本発明の実施形態を、以下の実施例に従って説明する。
<第一実施例>
第一実施例のパチンコ機1は、図1に示すように、遊技島設備(図示省略)に固定される外枠2と、この外枠2の前面開口部を覆う遊技機本体3とからなる。遊技機本体3は、中央上部の略円形の開口部に遊技盤10が取り付けられた前枠5を備え、この前枠5の一側縁がヒンジ部材4,4を介して外枠2に開閉可能に枢着されている。さらに前枠5には、遊技盤10を覆うガラス板6が設けられている。また、前枠5の下部には、上受皿7と下受皿8とが上下に列設されており、下受皿8の右側方に発射ハンドル9が突設される。
発射ハンドル9は、前枠5の右下部に前方に突設されるベース部材31と、該ベース部材31に軸支される円板状の操作部32とを備えてなる。操作部32は、外周部に指掛用の突起部50を備え、バネ(図示省略)によって定常位置Pに付勢されており、遊技者は操作部32を定常位置Pから時計回りに回動操作可能となっている。発射ハンドル9の内部には、発射ハンドル9の現在角度α(現在の回動操作角度)を検知して出力する回動角度検知センサ33が配設される。この回動角度検知センサ33は、現在角度αに応じて出力電圧を増減するものであり、可変抵抗器や電子ボリューム等によって構成される。
また、パチンコ機1の内部には、遊技盤10の下方に発射装置36が設けられる。この発射装置36は、遊技球を打圧する発射鎚37と、該発射鎚37を駆動するロータリーソレノイド38と、打圧された遊技球を案内する発射レール39等を備えてなるものであり、発射ハンドル9の現在角度αに応じた強度で遊技球を1球ずつ遊技盤10の遊技領域12へ打圧発射する。
また、前枠5の右下部には、発射ハンドル9の周囲に、円弧状に配置された二列のランプ群41,44が配設される。内周側のランプ群41は、発射ハンドル9の現在角度αを示す現在角度表示メータ40を構成する現在角度表示ランプ群であり、外周側のランプ群44は、推奨角度β(遊技状態に即した回動操作角度)を示す推奨角度表示装置43を構成する推奨角度表示ランプ群である。かかるランプ群41,44は、本発明の要部に係るため詳細は後述する。
図2は、遊技盤10の正面図である。遊技盤10の前面には、ガイドレール11によって略円形の遊技領域12が区画形成されている。遊技領域12の中央には、各種遊技部材を組み込んだセンターケース13が配設される。センターケース13には、演出表示装置14が組み付けられている。演出表示装置14は、液晶表示器又はドットマトリクス表示器等からなり、その表示画面には演出図柄や各種演出画像が表示される。
図3(A)に示すように、遊技領域12の左側部には、多数のLED(発光ダイオード)が配設される。この多数のLEDは、左上の列から順番に、普通図柄表示装置16、普通始動記憶数表示装置18、特別図柄表示装置15、第一特別始動記憶数表示装置17a、第二特別始動記憶数表示装置17bを構成している。
普通図柄表示装置16は1個のLEDからなり、その点灯態様によって普通図柄を表示するものである。後述する普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、このLEDが点滅することで普通図柄を変動させ、その後にLEDが点灯状態又は消灯状態で停止することにより普通図柄を停止表示する。LEDが点灯した停止態様が当り停止態様、LEDが消灯した停止態様がハズレ停止態様に設定されており、当り停止態様で確定停止した場合には、後述の普通電動役物23が拡開作動する。
特別図柄表示装置15は3個のLEDからなり、その点灯態様によって特別図柄を表示するものである。後述するように、特別図柄表示装置15は、所定契機によって、各LEDを点滅させることにより夫々の特別図柄を変動させ、その後にいずれかのLEDが点灯した停止図柄態様で特別図柄を停止表示する。本実施例では、特別図柄表示装置15で、全てのLEDが消灯した停止図柄態様がハズレ停止図柄態様、LEDのいずれかが点灯した停止図柄態様が当り停止図柄態様と設定されており、いずれかの特別図柄が当り停止図柄態様で確定停止した場合に、いわゆる「大当り」となって後述の特別遊技状態に移行する。また、大当りとなった時のLEDの点灯態様によって、後述する大当りの種類が決定される。
第一特別始動記憶数表示装置17aは四個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって、後述する第一特別始動記憶データの記憶数を表示するものである。また、第二特別始動記憶数表示装置17bは四個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって後述の第二特別始動データの記憶数を表示するものである。また、普通始動記憶数表示装置18は2個のLEDからなり、該LEDの点灯数によって未消化の普通図柄の変動回数を表示する。
図2に示すように、センターケース13の右側方には普通始動ゲート19が設けられており、普通始動ゲート19を遊技球が通過すると、この普通始動ゲート19に具備された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて普通図柄表示装置16のLEDが点滅開始する。
また、図2に示すように、センターケース13の直下位置には第一特別始動口20aを有する特別入賞装置22が配設されている。かかる特別入賞装置22は開口の大きさを変化させないタイプであり、遊技球は第一特別始動口20aを常時通過可能となっている。そして、第一特別始動口20aを遊技球が通過すると、特別入賞装置22に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。
また、図2,3(B)に示すように、普通始動ゲート19の直下位置には第二特別始動口20bを有する普通電動役物23が配設される。図3(B)に示すように、普通電動役物23は開閉翼片24を備えている。開閉翼片24は、ソレノイド(図示省略)によって駆動されるものであり、開閉翼片24の定常位置では第二特別始動口20bは遊技球が通過不能な閉塞状態であるが、ソレノイドによって開閉翼片24が拡開駆動されると第二特別始動口20bは遊技球が通過可能な開放状態となる。第二特別始動口20bは、通常は閉塞状態であるが、普通図柄表示装置16で普通図柄が当り停止態様で停止表示されると、所定時間開閉翼片24が拡開駆動されて第二特別始動口20bが所定時間開放状態となる。そして、開放された第二特別始動口20bを遊技球が通過すると、普通電動役物23に内臓された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて特別図柄表示装置15のLEDが点滅開始する。
普通電動役物23の下方位置には、大入賞口25を有する特別電動役物26が配設されている。この特別電動役物26は横長矩形状の開閉片27を具備し、この開閉片27は内蔵するソレノイドにより開閉制御されることによって大入賞口25が開放状態又は閉鎖状態に変換される。また、特別電動役物26の内部には入賞した遊技球を検知する球検知スイッチが設けられている。
また、遊技領域12の左下部には一般入賞口28を有する一般入賞装置29が三個配設されており、遊技球が一般入賞口28に入賞すると、一般入賞装置29に内蔵された球検知スイッチが球検知信号を出力し、かかる球検知信号に基づいて所定数の賞球が払い出される。
発射装置36に打圧発射された遊技球は、遊技領域12左側の案内通路21を通って遊技領域12の上部に射出され、遊技領域12内を転動流下する。そして、その幾つかは始動口や入賞口に入賞することとなる。また、どの始動口や入賞口にも入賞しなかった遊技球は、遊技領域12の最下部のアウト口30に流入する。
遊技盤10の遊技領域12は、センターケース13によって、センターケース13の左側方から直下へ至る第一球流下領域12aと、センターケース13の右側方の第二球流下領域12bとに分岐しており、遊技領域12上部に射出された遊技球は、第一球流下領域12aと第二球流下領域12bのいずれか一方の領域を流下することとなる。ここで、第一球流下領域12aを流下した遊技球は、第一特別始動口20aや一般入賞口28に入賞可能となるが、遊技領域12の右寄りに配設された普通始動ゲート19、第二特別始動口20b、大入賞口25には入賞できない。これに対して、第二球流下領域12bを流下した遊技球は、普通始動ゲート19、第二特別始動口20b、及び大入賞口25に入賞可能となるが、第一特別始動口20aや一般入賞口28には入賞できない。そして、遊技者は、発射ハンドル9によって遊技球の発射強度を調整することで、第一球流下領域12aと第二球流下領域12bとに選択的に遊技球を打ち分けることができる。すなわち、遊技球は遊技領域12の左上部から右上方向に射出されるから、発射強度を強くすれば、遊技球はセンターケース13を越えて右側の第二球流下領域12bを流下することとなり、発射強度を弱くすれば遊技球はセンターケース13を越えずに左側の第一球流下領域12aを流下することとなる。
次に、本実施例のパチンコ機1の基本的な遊技作動を、図1〜3を参照して簡単に説明する。なお、本実施例のパチンコ機1の基本的な遊技作動は、既存のパチンコ機と同様であるため詳細な説明は省略する。
本実施例のパチンコ機1は、通常の遊技状態(通常遊技状態)と、特別図柄の当選確率が通常確率よりも高確率となる確変遊技状態と、特別図柄の当り(大当り)に伴う特別遊技状態の三つの遊技状態がある。
通常遊技状態及び確変遊技状態にあっては、遊技球が発射装置36から遊技盤10の遊技領域12に発射され、該遊技球がいずれかの特別始動口20a,20bを通過した場合、乱数抽選が行われて特別始動記憶データが生成される。そして、生成された特別始動記憶データに基づいて図柄生成行程が順次実行される。図柄生成行程が開始されると、特別図柄表示装置15でLEDが点滅し、特別図柄が変動開始する。そして、各特別図柄が点滅を停止すると、遊技者に特別図柄の停止図柄態様を認識させるため、特別図柄を一定時間(約1秒)停止表示する。ここで、いずれかの特別図柄が当り停止図柄態様で停止表示されると大当りとなり、後述の特別遊技状態に移行する。
通常遊技状態及び確変遊技状態に遊技球が普通始動ゲート19を通過すると、普通図柄表示装置16の一個のLEDが点滅開始して、普通図柄が変動開始する。普通図柄は所定時間経過すると変動を停止し、当り態様又はハズレ態様で停止表示する。そして当り態様で停止表示した場合には普通電動役物23の拡開作動が実行されて第二特別始動口20bが所定時間開放状態となる。
次に、通常遊技状態と確変遊技状態の違いを説明する。
確変遊技状態では、通常遊技状態に比して高確率で特別図柄が当たりやすくなる。具体的には、通常遊技状態中の当選確率が1/300であるのに対し、確変遊技状態では当選確率が1/30となるので、確変遊技状態は通常遊技状態よりも10倍当り易い有利な状態といえる。また、確変遊技状態では、普通図柄の当選確率が通常遊技状態(1/10)よりも高確率(9/10)となるとともに、普通電動役物23拡開作動する時間も通常遊技状態の0.2秒に比して2秒に延長されて、第二特別始動口20bが長時間開放される。このように確変遊技状態では、普通電動役物23の開放頻度や開放時間が増えることで、第二特別始動口20bが開放状態となる割合が向上する。このため、通常遊技状態では、専ら遊技球は第一特別始動口20aに入賞し、第二特別始動口20bに入賞することは稀であるが、確変遊技状態では遊技球が第二特別始動口20bへ入賞し易くなり、第二特別始動口20bへの入賞頻度が第一特別始動口20aへの入賞頻度を上回ることとなる。
次に、特別遊技状態について説明する。
特別遊技状態は、大入賞口25が開閉する開閉ラウンドを所定回数実行する遊技状態である。具体的には、特別遊技状態では、大入賞口25が最大30秒間開放して閉鎖すると一回の開閉ラウンドが終了する。そして、この開閉ラウンドを16回繰り返すことによって通常特別遊技状態が終了する。この通常特別遊技状態では、大入賞口25へ100個以上の入賞が期待でき、遊技者は多量の賞球を獲得できる。上述のように、特別遊技状態は、通常遊技状態又は確変遊技状態において特別図柄が当り図柄態様で停止表示されて大当りとなった場合に開始される。そして、特別遊技状態において開閉ラウンドが所定回数実行されると、大当りした時の当り図柄態様に基づいて通常遊技状態又は確変遊技状態へ移行する。
次に、本実施例のパチンコ機1の遊技作動を制御する制御回路を、図4を参照して説明する。
マイクロコンピュータを構成する主制御基板60には、パチンコ機1の遊技作動等を制御するための基板回路が設けられている。この主制御基板60は、遊技の統括的な制御を実行するものであり、この基板回路上には主制御用中央制御装置CPUが配設されている。この主制御用中央制御装置CPUには、演算処理に用いる動作プログラムを格納する記憶装置ROMと、必要なデータを随時読み書きできる記憶装置RAMとが、データを読み書きするアドレスを指定する情報を一方的に伝えるアドレスバス(図示省略)と、データのやり取りを行うデータバス(図示省略)を介して接続され、主制御基板60の基板回路を構成している。記憶装置ROMには、制御プログラムや、第一特別始動口20aや第二特別始動口20bの入賞時に生成される特別始動記憶データを参照して、当落判定や図柄の変動・停止態様等を決定するための各種テーブルが格納されている。
一方、記憶装置RAMには、各種球検知スイッチからの球検知信号等が一時的に記憶される記憶エリア、各種のタイマや乱数カウンタ、計数カウンタ等を構成するレジスタ領域、及びワークエリア等が設けられている。
さらに、この主制御基板60の基板回路には、所定のクロックパルスを出力するクロック装置(図示省略)が設けられ、主制御用中央制御装置CPUに接続されている。そして主制御用中央制御装置CPUは、一定間隔のクロックパルスによって時系列的に演算処理を行い、一連の処理作動を順次実行する。また、このクロック装置により出力されたクロックパルスをカウントして、時間を計測するタイマTMも接続されている。
ここで主制御用中央制御装置CPU、及び後述する各制御基板62〜66に設置されている各中央制御装置CPUは、所定のデータの処理を行う演算ユニット(ALU)を連成した演算装置と、この演算装置に入出力するデータや読み込んだ命令を保管しておくレジスタと、命令を解読するデコーダ等によって構成されている。そして、この主制御用中央制御装置CPUは、所定の形式で生成したデータ又はコマンドを各制御基板62〜66にそれぞれ出力し、各制御基板62〜66の中央制御装置CPUがこのデータ等に従って所定の制御を処理実行することとなる。
また、この主制御基板60の基板回路には、主制御用中央制御装置CPUが周辺機器とデータ通信を行う入力ポート(図示省略)及び出力ポート(図示省略)が設けられており、この出力ポートを介して主制御基板60からの制御指令が、図柄表示制御基板62、音源制御基板63、光源制御基板64、及び払出制御基板65の各入力ポートに向け、一方向に出力されるように接続されている。また、主制御基板60の入力ポートには、盤面中継基板61を介して、普通始動ゲート19、特別入賞装置22、普通電動役物23、特別電動役物26、一般入賞装置29等が接続されている。そして、主制御基板60が2msごとに、これらに内蔵された各スイッチの遊技球検出状態を調べ、遊技球検出があると、その球検出信号が波形整形回路により波形整形されて主制御用中央制御装置CPUに入力され、その情報を記憶装置RAMに記憶する。また、主制御基板60の出力ポートには、盤面中継基板61を介して普通電動役物23や特別電動役物26等が接続されており、主制御用中央制御装置CPUが所定の条件を選出した場合に、これらに内蔵されたソレノイドやモータを作動させる。
上記の図柄表示制御基板62には、演出表示装置14の表示態様を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、表示態様を制御処理する図柄制御用中央制御装置CPUに、その表示態様に関する固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きできる記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
図柄表示制御基板62は、主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを図柄制御用中央制御装置CPUにおいて演算処理し、所定の表示態様を表示するデータを、出力ポートを介して表示用ドライバに出力する。そして、この表示用ドライバにより、前記データに従って演出表示装置14に所定態様で表出させる。
上記の音源制御基板63には、スピーカから発生する効果音等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、音響を制御する音源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや音響発生パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この音源制御基板63は、上記の主制御基板60より入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを音源制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定の音データを、出力ポートを介してサウンドジェネレータに出力し、このサウンドジェネレータにより、前記音データに従ってスピーカに効果音を出力させる。
上記の光源制御基板64には、特別図柄表示装置15、普通図柄表示装置16、第一特別始動記憶数表示装置17a、第二特別始動記憶数表示装置17b、普通始動記憶数表示装置18等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、LEDやランプ等の点灯、点滅等を制御する光源制御用中央制御装置CPUに、動作プログラムや、LED,装飾ランプ等を所定の発光態様に従って発光させるための発光パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。
この光源制御基板64は、光源制御用中央制御装置CPUで、上記の主制御基板60から入力ポートを介して入力されたデータ又はコマンドを演算処理し、所定の光データを、出力ポートを介して、LEDやランプ等を発光作動するドライバを配した光源作動基板に出力し、この光源作動基板が、所定のLEDやランプ等を点灯、点滅させる。
上記の払出制御基板65には、遊技球の貸球や賞球等の払出しを制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動して、所定の貸球や賞球の供給を制御する払出制御用中央制御装置CPUに、動作プログラム、賞球や貸球の球数パターン等の固定データが格納されている記憶装置ROMと、球数カウントデータ等の必要なデータを読み書きする記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。この払出制御基板65は、主制御基板60から入力されたデータ又はコマンドに従い、払出制御用中央制御装置CPUで演算処理し、所定のデータを、出力ポートを介して払出中継基板に送信し、このデータにより貸球ユニットや賞球ユニット等の各種ソレノイドを作動し、所定の貸球や賞球の払出しを実行する。また、払出制御基板65には、遊技球の貸球を記憶したプリペイドカードの読込みや書込みを行う機外装置であるプリペイドカードユニットが、このプリペイドカードのデータ処理を中継するCR接続基板を介して接続されており、遊技球の残球データ等をやり取りする。
上記の発射制御基板66には、発射装置36等を制御するための基板回路が設けられている。この基板回路は、動作プログラム等が格納されている記憶装置ROMと、入出力信号等を一時的に記憶する記憶装置RAMと、入力ポート及び出力ポートとが接続されて構成されている。発射制御基板66の入力ポートには回動角度検知センサ33が接続され、回動角度検知センサ33から発射ハンドル9の現在角度αに応じた電圧信号が入力される。発射制御基板66の出力ポートには発射装置36のロータリーソレノイド38が接続される。発射制御基板66は、回動角度検知センサ33からの入力信号に応じた電圧強度でロータリーソレノイド38を間欠的に駆動することで、発射ハンドル9の現在角度αに応じた強さで遊技球を立て続けに打圧発射する。また、発射制御基板66は、その入力ポートを介して主制御基板60から発射停止信号を受信すると、発射ハンドル9の現在角度αとは無関係に発射装置36の作動を停止させる。また、発射制御基板66は、回動角度検知センサ33からの入力信号をデジタル信号に変換し、発射ハンドル9の現在角度αを示す回動操作角度信号を、出力ポートを介して主制御基板60に出力する。
本発明に係る現在角度表示ランプ群41は、上記光源作動基板に接続される。発射制御基板66の出力ポートには、上記の光源制御基板64が接続されており、発射制御基板66は、回動角度検知センサ33からの入力信号に基づいて現在角度表示ランプ群41を点灯させるためのコマンドを光源制御基板64に出力する。そして、光源制御基板64は、当該コマンドに基づいて、発射ハンドル9の現在角度αに対応する態様で現在角度表示ランプ群41を点灯させる。すなわち、本発明に係る現在角度表示メータ40は、発射制御基板66、光源制御基板64、及び現在角度表示ランプ群41等によって構成される。
本発明に係る推奨角度表示ランプ群44は、上記光源作動基板に接続される。主制御基板60の記憶装置ROMには、各遊技状態に即した発射ハンドル9の推奨角度βが予め記憶されており、主制御基板60は、遊技状態に応じて光源制御基板64に制御コマンドを出力することで、現在の遊技状態に即した推奨角度βに対応する態様で推奨角度表示ランプ群44を点灯させる。また、主制御基板60は、発射制御基板66から入力された回動操作角度信号によって、発射ハンドル9が推奨角度βで操作されているか否かを判断し、推奨角度βで操作されていると判断した場合には、推奨角度表示ランプ群41を常時点灯状態で点灯させるためのコマンドを光源制御基板64に出力し、推奨角度で操作されていないと判断した場合には、推奨角度表示ランプ群41を点滅状態で点灯させるためのコマンドを出力する。すなわち、本実施例では、本発明に係る推奨角度表示装置43は、主制御基板60、光源制御基板64、及び推奨角度表示ランプ群44等によって構成される。
以下に、本発明の要部に係る構成を詳細に説明する。
上述のように、本実施例のパチンコ機1には、通常遊技状態、確変遊技状態及び特別遊技状態の三つの遊技状態がある。
通常遊技状態では、第二特別始動口20bの開放頻度や開放時間が少なく、発射強度に関わらず第二特別始動口20bへ入賞させるのは困難である。このため、通常遊技状態では、第一球流下領域12a側に遊技球を発射して、比較的入賞させ易い第一特別始動口20aへの入賞を目指さなければ、遊技者は不利を被ることとなる。
一方、確変遊技状態では、第二特別始動口20bの開放頻度や開放時間が増大し、第二特別始動口20bへ極めて入賞させ易くなる。このため、確変遊技状態では、第二球流下領域12b側に遊技球を発射して、第二特別始動口20bへの入賞を目指さなければ、遊技者は不利を被ることとなる。また、特別遊技状態にあっては、大入賞口25に入賞させることで多量の賞球を獲得できるから、遊技者は第二球流下領域12b側に遊技球を発射して、大入賞口25への入賞を目指さなければ、遊技者は多大な不利を被ることとなる。
このように、本実施例のパチンコ機1では、通常遊技状態では左側の第一球流下領域12aへ、確変遊技状態及び特別遊技状態では右側の第二球流下領域12bへ遊技球を発射することが推奨される。そして、遊技者は、遊技状態に合わせて左右の球流下領域12a,12bに遊技球を打ち分けるために、発射ハンドル9を遊技状態に即した推奨角度βで操作しなければならない。
本実施例のパチンコ機1では、発射ハンドル9は、0〜100°の範囲で定常位置Pから時計回りに回動操作可能となっており、発射ハンドル9を定常位置Pから50〜60°回動操作した時に遊技球をスムーズに第一球流下領域12aに打ち込むことができ、90〜100°回動操作した時に遊技球をスムーズに第二球流下領域12bに打ち込むことができる。すなわち、本実施例にあっては、通常遊技状態における推奨角度βが50〜60°であり、確変遊技状態及び特別遊技状態における推奨角度βが90〜100°である。そして、本実施例では、現在角度表示メータ40と推奨角度表示装置43とによって、現在の遊技状態における推奨角度βを遊技者に報知している。
現在角度表示メータ40は、発射ハンドル9の現在角度αを示す現在角度表示ランプ群41を具備している。現在角度表示ランプ群41は、図5に示すように、発射ハンドル9周囲の二列の円弧状ランプ群41,44のうち、内周側の列のランプ群である。この現在角度表示ランプ群41は、赤色LEDからなる10個の現在角度表示ランプ42を、発射ハンドル9の周囲に回動操作方向に沿って円弧状に整列配置してなるものであり、現在角度αを現在角度表示ランプ42の点灯数で表示する。すなわち、図4に示すように、操作部32が定常位置Pにある場合は、現在角度αが0°であるため、10個の現在角度表示ランプ42は全て消灯状態になる(図5(A)参照)。そして、操作部32を定常位置Pから時計回りに回動操作すると、現在角度αの増加に伴って、現在角度表示ランプ42が左下端から一つずつ点灯する。具体的には、発射ハンドル9を定常位置Pから少しでも回動すると、左下端の現在角度表示ランプ42が点灯し、そこから10°回動するごとに現在角度表示ランプ42が時計回りに一つずつ点灯していく。例えば、現在角度αが40〜50°の時は、図5(B)に示すように、左下端から5個の現在角度表示ランプ42が点灯状態となり、現在角度αが90〜100°の時は、図5(C)に示すように、10個の現在角度表示ランプ42が全て点灯状態となる。このように、かかる構成では、発射ハンドル9の回動操作に伴って、現在角度表示ランプ42がハンドル9の回動方向に沿って一つずつ点灯していくため、遊技者は現在角度αを容易に知得できる。
推奨角度表示装置43は、発射ハンドル9の推奨角度βを示す推奨角度表示ランプ群44を具備している。推奨角度表示ランプ群44は、図6に示すように、発射ハンドル9周囲の二列の円弧状ランプ群41,44のうち、外周側の列のランプ群である。この推奨角度表示ランプ群44は、黄色LEDからなる10個の推奨角度表示ランプ45によって構成される。各推奨角度表示ランプ45は、各現在角度表示ランプ42と対応するようにして、現在角度表示ランプ42の外周側に円弧状に整列配置されており、推奨角度表示装置43は、遊技状態に応じた態様で推奨角度表示ランプ群44を点灯させることによって推奨角度βを表示する。
例えば、推奨角度βが50〜60°である通常遊技状態では、推奨角度表示装置43は、図6(A)に示すように、左下端から6個の推奨角度表示ランプ45を点灯させる。すなわち、現在角度αが50〜60°の時は、左下端から現在角度表示ランプ42が6個点灯するから、推奨角度表示ランプ群44を同様の点灯態様で点灯させることによって、遊技者に50〜60°の回動操作角度で発射ハンドル9を操作するように推奨するのである。図6(A)のように、推奨角度表示ランプ群44を点灯させれば、現在角度表示ランプ群41の点灯態様と、推奨角度表示ランプ群44の点灯態様を見比べることで、現在角度αと推奨角度βとのずれが一目瞭然となる。そして、遊技者は、図6(B)に示すように、現在角度表示ランプ群41と推奨角度表示ランプ群44の点灯態様が一致するように操作部32を回動操作することで、50〜60°の推奨角度βを簡単に実現することができる。
同様に、推奨角度βが90〜100°である確変遊技状態及び特別遊技状態では、推奨角度表示装置43は、図6(C)に示すように、全ての推奨角度表示ランプ45を点灯させ、これにより、遊技者に発射ハンドル9を大きく回動操作して、全ての現在角度表示ランプ42を点灯させるよう推奨する。そして、遊技者は、図6(C)に示すように、現在角度表示ランプ群41と推奨角度表示ランプ群44の点灯態様が一致するように操作部32を回動操作することで、90〜100°の推奨角度βを実現できる。
また、推奨角度表示ランプ45は、現在角度αが推奨角度βと一致している場合は常時点灯状態となり、そうでない場合は点滅状態で点灯する。例えば、図6(A)では、現在角度α(70〜80°)と推奨角度β(50〜60°)が不一致であるから、この場合は、左下端から6個の推奨角度表示ランプ45は点滅状態で点灯する。一方、図6(B)では、現在角度α(50〜60°)と推奨角度β(50〜60°)が一致しているため、左下端から6個の推奨角度表示ランプ45は常時点灯状態となる。
このように、本実施例にあっては、現在角度表示メータ40と推奨角度表示装置43によって、遊技状態に即した推奨角度βを示すことができる。そして、遊技者は、現在角度表示ランプ群41と推奨角度表示ランプ群44の点灯態様が一致するように操作部32を回動操作するだけで推奨角度βを実現し、遊技球を適切な強度で発射できる。
特に、現在角度表示ランプ群41と推奨角度表示ランプ群44は、発射ハンドル9の周囲に、ハンドルの回動操作方向に沿って配置されているため、遊技者は、現在角度αと推奨角度βのずれを一目で把握することができ、推奨角度βを実現するための操作部32の回動方向や回動量を簡単に把握することができる。このように、本実施例のパチンコ機1は、推奨角度βを直接的に明示するものであるから、遊技者は集中力を欠いていても、遊技状態に応じた角度で発射ハンドル9を適切に操作できる。
また、本実施例では、現在角度αと推奨角度βが一致しているか否かに応じて推奨角度表示ランプ45を点滅状態と常時点灯状態とに切り替えているから、発射ハンドル9が適切に操作されているか否かを遊技者に確実に報知できる。
<第二実施例>
次に、現在角度表示ランプ群と推奨角度表示ランプ群とを兼用した第二実施例について説明する。なお、本実施例は、現在角度表示ランプ群と推奨角度表示ランプ群を兼用する以外は第一実施例と同様の構成であるため、構成の共通する部分については図中で符号を共通させて説明を省略する。
本実施例にあっては、発射ハンドル9の周囲に配置された一列の回動角度表示ランプ群46によって、遊技状態に応じた推奨角度βを報知する。この回動角度表示ランプ群46は、本発明に係る現在角度表示ランプ群と推奨角度表示ランプ群の機能を兼ねるものである。具体的には、回動角度表示ランプ群46は発射ハンドル9の周囲に、回動角度方向に沿って円弧状に整列配置された、多色LEDからなる10個の回動角度表示ランプ47より構成される。各回動角度表示ランプ47は、赤色、緑色、黄色の三色で点灯できる。
回動角度表示ランプ群46は、現在角度αを回動角度表示ランプ47の赤色の点灯位置で表示する。すなわち、図7に示すように、操作部32が定常位置Pにある場合は、左下端の回動角度表示ランプ47が赤色で点灯し(図7(A)参照)、そこから操作部32を時計回りに回動操作すると、現在角度αの増加に伴って、赤色で点灯する回動角度表示ランプ47の位置が時計回りに一つずつ移動する。具体的には、発射ハンドル9を定常位置Pから時計回りに10°回動するたびに、赤色の点灯位置が左下端から時計回りに一つずつ移動する。例えば、現在角度αが40〜50°の時は、図7(B)に示すように、左下端から5個目の回動角度表示ランプ47が赤色で点灯し、現在角度αが90〜100°の時は、図7(C)に示すように、右端の回動角度表示ランプ47が赤色で点灯する。このように、かかる構成では、発射ハンドル9の回動操作に伴って、赤色で点灯する回動角度表示ランプ47が発射ハンドル9の回動方向に一つずつ移動していくため、遊技者は現在角度αを容易に知得できる。
一方、回動角度表示ランプ群46は、推奨角度βを回動角度表示ランプ47の黄色の点灯位置で表示する。すなわち、推奨角度βが50〜60°である通常遊技状態にあっては、図8(A)に示すように、左下端から6個目の回動角度表示ランプ47が黄色で点灯し、推奨角度βが90〜100°である確変遊技状態及び特別遊技状態にあっては、図8(B)に示すように、右端の回動角度表示ランプ47が黄色で点灯する。したがって、かかる構成にあっては、遊技者は、現在角度αを示す赤色の点灯位置と、推奨角度βを示す黄色の点灯位置が一致するように操作部32を回動操作すれば、推奨角度βを実現できる。ここで、本実施例では、現在角度αと推奨角度βが一致して、現在角度αと推奨角度βを示す点灯ランプ47が重複した場合には、図8(C)に示すように、当該回動角度表示ランプ47を緑色で点灯させ、これにより、発射ハンドル9が推奨角度βで操作されていることを遊技者に報知するようにしている。
このように、本実施例にあっては、回動角度表示ランプ群46が、本発明に係る現在角度表示ランプ群と推奨角度表示ランプ群とを兼用しているため、上記実施例と比較して、ランプの数を削減できるという利点がある。なお、本実施例では、ランプの三種類の点灯色によって現在角度と推奨角度を区別して示しているが、ランプの点灯色に限らず、ランプの輝度や点滅態様によって現在角度と推奨角度を区別することもできる。
<第三実施例>
次に、第一実施例の現在角度表示メータに替えて、発射ハンドルの周囲に指標を配設した第三実施例について説明する。なお、本実施例は、現在角度表示メータが指標に替わる以外は、第一実施例と同様の構成であるため、構成の共通する部分については図中で符号を共通させて説明を省略する。
本実施例にあっては、図9に示すように、操作部32外周部の突起部50aの一つが放射方向に大きく突出しており、該突起部50aの先端に線状をなす指標部51が設けられる。一方、発射ハンドル9の周囲には、10個の推奨角度表示ランプ45からなる推奨角度表示ランプ群44が設けられている。推奨角度表示ランプ45は、発射ハンドル9の回動操作方向に沿った円弧の上に10°間隔で整列配置される。指標部51は、図9(A)に示すように、操作部32の定常位置Pで、左下端の推奨角度表示ランプ45を指示するように設定されており、そこから操作部32とともに時計回りに回動する。上述のように推奨角度表示ランプ45は10°間隔で円弧状に配置されているから、操作部32を10°回動操作するたびに、指標部51が指示する推奨角度表示ランプ45は時計回りに一つずつ移動していき、操作部32を可動限界(100°)まで回動した状態では、図9(C)に示すように、指標部51は右端の推奨角度表示ランプ45を指示することとなる。
このように、指標部51は、操作部32とともに回動して、現在角度αに応じて指示する推奨角度表示ランプ45を変化させるよう構成される。そして、推奨角度表示装置43は、指標部51が指示すべき推奨角度表示ランプ45を点灯させることで、遊技者に推奨角度βを報知する。すなわち、推奨角度βが50〜60°である通常遊技状態では、図9(B)に示すように、左下端から6個目の回動角度表示ランプ47を点灯させ、推奨角度βが90〜100°である確変遊技状態及び特別遊技状態では、図9(C)に示すように、右端の推奨角度表示ランプ45を点灯させる。したがって、かかる構成によれば、遊技者は、点灯する推奨角度表示ランプ45を指標部51が指示するように操作部32を回動操作することで推奨角度βを簡単に実現できる。
このように、本実施例は、発射ハンドル9の周囲に配設される指標部51と推奨角度表示ランプ群44とによって推奨角度βを示す構成である。ここで、指標部51は、第一実施例に係る現在角度表示メータ40に比べて極めて簡単な構成であるため、第一実施例よりも簡単な構成によって低廉に実現できる。特に、本発明に係る指標部51は、発射ハンドル9の回動操作角度を検知するセンサとは無関係であるから、センサを介さずに機械的に発射強度を調整するタイプのパチンコ機に最適である。
なお、本発明におけるパチンコ機は、上記実施例の形態に限らず本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えることができる。
例えば、実施例のパチンコ機は、発射ハンドルの現在角度をセンサで検知して電気的に発射強度の調整を行うタイプであったが、本発明は、機械的に発射強度の調整を行うタイプにも適用できる。
また、上記実施例では、推奨角度表示ランプ群の点灯位置や、左下端からの点灯数によって、発射ハンドルの推奨角度を示しているが、かかる態様は適宜変更可能である。例えば、特定の推奨角度表示ランプの輝度を変化させたり、点滅させたり、消灯させたりすることによって、発射ハンドルの推奨角度を示すようにしてもよい。
また、上記実施例では、10個の推奨角度表示ランプによって推奨角度表示ランプ群が構成されているが、推奨角度表示ランプ群を構成する推奨角度表示ランプは、遊技状態に応じた推奨角度を適切に表示できる数があれば足り、10個未満でも、11個以上であってもかまわない。また、その配置間隔も適宜変更可能である。