JP5301121B2 - 放射冷暖房用合成樹脂管、及び、放射冷暖房用パネル - Google Patents

放射冷暖房用合成樹脂管、及び、放射冷暖房用パネル Download PDF

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Description

本発明は、優れた放射冷暖房効果とともに、適度な可撓性及び自立性を有する放射冷暖房用合成樹脂管、並びに、これを用いてなる放射冷暖房用パネルに関する。
従来から、灯油ボイラーやガス給湯器等で加熱した湯、又は、不凍液を循環させる温水式床暖房パネルや、温水式パネルジェネレーターは、その熱放射効果によるエアコン等と比較して穏やかな暖房の快適さに対する認知が広まりつつあり、集合住宅、戸建住宅はもちろんのこと、特に病室や高齢者施設、児童施設等の穏やかな空調が求められる空間への導入が積極的に進められている。
ところが、これらの温水式暖房器具による熱放射効果の快適さを夏季でも享受しようと、床暖房パネルに冷水を循環させると、冷気は室内の下部に滞留するため期待されたほどの効果は得られず、湿った空気が冷やされてパネルで結露し、建物の根太を腐らせて基礎を損なう危険性があるため、実際には行われるに至っていない。
このような問題に対し、パネルを床面に配置するのではなく、天井面や壁面に配置して冷水を循環させることで人体からの放射熱を吸収し、冷房効果を及ぼす放射冷暖房用パネルが近年注目されている。
このような放射冷暖房用パネルに用いられる配管として、例えば、特許文献1には、架橋ポリエチレン管を利用することが開示されており、また、特許文献2には、合成樹脂からなる管を利用することが開示されている。しかしながら、これらの放射冷暖房用パネルに用いられる配管は、熱伝導率が金属管と比較して遥かに低く、熱放射率もさほど高くないため、室内の熱の授受や熱交換効率を考えると、充分とは言い難いものであった。
また、これらの配管の形態としては、例えば、輻射パネルとしてプレートを付属させたものや、コンクリートスラブに埋め込んだもの等が挙げられるが、合成樹脂等からなる配管は、可撓性を有するため施工時にコンクリート埋設する際に仮止め等が必要であり、大掛かりでシステム価格が上昇し、結果、エアコン代替となるほど爆発的に世の中に広まっていない。
また、一般に、熱放射の効果は、熱源と対象物との温度の4乗の差に比例することが知られており、放射冷暖房用パネルを用いて暖房を行う場合、一般的な熱源機の生み出す配管に循環させる温水の温度は60℃程度であるため、外気温度を5℃程度と仮定すると、その差はΔ55℃もあり、このように外気と循環させる温水との温度差を大きくとることによって、配管の熱交換能力が多少劣っていても充分な暖房を行うことが可能であった。
一方、放射冷暖房用パネルを用いて冷房を行う場合、熱源機側の効率(COP)を悪化させないために配管に循環させる冷水の温度は15℃程度であるため、外気温を35℃程度と仮定すると、その差はΔ20℃と暖房を行う場合と比較して非常に不利となる。
更に、熱の移動には伝導、対流及び放射の3態様があるが、強制的な空気の循環(対流)を伴わない、つまり熱移動の3態様のうち、伝導、放射で多くの熱を伝える放射冷暖房においては、配管内の冷温媒体の温度を配管外部に、熱伝導と熱放射とでいかに効率よく伝えるかが重要となる。例えば、放射冷暖房パネルの配管として、一般的な単層の樹脂管を使用すると、熱放射率εが0.8程度を示すものはあるものの、熱伝導率が低く使用に耐えるものではない。これに対し、例えば、熱伝導率の高い金属管を用いると、ロー付けが必要な継ぎ目が発生したり、金属特有の腐食が発生したりするという問題があった。また、表層からの熱放射を考えると、酸化(腐食)した金属管は熱放射率εが高くなるものの、外観が損なわれるため商品として活用できず、一方、商品として活用できる外観が光沢面をもつ金属管では、熱放射率εが0.2以下程度であり、放射冷暖房パネルの配管として全く不充分であった。
また、放射冷暖房用の配管が金属管であると、硬く自立性があるものの、曲線部にはエルボ等の準備が必要であり、接続部が多くなって信頼性に欠けるという問題があった。一方、合成樹脂管であると、可撓性があるものの、施工時のコンクリートに埋設する際に仮止め等が必要であり、施工に手間がかかるともに施工コストの増大となっていた。そのため、放射冷暖房用の配管には可撓性と自立性との両立が求められていた。
特開2003−160985号公報 特開2001−248850号公報
本発明は、上記現状に鑑み、優れた放射冷暖房効果とともに、適度な可撓性及び自立性を有する放射冷暖房用合成樹脂管、並びに、これを用いてなる放射冷暖房用パネルを提供することを目的とする。
また、本発明は、少なくとも、最外層に設けられた熱放射層、上記熱放射層の内面側に設けられた熱伝導層、及び、上記熱放射層と前記熱伝導層との間に設けられた金属層を有する放射冷暖房用合成樹脂管であって、上記熱放射層の熱放射率が0.85以上であり、上記熱伝導層の熱伝導率が0.8W/m・K以上であり、上記熱放射層の厚さが0.01〜5mm、上記熱伝導層の厚さが0.3〜5mm、上記金属層の厚さが0.1〜2mmである放射冷暖房用合成樹脂管である。
以下に本発明を詳述する。
図1は、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20は、少なくとも、最外層に設けられた熱放射層21、熱放射層21の内面側に設けられた熱伝導層23、及び、熱放射層21と熱伝導層23との間に設けられた金属層22を有する。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20において、熱放射層21は、最外層に設けられた管状の部材であって、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20内を循環する冷温媒体の熱を外部に放射させて熱交換を行うものである。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20において、熱放射層21は、熱放射率εの下限が0.85である。0.85未満であると、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20内を循環する冷温媒体の熱が管肉厚を伝わり配管外表面からの熱放射による熱交換が不充分となる。好ましい下限は0.9である。なお、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管において、「熱放射層の熱放射率ε」とは、該熱放射層を構成する樹脂材料を用いてサンプルを作製し、該サンプルを用いて、JIS A 1423「赤外線放射温度計による放射率の簡易測定方法」に準拠した方法により測定した値である。
熱放射層21を構成する樹脂材料としては特に限定されず、例えば、耐熱性ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニル等が挙げられる。なかでも、比較的熱伝導率、熱放射率が良好な耐熱性ポリエチレン、架橋ポリエチレンが好適に用いられる。
なお、上述した熱放射層21を構成する樹脂材料は、熱放射率εが0.83以下程度であるため、このままでは充分な熱放射による熱交換を行うまでには至らない。そのため、熱放射層21を構成する樹脂材料が上述したものである場合、樹脂材料よりも放射率の高い充填剤を混入することによって、熱放射率εを上記範囲とすることが必要である。
熱放射層21を構成する上述した樹脂材料に混入させる充填剤としては特に限定されず、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化マンガン、珪素ナトリウム、炭化珪素、カーボンブラック、天然の蛇紋石等が挙げられる。
熱放射層21を構成する上述した樹脂材料に混入させる物質の形状としては特に限定されず、粒状、針状等任意の形状が挙げられるが、いわゆる最密充填となるように粒径を調整し、樹脂材料よりも放射率の高い充填剤の添加部数を増やしたほうが高熱放射化しやすいため好ましい。
熱放射層21を構成する上述した樹脂材料に混入させる充填剤の混入量としては、上記混入させる充填剤の表面状態や比重等によって適宜決定されるが、熱放射層21中好ましい下限が3重量%、好ましい上限が33重量%である。3重量%未満であると、熱放射層12の熱放射率が上記範囲を満たさないことがあり、33重量%を超えると、混合物の流動性が悪化し、成形時の背圧が高くなり成形し難くなったり、また、成形時に脈動したり、樹脂と混合物とが充分に含浸せず、外観不良が起こる場合がある。より好ましい下限は7重量%、より好ましい上限は20重量%である。
熱放射層21は、高い熱伝導率を有することが好ましい。具体的には、熱放射層21の熱伝導率の好ましい下限は0.80W/m・Kである。0.80W/m・K未満であると、熱放射層を通過する熱量が不足し、放射する表層の温度が低下することがある。
なお、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管において、「熱放射層の熱伝導率」とは、該熱放射層を構成する樹脂材料を用いてサンプルを作製し、該サンプルを用いてASTM C177に準拠して測定した値である。
ここで、熱放射層21を構成する材料として上述した耐熱性ポリエチレン等の樹脂材料を用いた場合、これらの樹脂材料は、通常、熱伝導率が0.05〜0.53W/m・K程度である。そのため、熱放射層21を構成する上記樹脂材料に、更に、樹脂材料よりも放射率の高い充填剤である金属、無機材料及び/又はカーボン等の充填剤を添加し、その熱伝導率の下限を0.80W/m・Kとすることが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、鉄、スズ、亜鉛、金、銀、銅、クロム、チタン、マグネシウムや、アルミナ、窒化ケイ素、窒化ホウ素、又は、これらの酸化物等が挙げられる。なかでも、酸化マグネシウム及び繊維状カーボンが好ましい。酸化マグネシウム及び繊維状カーボンは、他の充填剤と比較して、熱放射層21の熱伝導率を引き上げるのみならず、熱放射率の向上への寄与も大きい。
上記充填剤の添加量としては、用いる充填剤の種類、充填剤の表面状態及び比重等により前後するが、用いる充填剤の合計量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は33重量%である。この範囲で上記充填剤を添加することで、熱放射層21の熱伝導率の下限を0.80W/m・Kとすることができる。
また、上記充填剤として酸化マグネシウムを添加する場合、該酸化マグネシウムの平均粒子径の好ましい下限は0.5μm、好ましい上限は10μmであり、その添加量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は33重量%である。熱放射層21を構成する上述した材料にこのような酸化マグネシウムを添加することで、熱放射層21の熱放射率は0.9を超えるものとなり、かつ、熱伝導率が0.80W/m・K以上となる。
また、上記充填剤として繊維状カーボンを添加する場合、上記充填剤の添加量の好ましい下限は1重量%、好ましい上限は33重量%である。この範囲で繊維状カーボンを添加することで、熱放射層21の熱伝導率が非常に高いものとなる。
上記繊維状カーボンとしては、実際に繊維を形成したものであってもよく、結晶子が集合した一次粒子を形成しこれが融着することによりストラクチャー構造をとったものであってもよい。具体的には、例えば、カーボンブラック、カーボングラファイト、カーボン繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。
上記充填剤として酸化マグネシウムを添加する場合、更に、繊維状カーボンを好ましい下限が1重量%、好ましい上限が33重量%の範囲で添加することが好ましい。上記範囲で繊維状カーボンを添加することで、熱放射層21の熱伝導率が非常に高いものとなる。これは、熱放射層21を構成する材料中に粒子状の酸化マグネシウムと繊維状カーボンとを添加することで、熱放射層21は、粒状の酸化マグネシウム単体が樹脂中に浮かぶ、いわゆる海島構造ではなく、繊維状カーボンを介して酸化マグネシウムがつながった構造となるため、熱の通り道ができ熱放射層21の熱伝導率が飛躍的に向上するものと考えられる。
上記酸化マグネシウムと繊維状カーボンとが熱放射層21を構成する樹脂材料中に添加する場合、両物質の添加量の合計の好ましい下限は2重量%、好ましい上限は66重量%となるが、成形性、可撓性、熱性能向上性に鑑みると、両物質の添加量のより好ましい下限は5重量%、より好ましい上限は40重量%、更に好ましい下限は10重量%、更に好ましい上限は33重量%である。
また、熱放射層21には、熱放射率εを上記範囲とするために混入させる物質、熱伝導率を上記範囲とするために添加する充填剤とともに、粘度調整剤、界面活性剤等を使用して添加部数を調整してもよい。
熱放射層21の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.01mm、好ましい上限は5mmである。0.01mm未満であると、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20のたわみによって破損する場合があり、5mmを超えると、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20全体としての熱の伝導が悪くなったり、熱放射層21を構成する材料マトリックスによっては剛性が上がり、可撓性を持たなくなったりすることがある。より好ましい下限は0.2mm、より好ましい上限は2.0mmである。
熱伝導層23は、上述した熱放射層21の内面側に設けられた管状の部材であって、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20内を循環する冷温媒体の熱を伝導させ、熱放射層21に伝えるものである。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20において、熱伝導層23は、高い熱伝導率を有するものである。具体的には、熱伝導率の下限が0.8W/m・Kであることが好ましい。0.8W/m・K未満であると、上記冷温媒体の熱を充分に熱放射層21へ伝導させることができないことがある。なお、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管において、「熱伝導層の熱伝導率」とは、該熱伝導層を構成する樹脂材料を用いてサンプルを作製し、該サンプルを用いてASTM C177に準拠して測定した値である。
熱伝導層23を構成する樹脂材料としては特に限定されず、例えば、耐熱性ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、塩化ビニル等が好適に用いられる。なかでも、比較的熱伝導率、熱放射率が良好な耐熱性ポリエチレン、架橋ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂が好適に用いられる。
また、熱伝導層23を構成する樹脂材料は、該熱伝導層23内を循環する冷温媒体の温度が最大90℃程度であることから、上記ポリオレフィン系樹脂は、ビカレット軟化温度の下限が115℃、好ましくは下限が120℃であり、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、4−メチルペンテン等のα−オレフィンと共重合して短鎖分岐を導入し、更に、数平均分子量の下限が15000、上限が5万、重量平均分子量の下限が8万、上限が15万である、ポリエチレン系樹脂組成物であることが好ましい。熱伝導層23を構成する樹脂材料がこのようなポリエチレン系樹脂組成物であることにより、材料コストを抑制しつつ、高温での安定性、耐久性を更に高めることができる。
なお、上述した熱伝導層23を構成する樹脂材料は、熱伝導率が0.05〜0.53W/m・K程度であるため、このままでは充分に高い熱伝導を行うまでには至らない。そのため、熱伝導層23を構成する樹脂材料が上述したものである場合、樹脂材料よりも熱伝導率の高い充填剤を混入することによって、熱伝導率を高めることが必要である。
熱伝導層23を構成する樹脂材料の熱伝導率を高めるために混入させる物質としては、金属や無機材料又はカーボン類等が挙げられる。具体的には、例えば、鉄、スズ、亜鉛、金、銀、銅、クロム、チタン、マグネシウムや、アルミナ、窒化ケイ素、カーボングラファイト等が挙げられる。
また、熱伝導層23は、光、熱、遷移金属イオン等の作用によってラジカルが生成し、これらが自動酸化の連鎖サイクルに入ってしまい酸化反応が継続することで劣化することがある。特に本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20においては、熱による酸化、つまり劣化が発生するため、これを防ぐために熱伝導層23は、酸化防止剤を含有することが好ましい。
上記酸化防止剤としては特に限定されず、例えば、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジルベンゼンや4−メチル−6−t−ブチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイトやトリノニルフェニルホスファイト等のリン系酸化防止剤;ジラウリルチオジプロピオン酸エステルやジステアリルチオジプロピオン酸エステル等のイオン系酸化防止剤が挙げられる。
これらの酸化防止剤は、単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよいが、上記フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤との組み合わせ、又は、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤との組み合わせは、酸化防止作用やキノン類の生成による黄変の防止効果が更に発現されるため特に好適である。
上記酸化防止剤の添加量としては特に限定されないが、上述した熱伝導層23を構成する樹脂材料100重量部に対して、好ましい下限が0.001重量部、好ましい上限が5重量部である。0.001重量部未満であると、熱伝導層23の酸化防止効果を殆ど発現できず、5重量部を超えると、熱伝導層23を構成する樹脂材料本来の物性の低下や、内蔵水への溶出による水質悪化が発生することがある。
熱伝導層23を構成する上述した樹脂材料には、更に、各種粘度調整剤、界面活性剤を併用し、成形性を向上させてもよい。また、付加的成分、例えば、帯電防止剤、難燃剤、結露防止剤、及び、これらマスターバッチの付加的樹脂成分等を配合してもよい。
熱伝導層23の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.3mm、好ましい上限は5mmである。0.3mm未満であると、冷温媒体の移動に伴う劣化や、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20を曲げたときにミクロクラックが発生し、冷温媒体が後述する金属層22に達し、金属層22を腐食することがある。5mmを超えると、冷温媒体の熱の伝導が悪くなったり、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20の剛性が上がり、可撓性を持たなくなったりすることがある。
金属層22は、上述した熱放射層21と熱伝導層23との間に設けられており、熱伝導層23から伝導してきた熱を熱放射層21へ伝導させるとともに、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20の適度な剛性と可撓性とを確保するものである。
金属層22を構成する金属材料としては、良好な熱伝導性を持つものであれば特に限定されないが、例えば、鉄、真鋳、銅、ステンレス、アルミニウム、チタン、銀合金等が好適に用いられる。なかでも、価格、加工性の観点から銅又はアルミニウムが好適であり、特に、熱放射層21や熱伝導層23を構成する樹脂材料が銅害による腐食を起こることに鑑みると、アルミニウムが最も好適である。
金属層22を構成する金属材料は、熱伝導率が20〜420W/m・Kと非常に良好であり、一般的な樹脂組成物の数十倍以上であることと、この金属層が強度にも寄与するため、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20としては相対的に熱放射層21や熱伝導層23の厚みを薄めに取ることができ、結果として本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20の熱的特性が向上する。
金属層22の厚さとしては特に限定されないが、好ましい下限は0.1mm、好ましい上限は2.0mmである。0.1mm未満であると、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20が折れ曲がりやすくなるとともに、耐圧強度も低下することがあり、2.0mmを超えると、金属層22の材料コストが高くつくとともに、剛性が高くなって本発明の放射冷暖房用合成樹脂管20の可撓性が犠牲となる。
また、金属層22は、必要に応じて、内面側の熱伝導層23、外面側の熱放射層21との接着性に悪影響が出ないように、一般的なブラスト処理、アルカリ等による脱脂処理、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理等が施されていてよい。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管において、上述した熱伝導層、金属層及び熱放射層の各層間は、密着性を高めるために、従来公知の接着剤等が塗布されていてもよい。上記熱伝導層、金属層及び熱放射層の各層間に接着剤が塗布されている場合、厚さが0.2mm以下となるように塗布されることが好ましい。0.2mmよりも厚い場合、各層間の熱伝導を阻害し、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管の熱交換効率が低下することがある。
本発明の合成樹脂管の外径としては特に限定されないが、好ましい下限は5mm、好ましい上限は25mmである。5mm未満であると、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管が異物により閉塞することがあり、25mmを超えると、施工時の取り扱い、保有水量の重量等の点から本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を用いてなる放射冷暖房用パネルを屋内に設置することが困難となり、更に破損の恐れがある。
また、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管は、最外層に熱放射層を有するため、フィンや勘合物を使用せず露出して使用することが好ましいが、フィンや勘合物が用いられてもよい。
このような構造の本発明の放射冷暖房用合成樹脂管内を循環させる冷温媒体としては特に限定されず、冷温水、不凍液等放射冷暖房装置に用いられている従来公知のものが挙げられる。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を製造する方法としては特に限定されないが、例えば、図1に示す熱伝導層23の部分を公知公用の押出し機で成形後、その進行方向延長線上にて金属層22を外側から巻き付け、更にその延長線上に公知公用の押出し機で熱放射層21を外側から被覆する方法等が挙げられる。更に例えば、金属層22は管周とほぼ同等の幅をもった金属連続板をライン上で内側に曲げ加工しながら、熱導電層23に被覆、端面を溶接し管形状に仕上げる方法も挙げられる。また、熱放射層21、金属層22、熱伝導層23の各層間は別途押出し機や吹きつけ等で接着層を被覆してもよい。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管は、冷温媒体が循環する側に熱伝導性に優れる熱伝導層を有するため、冷温媒体の熱をその外側に設けられた金属層及び熱放射層へ好適に伝導させることができる。また、最外層に熱放射性能の高い熱放射層を有するため、吸放熱性能に優れ、放射冷暖房用パネル用途に非常に優れたものとなる。また、熱放射層と熱伝導層との間に金属層を有するため、適度な剛性を有し、可撓性と自立性とを両立するものとなる。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管は、図2(a)又は(b)に示すようなヘッダーに取り付けられ、パネル化されることで放射冷暖房用パネルを構成することができる。なお、図2(a)及び(b)は、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を取り付けるためのヘッダーの一例を模式的に示す斜視図である。
図2(a)に示すヘッダー30は、長方形状の本体部の内部に冷温媒体を流通させる管状の流路31と、流路31に通じる複数の開口32とが設けられている。一方、図2(b)に示すヘッダー35は、長方形状の本体部の内部に冷温媒体を流通させる2の管状の流路36a、36bと、流路36a、36bのそれぞれに通じる複数の開口37a、37bとが設けられている。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管をこのようなヘッダー30やヘッダー35に取り付ける場合、各ヘッダーに設けられた開口の数に合わせて本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を複数並列に配置し、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管の末端をヘッダーの開口に取り付ける。
このような、複数並列に配列された本発明の放射冷暖房用合成樹脂管、及び、内部に冷温媒体を流通させる管状の流路と該流路に通じる複数の開口とが設けられたヘッダーを有し、前記放射冷暖房用合成樹脂管の末端が前記ヘッダーの開口に取り付けられ、パネル化されている放射冷暖房用パネルもまた、本発明の1つである。
図3は、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を図2(a)に示すヘッダー30に取り付ける様子を模式的に示す分解斜視図である。
図3に示すように、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管をヘッダー30に取り付けてパネル化する場合、一対のヘッダー間に本発明の放射冷暖房用合成樹脂管が配置される。
すなわち、一対のヘッダー30を開口32が設けられた面が対向するように配置し、各ヘッダー30の開口32と、開口32の数に合わせて複数並列に配置した本発明の放射冷暖房用合成樹脂管40の末端とを接続金具41を介して取り付ける。なお、図3に示すように、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管40の一方の末端に取り付けた接続金具41は、更に流量調整バルブ42を介してヘッダー30の開口32に取り付けられることが好ましい。
図3に示すようにヘッダー30に本発明の放射冷暖房用合成樹脂管40を取り付けてなる放射冷暖房用パネルを使用する際には、冷温媒体は、一方のヘッダー30の流路31から各開口32に通じ、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管40の内部に供給され、他方のヘッダー30の開口32から流路31に循環する。
また、図4は、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を図2(b)に示すヘッダー35に取り付ける様子を模式的に示す分解斜視図である。
図4に示すように、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管をヘッダー35に取り付けてパネル化する場合、屈曲した本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50の一方の末端が一方の流路36aに通じる開口37aに取り付けられ、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50の他方の流路37bに取り付けられる。
すなわち、ヘッダー35の開口37a及び37bが設けられた面上に中央付近で屈曲させた本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50を、開口37a及び37bの数に合わせて複数並列に配置し、ヘッダー35の開口37a及び開口37bと、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50の末端とを接続金具41を介して取り付ける。なお、図4に示すように、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50の一方の末端に取り付けた接続金具41は、更に流量調整バルブ42を介してヘッダー35の開口36aに取り付けられることが好ましい。
図4に示すようにヘッダー35に本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50を取り付けてなる放射冷暖房用パネルを使用する際には、冷温媒体は、例えば、流路36aから各開口37aに通じ、本発明の放射冷暖房用合成樹脂管50の内部に供給され、開口37bから流路36bに循環する。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管は、冷温媒体が循環する側に熱伝導性に優れる熱伝導層を有するため、冷温媒体の熱をその外側に設けられた金属層及び熱放射層へ好適に伝導させることができる。また、最外層に熱放射性能の高い熱放射層を有するため、吸放熱性能に優れ、放射冷暖房用パネル用途に非常に優れたものとなる。また、熱放射層と熱伝導層との間に金属層を有するため、適度な剛性を有し、可撓性と自立性とを両立するものとなる。
従って、本発明によると、優れた放射冷暖房効果とともに、適度な可撓性及び自立性を有する放射冷暖房用合成樹脂管、並びに、これを用いてなる放射冷暖房用パネルを提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)熱伝導層及び金属層の製造
マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学)P9820を使用し、平均粒子径43μmの銅粉10重量%と、径13μm長さ300μmの炭素繊維10重量%を混練押出ししてマスターバッチ化したのち、押出し機で内径13mm・厚み1.2mmの管形状に成形し、その上に金属層として厚さ0.45mmのアルミニウム板を、内層押出した管外周と同等の幅をもたせ、幅方向内側に曲げ加工しながら、被覆、端面を溶接し管形状に被覆し仕上げ、該熱伝導層の外側面に厚さ0.45mmのアルミニウムからなる金属層とを形成した。なお、熱伝導層を構成する樹脂材料を用いて、別途50mm角、厚さ8mmの熱伝導率測定用サンプルを作製し、該熱伝導率測定用サンプルを用いて、ASTM C177に準拠した方法で、京都電子工業社製、プローブ式熱伝道率計「QTM−3」で熱伝導率を測定したところ、0.98W/m・Kであった。
(2)熱放射層の形成
マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、50μmの酸化ケイ素10重量%と、径10μmのカーボンブラック5重量%を混練押出ししてマスターバッチ化したのち、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、別途50mm角、厚さ5mmの熱放射率測定用サンプルを作製し、該熱放射率測定用サンプルの熱放射率εを、JIS A 1423「赤外線放射温度計による放射率の簡易測定方法」に準拠した方法で測定したところ、0.94であった。
(3)放射冷暖房用パネルの作製
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作成した。
(実施例2)
(1)熱伝導層及び金属層の製造
マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、径15μm、アスペクト比5の酸化鉄5重量%と、径13μm長さ200μmの炭素繊維を12重量%使用してマスターバッチ化した後、押出し機で内径13mm・厚み1.2mmの管形状に成形し、厚さ0.2mmの銅板を用いて、実施例1と同様に厚さ1.2mmの熱伝導層と厚さ0.2mmの銅からなる金属層とを形成した。なお、熱伝導層を構成する樹脂材料を用いて、実施例1と同様に熱伝導率を測定したところ、1.02W/m・Kであった。
(2)熱放射層の形成
マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、平均粒径50μmの酸化チタン10重量%を混練・押出ししてマスターバッチ化したのち、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、実施例1と同様に熱放射率εを測定したところ、0.92であった。
(3)放射冷暖房用パネルの作製
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作製した。
(実施例3)
実施例2と同様にして熱伝導層と金属層とを形成した。
その後、マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、平均粒径1.3μmの酸化マグネシウム粉末33重量%を混練・押出ししてマスターバッチ化したのち、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、実施例1と同様に熱放射率εを測定したところ0.97であった。
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作製した。
(比較例1)
熱伝導層及び熱放射層を構成する材料として、いずれも高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用した以外は、実施例1と同様にして放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱伝導層及び熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、実施例1と同様に熱伝導率及び熱放射率εを測定したところ、熱伝導率は0.32W/m・Kであり、熱放射率εは0.80であった。
その後、実施例1と同様にして放射冷暖房用パネルを作製した。
(比較例2)
放射冷暖房用合成樹脂管として、内径13mm、厚み0.8mmの汎用銅管を使用した。なお、該汎用銅管と同じ材料を用いて、実施例1と同様に熱伝導率及び熱放射率εを測定したところ、熱伝導率は269W/mKであり、熱放射率εは0.10であった。
その後、実施例1と同様にして放射冷暖房用パネルを作製した。
(比較例3)
放射冷暖房用合成樹脂管として、内径13mm、厚み1.0mmの汎用架橋ポリエチレン管を使用した。なお、該汎用架橋ポリエチレン管と同じ材料を用いて、実施例1と同様に熱伝導率及び熱放射率εを測定したところ、熱伝導率は0.31W/mKであり、熱放射率εは0.79であった。
その後、実施例1と同様にして放射冷暖房用パネルを作製した。
(比較例4)
厚さ0.2mmの銅からなる金属層を形成せず、熱伝導層と熱放射層との2層のみとしたこと以外は、実施例2と同様にして放射冷暖房用合成樹脂管、及び、放射冷暖房用パネルを作製した。
(評価)
実施例1〜3、比較例1〜4で製造した放射冷暖房用パネルについて、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
冷温水チラーを用い、往き温水温度を40℃とした。流量は1.0L/minに設定した。温水戻り温度は、作製した放射冷暖房パネルの放熱性能により成り行きとなった。
(評価駆体)
次世代省エネ基準(III地域)のQ値・C値に準拠して作製した模擬住宅の6畳の一室を利用した。長府製作所製、冷温水供給ヒートポンプ(AEY4030SVXC)にて、放射冷暖房用パネルから熱が放出されようとも、常に室内空間を20℃(外気温度5℃)に維持した。
(放熱量)
運転後3時間後〜4時間後、1時間当たりの放射冷暖房用パネルの放射熱量を、往き温水温度と戻り温水温度の差と流量から、室内に放出した熱量を計算した。これをパネル単位面積で割り、単位面積あたりの放熱量とした。
(保持性)
温水を回し、形状を維持できたものを「○」、温度による軟化や自重に耐えきれず形状を保持できなかった物を「×」とした。
(曲げ加工性)
汎用銅管用の直径75曲げ型を使用し、曲げ加工を行った。問題なく曲げ加工できたものを「○」、折れ曲がったもの、可撓性で復帰してしまったもの、連続1ヶ月連続運転で腐食等の問題があったものを「×」とした。
(総合判定)
全ての評価に鑑みて放射冷暖房パネルとして使用に耐えるものを「○」、不具合があり使用に耐え得ないものを「×」とした。
Figure 0005301121
(実施例4)
(1)熱伝導層及び金属層の製造
ポリオレフィン層として、ビカット軟化温度123℃、かつ、α−オレフィンとしてオクテンを共重合させ短鎖分岐を導入し、数平均分子量約3万かつ重量平均分子量約12万としたポリエチレン樹脂組成物を使用し、酸化防止剤として、フェノール系である4−メチル−6−t−ブチルフェノールフェノールを0.1重量部とリン系酸化防止剤としてトリノニルフェニルホスファイト0.05重量部と使用し、劣化を抑制した樹脂配合を作成し、これを押出し機で内径13mm・厚み1.0mmの管形状に成形し、その上に金属層として厚さ0.28mmのSUS板を、内層押出した管外周と同等の幅をもたせ、幅方向内側に曲げ加工しながら、被覆、端面を溶接し管形状に被覆し仕上げ、厚さ1.2mmの熱伝導層、該熱伝導層の外側面に厚さ0.28mmのSUSからなる金属層とを形成した。なお、熱伝導層を構成する樹脂材料は、長期熱水耐久性を狙うために高熱伝導充填物を混練すると、樹脂と高熱伝導充填材界面が水による劣化を受けやすくなるため充填物による高放熱化は行わなかった。尚、別途50mm角、厚さ5mmの熱伝導率測定用サンプルを作製し、該熱伝導率測定用サンプルを用いて、ASTM C177に準拠した方法で、京都電子工業社製、プローブ式熱伝導率計「QTM−3」で熱伝導率を測定したところ、0.37W/m・Kであった。
(2)熱放射層の形成
マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、平均粒径50μmの酸化ケイ素10重量%と、平均粒径8μmの窒化ホウ素35重量%を混練・押出ししてマスターバッチ化した後、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、別途50mm角、厚さ5mmの熱伝導率測定用サンプルを作製し、該熱伝導率測定用サンプルを用いて、ASTM C177に準拠した方法で、京都電子工業社製、プローブ式熱伝道率計「QTM−3」で熱伝導率を測定したところ、0.82W/m・Kであった。また、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、別途50mm角、厚さ5mmの熱放射率測定用サンプルを作製し、該熱放射率測定用サンプルの熱放射率εを、JIS A 1423「赤外線放射温度計による放射率の簡易測定方法」に準拠した方法で測定したところ、0.86であった。
(3)放射冷暖房用パネルの作製
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作成した。
(実施例5)
SUS板に代えて、厚さ0.28mmのアルミニウム板を用いた以外は、実施例4と同様にして熱伝導層と該熱伝導層の外側面に金属層とを形成した。
次いで、マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、平均粒径10μmの粒状カーボンブラック40重量%を混練・押出ししてマスターバッチ化した後、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する材料を用いて、実施例4と同様にして熱伝導率及び熱放射率を測定したところ、熱伝導率は0.97W/m・Kであり、熱放射率εは0.86であった。
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作成した。
(実施例6)
実施例5と同様にして熱伝導層及び金属層を作製した。
次いで、マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、径15μmアスペクト比5の酸化鉄10重量%と、平均径13μm長さ50μmの炭素繊維を15重量%を混練・押出ししてマスターバッチ化した後、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、実施例4と同様にして熱伝導率及び熱放射率を測定したところ、熱伝導率は1.08W/m・Kであり、熱放射率εは0.90であった。
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作成した。
(実施例7)
実施例5と同様にして熱伝導層及び金属層を作製した。
次いで、マトリックス樹脂として高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用し、平均粒径2μmの酸化マグネシウム10重量%と、粒子が鎖状につながる繊維状カーボンブラック(ケッチェンブラックEC600JD)20重量%を混練・押出ししてマスターバッチ化した後、押出し成形法にて形成した金属層の上に同ラインで被覆押し出し、厚さ0.3mmの熱放射層を形成し、放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱放射層を構成する樹脂材料を用いて、実施例4と同様にして熱伝導率及び熱放射率を測定したところ、熱伝導率は1.25W/m・Kであり、熱放射率εは0.94であった。
得られた放射冷暖房用合成樹脂管を長さ2000mmにカットし、図3に示すような形態で75mmピッチで15本平行に配置した放射冷暖房用パネルを作成した。
(比較例5)
熱伝導層及び熱放射層を構成する材料として、いずれも高密度ポリエチレン(丸善石油化学、P9820)を使用した以外は、実施例4と同様にして放射冷暖房用合成樹脂管を製造した。なお、熱伝導層及び熱放射層を構成する材料を用いて、実施例4と同様にして熱伝導率及び熱放射率を測定したところ、熱伝導率が0.32W/m・Kであり、熱放射率εが0.80であった。
その後、実施例4と同様にして放射冷暖房用パネルを作製した。
(比較例6)
放射冷暖房用合成樹脂管として、内径13mm、厚み0.8mmの汎用銅管を使用した。なお、該汎用銅管と同じ材料を用いて、実施例1と同様に熱伝導率及び熱放射率εを測定したところ、熱伝導率は269W/mKであり、熱放射率εは0.10であった。
その後、実施例4と同様にして放射冷暖房用パネルを作製した。
(比較例7)
放射冷暖房用合成樹脂管として、内径13mm、厚み1.0mmの汎用架橋ポリエチレン管を使用した。なお、該汎用架橋ポリエチレン管と同じ材料を用いて、実施例1と同様に熱伝導率及び熱放射率εを測定したところ、熱伝導率は0.34W/mKであり、熱放射率εは0.79であった。
その後、実施例4と同様にして放射冷暖房用パネルを作製した。
(評価)
実施例4〜7、比較例5〜7で製造した放射冷暖房用パネルについて、以下の評価を行った。結果を表2に示した。
冷温水チラーを用い、往き温水温度を40℃とした。流量は1.0L/minに設定した。温水戻り温度は、作製した放射冷暖房パネルの放熱性能により成り行きとなった。
(評価駆体)
次世代省エネ基準(III地域)のQ値・C値に準拠して作製した模擬住宅の6畳の一室を利用。長府製作所製、冷温水供給ヒートポンプ(AEY4030SVXC)にて、放射冷暖房用パネルから熱が放出されようとも、常に室内空間を20℃(外気温度5℃)に維持した。
(放熱量)
運転後3時間後に放射冷暖房用パネルの放射熱量を、往き温水温度と戻り温水温度の差と流量から室内に放出した熱量を測定した。これをパネル単位面積で割り、単位面積あたりの放熱量とした。
(保持性)
温水を回し、形状を維持できたものを「○」、温度による軟化や自重に耐えきれず形状を保持できなかったものを「×」とした。
(曲げ加工性)
汎用銅管用の直径75曲げ型を使用し、曲げ加工を行った。問題なく曲げ加工できたものを「○」、折れ曲がったもの、また、可撓性で復帰してしまったものを「×」とした。
(短期腐食性)
曲げ加工後、80℃のお湯に24hr浸積、取りだして24時間常温放置を2週間繰りかえした後、曲げ加工部分の管を縦割りにし、目視でさび等の腐食を確認した。さび等が確認できなかったものを「○」、内層樹脂のひび割れ、金属層のさび等確認できたものを「×」とした。
(長期腐食性)
短期腐食性と同様の評価を3ヶ月行った後、曲げ加工部分の管を縦割りにし、目視でさび等の腐食を確認した。さび等が確認できなかったものを「○」、内層樹脂のひび割れ、金属層のさび等確認できたものを「×」とした。
(総合判定)
全ての評価に鑑みて放射冷暖房パネルとして使用に耐えるものを「○」、不具合があり使用に耐え得ないものを「×」とした。
Figure 0005301121
本発明によれば、優れた放射冷暖房効果とともに、適度な可撓性及び自立性を有する放射冷暖房用合成樹脂管、並びに、これを用いてなる放射冷暖房用パネルを提供することができる。
本発明の放射冷暖房用合成樹脂管の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、本発明の放射冷暖房用パネルに用いるヘッダーの一例を模式的に示す斜視図であり、(b)は、本発明の放射冷暖房用パネルに用いるヘッダーの別の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を図2(a)に示すヘッダー30に取り付ける様子を模式的に示す分解斜視図である。 本発明の放射冷暖房用合成樹脂管を図2(b)に示すヘッダー35に取り付ける様子を模式的に示す分解斜視図である。
符号の説明
20、40、50 放射冷暖房用合成樹脂管
21 熱放射層
22 金属層
23 熱伝導層
30 ヘッダー
31 流路
32 開口
35 ヘッダー
36a、36b 流路
37a、37b 開口
41 接続金具
42 流量調整バルブ

Claims (9)

  1. 少なくとも、最外層に設けられた熱放射層、前記熱放射層の内面側に設けられた熱伝導層、及び、前記熱放射層と前記熱伝導層との間に設けられた金属層を有する放射冷暖房用合成樹脂管であって、前記熱放射層の熱放射率が0.85以上であり、前記熱伝導層の熱伝導率が0.8W/m・K以上であり、
    前記熱放射層の厚さが0.01〜5mm、前記熱伝導層の厚さが0.3〜5mm、前記金属層の厚さが0.1〜2mmであり、
    前記熱放射層は、樹脂材料と該樹脂材料よりも熱放射率の高い充填剤とを含有し、かつ、前記熱伝導層は、樹脂材料と該樹脂材料よりも熱伝導率の高い充填剤とを含有することを特徴とする放射冷暖房用合成樹脂管。
  2. 熱放射層は、平均粒子径が0.5〜10μmの酸化マグネシウム粉末を1〜33重量%含有することを特徴とする請求項1記載の放射冷暖房用合成樹脂管。
  3. 熱放射層は、繊維状カーボンを1〜33重量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載の放射冷暖房用合成樹脂管。
  4. 熱放射層の熱伝導率が0.8W/m・K以上であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の放射冷暖房用合成樹脂管。
  5. 熱伝導層は、酸化防止剤を含有することを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の放射冷暖房用合成樹脂管。
  6. 金属層は、厚さ0.1〜2.0mmのアルミニウムからなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の放射冷暖房用合成樹脂管。
  7. 複数並列に配置された請求項1、2、3、4、5又は6記載の放射冷暖房用合成樹脂管、及び、内部に冷温媒体を流通させる管状の流路と該流路に通じる複数の開口とが設けられたヘッダーを有し、前記放射冷暖房用合成樹脂管の末端が前記ヘッダーの開口に取り付けられ、パネル化されていることを特徴とする放射冷暖房用パネル。
  8. 一対のヘッダー間に放射冷暖房用合成樹脂管が配置されていることを特徴とする請求項7記載の放射冷暖房用パネル。
  9. ヘッダーは、内部に2の管状の流路と前記2の管状の流路にそれぞれ通じる複数の開口とが設けられており、屈曲した放射冷暖房用合成樹脂管の一方の末端が一方の前記流路に通じる開口に取り付けられ、前記放射冷暖房用合成樹脂管の他方の末端が他方の前記流路に取り付けられていることを特徴とする請求項7記載の放射冷暖房用パネル。
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