JP5297697B2 - 円筒型電池 - Google Patents

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Description

この発明は、一方の電極を兼ねる有底円筒状の電極缶内に、発電要素が収納されるとともに、当該開口が内方にかしめられることにより、当該電極缶の開口に封口体が絶縁性の樹脂からなる封口ガスケットを介して嵌着されて当該電極缶が密封されてなる円筒型電池に関する。具体的には当該円筒型電池における封口構造の改良に関し、例えば、円筒型リチウム電池などに適用可能である。
図9に、従来の円筒型電池の構造を示した。ここに示した従来の円筒型電池1bは、ボビン形リチウム電池であり、このボビン形リチウム電池1bは、有底円筒状の正極缶11、二酸化マンガン等の正極活物質を黒鉛等の導電助剤とともに中空円筒状に成形してなる正極合剤21、円筒状の負極リチウム22、円筒袋状のセパレータ23、封口体を兼ねる負極端子(31,32)などによって構成されている(たとえば特許文献1,2参照)。
正極缶11は金属製で電池ケースと正極集電体を兼ねる。その外底面には凸状の正極端子部12がプレス加工により形成されている。この正極缶11内に、正極合剤21、セパレータ23、および負極リチウム22が順次装填されて中空筒状の電極体が形成されている。また、正極缶11の開口部13を上方とすると、開口部13の下方には正極缶11の周囲を巡るビーディング部14が正極缶11の内方に突設するように形成されている。正極缶11の開口部13において、このビーディング部14の上方に負極端子が封口ガスケット40を介して嵌着されている。
このボビン形リチウム電池1bの具体的な組立順としては、金属リチウム板を丸めてなる負極リチウム22の一部に、帯状の金属薄板で形成されて負極集電体を兼ねる負極リード33の一端部をあらかじめ取り付けておく。また、その他端部を封口体を兼ねる負極端子にスポット溶接する。この例では、負極端子は金属製の負極端子板31と封口板32からなり、負極リード33の他端部はその封口板32の内側(電池内側)にスポット溶接される。
負極リード33を封口板32に溶接した後、正極缶11内に非水電解液(図示省略)を注液する。この注液の後、負極端子板31を封口板32とを積層してなる負極端子を樹脂製の封口ガスケット40を介して正極缶11の開口部13の内側に装着する。なお、封口ガスケット40は、円形カップ状で、底部41の中央に開口43を有している。負極リード33は、その開口43を通して正極缶11内に案内される。そして、正極缶11の開口部13を内方にかしめ加工(カール加工)することにより、正極缶11が密閉封口される。
図10(A)〜(E)に上記ボビン形リチウム電池1bの封口構造を示した。上述したように、負極端子は、負極端子板31と封口板32とから構成されている。負極端子板31の基本形状は、上方を底34とした皿の周囲にフランジ35を設けた形状であり、フランジ35の周縁は断面がU字状となるように屈曲している。また、この例では、正極缶11の内部でガスが発生することによって内圧が上昇したときにそのガスを抜くための開口36を備えている(A)。封口板32は円盤状の金属プレート(B)であり、その周縁は、負極端子板31と同様に断面がU字状となるように屈曲している。そして、このプレートの下面37に負極リード33が溶接される。封口ガスケット40の初期形状は、円盤状の底部41の周囲に円筒側面42を立設させてなる円形カップ状であり、底部41の中央には円形の開口43が形成されている(C)。
正極缶11の封口手順としては、まず、封口ガスケット40をビーディング部14を座として載置して正極11内に挿嵌する。ついで、封口ガスケットの底部41を座にして、上記封口板32と負極端子板31とをこの順に積層する。そして、この積層状態で正極缶11の開口部13の上端(開口端)15を内側にカールする(E)。さらに、正極缶11における開口端15からビーディング部14に向かって開口部13を内方にかしめていく(絞り加工をする)ことで、図11に示すように、円形カップ状の封口ガスケット40の円筒側面42が、正極缶11と負極端子の周縁、すなわち正極缶11の内面と、積層状態にある負極端子板31および封口板32の周縁との間に挟持されて圧縮される。封口ガスケットは、ポリプロピレン、およびその複合材、ポリアミド、PFAなどの樹脂製であり、その樹脂の圧縮に対する復元力により正極缶11が密閉・封止される。なお、封口ガスケット40の円筒側面42は、負極端子周縁38のU字の外側の側面と正極缶11の内面の間に挟持された状態で圧縮される。
特開2001−273911号公報 特開2003−208906号公報
従来の円筒型電池の課題を図9〜図11に示したボビン形リチウム電池に基づいて説明すると、ボビン形リチウム電池1bにおける封口構造では、円形カップ状の樹脂製封口ガスケット40の外周を形成する円筒側面42が負極端子と正極缶11の内壁との間に挟持されて圧縮される。すなわち、電極缶11の円筒軸方向を上下とすると、放射水平方向に弾性変形する。この水平方向の変形過程において、封口ガスケット40の円筒側面42には上下方向への剪断応力が発生し、円筒側面42を上下方向に伸張させる。そして、この伸張が、封口ガスケット40の底部41の外周、すなわち円筒側面42との境界で、底部41を中心方向へ伸張させる応力として伝達される。しかし、底部41の下面41aがビーディング部14に支えられているため下方向ヘの伝達が抑制され、より多くの応力が支えがない上面41bに伝達する。すなわち、円筒側面42における上下方向の剪断応力が、底部41の上面41bを円筒側面42から開口43の中心に向かって伸張させるように働く。その結果、図11に示したように、封口ガスケット40の底部41が正極缶11の内方に向かって下方に撓む。
そして、このように底部41が撓むと、封口ガスケット40の底部開口43の外周44やその近傍が正極缶11内部の発電要素(21〜23)に干渉し、これらの発電要素(21〜23)を破損させてしまう可能性もある。もちろん、ボビン形リチウム電池に限らず、かしめにより封口ガスケットと封口体で電池缶開口を密封する構造の円筒型電池であれば、同様に、封口ガスケットの撓みに起因する問題が発生する。
本発明は、上記課題に鑑みなされたもので、かしめ加工により、当該電極缶の開口に絶縁性の樹脂からなる封口ガスケットを介して封口体を嵌着して当該電極缶を密封してなる円筒型電池において、剪断応力による封口ガスケットの下方への撓みを抑止することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、一方の電極を兼ねる有底円筒状の電極缶内に、発電要素が収納されるとともに、当該電極缶の開口が内方にかしめられることで、封口体を兼ねる他方の電極の端子が絶縁性の樹脂からなる封口ガスケットを介して前記開口に嵌着されて前記電極缶が密封されてなる円筒型電池であって、
電極缶開口を上方として、前記封口ガスケットは、円盤状の底部の周囲に円筒側面を上方に立設させてなる円形カップ状で、前記底部の中央には前記封口体の下面に接続された帯状のリード板が挿通される円形の開口が形成され、
前記円盤状の底部は、下面が平坦で、上面には、前記開口と開口と同心円状に厚さが一定となる円環状の厚肉部が当該開口の周縁を内円として形成されているともに、当該円環状の厚肉部の外円を内円とした円環状の薄肉部が円筒側面まで形成され、当該底部において前記厚肉部が形成されていない領域の厚さAと、当該厚肉部が形成されている領域の厚さBとの比B/Aが2.0<B/A≦5.0であり、
前記ガスケットは、前記電極缶に前記封口体がかしめにより嵌着された状態では、前記底部の下面において厚肉部に対応する円環状の領域が、前記円筒側面から前記開口の中央へ向かって水平以上となるように傾斜している円筒型電池としている。
前記底部の下面を、前記開口の周縁から前記円筒側面に向かって所定の深さで厚さを減じるようにした円筒形電池とすることもできる。
本発明の円筒型電池によれば、特殊な形状の封口ガスケットを採用することで、かしめ加工によって封口体を電極缶の開口に嵌着した際に、封口ガスケットの底部が電極缶内方に向かって下方に撓むのを抑止することができる。それによって、封口ガスケットの底部が電池缶内部の発電要素に干渉したり発電要素を圧迫したりすることがない。したがって、円筒型電池の電池反応を安定させることができる。
====応力分布===
図9に示した従来の円筒型電池1bにおいて、電池缶11をかしめて封口する際に封口ガスケット40に加わる応力の分布を解析した。当該解析には、周知の有限要素法に基づくコンピュータシミュレーション技術を利用した。なお、以下では、円筒型電池1bにおける電池缶11の円筒軸60を上下方向とし、正極端子部12を下方、負極端子を上方として説明する。
図1に当該シミュレーションの結果を示した。この図では、円形カップ状の封口ガスケット40の側断面の右半分を示した。そして、その側断面上に剪断応力発生箇所を島状の領域50で示した。また、島状の応力発生箇所50における応力の強さを塗りつぶしやハッチングの種類によって区別しており、強い方から順に黒塗り51、網掛け52、斜線53、としている。このシミュレーションの結果によれば、円筒側面42において、直接圧縮される箇所50aに応力が集中しているのは当然であるが、底部41の上面41bで、円筒側面42近傍にも応力が集中している箇所(応力集中箇所)50bがあることが分かった。
ここで本発明者らは、この応力集中箇所50bの応力を分散、あるいは封口ガスケット40の他の部位に伝達することができれば、結果的に撓みを抑止できるのではないかと推測した。具体的には、封口ガスケット40の底部41において、応力集中箇所50bの一部を含む領域に新たな体積を付加すれば、すなわち、底部41を部分的に肉厚にすれば、従来の封口ガスケット40の底部41の応力がその肉厚の部分(厚肉部)に伝達し、底部41を電極缶11の内方に向かって上方へ撓ませることが可能であると推測した。
===封口ガスケットの構造===
上記推測に基づいて、封口ガスケットの形状について考察したところ、図1に示した底部41における応力集中箇所50bの応力を厚肉部に均一に伝達させるとともに、少なくとも開口43の外周44近傍では、円筒側面42から電極缶11の内方に向かって下方に傾斜させないようにすることが必要であると考えた。そして、コンピュータシミュレーションによる解析を重ね、図2に示した側断面形状の封口ガスケット40aを得た。この封口ガスケット40aは、円盤状の底部41の周囲に円筒側面42を上方に立設させてなる円形カップ状で、底部41の中央に円形の開口43が形成されている。そして、当該底部41には、開口43の周縁、すなわち外周44、またはその近傍から円筒側面42に向かって開口43と同心円をなす円環状の厚肉部45が形成されている。そして、その厚肉部45の円環の外円から円筒側面42に至るまで、厚肉部45より薄く一定の厚さの円環状領域(薄肉部)46が形成されている。
なお、この例では、厚肉部45は、厚さが一定となるように底部41の上面41bにのみ形成され、円環の内円が開口43の外周44に一致している。すなわち、底部41の断面形状は、その上面41bでは、厚肉部45の形成領域における上面41eと厚肉部45が形成されていない薄肉部46おける上面41fとからなる2段形状であり、底部41の下面41aは、厚肉部45と薄肉部46のそれぞれの下面(41c,41d)が直線となる面一となっている。
ここで、本発明の実施例に係る円筒型電池として、上記封口ガスケット40aを採用したボビン形リチウム電池を例示し、図3に、当該ボビン形リチウム電池1aの封口構造を示した。この図では、封口ガスケット40aの変形状態をコンピュータシミュレーションによる解析結果に基づいて再現している。正極缶11の開口部13をかしめた際、封口ガスケット40aの底部41において、薄肉部46が厚肉部45に向かって下方に撓んだのち、厚肉部45との境界から撓みの方向が上方へ反転している。したがって、本実施例の円筒型電池1aでは封口ガスケット40aが発電要素に干渉するのを防止することができることが分かった。
===厚肉部のサイズについて===
上記シミュレーションでは、封口ガスケット40aの底部開口43と同心円をなす円環状の厚肉部45は、厚さが大きくなるほどその外径を小さくできることが分かった。しかし、正極缶11内において、封口ガスケット40aが収容される空間の大きさは限られており、厚肉部45が厚すぎると、厚肉部45の上面41eが封口板32に干渉し、十分に底部41が上方に撓めず、下方に撓んだ状態のままとなる。また、厚肉部45が薄すぎるとその厚肉部45の外径が大きくなるため、厚肉部45が円筒側面42近傍にまで及んでしまう。そうなると、U字状断面をなす負極端子の周縁38を収容するための空間が無くなってしまう。したがって、実用上の見地から、厚肉部45の厚さを最適化する必要がある。
そこで、コンピュータシミュレーションによる解析結果を参考にして、円環状の厚肉部45の径や厚さを変えた種々の封口ガスケット40aを実際に作成した。そして、その封口ガスケット40aをボビン形リチウム電池1aに組み込み、封口ガスケット40aの撓み状態を評価した。具体的には、図4に示したように、封口ガスケット40aにおいて、底部41の薄肉部46の厚さをA、厚肉部45の厚さをB、円筒側面42から厚肉部45の外周までの距離をCとする。なお、円筒側面42の厚さは薄肉部46の厚さと同じでAとなる。そして、評価は、B/A、およびC/Aをパラメータとして、これらのパラメータが異なる種々の封口ガスケット40aをそれぞれ正極缶11内に組み込んでボビン形リチウム電池1aを作製した後、封口構造に影響しないように正極缶11を破断し、封口ガスケット40aの変形状態を観察することで行った。
なお、作製したボビン形リチウム電池1aは 直径17mm、高さ45.0mmのCR8型電池であり、封口ガスケット40a以外の構成は図9に示したボビン形リチウム電池1bと同じである。封口も図10に示した従来の手順で行った。また、負極端子板31と封口板32はステンレス(SUS304)製であり、封口ガスケット40aは、底部41の薄肉部46と円筒側面42の厚さAが0.5mmのポリプロピレン製である。
以下の表1に当該評価結果を示した。
Figure 0005297697
表1では、図2に示した厚肉部45の底面41cが、円筒側面42から開口43へ向かって水平となる角度以上となっていれば合格「○」とし、当該角度未満であれば不合格「×」としている。また、表1において、C/A<2.4については、シミュレーションでは合格でも、実用上、U字状断面をなす負極端子周縁38を収容する空間がとれないので、評価対象外とした。そして、C/A≧2.4において、B/Aが2.1以上であれば合格となり、封口ガスケット40aが発電要素に干渉しないことが分かった。このようにして、まず、B/Aの下限値を決定するための条件、B/A>2.0が規定できた。
一方、B/Aの上限値については、封口ガスケット40a自体の収容空間の限界から、B/A≦5.0であることが望ましい。図5にB/A=5.0としたときのシミュレーション結果に基づく封口ガスケット40aの変形状態を示した。ここでは、A=0.2mm、C/A=7.7としてシミュレーションした。厚肉部45の厚さが厚く、その外径が小さいため、厚肉部45の重量が開口43の外周44近傍に集中する。そのため、封口ガスケット40aの底部41の薄肉部46は、外周の円筒側面42から厚肉部45に向かって一度大きく下方へ撓むが、厚肉部45との境界で応力の方向が反転し、最終的に厚肉部45の下面41cは水平方向70と同じ角度となり、B/A≦5.0とすることに妥当性を得た。以上により、封口ガスケット40aにおける厚肉部45の厚さBと薄肉部46の厚さAとの比B/Aには最適条件があり、その条件は、2.0<B/A≦5.0となることが分かった。
===封口ガスケットの最適形状について===
表1の結果において、B/A=2.1では、C/A≦2.8で合格であった。また、B/A=2.2では、C/A≦3.0で合格であった。しかし、実用上は、厚肉部45を薄くしつつ、C/Aの上限値を上げることが望ましい。そこで、封口ガスケット40aの形状についてさらに検討し、底部41の外周にて鉛直方向に立設する円筒側面42が当該底部41を下方から支える構造とすれば、厚肉部45の底面41cが正極缶11の内方に向かって上方に傾斜するための力を補助、あるいは増強できると考えた。そして、図6に示したように、底部41の下面41aを開口43の外周44から円筒側面42に向かって一定の深さDで薄くした領域(以下、減厚部)47を設けた形状の封口ガスケット40bを作成した。そして、その封口ガスケット40bをつかって正極缶11開口をかしめて封口してみた。その結果、減厚部47の深さDを含んだ薄肉部46の厚さAと、同じく当該深さDを含んだ厚肉部45の厚さBとの比をB/A=2.0とするとともにD/A=0.2とした場合、すなわち、減厚部47の深さDを含まない薄肉部46と厚肉部45の厚さをそれぞれa、bとして、a/b=2.25とした場合、C/A≦3.3で合格となった。減厚部47がない封口ガスケット40aでは、B/A=2.2においてC/A≦3.0が合格条件だったので、減厚部47を設けたことによる効果は十分にあり、図6に示したような、減厚部47を設けた封口ガスケット40bとすることがより望ましいと言える。
===厚肉部の形状について===
上述した封口ガスケット(40a、40b)において、厚肉部45は、底部開口43の外周44を内円とした円環状であったが、厚肉部45の内円の位置は、底部開口43の周縁であればよく、厳密に外周44と一致させる必要はない。例えば、図7に示すように、内円48を開口43の外周44より僅かに円筒側面42側にずらした封口ガスケット40cとしてもよい。実際に、図2、および図4に示した封口ガスケット40aにおける合否の境界条件である、B/A=2.2、C/A=3.0を採用するとともに、E/A=0.1となるように内円48の位置をずらした封口ガスケット40cを作成し、この封口ガスケット40cをボビン形リチウム電池に組み込んで同様に評価した。その結果、内円48と開口外周44とが一致する封口ガスケット40aと同様に合格であった。
また、厚肉部45は一律に同じ厚さでなくてもよく、例えば、図8(A)〜(D)に示した封口ガスケット40d〜40gのように、厚肉部45の厚さが底部41の開口外周44側から円筒側面42に向けて徐々に薄くなる断面形状(A)や、逆に徐々に厚くなる形状(B)、あるいは厚肉部45の両端が薄くなるような断面形状(C)(D)であってもよい。いずれにしても、底部41の中央に開口43を有する円形カップ状の封口ガスケットの底部41に、当該開口43の周縁から円筒側面42に向かって円環状の厚肉部45が形成されていればよい。
===厚肉部の形成領域について===
コンピュータシミュレーションでは、厚肉部45の断面形状を単純な矩形とした場合、すなわち、厚肉部45の厚さを一定にした場合では、厚肉部45が上記応力集中箇所(図1:符号50b)の一部を含むように形成されていることが必要であるということが分かった。その一方で、厚肉部45が上記応力集中箇所50bの一部を含むように形成されていなくても、厚肉部45の形状や形成領域、および体積を調整することで、下方への撓みを抑止できることも分かった。しかし、断面形状が矩形となる形状は、最も単純な形状であり、複雑な断面形状とするより、封口ガスケットの製造コストを安くすることができる。したがって、封口ガスケットは、厚肉部の形成領域では、厚さ一定であるとともに応力集中箇所を含む、という条件を満たしていることが望ましい。
上記「応力集中箇所を含む」という条件は、上記C/Aの値を規定する、ということに相当する。しかし、封口ガスケットの径や厚さ、円筒側面の高さなどの外形サイズは、当該封口ガスケットが収納される電池缶や他の収納要素(封口体など)のサイズに応じて適宜に変更されるものであり、これらのサイズに応じて封口ガスケットの底部における上記応力集中箇所の位置も変化してしまう。そのため、C/Aの値を一意的に規定することが難しい。そこで本発明では、「厚肉部の形成領域が応力集中箇所の一部を含んでいる」という条件を、「円環状の厚肉部が形成されている領域における底部下面の傾斜が、底部の外周から中央へ向かう方向に水平以上となる」という状態で定義した。
なお、当然のことながら、本発明は、ボビン形リチウム電池に限らず、有底中空円筒状の電池缶の開口をかしめて封口体を円形カップ状の封口ガスケットを介して嵌着する円筒型電池であれば、どのような電池にも適用可能である。
従来の円筒型電池における封口ガスケットに加わる応力の分布状態を示す図である。 本発明の実施例に係る円筒型電池に組み込まれる封口ガスケットの代表例を示す断面図である。 上記実施例の円筒型電池の封口構造を示す図である。 上記代表例の封口ガスケットの各部位のサイズを説明するための図である。 上記実施例の円筒型電池の封口構造を示す図であり、上記代表例の封口ガスケットにおける各部位のサイズを所定値に設定した場合を示している。 上記実施例の円筒型電池に組み込まれる封口ガスケットの1例を示す図である。 上記実施例の円筒型電池に組み込まれる封口ガスケットのその他の例を示す図である。 上記実施例の円筒型電池に組み込まれる封口ガスケットの変形例を示す図である。 従来の円筒型電池の概略構造図である。 上記従来の円筒型電池における封口手順を示す図である。 上記従来の円筒型電池における封口構造を示す図である。
符号の説明
1a、1b 円筒型電池
11 電極缶(正極缶)
14 ビーディング部
31 負極端子板
32 封口板
40、40a〜40g 封口ガスケット
41 封口ガスケットの底部
42 封口ガスケット外周の円筒側面
43 封口ガスケットの底部開口
45 厚肉部
46 薄肉部
47 減厚部

Claims (2)

  1. 一方の電極を兼ねる有底円筒状の電極缶内に、発電要素が収納されるとともに、当該電極缶の開口が内方にかしめられることで、封口体を兼ねる他方の電極の端子が絶縁性の樹脂からなる封口ガスケットを介して前記開口に嵌着されて前記電極缶が密封されてなる円筒型電池であって、
    電極缶開口を上方として、前記封口ガスケットは、円盤状の底部の周囲に円筒側面を上方に立設させてなる円形カップ状で、前記底部の中央には前記封口体の下面に接続された帯状のリード板が挿通される円形の開口が形成され、
    前記円盤状の底部は、下面が平坦で、上面には、前記開口と同心円状に厚さが一定となる円環状の厚肉部が当該開口の周縁を内円として形成されているともに、当該円環状の厚肉部の外円を内円とした円環状の薄肉部が円筒側面まで形成され、当該底部において前記厚肉部が形成されていない領域の厚さAと、当該厚肉部が形成されている領域の厚さBとの比B/Aが2.0<B/A≦5.0であり、
    前記ガスケットは、前記電極缶に前記封口体がかしめにより嵌着された状態では、前記底部の下面において厚肉部に対応する円環状の領域が、前記円筒側面から前記開口の中央へ向かって水平以上となるように傾斜している、
    ことを特徴とする円筒型電池。
  2. 前記円盤状の底部の下面は、前記開口の周縁から前記円筒側面に向かって所定の深さで厚さが減じられていることを特徴とする請求項1に記載の円筒型電池。
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