行うことなく、図5(A)に示すように、止水状態を維持する制御を行う。
このため、コントローラ35は、時間t43に、現在の操作方向である正方向を増流量方向、負方向を減流量方向に設定する。さらに、コントローラ35は、増減流量方向設定時(時間t43)時点での流量操作部20の位置L10を基準位置として、これ以降、この基準位置からの操作量に応じて、図5(A)に示すように、吐水制御を行う。
図6の態様では、コントローラ35は、止水状態において、流量制御部20が操作開始された時点では、操作開始された位置を基準位置に設定するが、その後、止水状態のまま操作方向が切り換えられたときに、切換時の位置を基準位置に設定し直す。
図6(B)の例では、使用者は、止水状態における時間t50から時間t51まで流量操作部20を操作しておらず、時間t51に流量操作部20を、選択した負方向とは反対方向の正方向に誤って操作し、その後、時間t52に位置L13(0<L13<ΔLB)で操作方向を負方向に切り換えている。したがって、図5(B)の例では、時間t51から時間t52の間は、位置0が基準位置となるが、時間t52以降は位置L13が基準位置となる。
そして、流量操作部20は、時間t52に操作位置L13(>0)に達しているが、このときの操作量(=L13―0)も設定操作量ΔLBより小さいので、コントローラ35は、増減流量方向の設定を行うことなく、図6(A)に示すように、止水状態を維持する制御を行う。
このため、コントローラ35は、時間t53に、現在の操作方向である負方向を増流量方向、正方向を減流量方向に設定する。さらに、コントローラ35は、増減流量方向設定時(時間t53)時点での流量操作部20の位置L14を基準位置として、これ以降、この基準位置からの操作量に応じて、図6(A)に示すように、吐水制御を行う。
10 水栓本体
10a 吐水口
20 流量操作部
22 温度操作部
30 水栓機能部
31 吐水温度調整手段
33 流量調整手段
33a 流調弁
35 コントローラ
35a 記憶部
Claims (10)
- 1つの吐水口を有する吐水部と、
前記吐水口から吐水される吐水流量を調整するための流量調整弁を有する流量調整部と、
第1操作方向、及びこの第1操作方向と反対の第2操作方向に操作可能である吐水流量を調整するための操作部と、
前記操作部の操作方向及び操作量を検知し、検知した操作方向に応じて吐水温度を変化させることなく、検知した操作方向及び操作量に基づいて前記流量調整部を制御して吐水流量を調整する制御部と、を備えた水栓装置であって、
前記制御部は、止水状態において前記操作部が前記第1操作方向及び第2操作方向のいずれかの操作方向に操作された場合、操作された操作方向を吐水流量を増加させる増流量方向に設定し、他方の操作方向を吐水流量を減少させる減流量方向に設定することを特徴とする水栓装置。 - 前記制御部は、前記操作部が減流量方向に操作され止水を指示する位置まで到達したことを検知し、前記流量調整部を止水状態に制御した後に、さらに前記操作部が継続して同じ方向に操作されている止水後継続操作を検知している間は、前記流量調整部を継続的に止水状態に維持することを特徴とする請求項1に記載の水栓装置。
- 第1操作方向、及びこの第1操作方向と反対の第2操作方向に操作可能である吐水流量を調整するための操作部と、
吐水口から吐水される吐水流量を調整するための流量調整弁を有する流量調整部と、
前記操作部の操作方向及び操作量を検知し、検知した操作方向及び操作量に基づいて前記流量調整部を制御して吐水流量を調整する制御部と、を備えた水栓装置であって、
前記制御部は、止水状態において前記操作部が前記第1操作方向及び第2操作方向のいずれかの操作方向に操作された場合、操作された操作方向を吐水流量を増加させる増流量方向に設定し、他方の操作方向を吐水流量を減少させる減流量方向に設定し、
前記制御部は、前記操作部が減流量方向に操作され止水を指示する位置まで到達したことを検知し、前記流量調整部を止水状態に制御した後に、さらに前記操作部が継続して同じ方向に操作されている止水後継続操作を検知している間は、前記流量調整部を継続的に止水状態に維持することを特徴とする水栓装置。 - 前記制御部は、前記操作部の前記止水後継続操作を検知している場合、止水状態となってから継続操作された前記操作部の前記減流量方向への止水後操作量を算出し、この止水後操作量が所定値以下であるときに、前記流量調整部を継続的に止水状態に維持することを特徴とする請求項2又は3に記載の水栓装置。
- 前記制御部は、前記操作部の前記止水後継続操作を検知している場合、吐水状態から止水状態となるまでに操作された前記操作部の前記減流量方向への止水前操作量と、止水状態となってから継続操作された前記操作部の前記減流量方向への止水後操作量とを算出し、前記止水後操作量が前記止水前操作量に対して所定割合以下の大きさであるときに、前記流量調整部を継続的に止水状態に維持することを特徴とする請求項2又は3に記載の水栓装置。
- 前記制御部は、前記操作部の前記止水後継続操作を検知している場合、吐水状態から止水状態となるまでに操作された前記操作部の前記減流量方向への止水前操作量と、止水状態となってから継続操作された前記操作部の前記減流量方向への止水後操作量とを算出し、前記止水後操作量と前記止水前操作量との和が所定値以下であるときに、前記流量調整部を継続的に止水状態に維持することを特徴とする請求項2又は3に記載の水栓装置。
- 前記制御部は、前記操作部の前記止水後継続操作を検知している場合、止水状態となってから前記操作部が前記減流量方向へ継続操作された止水後操作時間を算出し、この止水後操作時間が所定値以下であるときに、前記流量調整部を継続的に止水状態に維持することを特徴とする請求項2又は3に記載の水栓装置。
- 前記制御部は、前記操作部の前記止水後継続操作を検知している場合、前記操作部の前記増流量方向の操作を検知したときに、前記流量調整部を吐水状態とすることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか1項に記載の水栓装置。
- 前記制御部は、止水状態において前記操作部の同一方向の所定値以上の操作量を検知したときに、検知した操作量に基づいて、前記流量調整部を制御して吐水流量を調整することを特徴とする請求項2乃至8のいずれか1項に記載の水栓装置。
- 前記制御部は、前記操作部の前記止水後継続操作を検知している場合において、前記操作部の前記減流量方向への操作が検知されなくなってから所定時間経過するまでは、増流量方向及び減流量方向の設定を維持することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の水栓装置。
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