JP7354073B2 - 物品検査装置および物品検査システム - Google Patents

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Description

本発明は、物品検査装置および物品検査システムに関し、特に物品の質量値等の計量値を検査・判定の対象とする物品検査装置および物品検査システムに関する。
流動性のある原材料をケーシング材、容器、型等に充填して成形する加工食品等の製品(物品)の生産においては、原材料の供給状態の変動や充填機の状態変化等により充填量が不安定になると、製品質量が規定値を下回る軽量品が発生し易くなるため、そのような不良品の発生を抑えるべく、製品質量の計量値のバラツキに応じて充填量を多少増量する設定や調整操作が要求される場合がある。
また、生産開始直後には充填量が不安定で製品質量値のバラツキが大きくなるものの、生産時間の経過に伴い製品質量値のバラツキが略一定値に収束するという場合が多い。そのような場合、製品質量がばらついた状態下で設定された充填量のままで生産を継続したのでは、原材料の消費量が無駄に増加してしまうという問題がある。
そこで、従来、物品の質量値が許容範囲内か否かを検査する物品検査とは別に、物品の質量値とそのバラツキを把握し、ユーザによる充填量の調整に有効なフィードバック情報を提示するようにしたものがある。
例えば、検査部からの検出信号に基づき管理対象値を検出日時と関連付けて記憶するとともに、その管理対象値に対する判定閾値の見直しや検査条件の調整を行う検出感度調整モードを設け、同調整モード下で、所定の集計タイミングを区切りとして区切り間の管理対象値の集計を行い、その最大・最小値や平均値等を判定閾値と共にグラフ表示したり直近の検査信号値を識別可能に表示したりするものが知られている(特許文献1等参照)。
また、製品質量値の所定集計単位であるバッチ毎の計量値の平均値や標準偏差を算出して、それらをグラフ表示するとともに、バッチ毎に予め選択指定した任意数の判定ルールに従って、製品質量値の管理限界値に対する変化を判定し、その判定結果を基に品質管理が正しく行われているか否かをユーザが判断できるようにしたものが知られている(特許文献2等参照)。
特開2016-070780号公報 特開2005-134310号公報
上記従来の物品検査装置および物品検査システムにおいては、バッチ毎に計量値のバラツキ判定を行うことで製造ラインへの有効なフィードバック情報を周期的に生成でき、さらに、バッチ毎に選択指定した判定ルールに従って計量値の管理限界値に対する変化を監視することで、計量部のドリフトの周期等に対応した比較的短期間の計量値変動等をも判定可能にすることができる。
しかしながら、従来の物品検査装置および物品検査システムにあっては、計量値の変化やバラツキとして現れる管理状態の良し悪しを、予め設定された固定の管理基準値や同様に固定された管理条件およびそれらの論理演算で判定していたため、より高度な品質管理要求に対して、次のような未解決の課題があった。
すなわち、予め設定された固定の管理基準値や同様に固定された管理条件およびそれらの論理演算では、生産時間の経過や生産個数の増加に伴って当然に起きる変化に対して、原材料の消費量の変化(例えば増加側への偏りや変動)に影響するような管理状態の良し悪しを的確に判定することができなかった。そのため、計量値のバラツキの継続した変化傾向や急な変動に対して充填機の調整等を的確に行って原材料の無駄な消費を抑えたい場合には、作業者が計量値のバラツキの変化傾向を細かく監視したり観点の異なる多種類の判定条件を設定したりする必要があり、監視負担が増大していた。
また、物品検査システム側で順次算出される計量値等の実測値またはそれらの実測値を統計的に処理した値を、予め設定された生産管理の指標としての固定の管理基準値と対応させて表示しただけでは、生産時間の経過や生産個数の増加に伴って当然に起きるバラツキの変化に比して、実測値の変化がどの程度良好に推移しているのか否かを定量的にかつ視覚的に容易に判定することができなかった。そのため、計量値の変化傾向が継続したり突然大きな変化が生じたりした場合、上流工程の的確な調整のもとで物品検査による品質管理が良好に行われているか否かの評価は、専ら個人のスキルに依存するものとなっていた。
本発明は、かかる未解決の課題を解決するものであり、生産時間の経過等に伴って当然に起きるバラツキの変化に対して実測されるバラツキの変化がどの程度良好に推移しているのかを、表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握でき、原材料の消費量に影響するような調整や管理が正しく行われているか否かを的確に評価可能で品質安定化に寄与し得る物品検査装置および物品検査システムを提供することを目的とする。
(1)本発明に係る物品検査装置は、上記目的達成のため、搬送される被検査物を検査して品質状態を示す検出信号を出力する検査部と、前記検査部からの検出信号に基づいて前記被検査物の合否を判定する判定部と、前記検出信号に基づく検査データおよび検査時刻を含む検査情報を蓄積する検査情報蓄積部と、を備えた物品検査装置において、前記検査データのバラツキを表す統計値を所定の集計単位で算出するバラツキ算出部と、前記バラツキを表す統計値の許容範囲を、所定の基準タイミングからの時間推移に応じて所定のバラツキ基準値に収束するバラツキ限界により設定するバラツキ限界設定部と、前記バラツキ限界と前記バラツキ算出部で順次算出した前記バラツキを表す統計値の時間推移とを比較可能に表示する表示部と、をさらに備えることを特徴とする。
この構成により、バラツキ算出部で算出されたバラツキを表す統計値の時間推移と、その許容範囲となるバラツキ基準値に収束するバラツキ限界の時間推移とを比較参照することができ、バラツキを表す統計値の時間推移が例えば運転期間中に通常生じ得る程度の許容範囲内か否かを的確に判定可能となる。したがって、原材料の消費量に影響するような調整や管理が正しく行われているか否かを個人のスキルに依存することなく的確に評価可能となり、監視負担を抑えつつ品質安定化に寄与し得る物品検査装置となる。
(2)本発明の好ましい形態においては、前記バラツキ算出部で順次算出した前記バラツキを表す統計値が、前記バラツキ限界の範囲内か否かを判定するバラツキ監視部をさらに備える構成とすることができる。そのようにすると、実測されるバラツキを表す統計値がバラツキ限界を越えることを迅速に判定でき、例えば充填量の安定性低下に対して早期の対策を可能にすることで原材料の節約を図ることができる。
(3)本発明の好ましい形態においては、前記検査情報蓄積部が蓄積する前記検査情報には、前記検査データに関する検査条件を表す情報が含まれ、前記バラツキ算出部は、前記検査条件毎に前記バラツキを表す統計値を算出する構成とすることができる。この場合、バラツキの抑制に有効な条件設定やその適時の変更が可能になる。
なお、ここで、検査条件には、例えば品種や原材料等の製品条件、物品検査の前段の生産設備における生産条件や調整作業の条件、気温や湿度等の環境条件、物品検査装置の設定パラメータや判定条件、設定モード等の物品検査条件が含まれ得る。また、各バッチ処理の条件、比較する各運転期間(生産時間)の開始からその運転中の各バッチ処理期間等の所定集計単位までの経過時間等が含まれ得る。
(4)本発明の好ましい形態においては、前記検査情報蓄積部に蓄積された過去の同種の検査データのうち、運転モニタ期間に対応する実績運転期間中に前記バラツキ算出部で算出されたバラツキを表す統計値を基に、前記実績運転期間中の前記所定集計単位毎の前記バラツキ限界を算出するバラツキ評価部をさらに備える構成とすることができる。
この場合、バラツキ算出部で算出された現運転モニタ期間におけるバラツキを表す統計値が、バラツキ評価部で過去の実績運転期間の検査データに基づいて算出されたバラツキ限界の時間推移とを比較参照することができるので、運転期間中に通常生じ得る程度の許容範囲内か否かをより的確に判定可能となる。
(5)本発明に係る物品検査システムは、物品検査装置、情報蓄積装置およびバラツキ評価装置を備える物品検査システムであって、前記物品検査装置は、搬送される被検査物を検査して品質状態を示す検出信号を出力する検査部と、前記検査部からの検出信号に基づいて前記被検査物の合否を判定する判定部と、を有するとともに、前記情報蓄積装置は、前記検出信号に基づく検査データおよび検査時刻を含む検査情報を蓄積し、前記バラツキ評価装置は、前記検査データのバラツキを表す統計値を所定の集計単位で算出するバラツキ算出部と、前記バラツキを表す統計値の許容範囲を、所定の基準タイミングからの時間推移に応じて所定のバラツキ基準値に収束するバラツキ限界により設定するバラツキ限界設定部と、前記バラツキ限界と前記バラツキ算出部で順次算出したバラツキを表す統計値の時間推移とを、比較可能に表示する表示部と、を有していることを特徴とする。
この構成により、バラツキ評価装置のバラツキ算出部で算出されたバラツキを表す統計値の時間推移と、バラツキ限界設定部で設定されるバラツキを表す統計値の許容範囲となるバラツキ限界の時間推移とを比較参照することができ、バラツキを表す統計値の時間推移が例えば運転期間中に通常生じ得る程度のバラツキの範囲内か否かを的確に判定可能となる。したがって、原材料の消費量に影響するような調整や管理が正しく行われているか否かを個人のスキルに依存することなく的確に評価可能となり、監視負担を抑えつつ品質安定化に寄与し得る物品検査システムとなる。また、情報蓄積装置やバラツキ評価装置を、複数の物品検査装置に共用可能となる。
(6)本発明の好ましい実施形態においては、前記情報蓄積装置が蓄積する前記検査情報には、前記検査データに関する検査条件を表す情報が含まれ、前記バラツキ算出部は、前記検査条件毎に前記バラツキを表す統計値を算出する構成としてもよい。この場合、バラツキの抑制に有効な条件設定やその適時の変更が可能になる。
(7)本発明の好ましい実施形態においては、前記情報蓄積装置が、前記被検査物の計量値を含む前記検査情報を前記物品検査装置から取得して蓄積する一方、前記バラツキ評価装置は、前記情報蓄積装置に蓄積された過去の同種の検査データのうち、運転モニタ期間に対応する実績運転期間中に前記バラツキ算出部で算出されたバラツキを表す統計値を基に、前記実績運転期間中の前記所定集計単位毎の前記バラツキ限界を算出するバラツキ評価部を有し、前記バラツキ算出部により、前記運転モニタ期間中に前記情報蓄積装置に蓄積される検査データに基づいて、所定のバッチ処理周期毎の前記計量値のバラツキを表す統計値を算出する構成とすることができる。
この場合、任意のバッチ処理周期で算出されるバラツキを表す統計値の時間推移とバラツキ限界時間推移とを表示部で比較参照することで、実測される計量値やバラツキの変化が生産時間の経過等に伴って当然に起きる変化やバラツキに対してどの程度良好に推移しているのかを、表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握可能となる。
(8)本発明の好ましい実施形態においては、前記運転モニタ期間中、所定監視周期で、前記バラツキを表す統計値が前記バラツキ限界を越えていないか監視して、越えた場合には、該バラツキの異常状態を前記表示部にメッセージ表示するかまたは警告通知音出力するようにしてもよい。
このようにすると、実測されるバラツキを表す統計値がバラツキ限界を越えた異常状態を表示部のメッセージ表示または警告通知音出力によって早期に把握可能となる。
(9)本発明の好ましい実施形態においては、前記検査条件が、前記被検査物の品種または原材料を含む製品条件と、前記検査の前段階における生産条件または調整作業条件と、気温その他の環境条件と、を含む構成とすることができる。
この場合、過去の同種の検査データのうち実績運転期間中の対応する所定集計単位毎のバラツキ限界を検査条件によって的確に抽出でき、所定集計単位毎の有効なバラツキ限界を算出可能となる。
本発明によれば、バラツキを表す統計値の時間推移を対応する過去の生産実績を基にしたバラツキ限界の時間推移との比較表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握でき、原材料の消費量に影響するような管理が正しく行われているか否かを個人スキルに依存することなく的確に評価可能で、監視負担を抑えつつ品質安定化に寄与し得る物品検査装置および物品検査システムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の概略構成図である。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置において所定サンプル数のバッチ毎に統計処理される計量値のバラツキの時間推移の説明図である。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の表示部においてバッチ毎の計量値のバラツキの時間推移とバラツキ限界の時間推移とを併せて例示するバラツキ評価グラフの説明図で、(a)は計量値のバラツキ傾向がバラツキ上限値を越えている場合を、(b)は計量値のバラツキ傾向がバラツキ上限値を越えない許容範囲内で推移している場合を示している。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の表示部においてバッチ毎の計量値のバラツキの時間推移とバラツキ限界の時間推移とを併せて例示するバラツキ評価グラフの説明図で、計量値のバラツキが突発的に上昇した場合を示している。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の表示部においてバッチ毎の計量値のバラツキの時間推移とバラツキ限界の時間推移とを併せて例示するバラツキ評価グラフの説明図で、計量値のバラツキが過去のバラツキ下限値レベルより低い値に収束する場合を示している。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の調整管理部において実行されるバッチ毎の計量値のバラツキ評価プログラムの概略の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の表示部においてバッチ毎の計量値のバラツキの時間推移とバラツキ限界の時間推移とを併せて例示するバラツキ評価グラフの説明図で、バラツキ限界に対する計量値のバラツキ割合を表示する場合を示している。 本発明の第1実施形態に係る物品検査装置の表示部においてバッチ毎の計量値のバラツキの時間推移とその上限を規定するバラツキ限界の時間推移とを併せて例示するバラツキ評価グラフの説明図で、計量値のバラツキがバラツキ上限値を越えると警告を行う前提の下、製品ロットの変更に伴う時間リセットを実行する場合を示している。 本発明の第2実施形態に係る物品検査システムの概略システム構成図である。 本発明の第3実施形態に係る物品検査装置の概略構成図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しつつ説明する。
(第1実施形態)
図1ないし図8は、本発明の第1実施形態に係る物品検査装置を示しており、その物品検査装置を食品製造ライン中に設けた場合を例示している。
本実施形態の物品検査装置は、例えば蒲鉾やハンバーグその他の加工食品のように流動性のある原材料をケーシング材、容器、袋類等に充填する製品(物品)、あるいは、生地を焼き型に流し込んで成形する焼き菓子等の製品(物品)の質量を計量し、製品質量の許容範囲内か否かを検査することができるものである。
まず、構成について説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の食品充填・検査ライン10には、被検査物である物品Wを同図中の右側に順次搬送する複数のコンベア11、12、13(搬送手段)と、前段のコンベア11上に製品を順次投入する充填機20(上流側の機器)と、充填機20から投入されて前段のコンベア11から中段のコンベア12に搬入された物品Wに対し、中段のコンベア12上の所定の搬送区間内で物品検査を実行する検査部30と、中段のコンベア12から後段のコンベア13上に排出される検査済みの物品Wをその検査結果に応じて選別(振分排出)する図示しない選別手段とを具備している。
充填機20は、例えば公知の充填包装機であり、その充填包装作業後の物品Wを、前段のコンベア11から検査部30側に順次投入するようになっている。また、充填機20は、各物品Wの充填包装作業が完了する度に、その充填包装作業が正常に完了したか否かを判定し、充填包装作業に異常が発生したと判定したときにはその作業不良の物品WについてのNG信号(外部NG信号)を出力できるようになっている。
検査部30は、各物品Wについて要求される内容物の充填量その他の品質状態について検査を行うもので、例えば秤量台付きの中段のコンベア12を介して物品Wの質量を計量する計量ユニット31を有している。この計量ユニット31は、詳細を図示しないが、秤量台付きの中段のコンベア12からの鉛直方向の荷重を受けてその荷重に応じた検出信号を出力する公知のロードセルや電磁平衡はかりのような荷重検出手段と、荷重検出手段の検出信号に応じた質量計量値を算出する質量算出手段とによって構成されている。
また、検査部30には、物品Wの質量計量値に基づいて所定条件の検査処理を実行する主制御部50が付設されており、この主制御部50には、計量ユニット31からの計量値xを取り込んで読み出し可能に記憶する検査情報蓄積部40が設けられている。
具体的には、検査情報蓄積部40は、物品Wが検査部30を通過する度に計量ユニット31から出力される物品W毎の検査データを質量の計量値xおよび検査時刻t(運転時間)を含む検査情報として同一の検査条件毎に分類して蓄積記憶するようになっている。
ここにいう同一の検査条件とは、例えば物品Wの品種または原材料を含む製品条件、物品検査の前段の充填機20等の生産設備における生産条件または調整作業条件(作業者識別コードの違いを含み得る)、気温その他の環境条件が含まれるとともに、検査部30の設定パラメータや主制御部50での判定条件、設定モード等の物品検査条件が含まれる。また、ここにいう同一の検査条件には、後述する計量値のバッチ処理の条件と、そのバッチ処理による実測データの評価に用いる過去の各運転期間(生産時間)の開始からその運転中の各対応バッチ処理期間(所定集計単位)までの経過時間が含まれ得る。
また、検査データの検査時刻tは、質量計量値をその計量時刻と関連付けることができる他の時刻情報であってもよく、充填機20および検査部30の運転毎、例えば各運転日の運転開始後の経過時間を、少なくとも検査データの集計時間毎に把握可能なタイミング情報であればよい。
主制御部50には、計量ユニット31からの質量計量値の検出信号を基に今回計量された物品Wが製品質量の許容範囲内に入るか否かを合否判定する判定部51が設けられており、判定部51の判定結果を基に、前述の選別手段への選別信号を出力することができるようになっている。
また、主制御部50には、管理情報制御部52および記憶部53を有する調整管理部55が併設されており、調整管理部55には、検査情報蓄積部40に蓄積された検査データを含む検査情報を基に、管理情報として所定生産時間またはそれに対応する所定生産個数(以下、バッチともいう)毎に物品Wの質量値の平均値や標準偏差等(標準偏差でなく、分散、平方和、範囲その他のバラツキを表す統計量でもよい)のバラツキを表す統計値σi(以下、バラツキσiともいう)としてバラツキ情報を算出するバッチ処理を繰り返し実行するバラツキ算出部61と、バラツキσiの許容範囲となるバラツキ限界を基にバラツキ算出部61でバッチ毎に算出されたバラツキσiを所定の評価条件で評価するバラツキ評価部62と、前述のバラツキ限界を既知のバラツキ情報を基に設定するバラツキ限界設定部63とが設けられている。
なお、バラツキ限界は、専用のバラツキ限界設定部63で設定するのでなく、管理情報制御部52が、既知のバラツキを表す統計値の許容範囲となるバラツキ限界を取得して設定するようにしてもよい。具体的には、例えば他の装置等で得られた、所定の基準タイミングからの時間推移に応じて所定のバラツキ基準値に収束するバラツキ限界の時間推移の値を、後述する表示操作部70による設定や、予め記憶部53に記憶させ、対応する値を呼び出して設定することができる。
主制御部50には、さらに、表示出力等のためのデータ通信を制御する表示制御部57が設けられるとともに、ユーザによる設定操作入力やユーザに対する画面表示出力等が可能なタッチパネル式の表示操作部70がデータ通信可能に接続されている。
表示制御部57は、判定部51および管理情報制御部52と協働して表示操作部70における表示内容を切替え可能に制御する機能を有している。
また、表示制御部57は、表示操作部70の画面71上でのタッチパネル操作入力によって、特定の検査結果表示画面の表示要求操作がなされたとき、検査情報蓄積部40に蓄積された検査データおよび判定部51からの判定結果データに基づいて、その検査結果画面に関連付けられた所定の表示項目の画像を表示操作部70の画面71上に出力させるようになっている。この表示部としての表示制御部57は、バラツキ算出部61で所定集計単位であるバッチ毎の検査データのバラツキσが算出される度に、バラツキ限界の上限を示すバラツキ上限値UCLの時間推移と検査データのバラツキσiの時間推移との表示内容を更新することができる。
主制御部50および調整管理部55は、それぞれ具体的なハードウェア構成を図示しないが、少なくとも例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力インターフェース回路を含むマイクロコンピュータ構成に加え、搬送駆動用のドライバに入出力信号を与えるプログラマブルコントローラや、データベース機能を発揮し得るストレージデバイス等を含んで構成されている。主制御部50は、さらに外部のサーバ端末等とのデータ通信機能を有しており、新規製品の投入タイミングや投入製品のロット変更等の実行タイミングに関する情報をそれに先立って受信することができるようになっている。
主制御部50は、ROM等に格納された複数の制御プログラム、例えば質量計測を伴う検査の制御プログラムによって検査部30の作動を制御するとともに、質量計測結果に応じた画面表示のための表示制御プログラム等によって前述の選別手段への選別信号の出力制御や表示操作部70による表示内容の制御を実行することができる。
調整管理部55は、記憶部53に格納された検査データの統計処理プログラムおよびその処理結果に応じたフィードバック情報生成プログラム等に従って、バラツキ算出部61およびバラツキ評価部62をバッチ毎に作動させるようになっている。そして、バラツキ算出部61およびバラツキ評価部62は、計量ユニット31から出力される質量計量信号(検査データ)を基に、その計量値xの管理情報として、例えば充填機20の充填量に応じた物品Wのバッチ毎の質量の平均値とその標準偏差等のバラツキ情報を生成し、充填機20による充填量の調整に有効なフィードバック情報をユーザに提示したり、充填機20の制御系にフィードバック情報として出力したりすることができるようになっている。なお、充填機20とのデータ通信のために調整管理部55で用いるインターフェースは、特定の形式に限定されるものではない。
調整管理部55は、さらに、食品充填・検査ライン10における充填機20および検査部30の現運転モニタ期間より前に前述の同一の検査条件下で検査情報蓄積部40に蓄積された過去の同種の検査データ、特に、現運転モニタ期間に対応する正常な実績運転期間中の検査データについてバラツキ算出部61で算出されたか新たなバッチ毎に算出される過去のバラツキ情報を基に、バラツキ評価部62で、バッチ毎のバラツキ評価基準となるバラツキ限界(その限界値を含む識別可能な範囲でもよい)を算出することができる。
具体的には、バラツキ算出部61は、例えば現運転モニタ期間(現運転開始(基準タイミング)後に運転継続する所定監視時間)中の最新のバッチiの検査終了毎に、そのバッチのサンプル数(例えばk個)に対応する複数の質量計量値(図1中に(x1-xk)iで示す)の平均値および標準偏差を算出し、その標準偏差をバッチ毎の時間情報と関連付けたバラツキσiとして、検査情報蓄積部40に(更に表示制御部57に)出力するようになっている。
バラツキ評価部62は、現運転モニタ期間の検査データと検査条件が同条件で、現運転モニタ期間に対応する複数の異なる実績運転期間(その開始から予め設定した所定監視時間以上の期間)中の検査データについて、各実績運転期間の開始からの経過時間が同生産時間帯(i)または同生産数帯となる複数の対応バッチ毎に、対応バッチの各バッチyのサンプル数(例えばk個)分の質量計量値(図1中に(x1-xk)yで示す)に関する標準偏差をバラツキSDiとして算出するとともに、複数の対応バッチについてのバラツキSDiの平均値AvgSDiを算出し、それらの算出値の偏差平方和から得られる分散V(例えば(SDi-AvgSDi)/(k-1)の総和)の平方根をとった標準偏差σ´を対応バッチ毎のバラツキSDiのバラツキ幅を規定する値(以下、バラツキσ´という)として算出することができる。
そして、バラツキ評価部62は、複数の対応バッチについてのバラツキSDiの平均値AvgSDiとバラツキSDiのバラツキ幅n・σ´とを基に、複数の対応バッチ毎に検査データのバラツキ限界の値UCLを次式〔1〕により算出することができる。
UCL=AvgSDi+n・σ´ ・・・〔1〕
ただし、nは、使用者が任意に設定できる評価係数で、例えば3である。
なお、(1)式に示すバラツキ限界の上限を示すバラツキ上限値UCLは、複数のバラツキSDiのバラツキ範囲の上限値と推定し得るものであり、バラツキ評価部62は、複数の対応バッチの検査データに関するバラツキSDiの平均値AvgSDiとバラツキSDiのバラツキσ´とを基に、複数の対応バッチ毎に検査データのバラツキ限界の下限を示すバラツキ下限値LCLを次式〔2〕により算出するようにしてもよい。
LCL=AvgSDi-n・σ´ ・・・〔2〕
調整管理部55は、さらに、現運転モニタ期間中の各バッチの経過毎に、そのバッチの検査データについて、バラツキ算出部61で質量計量値の標準偏差とバッチ毎の時間情報を関連付けた現運転モニタ期間中の最新バッチの検査データのバラツキσiを、バラツキ評価部62で複数の対応バッチの検査データについて算出した複数のバラツキSDiのバラツキσ´に対応するバラツキ上限値UCLと共に、表示制御信号を主制御部50から表示操作部70に出力させる。そして、現運転モニタ期間について予め設定された所定バッチ数(例えば予定生産数に対応する全バッチ数)に達するまでの間に、図2に示すように現運転モニタ期間の所定バッチ数の検査データのバラツキσを、図3に示すように最新バッチのバラツキσiを集計毎に順次移動させながら、所定バッチ数に対応する複数組の対応バッチの複数のバラツキ上限値UCLを含んだ曲線または折れ線(以下、バラツキ限界線という)と比較参照可能に表示させるようになっている。
調整管理部55の管理情報制御部52は、バラツキ算出部61で算出した現運転モニタ期間中の最新バッチの検査データのバラツキσiが、その最新バッチに対応する生産実績期間中の複数の対応バッチについてのバラツキSDiのバラツキσ´に対応するバラツキ上限値UCLを越えるか、すなわちバラツキ限界の範囲内か否かを所定監視周期(1バッチ分の周期でも複数バッチ分の周期でもよい)で判定し、検査データのバラツキσをバラツキ上限値UCLを基準として実質的にリアルタイム監視するバラツキ監視部54の機能を併有している。
検査情報蓄積部40および表示操作部70は、表示操作部70からの設定操作入力に応じて主制御部50における条件設定モードを起動する等して、前述の同一の検査条件を予め設定する条件設定手段の機能をさらに有している。
次に、動作について説明する。
以上のように構成された本実施形態の食品充填・検査ライン10においては、充填機20による内容物充填後に搬送される物品Wが検査部30で検査され、計量ユニット31から主制御部50に質量計量信号が出力される現運転のモニタ期間中、主制御部50で所定のバラツキ評価プログラムが実行される。
この評価プログラムの実行に先立っては、主制御部50を起動し、データ蓄積部である検査情報蓄積部40での検査部30の測定結果の蓄積と、任意のバッチ処理周期での質量値のバラツキσの算出処理とのそれぞれを可能な状態にしておく。
また、バラツキ評価部である調整管理部55にて、検査情報蓄積部40に蓄積された過去の正常な実績運転期間の検査データを基に、これから開始される運転モニタ期間と同条件として扱える任意のバッチ区間を選定してその区間の検査データに関するバラツキSDiを順次算出する。そして、運転モニタ期間の各バッチ相当の生産時間または生産個数毎に、対応する複数の対応バッチに関する複数のバラツキSDiの平均値AvgSDiとバラツキSDiの標準偏差に相当するバラツキσ´とを先行算出可能な複数バッチ数分だけ算出して、運転モニタ期間の各バッチに対応するバラツキ上限値UCLを順次設定する。
次いで、現運転モニタ期間が開始されると、バラツキ算出部61にて、現在の生産についてバッチ周期毎に検査データである質量計量値のバラツキσiを算出し、表示操作部70のタッチパネルである画面71上にて、バラツキ上限値UCLと現在の生産のバラツキσiの推移を時系列でグラフ表示する。また、バラツキ監視部54にて、質量計量値のバラツキσiがバラツキ上限値UCLを越えていなか監視し、越えた場合には、画面71上のメッセージ表示やブザー音によって使用者に通知する。
さらに、検査情報蓄積部40に蓄積された過去の生産実績について、品種や原材料等の製品条件、担当者や前段設備等の生産条件、気温や湿度といった環境条件をデータベース上で関連付けしておくことで、質量計量値のバラツキσiの推移の良し悪しについて原因の分類および分析を可能とする。
図6に示すように、バラツキ評価プログラムは、次のような処理手順で実行される。
まず、物品Wが検査部30を通過し、計量ユニット31から主制御部50に質量計量値が取り込まれると、判定部51によって物品Wの質量値が合否判定される一方で(ステップS11)、物品Wの製品質量その他の検査データおよび検査時刻を含む検査情報が、検査情報蓄積部40によって同一の検査条件毎に蓄積され、測定結果のデータとして収録される(ステップS12)。
このとき、調整管理部55では、現運転モニタ期間(現運転開始後に運転継続する所定監視時間)中に検査情報蓄積部40に順次蓄積される検査データに基づいて、バラツキ算出部61により、物品Wの検査データのバラツキが、現運転モニタ期間中の最新バッチにおける質量計量値(x1-xk)iの標準偏差であるバラツキσiとして順次算出される(ステップS13)。また、算出された各バラツキσiは、バッチ処理条件および時刻情報と関連付けて、検査情報蓄積部40に順次記憶される(ステップS16)。
さらに、調整管理部55では、バラツキ算出部61で算出した現運転モニタ期間中の最新バッチの検査データのバラツキσiを評価する基準情報として、現運転モニタ期間の最新バッチに十分に先行する集計タイミングで、そのバッチに対応する過去の実績運転期間中の複数の対応バッチのバッチ毎の検査データの標準偏差であるバラツキSDiと、複数の対応バッチのバラツキSDiの平均値AvgSDiと、複数の対応バッチの検査データにおけるバラツキSDiの標準偏差であるバラツキσ´とから、バラツキ上限値UCL(=AvgSDi+n・σ´)が算出される。
そして、現運転モニタ期間中の最新バッチの検査データのバラツキσiが対応するバラツキ上限値UCL以下のバラツキ範囲内にあるか否かが実質的にリアルタイムで監視されるとともに(ステップS14)、その監視中のバッチおよび経過バッチ数に対応する検査データのバラツキσと対応する複数のバラツキ上限値UCLで特定されるバラツキ限界線とが、表示操作部70の画面71上に比較可能に表示される(ステップS15)。さらに、検査データのバラツキσiがバラツキ上限値UCLに対しどの程度のバラツキ割合か等のバラツキ評価がなされる(ステップS17)。
したがって、図2に示すような検査データのバッチ毎のバラツキσiの時間推移を、図3(a)および図3(b)に示すように、バラツキ評価部62で算出されたバラツキ上限値UCLの時間推移と比較参照して定量的に容易に評価することができ、例えば検査データのバラツキ(σi)の時間推移が一定値に収束するような傾向となる場合に、その収束値が図3(b)に示すようにバラツキ上限値UCLを下回る適正範囲内にあるか、あるいは、その収束値が図3(a)に示すようにバラツキ上限値UCLを上回り適正範囲外に出るかを、的確に判定することができることとなる。
また、生産開始後、充填機20の動作が安定していない段階では、製品質量の計量値のバラツキは比較的大きなものとなるが、図3(b)に示すように、その際に上限側のバラツキ上限値UCLを越えなければ、日常的に許容できるバラツキであるため、特別な処置は必要ないから、食品充填・検査ライン10を停止させたりすることなく、安心して現運転モニタ期間の経過を見守ることができる。
生産開始後しばらく経過し、本来ならバラツキが収まってくる頃なのに、図3(a)に示すように、通常範囲内に収束せずにバラツキ上限値UCLを越えてしまう場合、バラツキ監視部54でバラツキ異常が検出され、主制御部50から表示操作部70や他の警報装置にアラーム情報が出力され、ユーザ(担当者)に原因調査や改善措置を促す通知を行うことで、異常発生時の早期の対処が可能となる。
このように、検査データのバラツキσiの時間推移がバラツキ上限値UCLの時間推移に対し図3(a)に示すようにバラツキ増加側に外れた場合に、そのバラツキの程度を、例えばバラツキ上限値UCLの時間推移による収束レベルと比較することで、定量的に的確に判定可能となる。
また、検査データのバラツキσiの時間推移が運転期間中の装置の状態変化等に伴って通常生じ得る程度のバラツキ範囲内か否かをも、図3(b)に示すようなバラツキ上限値UCLの時間推移および収束レベルとの比較参照により的確に判定可能となる。
さらに、図4に示すように、生産途中で一度は検査データのバラツキσiが通常範囲内に収束するとともに、バラツキ上限値UCLが略一定値に収束し始めたような段階で、検査データのバラツキσiが突発的に上昇するような変化が生じた場合には、運転開始時のバラツキより低い上昇レベルであったとしても、対応バッチの生産実績を基にしたバラツキ上限値UCLの収束レベルと比較することで、バラツキが大きいことが視覚的に容易にかつ定量的に把握可能となる。したがって、異常発生時の早期の対処が可能となる。
勿論、図5に示すように、バラツキ上限値UCLが略一定値に収束する段階で、検査データのバラツキσiが通常のバラツキ範囲の下限値レベルであるバラツキ下限値LCLを下回るような変化が生じる場合がある。検査データのバラツキσiの時間推移を振り返り、このような場合(搬送異常やセンサ異常に起因するバラツキゼロに近い場合を除く)を見つけたときには、原材料の品質が良好で安定していたり作業者によるいわゆる追い込み調整が良好であったりすることから、対応バッチの生産実績のバラツキレベルに対し、バラツキが小さいことが視覚的に容易にかつバラツキ割合も定量的に把握可能となる。このような場合、良好な生産期間に対応する各種条件をフィードバック情報として出力し、良好な調整や生産条件等の工夫点をユーザに用意に把握可能に提示することができる。
図7に示すように、検査データのバラツキσiが通常範囲内に入っているものの、最新バッチのバラツキσiが原材料のバラツキ等に起因して頻繁に変動するような場合には、表示操作部70の画面71上に、バラツキσiおよびバラツキ上限値UCLの比較可能な表示に加えて、これらの比(σi/UCL)で表されるバラツキ割合〔%〕を併せて表示することにより、バラツキの程度を数値的にかつ容易に把握可能とすることができる。また、バラツキ割合〔%〕が所定値を越えたことをアラーム出力のトリガーとする警報出力条件の設定も可能である。
また、検査データのバラツキσiが通常範囲内に入り、かつ、バラツキ上限値UCLが略一定値に収束した後であっても、物品Wのロット変更等によって検査データのバラツキσiが急に大きくなる場合がある。そのような場合に、過去の生産実績に基づくバラツキ上限値UCLの時間推移だけでは、検査データのバラツキσiがバラツキ上限値UCLを越えてしまい、ユーザに余計な警報出力を行うことになる。
そこで、このような場合には、例えば主制御部50に前述した投入製品のロット変更等の実行タイミング情報をその実行に先立って受信することで、バラツキ上限値UCLが略一定値に収束した後であっても、図8に示すように、ロット変更の段階でリセット(バラツキ上限値UCLがロット変更前製品の投入開始直後と同程度)して、同条件となる対応バッチもしくはロット変更前製品の投入開始後のバッチ処理結果のバラツキ情報に基づくバラツキ上限値UCLのバッチ毎の更新処理を実行させることもできる。勿論、そのような処理を、手動設定でのリセットによって実行することも可能である。
このように、本実施形態においては、バラツキ算出部61で算出された最新バッチまでの検査データのバラツキσの時間推移と、バラツキ評価部62で算出された実績運転期間中の検査データに基づくバラツキ上限値UCLの時間推移とを比較参照することができ、検査データのバラツキσの時間推移が略一定値への収束傾向となるような場合に、その傾向が適正なものか否かを個人のスキルの依存することなく的確に判定可能となる。その結果、バラツキσの監視負担(監視作業者の人件費等)を十分に抑えつつ製品品質の安定化に寄与し得る物品検査が可能となる。
また、検査データのバラツキσの時間推移が運転期間中に通常生じ得る程度のバラツキ範囲内か否かをも、バラツキ上限値UCLの時間推移との比較参照により各判定時期に的確に判定可能となる。
さらに、検査データのバラツキσの時間推移がバラツキ上限値UCLの時間推移に対しバラツキ増加側に外れた場合に、そのバラツキの程度を、バラツキ限界の時間推移との比較参照あるいはバラツキ割合〔%〕の数値表示により、的確に判定可能となる。
加えて、本実施形態では、バラツキ算出部61で算出した検査データのバラツキ(を表す統計値)σiの最新値が、対応する所定集計単位についてのバラツキ上限値UCLを越えるか否かを判定するバラツキ監視部54をさらに備えているので、実測されるバラツキσiの最新値が対応バッチの生産実績に基づくバラツキ上限値UCLを越えることを迅速に判定でき、例えば充填機20の充填動作の不安定時や調整不良時に、定量的な評価指標で有効なフィードバック情報を生成して、早期の対策を可能にすることで、原材料の節約を図ることができる。
また、本実施形態では、検査情報蓄積部40が、前述の同一の検査条件を予め設定する条件設定手段41を有するので、検査データのバラツキの抑制に有効な条件設定やその適時の変更が可能になる。勿論、検査部30の設定操作や状態表示を実行する主制御部50に当該手段の機能を付加して、表示操作部70等でその条件設定を容易にかつ的確に実行することができる。
このように、本実施形態においては、検査データのバラツキσの時間推移を対応する過去の生産実績を基にしたバラツキ上限値UCLの時間推移との比較表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握でき、原材料の消費量に影響するような管理が正しく行われているか否かを個人スキルに依存することなく的確に評価可能で、監視負担を抑えつつ品質安定化に寄与し得る物品検査装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、検査情報蓄積部40によりデータベース蓄積する過去の生産実績の検査データは自機の検査部30(内部)で実測された計量値データとして説明したが、これに限らず、ネットワーク接続された他機の検査部30(外部)での計量値データを含めたものとしてもよい。すなわち、過去の生産実績の検査データについては、対象とする同種の物品検査装置や同種の物品Wの品種について検査データを共用可能な場合がある。また、過去の生産実績の統計処理対象とする期間は、任意である。
具体的には、例えば或る装置の1品種について毎日の生産実績を翌日のバラツキ評価のための統計処理対象としてもよいし、製品の基準値は異なるものの、バラツキを同等の基準で管理したい複数の品種を共通する統計処理対象としてもよい。また、指標にふさわしい安定した生産期間のみを使用者の判断で選択してもよいし、直近3か月間等を指定して定期的に生産実績の検査データを自動更新することで、季節による環境変化等に対応可能にするようにしてもよい。さらに、同一の物品検査システムに属する複数台の物品検査装置で同品種の物品Wを検査している場合に、その全ての実績から共通のバラツキ限界(バラツキ上限)を設定し、複数台の装置に適用することも考えられる。また、設備更新等が実行される場合にその設備更新日として予め指定された日以前の生産実績の検査データを破棄する処理を行うようなことも考えられる。
また、調整管理部55で実行するバッチ処理は、物品検査装置を含む食品充填・検査ライン10の暖機状態等、時間的な変化がバラツキに影響し易い段階では、現生産モニタ期間における所定生産時間をバッチ処理の周期とし、生産時間当たりの生産数が一定でないが生産数量がバラツキに影響し易い段階では、物品Wの所定生産個数をバッチ処理の周期とするように、切り替え可能にすることができる。
主制御部50は、表示操作部70の画面71上に検査データのバラツキσiとそれに対応する複数の対応バッチに関するバラツキ上限値UCLとを表示操作部70の画面71上に比較可能に表示するものとしたが、勿論、帳票等の電子ファイル出力や印刷出力が可能であるし、外部の大型モニタ等に表示出力したり外部の警報装置に警報出力したりすることも可能である。
警報や通知の条件は、検査データのバラツキσiが1バッチについてバラツキ上限値UCLを越えた場合に限らず、検査データのバラツキσiが数バッチについてバラツキ上限値UCLを越えた場合等、ユーザの運用に即して設定可能である。
また、一般的に質量値のバラツキは抑えられた状態が良いので、下限値の設定および監視を必要としないが、極端に低い場合には、搬送異常やセンサ異常といった不具合が発生した場合が含まれ得るので、そのような場合に、下限側のバラツキ下限値LCLを評価基準とすることができる。
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態に係る物品検査システムの概略構成を示している。
本実施形態は第1実施形態の物品検査装置における主制御部50から、検査情報蓄積部40や調整管理部55のバラツキ算出部61およびバラツキ評価部62を切り離して、それらをデータ通信可能なネットワーク80を介して相互接続したものである。よって、本実施形態において前述の第1実施形態の対応する構成要素には図1ないし図8に図示された符号と同一の参照符号を用いて、以下、主に第1実施形態との相違点について説明する。
図9に示すように、本実施形態の物品検査システム1は、食品充填・検査ライン10の検査部30に加えて、検査情報蓄積部140(情報蓄積装置)、主制御部150およびバラツキ評価装置160を備えている。
また、本システムの食品充填・検査ライン10は、搬送される物品Wを検査してその品質状態を示す検出信号を出力する検査部30と、主制御部150とを具備しており、主制御部150は、検査部30からの検出信号に基づいて物品Wの品質状態の合否を判定する判定部51と、前述の第1実施形態と同様な管理情報制御部52、記憶部53およびバラツキ監視部54を有する調整管理部55とを有している。
検査情報蓄積部140は、検査部30の計量ユニット31からの検出信号に基づく検査データおよび検査時刻を含む検査情報を、同一の検査条件毎に蓄積することができる。
バラツキ評価装置160は、現運転モニタ期間中に検査情報蓄積部140に蓄積される検査データについてバッチ毎の検査データのバラツキσを順次算出するバラツキ算出部61と、同一の検査条件下で検査情報蓄積部140に蓄積された過去の同種の検査データのうち、現運転モニタ期間に対応する実績運転期間中にバラツキ算出部61で算出された検査データのバラツキSDiを基に、実績運転期間中の所定集計単位毎のバラツキ上限値UCLを算出するバラツキ評価部62(バラツキ限界値算出部)と、バラツキ評価部62で算出したバラツキ限界の時間推移とバラツキ算出部61で算出した検査データのバラツキσiの時間推移とを、運転モニタ期間中の任意期間で比較可能に表示する表示部、例えば表示操作部70とを有している。
検査情報蓄積部140およびバラツキ評価装置160は、双方が一体化された装置構成をなしていてもよい。
本システムにおいては、検査情報蓄積部140が、物品Wの計量値を含む検査情報を検査部30から取得して、計量値のバラツキを任意のバッチ処理周期で算出可能な状態に蓄積する一方、バラツキ評価装置160は、バラツキ算出部61により、実績運転期間中に検査情報蓄積部に蓄積された過去の同種の検査情報に基づいて、所定のバッチ処理周期毎の複数の対応バッチの計量値のバラツキ平均値SvgSDiと計量値のバラツキ幅に対応するバラツキSDiのバラツキσ´とを算出し、バラツキ評価部62により、それらバラツキ平均値AvgSDiとバラツキσ´とを基に所定集計単位毎のバラツキ上限値UCL(=AvgSDi+nσ´)を算出することができる。
バラツキ監視部54は、現運転モニタ期間中、所定監視周期(複数のバッチ周期分でもよい)で、検査データのバラツキσiの最新値が複数の対応バッチのバラツキ上限値UCLを越えていないか監視して、越えた場合には、そのバラツキの異常状態を表示操作部70の画面71上にメッセージ表示するかまたは図示しない警告ブザー等によって警告通知音を出力させる。
表示操作部70は、バラツキ算出部61でバッチ毎の質量計量値のバラツキσiが算出される度に、バラツキ上限値UCLの時間推移と質量計量値のバラツキσiの時間推移との表示を、更新するようになっている。
現生産モニタ期間の各バッチと過去の生産実績の検査データの対応バッチとを対応付ける前述の同一の検査条件は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においても、前述の第1実施形態と同様に、バラツキ評価装置160のバラツキ算出部61で算出された検査データのバラツキσの時間推移と、検査情報蓄積部140の蓄積情報を基にバラツキ評価部62で算出されたバラツキ上限値UCLの時間推移とを比較参照することができ、例えば検査データのバラツキσiの時間推移が略一定値への収束傾向となるような場合に、その傾向が適正なものか否かを的確に判定可能となる。また、検査データのバラツキσiの時間推移が運転モニタ期間中に通常生じ得る程度のバラツキ範囲内か否かを、バラツキ上限値UCLの時間推移との比較参照により的確に判定可能となる。さらに、検査データのバラツキσiの時間推移がバラツキ上限値UCLの時間推移に対しバラツキ増加側に外れた場合に、そのバラツキの程度を、バラツキ限界の時間推移との比較参照やバラツキ割合〔%〕の表示参照により、的確に把握および判定可能となる。
また、本実施形態においても、検査情報蓄積部140にデータベース蓄積される検査データに基づいて、現運転モニタ期間内の所定のバッチ処理周期毎の質量計量値のバラツキσiを算出し、バラツキ評価部62により、過去の実績運転期間中の複数の対応バッチについて算出された複数のバラツキSDiの平均値AvgSDiとそのバラツキSDiの標準偏差であるバラツキσ´とを基に、バッチ毎のバラツキ上限値UCLを算出する。
したがって、任意のバッチ処理周期で算出される検査データのバラツキσiの時間推移とバラツキ上限値UCLの時間推移とを表示操作部70の画面71上で比較参照することにより、実測されるバラツキσiの変化が生産時間の経過等に伴って当然に起きる変化に対してどの程度良好に推移しているのかを、表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握可能なる。
また、本実施形態においても、現運転モニタ期間中、所定監視周期で、検査データのバラツキσiの最新値がバラツキ上限値UCLを越えていないか監視して、越えた場合には、そのバラツキの異常状態を表示操作部70にメッセージ表示するかまたは警告通知音出力するようになっている。したがって、実測されるバラツキσiの最新値がバラツキ上限値UCLを越えた異常状態を表示操作部70のメッセージ表示または警告通知音出力によって早期に把握可能となる。
さらに、前述の同一の検査条件の設定により、過去の同種の検査データのうち実績運転期間中の対応バッチ毎のバラツキ上限値UCLを検査条件によって的確に抽出でき、バッチ毎の有効なバラツキ上限値UCLを算出可能となる。
加えて、本実施形態では、検査情報蓄積部140およびバラツキ評価装置160を多数台の検査部30に対応する多数の主制御部150のそれぞれに共用することができるので、簡素なシステム構成にするとともに、検査データの共用により対応バッチ数の早期確保や各種サンプルサイズのバッチ処理の選択等を容易化できることとなる。
このように、本実施形態の物品検査システムにおいては、検査データのバラツキσiの時間推移を対応する過去の生産実績を基にしたバラツキ上限値UCLの時間推移との比較表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握でき、原材料の消費量に影響するような管理が正しく行われているか否かを的確に評価可能な物品検査システムを提供することができる。
なお、上述の各実施形態では、本発明を質量の計量(秤量)ユニットを有する物品検査装置または物品検査システムとして説明したが、本発明は被検査物にX線を透過させX線透過率を基に被検査物の等価厚や質量を算出することのできる物品検査装置のように、物品の品質状態を検査するのに使用される他の計量値のばらつき評価にも適用可能である。また、本発明にいうバラツキは、標準偏差に相当するものとして説明したが、実績運転期間の検査データのバラツキ幅やデータ量等に応じて、標準偏差に代わり得る他のバラツキ、例えば対応バッチ毎の検査データの最大値と最小値の差等を用いることも考えられる。換言すれば、バラツキを表す統計値として標準偏差を用いて説明したが、統計値が、分散、平方和、範囲等他のバラツキを表す統計量であってもよいことは言うまでもない。
また、上述の各実施形態では、本発明を物品検査装置および物品検査システムとしたが、本発明は、物品検査段階、情報蓄積段階およびバラツキ評価段階を含む物品生産方法にも適用可能である。
その場合、物品検査段階は、搬送される被検査物(W)を検査して品質状態を示す検出信号(x)を出力する検査ステップと、検出信号に基づいて被検査物の合否を判定する判定ステップと、を有するとともに、情報蓄積段階は、検出信号に基づく検査データおよび検査時刻を含む検査情報を同一の検査条件毎に蓄積する情報蓄積ステップを有するものとなる。また、バラツキ評価段階は、被検査物の検査の開始後に情報蓄積段階で蓄積される所定集計単位の検査データの検査データのバラツキ(σi)を算出するバラツキ算出ステップと、被検査物の検査の開始前に該検査と同一の検査条件の検査の結果として蓄積された蓄積済み検査データのうち、少なくとも所定集計単位の蓄積済み検査データについて、バラツキ算出ステップで算出される検査データのバラツキと同種の過去のバラツキ情報を算出する過去のバラツキ情報算出ステップと、該過去のバラツキ情報に含まれるバラツキの平均値およびバラツキ幅に基づいてバラツキ上限値(UCL)を算出するバラツキ限界値算出ステップと、バラツキ限界の時間推移とバラツキ算出部で算出した所定集計単位の検査データのバラツキの時間推移とを所定集計単位の任意期間で比較可能に表示する比較表示ステップと、を有するものとなる。
さらに、その場合、前述の各実施形態と同様に、情報蓄積ステップで、物品検査装置から質量値を含む情報を取得してデータベースに蓄積し、任意のバッチ処理周期で、該質量値のバラツキ(σ)を算出可能な状態にしておき、バラツキ算出ステップで、生産中の被検査物についてバッチ処理周期毎に現在の生産のバラツキ(σi)を算出する一方、情報算出ステップで、データベースに蓄積された過去の生産実績の情報を基に、同一の検査条件として扱えるバッチ区間のバラツキ(SDi)を集計し、バラツキ限界値算出ステップで、バラツキ(SDi)の平均値(AvgSDi)とそのバラツキ(SDi)のバラツキ幅(n・σ´)を算出し、それら平均値およびバラツキ幅に基づいて当該バッチ区間のバラツキ限界の上限を示すバラツキ上限値(UCL=AvgSDi+nσ´)を算出することで、比較表示ステップで、バラツキの限界と現在の生産のバラツキとの推移をそれぞれ時系列でグラフ表示するとともに、バッチ処理周期より短い所定監視周期で、現在の生産のバラツキ(σi)が上限値(UCL)を越えていないか監視し、越えた場合には、比較表示を実行する画面上にメッセージ表示または警告通知音の出力を実行することができる。また、そのような方法を実現するため、バラツキ評価段階で、同一の検査条件を設定する条件設定ステップを有する構成としたり、同一の検査条件が、被検査物の品種または原材料を含む製品条件と、検査の前段階における生産条件または調整作業条件と、気温その他の環境条件と、を含むように構成したりすることができる。なお、バラツキを表す統計値として標準偏差を用いて説明したが、統計値が、分散、平方和、範囲等他のバラツキを表す統計量であってもよいことは言うまでもない。
以上説明したように、本発明の物品検査装置および物品検査システムは、検査データのバラツキの時間推移を対応する過去の生産実績を基にしたバラツキ限界の時間推移との比較表示内容から定量的にかつ視覚的に容易に把握でき、原材料の消費量に影響するような管理が正しく行われているか否かを的確に評価可能な物品検査装置および物品検査システムを提供することができる。かかる本発明は、物品の質量値等の計量値を検査・判定の対象とする物品検査装置および物品検査システム全般に有用である。
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態に係る物品検査装置の概略構成を示している。
本実施形態は第1実施形態の物品検査装置と類似するものの、第1実施形態とは検査部30の構成が相違するものである。よって、本実施形態において前述の第1実施形態の対応する構成要素には図1ないし図8に図示された符号と同一の参照符号を用いて、以下、主に第1実施形態との相違点について説明する。
上述した各実施形態の物品検査装置および物品検査システムでは、被検査物の質量計量値xに基づいてバラツキを表す統計値σiを算出する形態を説明したが、本実施形態においては、検査部30が、第1実施形態の計量ユニット31に代えて、例えば画像検査ユニット31Aや磁界検出ユニット31B等をそれぞれ単独でまたはそれぞれを組み合わせて使用する構成となっている。この場合、被検査物の量に応じて得られる検出信号da、dbをそれぞれに独立した計量値xとして選択的にまたは並列に入力することにより、検査画像の画素濃度daや磁界検出信号の振幅値や位相値dbについてのバラツキσia、σibのいずれか一方または双方を表す統計値σiが算出される。
画像検査ユニット31Aとして、例えばX線検査ユニットから出力される検出信号daに基づき生成されるX線透過画像を用いた場合には、画像上の画素濃度の最大値や、所定濃度以上の連続する画像領域の面積(画素数)といった値を用いてバラツキを表す統計量σiaを算出することにより、被検査物全体としてのバラツキだけでなく、局所的な特徴量に基づいてバラツキを管理できるようになるから、ハンバーグの成型工程やすり身の製造工程等を含む工程管理に有用である。
また、磁界検出ユニット31Bから出力される磁界検出信号に基づき得られる振幅値や位相値dbは、特に、食品の温度や水分に応じて変動することが知られているため、そのバラツキσibを基に調理工程や冷凍・解凍工程を含む工程管理に有用である。
1 物品検査システム
10 食品充填・検査ライン(物品検査装置)
11 前段のコンベア
12 中断のコンベア
13 後段のコンベア
20 充填機
30 検査部(物品検査装置)
31 計量ユニット
31A 画像検査ユニット
31B 磁界検出ユニット
40 検査情報蓄積部(情報蓄積装置)
41 条件設定手段
50 主制御部
51 判定部
52 管理情報制御部(バラツキ限界設定部)
53 記憶部
54 バラツキ監視部
55 調整管理部
57 表示制御部
61 バラツキ算出部
62 バラツキ評価部
63 バラツキ限界設定部
70 表示操作部(表示部)
71 画面
80 ネットワーク
140 検査情報蓄積部(情報蓄積装置)
150 主制御部
160 バラツキ評価装置
da、db 検出信号
LCL バラツキ下限値(下限のバラツキ限界)
UCL バラツキ上限値(上限のバラツキ限界)
x 計量値(検査データ)
σi、σia、σib バラツキを表す統計値(バラツキの最新値、バラツキ情報)
σ バラツキ(バラツキを表す統計値)

Claims (9)

  1. 搬送される被検査物を検査して品質状態を示す検出信号を出力する検査部(30)と、
    前記検査部からの検出信号に基づいて前記被検査物の合否を判定する判定部(51)と、
    前記検出信号に基づく検査データおよび検査時刻を含む検査情報を蓄積する検査情報蓄積部(40)と、を備えた物品検査装置において、
    前記検査データのバラツキを表す統計値(σi)を所定の集計単位で算出するバラツキ算出部(61)と、
    前記バラツキを表す統計値の許容範囲を、所定の基準タイミングからの時間推移に応じて所定のバラツキ基準値に収束するバラツキ限界(UCL)により設定するバラツキ限界設定部(63)と、
    前記バラツキ限界と前記バラツキ算出部で順次算出した前記バラツキを表す統計値の時間推移とを比較可能に表示する表示部(70)と、を備えることを特徴とする物品検査装置。
  2. 前記バラツキ算出部で順次算出した前記バラツキを表す統計値が、前記バラツキ限界の範囲内か否かを判定するバラツキ監視部(54)をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の物品検査装置。
  3. 前記検査情報蓄積部が蓄積する前記検査情報には、前記検査データに関する検査条件を表す情報が含まれ、
    前記バラツキ算出部は、前記検査条件毎に前記バラツキを表す統計値を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の物品検査装置。
  4. 前記検査情報蓄積部に蓄積された過去の同種の検査データのうち、運転モニタ期間に対応する実績運転期間中に前記バラツキ算出部で算出されたバラツキを表す統計値を基に、前記実績運転期間中の前記所定集計単位毎の前記バラツキ限界を算出するバラツキ評価部(62)をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の物品検査装置。
  5. 物品検査装置(10)、情報蓄積装置(140)およびバラツキ評価装置(160)を備える物品検査システムであって、
    前記物品検査装置は、
    搬送される被検査物を検査して品質状態を示す検出信号を出力する検査部(30)と、
    前記検査部からの検出信号に基づいて前記被検査物の合否を判定する判定部(51)と、を有するとともに、
    前記情報蓄積装置(140)は、
    前記検出信号に基づく検査データおよび検査時刻を含む検査情報を蓄積し、
    前記バラツキ評価装置(160)は、
    前記検査データのバラツキを表す統計値を所定の集計単位で算出するバラツキ算出部(61)と、
    前記バラツキを表す統計値の許容範囲を、所定の基準タイミングからの時間推移に応じて所定のバラツキ基準値に収束するバラツキ限界により設定するバラツキ限界設定部(63)と、
    前記バラツキ限界と前記バラツキ算出部で順次算出したバラツキを表す統計値の時間推移とを、比較可能に表示する表示部(70)と、を有していることを特徴とする物品検査システム。
  6. 前記情報蓄積装置が蓄積する前記検査情報には、前記検査データに関する検査条件を表す情報が含まれ、
    前記バラツキ算出部は、前記検査条件毎に前記バラツキを表す統計値を算出することを特徴とする請求項5に記載の物品検査システム。
  7. 前記情報蓄積装置(140)が、前記被検査物の計量値(x)を含む前記検査情報を前記物品検査装置から取得して蓄積する一方、
    前記バラツキ評価装置(160)は、
    前記情報蓄積装置に蓄積された過去の同種の検査データのうち、運転モニタ期間に対応する実績運転期間中に前記バラツキ算出部で算出されたバラツキを表す統計値を基に、前記実績運転期間中の前記所定集計単位毎の前記バラツキ限界を算出するバラツキ評価部(62)を有し、
    前記バラツキ算出部(61)により、前記運転モニタ期間中に前記情報蓄積装置に蓄積される検査データに基づいて、所定のバッチ処理周期毎の前記計量値(x)のバラツキを表す統計値(σi)を算出することを特徴とする請求項5または6に記載の物品検査システム。
  8. 前記運転モニタ期間中、所定監視周期で、前記バラツキを表す統計値が前記バラツキ限界を越えていないか監視して、越えた場合には、該バラツキの異常状態を前記表示部にメッセージ表示するかまたは警告通知音出力することを特徴とする請求項7に記載の物品検査システム。
  9. 前記検査条件が、前記被検査物の品種または原材料を含む製品条件と、前記検査の前段階における生産条件または調整作業条件と、気温その他の環境条件と、を含むことを特徴とする請求項6に記載の物品検査システム。
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