JP5299366B2 - 光半導体素子用ダイボンド剤組成物及び該組成物を用いてなる光半導体装置 - Google Patents
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Description
下記(A)〜(H)成分を含む光半導体素子用ダイボンド剤組成物を提供する。
(A)一般式(1)で表される構造単位をモル分率0.25〜0.75で含み、一般式(3)で表される構造単位をモル分率0.25〜0.75で含有してなり、エポキシ当量が200〜1300g/eqであるシリコーン樹脂 100質量部、
一般式(1):
[R1R2 xSiO(3−x)/2] (1)
〔式中、
R1は下記式(2):
で表される基、
R2は水酸基、C1−20一価炭化水素基、又はC1−6アルコキシ基であり、該シリコーン樹脂中に複数のR2があるときそれらは同一又は異なり、
xは0、1もしくは2の整数であり、該シリコーン樹脂中に複数のxがあるときはそれらは同一又は異なる。]
一般式(3):
[(R3 2SiO)n] (3)
(式中、R3はC1−20一価炭化水素基であり、nは3〜15の整数である)
(B)上記式(2)で表される基を有するエポキシ樹脂 10〜100質量部、
(C)エポキシ基と反応性の官能基を有する硬化剤
(A)成分及び(B)成分中のエポキシ基の合計1モルに対して、前記エポキシ基と反応性の官能基が0.3〜1.0モルとなる量、
(D)硬化触媒
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し0.01〜3質量部、
(E)白色顔料 (A)〜(D)成分の合計100質量部に対し3〜100質量部、
(F)(E)成分以外の無機充填剤
(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し3〜20質量部、
(G)シランカップリング剤 0.1〜0.5質量部、
並びに
(H)酸化防止剤 0.1〜0.5質量部。
(A)シリコーン樹脂は、式(1):
[R1R2 xSiO(3−x)/2] (1)
(式中、R1は下記式(2):
で表される基、
R2は互いに独立に水酸基、C1−20一価炭化水素基、及びC1−6アルコキシ基から選ばれる基であり、
xは0、1もしくは2の整数である。]
で表される少なくとも1種の構造単位(以下、「単位a」ともいう)をモル分率0.25〜0.75で、そして
式(3):
[(R3 2SiO)n] (3)
(式中、R3は、互いに独立に、C1−20一価炭化水素基であり、nは3〜15の整数である)
で表される構造単位(以下、「単位b」ともいう)をモル分率0.25〜0.75で、
含有してなり、エポキシ当量が200〜1300g/eqであるシリコーン樹脂である。(A)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
[R5R2 ySiO(3−y)/2] (4)
(式中、R5は例えばフェニル基、トルイル基、ナフチル基等のアリール基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基であり、好ましくはフェニル基であり、
R2は前記の通りであり、
yは0、1もしくは2の整数であり、該シリコーン樹脂中に複数の単位cがあるときはそれらの単位cにおいて同一又は異なる。]
単位cとしてはR5がフェニル基である場合、樹脂強度、接着力の向上という点で有利である。
R5はアリール基又はシクロアルキル基、
yは独立に0、1又は2の整数、
aは0.25〜0.75の数、
bは0.25〜0.75の数、
cは0〜0.3の数、但しa+b+c=1、である。)
下記式(7):
で表されるエポキシ基含有シランを、必要に応じて、任意的な単位cを形成するためのモノマーである、式(8):
で表されるシランとともに、定法に従い加水分解及び縮合反応させることによって得ることができる。
本発明の組成物は、(B)上記式(2)で表される基を有するエポキシ樹脂を含む。好ましくは、上記式(2)で表される基を2つ、但し、R4は互いに異なっていてよい、を含む。(B)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。後述の実施例で示すように、該エポキシ樹脂は、該エポキシ樹脂と同じくシクロヘキサン環を備える水添型エポキシ樹脂を併用した場合とほぼ同等の接着性を示しながら、水添型エポキシ樹脂よりも耐熱性、耐UV性に優れた硬化物を与える。最も好ましくは、下記式(9)で示される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが使用される。
硬化剤としては、(C)エポキシ基と反応性の官能基を有する硬化剤が使用される。(C)成分は1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(C)成分としては、例えば、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤が挙げられ、そのうち酸無水物系硬化剤が好ましい。酸無水物系硬化剤としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、ノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物、2,4−ジエチルグルタル酸無水物などを挙げることができ、これらのうち、ヘキサヒドロ無水フタル酸及びその誘導体(即ち、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物)が好ましい。
(D)成分は硬化触媒であり、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。硬化触媒としては、テトラブチルホスホニウム・O,O−ジエチルホスホロジチオエート、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレートなどの第四級ホスホニウム塩、トリフェニルフォスフィン、ジフェニルフォスフィン等の有機フォスフィン系硬化触媒、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン等の三級アミン系硬化触媒、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 フェノール塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 オクチル酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 p-トルエンスルホン酸塩、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7 ギ酸塩等の第四級アンモニウム塩、オクチル酸亜鉛、ナフチル酸亜鉛等の有機カルボン酸塩、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムエチルアセトアセテート・ジイソプロピレート等のアルミキレート化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾールなどのイミダゾール類などを挙げられ、望ましくは第四級ホスホニウム塩、第四級アンモニウム塩である。
(E)成分は白色顔料であり、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(E)成分の白色顔料としては、二酸化チタン、チタン酸カリウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、カオリン、炭酸カルシウム及びこれらの2種以上の混合物が挙げられ、粒径及び白色度の点で、二酸化チタンが好適に使用される。
前記二酸化チタンの結晶構造はルチル型、アナタース型、ブルカイト型のどれでも構わないが、ルチル型が好ましい。
(F)成分は(E)成分以外の無機充填剤であり、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(F)成分の無機充填剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、ベンガラ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素、炭化ケイ素及びこれらの2種以上の組み合わせが挙げられ、粒径、純度等の点で、シリカが好適に使用される。
(G)成分はシランカップリング剤であり、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(G)成分のシランカップリング剤としては、例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシ系シランカップリング剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニル系シランカップリング剤;アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等の(メタ)アクリル系シランカップリング剤;N−β(アミノエチル)γアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミン系シランカップリング剤;メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト系シランカップリング剤等が挙げられる。これらのうちメルカプト系シランカップリング剤が好ましい。(G)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部、好ましくは0.2〜0.3質量部である。
(H)成分は酸化防止剤であり、1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。(H)成分としては、例えば、亜リン酸化合物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤等が挙げられ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤が好ましい。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]が挙げられる。(H)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜0.5質量部、好ましくは0.1〜0.3質量部である。
上記各成分に加えて、本発明の目的を阻害しない範囲の量で、その他の成分、例えば、紫外線吸収剤、劣化防止剤、蛍光体、熱可塑剤、希釈剤などの慣用の添加剤を必要に応じて併用しても差し支えない。紫外線吸収剤としては、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤が好ましい。
本発明の組成物は、(A)〜(H)成分および必要によりその他の成分を混合することにより製造することができる。混合は、溶解、溶融混合、分散またはこれらの2種以上の組み合わせで行うことができる。溶融混合は、公知の方法で行うことができ、例えば、上記の成分をリアクターに仕込み、バッチ式にて行ってもよく、また上記の成分をニーダー、熱3本ロールミルなどの混練機に投入して、連続的に行ってもよい。(D)成分の硬化触媒は(C)成分の硬化剤に予め加熱下で溶解混合し、得られた混合物を、本発明組成物を製造するための混合の最終段階で(B)成分のエポキシ樹脂等の残りの成分に分散させて混合することが好ましい。
本発明の光半導体装置は、LED素子等の光半導体素子と、基板、リードフレーム等の基体と、上記ダイボンド剤組成物の硬化物とを有してなり、該硬化物を介して該光半導体素子が該基体に接着されている。本発明の光半導体装置は、例えば、基体に本発明のダイボンド剤組成物を施与し、施与された該組成物を介して該基体に光半導体素子を載せ、該組成物を硬化させて、該組成物の硬化物を得、該硬化物を介して該光半導体素子を該基体に接着させることにより製造することができる。本発明のダイボンド剤組成物は公知の方法、例えば、ディスペンスによる塗布後及びスタンピング等による転写を用いて基体に施与することができる。施与される組成物は、予め、所定の温度で加熱し、必要に応じて水、有機酸、アルコール等を添加して、高粘度化(またはB-ステージ化)したものであってもよい。
以下の合成例において、生成物を示す平均組成式におけるnの平均値は、GPC測定による分子量分布のチャートにおいて、各nと各nにおけるピーク面積との積の総和を、全ピーク面積の総和で除して求めた値である。例えば、ある生成物のnが2〜20の整数の場合、[2×(n=2のピーク面積)+3×(n=3のピーク面積)+ … +20×(n=20のピーク面積)]/[(n=2のピーク面積)+(n=3のピーク面積)+ … +(n=20のピーク面積)]の計算から求めた値である。
反応器にMeO(Me)2SiO(Me2SiO)mSi(Me)2OMe(mは1〜8の整数で、平均は1.5)306g(1.00モル)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM303)246g(1.00モル)、イソプロピルアルコール500mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液12g、水110gを添加し室温で3時間攪拌した。次いで、系内にトルエン500mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて分離した有機層(トルエン溶液)を熱水にて洗浄した後、減圧下トルエンを溜去したところ、下記平均組成式で示される構造を有する、目的のオルガノポリシロキサン(「樹脂1」とする)を得た。
・樹脂1のGPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は4300であり、エポキシ当量(滴定法(JIS K7236)により測定、以下同様)は403g/eqであった。
反応器に、MeO(Me)2SiO(Me2SiO)mSi(Me)2OMe(mは1〜8の整数で、平均は1.5)275g(0.90モル)、フェニルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM103)59.5g(0.30モル)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM303)221.8g(0.90モル)、イソプロピルアルコール500mlを仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液12g、水110gを添加し、室温で3時間攪拌した。次いで、系内にトルエン500mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて、トルエン溶液を熱水にて洗浄した。減圧下トルエンを溜去して、下記平均組成式で示される目的のオルガノポリシロキサン(「樹脂2」とする)を得た。樹脂2のGPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は6200であり、エポキシ当量は354g/eqであった。
[合成例3]
反応器に、MeO(Me)2SiO(Me2SiO)mSi(Me)2OMe(mは1〜8の整数で、平均は1.5)306g(1.00モル)、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM403)236g(1.00モル)、イソプロピルアルコール500ml、を仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液12g、水110gを添加し室温で3時間攪拌した。次いで、系内にトルエン500mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて、トルエン溶液を熱水にて洗浄した後、減圧下トルエンを溜去して、下記平均組成式で示される目的のオルガノポリシロキサン(「樹脂3」とする)を得た。
・29Si−NMRによる測定結果から、合成例1と同様にして、該平均組成式を構成する第一の構造単位(左側の単位)は、T単位を約23モル%、D単位とM単位とを合計で約77モル%含むことが分かった。
反応器に、MeO(Me)2SiO(Me2SiO)mSi(Me)2OMe(mは1〜28の整数で、平均は18)765g(0.50モル)、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業社製KBM303)123g(0.50モル)、イソプロピルアルコール800ml、を仕込んだ後、水酸化テトラメチルアンモニウムの25質量%水溶液6.0g、水55gを添加し室温で3時間攪拌した。次いで、系内にトルエン800mlを入れ、リン酸二水素ナトリウム水溶液で中和した。分液漏斗を用いて、トルエン溶液を熱水にて洗浄した後、減圧下トルエンを溜去して、下記式で示される目的のオルガノポリシロキサン(「樹脂4」とする)を得た。樹脂4のGPCで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量は3500であり、エポキシ当量は1300g/eqであった。
下記表1に示す配合量(単位:質量部)で、各成分を攪拌混合装置で十分混合した後、得られた混合物を3本ロールミルに通し、ダイボンド剤組成物を調製した。表中、(B)〜(H)成分は以下のとおりである。また、表中、空欄は「0」を意味する。
(B)エポキシ樹脂:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド2021P)
(C)硬化剤:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸(新日本理化(株)製、リカシッドMH)
(D)硬化触媒:第四級ホスホニウム塩(サンアプロ(株)製、U−CAT5003)
(E)白色顔料
E−1:ルチル型二酸化チタン(石原産業(株)製、CR−90(商品名)、平均粒径0.3μm、AlとSiとにより表面処理済)
E−2:ルチル型二酸化チタン(石原産業(株)製、PF−691(商品名)、平均粒径0.2μm、AlとSiと有機物とにより表面処理済)
(F)無機充填剤:ヒュームドシリカ(信越化学工業(株)社製、Musil 130A(商品名)、BET比表面積300m2/g)
(G)シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−803)
(H)酸化防止剤:ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](株式会社ADEKA社製、アデカスタブAO−60)
得られた組成物及びその硬化物の特性評価を以下の方法で行なった。結果を表1に示す。硬化は、組成物を100℃で1時間、次いで150℃で2時間加熱して行なった。
(1)粘度
東機産業製E型回転粘度計にて、組成物の23℃における粘度を1rpm及び10rpmで測定した。
(2)チクソ比
上記E型回転粘度計にて測定した1rpmと10rpmでの粘度の比よりもとめた。
(3)硬度
JIS K6301に準拠して棒状硬化物について測定した(ショアD)。
(4)耐熱性(耐熱黄変性)
上記硬化物からなる直径50mm×厚さ3mmの円盤を作製し、初期の外観および150℃または180℃で24時間放置した後の外観を目視で観察した。
(5)光反射率
上記(4)と同様にして作製した直後の円盤にピーク波長365nmの高圧水銀灯から強度60mW/cm2のUVを24時間照射した。作製直後の円盤及び前記のとおりにしてUV照射された円盤の波長450nmにおける光反射率をエス・デイ・ジー株式会社製の光反射率測定機X−rite8200(商品名)を使用して測定した。
(6)接着強度
Agメッキ基板(42アロイ)に組成物を0.1mg程度塗布し、その上に、2mmx2mm角のSiチップを置き、上記硬化条件にて硬化させ、試験片を作成し、Dage社製4000ボンドテスターを用いて剪断法により剪断接着強度を測定した。各組成物について5個の試験片の剪断接着強度を測定し、それらの平均値を求めた。表1にはこの平均値を示す。
光半導体素子を載置する円状凹部を有しその底部が銀メッキされたLED用プレモールドパッケージ(3mm四方、厚さ1mm、凹部の内径2.6mm、凹部の深さ0.4mm)を用意した。該パッケージの該底部に組成物をスタンピングにより転写して底部をコートし、得られた被膜にInGaN系青色発光素子を、ダイボンディング装置を用いて接着させた。その後、180℃で1.5時間加熱して該組成物被膜を硬化させた。次に該発光素子を、金ワイヤーにて外部電極に接続した。その後、シリコーンハイブリッド樹脂組成物(LPS−7418(商品名)、信越化学工業(株)社製)を凹部に充填し、100℃で1時間、さらに150℃で4時間硬化させて該素子を封止した。このようにして、各組成物について、10個の封止LED装置を作製した。これらを以下の試験に供した。結果を表1に示す。
(7)温度サイクル試験
得られた封止LED装置5個を、以下の条件で温度サイクルに、LEDを点灯させないで供した。温度サイクル終了時に接着層におけるクラック発生の有無を観察し、クラックが発生していたLED装置の個数を数えた。
・温度サイクル条件:
一サイクル:−40℃で20分間置き、次に125℃で20分間置いた。
繰り返しサイクル数:1000サイクル及び2000サイクル
(8)高温高湿点灯試験
65℃、95%RHの恒温恒湿条件下で、50mAを通電して点灯した状態で、上記封止LED装置の残りの5個を500時間放置した。
放置後に、LED素子と前記凹部の底部との間における剥離等の接着不良の有無、接着層におけるクラック発生の有無、及びチップ周りの接着層の変色(黄変)の有無を観察した。接着不良、クラック発生又は変色(黄変)が観察されたLED装置の個数を数えた。
Claims (11)
- 下記(A)〜(H)成分を含む光半導体素子用ダイボンド剤組成物。
(A)一般式(1)で表される構造単位をモル分率0.25〜0.75で含み、一般式(3)で表される構造単位をモル分率0.25〜0.75で含有してなり、エポキシ当量が200〜1300g/eqであるシリコーン樹脂 100質量部、
一般式(1):
[R1R2 xSiO(3-x)/2] (1)
〔式中、R1はβ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、
R2は水酸基、C1-20一価炭化水素基、又はC1-6アルコキシ基であり、該シリコーン樹脂中に複数のR2があるときそれらは同一又は異なり、
xは0、1もしくは2の整数であり、該シリコーン樹脂中に複数のxがあるときはそれらは同一又は異なる。]
一般式(3):
[(R3 2SiO)n] (3)
(式中、R3はC1-20一価炭化水素基であり、nは3〜10の整数である)
(B)下記式(9)で表されるエポキシ樹脂 10〜100質量部、
(C)エポキシ基と反応性の官能基を有する硬化剤
(A)成分及び(B)成分中のエポキシ基の合計1モルに対して、前記エポキシ基と反応性の官能基が0.3〜1.0モルとなる量、
(D)硬化触媒
(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対し0.01〜3質量部、
(E)白色顔料 (A)〜(D)成分の合計100質量部に対し3〜100質量部、
(F)(E)成分以外の無機充填剤
(A)〜(D)成分の合計100質量部に対し3〜20質量部、
(G)シランカップリング剤 0.1〜0.5質量部、
並びに
(H)酸化防止剤 0.1〜0.5質量部。 - (A)成分が、下記平均組成式(5):
R5はアリール基又はシクロアルキル基、
yは独立に0、1又は2の整数、
aは0.25〜0.75の数、
bは0.25〜0.75の数、
cは0〜0.3の数、但しa+b+c=1、である。)
で表されるシリコーン樹脂である請求項1に係るダイボンド剤組成物。 - (A)成分のエポキシ当量が300〜1100g/eqである請求項1〜2のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- R1がβ−(3,4−エポキシシクロへキシル)エチル基であり、R2が式(1)で表される複数の構造単位において独立に水酸基又はメトキシ基であり、R3がメチル基である、請求項1〜3のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- (C)成分が酸無水物系硬化剤である請求項1〜4のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- (D)成分が第4級ホスホニウム塩である請求項1〜5のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- (E)成分がルチル型二酸化チタンであり、(E)成分の平均粒径が0.15〜0.35μmである請求項1〜6のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- (F)成分のBET比表面積が180〜350m2/gである請求項1〜7のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- (G)成分がメルカプト系シランカップリング剤である請求項1〜8のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- (H)成分がヒンダードフェノール系酸化防止剤である請求項1〜9のいずれか1項に係るダイボンド剤組成物。
- 光半導体素子と、基体と、請求項1〜10のいずれか1項に記載のダイボンド剤組成物の硬化物とを有してなり、該硬化物を介して該光半導体素子が該基体に接着されている光半導体装置。
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