JP5299180B2 - 積層体 - Google Patents

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Description

本発明は、加熱処理を行うだけで容易に製品外観、機械物性、耐熱性等に優れる積層体を得ることができる積層体に関するものである。
エチレン系重合体やプロピレン系重合体などのオレフィン系重合体の成形体は、食品分野、医療分野、建築分野、自動車分野、電子材料分野などに広く用いられている。近年のオレフィン系重合体に対する要求物性は高度化し、更なる耐熱性、耐久性、耐薬品性、透明性、電気絶縁性等の向上が求められるようになってきた。このような要求物性を満たすため、従来よりオレフィン系重合体を架橋させる方法が用いられてきた。
これまで、オレフィン系重合体の架橋方法としては、オレフィン系重合体に有機過酸化物及び架橋助剤を添加する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。また、ヒドロキシル基、若しくはアセトキシ基を有する樹脂に金属有機化合物を添加する方法が提案されている(例えば特許文献2、非特許文献1参照)。更に、エチレンと不飽和カルボン酸、若しくは不飽和酸無水物との共重合体に多価アルコール化合物やイソシアネート化合物を添加する方法が提案されている(例えば特許文献3〜4参照)。しかし、これらの方法は、押出成形時に架橋反応が進行し、成形性の悪化やフィルムなどの製品外観の悪化が起こるといった問題があった。
また、オレフィン系重合体の成形体に放射線、または電子線を照射する方法が提案されている(例えば、特許文献5〜6参照。)。この方法は成形性や製品外観に優れるものの、コストが高いといった問題があった。
特開2003−192850号公報 特許第4077927号公報 特許第3386887号公報 特開平11−228665号公報 特許第3760489号公報 特開平8−283428号公報
J.App.Polym.Sci.1971,15,589.
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、加熱処理を行うだけで容易に製品外観、機械物性、耐熱性等に優れる積層体を得ることができる積層体を提供するものである。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の積層体が、加熱処理を行うだけで容易に製品外観、機械物性、耐熱性等に優れる積層体を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は少なくとも(A)層と(A)層に隣接する(B)層の2層からなる積層体であって、(A)層がエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)、(B)層が低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・α−オレフィン3元共重合体、α−オレフィン単独重合体から選ばれる少なくとも1種から成るオレフィン系重合体(B)及びエステル交換反応触媒(C)から成る組成物から構成されることを特徴とする積層体に関するものである。
さらに、該積層体に加熱処理を行ったことを特徴とする積層体に関するものである。
また、本発明は(B)層に混合するエステル交換反応触媒(C)がアルミニウムアルコキシドであることを特徴とする積層体に関するものである。
また、本発明は(B)層に混合するエステル交換反応触媒がチタンアルコキシドであることを特徴とする積層体に関するものである。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層体を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)は本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はない。
このようなエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)を得るための方法は特に限定するものではなく、従来公知の高圧法ラジカル重合法やイオン重合法などが例示できるが、加工性に優れることから、高圧法ラジカル重合法が好ましい。
本発明の積層体を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の酢酸ビニル含有量は1〜50重量%の範囲であることが好ましく、5〜30重量%の範囲であると積層体を成形する際に加工が容易になり、かつ架橋効率が良好となるため、更に好ましい。
本発明の積層体を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)のMFRが0.1〜100g/10分の範囲であると積層体を成形する際に加工が容易になるため好ましく、より好ましくは3〜50g/10分の範囲である。
本発明の積層体を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)の密度が930〜960kg/mの範囲であると、積層体の加工性に優れるため好ましい。
また、本発明を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)には、高圧法低密度ポリエチレンやポリプロピレンなどの他のポリオレフィンを配合してもよく、これらの他のポリオレフィンの配合比は1〜50重量%の範囲が成形性の点から好ましい。
さらに、本発明を構成するエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の(A)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、5μm〜300μmの範囲が最も好適である。
本発明の積層体を構成するオレフィン系重合体(B)は、低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・α−オレフィン3元共重合体、α−オレフィン単独重合体から選ばれる少なくとも1種からなる。この中で、高圧法低密度ポリエチレンを用いると成形性に優れることから、特に好ましい。
高圧法低密度ポリエチレンは、従来公知の高圧法ラジカル重合法により得ることができる。
高圧法低密度ポリエチレンのMFRは、0.1〜100g/10分の範囲であると、成形性に優れるため好ましく、より好ましくは、3〜50g/10分の範囲である。また、高圧法低密度ポリエチレンの密度は、成形性に優れるため、910〜930kg/mの範囲であることが好ましく、より好ましくは915〜925kg/mの範囲である。
本発明の(B)層を構成するエステル交換反応触媒(C)とは、一般式(1)に表されるエステルとアルコールのそれぞれの置換基が入れ替わる反応であるエステル交換反応を促進する効果のある物質のことである。
Figure 0005299180
このようなエステル交換反応触媒(C)は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、従来公知のリチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、及びそれら上記金属の酸化物、有機酸塩、更に、マンガン、亜鉛、チタン、コバルト、錫、ジルコニウム、ハフニウム等の遷移金属の酸化物、水酸化物、無機塩類、有機酸塩、また、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、珪素、チタン、ジルコニウム、亜鉛、錫、ハフニウムなどの金属アルコキシド、更に、金属アシレート、金属フルオロ塩などの金属キレート化合物、また、ゼオライト、パーライト、カオリンなどのシリカ・アルミナ化合物、更に、ハイドロタルサイトなどを例示することができるが、架橋効率に優れることからジアルキル錫オキシド、また、ジアルキル錫エステル、更に、金属アルコキシド及びその縮合物が好ましく、更に架橋効率に優れることからアルミニウムアルコキシド及びチタンアルコキシドがより好ましく、ハンドリング性の観点からチタンテトラアルコキシドが最も好ましい。
ジアルキル錫オキシドとしては、一般式(2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0005299180
一般式(2)におけるRは炭素数が1〜20の飽和炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。各々のRは同一の置換基でもよく、異なる置換基でも良い。このような飽和炭化水素基であるRは、炭素数が4〜8であると、架橋効率に優れるため好ましい。
このようなジアルキル錫オキシドとして、ジメチル錫オキシド、ジエチル錫オキシド、ジプロピル錫オキシド、ジブチル錫オキシド、ジペンチル錫オキシド、ジヘキシル錫オキシド、ジヘプチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドなどが例示でき、日曹ファインケミカル株式会社、北興化学工業株式会社、三共有機合成化学株式会社などより販売されている。
ジアルキル錫エステルとしては、一般式(3)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0005299180
一般式(3)におけるRは炭素数が1〜30の飽和炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。各々のRは同一の置換基でもよく、異なる置換基でも良い。このような飽和炭化水素基であるRは、炭素数が4〜8であると、架橋効率に優れるため好ましい。
一般式(3)におけるRは炭素数が1〜20の炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基などが挙げられる。各々のRは同一の置換基でもよく、異なる置換基でも良い。このような飽和炭化水素基であるRは、炭素数が3〜17であると、架橋効率に優れるため好ましい。
このようなジアルキル錫エステルとして、ジメチル錫ジアセテート、ジエチル錫ジアセテート、ジプロピル錫ジアセテート、ジブチル錫ジアセテート、ジメチル錫ジプロピネート、ジメチル錫ジプロピネート、ジプロピル錫ジプロピネート、ジブチル錫ジプロピネート、ジメチル錫ジブチレート、ジエチル錫ジブチレート、ジプロピル錫ジブチレート、ジブチル錫ジブチレート、ジメチル錫ジペンチレート、ジメチル錫ジヘキソネート、ジメチル錫ジヘプチレート、ジメチル錫ジオクチレート、ジメチル錫ジノネレート、ジメチル錫デカネート、ジメチル錫ジドデシレート、ジブチル錫ジドデシレート、ジオクチル錫ジドデシレート、ジブチル錫ジオクタアデシレート、ジオクチル錫ジオクタアデシレート、ジメチル錫マレート、ジブチル錫マレート、ジオクチル錫マレートなどが例示でき、勝田化工株式会社、堺化学工業株式会社、株式会社ADEKA、東京ファインケミカル株式会社、大協化成工業株式会社などより販売されている。
アルミニウムアルコキシドとしては、一般式(4)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0005299180
一般式(4)におけるmは1〜3であるが、架橋効率に優れることから、2〜3が好ましく、更に架橋効率に優れることから、3が最も好ましい。
一般式(4)におけるRは炭素数が1〜20の飽和炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。mが2以上の場合、各々のRは同一の置換基でもよく、異なる置換基でも良い。このような飽和炭化水素基であるRは、炭素数が3〜10であると、架橋効率が優れ、かつハンドリング性に優れるため好ましく、より好ましくは炭素数が4〜8である。
一般式(4)におけるRはアセチルアセトン、ケトエステル、グリコール、アミノアルコール、アルキルアセトアセテート、ヒドロキシ酸残基などである。
このようなアルミニウムアルコキシドとしては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリノルマルプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリノルマルブトキシド、アルミニウムトリス(1−メチルプロポキシド)、アルミニウムトリス(2−メチルプロポキシド)、アルミニウムトリス(2,2−ジメチルエトキシド)、アルミニウムトリノルマルペントキシド、アルミニウムトリノルマルヘキソキシド、アルミニウムトリノルマルヘプトキシド、アルミニウムトリノルマルオクトキシド、アルミニウムモノ(1−メチルプロポキシド)ジ(イソプロポキシド)、アルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)ジ(イソプロポキシド)、アルミニウムモノ(メチルアセトアセテート)ジ(ノルマルブトキシド)、アルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)ジ(ノルマルブトキシド)などが例示できる。
これらのアルミニウムアルコキシドは、川研ファインケミカル株式会社、ホープ製薬株式会社、株式会社高純度化学研究所などより販売されている。
チタンアルコキシドとしては、一般式(5)で表される化合物を用いることができる。
Figure 0005299180
一般式(5)におけるnは1〜4、qは0〜3であり、下式(6)、若しくは下式(7)のいずれかを満たす。架橋効率に優れることから、nは2〜4が好ましく、更に架橋効率に優れることから、4が最も好ましい。
n+q=4 (6)
n+q=6 (7)
一般式(5)におけるRは炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。このような炭化水素基であるRは、炭素数が3〜10であると、架橋効率が優れ、かつハンドリング性が優れるため好ましく、より好ましくは炭素数が4〜8である。
一般式(5)におけるRはアセチルアセトン、ケトエステル、グリコール、アミノアルコール、アルキルアセトアセテート、ヒドロキシ酸残基、カルボキシル基、スルホニル基などである。
このようなチタンテトラアルコキシドとしては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラノルマルプロポキシド、チタンテトライソプロポシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラキス(1−メチルプロポキシド)、チタンテトラキス(2−メチルプロポキシド)、チタンテトラキス(2,2−ジメチルエトキシド)、チタンテトラノルマルペントキシド、チタンテトラノルマルヘキソキシド、チタンテトラノルマルヘプトキシド、チタンテトラノルマルオクトキシド、チタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)、チタンテトラノルマルステアロキシド、チタンテトラキス(2−エチル,3−ヒドロキシルヘキソキシド)、チタンビス(アセチルアセトナート)ジ(プロポキシド)、チタンビス(8−ヒドロキシオクトキシド)ジブトキシド、チタンビス(ラクテート)ジ(プロポキシド)、チタンビス(トリエタノールアミナート)ジ(プロポキシド)、チタンビス(トリエタノールアミナート)ジ(ブトキシド)、チタンモノステアレートトリ(ノルマルブトキシド)、チタントリステアレートモノ(イソプロポキシド)、チタントリス(ドデシルベンゼンスルホニル)モノ(イソプロポキシド)、チタントリス(ジオクチルピロホスフェート)モノ(イソプロポキシド)、チタンビス(ジオクチルホスファイト)テトラ(イソプロポキシド)、チタンビス(ジトリデシルホスファイト)テトラ(オクトキシド)、チタンジ(ジ−トリデシル)テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブトキシド)などが例示できる。
これらのチタンアルコキシドは、マツモトファインケミカル株式会社、日本曹達株式会社、三菱ガス化学株式会社、デュポン株式会社、味の素ファインテクノ株式会社、株式会社高純度化学研究所などより販売されている。
これらのエステル交換反応触媒(C)は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。
本発明を構成するエステル交換反応触媒(C)の混合量は、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、架橋効率及び経済性の観点から0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%、最も好ましくは0.5〜5重量%である。
本発明を構成する(B)層には、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤等、ポリオレフィン樹脂に一般に用いられている添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で添加してもかまわない。
本発明の(B)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、柔軟性に優れ、破損などの問題が小さいことから、1μm〜5mmの厚みであることが好ましく、経済性の観点から、5μm〜300μmの範囲が最も好適である。
(B)層を構成するオレフィン系重合体(B)とエステル交換反応触媒(C)の混合方法は任意であり、溶融混合法、オレフィン系重合体(B)のペレットとエステル交換反応触媒(C)を固体状態で混合するドライブレンド法のいずれでもよい。ただし、品質の安定を求める場合には、溶融混合方法が好ましい。溶融混合は、たとえば、バンバリーミキサーなどのインターナルミキサー、加圧ニーダー、ロール混練機などのバッチ式混合機、単軸/二軸押出機などの連続式混合機によって行われる。溶融混合法における混合温度は、使用する材料の溶融温度以上であれば特に限定を受けないが、熱劣化を抑制し、安定した品質の樹脂組成物を得るためにオレフィン系重合体(B)のJIS K6922−2(2005年)により測定された融点以上250℃以下で行うことが望ましい。
本発明の積層体を得る手法として、プレス成形法や押出成形法により成形されたエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)からなる(A)層及びオレフィン系重合体(B)及びエステル交換反応触媒(C)からなる(B)層の成形体を熱圧着する熱プレス法や各層を構成する樹脂を続けてラミネート成形する押出ラミネート成形法、共押出インフレーション成形機や共押出Tダイ成形機などを使用した共押出成形法などが例示できる。
本発明の積層体は、機械物性、耐熱性、透明性、耐薬品性等が向上することから、成形加工後に更に加熱処理を行なうことが特に好ましい。
本発明の積層体への加熱温度については、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、経済性の観点から50〜180℃が好ましく、より好ましくは100〜140℃である。
本発明の積層体への加熱時間については、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はないが、生産性の観点から2〜60分が好ましく、より好ましくは5〜30分である。
本発明の積層体への加熱方法としては、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、オーブン、熱プレス法などを用いた加熱が例示できる。
本発明の積層体は、少なくとも(A)層と、(A)層と隣接する層に(B)層が積層されてなることを特徴とするものであり、(A)層と(B)層の2成分のみからなるものだけでなく他の成分、例えば(C)層を含んでいてもよい。具体的には、(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(A)層、(B)層/(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(B)層、(A)層/(A)層/(B)層、(A)層/(B)層/(C)層、(B)層/(A)層/(C)層、(C)層/(B)層/(A)層/(B)層/(C)層、(A)層/(B)層/(C)層/(B)層/(A)層、(B)層/(A)層/(C)層/(A)層/(B)層などが例示される。
(C)層としては、合成高分子重合体から形成される層や織布、不織布、金属箔、紙類、セロファン等が挙げられる。例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリブテン、アクリル系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロース系樹脂など合成高分子重合体から形成される層等が挙げられる。更に、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにアルミ蒸着、アルミナ蒸着、二酸化珪素蒸着、アクリル処理されたものでもよい。また、これらの高分子重合体フィルム及びシートはさらにウレタン系インキ等を用い印刷されたものでもよい。金属箔としては、アルミ箔、銅箔などが例示でき、また、紙類としてはクラフト紙、上質紙、伸張紙、グラシン紙、カップ原紙や印画紙原紙等の板紙などが挙げられる。
本発明の積層体は、太陽電池や液晶等の電子材料封止材、スープ、味噌、漬物、ソース、飲料等の水物飲食品包装、薬、輸液バッグ等の医薬用製品、シャンプー、化粧品、おむつのバックシートなどのトイレタリー用品、離型紙及び離型テープ、易解離性フィルムなど広範囲にわたりフィルム、容器、テープ、支持体として用いることができる。
本発明の積層体は、加熱処理を行うだけで容易に製品外観、機械物性、耐熱性に優れる架橋形成体を得ることができる積層体である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例におけるエチレン系重合体及び積層体の諸物性は、以下に示す方法により測定した。
(1)密度
密度は、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)エチレン・酢酸ビニル共重合体及び低密度ポリエチレンのメルトマスフローレート(MFR)
MFRは、JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)ハンドリング性
本実施例で用いたエステル交換反応触媒のハンドリング性を、該触媒を温度25℃、相対湿度60%である環境下に30分放置することにより評価した。目視観察により、該触媒に変化がなければ○、劣化による白色粉末が微量観察されれば△、劣化による白色粉末が顕著に観察されれば×とした。
(4)引張試験
実施例により得られた積層体の引張破断応力を引張試験機(ORENTEC製 テンシロンRTE−1210)にて測定した。剥離速度は300mm/分、チャック間距離は50mm、試験片の長さ及び巾はそれぞれ70mm及び15mmとした。
実施例1
エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)として、MFRが20g/10分、密度が940kg/m、酢酸ビニル含有量が20重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン 633)(A1)を、オレフィン系重合体(B)として、MFRが8g/10分、密度が918kg/mである低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン 213)(B1)を、エステル交換反応触媒(C)としてジブチル錫オキサイド(三共有機合成化学株式会社製 商品名STANN BO)(C1)を用いた。
まず、(A1)を直径25mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター((株)プラコー製)へ供給し、220℃の温度でTダイより押し出し、25μmであるPET基材上に4m/分の引き取り速度、60mmのエアギャップ長さで、(A1)の厚みが100μmとなるように押出ラミネート成形を行い、その後PET基材を剥すことにより(A)層を得た。次に、(B1)96重量%、(C1)4重量%となるように溶融混練した混合樹脂を直径25mmφのスクリューを有する単軸押出ラミネーター((株)プラコー製)へ供給し、220℃の温度でTダイより押し出し、25μmであるPET基材上に4m/分の引き取り速度、60mmのエアギャップ長さで、(B1)及び(C1)から成る混合樹脂の厚みが25μmとなるように押出ラミネート成形を行い、その後PET基材を剥すことにより(B)層を得た。そして、(A)層及び(B)層を180℃で10分間熱圧着し2層の貼合及び加熱処理を同時に行なうことにより、加熱処理後の積層体を得た。この積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例2
エステル交換反応触媒(C)として、ジオクチル錫ジラウレート(ADEKA製 商品名アデカスタブ OT−1)(C2)を使用した以外は実施例1と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例3
エステル交換反応触媒(C)として、アルミニウムトリス(1−メチルプロポキシド)(川研ファインケミカル製 商品名ASBD)(C3)を使用した以外は実施例1と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例4
エステル交換反応触媒(C)として、チタンテトラノルマルブトキシド(マツモトファインケミカル製 商品名オルガチックス TA−25)(C4)を使用した以外は実施例1と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例5
エステル交換反応触媒(C)として、チタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)(マツモトファインケミカル製 商品名オルガチックス TA−30)(C5)を使用した以外は実施例1と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例6
(B)層を形成する樹脂として、(B1)99重量%、(C5)1重量%となるように溶融混練した混合樹脂を使用した以外は実施例5と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例7
エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)として、MFRが8.5g/10分、密度が925kg/m、酢酸ビニル含有量が6重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン 537)(A2)を使用した以外は実施例5と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例8
エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)としてMFRが14g/10分、密度が935kg/m、酢酸ビニル含有量が15重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン 625)(A3)を使用した以外は実施例5と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
実施例9
エチレン・酢酸ビニル共重合体(A)としてMFRが5.7g/10分、密度が952kg/m、酢酸ビニル含有量が28重量%であるエチレン・酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 商品名ウルトラセン 751)(A4)を使用した以外は実施例5と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表1に示す。
Figure 0005299180
比較例1
エステル交換反応触媒(C)を混合しなかったこと以外は実施例1と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表2に示す。実施例1〜6と比較し、引張破断応力が劣っていた。
比較例2
エステル交換反応触媒(C)を混合しなかったこと以外は実施例7と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表2に示す。実施例7と比較し、引張破断応力が劣っていた。
比較例3
エステル交換反応触媒(C)を混合しなかったこと以外は実施例8と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表2に示す。実施例8と比較し、引張破断応力が劣っていた。
比較例4
エステル交換反応触媒(C)を混合しなかったこと以外は実施例9と同様にして、成形を行い、積層体の引張破断応力を評価した。引張試験評価の結果を表2に示す。実施例9と比較し、引張破断応力が劣っていた。
Figure 0005299180

Claims (4)

  1. 少なくとも(A)層と(A)層に隣接する(B)層の2層からなる積層体であって、(A)層がエチレン・酢酸ビニル共重合体(A)、(B)層が下記(a)に示す重合体から選ばれる少なくとも1種から成るオレフィン系重合体(B)及びエステル交換反応触媒(C)からなる組成物から構成されることを特徴とする積層体。
    (a)低圧法エチレン単独重合体、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・α−オレフィン3元共重合体、α−オレフィン単独重合体
  2. 加熱処理を行なったことを特徴とする請求項1に記載の積層体。
  3. エステル交換反応触媒(C)がアルミニウムアルコキシドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
  4. エステル交換反応触媒(C)がチタンアルコキシドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体。
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