JP5303401B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、地震の揺れを減衰させる免震装置に関し、特に、家具類を載置する免震装置に関する。ここでいう家具類には、家具だけでなく、本棚(図書館などで使用するものを含む)、電子機器、文化財などの各種の展示物等が含まれるものとする。
従来、地震の振動等による物体の横揺れを軽減するものとして、ゴムなどの弾性体で緩和することがされてきた。しかし、この程度では、横揺れを十分に軽減することはできなかった。
そこで、特許文献1(特公平5−8003)では、基板と、その上方に台板を配置し、基板と台板に皿状の凹部を向き合うように形成し、両方の凹部が向き合う位置に球体を配置した構成を提案している。そして、基板と台板とにこのような凹部と球体の組合せ部を4箇所設けることで、物体を台板上に安定して載置できるようにしている。凹部は、中心が最も深く、周辺に向かって徐々に浅くなる構成である。したがって、揺れのないときは、各球体は凹部の中心に落ち着く。
しかし、上記特許文献1では、各球体はそれぞれ独立して凹部内を転動するので、台板が常に水平を維持できるとは限らず、傾斜する場合も起こる。そのため、台板上の物体が転倒し易くなるという問題があった。
このような問題を解決するものとして、特許文献2(特開平9−291720)では、4個の球体を四角の枠体からなるリテーナのそれぞれの角部に保持した構成を提案している。このようにすることで、各球体間の距離が一定に保たれ、台板を常に水平に保つことができるように意図したものである。
また、特許文献3(特開2006−153210)では、上レールと下レールをブロックを介して十字型に重ねた免震部材を複数個使用した免震装置が記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載のものは、いずれも、球体が直接荷重を受ける構成になっている。また、特許文献3に記載のものも免震部材が上に置かれた家具類の重量を直接支える構成になっている。
そのため、球体及びこれを受ける凹部や、上下のレールなどの免震部材の構造を荷重に耐え得る十分な強度にする必要があり、大型化、複雑化して、免震装置を高価なものにしてしまうという問題があった。
また、別の従来例として、特許文献4(特開2003−74628)では、4隅の支持脚を、移動板上に摺動可能に載置し、各支持脚のそれぞれに4本のコイルバネを十文字に組み合わせた構成が記載されている。地震の揺れによって各支持脚が移動板上をどの方向に移動しても、4本のコイルバネの1本又は2本に引張力が発生し、これによって支持脚が元の位置に復帰できるようにしている。
また、特許文献5(特開2000−291736)では、滑り板上に水平方向に移動自在に支持台を設け、滑り板と支持台との間に2本のコイルバネを平行に配置した構成を開示している。支持台が一方に移動すると、2本のコイルバネの一方が引っ張られ、他方が圧縮されるようにすることで、支持台を常に原点位置に復帰させることが可能な構成としたものである。
特公平5−8003 特開平9−291720 特開2006−153210 特開2003−74628 特開2000−291736
しかし、上記の特許文献4のものは、1本の支持脚を4本のコイルバネの力がバランスした位置に保持する構成なので、4本のコイルバネの1本又は2本に引張力が作用すると、他の1本又は2本のコイルバネには圧縮力が加わることになり、圧縮力が加わる方のコイルバネが邪魔になり易く、支持脚の移動が阻害され、転倒するケースが多くなるという問題があった。
特許文献5に記載のものは、特許文献4と同様に、コイルバネの力により、支持脚や支持台を原点に復帰させるものであるが、構造的には、コイルバネが支持台の移動を阻害する可能性は低い。しかし、次のような問題がある。一般に、地震による入力加速度、波形などは予測できない状況にあり、このような状況では、特許文献5においては、コイルバネの復帰力を大きくする傾向がある。しかし、コイルバネの復帰力を大きくすると、復帰するとき、原点で停止せずに逆方向にオーバーランしたり、揺れが増幅されたりして、揺れ続けるといった問題が起こる。
本発明は、このような問題を解決することを目的とするもので、載置される家具類の重量に対する十分な耐力があり、しかも、構造が簡単で、免震機能に優れ、地震の揺れが納まれば速やかに揺れが停止する免震装置を提供することを目的としている。
上記の目的を達成するために本発明の免震装置は、ほぼ水平な床上に移動自在に載置された支持台と、該支持台を前記床上に移動自在に支持する転動部材と、前記床に設けられた軸部材に回動自在に軸止された第1回転部材と、前記支持台に設けられた軸部材に回動自在に軸止された第2回転部材と、一端が前記第1回転部材と回動自在に係合され、他端が前記第2回転部材と回動自在に係合された弾性部材とを有し、該弾性部材の端部の回転軸と、前記第1回転部材又は第2回転部材の回転中心となる中心軸とが離反していることを特徴としている。
前記第1回転部材と第2回転部材の双方が円板であり、前記弾性部材が、前記両円板の外周縁近くに回動自在に係合されている構成としたり、前記第1回転部材と第2回転部材のいずれか一方が、前記中心軸に回動自在に設けられた棒状部材であり、前記弾性部材の一端が前記棒状部材の先端近くに回動自在に係合され、前記弾性部材の他端が、前記第1回転部材と第2回転部材のいずれか他方の中心軸を中心に回動自在に係合されている構成としたり、前記支持台が前記床上を転動する転動部材で床上に支持されている構成としたりすることができる。
前記支持台と前記床との間に、支持台と床との相互移動を抑制するトリガーを設け、該トリガーが所定の大きさの衝撃で破損されるようになっている構成とすることができる。
地震による揺れが小さい場合は、免震にする必要はなく、弾性部材も必要はない。また、揺れもすぐに止まることになる。地震の揺れが大きい場合は、まず、床と支持台とが滑ることで最初の対応をする。支持台が床に対して移動すると、第1回転部材が床の固定軸を中心して回転し、第2回転部材が支持台の回転軸を中心に回転し、支持台は床上を移動する。
支持台の揺れがそれほど大きくない場合は、支持台は、弾性部材には引張力が加わらない範囲内で、第1回転部材と第2回転部材の回転範囲内にあって、地震の揺れに応じて移動し、免震作用を発揮する。このとき、第1回転部材と第2回転部材の回転方向と回転角度はそれぞれ独立している。すなわち、同じ方向に回転することもあり、反対方向に回転することもあり、それぞれの回転角度も一致していない。
地震の揺れがさらに大きくなると、支持台は第1回転部材と第2回転部材の回転範囲から外に移動する。すると、初めて弾性部材に張力が発生し、支持台を引き戻す力が作用する。しかし、この引き戻す力は、支持台を原点に戻す力より小さく、支持台が第1回転部材と第2回転部材の回転範囲内に入ると消滅する。支持台は惰性で第1回転部材と第2回転部材の回転範囲内に少し入り込むが、支持台が逆方向まで引っ張られることはなく、揺れは急速に減衰される。地震の揺れが停止すれば、支持台も直ちに停止する。このとき、支持台は原点に復帰していないので、人力等により復帰させることになる。
本発明の免震装置によれば、支持台は転動部材により床上に支持されているので、回転部材や弾性部材は家具類の重量を考慮する必要なく決めることができ、免震装置の構造を簡単することができる。そして、地震の揺れが小さい間は弾性部材が働かない範囲(仮想円の範囲内)では支持台が床上を移動することで免震し、地震の揺れが大きくなると、仮想円の範囲から出て、初めて弾性部材により支持台を引き戻す力が発生する。しかし、この引き戻す力もそれほど大きくないので、支持台は逆方向に揺れることはない。したがって、地震の揺れに追従して移動することで免震作用を発揮し、地震が終われば直ちに揺れが止まる。また、支持台が動いても弾性部材が引張荷重を受けない範囲があり、弾性部材が支持台の動きを阻害することがなく、安定して免震作用を行うことができる。特に、第1回転部材、第2回転部材、弾性部材の長さや、弾性部材のバネ定数等を変更することによって、弾性部材が働かない仮想円の半径を自由に設定することができる。仮想円の半径を大きくすることで、地震の揺れに対するアローワンスを大きくすることができ、大震度の地震や、長周期の地震波にも対応し易くなる。
本発明の免震装置の実施例1の構成を示す図で(a)は平面図、(b)は正面の要部を示す図である。 図1(b)の要部を拡大した図である。 (a)、(b)、(c)は、免震装置の実施例1の動作について説明する図である。 本発明の免震装置の実施例2の構成を示す図で(a)は平面図、(b)は正面の要部を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、免震装置の実施例2の動作について説明する図である。 本発明の免震装置の実施例3の構成を示す図で(a)は平面図、(b)は正面の要部を示す図である。 (a)、(b)、(c)は、免震装置の実施例3の動作について説明する図である。 本発明の免震装置の実施例4の構成を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1は本発明の免震装置の実施例1の構成を示す図で(a)は平面図、(b)は正面の要部を示す図である。図2は、図1(b)の要部を拡大した図である。本発明の免震装置10は、ほぼ水平で平らな床1の上に載置された支持台2と、床1に回動自在に固定された第1回転部材3と、前記支持台2に回動自在に固定された第2回転部材4と、一端が前記第1回転部材3と回動自在に係合され、他端が前記第2回転部材4と回動自在に係合された弾性部材5とから構成されている。
支持台2は、本棚、家具、電子機器等々を載置するものである。この支持台2は、離間して平行に配置された縦材2a、2aを横材2bでH型に結合し、縦材2a、2aの中心位置に垂直な柱材2c、2cを立設したフレームと、このフレームの四隅に取り付けた転動部材2dとから構成されている。転動部材2dは自在車輪で、軸2eが車輪の中心からずれているので、床1上を前後左右いずれの方向へも移動可能となっている。転動部材2dとしては、自在車輪に限定されず、たとえば、ボールにしたり、スライダーにしてもよい。
第1回転部材3は、床上に固定された軸部材3aに回動自在に取り付けられた円板である。軸部材3aの中心軸3bは水平な床に対して垂直な軸となっている。
第2回転部材4は、支持台2の横材2bの中心位置に固定された軸部材4aに回動自在に取り付けられた円板である。軸部材4aの中心軸4bは、軸部材3aの中心軸3bと平行な軸で、図1に示す初期位置では重なり合っている。
第1回転部材3と第2回転部材4とは、同じ直径の円板であり、その外周縁近くには、弾性部材5としてコイルスプリングが取り付けられている。弾性部材5は、両端が第1回転部材3と第2回転部材4の双方と回動自在に係合している。弾性部材5の回転は、回転軸5aまたは回転軸5bを中心とした回転であるが、初期状態では、回転軸5aと5bは重なり合っている。また、回転軸5aと第1回転部材3の中心軸3bとは水平方向で離間しており、回転軸5bと第2回転部材4の中心軸4bとは水平方向で離間している。
また、第1回転部材3にはトリガー6が設けられ、このトリガー6は、第2回転部材4を貫通して先端が床1に穿設された穴に入ること等によって床と係合している。したがって、トリガー6がある限りは、支持台2は床1上を移動できないようにして、地震が無い場合に支持台2が勝手に床上を移動することがないようにしている。
しかし、トリガー6には、中間に径が細くなった切欠部6aがあり、一定の衝撃を受けると破断するように構成されている。この衝撃をたとえば、震度4の地震から受ける衝撃に設定すれば、震度4の地震でトリガー6が破断し、支持台2が床1上を移動して免震装置が動作することになる。
トリガーとしては、振動を感知したら、ソレノイド等を動作させてピンを引き抜くタイプのものが従来から多く使用されてきた。また、電気配線を省略するために、電池で作動するものが主体となっていた。しかし、電池で作動するタイプは電池切れになると、トリガーの意味をなさず、免震装置としても使用できない。これに対し、本発明のトリガーは、振動で破損するタイプなので、配線の必要もなく、電池切れの心配もない。
弾性部材5としてコイルスプリングを使用した場合、第1回転部材3と第2回転部材4とは回動自在に取り付けられるが、ここで言う回動自在には、コイルスプリングの両端を第1回転部材3と第2回転部材4に固定した場合も含まれるものとする。コイルスプリングの場合は、両端部を固定しても、コイルスプリングが捻れることで、軸回りの回動が許容される場合があるからである。
本発明では、支持台2を転動部材2dで支持しているので、第1回転部材3、第2回転部材4、軸部材3a、4a等は強度を要求されないので、簡単な構成として、安価に製造することができる。
図3(a)、(b)、(c)は、図1の免震装置の動作について説明する図である。図3(a)は、初期位置を示す。
地震が発生し、揺れが閾値を越えてトリガー6が破断すると、本棚としての支持台2は、床1上を移動し始める。このとき、第1回転部材3、第2回転部材4のいずれも双方向に回動自在になっており、しかも、弾性部材5の両端も第1回転部材3、第2回転部材4に対して双方向に回動自在であるから、支持台2は、これらをいずれかの方向に回転させることで、弾性部材5に引張力を加えることなく動き回ることができる。弾性部材5に引張力を加えることなく支持台2が動き回ることができる範囲は、第2回転部材4が図3の仮想円8に示す範囲内にあるときである。この仮想円8は、第1回転部材3が中心軸3bの周囲を回転しながら、さらに第2回転部材4が回転軸5bの周囲を回転したときの第2回転部材4の最外側が描く円である。図3(b)は支持台2が図の右下に移動した例で、図3(c)は、支持台2が左上に移動した例を示している。第2回転部材4が、この仮想円8の内側にある限りは、弾性部材5には引張力は生じないので、第2回転部材4は、仮想円8内の任意の位置に移動し、その位置に停止することができる。
支持台2が仮想円8の内側で移動している間は、最も免震性が高く、安定した状態となっている。
地震による揺れが大きくなって、第2回転部材4が仮想円8の外側に出ると、弾性部材5は斜めに傾斜し、その全長が伸ばされ引張力が生じることになる。すると、弾性部材5には元の長さに戻ろうとする力が発生し、第2回転部材4は仮想円8内に引き戻される。第2回転部材4が弾性部材5によって仮想円8内に引き込まれると、弾性部材5は初期の自然の長さに復帰するので、第2回転部材4を引き込む力は消滅する。第2回転部材4は、惰性によって若干仮想円8の内側に移動するが、やがて停止する。
このようにして、地震の振動が続く間は、第2回転部材4は、仮想円8を出たり入ったりを繰り返すが、仮想円8内では弾性部材5の引張力が消滅するので、支持台2は大きな力で引っ張られることもない状態のままで地震が納まる。揺れが増幅されることもない。地震が納まったとき、第2回転部材4が仮想円8の外側であれば弾性部材5の引張力により、仮想円8の内側に若干引っ張られて停止する。仮想円8の内側であれば、引張力は働かず、その時点での惰性だけで移動をして、やがて停止する。このように地震の振動に合わせて支持台2が床1上を移動することで、免震されることになる。すなわち、弾性部材5は支持台2を原点に戻すようには作用しないので、地震が納まると支持台も速やかに停止することができる。停止後、必要に応じて支持台2を手などで押して原点に戻す。
第1回転部材3と第2回転部材4の半径を変更することにより仮想円8の直径を変更することができる。また、弾性部材5のバネ定数を変更することによって、仮想円8の外に出た場合の引き戻し力も変更できることになる。このようなことから、たとえば、仮想円8の半径を大きくすることで、地震の揺れに対するアローワンスを大きくすることができ、大震度の地震や、長周期の地震波にも対応し易くなる、という効果を奏する。
なお、コイルスプリングの両端を第1回転部材3と第2回転部材4とに固定した場合、支持台2が移動するとコイルスプリングはねじれを受けることになる。支持台2が移動を停止すると、ねじれを回復する力が働き、支持台2を原点に向かって移動させるが、捩り力は小さいので支持台2が原点に戻ることは保証されない。
この実施例では、第1回転部材3と第2回転部材4を共に同じ大きさの円板とし、回転部材の中心軸3b又は4bと、弾性部材5の回転軸5a又は5bとが水平方向で離反するようにしているが、これに限定されるものではない。たとえば、第1回転部材3と第2回転部材4を異なる直径の円板としてもよく、円板に代えて棒材や板材にしてもよい。
また、第1回転部材3と第2回転部材4と弾性部材5とを図1に示す実施例のように配置した場合、弾性部材5が垂直に配置されることから、垂直方向の振動に対しても免震機能を備えることができる。
図4は本発明の免震装置の実施例2の構成を示す図で(a)は平面図、(b)は正面の要部を示す図である。実施例1と共通する構成には同じ符号を付しており、相違する点を中心に説明する。
この実施例2の免震装置20では、第1回転部材3に代えて軸部材3aを床1に固定し、第2回転部材4に代えて板状の回転部材7を支持台2に回動自在に取り付けている。回転部材7は、横材2bとの結合部である軸7aを中心に回動自在である。
弾性部材5としてのコイルスプリングは、一端を軸部材3aの中心軸3bに回動自在に軸止し、他端を回転部材7の軸7bに回動自在に軸止している。また、トリガー6は、横材2bと床1との間に設けている。回転部材7の回転中心となる軸7aと、弾性部材5の回転中心となる軸7bとは、共に床1に垂直であり、水平方向に離れた位置にある。
図5(a)、(b)、(c)によって、図4に示す実施例2の免震装置の動作について説明する。図5(a)は、初期位置を示す。図5に示す仮想円9は、軸3bを中心にして、回転部材7の軸7aが描く円である。このとき弾性部材5は自然長で、引張力や圧縮力が加わっていない状態である。
地震が発生し、揺れが閾値を越えてトリガー6が破断すると、本棚等としての支持台2は、床1上を移動し始める。このとき、回転部材7と弾性部材5は、共に双方向に回動自在になっているから、支持台2は、これらをいずれかの方向に回転させることで、弾性部材5に引張力を加えることなく動き回ることができる。弾性部材5に引張力を加えることなく支持台2が動き回ることができる範囲は、軸7aが中心軸3bの回りに描く仮想円9に示す範囲である。回転部材7の軸7aが、この仮想円9の内側にある限りは、弾性部材5は自然の長さであり、引張力は生じないので、回転部材7は、仮想円9内の任意の位置に移動し、その位置に停止することができる。図5(b)は支持台2が図の左下に移動した例で、図5(c)は、支持台2が右上に移動した例を示している。
地震による揺れが大きくなって、回転部材7が仮想円9の外側に出ると、弾性部材5は、その全長が伸ばされ引張力が生じることになる。すると、弾性部材5には元の長さに戻ろうとする力が発生し、回転部材7の軸7aは仮想円9内に引き戻されこれに伴い支持台2も移動する。回転部材7の軸7aが弾性部材5によって仮想円9内に引き込まれると、弾性部材5は初期の自然の長さに復帰するので、回転部材7を引き込む力は消滅する。回転部材7は、惰性によって若干内側に移動するが、やがて停止する。
このようにして、地震の振動が続く間は、回転部材7の軸7aは、仮想円9を出たり入ったりを繰り返すが、やがて地震が納まる。地震が納まったとき、回転部材7が仮想円9の外側であれば弾性部材5の引張力により、仮想円9の内側に若干引っ張られて停止する。仮想円9の内側であれば、引張力は働かず、その時点での惰性だけで移動をして、やがて停止する。このように地震の振動に合わせて支持台2が床1上を移動することで、免震されることになる。
本発明の免震装置は、弾性部材5や、床1に設ける軸部材3aの設置位置を適切にすることで、壁近くに配置された書架や家具の免震が可能になる。
図6は、本発明の免震装置の実施例3の構成を示す図で(a)は平面図、(b)は正面の要部を示す図である。実施例2と共通する構成には同じ符号を付しており、相違する点を中心に説明する。
この実施例3の免震装置30では、実施例2の板状の回転部材7を湾曲した板状の回転部材11とし、この一方の端部を支持台2に回動軸11aで回転自在に取り付け、他端には軸11bを設け、弾性部材5を回転自在に係止している。湾曲の形状は図6の実施例では馬蹄形乃至は半円形であるが、これに限定されない。一般に、回転部材11の重心位置が、回転部材11の両端の軸11a、11bを結ぶ直線の上になく、左右どちらか一方に偏心するようになっていればよく、多様な湾曲形状を採用することができる。
この実施例3は、基本的には、図5に記載した実施例2と同様に動作するが、次の点で相違する。支持台2が、仮想円9から外側に出て、弾性部材5に引張力が生じると、弾性部材5により引き戻す力が支持台2に加わる。このとき、実施例2の直線的な回転部材7の場合、回転部材7は停止して、支持台2だけが直線的に移動して復帰する。弾性部材5が元の長さになっても、支持台2は同じ方向への移動を続け、弾性部材5は自然の長さより短く縮むことになるが、このとき、弾性部材5を形成するバネが、縮み切れない場合が稀に起こる。その場合、支持台2は移動が阻害されることになり、転倒等の問題が生じることになる。
しかし、この図6に示す実施例3では、回転部材11が湾曲していて、その両端の軸11a、11bを結ぶ直線の片側に偏心している。このような特徴から、実施例1、2に比べ、転倒の可能性を小さくすることができる。これは、軸11aが仮想円9の外側に出て引っ張り力が生じたとき、回転部材11が軸11aを中心に回転して弾性部材5の収縮をうまくスムーズに逃しながら次の動きに備えることができるようになるためと考えられる。
図7(a)、(b)、(c)によって、図6に示す実施例3の免震装置30の動作について説明する。図7(a)は、初期位置を示す。図7(b)、(c)に示す仮想円9は、軸3bを中心にして、回転部材11の軸11aが描く円である。このとき弾性部材5は自然長で、引張力や圧縮力が加わっていない状態である。
地震の揺れが閾値を越えてトリガー6が破断すると、支持台2は、床1上を移動し始める。このとき、支持台2は、軸11aが仮想円9内にある範囲内で、弾性部材5に引張力を加えることなく動き回ることができる。図7(b)は支持台2が図の下に移動した例である。
地震による揺れが大きくなって、回転部材11の回転軸11aが、図7(c)に示すように、仮想円9の外側に出ると、弾性部材5が伸ばされ引張力が生じることになる。すると、回転部材11は仮想円9内に引き戻されこれに伴い支持台2も移動する。このときの支持台2の移動は、実施例1、2に比べ、スムーズであった。これは、支持台2に設置された転動部材2dが偏芯しているため、支持台2自体が偏芯した動きとなり、その支持台2の動きに追随し、仮想円9の外側に出て引っ張り力が生じたとき、弾性部材5の収縮をうまくスムーズに逃しながら次の動きに備えることができるようになるためと考えられる。
このようにして、地震の振動が続く間は、回転部材11の軸11aは、仮想円9を出たり入ったりを繰り返すが、やがて地震が納まる。地震が納まったとき、回転部材7が仮想円9の外側であれば弾性部材5の引張力により、仮想円9の内側に若干引っ張られて停止する。仮想円9の内側であれば、引張力は働かず、その時点での惰性だけで移動をして、やがて停止する。このように地震の振動に合わせて支持台2が床1上を移動することで、免震されることになる。
図8は、本発明の実施例4を示す図である。この免震装置40では、第1回転部材である回転部材12も回転部材11と同じく馬蹄形乃至は半円形とし、湾曲の向きは逆向きとしている。また、回転部材12は、軸部材3a側の軸3bと弾性部材5側の軸12aの双方で回動自在になっている。作用は、図7で説明した実施例3とほぼ同じである。
実施例3の場合も支持台2の移動が滑らかであったが、この実施例4のように弾性部材5の両方に湾曲した回転部材11、12をつけた場合、支持台2の移動がさらに滑らかになることが認められた。
これは、上述した転動部材2dが偏芯していることに起因する理由に加え、回転部材12を追加することで、その両端にも回転軸ができ、回転軸の数が多くなることで、湾曲した回転部材11、12がより支持台2の動きをよりスムーズに吸収するためと考えられる。
1 床
2 支持台
2d 転動部材
3 第1回転部材
3a (床の)軸部材
3b (第1回転部材の)中心軸
4 第2回転部材
4a (支持台の)軸部材
4b (第2回転部材の)中心軸
5 弾性部材
5a、5b (弾性部材の端部の)回転軸
6 トリガー
7 回転部材
10 免震装置
11 回転部材
12 回転部材
20 免震装置
30 免震装置
40 免震装置

Claims (6)

  1. ほぼ水平な床上に移動自在に載置された支持台と、該支持台を前記床上に移動自在に支持する転動部材と、前記床に設けられた軸部材に回動自在に軸止された第1回転部材と、前記支持台に設けられた軸部材に回動自在に軸止された第2回転部材と、一端が前記第1回転部材と回動自在に係合され、他端が前記第2回転部材と回動自在に係合された弾性部材とを有し、該弾性部材の端部の回転軸と、前記第1回転部材又は第2回転部材の回転中心となる中心軸とが離反していることを特徴とする免震装置。
  2. 前記第1回転部材と第2回転部材の双方が円板であり、前記弾性部材が、前記両円板の外周縁近くに回動自在に係合されていることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 前記軸部材が、前記第1回転部材であることを特徴とする請求項1に記載の免震装置。
  4. 前記第1回転部材と第2回転部材のいずれか一方が、前記中心軸に回動自在に設けられた棒状部材であり、前記弾性部材の一端が前記棒状部材の先端近くに回動自在に係合され、前記弾性部材の他端が、前記第1回転部材と第2回転部材のいずれか他方の中心軸を中心に回動自在に係合されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の免震装置。
  5. 前記第1回転部材と第2回転部材の少なくとも一方が、湾曲しており、該回転部材の両端を結ぶ線に対して偏心していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の免震装置。
  6. 前記支持台と前記床との間に、支持台と床との相互移動を抑制するトリガーを設け、該トリガーが所定の大きさの衝撃で破損されるようになっていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の免震装置。
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