JP5303883B2 - 貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2枚のウェーハを、貼り合わせの進行時に発生しがちなボイドを有効に低減させることができる貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法に関するものである。
貼り合わせウェーハとは、通常、貼り合わせSOI(Silicon On Insulator)ウェーハのことをいい、例えば、非特許文献1に示すように、酸化していない支持基板用ウェーハと、酸化した活性層用ウェーハを貼り合わせた後、活性層用ウェーハ表面に研削研磨を施し、要求される厚さに薄膜化することにより製造される貼り合わせウェーハや、特許文献1に示すように、活性層用ウェーハに、水素またはヘリウム等の軽元素イオンを所定の深さ位置に注入してイオン注入層を形成する工程と、前記活性層用ウェーハを絶縁膜を介して支持基板用ウェーハに貼り合わせる工程と、前記イオン注入層で剥離する工程と、剥離により露出する活性層部分を薄膜化して、所定膜厚の活性層を形成する工程とを有する、イオン注入分離法、いわゆるスマートカット(smart cut(登録商標))法により製造された貼り合わせウェーハ等が挙げられる。
そして、前記活性層用ウェーハと支持基板用ウェーハの貼り合わせ、つまり、2枚のウェーハの貼り合わせに用いられる貼り合わせ装置としては、例えば特許文献2に開示されているように、表面中央部が凸型となるようにテーパ面又は曲面成型され、その表面に開口する排気孔を有する基台と、この基台に重ねられ、ウェーハが載置される面の外周部に溝が形成されかつその溝に沿って前記基台の排気孔と連通する複数個の排気孔が形成されたチャックとを具え、前記チャック上に載せられたウェーハを、チャックの排気孔及び基台の排気孔を介して真空吸引してその中央部が凸型となる状態で保持することを特徴とする貼り合わせ装置が挙げられる。
また、別の貼り合わせ装置としては、例えば特許文献3に開示されているように、貼付け面が凸状球面に形成され前記貼付け面に半導体ウエーハを吸着して凸状球面状に保持する一対の貼付け部材を備え、前記貼付け部材の貼付け面に、複数の独立した吸引部を当該貼付け面の中央部から周辺部に順次設け、前記各吸引部に真空ポンプ、前記連通部材にエアーポンプを接続させ、前記吸着保持された双方の半導体ウエーハの中央部から周辺部へ向けて貼り合わせることを特徴とする半導体ウエーハの貼り合わせ装置が挙げられる。
しかしながら、特許文献2及び3に記載の貼り合わせ装置はいずれも、サイズの小さなウェーハ(例えば、直径200mm以下のウェーハ)の貼り合わせには有効であるものの、直径が300mmを超えるようなサイズの大きなウェーハを貼り合せる場合には、前記ステージとウェーハとの吸着の制御が困難であるため、貼り合わせウェーハの外周付近において部分的に貼り合わせが不十分になり、貼り合わせ界面にボイドが発生するという問題がある。また、貼り合わせステージの構造も複雑となり、ステージ形状の精度も悪化してしまうことが懸念される。
前記ボイドの発生は、その後のウェーハ加工(研削・研磨)時の剥がれや、欠陥の原因となり、デバイス特性の劣化を引き起こすため、ボイドの発生を抑制できる貼り合わせウェーハの製造装置の開発が望まれている。
UCS半導体基盤技術研究会編集、「シリコンの科学」、株式会社リアライズ社、1996年6月28日、p459−462 特開平5−211128号公報 特開昭61−145839号公報 特開平7−66093号公報
本発明の目的は、特に貼り合わせウェーハ外周部の、貼り合わせ界面におけるボイドの発生を、有効かつ容易に抑制し、さらにムラなく貼り合わせることができる貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は以下の通りである。
(1)チャンバー内に、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成され、一枚のウェーハを載せる載置面をもつステージと、前記チャンバー内を所定の圧力まで減圧するための減圧手段とを有し、前記ステージ上に載置された前記一枚のウェーハ上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねたウェーハの自重のみの作用力によって減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造装置。
(2)前記ステージは、その載置面が、中心位置から外周位置に向けて、連続的にかつ同心円状に低くなっている断面輪郭形状を有し、前記載置面の中心位置からの半径方向の距離をrとし、前記中心位置から外周位置までの距離をrとし、前記中心位置から外周位置までの高低差をhとする場合、
r=0でdh/dr=0、かつ、0<r≦rでd2h/dr2≦0
の関係式を満たすことを特徴とする上記(1)記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
(3)前記ステージは、その中心位置と外周位置の高低差(h)が100μm以上であることを特徴とする上記(2)記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
(4)前記貼り合わせウェーハの製造装置は、前記一枚のウェーハ及びもう一枚のウェーハを前記ステージまで搬送するウェーハ搬送手段をさらに有することを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
(5)前記ステージ載置面は、少なくとも表層部分の材質が、樹脂系材料であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
(6)チャンバー内であって、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成されるステージの載置面上に一枚のウェーハを載せた後、この一枚のウェーハの上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねたウェーハの自重のみの作用力により、減圧下で、貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
(7)前記チャンバー内の圧力は、少なくとも前記貼り合わせ時には、70kPa以下であることを特徴とする上記(6)記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
(8)ウェーハの貼り合わせを行う前に、それぞれのウェーハの貼り合わせ面に、窒素、酸素、希釈水素ガス等の雰囲気にてプラズマ処理を施すことを特徴とする上記(6)又は(7)記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
この発明によれば、特に貼り合わせウェーハ外周部の、貼り合わせ界面におけるボイドの発生を、有効かつ容易に抑制し、さらにムラなく貼り合わせることができる貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法を提供することが可能になった。
本発明に従うウェーハ製造装置及び製造方法について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明に従う貼り合わせウェーハの製造装置の要部構成がわかるように切断して示した概略図であり、図2は、図1中に示すステージの拡大側面図である。
本発明による貼り合わせウェーハの製造装置1は、チャンバー2内に、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成され、一枚のウェーハ3を載せる載置面4aをもつステージ4と、前記チャンバー2内を所定の圧力まで減圧するための減圧手段5とを具える。
そして、本発明による貼り合わせウェーハの製造装置1は、前記ステージ4上に載置された前記一枚のウェーハ3上に、もう一枚のウェーハ6を重ね、この重ねた前記もう一枚のウェーハ6の自重のみの作用力によって減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする。
従来の貼り合わせ装置を用いた場合には、直径が300mm以上の大きなサイズのウェーハを貼り合せる場合には、貼り合わせウェーハの外周付近において部分的に貼り合わせが不十分になり、貼り合わせ界面にボイドが発生しやすくなるという問題があった。本発明者らは、上記問題は、ステージとウェーハとの吸着の制御が困難であることから、貼り合わせの進行に不具合が発生することが原因であると考え、その解決方法について鋭意研究を行った。その結果、貼り合わせる際に、特別な荷重を付加することなく、重ねた前記もう一枚のウェーハ6の自重のみの作用力によって減圧下で貼り合わせを進行させることで、前記貼り合わせウェーハ7の外周位置まで貼り合わせの進行不具合をなくすことができ、さらに、減圧によって貼り合わせ界面に残存する空気を除去することができるため、特に貼り合わせウェーハ7の外周部の、貼り合わせ界面におけるボイドの発生を、有効に抑制することが可能となることを見出し、本発明を完成させるに至ったのである。
次に、本発明に従う貼り合わせウェーハ製造装置1の要部構成について以下に説明する。
(チャンバー)
本発明によるチャンバー2は、内部の圧力変化に耐えうる容器であればよく、特に限定はされないが、例えば、円筒状または多角形状等を有しているステンレス製容器などが挙げられる。前記チャンバー2の容積についても、貼り合わせウェーハ7のサイズや減圧手段5の性能によっても変わるため、特に限定されないが、通常、4000〜9000cm3程度である。また、前記チャンバー2は、二枚のウェーハ3、6の貼り合わせ後、貼り合わせウェーハ3を取り出すことができるよう上蓋21を有し、該上蓋21は、二枚のウェーハ3、6の貼り合わせの進行状態を確認することができるように、石英等の透明な材料により構成されることが好ましい。
(ステージ)
本発明のステージ4は、図2に示すように、載置面4aの少なくとも中心部8が凸状の曲面で構成するように曲面加工されており、ウェーハ3、6を載せる載置面4aを有する。このように、前記載置面4aの少なくとも中心部8を凸状の曲面で構成することで、重ね合わせたもう一枚のウェーハ6の自重の作用力を利用してウェーハ3、6同士の貼り合わせが可能となり、前記少なくとも中心部8を凸状にすることで、均一な貼り合わせが可能となり、ボイドの発生を抑制することができる。なお、載置面4aの「中心部」とは、載置面4aの中心位置Cを中心とする半径1mmの円で囲まれた領域をいう。また、前記ステージ4の載置面4aの材質は、特に限定されないが、ステージ4の少なくとも表層部分(例えば、載置面4aから厚さ1mm以上の部分)の材質が、テフロン等の樹脂系材料であることが好ましく、加工時の変形が少ないことや、接触によるキズ・汚染等を抑制できる点から耐熱性及び耐摩耗性を有するピーク材(ポリエーテルエーテルケトン)を用いることがより好適である。
また、前記ステージ4は、図2に示すように、その載置面4aが、中心位置Cから外周位置Oに向けて、連続的にかつ同心円状に低くなっている断面輪郭形状を有し、前記載置面4aの中心位置Cからの半径方向の距離をrとし、前記中心位置Cから外周位置Oまでの距離をrとし、前記中心位置から外周位置までの高低差をhとし、前記中心位置Cからのステージ4の厚み方向9の距離をhとする場合、
=0でdh/dr=0、かつ、0<r≦rでd2/dr 2≦0
の関係式を満たすことが、前記もう一枚のウェーハ6の自重のみの作用力によって安定した貼り合わせを行うことができる点で好ましい。r=0(図2では中心位置C)でのdh/drが0以外である場合、前記載置面4aの中心位置Cが水平ではなく、また、凸部の形状が鋭角となるため、一枚のウェーハ3を載置面4aに載せた場合は、ウェーハ3、6同士を圧着させる力が不均一でかつ部分的に強すぎる場合があるため、貼り合わせ後の剥離熱処理工程等において、貼り合わせウェーハ7の表面にムラが発生し、d2/dr 2>0の場合、中心位置Cから連続的に低くなる形状とならず、局所的に凸形状となる恐れがあるからである。
さらに、前記ステージ4は、その中心位置Cと外周位置Oの高低差hが100μm以上であることがより好適である。300mmサイズのウェーハ3、6を用いた場合、高低差hが100μm未満では、ウェーハ3、6のたわみに満たないため、自重の作用力による貼り合わせを行うことができないからである。また、高低差hとしては、特に限定されないが、ステージ4の加工や貼り合わせウェーハ製造装置1の占有領域を考慮すると、その上限を5mm以下とすることが好ましい。
さらにまた、前記中心位置Cからの半径方向の距離rの範囲としては、特に限定はないが、前記ステージ4の載置面4aに対するウェーハの安定性や、ステージ4の加工性等を考慮すると、50mmからウェーハ3、6のサイズの半径(r/2)程度とすることが好ましい。
(減圧手段)
本発明の減圧手段5は、前記チャンバー2内を所定の圧力まで減圧することができる装置等であればよく特に限定する必要はないが、例えば図1に示すような、減圧用ポンプ51を具えた減圧手段5等を用いることができる。前記減圧手段5を用いることで、ウェーハ3、6同士の貼り合わせ時に、貼り合わせ界面に残存する空気を速やかに除去することで、貼り合わせウェーハ7におけるボイドの発生を抑制することができる。
また、前記チャンバー4内の圧力は、少なくとも前記貼り合わせ時には、70kPa以下であることが好ましい。70kPa超えでは、減圧が十分でないため、前記貼り合わせ界面に残存する空気の除去が不十分となり、ボイドが発生する恐れがあるためである。さらに、貼り合わせ後の大気圧への待ち時間を考慮すると、前記チャンバー4内の圧力は、50〜70kPaであることがより好適である。
なお、前記チャンバー4内の圧力を減圧するタイミングは、特に限定はする必要はないが、一枚のウェーハ3の上にもう一枚のウェーハ6を重ねた直後から、貼り合わせの進行と同時に減圧させることが好ましい。また、例えば、2枚のウェーハをチャンバー内に配置した後、減圧状態とし、設定された圧力になった後に、貼り合わせを進行させても良い。但し、この場合は、チャンバー内で2枚のウェーハを所定の間隔をもって離しておく必要があり、チャンバー内の構造が複雑になる。
(ウェーハ搬送手段)
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造装置1は、前記一枚のウェーハ3及びもう一枚のウェーハ6を前記ステージ4まで搬送するウェーハ搬送手段10をさらに有することが好ましい。図1に示すように、前記ウェーハ搬送手段10を用いれば、ウェーハ3、6を傷つけることや、パーティクルの付着を抑制することができ、さらに、前記ステージ4へウェーハ3、6を正確に搬送することが可能となるからである。また、前記ウェーハ搬送手段10は、ウェーハ3、6の傷つきやパーティクルの付着を抑制できるものであればよく、特に限定されないが、ロボットハンドや、空気圧によって搬送する搬送手段を用いることが効果的である。
加えて、前記ウェーハ3、6の貼り合わせ時には、貼り合わせの進行状態を確認することができるようにするため、チャンバー2の上方位置に赤外線照射装置11を設置することが好ましい。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造方法は、チャンバー2内であって、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成されるステージ4の載置面4a上に一枚のウェーハ3を載せた後、この一枚のウェーハ3の上に、もう一枚のウェーハ6を重ね、この重ねたウェーハ6の自重のみの作用力により、減圧下で、貼り合わせを行う。
また、ウェーハ3、6の貼り合わせを行う前に、それぞれのウェーハ3、6の貼り合わせ面に、窒素、酸素、水素又はこれらの混合ガス等、所定のガス雰囲気にてプラズマ処理を施すことが好ましい。このプラズマ処理を行うことで、貼り合わせ界面の貼り合わせ強度を大きくすることができるからである。ただし、プラズマ処理を施したウェーハ3、6同士の貼り合わせは、貼り合わせの進行速度が速く、貼り合わせ界面に空気が残存しやすいため、前記チャンバー2内の圧力をより減圧、好適には5kPa以下とする。
さらに、前記ウェーハ3、6を貼り合わせ後、貼り合わせたウェーハ7を薄膜化する方法としては、特に限定がなく、例えば、研削・研磨による薄膜化や、イオン注入分離法による薄膜化による方法が挙げられる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一例を示したにすぎず、請求の範囲において種々の変更を加えることができる。例えば、ステージ4の載置面4aの形状としては、図3(a)に示すようなドーム状の形状や、図3(b)に示すような頂点のみを曲面とする円錐形状を有することもできる。なお、図1〜3は、前記高低差hを正確に図示すると、従来のフラットな載置面と区別できないため、いずれも説明の便宜上、前記ステージ4の高低差hを誇張して示している。
(実施例1)
実施例1は、2枚の300mmシリコンウェーハ3、6の一方に150nmの酸化膜を形成させたのち、水素イオン注入を行い所定の深さ位置(表面から約500nm)の位置に注入層を形成させる。その後、図3(a)に示すように、載置面4aがドーム状の形状を有し、高低差hが500μm、およびrが150mmであるステージ4を用いて貼り合わせを行った。このときの貼り合わせ条件としては、荷重を負荷することなく、重ね合わせたもう一枚のウェーハ6の自重のみを利用し、かつステージ4の配置されているチャンバー2内の圧力を90、70、50、30、10、5、1kPaまで減圧した状態で貼り合わせを行い、その後、剥離熱処理及び表面研磨を施して、サンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(実施例2)
実施例2は、図3(b)に示すように、載置面4aが頂点のみを曲面とする円錐状の形状を有し、高低差hが500μm、およびrが150mmであるステージ4を用いて貼り合わせを行った以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(実施例3)
実施例3は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ面に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(実施例4)
実施例4は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ面に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、実施例2と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(比較例1)
比較例1は、図3(c)に示すように、載置面4aがフラットな形状を有し、高低差hが0、rが150mmであるステージ4を用いて貼り合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(比較例2)
比較例2は、図3(d)に示すように、載置面4aが円錐状の断面形状を有し、高低差hが500μm、およびrが150mmであるステージを用いて貼り合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(比較例3)
比較例3は、図3(c)に示すように、載置面4aがフラットな形状を有し、高低差hが0であり、rが150mmであるステージを用い、貼り合せる際に、約1Nの荷重を負荷しながら貼り合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(比較例4)
比較例4は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ直前に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、比較例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(比較例5)
比較例5は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ直前に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、比較例2と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(比較例6)
比較例6は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ直前に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、比較例3と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
(評価方法)
上記実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた貼り合わせウェーハのサンプルについて、目視による外観検査により、貼り合わせ界面のボイドの有無及び表面のムラの有無について観察し、それぞれの結果を以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
○:ボイド及び表面のムラのいずれもなし
△:ボイドはないが、表面のムラはあり
×:ボイドあり
−:貼り合わせができない
表1の結果から、実施例1及び2のサンプルは、70kPa以下ではボイドの発生がなく、実施例3及び4については、5kPa以下ではボイドの発生がないことがわかった。また、実施例1〜4のいずれについても表面のムラはないことがわかった。一方、比較例1及び4は貼り合わせが十分にできず、貼り合わせウェーハを得ることができなかった。また、比較例2及び5については、ボイドの発生は抑制できるものの、表面にムラが発生していることがわかった。比較例3及び6については、サンプルの外周部にボイドが発生していることがわかった。
この発明によれば、特に貼り合わせウェーハ外周部の、貼り合わせ界面におけるボイドの発生を、有効かつ容易に抑制し、さらにムラなく貼り合わせることができる貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法を提供することが可能になった。
本発明に従う代表的な貼り合わせウェーハ製造装置の要部構成を示した概略側面図である。 図1の貼り合わせウェーハ製造装置を構成するステージの拡大側面図である。 種々の形態のステージを模式的に示した側面図であって、(a)は実施例1及び実施例3に用いたステージ、(b)は実施例2及び実施例3に用いたステージ、(c)は比較例1、比較例3、比較例4及び比較例6に用いたステージ、(d)は比較例2及び比較例5に用いたステージである。
符号の説明
1 シリコンウェーハ製造装置
2 チャンバー
3、6 ウェーハ
4 ステージ
4a 載置面
5 減圧手段
6 ウェーハ搬送手段
7 貼り合わせウェーハ
8 中心部
21 上蓋
51 減圧用ポンプ

Claims (8)

  1. チャンバー内に、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成され、一枚のウェーハを載せる載置面をもつステージと、前記チャンバー内を所定の圧力まで減圧するための減圧手段とを有し、前記ステージ上に載置された前記一枚のウェーハ上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねた前記もう一枚のウェーハの自重のみの作用力によって減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造装置。
  2. 前記ステージは、その載置面が、中心位置から外周位置に向けて、連続的にかつ同心円状に低くなっている断面輪郭形状を有し、前記載置面の中心位置からの半径方向の距離をrとし、前記中心位置から外周位置までの距離をrとし、前記中心位置から外周位置までの高低差をhとし、前記中心位置からのステージの厚み方向の距離をhとする場合、
    =0でdh/dr=0、かつ、0<r≦rでd2/dr 2≦0
    の関係式を満たすことを特徴とする請求項1記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
  3. 前記ステージは、その中心位置と外周位置の高低差(h)が100μm以上であることを特徴とする請求項2記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
  4. 前記貼り合わせウェーハの製造装置は、前記貼り合わせウェーハを構成する前記各ウェーハを前記ステージまで搬送するウェーハ搬送手段をさらに有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
  5. 前記ステージ載置面は、少なくとも表層部分の材質が、樹脂系材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
  6. チャンバー内であって、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成されるステージの載置面上に一枚のウェーハを載せた後、この一枚のウェーハの上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねた前記もう一枚のウェーハの自重のみの作用力により、減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
  7. 前記チャンバー内の圧力は、少なくとも前記貼り合わせ時には、70kPa以下であることを特徴とする請求項6記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
  8. ウェーハの貼り合わせを行う前に、それぞれのウェーハの貼り合わせ面に、所定の雰囲気にてプラズマ処理を施すことを特徴とする請求項6又は7記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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