JP5296131B2 - 昇華性シートの作製方法および内部空所形成部材の作製方法 - Google Patents

昇華性シートの作製方法および内部空所形成部材の作製方法 Download PDF

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本発明は、グリーンシートプロセスによってセラミックデバイスを作製する工程において、デバイス内部に空間を形成する際に用いられる、昇華性シートの作製に関する。
ガスセンサなどのセンサ素子を初めとする種々のデバイス(電子部品)などの製造手法として、セラミックス粉末と有機物との混合物であるスラリーを所定のフィルム上に塗布しその後乾燥させたうえで、所定のサイズにカットしたセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートとも称する)を用いる手法(グリーンシートプロセス)が広く知られている。係るグリーンシートプロセスにおいては、複数枚のグリーンシートが用意され、必要に応じてそれぞれのグリーンシートにスクリーン印刷等によって所定の配線パターンを形成したり、あるいはキャビティを形成したうえでそれらを積層し、これによって得られる積層体を焼結させ、得られた焼成体をカットすることにより積層型セラミックデバイス(積層型電子部品)を得る。
このようなプロセスにてデバイスを作製するにあたって、デバイス内部に空間(内部空所)を形成することがある。係る内部空所の形成は、例えば、内部空所用のグリーンシートの内部空所形成箇所をパンチングにて矩形等に打ち抜いた後、当該グリーンシートを他の部位を形成するグリーンシートともども積層して積層体を形成する際に、打ち抜き箇所に内部空所形成部材を埋め込むことによって実現される。ここで、内部空所形成部材とは、昇華性材料からなるシート(以下、昇華性シート)を形成しようとする内部空間のサイズに応じて切断した昇華性シート片である。
係る内部空所形成部材が埋め込まれた積層体を焼成すると、比較的低温の段階でグリーンシートから有機バインダー成分が熱分解或いは燃焼する脱バインダーが起き、さらに、その後の昇温過程で内部空所形成部材が昇華するので、結果として、内部空所形成部材の埋め込み箇所が内部空間となった、セラミックスの焼成体が得られる。
昇華性シートを作製する手法として、テオブロミンなどを主成分とする厚さ数百μm程度の昇華性シートをドクターブレード法にて作製する手法が、既に公知である(例えば、特許文献1参照)。
一方、薄肉でありかつ剛性と弾性とが兼ね備わったスキージブレードの両側に鋼板や強化合成樹脂などからなる弾性板を添設してなるスキージブレードを用いることにより、半田ペーストのような高粘度の印刷材料を直径がサブミリオーダーの微小な孔に好適に埋め込むことができる印刷技術も、すでに公知である(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−249838号公報 特許第3023454号公報
特許文献1に開示されているような、ドクターブレード法を用いた昇華性シートの製法は、ロール状に巻き取られた長尺状のフィルムを引き出し、その上に、昇華性材料からなる厚さが数百μm程度の塗膜を連続的に形成しさらにこれを乾燥させた上で、適宜のサイズにカットして昇華性シートを得るというものである。
これに対して、装置の有効利用や省スペースなどの観点から、特許文献1に開示されているような昇華性材料からなる昇華性シートを、メタルマスク法による印刷装置にて形成したいというニーズがある。ところが、従来のゴムスキージを用いたメタルマスク印刷では、数百μm程度の均一な厚みを有する昇華性シートを作製することはできなかった。昇華性シートの厚みに不均一があると、これを切り出した昇華性シート片のサイズにバラツキが生じることになる。昇華性シート片の製造歩留まりを高めるには、昇華性シートの厚みの均一性を高めることが必要である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、メタルマスク法によって昇華性シートを作製する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、100μm以上の厚みを有する昇華性シートを作製する方法であって、所定の印刷下地の上に、作製しようとする昇華性シートの形状に応じたパターン開口部および当該昇華性シートの狙い厚みよりも大きな開口部厚みを有するメタルマスクを載置し、前記昇華性シートの主成分である昇華性材料を含むペーストをスキージにて前記開口部に充填することにより前記印刷下地の上に印刷パターンを形成する印刷工程と、あらかじめ特定されている前記開口部厚みと前記印刷パターンの乾燥挙動との関係に応じた乾燥条件に従って前記印刷パターンを乾燥収縮させることにより、前記狙い厚みの前記昇華性シートを得る乾燥工程と、を備え、前記印刷工程においては、前記ペーストの粘度を10Pa・s以上20Pa・s以下とし、SUS製であって厚さが7mm以上11mm以下のスキージを用いて印刷を行う、ことを特徴とする。
請求項2の発明は、100μm以上の厚みを有する昇華性シートを作製する方法であって、所定の印刷下地の上に、作製しようとする昇華性シートの形状に応じたパターン開口部および当該昇華性シートの狙い厚みよりも大きな開口部厚みを有するメタルマスクを載置し、前記昇華性シートの主成分である昇華性材料を含むペーストをスキージにて前記開口部に充填することにより前記印刷下地の上に印刷パターンを形成する印刷工程と、あらかじめ特定されている前記開口部厚みと前記印刷パターンの乾燥挙動との関係に応じた乾燥条件に従って前記印刷パターンを乾燥収縮させる乾燥工程と、を備え、前記印刷工程においては、前記ペーストの粘度を10Pa・s以上20Pa・s以下とし、SUS製であって厚さが7mm以上11mm以下のスキージを用いて印刷を行うようにするとともに、前記乾燥工程が施された後の前記印刷パターンの上への前記印刷工程による新たな前記印刷パターンの形成と、前記乾燥工程による前記印刷パターンの乾燥収縮とを、複数回繰り返すことにより、前記狙い厚みの前記昇華性シートを形成する、ことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の昇華性シートの作製方法であって、前記印刷工程においては、前記スキージと前記メタルマスクとのクリアランスを0とし、かつ、前記スキージを直立姿勢に保って印刷を行う、ことを特徴とする。
請求項4の発明は、グリーンシートプロセスによるセラミックデバイスの作製過程で前記デバイスに内部空所を形成する際に用いる内部空所形成部材を作製する方法であって、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方法によって前記昇華性シートを作製する昇華性シート作製工程と、前記昇華性シート作製工程によって作製された前記昇華性シートを複数の前記昇華性シート片に切り出すことによって複数の内部空所形成部材を得る切り出し工程と、を備えることを特徴とする。
請求項1ないし請求項4の発明によれば、表面平滑性の優れるとともに厚みの均一性が優れた昇華性シートを作製することができ、さらには、セラミックデバイスをグリーンシートプロセスにて製造する過程において用いる内部空所形成部材を、高い製造歩留まりで得ることができる。
本実施の形態に係る昇華性シートの作製に用いるメタルマスク印刷装置1の構成を概略的に示す断面図である。 スキージ5の形状およびスキージ5とメタルマスク6のパターン開口部6bとの配置関係を説明するための概略斜視図である。 メタルマスク印刷装置1による印刷処理以降の、昇華性シートの作製過程を段階的に示す図である。 段階的形成手法による昇華性シートの作製過程を段階的に示す図である。 一回的形成手法において作製した昇華性シートの厚み分布を調べた結果を示す図である。 段階的形成手法において作製した昇華性シートの厚み分布を調べた結果を示す図である。
<概要>
本実施の形態においては、昇華性シートの製造プロセスについて説明する。昇華性シートとは、昇華性材料からなるシート状の部材であって、これを適宜のサイズに切り出した昇華性シート片が、種々のセラミックデバイス(電子部品)をグリーンシートプロセスにて製造する過程において、内部空所形成部材として用いられる。内部空所形成部材とは、完成後のデバイスにおいて内部空所を形成すべく、焼成前の積層体の該内部空所形成位置に埋め込まれるものである。このような内部空所が設けられるセラミックデバイスとしては、例えば、NOxセンサ、酸素センサその他のガスセンサを構成するセンサ素子などがある。
昇華性材料としては、具体的には、セラミックデバイス形成用のグリーンシートに用いられる有機溶媒(例えばエーテルなど)に対して難溶である、テオブロミン、インジゴ、ヘキサブロムベンゼンあるいはナフタセンなどを用いることができる。
詳細は後述するが、昇華性シートの製造は、概略、印刷下地の上に、昇華性材料を含むペーストにて印刷パターンを形成した後、該印刷パターンを所定の乾燥手段にて乾燥させることで実現される。
本実施の形態においては、立方体状あるいは直方体状の内部空所の形成を想定して、立方体状あるいは直方体状の(平面視矩形状または長尺状の)昇華性シート片を効率的に切り出すことができるように、平面視矩形状の昇華性シートを作製するものとする。ただし、昇華性シートの形状が平面視矩形状であることは必須ではなく、デバイスにおいて形成しようとする内部空所の形状に応じた内部空所形成部材とすべく、昇華性シートから昇華性シート片を切り出すことが可能な形状であればよい。
<メタルマスク印刷装置>
本実施の形態においては、印刷パターンの形成に、メタルマスク印刷を適用する点で特徴的である。以下、この点について説明する。
図1は、本実施の形態に係る昇華性シートの作製に用いるメタルマスク印刷装置1の構成を概略的に示す断面図である。
メタルマスク印刷装置1は、印刷下地となるフィルム2を一主面上に貼付してなる平板状の基材3が載置固定されるステージ4と、スキージホルダ5aによって保持されており、図示しない駆動機構にてスキージホルダ5aごと矢印AR1にて示すように水平方向に往復動作可能とされてなるスキージ5とを、主として備える。
より具体的には、印刷に際しては、フィルム2が貼付された基材3がステージ4の上に載置固定され、さらに、フィルム2の上側に、印刷版であるメタルマスク6が配置される。メタルマスク6としては、例えば、SUS製板をエッチング法やレーザー法等で加工してマスクパターンを形成したものを用いることができる。
そして、メタルマスク6の上面6aであって、スキージ5とその移動方向前方に存在するメタルマスクのパターン開口部6bとの間の領域に、印刷材料たるペースト7が供給される。この状態で、スキージ5を水平方向に移動させると、フィルム2の上に、ペースト7からなり、メタルマスク6のパターン開口部6bの開口形状に応じた印刷パターンが形成されることになる。
本実施の形態においては、平面視矩形状の昇華性シートを作製することから、メタルマスク6のパターン開口部6bも平面視矩形状をなしている。なお、メタルマスク6の厚み(開口部厚み)は、作製しようとする昇華性シートの厚み(狙い厚み)よりも大きい値であり、印刷後の印刷パターンの乾燥挙動に応じて定められている。この点については後述する。
フィルム2としては、その上に形成された昇華性シートが確実に剥離可能な素材のものを用いる。例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)を用いるのが好適である。より好ましくは、印刷面に離型材がコートされたPETからなるフィルム2を用いる。
一方、基材3としては、SUS(ステンレス鋼)の板を用いるのが好適な一例である。
後述するように、昇華性シートを形成するための印刷パターンはおおよそ数百μm程度の厚みで形成されるので、フィルム2の貼付の手法や基材3の厚みは、係る印刷パターンの乾燥収縮に対して、フィルム2が反ることなく平坦性を保持できるように選択・設定されればよい。
図2は、スキージ5の形状およびスキージ5とメタルマスク6のパターン開口部6bとの配置関係を説明するための概略斜視図である。
スキージ5としては、SUS製のいわゆる剣スキージを用いる。すなわち、スキージ5は、長尺状のSUS板の短手方向の一方端部(以下、先端部)を断面視三角形状とした構造を有する。また、スキージ5の厚みtは、7mm以上11mm以下に設定される。これにより、スキージ5は、メタル印刷に用いるスキージとしては、従来にない大きな厚みを有するものとなっている。このことは、昇華性シートの厚みの均一性を確保するうえにおいて重要である。その詳細については後述する。より好ましくは、スキージ5の厚みtは8.5mm以上9.5mm以下である。また、スキージ5の三角形状部分の高さhは、厚みtに応じて定められてよく、7mm以上9mm以下であればよい。より好ましくは、スキージ5の先端部の高さhは、7.5mm以上8.5mm以下である。
一方、スキージ5の長手方向の幅wは、昇華性シートの作製に用いるメタルマスク6に備わるパターン開口部6bのサイズに応じて定まる。上述したように、本実施の形態では、平面視矩形状の昇華性シートを作製することに応じて、メタルマスク6のパターン開口部6bも平面視矩形状をなしている。そこで、例えば、図2において矢印AR2にて示すスキージ5の移動方向におけるパターン開口部6bのサイズL1が130mm、これに垂直な方向におけるパターン開口部6bのサイズL2が100mmであるとすると、スキージ5の長手方向の幅wは、100mm以上300mm以下であればよく、150mm以上250mm以下であるのが好適である。
また、スキージ5は、メタルマスク印刷装置1において、印刷実行時に直立姿勢を保って水平移動するように設けられる。スキージ5を直立姿勢に保つとは、スキージ5の平行平板面5cを水平面に対して垂直に保つことを意味する。
ペースト7は、上述のような昇華性材料を主成分とし、該昇華性材料を所定の有機溶媒と混合したものである。有機溶媒としては、2-エチルヘキサノールなどが用いられる。例えば、テオブロミン100重量部に対して、2-エチルヘキサノールを93重量部混合したものを、ペースト7として用いる。なお、ペースト7の粘度は、10Pa・s以上20Pa・s以下という比較的高い粘度に設定する。粘度を10Pa・sよりも低くするのは、印刷後、乾燥処理を行うまでの間に、印刷パターンの形状が変化しやすくなるため、好ましくない。また、粘度が10Pa・sよりも高くするのは、印刷の際にスキージ5がペースト7から受ける抵抗力が高くなり、メタルマスク6への充填性が悪くなるため好ましくない。
<昇華性シート作製プロセス>
次に、上述したメタルマスク印刷装置1を利用した昇華性シート作製の流れを概説する。図3は、メタルマスク印刷装置1による印刷処理以降の、昇華性シートの作製過程を段階的に示す図である。
まず、ステージ4の上に、フィルム2を貼付した基材3を、フィルム2が上面に位置するように載置固定する。
なお、フィルム2を直接にステージ4に載置固定するのではなく、フィルム2を基材3に貼付し、このフィルム2が貼付されてなる基材3をステージ4に載置固定するのは、フィルム2を直接にステージ4に載置固定して印刷を行うと、その後の乾燥の過程で印刷パターンの収縮によってフィルム2が沿ってしまうという不具合を避けるためである。係るフィルム2の貼付は、例えば両面テープなどによって実現される。
次に、フィルム2の上側に、メタルマスク6を配置する。メタルマスク6としては、パターン開口部6bが矩形形状をなしており、かつ、作製しようとする昇華性シートの厚みに応じた開口部厚みを有するものを用いる。メタルマスク6は、パターン開口部6bがフィルム2の印刷位置に合うように配置される。
なお、本実施の形態において作製する昇華性シートの厚みは、100μm以上とする。ただし、厚みが100μmを下回る昇華性シートをメタルマスク印刷装置1を用いて作製すること自体は可能ではある。しかしながら、係る昇華性シートから切り出した昇華性シート片は、その薄さゆえに脆く壊れやすいため、ハンドリングが難しいという問題がある。また、仮に、そのような薄い昇華性シートを埋め込んでグリーンシート積層体を形成したとしても、昇華性シートが埋め込まれた空間自体が狭いため、焼成過程において該空間を維持するのが難しいという問題もある。これらの理由から、本実施の形態においては、厚みが100μm以上の昇華性シートをメタルマスク印刷にて作製するものとする。なお、スクリーンマスクを用いたスクリーン印刷によって100μmを上回る厚みの昇華性シートをスクリーン印刷にて作製することは、均一な厚みを実現することが難しく、現実的ではない。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態においては、厚みが大きい昇華性シートを作製する場合に、複数回の印刷および乾燥を繰り返す段階的形成を行うこともできる。それゆえ、原理的には、昇華性シートの厚みに上限はなく、作製しようとする昇華性シートの厚みに応じた開口部厚みを有するメタルマスク6が用意され、かつ、ペースト7の粘度が好適に調整されていれば、当該厚みの昇華性シートを作製することは可能である。
とはいえ、デバイスにおける内部空所形成という目的に照らして鑑みれば、せいぜい1mm程度が、本実施の形態において現実的に想定される昇華性シートの厚みの上限といえる。数mm程度以上という高さを備えた内部空所の形成は、昇華性シートを用いる以外の手法も適用可能だからである。ただし、上述の説明から明らかなように、本実施の形態においては、1mmを越える昇華性シートを作製することも、除外されるものではない。
メタルマスク6を配置したら、続いて、メタルマスク6の上面6aであって、スキージ5とその移動方向前方に存在するメタルマスクのパターン開口部6bとの間の領域に、ペースト7を供給する。
そして、この状態で、スキージ5を水平方向に往復移動させて、メタルマスク6のパターン開口部6bにペースト7を充填する。すなわち、印刷動作を行う。これにより、図3(a)に示すように、フィルム2の上に、ペースト7からなる、メタルマスク6のパターン開口部6bの開口形状に応じた印刷パターン7aが形成される。
なお、係る印刷動作の実行に際しては、スキージ5の先端部5bとメタルマスク6の上面6aとのクリアランスを0とする一方、スキージ5は鉛直方向への上下動が拘束されないフリー状態とする。また、スキージ5の移動速度は70mm/秒〜140mm/秒とし、印圧は0.70MPa〜1.50MPaとする。
印刷パターン7aの形成後、続いて、該印刷パターン7aが形成されたフィルム2を基材3ごと乾燥手段による乾燥処理に供する。乾燥処理を行うことによって、印刷パターン7aからは有機溶媒が揮発し、図3(b)に示すように、印刷パターン7aは収縮する。なお、乾燥処理の際の印刷パターン7aの収縮は、図3(b)に示すように主として印刷パターン7aの厚み方向に生じる。乾燥処理が終了した地点で、図3(c)に示すように、フィルム2上には、印刷パターン7aに含まれていた昇華性材料が乾固してなる昇華性シート10が得られる。
乾燥手段としては、公知のものが適用可能である。例えば、乾燥対象物をベルト搬送しながら、所定の乾燥温度の乾燥雰囲気が形成された炉内を通過させることによって、該乾燥対象物の乾燥を行うベルト乾燥機を用いるのが好適である。
具体的には、印刷パターン7aが形成されたフィルム2が貼付されてなる基材3をベルト乾燥機内部のベルトコンベアに載置し、該ベルトコンベアにて搬送しつつ、ベルト乾燥機内部の加熱雰囲気下で乾燥させる。ベルト乾燥機においては、ベルト搬送速度を制御することによって乾燥時間(印刷パターン7aをベルト乾燥機内部における乾燥に供する時間)を調整することができる。
乾燥条件の設定は、あらかじめ、メタルマスク6の開口部厚みと該メタルマスク6を用いて形成される印刷パターン7aの乾燥挙動との関係を実験的に特定しておき、当該乾燥挙動に基づいて行うようにすればよい。一度の印刷によって得られる印刷パターン7aの形成厚みはメタルマスク6の開口部厚みとほぼ同じであるので、ペースト7の粘度や印刷条件および乾燥条件を同じにすれば、乾燥処理による印刷パターン7aの収縮度合いはほぼ同じとなるからである。すなわち、印刷に用いるメタルマスク6が同じであれば、結果として得られる昇華性シート10の厚みはほぼ同じとなる。
また、このことは、メタルマスク6の開口部厚み、ペースト7の粘度や印圧、スキージ速度などの印刷条件、および乾燥温度や乾燥時間などの乾燥条件を昇華性シート10の狙い厚みに応じて設定することで、所望の形状の昇華性シート10を再現性よく作製することができることを意味している。
実際には、所定の厚みを有するメタルマスク6を一または複数用意し、メタルマスク6ごとに、印刷条件や乾燥条件を種々に違えた印刷および乾燥処理を行い、それぞれの場合の印刷パターンの乾燥挙動を記録しておき、所望の狙い厚みの昇華性シートを作製する際には、係る対応関係に基づいて、メタルマスク6の選択や、印刷条件や乾燥条件の選択を行うようにすればよい。
概略的には、乾燥温度は、60℃〜100℃であるのが好適であり、乾燥時間は、ベルト乾燥機の場合であれば、例えば、15分〜60分の範囲内で設定される。
乾燥処理によって得られた昇華性シート10は、適宜のタイミングでフィルム2から剥離される。この剥離後の昇華性シート10から、複数の昇華性シート片が切り出されて、内部空所形成部材として供される。
<昇華性シートの厚みの均一性>
上述のように、昇華性シートを切り出した昇華性シート片が内部空所形成部材として用いられる。それゆえ、内部空所形成部材あるいはさらにこれを用いて製造するデバイスの製造歩留まりを高めるうえにおいては、昇華性シートは、表面平滑性が優れているとともに、厚みの均一性が優れていることが重要である。なぜならば、仮に、昇華性シートに他とは厚みの異なる部位が存在すると、当該部位から切り出された昇華性シート片は、正常な厚みの部位から切り出された昇華性シート片とは異なるサイズおよび形状を有するものとなってしまい、これを内部空所形成部材として内部空所の形成に用いた場合、規定されたサイズの内部空所を形成することができないからである。
本実施の形態では、昇華性シートを作製するためのメタルマスク印刷に際して、10Pa・s以上20Pa・s以下という比較的高粘度に調製したペースト7を印刷材料とし、SUS製でかつ厚みが大きいスキージ5を、フリー状態としながらも直立姿勢に保つようにしている。これらによって、表面平滑性に優れ、さらには、厚みの均一性に優れた印刷パターン7aが形成されてなる。さらには、係る印刷パターン7aの表面平滑性は、乾燥処理によって収縮する間も概ね維持されるので、最終的に得られた昇華性シートも、優れた表面平滑性および厚みの均一性を有するものとなっている。具体的には、最終的に得られる昇華性シートにおける厚みばらつきは、数μm程度(狙い厚みの3%以下程度)と極めて小さい値に抑制される。すなわち、昇華性シートは、優れた厚みの均一性を有するものとなっている。
このうち、特に、厚みの均一性に優れた印刷パターン7aひいては昇華性シートを実現する上において重要なのは、スキージ5の材質および厚みである。
例えば、印刷に際して樹脂製の従来のスキージを用いた場合、本実施の形態に係るスキージ5と厚みを同じくしても、得られた印刷パターンは、中央部分が薄く、端部部分が厚い凹字型の断面を有するものとなることが、本発明の発明者によって確認されている。狙い厚みにもよるが、係る場合、昇華性シートの凹凸差は数十μm〜数百μmにも達する。すなわち、樹脂性のスキージでは厚みの均一な昇華性シートは得られない。
一方で、印刷に際してSUS製ではあるが厚みtが7mmよりも小さい(薄い)スキージを用いた場合、得られた印刷パターンは、中央部分については狙い厚みにほぼ合致するものの、端部においては狙い厚みより厚くなる傾向があり、厚みばらつきは本実施の形態の場合の3倍程度となることが、本発明の発明者によって確認されている。
これら2つの場合に、厚みの均一性が好適に得られないのは、いずれも、スキージの剛性が十分でないため、印刷動作中にスキージが撓んでしまい、メタルマスク6のパターン開口部6bに対し、ペーストを均一に充填することができないためであると考えられる。
なお、SUS製であって厚みtが11mmを上回るスキージを用いるのは、図示しない供給源からメタルマスク6の上面6aに対してペーストを吐出する際の吐出量が制御し難くなるために好ましくない。
これに対して、本実施の形態においては、SUS製であって厚みが7mm以上11mm以下という十分な剛性を有するスキージを用いてメタル印刷を行うので、印刷動作の間に、スキージが撓むことがなく、結果として、厚みの均一性の優れた昇華性シートを得ることができる。このことは、十分な剛性を有するスキージを用いることで、厚みばらつきの小さい昇華性シートの形成を実現できることを意味している。
<段階的形成による厚膜化>
上述したような、メタルマスク印刷によって形成した印刷パターンを乾燥処理するという手順によって昇華性シートを形成するという手法は、その原理上、昇華性シートを厚く形成するには、これに応じてメタルマスク6の開口部厚みを大きくすればよいことになる。
しかしながら、実際には、メタルマスク6の開口部厚みが大きくなるほど、特に乾燥処理における乾燥条件の設定は難しくなり、その結果として、乾燥状態の不均一があるなど、乾燥状態が十分でない昇華性シートが得られるという問題が発生する。例えば、昇華性シートの表面に亀裂(クラック)が生じたり、あるいは、昇華性シートの内部に気泡が残存してしまったりする不具合が生じる。このような不具合があると、昇華性シートの厚みの均一性を確保することは難しくなる。具体的には、200μmを越える厚みの昇華性シートを作製しようとする場合に、係る不具合が顕在化する。
そこで、本実施の形態においては、厚みが大きい昇華性シートをより好適に得るべく、複数回の印刷および乾燥を繰り返して昇華性シートを段階的に形成していくという手法(段階的形成手法)を採用する。以下、この段階的形成手法について説明する。なお、便宜上、上述のように一回の印刷および乾燥処理によって昇華性シートを形成する手法を、一回的形成手法と称することとする。
図4は、段階的形成手法による昇華性シートの作製過程を段階的に示す図である。図4においては、印刷および乾燥を3回繰り返す場合を例として示している。
まず、図4(a)および図4(b)に示した1回目の印刷と乾燥とは、一回的形成手法の場合と同様に行う。すなわち、メタルマスク印刷によって形成した印刷パターン7aを乾燥処理することで収縮させる。ただし、メタルマスク6としては、最終的に作製しようとする昇華性シートの狙い厚みよりもわずかに大きい厚みを有するものを用いればよい。すなわち、一回的形成手法に比べると両者の差異は小さくてよい。例えば、数μm〜20μm程度あるいは狙い厚みの数%程度であればよい。なぜならば、後述するように、段階的形成手法の場合は、メタルマスク6の開口部厚みにほぼ近い厚みの昇華性シートを作製できるからである。
また、1回目の乾燥処理における乾燥条件は、印刷パターン7aの乾燥の程度が、一回的形成手法に比べると弱くなるように設定するのが好ましい、なぜならば、係る印刷パターン7aは、この後再び乾燥処理に供せられることとなっており、最終的に好適な乾燥状態が実現されていればよいからである。なお、この段階的形成手法において、途中段階で乾燥処理が施された印刷パターンを半乾燥部と称することとする。1回目の乾燥処理が終った時点では、フィルム2の上には印刷パターン7aに由来する半乾燥部10a(図4(c))が形成されていることになる。ただし、半乾燥部という文言は、必ずしも乾燥の程度が半分ということを意味するものではない。
次に、係る半乾燥部10aの上に、1回目と同じメタルマスク6を用いて、2回目のメタルマスク印刷を行い、図4(c)に示すように、印刷パターン7bを形成する。係る2回目のメタルマスク印刷を行うにあたっては、2回目のメタルマスク印刷の際の印刷位置が、1回目のメタルマスク印刷の際の印刷位置と同じになるように、つまりは、半乾燥部10aがメタルマスク6に嵌合されるように、フィルム2(より具体的には基材3)とメタルマスク6とが位置決めされる。
2回目の印刷にあたっては、あらかじめ半乾燥部10aが存在しているため、メタルマスク6に対するペースト7の充填量は、1回目よりも少なくなっている。
係る2回目の印刷が完了すると、続いて、2回目の乾燥処理を行う。これにより、図4(d)に示すように、印刷パターン7bを収縮させる。その際、半乾燥部10aの乾燥および収縮も進行する。
この2回目の乾燥処理における印刷パターン7bの乾燥条件も、さらなる乾燥処理が行われることを前提として設定すればよい。なお、上述のように、2回目の印刷の方が1回目の印刷よりもペースト7の充填量が少ないため、2回目の乾燥処理の条件を1回目の乾燥処理と同じとすると、印刷パターン7bの収縮の度合いは、1回目の乾燥処理における印刷パターン7aの収縮度合いよりも小さくなる。なお、図4(d)においては図示の都合上、半乾燥部10aと印刷パターン7bとの境界部分を破線にて直線的に示しているが、実際の両者の境界は、必ずしもこのような直線状をなしているとは限らない。
2回目の乾燥処理が終った時点では、フィルム2の上には印刷パターン7aに由来する半乾燥部10aと印刷パターン7bに由来する半乾燥部10b(図4(e))とが形成されていることになる。
次に、半乾燥部10bの上に、1回目および2回目と同じメタルマスク6を用いて、3回目のメタルマスク印刷を行い、図4(e)に示すように、印刷パターン7cを形成する。係る3回目のメタルマスク印刷を行うにあたっては、3回目のメタルマスク印刷の際の印刷位置が、1回目および2回目のメタルマスク印刷の際の印刷位置と同じになるように、つまりは、半乾燥部10aおよび10bがメタルマスク6に嵌合されるように、フィルム2(より具体的には基材3)とメタルマスク6とが位置決めされる。
3回目の印刷にあたっては、あらかじめ半乾燥部10aおよび10bが存在しているため、メタルマスク6に対するペースト7の充填量は、2回目よりもさらに少なくなっている。
係る3回目の印刷が完了すると、続いて、3回目の乾燥処理を行う。これにより、図4(f)に示すように、印刷パターン7cを収縮させる。その際、半乾燥部10aおよび10bの乾燥および収縮も進行する。
この3回目の乾燥処理は、最後の乾燥処理であるので、その乾燥条件は、係る乾燥処理後に、印刷パターン7cあるいはさらに半乾燥部10aおよび10bが好適に乾燥されるように設定される。なお、上述のように、3回目の印刷は2回目の印刷よりもさらにペースト7の充填量が少なくなっているので、3回目の乾燥処理における印刷パターン7cの収縮の度合いは2回目の乾燥処理における印刷パターン7bの収縮度合いよりもさらに小さい。このことと、半乾燥部10aおよび10bは3回目の乾燥処理を行う時点ですでにある程度好適な乾燥状態にあるという2点から、上述の要件をみたすように乾燥処理条件を設定することは容易である。
なお、図4(f)においても、図示の都合上、半乾燥部10a、10b、および印刷パターン7cの境界部分を破線にて直線的に示しているが、実際のこれらの部位の境界は、必ずしもこのような直線状をなしているとは限らない。
上述した乾燥条件のもとで3回目の乾燥処理が行われることで、図4(g)に示すように、昇華性シート10が完成する。図4に示した例では、メタルマスク6の開口部厚みとほぼ同程度の厚みを有する(より具体的には、メタルマスク6よりもわずかに薄いだけに留まる)昇華性シート10が形成されている。
すなわち、この段階的形成手法とは、メタルマスク印刷によってペースト7が隙間なく充填されていたものの、乾燥処理によって有機溶媒が揮発することで空間部分が形成されたパターン開口部6bに、再度ペースト7を充填しさらに乾燥処理を行う、ということを繰り返すことによって、最終的に昇華性シートとなる部分(半乾燥部)の厚みを徐々にメタルマスク6の開口部厚みに近づけていき、最後の乾燥処理が終了した時点で、開口部厚みに近い厚みの昇華性シートを作製する手法である。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、SUS製であって厚みが7mm以上11mm以下と大きい剛性の強いスキージを用いてメタル印刷を行うことにより、表面平滑性の優れるとともに厚みの均一性が優れた昇華性シートを作製することが出来る。また、メタル印刷による印刷パターンの形成と乾燥処理とを繰り返すことによって昇華性シートを段階的に形成することにより、狙い厚みが大きい場合においても、優れた表面平滑性と厚みの均一性と有する昇華性シートを作製することができる。厚みの均一性が優れた昇華性シートが得られることにより、内部空所形成部材の製造歩留まりが向上する。
メタルマスク印刷に用いるスキージの種類を違えた他は同一の条件のもとで、一回的形成手法と段階的形成手法の両方において、3種の昇華性シートを作製し、その厚みの分布を調べた。
ペースト7としては、テオブロミン100重量部に対して、2−エチルヘキサノールを93重量部混合したものを用いた。ペースト7の粘度は15Pa・sであった。また、メタルマスク6のパターン開口部6bのサイズはL1=130mm、L2=100mmであった。
実施例では、SUS製で厚みtが9mmのスキージを用いた。比較例1では、SUS製で厚みtが1mmのスキージを用いた。比較例2として、樹脂製で厚みtが9mmのスキージを用いた。
一回的形成手法では、開口部厚みが155μmのメタルマスク6を用い、狙い厚みを150μmとした。
段階的形成手法では、開口部厚みが310μmのメタルマスク6を用い、狙い厚みを300μmとした。なお、段階的形成手法での乾燥処理の条件は、1回目については、実施例での半乾燥部の狙い厚みが140μmとなる条件とし、2回目については、実施例での半乾燥部の狙い厚みが230μmとなる条件とし、3回目については、昇華性シート全体が狙い厚み300μmで得られる条件とした。
昇華性シートの厚みの測定は、スキージの移動方向に沿う方向において各々10mmずつ離間した計12箇所(測定ポイント1〜12)の位置において行った。当該方向における昇華性シートのサイズは、パターン開口部6bの当該方向のサイズL1=130mmよりもわずかに小さいだけであるから、測定ポイントは、昇華性シートの一方端部側から他方端部側までの間において均等に設けられていることになる。なお、測定には、ダイヤルケージを用いた。
図5は、一回的形成手法において作製した昇華性シートの厚み分布を調べた結果を示す図である。また、図6は、段階的形成手法において作製した昇華性シートの厚み分布を調べた結果を示す図である。
図5および図6を比較すると、まず、実施例、比較例1、および比較例2のいずれにおいても、測定値の分布の傾向には共通性がみられた。
まず、実施例については、一回的形成手法、段階的形成手法ともに、いずれの測定ポイントにおいても、狙い厚みとほぼ同じ値の厚みが得られた。このことは、一回的形成手法だけでなく段階的形成手法についても、昇華性シートの作製手法として有効であることを示している。位置によらず厚み狙い厚みとほぼ同じであるということは、作製された昇華性シートの厚みの均一性が優れていることに他ならない。そして、昇華性シートの厚みの均一性が優れているということは、当該昇華性シートのどの箇所から切り出された昇華性シート片も、内部空所形成部材として好適に使用することができることを意味している。すなわち、実施例によれば、高い製造歩留まりで内部空所形成部材を得ることができる。
比較例1については、測定ポイント3〜9では実施例とほぼ同じ値、つまりは狙い厚みとほぼ同じ値の厚みが得られたが、昇華性シートの端部に近い測定ポイント1、2、10〜12では、実施例よりも若干値が大きくなっており、端部に近づくほど値は大きくなる傾向があった。なお、厚みばらつきを示す測定値の標準偏差や範囲(最大値と最小値との差分値)は実施例の場合の約3倍であった。
仮に、12個の測定ポイントの全てが昇華性シート片の切り出しの対象範囲であるとすると、約1/3程度の昇華性シート片の厚みが、わずかではあるが狙い厚みより大きくなってしまうことになる。このことは、比較例1における内部空所形成部材の製造歩留まりは実施例の場合の約2/3程度となり得ることを示している。
一方、比較例2の結果は、作製された昇華性シートが、端部では狙い厚みより厚みが大きくなっている一方、中央部分では狙い厚みより厚みが小さくなっている、断面視凹型の形状を有することを示している。係る結果は、樹脂製のスキージを用いた場合には昇華性シートにおいて厚みの均一性が全く得られないことを意味している。すなわち、樹脂製のスキージを用いた場合、内部空所形成部材を安定的に得ることができないことは困難であるといえる。
従って、実施例と比較例1および比較例2を対比すると、実施例のように剛性の強いスキージを用いることが、厚みの均一性の優れた昇華性シートを作製し、かつ内部空所形成部材を高い製造歩留まりで得るうえにおいて有効であるといえる。
1 メタルマスク印刷装置
2 フィルム
3 基材
4 ステージ
5 スキージ
5a スキージホルダ
5b (スキージの)先端部
5c (スキージの)平行平板面
6 メタルマスク
6a (メタルマスクの)上面
6b パターン開口部
7 ペースト
7a、7b、7c 印刷パターン
10 昇華性シート
10a、10b 半乾燥部

Claims (4)

  1. 100μm以上の厚みを有する昇華性シートを作製する方法であって、
    所定の印刷下地の上に、作製しようとする昇華性シートの形状に応じたパターン開口部および当該昇華性シートの狙い厚みよりも大きな開口部厚みを有するメタルマスクを載置し、前記昇華性シートの主成分である昇華性材料を含むペーストをスキージにて前記開口部に充填することにより前記印刷下地の上に印刷パターンを形成する印刷工程と、
    あらかじめ特定されている前記開口部厚みと前記印刷パターンの乾燥挙動との関係に応じた乾燥条件に従って前記印刷パターンを乾燥収縮させることにより、前記狙い厚みの前記昇華性シートを得る乾燥工程と、
    を備え、
    前記印刷工程においては、前記ペーストの粘度を10Pa・s以上20Pa・s以下とし、SUS製であって厚さが7mm以上11mm以下のスキージを用いて印刷を行う、
    ことを特徴とする昇華性シートの作製方法。
  2. 100μm以上の厚みを有する昇華性シートを作製する方法であって、
    所定の印刷下地の上に、作製しようとする昇華性シートの形状に応じたパターン開口部および当該昇華性シートの狙い厚みよりも大きな開口部厚みを有するメタルマスクを載置し、前記昇華性シートの主成分である昇華性材料を含むペーストをスキージにて前記開口部に充填することにより前記印刷下地の上に印刷パターンを形成する印刷工程と、
    あらかじめ特定されている前記開口部厚みと前記印刷パターンの乾燥挙動との関係に応じた乾燥条件に従って前記印刷パターンを乾燥収縮させる乾燥工程と、
    を備え、
    前記印刷工程においては、前記ペーストの粘度を10Pa・s以上20Pa・s以下とし、SUS製であって厚さが7mm以上11mm以下のスキージを用いて印刷を行うようにするとともに、
    前記乾燥工程が施された後の前記印刷パターンの上への前記印刷工程による新たな前記印刷パターンの形成と、前記乾燥工程による前記印刷パターンの乾燥収縮とを、複数回繰り返すことにより、前記狙い厚みの前記昇華性シートを形成する、
    ことを特徴とする昇華性シートの作製方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の昇華性シートの作製方法であって、
    前記印刷工程においては、前記スキージと前記メタルマスクとのクリアランスを0とし、かつ、前記スキージを直立姿勢に保って印刷を行う、
    ことを特徴とする昇華性シートの作製方法。
  4. グリーンシートプロセスによるセラミックデバイスの作製過程で前記デバイスに内部空所を形成する際に用いる内部空所形成部材を作製する方法であって、
    請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の方法によって前記昇華性シートを作製する昇華性シート作製工程と、
    前記昇華性シート作製工程によって作製された前記昇華性シートを複数の前記昇華性シート片に切り出すことによって複数の内部空所形成部材を得る切り出し工程と、
    を備えることを特徴とする内部空所形成部材の作製方法。
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