JP2019182958A - 光半導体装置用ダイアタッチ材 - Google Patents

光半導体装置用ダイアタッチ材 Download PDF

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Abstract

【課題】スタンピング塗布作業性および銀面との接着強度に優れた熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物からなる光半導体装置用ダイアタッチ材。【解決手段】下記(A)〜(D)成分を含有するダイアタッチ材。(A)下記(A−1)成分及び(A−2)成分40〜80質量部、(A−1)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン、(A−2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物又はエポキシ樹脂(但し、ポリシロキサンではない)、(B)ビシクロ骨格を有する酸無水物(B−1)及び遊離カルボキシ基を有する酸無水物(B−2)を(B−1):(B−2)=75:25〜95:5(質量比)で含む酸無水物硬化剤20〜60質量部(但し、上記(A)成分と該(B)成分の合計は100質量部である)、(C)触媒量の硬化触媒、及び(D)(A)成分及び(B)成分100質量部に対し1〜20質量部の無機充填剤【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物からなる光半導体装置用ダイアタッチ材に関する。
光半導体(LED)は、電球や蛍光灯などの従来の発光装置と比較して、消費電力が少なく、また長寿命であるといった利点から近年急速に普及している。光半導体装置を作製する場合、先ず光半導体基板上の所定位置にダイアタッチ材と呼ばれる光半導体チップの基板への固定化を目的とする硬化性の樹脂組成物が塗布される。ダイアタッチ材の塗布方法は、シリンジに充填された樹脂を、シリンジ先端に取り付けたニードルから圧力をかけて吐出し基板上へ転写するディスペンス法と、樹脂皿上に薄膜状態で広げた樹脂に転写ピンを押し付けた後、基板上へ樹脂の付着したピンを押し付け転写するスタンピング法の2つの方法が一般的である。そして、塗布した樹脂組成物の上部に、底部の多くがサファイアで形成されるLEDチップを圧着するダイボンド工程が行われ、その後、上記樹脂組成物を硬化される工程を経て、多くが金により形成される光半導体チップの電極パッド部と、基板上の多くは銀により形成される導電性のリードフレーム部位とを金ワイヤにて接合するワイヤボンディング工程が行われるものである。ワイヤボンディング工程では、キャピラリー先端部に形成される金ボールを、超音波をかけながら電極パッド部に押しつけるが、この際、基板はステージより加熱された状態にあり、LEDチップが基板上に十分に固定化されていない場合、押し付け時に超音波が周囲へと拡散してしまい、金ワイヤが十分な強度で接合できないといった問題が発生する。また、後工程を経てLED装置を作製した後、点灯動作中にLEDチップが基板から浮いてしまうと、発熱体であるLEDチップから基板への放熱が十分に行えず、動作不良を引き起こすおそれがある。このため、ダイアタッチ材にはLEDチップを基板に十分に固定化するために、高強度且つ高接着性の硬化物を付与できる硬化性の樹脂組成物が用いられる。
また、照明用途に多く使用される高輝度LED装置には、ダイアタッチ材として耐熱性及び耐光性の付与といった観点から、メチルシリコーン系統の付加硬化性シリコーン樹脂組成物が多く用いられているが、近年多く見られる100μm平方などの小型のLEDチップに用いる場合には、エポキシ樹脂と比較して強度が弱いため、金ワイヤが十分な強度で接合できない問題が指摘されている。小型のLEDチップの場合、通常の高輝度LEDと比較して出力が下がるため、透明性及び接着強度の観点から酸無水物系硬化剤を用いる熱硬化性エポキシシリコーン樹脂が候補に挙がり得る。
特開2011−109058号公報(特許文献1)は、脂環式エポキシ基と所定長さの直鎖オルガノポリシロキサン構造を有するシリコーン樹脂と、脂環式エポキシ樹脂とを含み、更に硬化剤として4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を用いる熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物が記載され、該組成物を光半導体素子用ダイボンド剤として用いること、耐熱性、耐UV性、及び接着性に優れる硬化物を与えることを記載している。
また、特開2008−019422号公報(特許文献2)には光半導体素子被覆用にエポキシシリコーン樹脂組成物が記載されており、特開2010−147175号公報(特許文献3)には半導体装置用アンダーフィル材としてオルガノポリシルセスキオキサン化合物が添加された樹脂組成物が記載されている。これらの組成物においても、硬化剤として4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物が記載されている。
特開2011−109058号公報 特開2008−019422号公報 特開2010−147175号公報
小型のLEDチップをダイアタッチ材にて固定化する場合、より小さなドットで樹脂を精密に塗布できることからスタンピング法が多く採られる。従って、よりスタンピング塗布作業性の良い樹脂が求められている。しかし、特許文献1記載の樹脂組成物をスタンピング法にて基板上へ塗布すると、非常に短時間で、糸引きなどの転写樹脂形状の異常が発生しやすい。これは、樹脂が樹脂皿上で薄膜状態になることで空気と接触する割合が増え、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物による空気中の水分の吸湿による酸無水物部分の加水分解が著しく促進され、そのため樹脂の増粘具合が通常のメチルシリコーン系統の付加硬化性シリコーン樹脂を用いた場合よりも大きくなるためである。更に酸無水物部の加水分解により、スタンピング塗布の初期と後期とで、ガラス転移温度といった硬化後の樹脂物性にも差が現れる。上記特許文献2及び3記載の組成物も同様に硬化剤として4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物を使用しており、光半導体装置用ダイアタッチ材として用いる場合に満足のいくスタンピング塗布作業性を得ることができない。
このように、従来の酸無水物硬化剤を含有する熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物では、LED装置用ダイアタッチ材として使用した場合に、スタンピング塗布作業性が十分でないという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、スタンピング塗布作業性および銀面との接着強度に優れた熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物からなる光半導体装置用ダイアタッチ材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、特定の構造を有する酸無水物を特定量比にて組合せて含有する熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物であるダイアタッチ材が、スタンピング塗布作業性に優れ、また銀リードフレームとの接着性に優れることを見出し、本発明をなすに至ったものである。
即ち、本発明は下記(A)〜(D)成分を含有するダイアタッチ材を提供する。
(A)下記(A−1)成分及び(A−2)成分 40〜80質量部
(A−1)下記式(1)で示される、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン
Figure 2019182958
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数6〜12のアリール基であり、Epは互いに独立に、エポキシ基を有する1価の有機基であり、a、b、c、及びdは整数であり、0.5≦(b+d)/(a+b+c+d+e)であり、0.3≦(c+d)/(a+b+c+d+e)であり、0≦e<0.05であり、但し、a+b+c+d+e=1となる数である)
(A−2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物又はエポキシ樹脂(但し、ポリシロキサンではない)、
(B)下記(B−1)成分及び下記(B−2)成分を(B−1):(B−2)=75:25〜95:5(質量比)で含む酸無水物硬化剤 20〜60質量部(但し、上記(A)成分と該(B)成分の合計は100質量部である)
(B−1)下記式(2)で示される、ビシクロ骨格を有する酸無水物、及び
Figure 2019182958
(式中、Rは、水素原子、メチル基、またはフェニル基である)
(B−2)下記式(3)で示される、遊離カルボキシ基を有する酸無水物
Figure 2019182958
(式中、nは0または1である)
(C)硬化触媒 触媒量、及び
(D)無機充填剤 上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対し1〜20質量部。
本発明は特には、光半導体装置用である上記ダイアタッチ材を提供する。
本発明のダイアタッチ材は、スタンピング塗布作業時に経時の塗布量変化が少ないため生産性を向上することが可能であり、基板上の銀リードフレームとの接着性に優れるため信頼性が高い。従って、本発明のダイアタッチ材はLED用ダイアタッチ材として極めて有用である。
なお、上記効果を与える理由として、硬化剤として上記特定の酸無水物を特定の組み合わせで使用することにより、スタンピング塗布作業時の薄膜状態においても空気中の水分の吸収が少ないことが挙げられる。また、吸湿性が低い立体的に込み合った構造の酸無水物を用いながらも、硬化反応が所定時間で十分進行することも挙げられる。
<(A−1)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン>
(A−1)成分は下記式(1)で示される1分子中に2個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサンである。
Figure 2019182958
(式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数6〜12のアリール基であり、Epはエポキシ基を有する1価の有機基であり、a、b、c、及びdは整数であり、0.5≦(b+d)/(a+b+c+d+e)であり、0.3≦(c+d)/(a+b+c+d+e)であり、0≦e<0.05であり、但し、a+b+c+d+e=1となる数である)
上記オルガノポリシロキサンは、エポキシ基を1分子中に2個以上有すればよい。好ましくは、エポキシ当量100〜600g/mоl、より好ましくはエポキシ当量150〜500g/mоlであるのがよい。
上記式(1)中、Rで示される炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数6〜12のアリール基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアルキル基等、フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基が例示できる。なかでも、上記Rとしてはコストの観点より、特にメチル基あるいはフェニル基が好ましい。
上記式(1)中、Epで示される、エポキシ基を有する1価の有機基としては、エポキシ基を有する炭素数4〜15の、より好ましくは6〜12の1価の炭化水素基が好ましい。例えば、γ―グリシドキシプロピル基、及び2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等が挙げられる。特に、オルガノポリシロキサンの安定性の観点より、γ―グリシドキシプロピル基が好ましい。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサンの製造方法は特に制限されるものでなく、対応するアルコキシシランの塩基性条件下での共加水分解縮合により合成することができる。
上記式(1)中、a、b、c及びdは整数である。エポキシ基含有有機基を有するシロキサン単位の数(b+d)は、好ましくは0.5≦(b+d)/(a+b+c+d+e)を満たす数であり、より好ましくは0.55≦(b+d)/(a+b+c+d+e)を満たす数である。エポキシ基含有有機基を有するシロキサン単位の数(b+d)が上記下限値未満である場合、得られる硬化物の強度が低下するおそれがある。
また、上記式(1)中においてT単位の数(c+d)は、好ましくは0.3≦(c+d)/(a+b+c+d+e)を満たす数であり、より好ましくは0.35≦(c+d)/(a+b+c+d+e)を満たす数であるのがよい。T単位の数(c+d)が上記下限値未満である場合、得られる硬化物の強度が低下するおそれがある。上記式(1)中の−ORの数(e)は、0≦e<0.05が好ましく、0≦e<0.03がより好ましい。eが上記範囲よりも大きい場合、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがある。上記式(1)においてaは上記を満たす整数であればよい。例えば0〜0.5である。
上記(A−1)エポキシ基含有オルガノポリシロキサンは25℃で液状であるのがよい。GPC測定による重量平均分子量Mwは1,000〜10,000であり、好ましくは2,000〜6,000である。尚、本発明におけるGPC測定条件は後述する通りである。
<(A−2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物又はエポキシ樹脂>
(A−2)成分は1分子中に2個以上のエポキシ基を有する、エポキシ化合物又はエポキシ樹脂である。但し、ポリオルガノシロキサンではなく上記(A−1)成分とは異なる。(A−2)成分はエポキシ基を1分子中に2個以上有すればよい。好ましくは、エポキシ当量100〜600g/mоl、より好ましくはエポキシ当量150〜500g/mоlであるのがよい。例えば、トリアジン誘導体エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、及び脂環式エポキシ化合物等、従来公知のエポキシ化合物及びエポキシ樹脂から選択されればよい。特に耐熱性の観点から脂環式エポキシ化合物が好ましい。脂環式エポキシ化合物としては、市販品としてセロキサイド2021P(株式会社ダイセル社製、下記式(a))、セロキサイド8000(株式会社ダイセル社製、下記式(b))などが挙げられる。これらのエポキシ化合物は上述した(A−1)成分との相溶が高く、好適に用いられる。
Figure 2019182958
Figure 2019182958
本発明のダイアタッチ材において、上記(A−1)成分及び(A−2)成分の量は、(A)成分と該(B)成分の合計100質量部に対して、(A)成分の量が40〜80質量部、好ましくは45〜75質量部となる量である。また、(A−1)成分と(A−2)成分の配合比率は、(A−1):(A−2)=45:65〜90:10であることが好ましく、(A−1):(A−2)=50:50〜85:15であることがより好ましい。
<(B)酸無水物硬化剤>
(B)成分は酸無水物系硬化剤であり、(A−1)及び(A−2)成分と反応することで硬化物を与える。本発明のダイアタッチ材は、該酸無水物硬化剤として、下記式(2)で表されるビシクロ骨格を有する酸無水物(B−1)と、下記式(3)で表される遊離カルボキシ基を有する酸無水物(B−2)とを特定量比にて組合せて含有することを特徴とする。下記構造を有する酸無水物は、スタンピング塗布作業時の薄膜状態においても空気中からの水分の吸収が少ない。また吸湿性が低い立体的に込み合った構造の酸無水物を用いながらも硬化反応が所定時間で十分に進行する。
<(B−1)ビシクロ骨格を有する酸無水物>
(B−1)は下記式(2)で示されるビシクロ骨格を有する酸無水物である。
Figure 2019182958
(式中、Rは水素原子、メチル基、またはフェニル基である)
上記式(2)で表される酸無水物はビシクロ骨格を有するため、酸無水物部の立体障害が大きく、ビシクロ骨格を有さないものと比較して吸湿性が低い。上記Rは、酸無水物の取扱い性の観点から、水素原子またはメチル基が好ましい。(B−1)は上記式(2)で示される酸無水物の1種単独でも、2種以上の併用であってもよい。上記酸無水物は市販品であってよく、例えば、下記式(4)で示されるメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物と下記式(5)で示されるビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物との混合物(新日本理化株式会社製:リカシッドHNA−100)が挙げられる。
Figure 2019182958
<(B−2)遊離カルボキシ基を有する酸無水物>
(B−2)成分は、下記式(3)で示される、遊離カルボキシ基を有する酸無水物である。
Figure 2019182958
(式中、nは0または1である)
上記式(3)で示される構造の酸無水物は、遊離のカルボキシ基を有するため、硬化反応を促進することができ、また架橋点が多いことから、よりガラス転移温度が高く、強度の高い硬化物を与えることができる。該酸無水物は市販品であってよく、例えば、下記式(6)で示されるシクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物(三菱ガス化学株式会社製:H−TMAn)などが挙げられる。
Figure 2019182958
上記(B−1)及び(B−2)の質量比は、(B−1):(B−2)=75:25〜95:5であることが好ましく、より好ましくは(B−1):(B−2)=80:20〜90:10である。(B−1)の配合量が上記の範囲よりも多い場合、硬化が所定の時間で十分に進行しなくなるおそれがあり、未反応状態の酸無水物の劣化による耐熱性の低下が発生する恐れがあり、(B−1)の配合量が上記の範囲よりも少ない場合、樹脂の貯蔵安定性や取扱い作業性が低下するおそれがある。
ダイアタッチ材における(B−1)成分及び(B−2)成分の量は、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して、(B−1)成分と(B−2)成分の合計として20〜60質量部、好ましくは25〜55質量部であるのがよい。また、(B)酸無水物は上記(A)エポキシ化合物と反応して硬化する。従って、(B)成分の量は、上記(A)エポキシ化合物が有するエポキシ基の合計1モルに対して(B)成分中にある反応性基のモル比が0.5〜2.0となる量であるのがよい。
本発明の組成物は、上記(B−1)及び(B−2)成分に加えて、これら2種以外の酸無水物を添加してもよい。該酸無水物の例としては、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸と4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸との混合物、テトラヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、2,4−ジエチルグルタル酸無水物、3,3−ジメチルグルタル酸無水物、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの酸無水物を添加する場合、(A)成分と(B)成分の合計100質量部に対して(B)成分全体として20〜60質量部、好ましくは25〜55質量部となる量であり、且つ、該(B)成分のうち、その他の酸無水物の量は0.1〜20質量部であるのが好ましく、より好ましくは0.5〜10質量部であるのがよい。
<(C)硬化触媒>
(C)硬化触媒は、熱硬化性エポキシシリコーン樹脂の硬化を促進するために機能するものである。熱硬化性エポキシ樹脂組成物にて使用される公知の硬化触媒であればよい。該硬化触媒としては、例えば、第四級ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン、三級アミン化合物、有機カルボン酸金属塩、アルミキレート化合物、イミダゾール化合物などが挙げられる。特に第四級ホスホニウム塩及び有機カルボン酸金属塩が好ましく、市販品としてはU−CAT5003(サンアプロ株式会社)、及び2−エチルヘキサン酸亜鉛などが挙げられ、より好ましくは第四級ホスホニウム塩である。
硬化触媒の量は硬化を促進できる有効量(触媒量)であればよい。通常、エポキシシリコーン樹脂組成物(ダイアタッチ材)全体100質量部に対する硬化触媒の配合量は、好ましくは0.1〜5質量部以下であり、より好ましくは0.2〜1質量部の範囲とすることができる。硬化触媒の量が上記範囲を超える場合、硬化物の耐熱性が低下するおそれがあり、上記範囲を下回る場合、硬化が十分に進行しなくなるおそれがある。
<(D)無機充填剤>
(D)無機充填剤は、本発明の熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物(ダイアタッチ材)にチキソ性を付与し、スタンピング塗布作業時の定量塗布性を向上する目的や、得られる硬化物の強度を向上させる目的で配合される。該無機充填剤としては、例えば、ヒュームドシリカ、及びヒュームド二酸化チタン等が例示できる。特には、得られる硬化物の透明性の観点から、ヒュームドシリカが好ましい。
無機充填剤の量は、上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対し、好ましくは1〜20質量部であり、より好ましくは3〜10質量部である。配合量が上記上限値を超える場合、樹脂の貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。上記下限値を下回る場合、スタンピング塗布作業性が低下するおそれがある。
特に、無機充填剤としてヒュームドシリカを用いる場合には、エポキシシリコーン樹脂との馴染み性や貯蔵安定性といった観点より、シリカ表面が疎水性基で処理されていることが好適である。疎水性基としては、例えば、トリメチルシリル基やジメチルシリル基などのシロキサン系が挙げられる。上記シロキサン系の官能基で表面処理されたヒュームドシリカとしては、市販品として、日本アエロジル社のトリメチルシリル基で表面処理されたR812(比表面積230〜290m2/g)及びRX300(比表面積180〜220m2/g)、ジメチルシリル基で表面処理されたR976(比表面積225〜275m2/g)、R976S(比表面積215〜265m2/g)等が挙げられる。表面処理度の高いヒュームドシリカを用いると、エポキシシリコーン樹脂中のエポキシ基との相互作用が弱いため、スタンピング塗布作業性が低下する恐れがあり、表面処理度の低いヒュームドシリカを用いると貯蔵安定性が悪くなるおそれがある。このため、ヒュームドシリカとしては、比表面積が150m2/g以上250m2/g以下のものが好ましく、170m2/g以上230m2/g以下のものがより好ましい。
<(E)酸化防止剤>
本発明の組成物はさらに(E)酸化防止剤を含有してよい。該酸化防止剤は、本発明の熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物(ダイアタッチ材)の耐熱性を向上させる目的で添加される。酸化防止剤は従来公知のものであってよく、例えば、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、及び硫黄系酸化防止剤が挙げられる。特に樹脂の長期安定性の観点からフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤を用いることが好適である。
フェノール系酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール型、セミヒンダードフェノール型、レスヒンダードフェノール型が挙げられ、市販品としてはアデカスタブAO−20(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブAO−30(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブAO−40(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブAO−50(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブAO−60(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブAO−80(株式会社ADEKA社製)、イルガノックス245(BASF社製)、2,6−ジ―tert−ブチル―p―クレゾール(BHT)などが挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、亜リン酸エステル型のものが挙げられ、市販品としてはJP−360(城北化学工業株式会社製)、JP−310(城北化学工業株式会社製)、JPM−308(城北化学工業株式会社製)、JPM−311(城北化学工業株式会社製)、アデカスタブ2112(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブPEP−8(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブHP−10(株式会社ADEKA社製)などが挙げられる。
酸化防止剤の量は、上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜5質量部の範囲がよい。酸化防止剤の配合量が上記上限値を超える場合、樹脂との相溶性に問題が発生するおそれがあり、上記下限値を下回る場合、十分な耐熱性が付与されない恐れがある。
<(F)接着助剤>
本発明の組成物はさらに(F)接着助剤を含有してよい。該接着助剤は、銀に代表される基板上のリードフレーム部材とダイアタッチ材との接着性を向上させる目的で添加される。例えば、シランカップリング剤などが挙げられる。該シランカップリングとしては、エポキシ基含有シラン、メルカプト基含有シラン、アクリル基含有シラン、及びアミノ基含有シランなどが挙げられる。市販品としては、γ―グリシドキシプロピルトリメチルシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−403)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−303)、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−803)、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−5103)、及び3−アミノプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−903)などが挙げられる。
接着助剤の量は、上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜5質量部の範囲がよい。接着助剤の配合量が上記範囲を超える場合、貯蔵安定性が低下するおそれがあり、上記範囲を下回る場合、十分な接着性が付与されない恐れがある。
<その他の成分>
また、本発明の熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物(ダイアタッチ材)には、上述した(A)〜(F)成分以外に、必要に応じて、その他の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で適宜配合することができる。その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、及びヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。
<紫外線吸収剤>
紫外線吸収剤は、本発明の熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物(ダイアタッチ材)の耐光性を向上させることができる。紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール型、トリアジン型、ベンゾフェノン型、マロン酸エステル型などが挙げられ、市販品としてはアデカスタブLA−32(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブLA−36(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブLA−46(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブ1413(株式会社ADEKA社製)、シーソーブ106(シプロ化成株式会社製)、シーソーブ107(シプロ化成株式会社製)、ホスタビンPR−25(クラレントケミカルズ株式会社製)などが挙げられる。
紫外線吸収剤の量は、上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜5質量部の範囲であるのがよい。紫外線吸収剤の配合量が上記上限値を超える場合、樹脂の耐熱性が低下するおそれがあり、上記下限値を下回る場合、十分な耐光性が付与されない恐れがある。
<ヒンダードアミン系光安定剤>
ヒンダードアミン系光安定剤(HALS)は、本発明の熱硬化性エポキシシリコーン樹脂組成物(ダイアタッチ材)の耐光性を向上させることができる。HALSとしては、N−H型、N−Me型、NO−アルキル型などが挙げられ、市販品としてはアデカスタブLA−77Y(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブLA−87(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブLA−72(株式会社ADEKA社製)、アデカスタブLA−82(株式会社ADEKA社製)、デカスタブLA−81(株式会社ADEKA社製)などが挙げられる。
HALSの量は、上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜10質量部であり、より好ましくは0.2〜5質量部の範囲であるのがよい。HALSの配合量が上記上限値を超える場合、樹脂の耐熱性が低下するおそれがあり、上記下限値を下回る場合、十分な耐光性が付与されない恐れがある。
本発明のダイアタッチ材は、基板上に塗布した後、硬化させることができる。硬化温度及び時間は特に制限されるものでないが、好ましくは60〜200℃、より好ましくは100〜175℃の範囲で加熱硬化を行うことができる。加熱温度が上記下限値より低いと、基材と樹脂硬化物との接着強度が低下するおそれがある。また、加熱温度が上記上限値より高いと、樹脂の劣化が進行してしまうおそれがあるので好ましくない。なお、上記加熱硬化時間は1〜4時間が好ましく、また、ステップ硬化の方式を採用しても良い。
本発明のダイアタッチ材は、硬化剤として上記特定の酸無水物を特定の組み合わせで使用することにより、スタンピング塗布作業性が良好であり、基板上の銀リードフレームとの良好な接着性を有することができる。このため電気電子部品用途に好適に用いることができ、より詳細には、光半導体装置用ダイアタッチ材として好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、部とは「質量部」のことであり、Meは「メチル基」、Phは「フェニル基」、Ep’は「γ−グリシドキシプロピル基」をそれぞれ示す。 なお、本発明において言及する重量平均分子量とは、下記条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によるポリスチレンを標準物質とした重量平均分子量である。
[測定条件]
・展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
・流量:0.6mL/min
・検出器:示差屈折率検出器(RI)
・カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
・TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
・TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
・TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
・カラム温度:40℃
・試料注入量:20μL(濃度0.5質量%のTHF溶液)
<(A−1)成分>
(a1−1):シロキサン単位が、MeSiO3/2単位が5.0モル%、Ep’SiO3/2単位が94.5モル%、MeO1/2単位0.5モル%で示され、エポキシ当量が170g/mоlであり、GPC測定による重量平均分子量Mwが3,600であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン
(a1−2):シロキサン単位が、MeSiO2/2単位が20モル%、Ep’SiO3/2単位が75.5モル%、MeO1/2単位0.5モル%で示され、エポキシ当量が187g/mоlであり、GPC測定による重量平均分子量Mwが3,800であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン
(a1−3):シロキサン単位が、Ep’MeSiO2/2単位が59.5モル%、MeSiO3/2単位が40モル%、MeO1/2単位0.5モル%で示され、エポキシ当量が265g/mоlであり、GPC測定による重量平均分子量Mwが4,500であり、25℃で液状のオルガノポリシロキサン
<(A−2)成分>
(a2−1):下記式で表される、セロキサイド2021P(株式会社ダイセル社製)
Figure 2019182958
(a2−1):下記式で表される、セロキサイド8000(株式会社ダイセル社製)
Figure 2019182958
<(B)成分>
(B−1):下記式で表される、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物/ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物混合物(新日本理化株式会社製:リカシッドHNA−100)
Figure 2019182958
(B−2):下記式で表される、シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸−1,2−無水物(三菱ガス化学株式会社製:H−TMAn)
Figure 2019182958
(b−1):下記式で表される、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(新日本理化株式会社製:リカシッドMH)
Figure 2019182958
<(C)成分>
(c−1):第四級ホスホニウム塩(サンアプロ株式会社製:U−CAT5003)
<(D)成分>
(d−1):ヒュームドシリカ(日本アエロジル株式会社製:アエロジルRX−300)
<(E)成分>
(e−1):ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](株式会社ADEKA社製、アデカスタブAO−60)
(e−2):トリフェニルホスファイト(城北化学工業株式会社製:JP−360)
<(F)成分>
(f−1):3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業株式会社製:KBM−803)
[実施例1〜4,比較例1〜4]
上記各成分を表1に示した配合比(数値は質量部)により混合してダイアタッチ材を調製した。各ダイアタッチ材について、初期粘度、ポットライフ、シェルフライフ、スタンピング塗布作業性、硬さ、ガラス転移温度、耐熱性、及び接着性を下記に示す試験方法により評価した。各測定結果は表1に示す通りである。
(a)初期粘度
コーンプレート型回転粘度計(東機産業株式会社性:TVE−33H)を使用し、JIS K 7117−2:1999に準拠して、23℃−回転数10rpmにおける初期粘度を測定した。
(b)ポットライフ
各ダイアタッチ材を23℃の密封状態で24時間保管した後、上記(a)に記載の方法にて23℃における粘度を測定した。24時間保管後の粘度/初期粘度の値を算出した。該値をポットライフとする。
(c)シェルフライフ
上記組成物を−40℃の密封状態で6ヶ月保管した後、上記(a)に記載の方法にて23℃における粘度を測定した。6ヶ月保管後の粘度/初期粘度の値を算出した。該値をシェルフライフとする。
(d)スタンピング塗布作業性
リードフレーム部が銀めっきであり、リフレクタ部材がEMCであるSMD型3030パッケージの各キャビティ中央部に、ダイボンダー(ASMアッセンブリー・テクノロジー株式会社製:AD−830Plus)を用いた。各ダイアタッチ材を、環境温度25℃−相対湿度60%RH、樹脂皿上の樹脂膜厚が25μm、塗布速度0.4秒/個の速さで100個スタンピング塗布し、塗布された樹脂の平均面積(初期値)および塗布形状を確認した。塗布形状が真球状であったものを「糸ひきなし」と表1に記載し、糸ひきがあるものを「糸ひきあり」と表1に記載した。該樹脂皿上の樹脂をそのまま8時間放置した。また別途、ダイアタッチ材を8時間保管後、上記と同じ条件にて、100個スタンピング塗布した。塗布された樹脂の平均面積および塗布形状を確認した。平均面積は初期値の面積を100%として、保管後に塗布された樹脂面積の割合(%)を算出した。結果を表1に記載する。塗布形状の評価方法は上記の通りである。
(e)硬さ
ダイアタッチ材を、150℃で2時間プレス成型することにより硬化物を作製した。該硬化物をJIS K 6253−3:2012に準拠し、タイプDデュロメータを用いて測定した。
(f)ガラス転移温度
熱硬化性樹脂組成物を、150℃で2時間プレス成型することにより厚さ1mmの硬化物を作製した。硬化物のガラス転移温度を動的粘弾性測定装置(TAインスツルメント社製:Q800)により測定した。
(g)耐熱性
ダイアタッチ材を、150℃で2時間プレス成型することにより厚さ1mmの硬化物を作製した。硬化物の450nmにおける直線光透過率を分光光度計(株式会社日立ハイテクノロジー社製:U−4100)で測定した。その後、同硬化物を150℃の熱風循環式乾燥機へ配置し、48時間放置した後の直線光透過率を同様の方法で測定した。初期値を100%とした時の値を示した。
(h)接着性
リードフレーム部が銀めっきであり、リフレクタ部材がEMCであるSMD型3030パッケージの各キャビティ中央部に、ダイボンダー(ASMアッセンブリー・テクノロジー株式会社製:AD−830Plus)を用いてダイアタッチ材をスタンピング塗布した。LEDチップ(GeneLite社製:B2020(508μm□))をダイボンドした後、熱風循環式乾燥機を使用して150℃で2時間加熱硬化した。加熱後、取り出したパッケージを25℃まで冷却し、ボンドテスター(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー社製:Dage4000)にてLEDチップと銀めっきとの接着強度を試験数50で測定し、平均接着強度を算出した。また樹脂の破壊形態についても確認した。
Figure 2019182958
上記表1に示す通り(B−1)成分及び(B−2)成分のいずれか一方を含まない組成物(比較例2,4)、(B−1)成分と(B−2)成分の配合比が70/30である組成物(比較例3)は、銀リードフレームとLEDチップの接着面に界面剥離が生じたり、スタンピング塗布において糸引きが生じた。また比較例4の組成物は、ポットライフ及びシェルフライフにも劣り、経時で増粘した。また、硬化剤として(B−1)及び(B−2)を含有せず、4−メチルヘキサヒドロフタル酸無水物(b−1)のみを含む組成物(比較例1)は、スタンピング塗布性に劣り糸引きが生じた。また、経時で塗布樹脂面積が著しく減少した。これに対し、本発明のダイアタッチ材は、スタンピング塗布作業性が良好であり、且つ、経時で樹脂の粘度変化が少なく物性変化が極めて小さい。また基板上の銀リードフレームとの接着性に優れる。
本発明のダイアタッチ材は、スタンピング塗布作業性に優れ、また銀リードフレームとの接着性に優れるため、光半導体装置用として極めて有用である。

Claims (7)

  1. 下記(A)〜(D)成分を含有するダイアタッチ材
    (A)下記(A−1)成分及び(A−2)成分 40〜80質量部
    (A−1)下記式(1)で示される、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するオルガノポリシロキサン
    Figure 2019182958
    (式中、Rは互いに独立に、炭素数1〜12のアルキル基あるいは炭素数6〜12のアリール基であり、Epは互いに独立に、エポキシ基を有する1価の有機基であり、a、b、c、及びdは整数であり、0.5≦(b+d)/(a+b+c+d+e)であり、0.3≦(c+d)/(a+b+c+d+e)であり、0≦e<0.05であり、但し、a+b+c+d+e=1となる数である)
    (A−2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物又はエポキシ樹脂(但し、ポリシロキサンではない)、
    (B)下記(B−1)成分及び下記(B−2)成分を(B−1):(B−2)=75:25〜95:5(質量比)で含む酸無水物硬化剤 20〜60質量部(但し、上記(A)成分と該(B)成分の合計は100質量部である)
    (B−1)下記式(2)で示される、ビシクロ骨格を有する酸無水物、及び
    Figure 2019182958
    (式中、Rは、水素原子、メチル基、またはフェニル基である)
    (B−2)下記式(3)で示される、遊離カルボキシ基を有する酸無水物
    Figure 2019182958
    (式中、nは0または1である)
    (C)硬化触媒 触媒量、及び
    (D)無機充填剤 上記(A)成分及び(B)成分100質量部に対し1〜20質量部。
  2. 上記式(1)におけるEpがγ−グリシドキシプロピル基である、請求項1記載のダイアタッチ材。
  3. 上記(A−2)成分が、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物である請求項1又は2記載のダイアタッチ材。
  4. 上記(D)成分がヒュームドシリカを含む、請求項1〜3のいずれか1項記載のダイアタッチ材。
  5. (E)酸化防止剤を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項記載のダイアタッチ材。
  6. (F)接着助剤を更に含有する、請求項1〜5のいずれか1項記載のダイアタッチ材。
  7. 光半導体装置用である、請求項1〜6のいずれか1項記載のダイアタッチ材。
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