JP5299942B2 - HLA−A2陽性者用glypican−3(GPC3)由来癌拒絶抗原ペプチド及びこれを含む医薬 - Google Patents

HLA−A2陽性者用glypican−3(GPC3)由来癌拒絶抗原ペプチド及びこれを含む医薬 Download PDF

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Description

本発明は、肝細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)など、glypican-3(GPC3 )を高発現する癌に対するワクチンとして有効な、新規ペプチド、当該ペプチドを含む腫瘍の治療および予防のための医薬に関する。
原発性肝細胞癌は、世界各国で発生頻度の高い悪性疾患の一つである。B型およびC型肝炎の世界的な流行により、アジアや欧州諸国における肝細胞癌の発生率は急激に上昇しており、肝炎ウイルス感染から発病までの長い潜伏期間を考慮すると、今後50年にわたって、この傾向が続くものと予想される。病状の進んだ肝細胞癌の予後は不良であり、新たな治療戦略の開発が緊急に必要とされている。
一方、近年の分子生物学及び腫瘍免疫学の発展により、細胞傷害性(キラー)T細胞およびヘルパーT細胞が、癌細胞あるいは抗原提示細胞の表面にHLA分子を介して提示される、癌細胞に特異的に高発現する蛋白質が分解されてできたペプチドを認識して、癌細胞を破壊する免疫反応を示すことが明らかとなった。さらに、このような癌を攻撃する免疫反応を刺激する、腫瘍抗原蛋白質及び、それらに由来するペプチドが多数同定されてきており、抗原特異的な腫瘍免疫療法の臨床応用が進められている。
HLAクラスI分子は、身体のすべての有核細胞の表面に発現しており、細胞質や核で産生される蛋白質が、細胞内で分解されて出来たペプチドを結合して、細胞表面に発現する。正常な細胞の表面には、正常な自己の蛋白質に由来するペプチドがHLAクラスI分子に結合しており、これを免疫系のT細胞が識別して破壊することはない。一方、癌細胞は癌になる過程で、正常細胞には、ほとんど発現していないか、あるいはごく僅かしか発現していない蛋白質を大量に発現することがある。このような癌細胞に特異的に高発現する蛋白質が細胞質内で分解されて出来たペプチドが、HLAクラスI分子に結合して癌細胞の表面に発現すると、キラーT細胞がこれを認識して癌細胞のみを破壊する。また、このような癌特異抗原やペプチドを個体に投与することにより、正常細胞には危害を加えることなく、癌細胞を破壊して癌の増殖を抑制することができる。これを、癌特異抗原を用いた癌免疫療法と呼ぶ。またHLAクラスII分子は、主に抗原提示細胞の表面に発現しており、抗原提示細胞が細胞外から取り込んで、細胞内で分解されて出来た癌特異抗原由来のペプチドを結合して細胞表面に発現する。これを認識したヘルパーT細胞は、活性化され他の免疫担当細胞を活性化する種々のサイトカインを産生することにより、腫瘍に対する免疫反応を誘導あるいは増強する。
そこで、これらの癌に特異的に高発現している抗原を標的にした免疫療法を開発できれば、自己の正常臓器に有害事象を及ぼすことなく、癌だけを有効に排除する治療法になる可能性がある。また、他の治療が行えない、どんな末期の癌患者にでも使用できる治療法になりうると期待される。また、あらかじめ、このような癌を発生するリスクが高いヒトに対して、癌特異抗原およびぺプチドをワクチンとして投与することにより、癌の発生を予防できる可能性がある。
α-フェトタンパク質(AFP)は、正常組織では胎生期にのみ発現するが、多くの肝細胞癌において発現が再活性化される、いわゆる癌胎児性蛋白質であることが報告されている。またマウス及びヒトのT細胞中には、MHCクラスI分子により提示されたAFP由来ペプチドエピトープを認識するものが存在する。胎児は発達段階において、血漿中に高いレベルで存在するAFPに曝露されているにもかかわらず、成熟T細胞はAFPに対して完全な免疫寛容(トレランス)を獲得することはなく、AFP特異的なT細胞が末梢血中に検出される。すなわち、癌胎児性蛋白質は、免疫治療の標的になりうる。
肝細胞癌の治療法には様々なものがあるにも関わらず、他の癌に比べて予後が悪く、難治性癌の一つになっている。その原因として、肝細胞癌のベースに肝硬変があり、患者の肝機能が悪いことや、一塊の癌を治療しても、また別の場所から癌が発生するという特徴が挙げられ、早急かつ新たな治療戦略の開発が要求されている。肝細胞癌に特異的に高発現している抗原を標的にした免疫療法を開発できれば、自己の正常臓器に障害を及ぼすことなく、癌だけを有効に排除する治療法になる可能性がある。また、どんな末期の癌患者でも、さらに肝機能が悪すぎて他の治療が行えない患者に対しても、使用できる治療法になると期待される。また、現在、日本では、肝細胞癌の予備群であるC型肝炎感染者が200万人以上存在すると言われている。これらの感染者における肝細胞癌の予防に関しても、このような免疫療法が適用できる可能性がある。
メラノーマとは悪性黒色腫と呼ばれる皮膚がんの一種である。皮膚がんにもいろいろ種類があるが、最も悪性度が高い皮膚がんで、非常に恐れられている。皮膚を構成している細胞のなかに、メラニン色素を産生する細胞があり、これを色素細胞(メラノサイト)と呼ぶが、この細胞ががん化したのがメラノーマである。
日本におけるメラノーマの発生数は人口10万人あたり1.5〜2人くらいであり、年間1500人〜2000人くらいが発症していると推測されている。欧米では人口10万人あたり10数人以上が発症し、オーストラリアでは人口10万人あたり20数人以上の発症が認められ、世界一発生数が高いと言われている。それだけに欧米やオーストラリアの人々はメラノーマに関心を持ち、メラノーマの発生に注意をしている。またメラノーマは、環境破壊による大気中のオゾン層の減少による、紫外線への暴露の増加により、特に白人において発生頻度が増加しつつある。また、日本でもメラノーマの発生は、年々増加傾向が認められている。最近の調査では、日本におけるメラノーマによる年間死亡者数は450人前後に増加している。メラノーマは何歳の人にも発生しているが、特に40歳以上になると発生が多くなり、60歳〜70歳台が最も多くなっている。小児の発生は非常に少ないが、発生しないということはなく、最近20〜30歳台の若年者の発生が多くなっている傾向がある。性別では特にどちらかに多いという傾向はなく、男女どちらにも発生する。日本人においてメラノーマが発生しやすい部位は、足底(足のうら)が最も多く、約3割ぐらいを占めている。足や指の爪の部分にも多くできることが、日本人の特徴である。そのほか、欧米人と同様に体、手、足、顔、頭など、どこの皮膚にも発生する。
本発明者等は先に、cDNAマイクロアレイ解析を利用した、23,040種のヒト遺伝子を含むゲノムワイドの遺伝子発現解析によって、20症例の原発性肝細胞癌および胎生期を含む様々な正常臓器における、これらの遺伝子の発現プロファイルを検討し、グリピカン3(glypican-3;GPC3)が、胎生期の肝臓、腎臓、肺に発現し、成人の正常臓器では胎盤以外には、ほとんど発現しないのに対し、多くの肝細胞癌で高発現することを見いだした。さらに、このGPC3が、分泌蛋白であり、ELISA法を用いて40 %の肝細胞癌患者の血清中に、GPC3を検出することができ、これが、肝細胞癌の新しい腫瘍マーカーとして有用であることを報告した(Nakatsura, T.ら, Biochem. Biophys. Res. Commun. 306, 16-25 (2003))。さらに、GPC3はメラノーマ患者の血清中にも検出され、メラノーマの腫瘍マーカーとしても、有用であることを報告した(Nakatsura, T.ら、Clin. Cancer Res. 10: 6612-6621 (2004)).
本発明者らは既に、HLA-A24陽性肝細胞癌あるいはメラノーマ患者を対象とした免疫療法に有用な、HLA-A24に結合してヒト・キラーT細胞に提示されるGPC3ペプチドを同定した。このペプチドを用いた免疫療法が有効なことを、HLA-A24に結合するペプチドと同様の構造を持つペプチドを結合する、マウスKd分子を発現するBALB/Cマウスを用いた動物実験においても証明し、既に報告している(国際出願番号PCT/JP2004/016374:国際出願日2004年10月28日))。GPC3は正常臓器においては、胎盤と胎生期の肝臓にしか発現していないため、GPC3をターゲットとした免疫療法を行って腫瘍の増殖を抑制しても、自己免疫病などの有害事象が起こらないこともマウスの実験で確認している。
本発明者らは、今までに腫瘍拒絶抗原であるglypican-3(GPC3)について、主にHLA-A24によりキラーT細胞に提示されるペプチドを同定してきた(国際出願番号PCT/JP03/10459;国際出願日2003年8月19日)。しかしながら、HLA-A24によりキラーT細胞に提示されるペプチドだけでは、日本人のうちHLA-A24を有する60%しかペプチドワクチン投与の対象にならない。さらに、日本人の40%が陽性のHLA-A2によりキラーT細胞に提示されるペプチドを同定することが出来れば、両者を併せると日本人の約85%を対象とできるだけでなく、HLA-A2は欧米白人においても陽性者の頻度が高いため、多くの欧米白人にも応用できることになる。したがって、HLA-A2によりキラーT細胞に提示されるペプチドの同定は、重要な課題である。特にメラノーマは欧米白人に多く、免疫療法が有効な癌であり、さらに、肝細胞癌も欧米で急速に増加してきている癌であるため、HLA-A2結合性GPC3ペプチドを用いた免疫療法の、適応になる患者も多いと推定される。
本発明は、HLA-A2によりキラーT細胞に提示されるペプチドを同定することにより、日本人のGPC3を高発現する様々な癌患者の約40%を対象とすることができる、免疫療法を可能にする手段を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者等は、先に、cDNAマイクロアレイ解析に基づいて、ヒト肝細胞癌において特異的に過剰発現している新規な癌胎児性タンパク質としてグリピカン3(GPC3)を同定し、さらに肝細胞癌患者血清中に可溶性GPC3タンパク質が検出され、GPC3は肝細胞癌の新たな腫瘍マーカーとなり得ることを明らかにした。本発明者等は、マウスメラノーマ細胞株B16にGPC3が発現することを発見し、GPC3がメラノーマにおいても肝細胞癌と同様に高発現しており、有用な腫瘍マーカーになりうるのではないかと考え、確認のための実験を行った結果、GPC3がメラノーマにおいて今までになかった早期診断のできる腫瘍マーカーであることを見いだした。本発明者らは今回、ヒトCD8陽性キラーT細胞をin vitroにおいて、HLA-A2結合モチーフを持つヒトGPC3ペプチドをパルスした、ヒト・末梢血単球由来樹状細胞と共培養することにより刺激して、GPC3ペプチド特異的キラーT細胞を誘導した。各GPC3ペプチドに特異的なキラーT細胞の誘導の有無を、HLA-A2により提示されたペプチドを認識して活性化された、キラーT細胞が産生するγ-インターフェロン(IFN-γ)をELISPOT 法を用いて検出し、免疫治療に応用可能な標的抗原の候補となりうる、新規なGPC3ペプチドを同定した。
即ち、本発明によれば以下の発明が提供される。
(1) 以下の何れかのペプチド。
(A)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列において1個または2個のアミノ酸が置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、キラーT細胞の誘導能を有するペプチド。
(2) (1)に記載のペプチドを少なくとも1種類以上含む、癌に対する免疫誘導剤。
(3) (1)に記載のペプチドを少なくとも1種類以上含む、腫瘍の治療及び/または予防のための医薬。
(4) (1)に記載のペプチドを含む、腫瘍反応性T細胞の誘導能の高い抗原提示細胞を誘導するための薬剤。
(5) 以下の何れかのペプチドをコードする遺伝子を含む、腫瘍反応性T細胞の誘導能の高い抗原提示細胞を誘導するための薬剤。
(A)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列において1個または2個のアミノ酸が置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、キラーT細胞の誘導能を有するペプチド。
(6) (1)に記載のペプチドを含む、腫瘍反応性T細胞を誘導するための薬剤。
(7) (1)に記載のペプチドに対する抗体。
(8) (1)に記載のペプチドを用いて誘導される、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団。
(9) HLA分子と請求項1に記載のペプチドとの複合体を提示する抗原提示細胞。
(10) (4)または(5)に記載の薬剤によって誘導される、(9)に記載の抗原提示細胞。
(1)本発明のペプチド、及びそれを含む癌に対する免疫誘導剤
本発明のペプチドは以下の何れかのペプチドである。
(A)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列からなるペプチド。
(B)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列において1個または2個のアミノ酸が置換又は付加されており、キラーT細胞の誘導能を有するペプチド。
本明細書で言うキラーT細胞の誘導能を有するペプチドとは、キラーT細胞(キラーT細胞/CTL)を刺激するT細胞誘導活性を有するペプチドを意味する。
本発明のペプチドの入手・製造方法は特に限定されず、化学合成した蛋白質でも、遺伝子組み換え技術により作製した組み換え蛋白質の何れでもよい。
化学合成ペプチドを入手する場合には、例えば、Fmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)、tBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の化学合成法に従って本発明のペプチドを合成することができる。また、各種の市販のペプチド合成機を利用して本発明のペプチドを合成することもできる。
本発明のペプチドを組み換え蛋白質として産生するには、当該ペプチドをコードする塩基配列を有するDNA又はその変異体又は相同体を入手し、これを好適な発現系に導入することにより本発明のペプチドを製造することができる。
発現ベクターとしては、好ましくは宿主細胞において自立複製可能であるか、あるいは宿主細胞の染色体中へ組込み可能であるものであればよく、ペプチドをコードする遺伝子を発現できる位置にプロモーターを含有しているものが使用される。また、本発明のペプチドをコードする遺伝子を有する形質転換体は、上記の発現ベクターを宿主に導入することにより作製することができる。宿主は、細菌、酵母、動物細胞、昆虫細胞のいずれでもよく、また宿主への発現ベクターの導入は、各宿主に応じた公知の手法により行えばよい。
本発明においては、上記のようにして作製した形質転換体を培養し、培養物中に本発明のペプチドを生成蓄積させ、該培養物より本発明のペプチドを採取することにより組み換えペプチドを単離することができる。
形質転換体が大腸菌等の原核生物、酵母菌等の真核生物である場合、これら微生物を培養する培地は、該微生物が資化し得る炭素源、窒素源、無機塩類等を含有し、形質転換体の培養を効率的に行える培地であれば天然培地、合成培地のいずれでもよい。また培養条件も該微生物を培養するのに通常用いられる条件にて行えばよい。培養後、形質転換体の培養物から本発明のペプチドを単離精製するには、通常のペプチドの単離、精製法を用いればよい。
なお、配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列において1個または2個のアミノ酸が置換又は付加されたアミノ酸配列からなるペプチドは、配列番号1から3の何れかに記載のアミノ酸配列をコードするDNA配列の塩基配列の情報に基づいて当業者であれば適宜製造又は入手することができる。即ち、配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列において1個または2個のアミノ酸が置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、キラーT細胞の誘導能を有するペプチドをコードする遺伝子は、化学合成、遺伝子工学的手法又は突然変異誘発などの当業者に既知の任意の方法で作製することもできる。例えば、遺伝子工学的手法の一つである部位特異的変異誘発法は、特定の位置に特定の変異を導入できる手法であることから有用であり、Molecular Cloning: A laboratory Mannual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY.,1989(以下、モレキュラークローニング第2版と略す)、Current Protocols in Molecular Biology, Supplement 1〜38, John Wiley & Sons (1987-1997)(以下、カレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジーと略す)等に記載の方法に準じて行うことができる。
上記した本発明のペプチドは、後記実施例にも示す通り、癌に対する免疫を誘導することができる。従って、本発明によれば、本発明のペプチドを含む、癌に対する免疫誘導剤が提供される。
本発明の癌に対する免疫誘導剤は、インビトロ又はインビボ、好ましくはインビトロで用いることにより、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団を誘導することができ、これにより癌に対する免疫を付与することができる。
(2)本発明の抗体
本発明は、上記した本発明のペプチドの一部もしくは全部をエピトープ(抗原)として認識する抗体、ならびに当該蛋白質又はペプチドを用いてインビトロ刺激により誘導されたキラーT細胞にも関する。一般的には、キラーT細胞のほうが抗体よりも強い抗腫瘍活性を示す。
本発明の抗体はポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、その作製は定法により行なうことができる。
例えば、ポリクローナル抗体は、本発明のペプチドを抗原として哺乳動物又は鳥類を免疫感作し、該哺乳動物又は鳥類から血液を採取し、採取した血液から抗体を分離・精製することにより得ることができる。例えば、マウス、ハムスター、モルモット、ニワトリ、ラット、ウサギ、イヌ、ヤギ、ヒツジ、ウシ等の哺乳動物又は鳥類を免疫することができる。免疫感作の方法は当業者に公知であり、例えば抗原を、例えば7〜30日間隔で2〜3回投与すればよい。投与量は1回につき、例えば抗原約0.05〜2mg程度とすることができる。投与経路も特に限定されず、皮下投与、皮内投与、腹膜腔内投与、静脈内投与、筋肉内投与等を適宜選択することができる。また、抗原は適当な緩衝液、例えば完全フロイントアジュバント又は水酸化アルミニウム等の通常用いられるアジュバントを含有する適当な緩衝液に溶解して用いることができる。
免疫感作した哺乳動物又は鳥類を一定期間飼育した後、抗体価が上昇してきたら、例えば100μg〜1000μgの抗原を用いて追加免疫を行なうことができる。最後の投与から1〜2ケ月後に免疫感作した哺乳動物又は鳥類から血液を採取して、当該血液を、例えば遠心分離、硫酸アンモニウム又はポリエチレングリコールを用いた沈澱、ゲルろ過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィー等の常法によって分離・精製することにより、ポリクローナル抗血清として、本発明のペプチドを認識するポリクローナル抗体を得ることができる。
一方、モノクローナル抗体はハイブリドーマを調製して得ることができる。例えば、抗体産生細胞とミエローマ細胞株との細胞融合によりハイブリドーマを得ることができる。本発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、以下のような細胞融合法によって得ることができる。
抗体産生細胞としては、免疫された動物からの脾細胞、リンパ節細胞、Bリンパ球等を使用する。抗原としては、本発明のペプチドを使用する。免疫動物としてはマウス、ラット等を使用でき、これらの動物への抗原の投与は常法により行う。例えば完全フロインドアジュバント、不完全フロインドアジュバントなどのアジュバントと抗原である本発明のペプチドとの懸濁液もしくは乳化液を動物の静脈、皮下、皮内、腹腔内等に数回投与することによって動物を免疫化する。免疫化した動物から抗体産生細胞として例えば脾細胞を取得し、これとミエローマ細胞とを公知の方法(G.Kohler et al .,Nature,256 495(1975))により融合してハイブリドーマを作製することができる。
細胞融合に使用するミエローマ細胞株としては、例えばマウスではP3X63Ag8、P3U1株、Sp2/0株などが挙げられる。細胞融合を行なうに際しては、ポリエチレングリコール、センダイウイルスなどの融合促進剤を用い、細胞融合後のハイブリドーマの選択にはヒポキサンチン・アミノプテリン・チミジン(HAT)培地を常法に従って使用する。細胞融合により得られるハイブリドーマは限界希釈法等によりクローニングする。さらに必要に応じて、本発明のペプチドを用いた酵素免疫測定法によりスクリーニングを行うことにより、本発明のペプチドを特異的に認識するモノクローナル抗体を産生する細胞株を得ることができる。
このようにして得られたハイブリドーマから目的とするモノクローナル抗体を製造するには、通常の細胞培養法や腹水形成法により該ハイブリドーマを培養し、培養上清あるいは腹水から該モノクローナル抗体を精製すればよい。培養上清もしくは腹水からのモノクローナル抗体の精製は、常法により行なうことができる。例えば、硫安分画、ゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィーなどを適宜組み合わせて使用できる。
また、上記した抗体の断片も本発明の範囲内である。抗体の断片としては、F(ab’)2フラグメント、Fab’フラグメント等が挙げられる。
(3)ヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団
本発明はまた、本発明のペプチドを用いてインビトロ刺激により誘導されたヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団に関する。例えば、末梢血リンパ球や腫瘍浸潤リンパ球を本発明のペプチドを用いて、インビトロで刺激すると腫瘍反応性活性化T細胞が誘導され、この活性化されたT細胞は養子免疫療法に有効に用いることができる。また本発明のペプチドを強力な抗原提示細胞である樹状細胞にインビボあるいはインビトロで発現させて、その抗原発現樹状細胞投与により免疫誘導を行うことができる。
好ましくは、本発明のペプチドと、免疫賦活剤とを用いてインビトロ刺激により、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団を誘導することができる。ここで用いる免疫賦活剤としては、細胞増殖因子又はサイトカインなどが挙げられる。
上記のようにして得られたヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団を体内に移入することにより、腫瘍を抑制することができ、癌を予防及び/又は治療することが可能である。
また、本発明のペプチドを用いることにより、上記した通り腫瘍を抑制することができるヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団を作製することができる。従って、本発明によれば、本発明のペプチドを含む細胞培養液が提供される。この細胞培養液を用いることにより、腫瘍を抑制することができるヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団を作製することができる。さらに、本発明によれば、上記の細胞培養液、及び細胞培養容器を含む、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、又はこれらを含む免疫細胞集団を作製するための細胞培養キットも提供される。
(4)本発明の腫瘍の治療及び/または予防のための医薬(癌ワクチン)
本発明のペプチドは、癌細胞特異的キラーT細胞を誘導することができるので、癌の治療、予防剤として期待できる。例えば、本発明のペプチドをコードする遺伝子を適当なベクターに組み込み、この組換えDNAで形質転換されたBCG菌の細菌、または本発明のペプチドをコードするDNAをゲノムに組み込まれたワクシニアウイルス等のウイルスは、ヒト癌の治療・予防用生ワクチンとして有効に利用できる。なお、癌ワクチンの投与量及び投与法は通常の種痘やBCGワクチンと同様である。
即ち、本発明のペプチドをコードするDNA(そのまま、あるいは発現ベクターに組み込んだプラスミドDNAの形)、当該DNAを含む組換えウイルス若しくは組換え細菌はそのままあるいはアジュバントに分散した状態で癌ワクチンとしてヒトを含む哺乳動物に投与することができる。本発明のペプチドも同様にアジュバンドと分散した状態で癌ワクチンとして投与することができる。
本発明で用いることができるアジュバントとしては、フロイントの不完全アジュバント、BCG、トレハロースダイマイコレート(TDM)、リポ多糖(LPS)、ミョウバンアジュバント、シリカアジュバント等が挙げられるが、抗体の誘導能等の関係から、フロイントの不完全アジュバント(IFA)を使用することが好ましい。
本明細書で言う癌の種類は特に限定されず、具体例としては、食道癌、乳癌、甲状腺癌、大腸癌、膵癌、悪性黒色腫(メラノーマ)、悪性リンパ腫、骨肉腫、褐色細胞腫、頭頸部癌、子宮癌、卵巣癌、脳腫瘍、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、腎臓癌、前立腺癌、肺癌、胃癌、肝癌、胆嚢癌、精巣癌、甲状腺癌、膀胱癌又は肉腫などが挙げられる。
本発明のペプチドは、T細胞エピトープとして癌細胞特異的キラーT細胞を誘導することができるので、ヒト癌の予防・治療剤として有用である。また、本発明の抗体も、癌抗原であるGPC3の活性を阻害することができるものであれば、ヒト癌の予防・治療剤として有用である。実際の使用法としては、本発明のペプチド又は抗体をそのまま、又は医薬的に許容される担体及び/又は希釈剤ととともに、必要に応じて下記の補助剤も加えて、注射剤として投与することもできるし、噴霧などの方法で粘膜からの経皮吸収などで投与してもよい。尚、ここで言う担体とは例えば、ヒト血清アルブミンであり、また希釈剤としては、例えばPBS、蒸留水等を挙げることができる。
投与量は成人1人当たり、本発明のペプチド又は抗体を例えば、1回当たり0.01mg〜100mgの範囲になるように投与することができるが、この範囲に限定されるものではない。製剤の形態も特に限定されず、凍結乾燥したものや、糖などの賦形剤を加えて顆粒にしたものでもよい。
本発明の薬剤に添加することができる腫瘍反応性T細胞誘導活性を高めるための補助剤としては、ムラミルジペプチド(MDP) ほかのBCG菌などの菌体成分、Nature, vol. 344, p873 (1990)に記載されるISCOM、J.Immunol. vol. 148, p1438(1992)に記載されるサポニン系のQS-21、リポソーム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。また、レンチナン、シゾフィラン、ピシバーニールなどの免疫賦活剤を補助剤として用いることもできる。また、IL−2、IL−4、IL−12、IL−1、IL−6、TNFなどのT細胞の増殖、分化を増強するサイトカイン等、ならびにNKT細胞を活性化するαガラクトシルセラミドやToll様レセプターに結合して自然免疫系を活性化するCpG、リポ多糖(LPS)なども補助剤として用いることができる。
また、患者から採取した細胞または、一部のHLA対立遺伝子を共有する他人の(アロ)細胞に試験管内で当該抗原ペプチドを加え、抗原提示させた後、患者血管内に投与し、患者体内で効果的にキラーT細胞を誘導することもできる。また、患者末梢血リンパ球に当該ペプチドを加えて試験管内で培養することにより、試験管内でキラーT細胞を誘導した後に患者血管内に戻すこともできる。このような細胞移入による治療は既に癌治療法として実施されており、当業者間ではよく知られた方法である。
本発明のペプチドを体内に注入することにより、キラーT細胞を誘導活性化し、その結果、抗腫瘍効果が期待できる。また、リンパ球をインビトロで本発明のペプチドで刺激すると活性化T細胞が誘導され、この活性化されたT細胞を患部に注入することによる養子免疫療法に有効に用いることができる。
以下の実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)HLA-A2に結合性を示すGPC3ペプチドの選択
ヒトGPC3のアミノ酸配列をBIMAS system により検索して、HLA-A2との推定された結合力(binding affinity) が20以上のものを4種類、選択した。
[実施例2]
HLA-A2結合性GPC3ペプチドによるヒト・キラーT細胞の誘導
(1)採血
熊本大学医学部消化器外科および国立がんセンター東病院にて治療中の、HLA-A2が陽性の肝細胞癌患者からインフォームドコンセントを得た後、血液サンプル30mlを得て、先に報告した方法により( Nakatsura, Tら、Eur.J.Immunol.32,826-836(2002))、Ficoll-Conray密度勾配遠心法を利用して末梢血単核細胞を単離した。
(2)末梢血単核細胞からのCD8陽性細胞とCD14陽性細胞の分離とキラーT細胞誘導
単離した末梢血単核細胞から、先に報告した方法(Monji,MらClin Cancer Res10,6047-6057,2004)を用いてキラーT細胞を誘導した。まずMACSを用いて末梢血単核細胞中のCD8陽性細胞とCD14陽性細胞を分離し、CD14陽性細胞をGM-CSF(100ng/ml)とIL-4(20ng/ml)存在下に5日間培養して樹状細胞を分化誘導した後に、TNF-α(20ng/ml)を添加して成熟させ、7日目に各GPC3ペプチドを添加(10μM)し、CD8陽性細胞と共培養した。この自己CD14陽性細胞由来の樹状細胞による抗原刺激を1週毎に3〜4回繰り返し、ペプチド特異的キラーT細胞を誘導した。誘導中メディウムは2日毎に半分交換し、IL-2を10U/mlの濃度で添加した。
(3)ELISPOT法によるGPC3特異的キラーT細胞活性の検討
これらの誘導したキラーT細胞の中に、確かにGPC3に特異的に反応してIFN-γを産生するものが存在するかどうかをELISPOT法にて検出した。IFN-γの検出は、ELISPOT Human IFN-γ ELISPOT set (BD社)を用いて行った。刺激細胞(ターゲット)に対して、キラーT細胞(エフェクター)が反応してIFN-γを産生すると、それぞれが赤いスポットとして検出される。標的細胞として、HLA-A2陽性でGPC3を発現していない親株のSK-Hep-1細胞と、GPC3を発現するように遺伝子導入されたSK-Hep-1/GPC3細胞を用いた。まず、抗ヒト IFN-γ抗体をELISPOTプレート(BD Bioscience社)に18時間コーティングした。その後、10%FCS/RPMIにて2時間ブロッキングを行った。エフェクター細胞(100μL /well)と標的細胞(100μL /well)を混合し、37℃で22時間培養した。エフェクター/ターゲット比(E/T比)は、5:1で実験を行なった。その後、プレートを滅菌水で洗浄し、ビオチン化抗ヒトIFN-γ抗体と2時間、さらにストレプトアビジン-HRPと1時間反応させ、基質溶液にてIFN-γ陽性のスポットを検出した。スポットのカウントは、MINERVA TECH社の自動解析ソフトを用いて行った。この結果、GPC3 44-52、144-152、155-163ペプチドで誘導したキラーT細胞においてGPC3特異的キラーT細胞活性に差を認めたが、GPC3 169-177ペプチドで誘導したキラーT細胞においてはGPC3特異的キラーT細胞活性に差を認めなかった(図1及び図2)。代表的なGPC3 155-163ペプチドで誘導したキラーT細胞の解析結果を図1に示す。
(4)細胞傷害性試験によるキラーT細胞の細胞傷害活性の検討
誘導したキラーT細胞の細胞傷害活性は、HLA-A2陽性でGPC3を発現していない親株のSK-Hep-1細胞と、GPC3を発現するように遺伝子導入されたSK-Hep-1/GPC3細胞を刺激細胞として、細胞傷害性試験により検討した。キラーT細胞の細胞傷害活性は、テラスキャンVPによる細胞傷害性試験により評価した。まず、標的細胞を37℃で、30分間カルセインAM染色液にて蛍光標識した。これらの細胞をCoster96穴ハーフ・エリアプレート上でキラーT細胞と共培養し、経時的に蛍光発色細胞を検出することにより細胞傷害の程度を測定した。解析は、MINERVA TECH社の蛍光法による細胞傷害試験計算処理ソフトCalCt-961にて行った。E/T比は、20:1で実験を行なった。この結果、GPC3 44-52、144-152、155-163ペプチドで誘導したキラーT細胞においてGPC3特異的な細胞傷害活性を認めたが、GPC3 169-177ペプチドで誘導したキラーT細胞については、GPC3特異的な細胞傷害活性を認めなかった(図2)。
HLA-A24により提示されるGPC3ペプチドを標的とした癌免疫療法は、マウスの動物実験でも有効性が認められているが、HLA-A24によりキラーT細胞に提示されるペプチドだけでは、日本人の60%しかワクチン投与の対象者にできない。今回HLA-A2によりキラーT細胞に提示されるペプチドを同定することで、両者併せると日本人の85%をワクチン投与の対象者にできる。HLA-A2によりキラーT細胞に提示されるペプチドを用いた探索医療で有効性を示せれば、欧米白人にも臨床応用される可能性も高まってくる。また、欧米白人で陽性者の頻度が高いHLA-A2によりキラーT細胞に提示されるペプチドを同定することにより、日本人の肝細胞癌およびメラノーマ患者の40%に応用可能であるだけでなく、多くの欧米白人にも応用できる。
図1は、GPC3ペプチドを特異的に認識して活性化されたキラーT細胞が産生した、IFN-γをELISPOT解析により検出した代表的な結果を示す。肝細胞癌患者の末梢血中のCD8陽性細胞を、GPC3 155-163ペプチドを負荷したCD14陽性単球に由来する樹状細胞で刺激して誘導したキラーT細胞は、GPC3を発現するように遺伝子導入されたSK-Hep-1/GPC3細胞を刺激細胞とした場合(図右)は、HLA-A2陽性でGPC3を発現していない親株のSK-Hep-1細胞を刺激細胞とした場合(図左)に比べ、スポットの数も、スポットの面積の総和も有意に大きかった。これよりGPC3 155-163 ペプチドは、GPC3特異的キラーT細胞を誘導できるエピトープペプチドであると判定した。 図2は、ELISPOT解析と細胞傷害性試験の結果を示す。HLA-A2陽性の肝細胞癌患者末梢血からCD8陽性T細胞を選別し、各GPC3ペプチドを負荷した単球由来樹状細胞で刺激して得られたキラーT細胞が、GPC3発現細胞に対して特異的に反応してIFN-γを産生するかどうかをエリスポットアッセイで検討し、また、GPC3発現細胞を特異的に傷害するかどうかを、細胞傷害性試験により検討した。標的細胞として、HLA-A2陽性でGPC3を発現していない親株のSK-Hep-1細胞と、GPC3を発現するように遺伝子導入されたSK-Hep-1/GPC3細胞を用いた。その結果、GPC3 44-52、144-152、155-163ペプチドで誘導したキラーT細胞は、SK-Hep-1/GPC3細胞をGPC3特異的に識別してIFN-γを産生し、かつ、高い細胞傷害活性を示したが、GPC3 169-177ペプチドで誘導したキラーT細胞においては、GPC3特異的キラーT細胞活性を示さなかった。以上より、GPC3 44-52、144-152、155-163ペプチドは、GPC3特異的キラーT細胞を誘導できるエピトープペプチドであると判定した。

Claims (8)

  1. 以下の何れかのペプチド。
    (A)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列からなるペプチド。
    (B)配列番号1から3の何れかに示すアミノ酸配列において1個のアミノ酸が置換されたアミノ酸配列からなり、細胞傷害性(キラー)T細胞の誘導能を有するペプチド。
  2. 請求項1に記載のペプチドを少なくとも1種類以上含む、癌に対する免疫誘導剤。
  3. 請求項1に記載のペプチドを少なくとも1種類以上含む、腫瘍の治療及び/または予防のための医薬。
  4. 請求項1に記載のペプチドを含む、腫瘍反応性T細胞の誘導能の高い抗原提示細胞を誘導するための薬剤。
  5. 請求項1に記載のペプチドを含む、腫瘍反応性T細胞を誘導するための薬剤。
  6. 請求項1に記載のペプチドを用いて誘導される、キラーT細胞。
  7. HLA-A2分子と請求項1に記載のペプチドとの複合体を提示する樹状細胞。
  8. 請求項4に記載の薬剤によって誘導される、請求項に記載の樹状細胞。
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