以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
[半自動式組合せ秤の基本構成]
まず、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤の基本構成について説明する。図1、図2および図3は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤の構成を模式的に示す図であり、このうち図1は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤を上側から見た平面図であり、図中にも示すが、図の上方が半自動式組合せ秤の後側、図の下方が半自動式組合せ秤の前側、図の左方が半自動式組合せ秤の右側、図の右方が半自動式組合せ秤の左側となる。また、図2は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤を前側から見た正面図であり、図の上方が半自動式組合せ秤の上側、図の下方が半自動式組合せ秤の下側、図の左方が半自動式組合せ秤の右側、図の右方が半自動式組合せ秤の左側となる。また、図3は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤を左側から見た側面図であり、図の上方が半自動式組合せ秤の上側、図の下方が半自動式組合せ秤の下側、図の左方が半自動式組合せ秤の前側、図の右方が半自動式組合せ秤の後側となる。
本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10は、被計量物の組合せ計量を行う本体11と、操作指令等の入力や動作状況等の表示を行う操作設定表示部21と、本体11から排出される被計量物を搬送する搬送コンベヤ31と、を備えている。
本体11は、図3に示すように、底部12aおよび側部12bから少なくともなる基台12と、当該基台12の上部で側部12bから前方に引き出すように広がる天板13と、天板13の投入口の下部に設けられた複数の供給ホッパ14と、各供給ホッパ14の下方に設けられ基台12の側部12bで支持されている複数の計量ホッパ15と、基台12の側部12bに格納され各供給ホッパ14に収容された被計量物の重量を計量する、複数の供給ホッパ用計量センサ16と、基台12の側部12bに格納され各計量ホッパ15に収容された被計量物の重量を計量する、複数の計量ホッパ用計量センサ17と、制御基板等の各種電装品を含む電装品収納盤18と、を備えている。なお、供給ホッパ用計量センサ16と計量ホッパ用計量センサ17と電装品収納盤18とは、図3では破線で示す。
基台12を構成する底部12aは、例えば、図2および図3に示すように、直方体状で本体11の台座となっており、底面には複数の脚部(例えば4個)が設けられている。また基台12を構成する側部12bは、例えば、図3に示すように、底部12aの後端から上方に立設する壁状となっている。そして、側部12bは、その上端で天板13を支持するとともに、内部では、前記供給ホッパ用計量センサ16、前記計量ホッパ用計量センサ17、および電装品収納盤18を格納するよう構成されている。本実施の形態では、図3に示すように、側部12bは、その上方から、供給ホッパ用計量センサ16、計量ホッパ用計量センサ17、電装品収納盤18の順で、これらを格納するよう構成されている。
また側部12bの左側上方の側面には支持柱32が取付けられており、この支持柱32によって操作設定表示部21が基台12(本体11)に固定および支持されている。操作設定表示部21は、運転パラメータの表示と設定、運転のON−OFFなどの操作、組合せ計量の演算結果等の表示を行う。本実施の形態では、操作設定表示部21は、本体11の左上側に位置するよう設けられており、例えば、本実施の形態では、表示器としてカラー液晶表示パネルを備え、操作器として、このカラー液晶表示パネルと一体化されたタッチパネルを備えている構成を挙げることができる。タッチパネルとしては、例えば抵抗膜方式のものが挙げられ、カラー液晶表示パネルの表面に貼り付けることにより一体化される。したがって、操作設定表示部21では、表示画面上に表示される画像が操作器(および設定器)としても機能する。なお、操作設定表示部21とは別に、キーボードやマウス等、パーソナルコンピュータの入力器として用いられる入力装置を操作器として備えてもよい。同様に、公知のプリンタ等の出力装置を備えてもよい。このように本実施の形態では、操作器および表示器を一体化した操作設定表示部21を備えているが、本発明で用いられる操作器及び表示器の構成はこれに限定されない。
天板13は、図2および図3に示すように、本体11の上面を形成しており、図3に示すように、その後端が基台12の側部12bの上端に載置して固定されることにより、基台12により支持されている。また、天板13は、基台12の形状に合わせた長方形状の平板となっており、図1に示すように、その中央部には、当該天板13の長手方向に沿って、複数の投入口19が形成されている。つまり、これら複数の投入口19は列を構成している。これら各投入口19の下側には、図2および図3に示すように、複数の供給ホッパ14が設けられている。
供給ホッパ14は、図2および図3に示すように、天板13の上面に形成された投入口19の下部に設けられている。天板13の下面から突出する部位は2個の排出ゲート(図示せず)となっている。各排出ゲートは、その開閉方向が斜め下方でかつ互いの開閉方向が反対側(半自動式組合せ秤10の前方側下方および後方側下方)となるように設けられており、図示されないモータ等の駆動源によって駆動され、それぞれ独立して開閉できるように構成されている。各供給ホッパ14には、供給ホッパ用計量センサ16がつながっており、供給ホッパ14内に収容された被計量物の重量を検出する。供給ホッパ14の下方には計量ホッパ15が位置している。供給ホッパ14は、投入口19から投入された被計量物を収容し、その後排出ゲートを開放することで、計量ホッパ15に被計量物を投入する。なお、供給ホッパ14は、本実施の形態のような、互いの開閉方向が反対側となる排出ゲートを有する構成に限定されず、公知の他の構成であってもよい。また、供給ホッパ用計量センサ16としてはロードセルが好適に用いられるが、他の重量センサであってもよい。
計量ホッパ15は、図2および図3に示すように、供給ホッパ14の下方に位置し、図3に示すように、仕切りにより2個の独立した収容部15a,15bに分割されている。各収容部15a,15bは、図示されないモータ等の駆動源によって開閉駆動される計2個の排出ゲート(図示せず)を有している。各排出ゲートは、下方側にそれぞれ独立して開閉できるように構成されている。計量ホッパ15は、基台12の側部12bによって支持されているとともに、側部12b内に格納されている計量ホッパ用計量センサ17につながっている。計量ホッパ用計量センサ17は、計量ホッパ15内に収容された被計量物の重量を検出する。計量ホッパ15の下方には搬送コンベヤ31が位置している。計量ホッパ15は、供給ホッパ14から供給された被計量物を収容し、計量ホッパ用計量センサ17により被計量物の重量が検出され、後述する組合せ計量が行われた後に、排出ゲートを開放することで、搬送コンベヤ31に被計量物を排出する。
なお、計量ホッパ15は、本実施の形態のように、2個の独立した収容部15a,15bを備える構成に限定されず、公知の他の構成であってもよい。ただし、本実施の形態のように、1個の計量ホッパ15が2個の収容部15a,15bを備えている場合には、組合せ計量に参加する計量ホッパ15の数を倍増させることができるので好ましい。例えば、本実施の形態では、半自動式組合せ秤10が備えている計量ホッパ15の総数が9個である構成を例示するが、各計量ホッパ15が2分割されていれば、1個の計量ホッパ15が2個の計量部(収容部15aおよび15b)を有していることになる。また各計量部にはそれぞれ排出ゲート35aおよび35bが設けられている。それゆえ、組合せ計量に参加する計量部の総数は、9個の2倍である18個となるので好ましい。また計量ホッパ用計量センサ17としては、ロードセルが好適に用いられるが、他の重量センサであってもよい。
搬送コンベヤ31は、計量ホッパ15から排出された被計量物をその上に載置して、半自動式組合せ秤10の後段に設置されている図示されない包装機(あるいは他の種類の袋詰装置)に搬送する。搬送コンベヤ31は、基台12に支持されており、その搬送方向が計量ホッパ15の配列方向に沿うように、計量ホッパ15の下方に設けられている。これにより、全ての計量ホッパ15から排出される被計量物を搬送面で受け、包装機に搬送することができる。搬送コンベヤ31としては、本実施の形態ではベルトコンベヤが用いられるが、被計量物の種類に応じて、他のコンベヤ装置を用いてもよい。例えば、ローラコンベヤ、エプロンコンベヤ、振動コンベヤ等が挙げられる。
本実施の形態では、投入口19、供給ホッパ14、計量ホッパ15、供給ホッパ用計量センサ16、および計量ホッパ用計量センサ17は、これらで一組の供給計量部となっており、半自動式組合せ秤10は計量供給部を9組備えている。すなわち、図1〜図3に示すように、投入口19、供給ホッパ14、計量ホッパ15、供給ホッパ用計量センサ16、および計量ホッパ用計量センサ17は、いずれも9個ずつ設けられている。なお、供給計量部の数は複数であればよく9組に限定されない。
[半自動式組合せ秤の制御構成]
次に、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10の制御上の構成について説明する。図4は、図1〜図3に示す半自動式組合せ秤10が備える制御系統の概略構成を示すブロック図である。なお、図中矢印は、信号が伝達される方向を示す。
本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10は、図4に示すように、制御部41、記憶部42、搬送コンベヤ駆動回路43、供給ホッパ用排出ゲート駆動回路44、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路45、A/D変換回路46,47、I/O回路48を有しており、さらに、入出力器として、前記操作設定表示部21と、印字部33とを有している。
制御部41、記憶部42、およびI/O回路48は、例えば、それぞれ、マイクロコンピュータのCPU、内部メモリ、I/O入出力回路で構成される。制御部41は、記憶部42およびI/O回路48に接続されている。また、制御部41には、搬送コンベヤ駆動回路43、供給ホッパ用排出ゲート駆動回路44、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路45、およびA/D変換回路46,47がそれぞれ接続されている。さらに、制御部41は操作設定表示部21にも接続されている。
搬送コンベヤ駆動回路43は搬送コンベヤ31に接続されており、制御部41からの制御信号に従って搬送コンベヤ31の動作を制御する。供給ホッパ用排出ゲート駆動回路44は、各供給ホッパ14の前側の排出ゲート34a(図4では前側ゲート)および後側の排出ゲート(図4では後側ゲート)34bに接続されており、制御部41からの制御信号に従ってこれら排出ゲート34a,34bの動作を制御する。また、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路45は、計量ホッパ15の前側の収容部15aが有する排出ゲート(図4では前側ゲート)35aおよび後側の収容部15bが有する排出ゲート(図4では後側ゲート)35bに接続されており、制御部41からの制御信号に従ってこれら排出ゲート35a,35bを制御する。A/D変換回路46は供給ホッパ用計量センサ16に接続されており、供給ホッパ用計量センサ16からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換回路47は計量ホッパ用計量センサ17に接続されており、計量ホッパ用計量センサ17からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。
なお、前記の通り、供給ホッパ14、計量ホッパ15、供給ホッパ用計量センサ16、および計量ホッパ用計量センサ17は、これらで一組の供給計量部となっているので、図4では、第1番目の供給ホッパ14の参照符号を14−1、第2番目の供給ホッパ14の参照符号を14−2、第n番目の供給ホッパ14の参照符号を14−nとして示す。計量ホッパ15、供給ホッパ用計量センサ16、および計量ホッパ用計量センサ17も同様に参照符号を付すものとする。本実施の形態では、半自動式組合せ秤10が計量供給部を9組備えているので、n=9となる。
I/O回路48は図示されない包装機に接続され、包装機からの排出命令信号を制御部41に入力するとともに、制御部41からの排出完了信号を包装機に出力する。排出命令信号は、包装機による被計量物の包装のタイミングに合わせて、当該包装機から半自動式組合せ秤10へ出力される信号であり、排出完了信号は、半自動式組合せ秤10で組合せ計量が完了して被計量物が排出されたタイミングに合わせて、当該半自動式組合せ秤10から包装機へ出力される信号である。本実施の形態では、半自動式組合せ秤10の組合せ計量および排出動作と包装機の包装動作とは、これら信号の入出力により連係されている。
次に、図4を参照しながら、制御部41による制御動作について説明する。制御部41に対し、操作設定表示部21から、運転パラメータ等の各種の操作情報が入力される。制御部41は、入力された操作情報を記憶部42に記憶させる。記憶された操作情報は、制御部41によって読み出され、必要に応じて操作設定表示部21に出力され、表示画面上に表示される。さらに、制御部41は、操作設定表示部21による操作によって印字部33に各種情報を印字(印刷)させる。なお、記憶部42には、組合せ計量の演算等を行うためのプログラム等も記憶されている。
供給ホッパ用計量センサ16からの検出信号は、A/D変換回路46を介して検出値へと変換されて、制御部41へ出力される。また、計量ホッパ用計量センサ17からの検出信号は、A/D変換回路47を介して検出値へと変換されて、制御部41へ出力される。制御部41は、記憶部42に記憶されたプログラムを用いて、入力された検出信号等を処理する。さらに制御部41は、処理結果に基づいて、搬送コンベヤ駆動回路43、供給ホッパ用排出ゲート駆動回路44、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路45に制御信号を出力する。これにより、制御部41は、搬送コンベヤ31、供給ホッパ14の2個の排出ゲート34aおよび34b、計量ホッパ15の2個の排出ゲート35aおよび35bの動作を制御する。
供給ホッパ14の排出ゲート34aおよび34bの開閉は、制御部41からの制御信号により供給ホッパ用排出ゲート駆動回路44を介して制御され、これにより、計量ホッパ15への被計量物の供給動作が制御される。計量ホッパ15の排出ゲート35aおよび35bの開閉も、制御部41からの制御信号により計量ホッパ用排出ゲート駆動回路45を介して制御される。また、包装機からの排出命令信号は、I/O回路48を介して制御部41へ出力される。制御部41は、計量ホッパ15の排出ゲート35aおよび35bの開閉等を制御するときには、前記排出命令信号に応じて開閉のタイミングを調整するように構成されている。これにより、組合せ計量動作および排出動作が制御される。
制御部41は、組合せ計量動作および排出動作の制御を行うとともに、当該制御に伴って、各種の処理結果(組合せ計量の演算結果等)を生成する。この処理結果は、適宜、記憶部42に記憶されるとともに、必要に応じて操作設定表示部21に出力され、操作設定表示部21の表示画面上に表示される。さらに、必要に応じて操作設定表示部21の操作により印字部33で印字されて出力される。また、制御部41は、排出動作が完了すれば排出完了信号を生成し、I/O回路48を介して包装機へ出力する。
このように、制御部41は、供給ホッパ14、計量ホッパ15、および搬送コンベヤ31の動作を制御することで、被計量物の供給量および排出量を調整し、半自動式組合せ秤10を運転する。また、制御部41は、カウンタ49を備えており、このカウンタ49によって組合せ計量の回数(組合せ回数)をカウントし、後述する組合せ統計情報と対応付けて記憶部42に記憶させるようにもなっている。
ここで、本実施の形態では、半自動式組合せ秤10が備えている制御部41の数は1個を例示している。しかしながら、制御部41の構成はこれに限定されず、複数の制御装置を備えていてもよい。すなわち、本実施の形態における制御部41とは、単独の制御装置と制御装置群との双方を意味し、制御部41による制御は、集中制御であっても分散制御であってもよい。記憶部42についても、単一である必要はなく、複数の記憶装置(例えば、内部メモリと外付け型のハードディスクドライブ)を備えていてもよい。なお、制御部41は、前記のとおり、例えばマイクロコンピュータのCPUで構成され、記憶部42は、マイクロコンピュータの内部メモリで構成されている。
[半自動式組合せ秤の動作]
次に、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10において、組合せ計量動作および排出動作の概略について図1ないし図4を参照して具体的に説明する。
まず、制御部41は、供給ホッパ用計量センサ16からの信号に基づき、供給ホッパ14が空であるか否かを判断する。空でなく被計量物が残存している場合には警告を操作設定表示部21の表示画面に表示させる。半自動式組合せ秤10のオペレータ(作業者)は、空の供給ホッパ14に対応する投入口19から被計量物を投入する。
次に制御部41は、供給ホッパ用計量センサ16および計量ホッパ用計量センサ17からの信号に基づき、各供給ホッパ14に被計量物が収容されているか(空でないか)、また所定の供給ホッパ14に対応する計量ホッパ15に被計量物が収容されていないか(空であるか)を判断する。所定の供給ホッパ14に被計量物が収容されており、かつ、対応する計量ホッパ15に被計量物が収容されていない場合には、供給ホッパ14の前側の排出ゲート34aまたは後側の排出ゲート34bのいずれかを開き、被計量物を計量ホッパ15の収容部15aまたは15bに落下させて供給する。計量ホッパ15の収容部15aまたは15bのいずれかに被計量物が供給されると、当該計量ホッパ15に対応する計量ホッパ用計量センサ17により被計量物の重量が検出される。重量の検出結果は制御部41に出力される、制御部41は、前記検出結果に基づいて、各計量ホッパ15に収容された被計量物の重量(計量値)を演算して記憶部42に記憶させる。
ここで、前記のとおり、計量ホッパ15の収容部15a,15bはそれぞれ別個に独立して組合せ計量に参加する。この場合の被計量物の計量についてより具体的に説明する。例えば、第一の計量サイクルでは、第1番目の供給ホッパ14−1の前側の排出ゲート34aを開いて被計量物を落下させると、当該被計量物は、第1番目の計量ホッパ15−1の前側の収容部15aに収容される。それゆえ、第1番目の計量ホッパ用計量センサ17−1は、第1番目の計量ホッパ15−1の前側の収容部15aの重量を検出し、制御部41は、第1番目の計量ホッパ15−1の収容部15aの重量を演算して計量値Vaを算出し、記憶部42に記憶させる。
次に、第二の計量サイクルでは、第1番目の供給ホッパ14−1の後側の排出ゲート34bを開いて被計量物を落下させ、第1番目の計量ホッパ15−1の後側の収容部15bに被計量物を供給する。このとき、第1番目の計量ホッパ用計量センサ17−1は、前側の収容部15aおよび後側の収容部15bに収容されている被計量物の合計重量を検出することになる。ここで、記憶部42には、前側の収容部15aに収容されている被計量物の計量値が記憶されているため、制御部41は、合計重量の計量値Vabから前側の収容部15aの計量値Vaを減算し、後側の収容部15bにおける被計量物の計量値Vbを算出する。このような制御構成とすることで、計量ホッパ15を収容部15aおよび15bに2分割した場合に、各収容部15aおよび15bを別個に独立して組合せ計量に参加させることができる。
次に、制御部41は、計量ホッパ用計量センサ17の検出結果から、所定数(組合せ計量の精度を維持できる数)以上の数の計量ホッパ15に被計量物が収容されているか否かを判定し、収容されていれば、得られた計量値を用いて組合せ演算を行う。この組合せ演算とは、所定数の計量ホッパ15(正確には収容部15a,15b)毎に収容されている被計量物の重量を合計して合計重量を算出する演算である。また、前記所定数とは、組合せ計量の精度を維持できる最低の数であり、最低組合せ参加ホッパ数ということもできる。この最低組合せ参加ホッパ数(所定数)は、被計量物の種類等に応じて適宜設定することができる。また、組合せ計量に参加した計量ホッパ15の数は、最低組合せ参加ホッパ数以上の数となるが、説明の便宜上、この数を組合せ数とする。
そして、制御部41は、組合せ演算の結果として得られる、計量ホッパ15の組合せ数の合計重量を、予め設定された目標重量の許容範囲と比較し、その合計重量が前記許容範囲内に入るものについては、制御部41は好適な組合せとして選択する。このように、好適な計量ホッパ15の組合せを選択する処理が組合せ計量であり、また、好適な計量ホッパ15の組合せにおける前記合計重量が組合せ重量である。さらに制御部41は、組合せ計量の処理結果を操作設定表示部21に出力し、表示画面に表示させる。
ここで、半自動式組合せ秤10は、全自動式組合せ秤とは異なり手動で被計量物の供給が行われる。そこで、制御部41は、予め設定した目標計量速度に基づき、一定の時間間隔で組合せ演算を行うよう構成されている。この目標計量速度は、単位時間当たりの組合せ計量の回数(組合せ回数)として設定することができ、例えば、1分当たりの所定の組合せ回数とすることができる。それゆえこの例では、1回の組合せ計量の目標速度は、所定の組合せ回数を1分で除算した値となる。組合せ演算を行う間隔(演算間隔)は、この目標計量速度に合わせればよい。
具体的には、例えば、目標計量速度を20回/分であれば、演算間隔は3秒毎(20回/60秒)に設定すればよい。もちろん本発明はこれに限定されず、演算間隔は適宜設定することができる。ただし、組合せ演算は組合せ計量を行うための処理であるので、演算間隔の設定も、目標計量速度に合わせるか、これを基準とすることが好ましい。一般的には、演算間隔は、前記の例のように目標計量速度に合わせた時間とすればよいが、被計量物の種類やオペレータの熟練度等に合わせて、例えば目標計量速度の1.2倍や0.8倍等の時間としてもよい。
さらに、制御部41に対しては、I/O回路48を介して包装機より排出命令信号が入力される。そこで、制御部41は、被計量物が収容されている計量ホッパ15の数が前記所定数(最低参加ホッパ数)以上であり、かつ、組合せ重量範囲内の計量ホッパ15の最適な組合せがあると判定すれば、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路45により、当該組合せに参加している計量ホッパ15の排出ゲート35a,35bを開放するよう制御して、被計量物を搬送コンベヤ31に排出させる。排出された被計量物は、搬送コンベヤ31の搬送面に載置され図示しない包装機に搬送される。なお、供給ホッパ14からの被計量物の供給に始まり、搬送コンベヤ31への排出に至る一連の動作を一回の計量サイクルと称する。
[表示画面の種類]
次に、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10において、操作設定表示部21での表示機能について説明する。図5、図6および図7は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10が備える操作設定表示部21の表示画面の一例を示す模式図である。
本実施の形態では、前記のとおり、操作設定表示部21は、タッチパネルと一体化されたカラー液晶表示パネルを備えている。したがって、オペレータは、表示画面上の特定の表示領域に触れることで、組合せ秤の操作や情報の入力を行うことができる。
ここで、本発明では、後述するように、毎回の組合せ計量の結果の統計である組合せ統計情報が、操作設定表示部21の表示画面で表示される。ただし、半自動式組合せ秤10の運転時には、組合せ統計情報は必ずしも継続的に表示しなくてもよい。そこで、本実施の形態では、操作設定表示部21は、標準画面として「運転操作画面」を表示し、この画面から他の画面に切り替わるように構成されている。「運転操作画面」から切り替わる画面としては、毎回の組合せ計量の結果を主として表示する「運転状態画面」、および、毎回の組合せ計量の結果の統計を表示する「運転来歴画面」が挙げられる。これら3種類の画面は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10において基本的な表示画面として設定されている。そこで、これら3種類の画面を以下「基本画面」とし、各基本画面の表示構成に沿って本実施の形態を説明する。
本実施の形態における基本画面の例を表示する図5〜図7のうち、図5は、前記運転操作画面の好ましい一例を示す模式図であり、図6は、前記運転状態画面の好ましい一例を示す模式図であり、図7は、前記運転来歴画面の好ましい一例を示す模式図である。
なお、基本画面の種類は前記3種類に限定されず、他の種類の基本画面を含んでもよいし、一部の基本画面が表示されなくてもよい。ただし、本発明では、組合せ統計情報がオペレータに提示されるように表示画面が構成されている必要がある。また、本実施の形態では、後述するように、基本画面とは異なり特定の設定や操作を行うための「特定画面」も表示されるよう構成されている。
[運転操作画面の構成]
まず、運転操作画面について説明する。運転操作画面は、半自動式組合せ秤10の運転において重要な基本的な情報と、操作設定表示部21のタッチパネル機能を利用した操作用のキー等を表示する画面である。例えば、図5に示すように、運転操作画面20では、運転データ表示エリア22、基本操作キー表示エリア23および表示切替用キー表示エリア24の各表示領域が表示される。運転データ表示エリア22は運転操作画面20における向かって左側を中心に当該運転操作画面20の大部分を占めており、基本操作キー表示エリア23は運転操作画面20の下側に位置し、表示切替用キー表示エリア24は運転操作画面20における向かって右側に位置している。
運転データ表示エリア22には、下位の表示領域として、品種番号表示枠22a、品種名表示枠22b、組合せ重量表示枠22c、組合せ結果表示エリア22d、運転速度表示枠22e、および目標組合せ重量表示枠22fが表示される。図5に示す例では、運転データ表示エリア22の上方に品種番号表示枠22aおよび品種名表示枠22bが表示され、同中央部には、組合せ重量表示枠22cおよび組合せ結果表示エリア22dが表示さ、同下方には、運転速度表示枠22eおよび目標組合せ重量表示枠22fが表示されている。
品種番号表示枠22aでは、現在選択されている「品種プログラム」の番号が表示される。一般に高性能な計量装置では、さまざまな種類の被計量物を計量できるよう構成されている。それゆえ、計量運転のための運転パラメータを被計量物の種類(以下、「品種」という。)別に設定する必要があることが多い。ここで、品種が変わる毎に運転パラメータを設定することはオペレータにとって煩雑となる。そこで、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10では、予め、品種別に運転パラメータを「品種プログラム」として設定し、前記記憶部42に記憶させておく。そして、表示画面を後述するプログラム選択画面に切り替え、品種に応じた「品種プログラム」の番号を選択すれば、操作設定表示部21から制御部41に対して、所定の「品種プログラム」に切り替えるよう操作指令が入力される。そこで、制御部41は記憶部42から、品種に対応する運転パラメータを呼び出して設定する。図5に示す例では、「品種プログラム」の番号として「1」が表示されている。
品種名表示枠22bでは、品種番号表示枠22aで選択された「品種プログラム」に対応する品種の詳細が具体的に表示される。図5に示す例では、品種名表示枠22bは、「品種プログラム」と具体的な「品種」との対応関係が明確となるよう、品種番号表示枠22aにおける向かって右側に位置しており、「品種プログラム」の番号「1」に対して設定されている「品種」(被計量物の種類)が「ムネ2000g」すなわち「鶏ムネ肉2000g」であることが表示されている。
組合せ重量表示枠22cでは、毎回の組合せ計量の結果である組合せ重量の計量値が表示されるとともに、この計量値が目標重量と比較された評価が、組合せ結果表示エリア22dで表示される。組合せ重量表示枠22cは、半自動式組合せ秤10の通常運転において最も重要な情報である毎回の組合せ重量の計量値を表示する領域であるので、図5に示す例では、表示画面全体で最も大きな面積を占め、かつ、表示画面の中央部に近い位置(具体的には、表示画面の中央部の向かって左寄り。)に表示されている。そして、組合せ結果表示エリア22dは、組合せ重量の計量値が、目標重量の許容範囲に入っているか外れているかを表示する領域であるので、組合せ重量表示枠22cに隣接(具体的には、表示画面における向かって右側。)に表示されている。
組合せ結果表示エリア22dの具体的構成は特に限定されないが、例えば、図5に示すように、「過量」および「不足」の場合を三角形で示し、「適量」の場合には丸で示すという表示手法、すなわち、図形等の図像情報で表示する手法が好ましく用いられる。これにより、文字情報を表示するよりも表示面積を小さくできるとともに、オペレータにとって一目で明確に理解できるように表示することができる。図5に示す例では、「過量」を示す図形である上向きの三角形(△)と「不足」を示す下向きの三角形(▽)との間に、「適量」を示す丸(○)が表示され、これにより、「過量」、「適量」、「不足」が上から順に図形情報で表示されている。そして、組合せ重量表示枠22cで表示された計量値が「過量」、「適量」または「不足」のいずれに相当するのかについては、例えば反転表示や表示色の切り替え等により表示することができる。
図5に示す例では、組合せ重量表示枠22cにおいて、組合せ計量の結果(計量値)が「2001.2g」であることが表示され、組合せ計量表示エリア22dにおいて、当該計量値が「適量」であることが、中央の円の反転表示により示されている。
運転速度表示枠22eおよび目標組合せ重量表示枠22fは、前記組合せ重量表示枠22cで表示される組合せ重量(計量値)とともに、半自動式組合せ秤10の運転に関して重要な運転速度および組合せ重量の目標値(目標重量)を表示するように構成されている。図5に示す例では、運転速度表示枠22eでは、組合せ重量表示枠22cで「2001.2g」と表示された回の組合せ計量の運転速度が「30.0wpm」であることが表示されており、その下方の目標組合せ重量表示枠22fでは、「品種プログラム」の番号が「1」、すなわち「品種」が「ムネ2000g」であるときの目標重量が「2000.0g」であることが表示されている。前記運転速度の単位「wpm」は1分当たりの組合せ計量(すなわち包装回数)の回数を意味する。
なお、運転データ表示エリア22で表示される情報は、前記各情報に限定されず、他の情報が表示されてもよいし、一部の情報が表示されなくてもよい。
次に、基本操作キー表示エリア23は、運転操作画面20の下側に位置するよう表示され、運転ON−OFFキー23a、他画面アクセスキー23b、清掃開始キー23c、終業運転開始キー23d、および全排出開始キー23eが下位の表示領域として表示されている。これら表示領域は、長方形状の枠で囲まれたキー状の表示領域となっている。この表示領域にオペレータが指先等を接触(タッチ)させることで、タッチパネルの機能によって、半自動式組合せ秤10の特定の操作や表示切り替え等の操作指令が出力される。つまり、これら表示領域は操作器として機能する。これらキーの表示形状は特に限定されない。これらキーは単なる情報の表示だけでなく、操作器として機能するため、操作用のキーであることを明確とする表示となっていればよい。
運転ON−OFFキー23aは、半自動式組合せ秤10の運転を開始または停止させるためのキーである。図5に示す例では、半自動式組合せ秤10が運転中であることから、運転ON−OFFキー23aにタッチすれば運転は停止する。したがって、このときの運転ON−OFFキー23aは「ストップ」というキーとして表示される。逆に、半自動式組合せ秤10の運転が停止しているときは、運転ON−OFFキー23aは「スタート」というキーとして表示される。
他画面アクセスキー23bは、現在の運転操作画面20から他の基本画面に切り替えるためのキーである。図5に示す例では、「次」というキーで表示されており、このキーにタッチすれば、図6に示す運転状態画面25に切り替わる。また、運転状態画面25に切り替わった後、他画面アクセスキー23bは、「前」キーおよび「次」キーという2個のキーとして表示される(図6参照)。「前」キーにタッチすれば、元の運転操作画面20に戻り、「次」キーにタッチすれば、図7に示す運転来歴画面26に切り替わる。なお、切り替わる基本画面の種類が、順に、運転操作画面20、運転状態画面25および運転来歴画面26の3種類のみであるとすれば、運転来歴画面26に切り替わったときには、他画面アクセスキー23bは「前」キーのみとして表示される。もちろん、常に「前」キーおよび「次」キーを表示しておき、前の画面や次の画面がない場合には、これらキーの表示を変更することで、画面がないことを表示するよう構成されてもよい。
清掃開始キー23cは、供給ホッパ14および計量ホッパ15の全ての排出ゲート34a,34b,35a,35bを継続的に開放または閉鎖させるためのキーであり、運転の終了後等にオペレータが半自動式組合せ秤10を清掃しやすいようにする場合に操作される。また、その他清掃の便宜を図ることができるような操作を行うよう構成されてもよい。終業運転開始キー23dは、終業運転を行うためのキーである。この終業運転とは、終業時に半自動式組合せ秤10の運転を円滑に停止させるために、組合せ計量に参加できる計量ホッパ15(収容部15a,15b)の数が少なくても、組合せ重量が目標重量の許容範囲に入るのであれば、「適量」であると判定して被計量物を計量ホッパ15から排出できるようにすることをいう。全排出開始キー23eは、供給ホッパ14および計量ホッパ15の全てに収容されている被計量物を強制的に排出する操作を行うためのキーである。なお、基本操作キー表示エリア23には他の操作設定用のキーが表示されてもよいし、前記各キーのうち一部が表示されなくてもよいし、一部が必要に応じて表示されるよう構成されてもよい。
表示切替用キー表示エリア24は、運転操作画面20における向かって右側に位置するように表示され、アクセスレベル表示・切り替えキー24a、プログラム選択画面アクセスキー24b、トラブル対策画面アクセスキー24c、手動運転画面アクセスキー24d、プログラム設定画面アクセスキー24e、診断画面アクセスキー24f、日付時間画面アクセスキー24g、初期校正画面アクセスキー24h、および、システム設定画面アクセスキー24iが下位の表示領域として表示されている。この表示領域に表示されるキーは、基本画面である運転表示画面から、基本画面以外の画面に切り替える操作を行うキーであり、前記他画面アクセスキー23bとは機能が異なる。なお、以下の説明では、基本画面以外の画面を「特定画面」と称する。
アクセスレベル表示・切り替えキー24aは、現在のアクセルレベルを表示するとともに、当該アクセスレベルを変更するためのキーである。ここでいうアクセスレベルとは、基本画面(運転操作画面20)から特定画面にアクセスできるレベルを指し、図5に示す例では、鍵の図像を4個表示させることによりアクセスレベルが「レベル4」であることを示している。アクセスレベルが上がれば、より多くの特定画面にアクセスできるようになり、アクセスレベルが下がれば、アクセスできる特定画面が少なくなる。アクセスレベルを変更する操作を行うには、例えば、アクセスレベル表示・切り替えキー24aにタッチしてパスワードを設定する等の方法が挙げられるが,特に限定されない。
図5に示す例では、アクセスできる特定画面の種類が、複数の画面アクセスキーとして、アクセスレベル表示・切り替えキー24aの下側に縦一列に配列して表示されている。本実施の形態では、レベル4がアクセスレベルの最高レベルであるので、アクセスできる特定画面は最高8種類となる。レベルが下がるにつれてアクセスできる特定画面の種類は減少する。画面アクセスキーの配列順は特に限定されないが、表示の便宜や重要性または使用頻度を明確とする点から、より低いレベルでもアクセスできる特定画面を上方に位置させて表示すると好ましい。本実施の形態では、前記のとおり、品種に応じて品種プログラムを選択する操作を行うため、プログラム選択画面アクセスキー24bを最上位置に表示している。
プログラム選択画面アクセスキー24bは、前記のとおり、品種プログラムを選択する特定画面にアクセスするキーである。トラブル対策画面アクセスキー24cは、半自動式組合せ秤10の運転時に何らかのトラブルが発生したときに、トラブルへの対応情報を表示する特定画面にアクセスするキーである。手動運転画面アクセスキー24dは、半自動式組合せ秤10の運転において被計量物の排出動作も手動で行うための特定画面にアクセスするキーである。プログラム設定画面アクセスキー24eは、品種プログラムを新たに設定する特定画面にアクセスするキーである。診断画面アクセスキー24fは、半自動式組合せ秤10のメンテナンスの一つとして診断動作を行う特定画面にアクセスするキーである。日付時間画面アクセスキー24gは、半自動式組合せ秤10に内蔵されるタイマーを設定する特定画面にアクセスするキーである。初期校正画面アクセスキー24hは、半自動式組合せ秤10の供給ホッパ用計量センサ16および計量ホッパ用計量センサ17の初期校正を行う特定画面にアクセスするキーである。システム設定画面アクセスキー24iは、半自動式組合せ秤10のシステム設定画面にアクセスするキーである。これら画面アクセスキーでアクセスできる特定画面の詳細については説明を省略する。なお、他の特定画面にアクセスするキーが表示されるよう構成されてもよい。
[運転状態画面の構成]
次に、運転状態画面について説明する。運転状態画面は、半自動式組合せ秤10の運転に伴って生成または採取できる各種情報を集計して表示する画面である。例えば、図6に示すように、運転状態画面25では、組合せ計量状態表示エリア25a、組合せ重量分布表示エリア25b、組合せ計量運転データ表示エリア25c、および組合せ計量運転状態データ表示エリア25d、並びに、基本操作キー表示エリア23の各表示領域が表示される。運転状態画面25の下方に表示される基本操作キー表示エリア23以外の各表示領域は、運転状態画面25を均等に4分割するように表示されている。
組合せ計量状態表示エリア25aは、半自動式組合せ秤10の各計量ホッパ15について、各回の組合せ計量に参加したか否かを表示する表示領域であり、運転状態画面25における向かって左上側に表示されている。ここで表示される情報は運転データに含まれるものであり、運転操作画面20で表示してもよいが、各計量ホッパ15の組合せ計量の参加率等を表示する等の応用も可能であるため、本実施の形態では、運転状態画面25に表示される。
図6に示す例では、9個の計量ホッパ15に対応するよう9個の枠が表示されており、さらに、各計量ホッパ15が2個の収容部15a,15bに分割されているので、各収容部15a,15bに対応するように、9個の枠の上下にさらに枠が表示されている。各枠には管理番号が付されており、図6における向かって左側から上下の順で、1から18までの整数が表示されている。より具体的には、上側の9個の枠には、1から17までの奇数番号が各枠の上側に表示されるとともに、中央の枠を挟んで下側の9個の枠には、2から18までの偶数の番号が各枠の下側に表示されている。管理番号1および2の枠は、第1番目の計量ホッパ15−1の収容部15a,15bに対応し、以降、第2〜第9番目の計量ホッパ15の各収容部15a,15bに対応する。
収容部15a,15bに対応する各枠内に円が表示されていると、当該枠に対応する計量ホッパ15の収容部15aまたは15bが組合せ計量に参加していることを示し、各枠内に三角形が表示されていると、当該枠に対応する計量ホッパ15の収容部15aまたは15bは、組合せ計量で最終選択されなかったが組合せ演算には参加していることを示す。図6に示す例では、第1番目の計量ホッパ15−1の収容部15a(枠1)、第3番目の計量ホッパ15−3の収容部15b(枠6)、第5番目の計量ホッパ15−5の収容部15b(枠10)、第7番目の計量ホッパ15−7の収容部15a(枠13)および収容部15b(枠14)、並びに、第8番目の計量ホッパ15−8の収容部15b(枠16)が組合せ計量に参加しており、これら各収容部15a,15bに加えて、第1番目の計量ホッパ15−1の収容部15b(枠2)、第2番目の計量ホッパ15−2の収容部15a(枠3)、第7番目の計量ホッパ15−4の収容部15a(枠7)、第5番目の計量ホッパ15−5の収容部15a(枠9)、第6番目の計量ホッパ15−6の収容部15a(枠11)および収容部15b(枠12)、第8番目の計量ホッパ15−8の収容部15a(枠15)、並びに、第9番目の計量ホッパ15−9の収容部15b(枠18)が組合せ演算に参加している。
組合せ重量分布表示エリア25bは、組合せ計量で排出された被計量物の組合せ重量について、その重量分布を例えばヒストグラムで表示する表示領域であり、運転状態画面25における向かって左下側(組合せ計量状態表示エリア25aの下側)に表示されている。図6に示す例では、向かって左側に、下から「0.0」、「1.0」から「11.0」までの重量レベルが表示されている。この重量レベルは、「0.0」が「2000.0g以上2001.0g未満」の範囲を示し、「1.0」が「2001.0g以上2002.0g未満」の範囲を示し、同様に、2011.0gまでの範囲を示す。そして、各重量レベルに合致する排出回数がヒストグラムで表示されるとともに、向かって右側に具体的な数で表示される。
組合せ計量運転データ表示エリア25cは、運転操作画面20の運転データ表示エリア22と同様の運転データが表示される表示領域であり、運転状態画面25における向かって右上側(組合せ計量状態表示エリア25aの横)に表示されている。図6に示すように、品種番号表示枠、品種名表示枠、組合せ重量表示枠、組合せ結果表示エリア、および運転速度表示枠が表示されており、運転データ表示エリア22との違いは、目標組合せ重量表示枠が表示されていない点のみである。
組合せ計量運転状態データ表示エリア25dは、組合せ計量に伴う各種の集計データや統計データ等(まとめて運転状態データという。)が表示される表示領域であり、運転状態画面25における向かって右下側(組合せ計量運転データ表示エリア25cの下かつ組合せ重量分布表示エリア25bの横)に表示されている。図6に示す例では、表示されるデータは、「平均ホッパ数」、「パック数」、「合計重量」、「平均組合せ重量」、「重量標準偏差」、「重量レンジ」、「最大重量」、および「最小重量」である。
「平均ホッパ数」は、毎回の組合せ計量で選択された計量ホッパ15(正確には収容部15a,15b)の数の平均値(平均組合せホッパ数)であり、図6に示す例では4.5個である。「パック数」は、組合せ計量動作および排出動作が行われて搬送された被計量物が包装機で包装(パック)されて包装製品となった数(出荷数または加工数に相当する。)であり、図6に示す例では、運転開始から916個である。「合計重量」は、半自動式組合せ秤10の運転開始以降、組合せ計量が行われた被計量物の累計の重量であり、図6に示す例では、1833374gである。「平均組合せ重量」は、運転開始以降の組合せ重量の平均値であり、図6に示す例では、2001.5gである。「重量標準偏差」は、運転開始以降の組合せ重量の標準偏差であり、図6に示す例では、0.6gである。「重量レンジ」は、運転開始以降の組合せ重量の最大値と最小値との差分であり、図6に示す例では、8.5gである。「最大重量」は、運転開始以降の組合せ重量の最大値であり、図6に示す例では、2008.5gである。「最小重量」は、運転開始以降の組合せ重量の最小値であり、図6に示す例では、2000.0gである。なお、「重量レンジ」は、「最大重量」として表示される重量と「最小重量」として表示される重量との差分に一致する。
基本操作キー表示エリア23は、前記のとおり運転操作画面20でも表示される表示領域であり、運転操作画面20と同様、運転状態画面25の下側に位置するよう表示され、運転ON−OFFキー23a、他画面アクセスキー23b−1および23b−2、印字開始キー23fおよび集計データ消去キー23gが下位の表示領域として表示されている。運転ON−OFFキー23aおよび他画面アクセスキー23b−1,23b−2は、運転操作画面20で説明したので詳細な説明は省略する。なお、他画面アクセスキー23bは、前記のとおり、運転操作画面20から運転状態画面25に切り替わった後、「次」キーのみの表示から、「前」キーである他画面アクセスキー23b−1と「次」キーである他画面アクセスキー23b−2に切り替って表示される。印字開始キー23fは、表示されている各種データを印字するためのキーである。集計データ消去キー23gはクリアキーであり、表示されている各種データを全て消去するためのキーである。
なお、図6に示す例では、組合せ計量運転データ表示エリア25cの上側で、当該運転状態画面25における向かって右上に、運転操作画面20と同様に、アクセスレベル表示・切り替えキー24aが表示されている。
[運転来歴画面の構成]
次に、運転来歴画面について説明する。図7に示すように、運転来歴画面26としては、組合せ統計情報表示エリア26a、投入重量分布表示エリア26b、運転状態変化第一表示エリア26c、および運転状態変化第二表示エリア26d、並びに、基本操作キー表示エリア23の各表示領域が表示される。
組合せ統計情報表示エリア26aは、組合せ統計情報が数値データとして表示される表示領域であり、運転来歴画面26における向かって左上側に表示されている。図7に示す例では、組合せ統計情報として、「平均運転速度」、「平均組合せ重量」、「重量標準偏差」、「平均ホッパ数」、「組合せ非成立率」および「再組合せ率」が数値データとして表示されている。この表示領域で表示される組合せ統計情報とは、組合せ計量に伴って生成または採取される各種データのうち、被計量物の供給作業の能力を数値として明確に表示できる情報である。これら各組合せ統計情報の詳細については後述する。
また、前記4種類の組合せ統計情報のうち、「平均組合せ重量」、「重量標準偏差」および「平均ホッパ数」は、基本的に、前記運転状態データに含まれる「平均組合せ重量」、「重量標準偏差」および「平均ホッパ数」と同じものであるが、本実施の形態では、算出の母数が異ならせることができる。すなわち、運転状態データとして表示する「平均組合せ重量」、「重量標準偏差」および「平均ホッパ数」は、半自動式組合せ秤10が運転開始してから情報を集計したものであればよいが、組合せ統計情報として表示される各種情報(「平均組合せ重量」、「重量標準偏差」および「平均ホッパ数」を含む)は、特定期間の統計値(平均値、標準偏差または比率)等であると好ましい。この点については、組合せ統計情報の表示変更の説明として後に詳述する。
投入重量分布表示エリア26bは、各計量ホッパ15に投入された被計量物の重量分布を少なくとも表示する表示領域であり、運転来歴画面26における向かって左下側(組合せ統計情報表示エリア26aの下側)に表示されている。この表示領域で表示される重量分布も組合せ統計情報の一つである。
図7に示す例では、向かって左側に、下から「0〜100」、「100〜200」から「700〜」までの100gずつの範囲で重量レベルが表示され、各重量レベルに対応する重量分布が例えばヒストグラムで表示される。また、別途設定した被計量物の単位重量から、各分布における被計量物の想定される個数(図中では枚数)も、向かって右側に表示される。さらに、想定される被計量物の重量分布をヒストグラムで表示してもよい。この重量分布のヒストグラムは、単重が大きく、かつ、単重のばらつきが小さい被計量物を計量する場合における組合せ統計情報として好ましく表示することができる。
また、図7に示す例では、400〜500gの重量レベルにおいて最も重量分布が大きく、このときの被計量物の枚数が3枚である。そこで、オペレータは、1個の計量ホッパ15(正確には収容部15a,15b)に供給する被計量物の枚数を3枚とすることが好ましいと判断できる。このように、制御部41は、毎回の組合せ計量で計量ホッパ15に供給された被計量物の重量の重量分布、および、当該重量分布を被計量物の単重で除算した個数分布の少なくともいずれかを、組合せ統計情報としてさらに生成し、表示させることができる。
ここで、投入重量分布表示エリア26bで表示される重量分布のヒストグラムは、半自動式組合せ秤10の運転開始から現在までの重量分布を集計したものであってもよいが、組合せ統計情報表示エリア26aで表示される組合せ統計情報と同様に、特定期間の重量分布として表示されることが好ましい。
運転状態変化第一表示エリア26cおよび運転状態変化第二表示エリア26dは、組合せ統計情報表示エリア26aで表示される組合せ統計情報について、その時間変化を表示する表示領域であり、運転来歴画面26における向かって右側に表示されている。運転状態変化第一表示エリア26cは、組合せ統計情報表示エリア26aの横で運転状態変化第二表示エリア26dの上側に位置し、運転状態変化第二表示エリア26dは、投入重量分布表示エリア26bの横で運転状態変化第一表示エリア26cの下側に位置する。
運転状態変化第一表示エリア26cには、組合せ統計情報のうち、平均運転速度、平均組合せ重量および重量標準偏差の時間変化がラインチャート(折れ線グラフ)で表示されている。
ここで、ラインチャートの縦軸は、前記それぞれの組合せ統計情報となっているが、横軸は、運転時間ではなく組合せ回数となっている。これは、組合せ回数の増加は時間の経過にほぼ比例しているとみなすことができるためである。前記のとおり、組合せ演算は目標計量速度に合わせたタイミングで定期的に行われるため、組合せ計量の不良が生じないかぎり、組合せ計量も一定の時間間隔(目標計量速度)で行われるとみなすことができる。それゆえ、組合せ回数が所定回数増加すれば所定時間経過したと判断することができる。また、組合せ統計情報表示エリア26aに表示される組合せ統計情報は、組合せ回数を母数として算出しているため、回数を横軸とすることが好ましい。
図7に示す例では、平均組合せ重量および重量標準偏差の変化は実線で表示されており、平均運転速度の変化は破線で表示されている。また、縦軸の単位は、平均組合せ重量の単位がgであり、平均運転速度の単位がwpm(組合せ回数/分)である。横軸は前記のとおり組合せ回数であり、例えば、「−2000」は、現時点から2000回前の時点における組合せ計量についてのデータであることを示す。このラインチャートでは、平均組合せ重量および重量標準偏差が落ち込んでいる範囲において、組合せ計量の精度が良好であることを示す。平均運転速度の変化は、平均組合せ重量および重量標準偏差の変化とほぼ反対となっているので、平均組合せ重量および重量標準偏差で組合せ計量の精度を判断することができる。
運転状態変化第二表示エリア26dには、組合せ統計情報のうち、平均ホッパ数、組合せ非成立率、再組合せ率の時間変化がラインチャートで表示されている。ラインチャートの具体的構成は、運転状態変化第一表示エリア26cと同様であり、縦軸が前記それぞれの組合せ統計情報となり、横軸が組合せ回数となっている。各種組合せ統計情報のうち、組合せ非成立率および再組合せ率の変化はそれぞれ実線で表示され、平均ホッパ数の変化は破線で表示されている。縦軸の単位は、組合せ非成立率および再組合せ率が%であり、平均ホッパ数がホッパ数である。このラインチャートにおいては、組合せ非成立率および再組合せ率が落ち込んでいる範囲において、供給された被計量物の重量分布が良好であり、組合せ計量が成立しやすかったことを示している。
このように、本実施の形態では、具体的な組合せ統計情報を表示するだけでなく、組合せ統計情報の変化の程度(変化情報)を生成し、表示するように構成されていると特に好ましい。これによって、その時々の組合せ統計情報だけでなく、運転開始以降の組合せ統計情報の変化や来歴も明確とすることができる。なお、本実施の形態では、変化情報の表示の一例としてラインチャートを挙げているが、もちろんこれに限定されるものではなく、組合せ統計情報の変化が明確に把握できるのであれば、ヒストグラムや他のグラフであってもよいし、組合せ統計情報を一覧表としてまとめて表示してもよい。
なお、基本操作キー表示エリア23は、前記のとおり運転操作画面20および運転状態画面25でも表示される表示領域であるので、その説明は省略する。
[組合せ統計情報]
次に、本実施の形態で、組合せ統計情報として生成され表示される各種情報について、より詳細に説明する。
まず、「平均運転速度」は、一定期間での毎回の組合せ計量における計量速度の平均値である。計量速度が速いほど、単位時間当たりの組合せ回数が多いことになるので、組合せ計量の効率が高いことを示す。効率が高ければ、オペレータによる被計量物の供給作業の能力が高いと判断することができる。図7に示す例では、29.0wpmである。「平均組合せ重量」は、一定期間の組合せ重量の平均値である。平均組合せ重量が目標重量に近いほど組合せ計量の精度が高いことになり、オペレータによる被計量物の供給作業の能力が高いと判断することができる。図7に示す例では、2001.0gである。「重量標準偏差」は、一定期間での組合せ重量の標準偏差である。重量標準偏差が小さければ、組合せ重量にばらつきが少なく組合せ計量の精度が高いことになるので、オペレータによる被計量物の供給作業の能力が高いと判断することができる。図7に示す例では、0.5gである。「平均ホッパ数」は、一定期間での組合せ計量で選択された計量ホッパ15(正確には収容部15a,15b)の数の平均値である。平均ホッパ数が、組合せ計量に参加する所定数の計量ホッパの数(参加ホッパ数)の理想値に近いほど組合せ計量の精度が高いことになるので、ペレータによる被計量物の供給作業の能力が高いと判断することができる。図6に示す例では4.5個である。
これら組合せ統計情報のうち基本的なものは、平均組合せ重量および重量標準偏差であり、次に基本的な情報が平均運転速度である。いずれのデータも、組合せ重量から直接算出される数値データであり、組合せ計量の精度を率直に示すデータである。組合せ計量の精度が高ければ、後述する、組合せ計量の不良が生じる確率が低くなるので、単位時間当たりの組合せ回数は多くなる。それゆえ、制御部41は、組合せ統計情報として、少なくとも組合せ計量の精度を向上させる情報を表示できるように構成されることが望ましく、計量速度を向上させる情報をさらに表示できるように構成されることがより望ましい。
「組合せ非成立率」および「再組合せ率」は、いずれも組合せ計量を適切に行うことができず不良であった比率(組合せ不良率)を示すデータである。具体的には、前記のとおり、制御部41は、予め設定された目標計量速度に合わせた時間間隔毎に、組合せ演算を行うよう構成されている。ここで、定期的な組合せ演算が行われるタイミングで、被計量物が収容済の計量ホッパ15の総数が所定数(最低組合せ参加ホッパ数)未満であれば、組合せ演算は実行することができない。このような事態の発生は、オペレータによる被計量物の供給作業の速度が、組合せ演算を行う間隔に追いついていないことを示す。つまり、供給作業が遅いということは一定時間当たりの被計量物の投入口19への投入が少ないため、組合せ演算を行うタイミングにおいて、被計量物が収容済で計量できる状態となっている計量ホッパ15の数が所定数に達しておらず少なすぎることになる。この場合、被計量物が計量ホッパ15に収容されるまで待機することになるので、制御部41は、その回の組合せ演算は行わず、次のタイミングに組合せ演算を延期する制御を行う。
あるいは、組合せ演算が行われるタイミングで、被計量物が収容済の計量ホッパ15の総数が、所定数以上であったとしても、組合せ演算を行った結果、算出された合計重量が目標重量の許容範囲外であるときには、計量ホッパ15から搬送コンベヤ31へ被計量物を排出することができない。例えば、目標重量が2000.0gであり、許容範囲として上限が2011.0gに設定されているとすれば、組合せ演算で算出された合計重量が1999.0gであれば、目標重量よりも少なすぎ、2012.0gであれば、上限の許容値を超えているので、排出動作を行うことはできない。このような事態の発生は、供給された複数の被計量物の1個当たりの重量(単位重量または単重)にばらつきが小さいため、許容範囲内に入る合計重量を算出できないことを示す。被計量物の単重のばらつきが小さくなる原因としては、オペレータの熟練度も挙げられるが、被計量物の種類にも影響する。この場合、空の計量ホッパ15があれば被計量物を追加供給したり、一部の計量ホッパ15において被計量物を入れ替えたりする作業(合計重量調整作業)が必要となるので、制御部41は、当該作業の終了後に組合せ演算を再度行うことになる。
このように、組合せ計量が不良であると組合せ計量の効率が悪くなるので、制御部41は、この組合せ不良率を、組合せ統計情報としてさらに生成し、操作設定表示部21の表示画面に表示させるよう構成されている。
ここで、組合せ計量が適切に行われなかったとしても、そもそも組合せ演算を行うことができない場合と、組合せ演算を行っても算出した合計重量が許容範囲外である場合とでは、オペレータにとって検討または判断すべき内容が異なってくる。前者の場合、オペレータの供給作業が遅い、または、目標計量速度が速すぎることが考えられるが、後者の場合、オペレータの供給作業や半自動式組合せ秤10の設定値よりも、被計量物の単重のばらつきが小さいことの影響が大きいと考えられる。そこで、本実施の形態では、組合せ計量の不成立の比率を、より詳細に分類し、組合せ統計情報として利用している。
前者の場合、すなわち、被計量物が収容済の計量ホッパ15の総数が所定数未満であり、定期的な組合せ演算ができなかった場合については、組合せ演算が成立しなかったことから、その比率を「組合せ非成立率」とし、組合せ統計情報表示エリア26aに表示する。図7に示す例では、組合せ非成立率は6%である。また、後者の場合、すなわち、定期的な組合せ演算ができたとしても合計重量が許容範囲から外れる場合については、再度組合せを行う必要があることから、その比率を「再組合せ率」とし、組合せ統計情報表示エリア26aに表示する。図7に示す例では、再組合せ率は5%である。
なお、組合せ不良率は、前記組合せ非成立率および再組合せ率に限定されず、必要に応じた組合せ統計情報として生成して表示してよいことは言うまでもない。例えば、半自動式組合せ秤10の使用状況を鑑みて、組合せ非成立率および再組合せ率を分ける必要がない場合には、単一種類の組合せ統計情報として生成するよう制御部41を構成してもよい。
このように、本実施の形態では、少なくとも平均組合せ重量および重量標準偏差のいずれか一方を組合せ統計情報として操作設定表示部21に表示させ、さらに、平均組合せホッパ数、平均運転速度、重量分布、および個数分布の少なくともいずれかを、前記平均組合せ重量や重量標準偏差と組み合せて表示させる。これら情報の提示は、被計量物の供給作業について効率を向上するために、オペレータがさまざまな検討や判断を行うことを支援するものとなる。それゆえ、オペレータに対して、半自動式組合せ秤10における組合せ計量の効率の向上をさらに一層促すことができる。さらに、前記組合せ不良率を、前記各組合せ統計情報とともに操作設定表示部21に表示させることによって、組合せ計量がうまくいかなかった状況を数値情報として明確とすることができる。それゆえ、オペレータにとって、組合せ計量の能力がより明確に把握できるため、オペレータに対して、半自動式組合せ秤10における組合せ計量の効率の向上を促すことができる。
[組合せ統計情報の表示変更]
次に、組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26bで表示される組合せ統計情報の表示の変更について、図7、図8および図9を参照して説明する。図8は、図7に示す運転来歴画面26において、運転状態変化第一表示エリア26cにおける表示の他の例を示す模式図であり、図9は、図8に示す表示を行う制御の一例を示すフローチャートである。
運転状態変化第一表示エリア26cにおいては、図7に示すように、ラインチャートの横軸における「−4000」から「−3000」までの組合せ回数の範囲に対応する縦帯状の領域には、ハッチング(網かけ)が表示されている。このハッチングの表示領域は、図7に示す組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26bにおいて、この組合せ回数の範囲内の組合せ統計情報を表示していることを示している。前記のとおり、組合せ統計情報として表示する各種情報は、特定期間の統計値として表示することができる。図7に示す例では、組合せ統計情報表示エリア26aにおいて、−4000回〜−3000回の期間(現時点から4000回前から3000回前までの期間)における組合せ統計情報として、平均運転速度、平均組合せ重量、重量標準偏差、平均ホッパ数、組合せ非成立率、および再組合せ率の具体的数値が表示され、投入重量分布表示エリア26bでは、−4000回〜−3000回の期間における組合せ統計情報として、重量分布のヒストグラムが表示されていることを示している。
組合せ統計情報表示エリア26aで表示される特定期間の組合せ統計情報は、オペレータの操作により切り替えることができる。具体的には、本実施の形態では、操作設定表示部21の表示画面がタッチパネル機能を有しているため、運転状態変化第一表示エリア26cに表示されるラインチャートにおいて、所望の組合せ回数の範囲に該当する表示領域にタッチすることで、組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26bに表示される組合せ統計情報が切り替るよう構成されている。言い換えれば、本実施の形態では、運転来歴画面26における向かって右側(運転状態変化第一表示エリア26cおよび運転状態変化第二表示エリア26d)は、組合せ統計情報の全体的な状況を表示する表示領域であり、向かって左側(組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26b)は、特定の期間の組合せ情報を具体的に表示する表示領域であるということができる。なお、組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26bに表示される組合せ統計情報は、特定の期間ではなく、運転開始から現在までの統計値や重量分布であってもよい。表示される期間の選択は、操作設定表示部21の操作や設定によって適宜変更することができる。
さらに、運転状態変化第一表示エリア26cにおいては、図8に示すように、半自動式組合せ秤10の運転開始以降、組合せ計量の精度や計量速度等が特に好ましい期間(好適期間)に対応する表示領域については、他の期間に対応する表示領域とは背景色を変えて表示している。これによって、オペレータはどの期間において組合せ計量の効率が良かったのかを容易に把握することができ、また、オペレータが途中で交代した場合には、どのオペレータの供給作業が特に好ましいものであったのかを後から明確に把握することができる。
図8に示す例では、ラインチャートの横軸における「−6000」から「−5000」までの範囲に相当する縦帯状の領域に、ハッチングが表示されている。したがって、図8には図示されないが、組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26bで表示される組合せ統計情報は、−6000回〜−5000回の期間における統計値が表示されている。さらに、同横軸の−4000回〜−3000回の期間に相当する領域は、他の領域とは背景色が変更されている。これは、−4000回〜−3000回の期間において、平均組合せ重量および標準重量偏差が最も小さく、それゆえ組合せ計量の精度が最も好ましい好適期間であったことを示している。
なお、本実施の形態では、該当する表示領域の背景色を変更するとともにチャート線の表示色も変更して表示しているが、いずれか一方であってもよい。また、反転表示を行ってもよい。さらに、チャート線を太線化してもよいし、チャート線を部分的に振動させるなど動画化してもよい。つまり、好適期間に対応する表示領域は、他の表示領域と表示状態が異なるように表示されればよい。組合せ統計情報の変化を表示させる手法がラインチャート以外であっても同様の表示手法を用いることができる。
ここで、前記好適期間に対応する表示領域の表示状態を異ならせる場合には、全ての組合せ統計情報について好適期間を判定するよう構成されていてもよいが、特定の組合せ統計情報を基準とすると好ましい。前述した表示は、オペレータに対して供給作業の検討や評価を促すものであるため、基準となる組合せ統計情報を常に特定しておけば、オペレータの検討や評価の基準もより安定したものとなる。具体的な組合せ統計情報としては、平均組合せ重量または平均運転速度が挙げられる。前述のとおり、平均組合せ重量は基本的な組合せ統計情報であり、ある期間で平均組合せ重量が最小となれば、その期間の組合せ計量の精度が優れていることが明確となる。また、平均運転速度の変化は、平均組合せ重量および重量標準偏差の変化とは反対となるように推移するので、ある期間で平均運転速度が最大となれば、その期間の組合せ計量の効率が優れていることが明確となる。
次に、制御部41による前記表示状態を異ならせる制御の一例について、図9を参照して説明する。図9に示す制御の例では、好適期間を判定する基準となる組合せ統計情報として平均組合せ重量を用いており、この平均組合せ重量は、制御部41のカウンタ49(図4参照)で計数された組合せ回数と対応付けられて、記憶部42に累積して記憶されている。
まず、制御部41は、組合せ回数が予め設定された所定回数に到達したか否か判定する(ステップS101)。到達していなければ(ステップS101でNO)同判定を繰り返す。一方、所定回数に到達していれば(ステップS101でYES)、記憶部42に累積して記憶された組合せ統計情報の中から、平均組合せ重量が最小となるものを検索する(ステップS102)。
検索された最小の平均組合せ重量を、説明の便宜上、特定統計情報とすれば、制御部41は、当該特定統計情報に対応付けられた組合せ回数に基づき、当該特定統計情報を含む一定期間を選択する(ステップS103)。この一定期間の選択は組合せ回数に基づいて行われ、本実施の形態では、1000回の範囲が設定されている(図8に示すラインチャートの横軸参照)。そして、選択された期間に対応するラインチャートの表示領域の背景色を、他の表示領域の背景色と異ならせるよう表示する(ステップS104)。
その後、制御部41は、組合せ回数がさらに所定回数増加したか否かを判定する(ステップS105)。増加していなければ(ステップS105でNO)同判定を繰り返し、増加していれば(ステップS105でYES)、特定統計情報の検索を再度行う(ステップS102へ戻る)。以上の制御は、半自動式組合せ秤10の運転が行われている間、継続される。
このように、本実施の形態では、制御部41は、組合せ回数に基づいて任意の組合せ統計情報を選択して、操作設定表示部21の表示画面に表示させるよう構成されている。したがって、オペレータがラインチャートの特定の期間をタッチすることで、組合せ統計情報表示エリア26aおよび投入重量分布表示エリア26bで表示される組合せ統計情報を変更する表示についても、同様に、対応付けられた組合せ回数に基づいて累積して記憶された組合せ統計情報の中から特定統計情報を選択するという制御として行われる。なお、好適期間を判定する基準となる組合せ統計情報として平均運転速度を用いた場合には、特定統計情報として検索される情報は最小値ではなく最大値となる。また、本実施の形態では、制御部41がカウンタ(計数器)49を備えている構成であるが、タイマー(計時器)を備える構成であってもよい。前述したとおり、半自動式組合せ秤10では、組合せ演算は目標計量速度に合わせて定期的に行われるため、組合せ回数の代わりに時間を計測することによっても同様の制御が可能である。
ここで、前述した表示画面で表示される各種情報は、印字部33によって印字(印刷)することができる。このとき印字部33は、表示画面と同じ構成で各種情報を印字するよう構成されてもよいし、各種情報を再構成して印字するよう構成されてもよい。特に、平均組合せ重量や平均運転速度等を印字する場合には、図8に示すような好適期間を明確とするよう構成することが好ましい。例えば、ラインチャートそのものを出力する場合には、図8に示すような背景色の変更をそのままプリントアウトすればよく、数値データをまとめた表として出力する場合には、好適期間に対応する数値データについては、印字フォーマットを変えて印字すればよい。印字フォーマットの変更としては、太字、斜体字、下線等、他の文字と区別できるようにする公知の手法が挙げられる。印字することの利点としては、各オペレータが自身の作業成績を手元に残しておけるとともに、他のオペレータの作業成績と見比べて、オペレータ同士を競合させるといった点等が挙げられる。
なお、印字部33の具体的構成は特に限定されず、インクジェット方式、インクリボン方式、電子写真方式、熱転写方式等の各種のプリンタを好適に用いることができる。また、本実施の形態では、印字部33と操作設定表示部21の表示画面とは、いずれも情報を出力する出力器ということができるが、出力器としては、印字部33や表示部に限定されず、通信部等を備えていてもよい。
このように、本実施の形態では、記憶部42に記憶された組合せ統計情報のうち、最大値や最小値を判定可能な種類の組合せ統計情報を選択し、当該組合せ統計情報から最大値や最小値を特定統計情報として検索し、表示したり印刷したりするよう構成されている。特定統計情報を選択して表示したり印刷したりできることで、例えば、運転開始以降、または、ある特定の期間以降、最も組合せ計量の効率が優れていた期間(あるいは最も効率が良くなかった期間)を、オペレータに明確に提示することができる。それゆえ、各オペレータは、被計量物の供給作業が良かった時期(あるいは良くなかった時期)と現在とを容易に比較することが可能となる。
[半自動式組合せ秤における組合せ計量の効率の向上]
以上、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤の具体的な構成について説明したが、本発明において、組合せ統計情報をオペレータに提示することの意義について、改めて詳細に説明する。
一般に組合せ秤による組合せ計量の効率を向上させるためには、組合せ計量の精度(組合せ精度)の向上と計量速度の向上とを図ることが想定される。ここで、全自動式組合せ秤は、被計量物を自動で供給するため、組合せ精度の向上や計量速度の向上は、組合せ秤という計量装置の問題として検討することができるが、半自動式組合せ秤は、手動で被計量物を供給するため、作業者の能力に依存する要素が多い。そもそも半自動式組合せ秤は、全自動式組合せ秤では搬送や供給が難しい被計量物を扱うものが多い。それゆえ、全自動式組合せ秤で組合せ計量の効率を向上させるために検討されている事項は、そのまま半自動式組合せ秤に適用することは困難である。
具体的には、ブロイラー肉は、全自動式組合せ秤では搬送や供給が難しいものの代表的な一例であり、半自動式組合せ秤を用いて組合せ計量が行われる。解体されたブロイラーのモモ肉やムネ肉等を所定量のパック詰めにする一例として、肉片の単重が180gから300g(産地、季節により異なる)であり、2000g以上で許容値以下となるように計量してパック詰めにする条件を想定する。
この条件で用いられる半自動式組合せ秤が、計量ホッパを10個備えているものであれば、5個の計量ホッパを含む組合せが最も多くなる。それゆえ、組合せ計量に参加する最適な計量ホッパの数(最適参加ホッパ数)は5個とすることができる。このとき、被計量物の単重は、目標重量を最適参加ホッパ数で除算した値(目標重量/5個)程度の重量に合わせれば、組合せ精度を向上させることができる。しかしながら、このような例は理想的な場合であって、現実的には、さまざまな条件により組合せ精度の向上は妨げられる。
前記の条件において、肉片の平均重量が250gであるとすれば、前記パック詰めには平均8個の肉片が入ることになる。用いられる半自動式組合せ秤が前記のように10個の計量ホッパを備える構成であれば、計量ホッパそれぞれに均一な数の肉片を供給させ、最適参加ホッパ数を5個として組合せ計量を行うことはできない。そこで、例えば、各計量ホッパに2個ずつ肉片を投入させ、4個の計量ホッパを参加させて組合せ計量を行うことになる。組合せの数は、計量ホッパが4個参加するときは10C4=210通り、計量ホッパが5個参加するときは10C5=252通りであるので、計算上は、組合せ計量の精度はそれほど低下しない。
しかしながら、現実には、肉片の単重がばらつくため、各計量ホッパに同じ個数ずつ肉片を供給しても、目標重量の許容範囲内となる組合せを選択できる頻度は低くなる。さらに、半自動式組合せ秤では、目標重量の許容範囲内となる組合せが選択できなければ、肉片を入れ替えて組合せ計量を再度行うことになる。組合せ計量を繰り返せば、1個のパック詰めの生産に対して2回以上の組合せ計量を行うことになるので、必然的に計量速度は低下する。また、許容範囲内に入る計量ホッパの組合せを選択できたとしても、そもそも組合せを選択しにくいということは、選択された計量ホッパ内の肉片の合計重量は目標重量からはずれたものになりやすい。つまり、組合せ精度は必然的に低下する。また、組合せを選択しにくいということは、前記合計重量のばらつきも大きくなる傾向にあるので、パック詰めの歩留まりは低下する。全自動式組合せ秤では、被計量物の供給が自動で行われるため、このような事項を検討対象に入れる必然性がない。
熟練した作業者は、経験から肉片の重さを感じ取り、ある計量ホッパには2個、他のホッパには3個と、計量ホッパ別に肉片の単重が異なるような供給を行い、組合せ計量を成立しやすくしている。また、熟練した作業者は、肉片を計量ホッパに供給する速度はより速くなるので、単位時間当たりに計量ホッパに供給される被計量物の総重量も多くなる。それゆえ、熟練した作業者であれば、半自動式組合せ秤の組合せ精度も計量速度も向上させることができる。
ここで、前記の事例から問題点をまとめると、(1)半自動式組合せ秤の組合せ精度は、計量ホッパに供給される被計量物の重量のばらつきに左右され、(2)組合せ計量を成立しやすくするように作業者が被計量物の適切に供給できれば、必然的に計量速度は向上し、(3)作業者がすばやく被計量物を供給できれば、必然的に計量速度は向上する、ということになる。つまり、組合せ計量の効率を向上するためには、組合せ計量を成立しやすくするように作業者に情報を提供すればよい。そして、組合せ計量が成立しやすければ、必然的に、半自動式組合せ秤の組合せ計量の精度も良好となる。それゆえ、組合せ計量の精度の良否を自己判断できるように、各種情報を作業者(半自動式組合せ秤のオペレータ)に提供すればよい。
組合せ計量の精度は、組合せ重量の平均値が目標重量に近いほど良く、また、組合せ重量の標準偏差は小さいほうが良い。そこで、本発明に係る半自動式組合せ秤は、組合せ重量の平均値および標準偏差の少なくとも一方を、組合せ統計情報として生成させ、表示させるよう構成されている。少なくとも、これら情報を作業者に提示すれば、作業者は被計量物の供給作業に関して種々の検討や判断を行うことができるので、供給作業の能力を判定することができるだけでなく、供給作業の能力の向上も図ることができる。
なお、本発明に係る半自動式組合せ秤が計量する被計量物は、前記ブロイラー肉に限定されないことは言うまでもなく、どのような被計量物であっても対応可能である。中でも特に適している被計量物としては、前記ブロイラー肉等の精肉、モンゴイカやカツオ等の魚介類等、粘着性があり単重の大きい被計量物を好ましく挙げることができる。
(実施の形態2)
前記実施の形態1では、操作設定表示部21の表示画面で組合せ統計情報を表示する具体的な構成について説明したが、本実施の形態では、さらに、オペレータに対して具体的なメッセージも表示する構成について、図10を参照して説明する。図10は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤10において、供給作業の参考となる具体的なメッセージが表示された表示画面の構成の一例を示す模式図である。
本発明においては、前記実施の形態1で説明したように、組合せ統計情報として、平均組合せ重量、重量標準偏差、平均運転速度、平均ホッパ数、組合せ非成立率、再組合せ率、供給される被計量物の重量分布が用いられるが、これら組合せ統計情報を適宜組み合わせて制御部41にて対比させることで、オペレータに対して具体的なメッセージを提供する状況を判断することができる。
例えば、図10に示す例では、操作設定表示部21の表示画面において運転操作画面20が表示されているときに、「計量能力に余裕があります。被計量物の供給が少ないのなら、速度を遅くできます。」というメッセージ画面27が重ねて表示されている。このようなメッセージを表示すべき状況としては、オペレータによる供給作業の能力が低く単位時間当たりにおける被計量物の投入数が少ないか、オペレータの手元に十分な数の被計量物が供給されていない(オペレータに対する被計量物の供給量が少ない)か、等という状況である。このような状況では、組合せ統計情報のうち組合せ非成立率と再組合せ率が相対的に低くなり、かつ、平均運転速度が相対的に遅くなる。そこで、制御部41では、これら複数の組合せ統計情報について、過去の好ましい値を記憶部42に記憶させて目標値として設定するか、操作設定表示部21の操作により目標値を入力して設定しておき、生成した値と目標値とを比較対照することで、状況を判定することができる。その結果、オペレータに対してさまざまなメッセージを提供することが可能となる。
他の例としては、「ホッパに入れる被計量物の量を減らしてください。」とメッセージを表示する場合が挙げられる。このメッセージを表示すべき状況としては、組合せ計量の精度があまりよくない状況であり、組合せ不良が生じやすい状況である。このような状況では、平均組合せ重量が相対的に大きく、平均ホッパ数が相対的に小さくなる。そこで、制御部41では、これら組合せ統計情報について目標値と比較対照することで状況を判定すればよい。
このように本実施の形態では、オペレータ自身に検討や判断を促すことを主目的とした組合せ統計情報を表示するだけでなく、オペレータに何等かの指示を具体的に提示するメッセージも表示するよう構成されている。これにより、具体的なメッセージを参考として被計量物の供給作業を調整することができるので、より組合せ計量の効率を向上させることが可能となる。
なお、前記の各例以外にもさまざまなメッセージがあり得るが、特に限定されない。本実施の形態では、生成した組合せ統計情報を目標値と比較して、目標値への近接の程度を適宜判定することによって、メッセージを表示する状況を判断すればよい。したがって、前記のように複数の組合せ統計情報を用いず、単独の組合せ統計情報のみの判定結果に基づいてメッセージを表示するよう構成されてもよい。また、表示されるメッセージはオペレータにとって参考となるものであればよいが、オペレータは、半自動式組合せ秤10のオペレータであると同時に、被計量物を供給する作業者であり、かつ、組合せ計量の効率を上げるためには、オペレータによる被計量物の供給作業の能力に左右されるので、手動による前記被計量物の前記計量ホッパへの供給を調整するよう促すメッセージであると特に好ましい。
(実施の形態3)
本実施の形態では、前記実施の形態1または2における半自動式組合せ秤10とは異なり、供給ホッパを備えないタイプの半自動式組合せ秤50を用いた具体例について説明する。
[半自動式組合せ秤の基本構成]
まず、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤の基本構成について説明する。図11、図12および図13は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤の構成を模式的に示す図であり、このうち図11は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤を上側から見た平面図であり、図中にも示すが、図の上方が半自動式組合せ秤の後側、図の下方が半自動式組合せ秤の前側、図の左方が半自動式組合せ秤の右側、図の右方が半自動式組合せ秤の左側となる。また、図12は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤を前側から見た正面図であり、図の上方が半自動式組合せ秤の上側、図の下方が半自動式組合せ秤の下側、図の左方が半自動式組合せ秤の右側、図の右方が半自動式組合せ秤の左側となる。また、図13は、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤を左側から見た側面図であり、図の上方が半自動式組合せ秤の上側、図の下方が半自動式組合せ秤の下側、図の左方が半自動式組合せ秤の前側、図の右方が半自動式組合せ秤の後側となる。
本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50は、被計量物の組合せ計量を行う本体51と、操作指令等の入力や動作状況等の表示を行う操作設定表示部61と、本体51から排出される被計量物を搬送する搬送コンベヤ71と、を備えている。
本体51は、図12および図13に示すように、直方体状の基台52と、当該基台52の上面に設けられる天板53と、天板53を貫通して設けられる複数の計量ホッパ55と、図12および図13には図示されない複数の計量センサと、制御基板等の各種電装品を含む電装品収納盤58と、を備えている。
基台52は外形が直方体状であり、内部に搬送コンベヤ71が貫通するように設けられている。基台52の長手方向は搬送コンベヤ71の搬送方向に沿っており、搬送コンベヤ71に対応するように複数の計量ホッパ55が2列に平行して配置されている。また基台52の下方には電装品収納盤58が格納されている。基台52の左上方の後側の側面には支持柱72が取り付けられており、この支持柱72によって操作設定表示部61が基台52(本体51)に固定および支持されている。操作設定表示部61は、前記実施の形態1における操作設定表示部21と同様に、表示器としてカラー液晶表示パネルを備え、操作器として、このカラー液晶表示パネルと一体化されたタッチパネルを備えている構成であり、運転パラメータの表示と設定、運転のON−OFFなどの操作、組合せ計量の演算結果等の表示を行う。
天板53は、基台52の上面の形状に合わせた長方形状の平板となっており、図11に示すように、その中央部には、当該天板53の長手方向に沿って、複数の投入口59が形成されている。これら複数の投入口59は列を構成しており、本実施の形態では互いに平行な2列となっている。これら各投入口59の下側には、図12および図13に示すように、それぞれ天板53を貫通するように、複数の計量ホッパ55が設けられている。
計量ホッパ55は、図12および図13に示すように、天板53の上面に形成された投入口59の下部に設けられている。天板53の下面から突出する部位は排出ゲート(図示せず)となっており、図示されないモータ等の駆動源によって駆動され開できるように構成されている。計量ホッパ55は、基台52内に格納されている計量センサ(図12および図13には図示されない)につながっている。計量センサは、計量ホッパ55内に収容された被計量物の重量を検出する。計量ホッパ55の下方には搬送コンベヤ71が位置している。計量ホッパ55は、投入口59から投入された被計量物を収容し、計量センサにより被計量物の重量が検出され、後述する組合せ計量が行われた後に、排出ゲートを開放することで、搬送コンベヤ71に被計量物を排出する。計量センサとしては、ロードセルが好適に用いられるが、他の重量センサであってもよい。
本実施の形態では、投入口59、計量ホッパ55、および計量センサは、これらで一組の供給計量部となっており、半自動式組合せ秤50は計量供給部を16組備えている。すなわち、図11〜図13に示すように、投入口59、計量ホッパ55、および計量センサは、いずれも16個ずつ設けられている。なお、供給計量部の数は複数であればよく16組に限定されない。
なお、前記実施の形態1では、1個の計量ホッパ15が、2個の独立した収容部15a,15bを備え、計量ホッパ15の総数が9個であり、これら9個の計量ホッパ15が1列に配置されることで、計量部の総数が18個となっている構成となっていた。これに対して、本実施の形態は、計量ホッパ55が8個並んで1列を形成し、この計量ホッパ55の列が互いに平行な2列として設けられている。それゆえ、計量部の総数は16個となる。また、これら計量ホッパ55に合わせて投入口59も2列として形成されている。本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50は、供給ホッパを備えていないため、このように投入口59から投入された被計量物が直接計量ホッパ55に供給されることになる。この構成では、前記実施の形態1に係る半自動式組合せ秤10と比較して投入口59の数が多くなり、オペレータが手動で供給する被計量物の単位時間当たりの数が、相対的に多くなるが、供給ホッパを介さないために計量ホッパ55に対して追加投入を行いやすいという利点がある。
搬送コンベヤ71は、計量ホッパ55から排出された被計量物をその上に載置して、半自動式組合せ秤50の後段に設置されている図示されない包装機(あるいは他の種類の袋詰装置)に搬送する。搬送コンベヤ71は、基台52に支持されており、その搬送方向が計量ホッパ55の配列方向に沿うように、計量ホッパ55の下方に設けられている。これにより、全ての計量ホッパ55から排出される被計量物を搬送面で受け、包装機に搬送することができる。搬送コンベヤ71としては、前記実施の形態1と同様にベルトコンベヤが用いられる。
[半自動式組合せ秤の制御構成]
次に、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50の制御上の構成について説明する。図14は、図11〜図13に示す半自動式組合せ秤50が備える制御系統の概略構成を示すブロック図である。なお、図中矢印は、信号が伝達される方向を示す。
本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50は、図14に示すように、制御部81、記憶部82、搬送コンベヤ駆動回路83、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路85、A/D変換回路87、I/O回路88を有しており、さらに、入出力器として、前記操作設定表示部61と、印字部63とを有している。
制御部81、記憶部82、およびI/O回路88は、例えば、それぞれ、マイクロコンピュータのCPU、内部メモリ、I/O入出力回路で構成される。制御部81は、記憶部82およびI/O回路88に接続されている。また、制御部81には、搬送コンベヤ駆動回路83、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路85、およびA/D変換回路87がそれぞれ接続されている。さらに、制御部81は操作設定表示部61にも接続されている。
搬送コンベヤ駆動回路83は搬送コンベヤ71に接続されており、搬送コンベヤ71の動作を制御する。計量ホッパ用排出ゲート駆動回路85は、個々の計量ホッパ55が有する排出ゲート75に接続されており、制御部81からの制御信号に従って排出ゲート75の動作を制御する。A/D変換回路87は計量センサ57に接続されており、計量センサ57からのアナログ信号をデジタル信号に変換する。なお、前記実施の形態1と同様に、図14では、第1番目の計量ホッパ55の参照符号を55−1、第2番目の計量ホッパ55の参照符号を55−2、第n番目の計量ホッパ55の参照符号を55−nとして示す。計量センサ57も同様に参照符号を付すものとする。本実施の形態では、半自動式組合せ秤50が前記のとおり計量ホッパ55を16個備えているので、n=16となる。
I/O回路88は図示されない包装機に接続され、包装機からの排出命令信号を制御部81に入力するとともに、制御部81からの排出完了信号を包装機に出力する。排出命令信号は、包装機による被計量物の包装のタイミングに合わせて、当該包装機から半自動式組合せ秤50へ出力される信号であり、排出完了信号は、半自動式組合せ秤50で組合せ計量が完了して被計量物が排出されたタイミングに合わせて、当該半自動式組合せ秤50から包装機へ出力される信号である。本実施の形態では、半自動式組合せ秤50の組合せ計量および排出動作と包装機の包装動作とは、これら信号の入出力により連係される。
次に、図4を参照しながら、制御部81による制御動作について説明する。制御部81に対し、操作設定表示部61から、運転パラメータ等の各種の操作情報が入力される。制御部81は、入力された操作情報を記憶部82に記憶させる。記憶された操作情報は、制御部81によって読み出され、必要に応じて操作設定表示部61に出力され、表示画面上に表示される。さらに、制御部81は、操作設定表示部61による操作によって印字部63に各種情報を印字させる。なお、記憶部82には、組合せ計量の演算等を行うためのプログラム等も記憶されている。
計量センサ57からの検出信号は、A/D変換回路87を介して制御部81へ出力される。制御部81は、記憶部82に記憶されたプログラムを用いて、入力された検出信号等を処理する。さらに制御部81は、処理結果に基づいて、搬送コンベヤ駆動回路83、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路85に制御信号を出力する。これにより、制御部81は、搬送コンベヤ71、計量ホッパ55の排出ゲート75の動作を制御する。計量ホッパ55の排出ゲート75の開閉は、制御部81からの制御信号により計量ホッパ用排出ゲート駆動回路85を介して制御される。また、包装機からの排出命令信号は、I/O回路88を介して制御部81へ出力される。制御部81は、計量ホッパ55の排出ゲート75の開閉等を制御するときには、前記排出命令信号に応じて開閉のタイミングを調整するように構成されている。これにより、組合せ計量動作および排出動作が制御される。
制御部81は、組合せ計量動作および排出動作の制御を行うとともに、当該制御に伴って、各種の処理結果(組合せ計量の演算結果等)を生成する。この処理結果は、適宜、記憶部82に記憶されるとともに、必要に応じて操作設定表示部61に出力され、操作設定表示部61の表示画面上に表示される。さらに、必要に応じて操作設定表示部61の操作により印字部63で印字されて出力される。また、制御部81は、排出動作が完了すれば排出完了信号を生成し、I/O回路88を介して包装機へ出力する。
このように、制御部81は、計量ホッパ55、搬送コンベヤ71、包装機の動作を制御することで、被計量物の排出量を調整し、半自動式組合せ秤50を運転する。また、制御部81は、カウンタ89を備えており、このカウンタ89によって組合せ計量の回数(組合せ回数)をカウントし、前記実施の形態1と同様に、組合せ統計情報と対応付けて記憶部82に記憶させるようにもなっている。なお、本実施の形態でも、前記実施の形態1と同様に、複数の制御装置を備える構成であってよい。
[半自動式組合せ秤の動作]
次に、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50において、組合せ計量動作および排出動作の概略について図11ないし図14を参照して具体的に説明する。
まず、半自動式組合せ秤50のオペレータ(作業者)は、空の計量ホッパ55に対応する投入口59から被計量物を投入する。次に、計量ホッパ55に被計量物が供給されれば、当該計量ホッパ55に対応する計量センサ57により被計量物の重量が検出される。重量の検出結果は制御部81に出力される、制御部81は、前記検出結果に基づいて、各計量ホッパ55に収容された被計量物の重量(計量値)を演算して記憶部82に記憶させる。
次に、制御部81は、計量センサ57の検出結果から、所定数以上の計量ホッパ55に被計量物が収容されているか否かを判定し、収容されていれば、得られた計量値を用いて組合せ演算を行う。そして、制御部81は、組合せ演算の結果として得られる、計量ホッパ55の組合せ数の合計重量を、予め設定された目標重量の許容範囲と比較し、その合計重量が前記許容範囲内に入るものについては、制御部81は好適な組合せとして選択する。さらに制御部81は、組合せ計量の処理結果を操作設定表示部61に出力し、表示画面に表示させる。なお、本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50においても、前記実施の形態1と同様に、制御部81は、予め設定した目標計量速度に基づき、一定の時間間隔で組合せ演算を行うよう構成されている。
さらに、制御部81に対しては、I/O回路88を介して包装機より排出命令信号が入力される。そこで、制御部81は、組合せ重量範囲内の計量ホッパ55の最適な組合せがあると判定すれば、計量ホッパ用排出ゲート駆動回路85により、当該組合せに参加している計量ホッパ55の排出ゲート75を駆動して、被計量物を搬送コンベヤ71に排出させる。排出された被計量物は、搬送コンベヤ71の搬送面に載置され図示しない包装機に搬送される。なお、計量ホッパ55からの被計量物の供給に始まり、搬送コンベヤ71への排出に至る一連の動作を一回の計量サイクルと称する。
本実施の形態に係る半自動式組合せ秤50においても、前記実施の形態1と同様に、操作設定表示部61において、運転操作画面、運転状態画面、および運転来歴画面が表示され、運転来歴画面では、組合せ統計情報が表示される。この組合せ統計情報をオペレータ(作業者)に提示することで、オペレータは被計量物の供給作業に関して種々の検討や判断を行うことができるので、供給作業の能力を判定することができるだけでなく、供給作業の能力の向上も図ることができる。
なお、本発明は上記の実施形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。