JP7451169B2 - 湯水混合装置 - Google Patents

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本発明は、湯水混合水をシャワーから吐出させる湯水混合装置に関する。
特許文献1には、止水状態からオーバーヘッドシャワーへの吐水を禁止し、ハンドシャワー等へ吐水した後にのみオーバーヘッドシャワーへの吐水を可能とした発明が開示されている。これは、オーバーヘッドシャワー使用開始時に配管中に残っていた冷水が吐出されるのを防止するためである。
特許第6508608号公報
配管中に残った冷水の量は、それ以前のシャワー等の使用状態によって変化する。そのため、配管中の冷水が排出されたか否かは、ハンドシャワー等からの吐水の温度により確認する必要がある。しかし、確認作業は手作業であり煩雑である。また、配管中に冷水が殆どない場合は、ハンドシャワー等からの吐水は無駄になる。
本発明の課題は、湯水混合水をシャワーから吐出する湯水混合装置において、シャワーからの吐水を吐水温度に基づいて自動的に行うことにより、煩雑な吐水温度の確認作業や吐水温度が適温に到達後の無駄な吐水を防止することにある。
本発明の第1発明は、湯及び水の供給を受け、湯及び水の混合比を変化させて吐水温度を調整する混合弁と、該混合弁が吐出する水を受けてシャワーか他の吐水口かのいずれかから吐水するように切り替える切替弁と、前記混合弁から吐出され前記切替弁に供給される水の温度を検出する温度センサと、シャワーか他の吐水口のどちらから吐水させるかを設定し、且つ吐水温度を設定する操作部と、該操作部の各設定に基づき、設定された温度でシャワーか他の吐水口のどちらから吐水させる制御部とを備える湯水混合装置において、前記制御部は、前記操作部によりシャワーへの吐水が設定されたことを判定するシャワー吐水操作判定手段と、該シャワー吐水操作判定手段によりシャワーへの吐水が設定されたと判定されたとき、前記温度センサにより検出される水の温度が前記操作部により設定された設定温度、又は該設定温度に関連して設定された関連設定温度に達していないと判定すると、前記切替弁を前記他の吐水口から吐水するように切替え、前記設定温度又は前記関連設定温度に達していると判定すると、前記切替弁をシャワーから吐水するように切替える吐水口切替手段とを備える。
第1発明において、シャワーは、オーバーヘッドシャワー、ハンドシャワー、ボデーシャワーのいずれか、若しくはそれらの組合せとすることができる。一方、他の吐水口は、カラン若しくは排水専用口とすることができる。また、シャワーがオーバーヘッドシャワーの場合、他の吐水口は、ハンドシャワーとしてもよい。
また、操作部により設定された設定温度に関連して設定された関連設定温度は、設定温度に所定の係数を加減乗除して得られる温度とすることができる。例えば、設定温度より一定温度だけ低い温度を関連設定温度とすることができる。
第1発明によれば、操作部によりシャワーからの吐水が設定されたとき、混合弁からの水温が低いと、その水温が設定温度又は関連設定温度に達するまでの間、シャワーから吐水させず、他の吐水口から吐水させる。水温が設定温度又は関連設定温度に達するとシャワーから吐水させる。そのため、水温が上昇したか否かを確認しなくても、自動的に水温が設定温度又は関連設定温度に達するまでは他の吐水口から吐水させ、水温が設定温度又は関連設定温度に達すると自動的にシャワーから吐水させることができる。また、シャワーからの吐水が設定されたとき、既に水温が設定温度又は関連設定温度に達していれば、他の吐水口から吐水させることなく、直ちにシャワーから吐水させる。従って、シャワーから吐水することができる状態で、他の吐水口から吐水するような無駄をなくすことができる。
本発明の第2発明は、上記第1発明において、前記他の吐水口はカランにより構成されている。
第2発明によれば、他の吐水口として排水専用口を設けることなく、水温が設定温度又は関連設定温度に達するまでの排水をカランを利用して行うことができる。
本発明の一実施形態のシステム構成図である。 上記実施形態における制御部の作動内容を示すフローチャートである。 上記実施形態の作動を説明するタイムチャートである。 吐水口切替手段の切り替えにヒステリシス特性を持たせることを説明する説明図である。
<一実施形態の構成>
図1は、本発明の湯水混合装置の一実施形態をシステム構成図により示す。
混合弁11は、管路16から常温の水を加熱して得られる湯を供給され、管路17から常温の水を供給されて、それら湯及び水の混合比を変化させて下流へ送る水の温度を調整する。この混合弁11は、公知のものであり、温度調整後の水は管路18へ吐出される。管路18の水は、切替弁13に送られる。切替弁13は、混合弁11からの水を管路19に設けられたカラン21に流すか、管路20に設けられたシャワー22に流すかを切り替える。カラン21は、本発明の他の吐水口に相当する。
混合弁11及び切替弁13は、駆動部12、14を備え、駆動部12、14は、モータを含んで構成されている。混合弁11は、駆動部12によって湯及び水の混合比を変化される。また、切替弁13は、駆動部14によって混合弁11からの水をカラン21かシャワー22かどちらかに流すように切り換えられる。
駆動部12及び14は、制御部30の出力を受けて作動を制御される。制御部30は、コンピュータ(図示略)を含んで構成されている。制御部30には、操作部40及び温度センサ50の信号が入力されている。操作部40は、温度設定操作部41、吐水形態設定操作部42及び吐水量設定操作部43を含む。温度設定操作部41は、カラン21又はシャワー22からの吐水の温度を使用者が任意に設定する際に操作されるものである。温度設定操作部41により設定温度に関する信号が制御部30に入力される。また、吐水形態設定操作部42は、カラン21から吐水するか、シャワー22から吐水するかを使用者が任意に設定する際に操作されるものである。吐水形態設定操作部42によりカラン21又はシャワー22のどちらからの吐水が選択されたかの信号が制御部30に入力される。更に、吐水量設定操作部43は、カラン21又はシャワー22からの吐水量を使用者が任意に設定する際に操作されるものである。吐水量設定操作部43により吐水量に関する信号が制御部30に入力される。一方、温度センサ50は、混合弁11から切替弁13に送られる水の温度を検出して、その水温に関する信号を制御部30に入力する。
図2は、制御部30のコンピュータによる制御内容を示す。湯水混合制御ルーチンが実行されると、ステップS1において、温度設定操作部41による設定温度に関する信号を取り込む。また、ステップS2において、吐水量設定操作部43による設定吐水量に関する信号を取り込む。更に、ステップS3において、温度センサ50により検出される水温に関する信号を取り込む。
ステップS4では、温度設定操作部41による設定温度と、温度センサ50により検出される水温とが比較され、検出水温が設定温度以上か否かが判定される。検出水温が設定温度以上でステップS4が肯定判断されると、ステップS5において混合弁11の駆動部12を作動して、それまでより水の量が所定量増加し、湯の量が所定量減少するようにする。また、検出水温が設定温度未満でステップS4が否定判断されると、ステップS6において混合弁11の駆動部12を作動して、それまでより湯の量が所定量増加し、水の量が所定量減少するようにする。このようなステップS4~S6の処理を繰り返すことにより混合弁11からの水の温度が設定温度と一致するようにフィードバック制御される。
ステップS7では、吐水形態設定操作部42により設定されている吐水形態が「シャワー」か否かが判定される。設定されている吐水形態が「シャワー」である場合は、ステップS7は肯定判断され、ステップS8において温度設定操作部41による設定温度と、温度センサ50により検出される水温とが比較される。このとき検出水温が設定温度未満でステップS8が否定判断されると、ステップS10において切替弁13の駆動部14を作動してカラン21側に通水するように切替弁13を切り替える。一方、検出水温が設定温度以上でステップS8が肯定判断されると、ステップS9において切替弁13の駆動部14を作動してシャワー22側に通水するように切替弁13を切り替える。また、ステップS7において、吐水形態設定操作部42により設定されている吐水形態が「カラン」であると判定されると、ステップS7は否定判断される。そのため、ステップS8の処理はスキップされ、ステップS10において切替弁13の駆動部14を作動してカラン21側に通水するように切替弁13を切り替える。
上記ステップS7の処理は、本発明のシャワー吐水操作判定手段に相当する。また、上記ステップS8~S10の処理は、本発明の吐水口切替手段に相当する。
<一実施形態の作動>
図3は、図2の制御フローにおけるステップS7以降の処理内容を示している。図3の(A)は温度センサ50により検出される水温の変化を示し、(B)は吐水形態設定操作部42の設定内容を示し、(C)は切替弁13の切換状態を示す。
T1のタイミングで吐水形態設定操作部42において「カラン」が設定されると、水温に関わらず切替弁13はカラン21に通水するように切り換えられる。T2のタイミングで吐水形態設定操作部42における「カラン」の設定が解除されると、切替弁13はカラン21への通水を遮断する。T3のタイミングで吐水形態設定操作部42において「シャワー」が設定されると、切替弁13はカラン21に通水するように切り換えられる。なぜなら、このとき、温度センサ50の検出水温が温度設定操作部41の設定温度に達していないためである。その後、T4のタイミングで検出温度が設定温度に到達すると、切替弁13はシャワー22に通水するように切り換えられる。
<一実施形態の作用、効果>
吐水形態設定操作部42によりシャワー22からの吐水が設定されたとき、混合弁11からの水温が低いと、その水温が温度設定操作部41により設定された温度に達するまでの間、シャワー22から吐水させず、カラン21から吐水させる。水温が設定された温度に達するとシャワー22から吐水させる。そのため、水温が上昇したか否かを確認しなくても、自動的に水温が設定された温度に達するまではカラン21から吐水させ、水温が設定された温度に達すると自動的にシャワー22から吐水させることができる。また、シャワー22からの吐水が設定されたとき、既に水温が設定された温度に達していれば、カラン21から吐水させることなく、直ちにシャワー22から吐水させる。従って、シャワー22から吐水することができる状態で、カラン21から吐水するような無駄をなくすことができる。
<他の実施形態>
以上、特定の実施形態について説明したが、本発明は、それらの外観、構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。例えば、上記実施形態では、吐水形態設定操作部42が「シャワー」に設定されている状態で、実際にカラン21からシャワー22に吐水形態を切り替える切替温度を、温度設定操作部41の設定温度としたが、この設定温度と関連して所定の関係で変化する温度、例えば設定温度に所定の係数を加減乗除して得られる温度(関連設定温度)を切替温度としてもよい。
上記実施形態では、温度センサの検出温度が設定温度に達しているか否かにより単純に切替弁を切替駆動するものとしたが、図4のように切替弁の切替駆動にヒステリシス特性を持たせるようにしてもよい。即ち、温度センサの検出水温が設定温度まで上昇したとき、切替弁をカラン側からシャワー側に切り替え、その後は、温度センサの検出水温が設定温度より低くなっても、「設定温度-α」まで検出水温が低下しない限りはシャワー側に切り替えられた状態を維持する。このようにすることにより、温度センサの検出水温が設定温度付近で変動したとき、切替弁がカラン側とシャワー側とに頻繁に切り替え作動されるハンチング現象を防止することができる。
11 混合弁
12 駆動部
13 切替弁
14 駆動部
16、17、18、19、20 管路
21 カラン(他の吐水口)
22 シャワー
30 制御部
40 操作部
41 温度設定操作部
42 吐水形態設定操作部
43 吐水量設定操作部
50 温度センサ

Claims (1)

  1. 湯及び水の供給を受け、湯及び水の混合比を変化させて吐水温度を調整する混合弁と、
    該混合弁が吐出する水を受けてシャワーか他の吐水口かのいずれかから吐水するように切り替える切替弁と、
    前記混合弁から吐出され前記切替弁に供給される水の温度を検出する温度センサと、
    シャワーか前記他の吐水口のどちらから吐水させるかを設定し、且つその吐水温度を設定する操作部と、
    該操作部の各設定に基づき、設定された温度でシャワーか前記他の吐水口のどちらから吐水させる制御部と
    を備える湯水混合装置において、
    前記制御部は、
    前記操作部によりシャワーへの吐水が設定されたことを判定するシャワー吐水操作判定手段と、
    該シャワー吐水操作判定手段によりシャワーへの吐水が設定されたと判定されたとき、前記温度センサにより検出される水の温度が前記操作部により設定された設定温度、又は該設定温度に関連して設定された関連設定温度に達していないと判定すると、前記切替弁を前記他の吐水口から吐水するように切替え、前記設定温度又は前記関連設定温度に達していると判定すると、前記切替弁をシャワーから吐水するように切替える吐水口切替手段と
    を備え、
    前記他の吐水口はカランにより構成され、
    前記吐水口切替手段は前記切替弁の切替駆動にヒステリシス特性を持たせ、前記温度センサにより検出される水の温度が前記設定温度付近で変動したとき、前記切替弁がカラン側とシャワー側とに頻繁に切り替え作動されるハンチング現象を防止することができるよう構成されている、
    湯水混合装置。
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