JP5303883B2 - 貼り合わせウェーハの製造装置及び製造方法 - Google Patents
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Description
UCS半導体基盤技術研究会編集、「シリコンの科学」、株式会社リアライズ社、1996年6月28日、p459−462
(1)チャンバー内に、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成され、一枚のウェーハを載せる載置面をもつステージと、前記チャンバー内を所定の圧力まで減圧するための減圧手段とを有し、前記ステージ上に載置された前記一枚のウェーハ上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねたウェーハの自重のみの作用力によって減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造装置。
r=0でdh/dr=0、かつ、0<r≦r1でd2h/dr2≦0
の関係式を満たすことを特徴とする上記(1)記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
図1は、本発明に従う貼り合わせウェーハの製造装置の要部構成がわかるように切断して示した概略図であり、図2は、図1中に示すステージの拡大側面図である。
(チャンバー)
本発明によるチャンバー2は、内部の圧力変化に耐えうる容器であればよく、特に限定はされないが、例えば、円筒状または多角形状等を有しているステンレス製容器などが挙げられる。前記チャンバー2の容積についても、貼り合わせウェーハ7のサイズや減圧手段5の性能によっても変わるため、特に限定されないが、通常、4000〜9000cm3程度である。また、前記チャンバー2は、二枚のウェーハ3、6の貼り合わせ後、貼り合わせウェーハ3を取り出すことができるよう上蓋21を有し、該上蓋21は、二枚のウェーハ3、6の貼り合わせの進行状態を確認することができるように、石英等の透明な材料により構成されることが好ましい。
本発明のステージ4は、図2に示すように、載置面4aの少なくとも中心部8が凸状の曲面で構成するように曲面加工されており、ウェーハ3、6を載せる載置面4aを有する。このように、前記載置面4aの少なくとも中心部8を凸状の曲面で構成することで、重ね合わせたもう一枚のウェーハ6の自重の作用力を利用してウェーハ3、6同士の貼り合わせが可能となり、前記少なくとも中心部8を凸状にすることで、均一な貼り合わせが可能となり、ボイドの発生を抑制することができる。なお、載置面4aの「中心部」とは、載置面4aの中心位置Cを中心とする半径1mmの円で囲まれた領域をいう。また、前記ステージ4の載置面4aの材質は、特に限定されないが、ステージ4の少なくとも表層部分(例えば、載置面4aから厚さ1mm以上の部分)の材質が、テフロン等の樹脂系材料であることが好ましく、加工時の変形が少ないことや、接触によるキズ・汚染等を抑制できる点から耐熱性及び耐摩耗性を有するピーク材(ポリエーテルエーテルケトン)を用いることがより好適である。
rx=0でdhy/drx=0、かつ、0<rx≦r1でd2hy/drx 2≦0
の関係式を満たすことが、前記もう一枚のウェーハ6の自重のみの作用力によって安定した貼り合わせを行うことができる点で好ましい。rx=0(図2では中心位置C)でのdhy/drxが0以外である場合、前記載置面4aの中心位置Cが水平ではなく、また、凸部の形状が鋭角となるため、一枚のウェーハ3を載置面4aに載せた場合は、ウェーハ3、6同士を圧着させる力が不均一でかつ部分的に強すぎる場合があるため、貼り合わせ後の剥離熱処理工程等において、貼り合わせウェーハ7の表面にムラが発生し、d2hy/drx 2>0の場合、中心位置Cから連続的に低くなる形状とならず、局所的に凸形状となる恐れがあるからである。
本発明の減圧手段5は、前記チャンバー2内を所定の圧力まで減圧することができる装置等であればよく特に限定する必要はないが、例えば図1に示すような、減圧用ポンプ51を具えた減圧手段5等を用いることができる。前記減圧手段5を用いることで、ウェーハ3、6同士の貼り合わせ時に、貼り合わせ界面に残存する空気を速やかに除去することで、貼り合わせウェーハ7におけるボイドの発生を抑制することができる。
また、本発明による貼り合わせウェーハの製造装置1は、前記一枚のウェーハ3及びもう一枚のウェーハ6を前記ステージ4まで搬送するウェーハ搬送手段10をさらに有することが好ましい。図1に示すように、前記ウェーハ搬送手段10を用いれば、ウェーハ3、6を傷つけることや、パーティクルの付着を抑制することができ、さらに、前記ステージ4へウェーハ3、6を正確に搬送することが可能となるからである。また、前記ウェーハ搬送手段10は、ウェーハ3、6の傷つきやパーティクルの付着を抑制できるものであればよく、特に限定されないが、ロボットハンドや、空気圧によって搬送する搬送手段を用いることが効果的である。
実施例1は、2枚の300mmシリコンウェーハ3、6の一方に150nmの酸化膜を形成させたのち、水素イオン注入を行い所定の深さ位置(表面から約500nm)の位置に注入層を形成させる。その後、図3(a)に示すように、載置面4aがドーム状の形状を有し、高低差h1が500μm、およびr1が150mmであるステージ4を用いて貼り合わせを行った。このときの貼り合わせ条件としては、荷重を負荷することなく、重ね合わせたもう一枚のウェーハ6の自重のみを利用し、かつステージ4の配置されているチャンバー2内の圧力を90、70、50、30、10、5、1kPaまで減圧した状態で貼り合わせを行い、その後、剥離熱処理及び表面研磨を施して、サンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
実施例2は、図3(b)に示すように、載置面4aが頂点のみを曲面とする円錐状の形状を有し、高低差h1が500μm、およびr1が150mmであるステージ4を用いて貼り合わせを行った以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
実施例3は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ面に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
実施例4は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ面に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、実施例2と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
比較例1は、図3(c)に示すように、載置面4aがフラットな形状を有し、高低差h1が0、r1が150mmであるステージ4を用いて貼り合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
比較例2は、図3(d)に示すように、載置面4aが円錐状の断面形状を有し、高低差h1が500μm、およびr1が150mmであるステージを用いて貼り合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
比較例3は、図3(c)に示すように、載置面4aがフラットな形状を有し、高低差h1が0であり、r1が150mmであるステージを用い、貼り合せる際に、約1Nの荷重を負荷しながら貼り合わせを行ったこと以外は、実施例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
比較例4は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ直前に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、比較例1と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
比較例5は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ直前に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、比較例2と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
比較例6は、2枚のウェーハ3、6の貼り合わせ直前に、それぞれの貼り合わせ面に窒素ガス雰囲気中でプラズマ処理を施したこと以外は、比較例3と同様の条件でサンプルとなる貼り合わせウェーハを得た。
上記実施例1〜4及び比較例1〜6で得られた貼り合わせウェーハのサンプルについて、目視による外観検査により、貼り合わせ界面のボイドの有無及び表面のムラの有無について観察し、それぞれの結果を以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
○:ボイド及び表面のムラのいずれもなし
△:ボイドはないが、表面のムラはあり
×:ボイドあり
−:貼り合わせができない
2 チャンバー
3、6 ウェーハ
4 ステージ
4a 載置面
5 減圧手段
6 ウェーハ搬送手段
7 貼り合わせウェーハ
8 中心部
21 上蓋
51 減圧用ポンプ
Claims (8)
- チャンバー内に、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成され、一枚のウェーハを載せる載置面をもつステージと、前記チャンバー内を所定の圧力まで減圧するための減圧手段とを有し、前記ステージ上に載置された前記一枚のウェーハ上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねた前記もう一枚のウェーハの自重のみの作用力によって減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造装置。
- 前記ステージは、その載置面が、中心位置から外周位置に向けて、連続的にかつ同心円状に低くなっている断面輪郭形状を有し、前記載置面の中心位置からの半径方向の距離をrとし、前記中心位置から外周位置までの距離をr1とし、前記中心位置から外周位置までの高低差をh1とし、前記中心位置からのステージの厚み方向の距離をhyとする場合、
rx=0でdhy/drx=0、かつ、0<rx≦r1でd2hy/drx 2≦0
の関係式を満たすことを特徴とする請求項1記載の貼り合わせウェーハの製造装置。 - 前記ステージは、その中心位置と外周位置の高低差(h)が100μm以上であることを特徴とする請求項2記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
- 前記貼り合わせウェーハの製造装置は、前記貼り合わせウェーハを構成する前記各ウェーハを前記ステージまで搬送するウェーハ搬送手段をさらに有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
- 前記ステージ載置面は、少なくとも表層部分の材質が、樹脂系材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の貼り合わせウェーハの製造装置。
- チャンバー内であって、少なくとも中心部が凸状の曲面で構成されるステージの載置面上に一枚のウェーハを載せた後、この一枚のウェーハの上に、もう一枚のウェーハを重ね、この重ねた前記もう一枚のウェーハの自重のみの作用力により、減圧下で貼り合わせを行うことを特徴とする貼り合わせウェーハの製造方法。
- 前記チャンバー内の圧力は、少なくとも前記貼り合わせ時には、70kPa以下であることを特徴とする請求項6記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
- ウェーハの貼り合わせを行う前に、それぞれのウェーハの貼り合わせ面に、所定の雰囲気にてプラズマ処理を施すことを特徴とする請求項6又は7記載の貼り合わせウェーハの製造方法。
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