以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図18にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10が略示されており、パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠12の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠12に重なるように組み付けられている。このため、中枠12は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口14aを有するとともに、該窓口14aの下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な上皿(貯留皿)15を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口14aを覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠12に装着される。また、前枠14には、窓口14aのほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用ランプ部16aと、左側枠用ランプ部16bと、右側枠用ランプ部16cとが配置されている。各枠用ランプ部16a〜16cは、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズで覆って構成されている。
前枠14には、窓口14aの左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ17aと、右スピーカ17bとが配置されている。左スピーカ17aと右スピーカ17bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ17a及び右スピーカ17bの装着部位に対応する部位には放音孔が複数形成されている。
中枠12の前面側であって前枠14の下部には、上皿15から溢れ出た遊技球を貯留する下皿(貯留皿)18が装着されている。また、中枠12の前面側であって下皿18の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル19が装着されている。また、前枠14には、下皿18の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ17cが配置されている。下スピーカ17cは、中枠12に装着されている。
上皿15には、その左方側に機内部から払出される遊技球の図示しない払出口が設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路15aが連設されており、さらに右方側に貯留通路15a内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿15に貯留された遊技球は、貯留通路15aにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル19の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿18には、上皿15から溢れ出て流下した遊技球の出口18aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部18bが遊技球の出口18aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域H1を形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路20aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域H1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域H1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域H2とされている。
遊技盤YBの遊技領域H1のほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)21が装着されている。表示枠体21の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口21aが形成されており、該セット口21aに整合して表示枠体21には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置22が装着されている。演出表示装置22には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示装置22の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置22の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。以下の説明において、飾り図柄を単に「飾図」と示す場合があるとともに、演出表示装置22において表示演出として行われる飾図による図柄変動ゲームを「飾り図柄変動ゲーム」と示す場合がある。本実施形態では、演出表示装置22がゲーム実行手段、演出実行手段、及び遊技演出実行手段として機能する。
図2において、遊技盤YBの遊技領域H1の(遊技者から見て)左下方には、8セグメント型の特図表示器23が設けられている。特図表示器23では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器23では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特別図柄を表示する。この特別図柄は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。以下、特図表示器23で特図を用いて行われる図柄変動ゲームを「特別図柄変動ゲーム」と示す場合がある。
そして、特図表示器23では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特別図柄が確定停止表示される。また、演出表示装置22では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾り図柄の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾り図柄がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾り図柄が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器23と演出表示装置22では、同時に特別図柄変動ゲームと該特別図柄変動ゲームに係わる表示演出(飾り図柄変動ゲーム)が開始され、同時に終了する(即ち、同時に特別図柄と飾り図柄が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器23には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、当り遊技としての大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において演出表示装置22には、各列毎に複数種類の数字を模した図柄が飾図として表示されるようになっている。そして、図2に示すように、本実施形態において演出表示装置22(画像表示部GH)は、特図表示器23に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、演出表示装置22に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。演出表示装置22に停止表示された全列の図柄が同一図柄の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果、当りを認識可能な図柄)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、演出表示装置22に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示装置22の飾り図柄変動ゲームで変動表示させる複数の飾図をそれぞれ含んで構成された2種類の飾図パターンが用意されている。演出表示装置22では、2種類の飾図パターンのうち何れかの飾図パターンに属する飾図を全列で変動表示させて飾り図柄変動ゲームが実行されるようになっている。
ここで、本実施形態において演出表示装置22で表示可能な飾図について、図3にしたがって詳しく説明する。本実施形態の演出表示装置22で表示可能な飾図パターンには、円の中に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、及び[8]の数字を配置した8種類の飾図を含んで構成された第1飾図パターン(図3(a)に示す)と、四角の中に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、及び[7]の数字を配置した7種類の飾図を含んで構成された第2飾図パターン(図3(b)に示す)とがある。
そして、本実施形態において、各飾図パターンに属する飾図は、各飾図に付加された基調色(付加情報)に応じてそれぞれ複数の図柄グループに分類可能となっている。即ち、第1飾図パターンに属する飾図は、基調色として「赤色」が設定されたグループと、基調色として「青色」が設定されたグループと、基調色として「黒色」が設定されたグループの3グループに分類される。具体的に説明すると、図3(a)に示すように、第1飾図パターンに属する飾図のうち奇数図柄([1]、[3]、[5]、及び[7])と一部の偶数図柄([8])には、「赤色」が基調色として設定されている(図3(a)では、白で示す)。第1飾図パターンに属する飾図のうち一部の偶数図柄([2]、及び[4])には、「青色」が基調色として設定されている(図3(a)では、斜線で示す)。また、第1飾図パターンに属する飾図のうち一部の偶数図柄([6])には、「黒色」が基調色として設定されている(図3(a)では、縦線で示す)。なお、以下の説明では、基調色として「赤色」が設定された飾図を「赤図柄」と示し、基調色として「青色」が設定された飾図を「青図柄」と示し、基調色として「黒色」が設定された飾図を「黒図柄」と示す場合がある。
また、第2飾図パターンに属する飾図は、基調色として「赤色」が設定されたグループと、基調色として「青色」が設定されたグループの2つのグループに分類される。具体的に説明すると、図3(b)に示すように、第2飾図パターンに属する飾図のうち奇数図柄([1]、[3]、[5]、及び[7])には、「赤色」が基調色として設定されている(図3(b)では、白抜きで示す)。また、本実施形態において、第1飾図パターンに属する飾図のうち偶数図柄([2]、[4]、及び[6])には、「青色」が基調色として設定されている(図3(b)では、斜線で示す)。本実施形態の第2飾図パターンには、黒図柄が含まれていない。
そして、本実施形態では、赤図柄(赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせ)は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを確定的に認識可能な特定図柄となる。また、青図柄(青図柄からなる大当りの図柄組み合わせ)及び黒図柄(黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせ)は、大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な非特定図柄となる。なお、本実施形態では、青図柄が第1非特定図柄であり、黒図柄が第2非特定図柄及び規定図柄となる。本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において、演出表示装置22における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾り図柄が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾り図柄が変動を開始すると)、演出表示装置22において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾り図柄が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態(リーチ)を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾り図柄が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾り図柄が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾り図柄によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾り図柄を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾り図柄を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾り図柄を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、演出表示装置22には、特図表示器23の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器23に表示される特別図柄と、演出表示装置22に表示される飾り図柄による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特別図柄と飾り図柄による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器23に大当り図柄が確定停止表示される場合には、演出表示装置22にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器23にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出表示装置22にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾り図柄の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾り図柄による図柄組み合わせの中から1つの飾り図柄による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の演出表示装置22では、特別図柄変動ゲームに係わる表示演出(飾り図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、図2に示すように、遊技盤YBの(遊技者から見て)左下方には、特図表示器23の左方に隣接するように、図示しない発光体(LED)を所定の模様(本実施形態では、「○(まる)」及び「×(ばつ)」)を付したレンズカバーで覆って構成した2つの図柄表示部から構成される普通図柄表示器24が配設されている。この普通図柄表示器24では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄による図柄変動ゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態の普通図柄表示器24は、普通図柄として、「○(まる)」及び「×(ばつ)」を点灯表示可能に構成されている。普通図柄表示器24では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否か(即ち、後述の開閉羽根(普通電動役物)26bを開動作させるか否か)の内部抽選(普図当り抽選)の抽選結果を表示する。そして、本実施形態の普通図柄表示器24では、普図当り抽選で当りを決定している場合には普図ゲームで普図からなる当り図柄が確定停止表示(本実施形態では「○(丸)」側の図柄表示部が点灯)される。一方、本実施形態の普図表示器24では、普図当り抽選ではずれを決定している場合には普図ゲームで普図からなるはずれ図柄が確定停止表示(本実施形態では「×(ばつ)」側の図柄表示部が点灯)される。
また、図2に示すように、表示枠体21の(遊技者から見て)下方には、遊技球が入球可能な入球口26aと、普通電動役物ソレノイドSOL2(図6に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根(普通電動役物)26bとを備えた始動入賞口26が配設されている。この始動入賞口26の奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSE1(図6に示す)が設けられている。始動入賞口26は、遊技球の入球を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。始動入賞口26の入球口26aは、常には開閉羽根26bが閉状態とされて閉鎖されている。入球口26aが閉鎖されている状態において始動入賞口26は、遊技球が入球し難い状態とされる。そして、入球口26aは、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26bが閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。入球口26aが開放されている状態において始動入賞口26は、遊技球が入球し易い状態とされる。なお、本実施形態の始動入賞口26は、遊技球の入球を契機に、3球の賞球を払い出させるようになっている。
また、遊技盤YBにおいて始動入賞口26の(遊技者から見て)下方には、大入賞口ソレノイドSOL1(図6に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉27aを備えた大入賞口としての大入賞口装置27が配設されている。大入賞口装置27の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSE2が設けられている。そして、大当り遊技が生起されると、大入賞口扉27aの開動作によって大入賞口装置27が開放されて遊技球が入球可能となるため、遊技者は、多数の賞球が獲得できるチャンスを得ることができる。なお、本実施形態の大入賞口装置27は、遊技球の入球を契機に、15球の賞球を払い出させるようになっている。
また、遊技盤YBにおいて特図表示器23の左方には、特図保留表示器Raが配設されている。特図保留表示器Raは、始動入賞口26に入球し、始動保留球となって機内部(主制御用RAM30c)で記憶された特図始動保留球の記憶数(以下、「特図保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、特図保留表示器Raの表示内容によって保留されている図柄変動ゲームの回数が報知される。特図保留記憶数は、始動入賞口26へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、図柄変動ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、図柄変動ゲーム中に始動入賞口26へ遊技球が入球すると特図保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。したがって、特図保留記憶数は、保留中(実行待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特図保留表示器Raは、複数(本実施形態では4つ)の発光体(LEDなど)から構成され、特図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって特図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、表示枠体21の左側には、作動ゲート28が配設されている。作動ゲート28の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE3(図6に示す)が設けられている。作動ゲート28は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、始動入賞口26を開状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。始動入賞口26は、開閉羽根26bにより常には閉状態とされ、遊技球が入球し難くなっている。その一方で、始動入賞口26は、開放条件となる普図当りへの当選後、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26bが開放されることにより始動入賞口26が開状態となり、遊技球を入球させ易くなる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26bの開放によって始動入賞口26に遊技球を入球させ易くなるため、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、図2に示すように、遊技盤YBにおいて特図保留表示器Raの上方には、普図保留表示器Rbが配設されている。普図保留表示器Rbは、作動ゲート28を遊技球が通過し、始動保留球となって機内部(主制御用RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「普図保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、普図保留表示器Rbの表示内容によって保留されている普図ゲームの回数が報知される。普図保留記憶数は、作動ゲート28を遊技球が通過すると1加算(+1)され、普図ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、普図ゲーム中に作動ゲート28を遊技球が通過すると普図保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。本実施形態において普図保留表示器Rbは、複数(本実施形態では4つ)のランプから構成され、普図保留記憶数に対応する個数のランプを点灯させることによって普図保留記憶数を遊技者に報知する。
また、遊技盤YBの遊技領域H1の最下方(大入賞口装置27よりも下方)には、遊技領域H1に発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト球口13が形成されている。アウト球口13を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りに当選する当選確率(大当りの抽選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では5/1697)から高確率(本実施形態では50/1697)に変動させる特定遊技状態及び高確率状態としての確率変動状態(以下、「確変状態」と示す場合がある)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態は、次回の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)状態を付与する変短機能を備えている。変短状態が付与されると、開閉羽根26bを開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。この入球率向上状態において、開閉羽根26bは、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
即ち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26bが1回開放し、開放してから0.3秒又は1.0秒経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、変短状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26bが3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1.5秒が経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26bは、変短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26bは閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、10球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26bは閉鎖するようになっている。また、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが実行される迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
本実施形態では、大当り遊技の終了後における開閉羽根26bの単位時間あたりの開放時間を増加させる変短状態が、開放時間増加状態となる。なお、変短状態(開放時間増加状態)中は、1回の普図当りによって開閉羽根26bが開放される時間の合計が、非変短状態時よりも増加する。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図4に基づき詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて特図表示器23に大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口装置27(大入賞口扉27a)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では15ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口装置27の大入賞口扉27aの開閉が所定回数(本実施形態では、1回)行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置27は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選で大当りに当選した場合、図4に示す4種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、4種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選で大当り当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特図表示器23に表示される100種類の特図の大当り図柄は、図4に示すように、図柄A、図柄C、図柄D、及び図柄Hの4つのグループに分類される。そして、図4に示すように、図柄Aには特図表示器23に表示される大当り図柄のうち45種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄Cには特図表示器23に表示される大当り図柄のうち12種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄Dには特図表示器23に表示される大当り図柄のうち5種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄Hには特図表示器23に表示される大当り図柄のうち38種類の大当り図柄が振り分けられている。
図柄A、図柄C、及び図柄Dに分類される大当り図柄のうち何れかが特図表示器23に表示された場合に付与される大当り遊技は、規定ラウンド数(ラウンド遊技の上限回数)が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態が付与される15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに基づく大当り遊技を「第1確変15R大当り遊技」と示す(なお、「R」は、「ラウンド」を示している)。また、図柄Cに基づく大当り遊技を「変短100回切り確変15R大当り遊技」と示す。また、図柄Dに基づく大当り遊技を「第2確変15R大当り遊技」と示す。また、図柄Aに基づく大当り(大当り種)を「第1確変15R大当り」と示し、図柄Cに基づく大当り(大当り種)を「変短100回切り確変15R大当り」と示し、図柄Dに基づく大当り(大当り種)を「第2確変15R大当り」と示す。第1確変15R大当り遊技、変短100回切り確変15R大当り遊技、及び第2確変15R大当り遊技(以下、まとめて単に「確変15R大当り遊技」と示す場合がある)では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「9球」に設定されている。また、確変15R大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口装置27の大入賞口扉27aを「1回」開放させるように設定されている。また、第1確変15R大当り及び第2確変15R大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態を付与するようになっている。一方、変短100回切り確変15R大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態(リミットなし)と、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態を付与するようになっている。
図柄Hに分類される大当り図柄が特図表示器23に表示された場合に付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Hに基づく大当り(大当り種)を「非確変15R大当り遊技」と示す。また、非確変15R大当りでは、1回のラウンド遊技の入球上限個数(カウント数)が「9球」に設定されている。また、非確変15R大当りにおける15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口扉27aを「1回」開放させるように設定されている。また、非確変15R大当りでは、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態を付与せずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態のみを付与するようになっている。
上述した各大当り遊技では、オープニング時間、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間及びエンディング時間が、図4に示すように、それぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もあることから、図4に示す1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間は最大時間となる。
また、図4の「大当り時の遊技状態」の欄に示す「低確+変短なし」、「低確+変短あり」、「高確+変短なし」、「高確+変短あり([1]〜[3])」の4つの状態は、それぞれ次のような状態を示す。「低確+変短なし」の状態は、非確変状態で、かつ非変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10においては「通常状態」となる。「低確+変短あり」の状態は、非確変状態で、かつ変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「低確+変短あり」の状態は、非確変15R大当りに当選することによって作り出される。「高確+変短なし」の状態は、確変状態で、かつ非変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短なし」の状態は、変短100回切り確変15R大当りに当選するとともに対応する大当り遊技が終了した後、予め定めた規定回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが終了したことに伴って、変短状態が終了することによって作り出される。また、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短あり」の状態は、確変状態で、かつ変短状態を示し、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短あり」の状態は、第1確変15R大当り、変短100回切り確変15R大当り、及び第2確変15R大当りの何れかに当選することによって作り出される。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10において「高確+変短あり」の遊技状態は、該「高確+変短あり」の遊技状態において設定される演出モードとの組み合わせにより、さらに「高確+変短あり[1]」、「高確+変短あり[2]」、及び「高確+変短あり[3]」の3つに分類される。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10に用意された複数の演出モードについて説明する。本実施形態において各演出モードは、演出モード毎に設定された遊技状態報知画像を表示させ、各大当り遊技の終了後、大当り抽選で大当りに当選する当選確率状態が、高確率状態(即ち、確変状態)であるのか、低確率状態(即ち、非確変状態)であるのかを遊技者に示唆する遊技演出とされている。本実施形態のパチンコ遊技機10には、遊技状態報知画像の内容から、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であることを確定的に認識できる「高確確定モードMK1」及び「高確確定モードMK2」と、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態である可能性のあることを非確定的に認識できる「通常モードMN」及び「高確示唆モードMS」が用意されている。また、本実施形態において、通常モードMN、高確示唆モードMS、及び高確確定モードMK1では、第1飾図グループに属する飾図を用いて飾り図柄変動ゲームが行われる一方、高確確定モードMK2では、第2飾図グループに属する飾図を用いて飾り図柄変動ゲームが行われるようになっている。以上のことから、本実施形態では、遊技状態報知画像及び飾り図柄の何れか、又はその両方が異なることで、演出モード毎に図柄変動ゲームの実行態様が異ならされている。
そして、「高確+変短あり[1]」では、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて、演出モードとして「高確示唆モードMS」が設定されていることを示している。「高確+変短あり[1]」の状態は、変短100回切り確変15R大当りに当選することによって作り出される。また、「高確+変短あり[2]」では、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて、演出モードとして「高確確定モードMK1」が設定されていることを示している。「高確+変短あり[2]」の状態は、第1確変15R大当りに当選することによって作り出される。また、「高確+変短あり[3]」では、確変状態で、かつ変短状態であることに加えて、演出モードとして「高確確定モードMK2」が設定されていることを示している。「高確+変短あり[3]」の状態は、第2確変15R大当りに当選することによって作り出される。
このような構成から、本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り種(即ち、特図の大当り図柄)毎に、大当り遊技終了後に設定される演出モードが各別に対応付けられる。即ち、第1確変15R大当り(図柄A)では、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードMK1」が設定される。また、変短100回切り確変15R大当り(図柄C)、及び非確変15R大当り(図柄H)では、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確示唆モードMS」が設定される。また、第2確変15R大当り(図柄D)では、大当り遊技終了後の演出モードとして「高確確定モードMK2」が設定されるようになっている。
このように、本実施形態において、図柄Aに基づく第1確変15R大当り及び図柄Dに基づく第2確変15R大当りは、大当り遊技終了後に設定される演出モード(高確確定モードMK1又は高確確定モードMK2)から確変状態が付与されていることを確定的に認識できる大当りとなる。その一方で、図柄Cに基づく変短100回切り確変15R大当り及び図柄Hに基づく非確変15R大当りは、大当り遊技終了後に設定される演出モード(高確示唆モードMS)から確変状態が付与されている可能性があることを非確定的に認識できる大当りとなる。
本実施形態では、図柄Aに基づく第1確変15R大当り、及び図柄Dに基づく第2確変15R大当りが、大当り遊技終了後に確変状態を付与する特定当り(特定大当り)となり、図柄Hに基づく非確変15R大当りが大当り遊技終了後に確変状態を付与しない非特定当り(非特定大当り)となる。また、本実施形態では、高確確定モードMK1が第1演出モードとなり、高確確定モードMK2が第2演出モードとなる。また、本実施形態では、図柄Aに基づく第1確変15R大当りが第1特定大当りとなり、図柄Dに基づく第2確変15Rが第2特定大当り及び特定の大当りとなる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出モードの移行態様について、図5にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出モードの移行契機を、大当りに当選したこととし、その当選した大当りの種類に応じて移行する演出モードが異なるようになっている。この演出モードの移行により、遊技者は、滞在中の演出モード、即ち該演出モードで表示される遊技状態報知画像から大当り抽選で大当りに当選する当選確率が、高確率であるか否かを推測するようになっている。なお、「演出モードに滞在する」とは、所定の演出モードが設定されるとともに該設定された演出モードに対応する遊技状態報知画像が演出表示装置22に表示されている状態をいう。
以下、本実施形態の演出モードについて詳しく説明する。
図5に示すように、本実施形態において、4つの演出モードは、演出態様が夫々異なっている。本実施形態の演出モードには、変短状態が付与されないとともに、大当り抽選で大当りに当選する当選確率状態(当選確率)が高確率状態(高確率)又は低確率状態(低確率)となっているときに滞在する通常モードMNが設定されている。本実施形態の演出モードには、変短状態が付与されるとともに、大当り抽選の当選確率状態が高確率状態又は低確率状態となっているときに滞在する高確示唆モードMSが設定されている。また、本実施形態の演出モードには、変短状態が付与されるとともに、大当り抽選の当選確率状態が高確率状態となっているときに滞在する高確確定モードMK1、及び高確確定モードMK2が設定されている。
高確確定モードMK1、及び高確確定モードMK2は、大当り抽選の当選確率状態が高確率状態、即ちパチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であることを、遊技者に対して確定的に示唆(報知)する高確確定(確変確定)演出とされている。その一方、通常演出モード、及び高確示唆モードMSは、大当り抽選の当選確率状態が高確率状態及び低確率状態の何れの場合でも実行される演出とされている。即ち、通常モードMN、及び高確示唆モードMSは、パチンコ遊技機10の遊技状態が、確変状態及び非確変状態の何れの状態であるかを遊技者に対して非確定的に示唆(報知)する高確率潜伏演出とされ、これらの2つの演出モードは確変状態である可能性を示唆する。
そして、前述した4つの演出モードは、確変状態であることの期待度の高低(確変状態である可能性の大小)を示唆し、その高低によって区別される演出となっている。本実施形態においては、通常モードMN<高確示唆モードMS<高確確定モードMK1及び高確確定モードMK2の順に、確変状態である期待度が高い演出モードとして位置付けられている。
また、各演出モードの滞在中には、その滞在中の演出モードに対応する遊技状態報知画像が演出表示装置22に画像表示されるようになっている。具体的に説明すると、本実施形態の遊技状態報知画像は、図柄の背面に映し出される背景画像と、演出モードの種類を示す文字画像(テロップなど)から構成される。そして、各演出モードに対応する背景画像は、演出モード毎に画像内容が異なるように個別設定されており、遊技者は、背景画像の種類や文字画像から滞在中の演出モードを認識し得るようになっている。
以下、演出モードの移行態様を説明する。
通常モードMNは、「低確+変短なし」と「高確+変短なし」の時に滞在する演出モードとされている。そして、通常モードMNの滞在中に、第1確変15R大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確確定モードMK1へ移行する。また、通常モードMNの滞在中に、変短100回切り確変15R大当り又は非確変15R大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確示唆モードMSへ移行する。さらに、通常モードMNの滞在中に第2確変15R大当りに当選した場合、高確確定モードMK2へ移行する。
高確確定モードMK1は、「高確+変短あり[2]」の時に滞在する演出モードとされている。そして、高確確定モードMK1の滞在中に、変短100回切り確変15R大当り又は非確変15R大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確示唆モードMSへ移行する。また、高確確定モードMK1の滞在中に、第2確変15R大当りに当選した場合、高確確定モードMK2へ移行する。なお、高確確定モードMK1の終了条件は、「大当り抽選で第1確変15R大当り、第2確変15R大当り遊技、変短100回切り確変15R大当り、及び非確変15R大当りの何れかに当選すること」に設定されており、大当り抽選で15R大当りに当選する迄の間、継続される。
高確確定モードMK2は、「高確+変短あり[3]」の時に滞在する演出モードとされている。そして、高確確定モードMK2の滞在中に、変短100回切り確変15R大当り又は非確変15R大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確示唆モードMSへ移行する。また、高確確定モードMK2の滞在中に、第1確変15R大当りに当選した場合、高確確定モードMK1へ移行する。なお、高確確定モードMK2の終了条件は、「大当り抽選で第1確変15R大当り、第2確変15R大当り遊技、変短100回切り確変15R大当り、及び非確変15R大当りの何れかに当選すること」に設定されており、大当り抽選で15R大当りに当選する迄の間、継続される。
高確示唆モードMSは、「低確+変短あり」及び「高確+変短あり[1]」の時に滞在する演出モードとされている。即ち、変短100回切り確変15R大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードMSは、遊技状態が「高確+変短あり[1]」となる。一方、非確変15R大当りに当選したことによって移行した高確示唆モードMSは、「低確+変短あり」となる。そして、高確示唆モードMSの滞在中に、第1確変15R大当りに当選した場合、大当り遊技を経て高確確定モードMK1へ移行し、第2確変15R大当りに当選した場合、大当り遊技を経て、高確確定モードMK2へ移行する。高確示唆モードMSの終了条件は、「大当り抽選で第1確変15R大当り、第2確変15R大当り、変短100回切り確変15R大当り、及び非確変15R大当りに当選すること」、及び「大当り遊技終了後に付与された変短状態が終了すること」の何れかが成立することに設定されている。このため、変短100回切り確変15R大当り及び非確変15R大当りの何れかに当選したことによって高確示唆モードMSへ移行した場合は、変短状態が終了することにより、通常モードMNへ移行する。これにより、高確示唆モードMSを経由して移行する通常モードMNは、確変状態の可能性も残されており、確変潜伏の状態とされる。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図6に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、音声・ランプ制御基板33とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、及び音声・ランプ制御基板33を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置22の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、音声・ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各枠用ランプ部16a〜16cの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声・ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種スピーカ17a〜17cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、主制御用CPU30aが備えられている。該主制御用CPU30aには、主制御用CPU30aのメイン制御プログラムを格納する主制御用ROM30b、及び必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが接続されている。主制御用CPU30aには、始動口センサSE1、カウントスイッチSE2が接続されている。また、主制御用CPU30aには、特図表示器23、特図保留表示器Ra、及び普図保留表示器Rbが接続されている。また、主制御用CPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、主制御用CPU30aは、普通図柄表示器24、ゲートセンサSE3が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数(特別図柄用)、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数、普図当り判定用乱数(普通図柄用)などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、主制御用CPU30aは、時間を計測するタイマを更新する。主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「1696」の全1697通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU30aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。また、特図振分用乱数は、大当り抽選で大当りに当選した場合に特図表示器23に確定停止表示させる特図としての大当り図柄を決定する際に用いる乱数である。また、特図振分用乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、主制御用CPU30aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。この全100通りの特図振分用乱数の各値には、前述した100種類の特図による大当り図柄が1つずつ各別に対応付けられている。
また、リーチ判定用乱数は、大当り抽選で大当りに当選しなかった場合、即ち、はずれの場合にリーチを形成し、リーチ演出を行うか否かのリーチ判定(リーチ抽選)で用いる乱数である。また、変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択し、決定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りとするか否かの普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。なお、本実施形態において、大当り判定用乱数、特図振分用乱数、リーチ判定用乱数、及び変動パターン振分用乱数は、始動入賞口26へ遊技球が入球したタイミングで取得される。また、本実施形態において、普図当り判定用乱数は、作動ゲート28を遊技球が通過したことを契機に取得されるようになっている。
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値、普図当り判定値、リーチ判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1696までの全1697通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では50個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では5個)よりも多く設定されている。また、普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普図用の当り判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。また、リーチ判定値は、図柄変動ゲームがはずれとなる場合に、リーチ演出を実行させるか否かのリーチ判定(リーチ抽選)で用いる判定値である。
また、主制御用ROM30bには、上記各種判定値及びメイン制御プログラムに加えて、複数種類の演出パターンとしての変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。即ち、変動パターンは、特別図柄が変動開始してから特別図柄が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
変動パターンは、大当り演出用の変動パターンと、はずれ演出用の変動パターンとに分類されている。大当り演出用の変動パターンは、大当り抽選で大当りに当選した場合に選択可能な変動パターンである。また、はずれ演出用の変動パターンは、大当り抽選で大当りに当選しなかったはずれの場合に選択される変動パターンである。そして、はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成し、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
なお、大当り演出用の変動パターンに基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。なお、リーチ演出は、演出表示装置22の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10において主制御用ROM30bに記憶されている変動パターンについて図7にしたがって具体的に説明する。なお、図7には、主制御用ROM30bに記憶された変動パターンの一部のみを示している。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、変動パターンP1が用意されている。変動パターンP1の「はずれ通常変動」は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。
また、本実施形態では、はずれリーチ演出用の変動パターンとして、変動パターンP2A、変動パターンP3A、変動パターンP4A、変動パターンP5A、変動パターンP6A、変動パターンP7A、変動パターンP8A、及び変動パターンP11が用意されている。また、本実施形態では、大当り演出用の変動パターンとして、変動パターンP2B、変動パターンP3B、変動パターンP4B、変動パターンP5B、変動パターンP6B、変動パターンP7B、変動パターンP8B、変動パターンP9、及び変動パターンP10が用意されている。
変動パターンP2A、及び変動パターンP2B(以下、まとめて「変動パターンP2」と示す場合がある)は、リーチ演出としてノーマルリーチを含む変動パターンとされている。そして、変動パターンP2Bは、ノーマルリーチに加えてリーチ形成時に行う「スベリ演出」を含む変動パターンとされている。「スベリ演出」は、リーチ状態を形成する図柄列のうち最後に停止表示させる図柄列において、既に停止表示された他列の図柄とは異なる図柄を一旦停止表示させた後、該一旦停止表示させた図柄を滑らせるように所定個数の図柄をスクロールさせてリーチ状態を形成する遊技演出である。
変動パターンP3A及び変動パターンP3B(以下、まとめて「変動パターンP3」と示す場合がある)、変動パターンP4A及び変動パターンP4B(以下、まとめて「変動パターンP4」と示す場合がある)、変動パターンP5A及び変動パターンP5B(以下、まとめて「変動パターンP5」と示す場合がある)は、リーチ演出として「スーパーリーチ」を含む変動パターンとされている。スーパーリーチは、ノーマルリーチを経て、残り1列の飾図の変動中又は一旦停止表示した後、例えば、所定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾り図柄を導出する演出内容でリーチ演出が行われるようになっている。なお、変動パターンP3〜P5では、キャラクタA(以下、「キャラA」と示す場合がある)が登場する態様のスーパーリーチが行われるようになっている。
また、変動パターンP4は、スーパーリーチに加えて「スベリ演出」を含む変動パターンとされている。また、変動パターンP5は、スーパーリーチに加えてリーチ形成時に行う「逆回転演出」を含む変動パターンとされている。「逆回転演出」は、リーチ状態を形成する図柄列のうち最後に停止表示させる図柄列において、既に停止表示された他列の図柄とは異なる図柄を一旦停止表示させた後、該一旦停止表示させた図柄を通常時とは逆方向に所定個数の図柄をスクロールさせてリーチ状態を形成する遊技演出である。
変動パターンP6A及び変動パターンP6B(以下、まとめて「変動パターンP6」と示す場合がある)、変動パターンP7A及び変動パターンP7B(以下、まとめて「変動パターンP7」と示す場合がある)、変動パターンP8A及び変動パターンP8B(以下、まとめて「変動パターンP8」と示す場合がある)には、リーチ演出としてキャラクタB(以下、「キャラB」と示す場合がある)が登場する態様の「スーパーリーチ」を含む変動パターンとされている。また、変動パターンP7は、スーパーリーチに加えて「スベリ演出」を含む変動パターンとされている。また、変動パターンP8は、スーパーリーチに加えてリーチ形成時に行う「逆回転演出」を含む変動パターンとされている。
変動パターンP9は、リーチ演出として、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタが対戦(バトル)し最終的に勝利する態様で行われるスーパーリーチを含む変動パターンとされている。同様に、変動パターンP10は、リーチ演出として、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタが対戦(バトル)し最終的に敗北する態様で行われるスーパーリーチを含む変動パターンとされている。また、変動パターンP11は、リーチ演出として、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタが対戦(バトル)し最終的に引き分けとなる態様で行われるスーパーリーチを含む変動パターンとされている。なお、本実施形態において、変動パターンP9〜P11は、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]」(高確確定モードMK2)の場合にのみ選択可能な変動パターンとされている。
そして、本実施形態では、リーチ演出の演出内容に応じて大当り遊技が付与される大当り信頼度(大当り期待度)が異ならされている。具体的に説明すると、本実施形態において、スーパーリーチは、ノーマルリーチと比較して大当り信頼度を高く設定されている。大当り信頼度は、各リーチが行われる変動パターンを大当り演出用とはずれリーチ演出用に振り分ける際の振り分け態様に応じて決定される。
即ち、リーチ演出の大当り信頼度を高くするためには、該リーチ演出が出現する割合(大当りの場合とはずれリーチの場合に出現する全体の割合)に対して、はずれリーチの場合に該リーチ演出が出現する割合を低めるように変動パターンを振り分ければよい。このように大当り信頼度を異ならせることにより、リーチが形成されてリーチ演出が行われた場合に、該リーチ演出の種類に応じて遊技者が抱く大当りへの期待感を変化させることができる。なお、本実施形態において、変動パターンP2Bに基づく「スベリ+ノーマルリーチ」の演出内容は、大当り確定の確定演出として位置付けられている。
そして、本実施形態において、大当り演出用の変動パターンP2B〜P8Bは、演出表示装置22において導出(一旦停止表示)させた仮図柄としての仮の大当りの図柄組み合わせを再変動させて確定図柄としての最終的な大当りの図柄組み合わせを導出(確定停止表示)させる状態報知演出としての再変動演出を実行可能な変動パターンとされている。
本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な再変動演出には、大当りの図柄組み合わせの再変動及び導出をさせる再変動回数として「1回」を設定した通常再抽選演出と、大当りの図柄組み合わせの再変動及び導出をさせる再変動回数として「2回」を設定した特定再抽選演出とがある。そして、特定再抽選演出には、相互に再変動演出の実行態様を異ならせた第1特定再抽選演出と、第2特定再抽選演出とがある。通常再抽選演出は、一旦停止表示された仮の大当りの図柄組み合わせを再変動させてから最終的な大当りの図柄組み合わせを確定停止表示する態様で行われる。また、各特定再抽選演出は、一旦停止表示された仮の大当りの図柄組み合わせを再変動させてから再び仮の大当りの図柄組み合わせを一旦停止表示させ、更に仮の大当りの図柄組み合わせを再々変動させてから最終的な大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させる態様で行われる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な再変動演出には、前述した再抽選演出(通常再抽選演出、及び各特定再抽選演出)とは別に、該再抽選演出終了後に、仮の大当りの図柄組み合わせを確定図柄に切り替え表示させる「逆転当り演出」がある。
ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10で実行可能な通常再抽選演出及び特定再抽選演出の実行態様について図8にしたがって説明する。なお、図8において「↓」は、図柄が変動表示されている状態を示している。
まず、通常再抽選演出について説明する。
図8(a)に示すように、演出表示装置22(画像表示部GH)では、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームとして、仮の大当りの図柄組み合わせ(例えば、青図柄[222])が一旦停止表示される(図8(b))。続けて、図8(c)に示すように、演出表示装置22では、仮の大当りの図柄組み合わせを再変動させるとともに、最終的な大当りの図柄組み合わせ(例えば、黒図柄[666])が一旦停止表示される(図8(d))。その後、演出表示装置22では、一旦停止表示された大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。なお、「逆転当り演出」を実行する場合には、通常再抽選演出を経て再び仮の大当りの図柄組み合わせを一旦停止表示させるとともに、該仮の大当りの図柄組み合わせを確定図柄に切り替え表示させるようになっている。
次に、特定再抽選演出について説明する。
通常再抽選演出と同様に、演出表示装置22(画像表示部GH)では、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームとして、仮の大当りの図柄組み合わせ(例えば、青図柄[222])が一旦停止表示される(図8(b))。次に、演出表示装置22では、仮の大当りの図柄組み合わせを再変動させるとともに、仮の大当りの図柄組み合わせ(例えば、黒図柄[666])が一旦停止表示される(図8(d))。続けて、演出表示装置22では、仮の大当りの図柄組み合わせを再々変動させるとともに、最終的な大当りの図柄組み合わせ確定図柄(例えば、赤図柄[777])を一旦停止表示させる。演出表示装置22では、一旦停止表示された大当りの図柄組み合わせが確定停止表示される。そして、本実施形態において、第1特定再抽選演出及び第2特定再抽選演出では、仮の大当りの図柄組み合わせを再々変動させる際の図柄の再抽選態様が異なっている。具体的に説明すると、第1特定再抽選演出では、仮の大当りの図柄組み合わせを再々変動させる際、各列の図柄を縦方向に回転するかのように変動させるようになっている。また、第2特定再抽選演出では、仮の大当りの図柄組み合わせを再々変動させる際、各列の図柄を横方向に回転するかのように変動させるようになっている。なお、「逆転当り演出」を実行する場合には、各特定再抽選演出を経て再び仮の大当りの図柄組み合わせを一旦停止表示させるとともに、該仮の大当りの図柄組み合わせを確定図柄に切り替え表示させるようになっている。
以下の説明では、飾り図柄変動ゲーム中の再変動演出において最初に一旦停止表示(導出)する仮の大当りの図柄組み合わせ(飾図)を「最初仮図柄」と示し、2回目以降に一旦停止表示(導出)する仮の大当りの図柄組み合わせ(飾図)を「中間仮図柄」と示す。また、飾り図柄変動ゲームにおいて最終的に確定停止表示させる大当り又ははずれの図柄組み合わせ(飾図)を「確定図柄」と示す。なお、本実施形態では、通常再抽選演出の終了後に逆転当り演出を実行する場合、通常再抽選演出を経て最初仮図柄を再び一旦停止表示させるとともに、該一旦停止表示させた最初仮図柄を逆転当り演出を経て確定図柄に切り替え表示させるようになっている。また、本実施形態では、各特定再抽選演出の終了後に逆転当り演出を実行する場合、各特定再抽選演出を経て中間仮図柄を一旦停止表示させるとともに、該一旦停止表示させた中間仮図柄を逆転当り演出を経て確定図柄に切り替え表示させるようになっている。
以上のように、本実施形態において、大当り演出用の変動パターンP2B〜P8Bでは、最初仮図柄を一旦停止表示させた後、逆転当り演出なしの再抽選演出、又は逆転当り演出ありの再抽選演出を実行して確定図柄を導出させるようになっている。
次に、図6に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括制御用CPU31aが備えられている。該統括制御用CPU31aには、統括制御用ROM31b及び統括制御用RAM31cが接続されている。また、統括制御用CPU31aは、確定図柄振分用乱数、再変動振分用乱数、詳細1次振分用乱数、及び詳細2次振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
確定図柄振分用乱数は、飾り図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる飾り図柄組み合わせを決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「166」の全167通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。再変動振分用乱数は、再変動演出の演出内容を決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「166」の全167通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。詳細1次振分用乱数は、再抽選演出の演出内容を決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜[126]の全127通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。詳細2次振分用乱数は、中間仮図柄を決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜[52]の全53通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。
また、昇格演出振分用乱数は、昇格演出の実行可否、及び開始タイミング(ラウンド)を決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「112」の全113通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。昇格パターン振分用乱数は、昇格演出の展開(演出内容の概略)を決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「136」の全137通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。内容振分用乱数は、昇格演出の詳細(具体的)な演出内容を決定するための乱数であり、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「250」の全251通りの整数)の数値を取り得るように、統括制御用CPU31aが更新する。なお、本実施形態で実行可能な大当り遊技中の昇格演出については後に詳しく説明する。
また、統括制御用ROM31bには、表示制御基板32、音声・ランプ制御基板33を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御用CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図6に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、表示制御用CPU32aが備えられている。該表示制御用CPU32aには、表示制御用ROM32b及び表示制御用RAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(表示制御用CPU32a)には、演出表示装置22が接続されている。表示制御用ROM32bには、演出表示装置22の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、表示制御用RAM32cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する入賞処理や変動パターン決定処理などの各種処理について説明する。
主制御用CPU30aは、始動入賞口26へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSE1が出力する検知信号を入力すると主制御用RAM30cに記憶されている特図保留記憶数が上限数の4未満であるか否かの保留判定行う。
保留判定の結果が肯定(特図保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、特図保留記憶数を+1(1加算)し、特図保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及びリーチ判定用乱数の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を特図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。なお、主制御用CPU30aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と特図振分用乱数の値を取得しない。
そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、特図保留記憶数に対応付けて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値と主制御用ROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの当り抽選としての大当り判定(大当り抽選)を行う。この大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU30aは、大当りを決定する。また、主制御用CPU30aは、特図振分用乱数の値をもとに、図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特図)を決定する。
また、大当りを決定した主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態、及び特図の大当り図柄の種類に基づき、大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。
具体的に説明すると、まず主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された確変フラグに設定された値を確認し、何れの種類の大当り(大当り遊技)に基づき確変状態が付与されているかを確認する。本実施形態では、確変フラグに「01H」〜「03H」の何れかの値が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「00H」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。そして、確変フラグに「01H」が設定されている場合には、付与されている確変状態が変短100回切り確変15R大当り遊技終了後に付与された確変状態であることを示している。また、確変フラグに「02H」が設定されている場合には、付与されている確変状態が第1確変15R大当り遊技終了後に付与された確変状態であることを示している。また確変フラグに「03H」が設定されている場合には、付与されている確変状態が第2確変15R大当り遊技終了後に付与された確変状態であることを示している。
また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された作動フラグに設定された値を確認し、変短状態が付与されているか否かを確認する。なお、作動フラグに「01H」が設定されている場合には、変短状態が付与されていることを示し、「00H」が設定されている場合には、変短状態が付与されていないことを示している。
そして、主制御用CPU30aは、確変フラグの値及び作動フラグの値の組み合わせから、パチンコ遊技機10の遊技状態(変動パターン振分状態)を特定(把握)可能となっている。即ち、主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「00H」で作動フラグの値が「00H」の場合、パチンコ遊技機10の遊技状態が「低確+変短無し」であると判定する。主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「01H」で作動フラグの値が「00H」の場合、パチンコ遊技機10の遊技状態が、変短100回切り確変15R大当り遊技の終了後であって且つ変短状態が終了したことによる「低確+変短なし」の状態にあると判定する。主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「01H」で作動フラグの値が「01H」の場合、パチンコ遊技機10の遊技状態が、変短100回切り確変15R大当り遊技の終了後であって且つ変短状態が終了していない「高確+変短あり[1]」の状態にあると把握する。主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「02H」で作動フラグの値が「01H」の場合、パチンコ遊技機10の遊技状態が、「高確+変短あり[2]」の状態にあると把握する。主制御用CPU30aは、確変フラグの値が「03H」で作動フラグの値が「01H」の場合、パチンコ遊技機10の遊技状態が、「高確+変短あり[3]」の状態にあると把握するようになっている。
そして、パチンコ遊技機10の遊技状態を把握した主制御用CPU30aは、把握した遊技状態と、決定した大当り図柄(特図)に基づき変動パターンを決定する。即ち、図7に示すように、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]」である場合であって、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dを決定したときには変動パターンP9を、大当り図柄(特図)として図柄C又は図柄Hを決定したときには変動パターンP10を決定する。また、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合(即ち、「低確+変短なし」、「高確+変短なし」、「低確+変短あり」、「高確+変短あり[1]」、及び「高確+変短あり[2]」の何れかの場合)であって、大当り図柄(特図)として図柄Aを決定した場合、変動パターンP2B〜P8Bの何れかを決定するようになっている。また、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合であって、大当り図柄(特図)として図柄Dを決定した場合、変動パターンP3B〜P8Bの何れかを決定するようになっている。また、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合であって、大当り図柄(特図)として図柄C又は図柄Hを決定した場合、変動パターンP3B〜P7Bの何れかを決定するようになっている。
一方、大当り判定の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う。主制御用CPU30aは、リーチ判定の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、図柄変動ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄(特図)を決定する。また、主制御用CPU30aは、大当り決定時と同様に、確変フラグ及び作動フラグの値に基づきパチンコ遊技機10の遊技状態を把握する。そして、パチンコ遊技機10の遊技状態を把握した主制御用CPU30aは、把握した遊技状態に基づき変動パターンを決定する。即ち、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]」である場合には、変動パターンP11を決定する。また、主制御用CPU30aは、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合、変動パターンP2A〜P8Aの何れかを決定するようになっている。
また、リーチ判定の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄(特図)を決定するとともに、パチンコ遊技機10の遊技状態とは関係なくはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターン(本実施形態では、変動パターンP1)を決定する。
そして、特図及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力する。具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。また、同時に、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。次に、主制御用CPU30aは、特図を指示する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始時に特図保留記憶数を1減算(−1)し、特図保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定した特図(大当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
次に、主制御用CPU30aが実行する制御内容として、大当り遊技時の制御内容を説明する。
主制御用CPU30aは、大当りを決定した場合(大当り判定の判定結果が肯定判定の場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り図柄(特図)から特定される大当りの種類に応じて大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括制御用CPU31a)、表示制御基板32、及び音声・ランプ制御基板33に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
具体的に説明すると、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの終了を契機として、最初にオープニング演出を指示するオープニングコマンドを出力する。次に、主制御用CPU30aは、ラウンド遊技を開始させる毎にラウンド演出を指示するラウンドコマンドを出力する。そして、主制御用CPU30aは、規定ラウンド数分のラウンド遊技が終了すると、エンディング演出を指示するエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング演出の演出時間として設定されたエンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。
大当り遊技を終了させた主制御用CPU30aは、非確変15R大当りが付与された場合、確変フラグに「00H」を設定する。また、主制御用CPU30aは、変短100回切り確変15R大当りが付与された場合には確変フラグに「01H」を設定し、第1確変15R大当りが付与された場合には、確変フラグに「02H」を設定する。そして、主制御用CPU30aは、第2確変15R大当りが付与された場合、確変フラグに「03H」を設定する。
また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、変短状態を付与することを示す作動フラグに「01H」を設定する。なお、「確変フラグ」及び「作動フラグ」は、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるとともに、大当り遊技が付与された場合にクリアされる(即ち、「00H」が設定される)ようになっている。
また、主制御用CPU30aは、変短100回切り確変15R大当り、及び非確変15R大当りの何れかが付与されていた場合には、変短状態を付与する図柄変動ゲームの回数として、作動回数に100回を設定する。この変短状態を付与する変短付与回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、作動フラグがクリアされる(「00H」が設定される)。
そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の終了後、遊技状態を確変状態及び変短状態とする場合には高確率指定コマンド及び変短作動コマンドを統括制御基板31(統括制御用CPU31a)に出力し、変短状態とする場合には変短作動コマンドのみを統括制御基板31(統括制御用CPU31a)出力する。
以上のように、本実施形態では、主制御用CPU30aが当り抽選手段(大当り抽選手段)、当り種決定手段(大当り種決定手段)、演出パターン決定手段として機能する。
次に、統括制御用CPU31aが主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンド、及び特別図柄指定コマンドを入力した際に行う図柄変動ゲームの実行に係る制御構成について図9〜図13にしたがって説明する。
まず、統括制御用CPU31aが図柄変動ゲームに係る制御を実行する際に参照するテーブルについて説明する。
最初に、統括制御用ROM31bに記憶されている確定図柄用選択テーブルTAについて図9にしたがって説明する。確定図柄用選択テーブルTAは、飾り図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定するための確定図柄テーブルTK0a、確定図柄テーブルTK0b、及び確定図柄テーブルTK1〜TK9の何れかを選択する際に統括制御用CPU31aが参照するテーブルである。
図9に示すように、確定図柄用選択テーブルTAには、変動パターン、遊技状態(「高確+変短あり[3]以外」、又は「高確+変短あり[3]」)、及び特図の組み合わせ毎に確定図柄テーブルTK0a、確定図柄テーブルTK0b、及び確定図柄テーブルTK1〜TK9の何れかが対応付けられている。
具体的に説明すると、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」遊技状態において、はずれ演出用の変動パターンP1と「はずれ図柄」との組み合わせに対して確定図柄テーブルTK0aが対応付けられている一方、「高確+変短あり[3]」遊技状態において、はずれ演出用の変動パターンP1と「はずれ図柄」との組み合わせに対して確定図柄テーブルTK0bが対応付けられている。また、確定図柄用選択テーブルTAでは、各遊技状態と「はずれ図柄」以外の図柄との組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。
確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」遊技状態において、はずれリーチ演出用の変動パターンP2A〜P8Aと「はずれ図柄」との組み合わせに対して確定図柄テーブルTK1が対応付けられている一方、その他の遊技状態及び特図との組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。
確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」の遊技状態において、大当り演出用の変動パターンP2Bと「図柄A」との組み合わせに対して確定図柄テーブルTK2が対応付けられている一方、その他の遊技状態及び特図の組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。
確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」の遊技状態において、大当り演出用の変動パターンP3B〜P7Bと「図柄A」との組み合わせには確定図柄テーブルTK3が、「図柄D」との組み合わせには確定図柄テーブルTK4が、「図柄C又は図柄H」との組み合わせには確定図柄テーブルTK5が対応付けられている。その一方で、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」の遊技状態において、大当り演出用の変動パターンP3B〜P7Bと「はずれ図柄」との組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。また、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]」の遊技状態において、変動パターンP3B〜P7Bに対して確定図柄テーブルが対応付けられていない。
確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」の遊技状態において、変動パターンP8Bと「図柄A」との組み合わせには確定図柄テーブルTK6が、「図柄D」との組み合わせには確定図柄テーブルTK4が対応付けられている。その一方で、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]以外」の遊技状態において、変動パターンP8Bと「図柄C又は図柄H」との組み合わせ及び「はずれ図柄」との組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。また、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]」の遊技状態において、変動パターンP8Bには確定図柄テーブルが対応付けられていない。
確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]」の遊技状態において、変動パターンP9と「図柄A」との組み合わせ及び「図柄D」との組み合わせには確定図柄テーブルTK7が対応付けられている一方、その他の遊技状態と図柄の組み合わせには選択する確定図柄テーブルが対応付けられていない。また、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]」の遊技状態において、変動パターンP10と「図柄A」との組み合わせ、「図柄D」との組み合わせ、及び「図柄C又は図柄H」との組み合わせには確定図柄テーブルTK8が対応付けられている一方、その他の遊技状態と特図との組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。また、確定図柄用選択テーブルTAでは、「高確+変短あり[3]」遊技状態において、はずれリーチ演出の変動パターンP11と「はずれ図柄」との組み合わせに対して確定図柄テーブルTK9が対応付けられている一方、その他の遊技状態及び特図との組み合わせには確定図柄テーブルが対応付けられていない。
以上のような確定図柄用選択テーブルTAの構成から、確定図柄テーブルTK0a及び確定図柄テーブルTK0b(以下、まとめて「確定図柄テーブルTK0」と示す場合がある)は、リーチを形成しないはずれの通常変動となる変動パターンP1が決定された場合に選択可能な確定図柄テーブルとなる。確定図柄テーブルTK1は、変動パターンP2A〜P8Aの何れかが決定された場合にのみ選択可能な確定図柄テーブルとなる。確定図柄テーブルTK2は、変動パターンP2Bが決定された場合にのみ選択可能な確定図柄テーブルとなる。確定図柄テーブルTK3〜TK5は、変動パターンP3B〜P8Bが決定された場合に共通して選択可能な確定図柄テーブルとなる。確定図柄テーブルTK6は、変動パターンP8Bが決定された場合にのみ選択可能な確定図柄テーブルとなる。そして、確定図柄テーブルTK1〜TK6は、遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合に選択される確定図柄テーブルとなる。
また、確定図柄テーブルTK7は、変動パターンP9が決定された場合にのみ選択可能な確定図柄テーブルとなる。確定図柄テーブルTK8は、変動パターンP10が決定された場合にのみ選択可能な確定図柄テーブルとなる。確定図柄テーブルTK9は、変動パターンP11が決定された場合にのみ選択可能な確定図柄テーブルとなる。したがって、確定図柄テーブルTK7〜TK9は、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]」(即ち、高確確定モードMK2)の場合に選択される確定図柄テーブルとなる。
次に、統括制御用ROM31bに記憶されている確定図柄テーブルTK0〜TK9について図10にしたがって説明する。確定図柄テーブルTK0〜TK9は、飾り図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを確定図柄として決定する際に統括制御用CPU31aが参照するテーブルである。なお、図10では、確定図柄テーブルTK0a及び確定図柄テーブルTK1〜TK6において「確定図柄」の欄に記載された数字は、第1飾図グループに属する飾図の数字を示している。また、確定図柄テーブルTK0b及び確定図柄テーブルTK7〜TK9において「確定図柄」の欄に記載された数字は、第2飾図グループに属する飾図の数字を示している。
図10に示すように、各確定図柄テーブルTK0〜TK9には、確定図柄がそれぞれ対応付けられているとともに、確定図柄毎に確定図柄振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。
具体的に説明すると、確定図柄テーブルTK0a及び確定図柄テーブルTK0bは、リーチなしのはずれ演出用の変動パターンP1が決定された場合にのみ選択される確定図柄テーブルとされている。確定図柄テーブルTK0a及び確定図柄テーブルTK0bには、リーチを形成する図柄を含まないはずれ図柄(例えば、[123]など)が対応付けられているとともに、確定図柄毎に確定図柄振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。なお、本実施形態において、確定図柄テーブルTK0a及び確定図柄テーブルTK0bには、赤図柄[8]を含まないで構成された図柄組み合わせのみが対応付けられている。
確定図柄テーブルTK1は、はずれリーチ演出用の変動パターンP2A〜P8Aが決定された場合にのみ選択される確定図柄テーブルとされている。確定図柄テーブルTK9は、はずれリーチ演出用の変動パターンP11が決定された場合にのみ選択される確定図柄テーブルとされている。確定図柄テーブルTK1及び確定図柄テーブルTK9には、リーチ演出を経て最終的に確定停止表示させるはずれの確定図柄として、リーチ形成図柄を含んで構成された7種類の図柄組み合わせ([121]、[232]など)が対応付けられているとともに、確定図柄毎に確定図柄振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。なお、本実施形態において、確定図柄テーブルTK1及び確定図柄テーブルTK9には、赤図柄[8]を含まないで構成された図柄組み合わせのみが対応付けられている。
また、確定図柄テーブルTK2〜TK8は、大当り演出用の変動パターンP2B〜P8B、変動パターンP9、及び変動パターンP10が決定された場合に選択される確定図柄テーブルとされている。確定図柄テーブルTK2〜TK8には、飾り図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる確定図柄として、飾図の大当りの図柄組み合わせがそれぞれ複数、対応付けられている。
具体的に説明すると、確定図柄テーブルTK2において、確定図柄となる[111]には20個、[333]には40個、[555]には40個、[777]には40個、[888]には27個の確定図柄振分用乱数の値が振り分けられている。また、確定図柄テーブルTK3において、確定図柄となる[111]には16個、[222]には9個、[333]には16個、[444]には10個、[555]には16個、[666]には65個、[777]には35個の確定図柄振分用乱数の値が振り分けられている。
確定図柄テーブルTK4において、確定図柄となる[222]には13個、[444]には14個、[666]には140個の確定図柄振分用乱数の値が振り分けられている。確定図柄テーブルTK5及び確定図柄テーブルTK8において、確定図柄となる[222]には66個、[444]には66個、[666]には35個の確定図柄振分用乱数の値が振り分けられている。確定図柄テーブルTK6及び確定図柄テーブルTK7において、確定図柄となる[111]には34個、[333]には34個、[555]には34個、[777]には65個の確定図柄振分用乱数の値が振り分けられている。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、上述した確定図柄用選択テーブルTA、及び確定図柄テーブルTK0〜TK9の構成により、確定図柄となる大当りの図柄組み合わせを構成する飾図の種類(即ち、青図柄、黒図柄、及び赤図柄)に応じて、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かの確変期待度が異ならされている。
具体的に説明すると、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定された場合には、確定図柄テーブルTK2〜TK4及び確定図柄テーブルTK6〜TK8の何れかが選択され、赤図柄、青図柄、及び黒図柄の何れかからなる大当り図柄組み合わせが確定図柄として決定される。その一方で、大当り図柄(特図)として図柄H(及び図柄C)が決定された場合には、確定図柄テーブルTK5又は確定図柄テーブルTK8が選択され、青図柄又は黒図柄の何れかからなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定される。このため、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて、赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるとともに確変状態であることを確定的に認識可能な高確確定モードが設定される。このため、本実施形態において赤図柄は、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを確定的に認識することができる確変確定の図柄として位置付けられる。
一方、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合であって、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定された場合には、確定図柄テーブルTK3又は確定図柄テーブルTK4が選択され、青図柄よりも黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせのほうが選択され易い。その一方で、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合であって、大当り図柄(特図)として図柄C又は図柄Hが決定された場合には、確定図柄テーブルTK5が選択され、黒図柄よりも青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが選択され易くなっている。このような構成から、本実施形態において青図柄及び黒図柄は、大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性があることを非確定的に認識できる確変非確定の図柄(所謂、チャンス図柄)として位置付けられる。そして、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合よりも、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合のほうが、確変期待度が高くなっている。したがって、本実施形態では、青図柄<黒図柄<赤図柄の順に確変期待度が段階的に高くなるように構成されている。
また、本実施形態では、パチンコ遊技機10の遊技状態が「高確+変短あり[3]以外」の場合であって、大当り図柄(特図)として図柄Dが決定された場合、図柄Dに基づく第2確変15R大当りが大当り遊技終了後に確変状態を付与する大当りであるにもかかわらず、確変非確定の青図柄又は黒図柄の何れかからなる大当りの図柄組み合わせを確定図柄として必ず選択するようになっている。
また、確定図柄テーブルTK2には、確定図柄として赤図柄[888]が対応付けられているとともに、他の確定図柄テーブルTK1及び確定図柄テーブルTK3〜TK9には赤図柄[888]が対応付けられていない。このため、確定図柄としての赤図柄[888]は、変動パターンP2(スベリ+ノーマルリーチ)が決定された場合にのみ選択可能な特殊図柄としての確定図柄となる。即ち、赤図柄[8]からなる大当りの図柄組み合わせは、変動パターンP2に基づく図柄変動ゲームでのみ確定停止表示される確定図柄として位置付けられている。
次に、統括制御用ROM31bに記憶されている再変動用選択テーブルTCについて図11にしたがって説明する。再変動用選択テーブルTCは、再変動演出の演出内容(概略)を決定するための再変動演出テーブルTS1〜TS3の何れかを選択するためのテーブルとされている。
図11に示すように、再変動用選択テーブルTCでは、大当り演出用の変動パターンと確定図柄との組み合わせ毎に、再変動演出テーブルTS1〜TS3の何れかが対応付けられている。
具体的に説明すると、再変動用選択テーブルTCにおいて、変動パターンP2Bには、赤図柄及び青・黒図柄の何れに対しても再変動演出テーブルTS3が対応付けられている。また、再変動用選択テーブルTCにおいて、変動パターンP3B、変動パターンP4B、変動パターンP6B、及び変動パターンP7Bには、赤図柄に対して再変動演出テーブルTS1が、青・黒図柄には再変動演出テーブルTS2が対応付けられている。また、再変動用選択テーブルTCにおいて、変動パターンP5B及び変動パターンP8Bには、赤図柄及び青・黒図柄の何れに対しても再変動演出テーブルTS2が対応付けられている。
また、再変動用選択テーブルTCにおいて、変動パターンP9及び変動パターンP10には、再変動演出テーブルTS1〜TS3の何れも対応付けられていない。これは、変動パターンP9及び変動パターンP10は、再変動演出を含まない変動内容を特定する変動パターンとされているためである。
次に、統括制御用ROM31bに記憶されている再変動演出テーブルTS1〜TS3について図12にしたがって説明する。再変動演出テーブルTS1〜TS3は、再変動演出の演出内容(概略)を決定する際に統括制御用CPU31aが参照するテーブルである。なお、図12に示す再変動演出テーブルTS1〜TS3では、「確定図柄」の欄及び「最初仮図柄」の欄において、大当りの図柄組み合わせを構成する飾図のうち1つだけを示している。また、図12の「再変動振分用乱数」の欄に示す「−」は、再変動振分用乱数の値に基づく抽選を実行することなく、「最初仮図柄」の欄に記載した飾図(即ち、確定図柄)を最初仮図柄として決定することを示している。また、図12の「最初仮図柄」の欄に示す「確定図柄」は、確定図柄として決定された飾図と同一の飾図の図柄組み合わせを最初仮図柄として決定することを示している。また、図12の「逆転当り/再抽選」の欄に示す「再抽選演出+逆転当り演出」は、「逆転当り演出ありの再抽選演出」を示し、「再抽選演出」は、「逆転当り演出なしの再抽選演出」を示している。
図12に示すように、再変動演出テーブルTS1〜TS3には、確定図柄の種類毎に、再変動演出の演出内容(逆転当り演出ありの再抽選演出又は逆転当り演出なしの再抽選演出)と最初仮図柄との組み合わせが対応付けられているとともに、再変動演出の演出内容と最初仮図柄との組み合わせ毎に再変動振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。
具体的に説明すると、再変動演出テーブルTS1において、確定図柄としての赤図柄には、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出ありの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(赤図柄)、青図柄([222]、[444])、及び黒図柄([666])との組み合わせが対応付けられているとともに、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出なしの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(赤図柄)、青図柄、及び黒図柄との組み合わせが対応付けられている。そして、再変動演出テーブルTS1において、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出ありの再抽選演出」と最初仮図柄との各組み合わせには、それぞれ2個の再変動振分用乱数の値が振り分けられている。また、再変動演出テーブルTS1において、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と確定図柄(赤図柄)との組み合わせには89個、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と各青図柄との組み合わせにはそれぞれ20個、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と黒図柄との組み合わせには30個の再変動演出振分用乱数の値が振り分けられている。
また、再変動演出テーブルTS2において、確定図柄としての赤図柄には、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出なしの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(赤図柄)、青図柄([222]、[444])、及び黒図柄([666])との組み合わせが対応付けられている。また、再変動演出テーブルTS2において、確定図柄としての黒図柄には、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出なしの再抽選演出」と、最初仮図柄となる青図柄、及び黒図柄(確定図柄)との組み合わせが対応付けられている。再変動演出テーブルTS2において、確定図柄としての青図柄には、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出なしの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(即ち、青図柄)との組み合わせが対応付けられている。
そして、再変動演出テーブルTS2において、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と確定図柄(赤図柄)の組み合わせには97個、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と各青図柄との組み合わせにはそれぞれ20個、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と黒図柄との組み合わせには30個の再変動演出振分用乱数の値が振り分けられている。再変動演出テーブルTS2において、黒図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と青図柄「222」との組み合わせには27個、黒図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と青図柄[444]との組み合わせには28個、黒図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と黒図柄[666]との組み合わせには112個の再変動演出振分用乱数の値が振り分けられている。再変動演出テーブルTS2において、青図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と確定図柄(青図柄)との組み合わせには、再変動演出振分用乱数の値が特に振り分けられておらず、必ず「確定図柄」が選択されるようになっている。
また、再変動演出テーブルTS3において、確定図柄としての赤図柄のうち[888]には、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出なしの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(即ち、赤図柄[888])の組み合わせのみが対応付けられている。また、再変動演出テーブルTS3において、確定図柄としての赤図柄のうち[888]以外の赤図柄には、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出ありの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(赤図柄)、青図柄、及び黒図柄との組み合わせが対応付けられているとともに、再変動演出の演出内容となる「逆転当り演出なしの再抽選演出」と、最初仮図柄となる確定図柄(赤図柄)、青図柄、及び黒図柄との組み合わせが対応付けられている。
そして、再変動演出テーブルTS3において、赤図柄のうち[888]に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と確定図柄(赤図柄)の組み合わせには、再変動演出振分用乱数の値が特に振り分けられておらず、必ず「確定図柄」が選択されるようになっている。また、再変動演出テーブルTS3において、赤図柄のうち[888]以外の赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出ありの再抽選演出」と最初仮図柄の各組み合わせには、それぞれ2個の再変動振分用乱数の値が振り分けられている。また、再変動演出テーブルTS3において、赤図柄のうち[888]以外の赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と確定図柄(赤図柄)との組み合わせには89個、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と各青図柄との組み合わせにはそれぞれ20個、赤図柄に対応付けられた「逆転当り演出なしの再抽選演出」と黒図柄との組み合わせには30個の再変動演出振分用乱数の値が振り分けられている。
本実施形態では、再変動演出テーブルTS1〜TS3の構成から、再変動演出(逆転当り演出なしの再抽選演出、又は逆転当り演出ありの再抽選演出)によって青図柄から青図柄へ、青図柄から黒図柄へ、青図柄から赤図柄へ、黒図柄から黒図柄へ、黒図柄から赤図柄へ、及び赤図柄から赤図柄へ、というように、6通りの最初仮図柄と確定図柄の組み合わせにより再変動演出を実行可能となっている。即ち、本実施形態では、確変非確定の図柄(青図柄及び黒図柄)から確変確定の図柄(赤図柄)へ昇格する状況の他に、確変期待度が低い確変非確定の図柄(青図柄)から確変期待度が相対的に高い確変非確定の図柄(黒図柄)へ昇格する状況を作り出すことができるようになっている。
そして、本実施形態では、変動パターンをもとに再変動用選択テーブルTCを参照して再変動演出テーブルTS1〜TS3の何れかを選択し、選択した再変動演出テーブルに対応付けられた最初仮図柄を決定するようになっている。したがって、本実施形態では、最初仮図柄は変動パターンに対応付けられた飾図の図柄組み合わせの中から決定されるようになっている。
次に、統括制御用ROM31bに記憶された再抽選演出詳細テーブルTFについて図13にしたがって説明する。再抽選演出詳細テーブルTFは、統括制御用CPU31aが再抽選演出の詳細な演出内容を決定する際に参照するテーブルである。なお、図13の「最初仮図柄」の欄に示す「確定図柄」は、確定図柄と同一の飾図の図柄組み合わせを最初仮図柄として決定していることを示している。また、図13の「詳細1次振分用乱数」の欄に示す「−」は、詳細1次振分用乱数の値に基づく抽選を実行することなく、「再抽選演出の演出内容」の欄に記載した演出内容を再抽選演出の演出内容として決定することを示している。また、図13の「中間仮図柄」の欄に示す「最初仮図柄」は、最初仮図柄として決定された飾図と同一の飾図を中間仮図柄として決定することを示し、「−」は中間仮図柄を決定しないことを示している。また、図13に示す再抽選演出詳細テーブルTFでは、大当りの図柄組み合わせを構成する飾図のうち1つだけを示している。なお、本実施形態では、再抽選演出詳細テーブルTFに対応付けられた再抽選演出の詳細な演出内容(第1特定再抽選演出、及び第2特定再抽選演出)と中間仮図柄(最初仮図柄及び黒図柄)の組み合わせが再変動演出の具体的な演出内容を特定可能な再変動パターンとなる。そして、本実施形態では、再抽選演出詳細テーブルTFを記憶する統括制御用ROM31bが再変動パターン記憶手段として機能する。
図13に示すように、再抽選演出詳細テーブルTFには、確定図柄及び最初仮図柄の組み合わせ毎に再抽選演出の演出内容と、演出内容毎に詳細1次振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。
具体的に説明すると、再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[111]、[333]、及び[555]と、最初仮図柄としての確定図柄(即ち、赤図柄)との組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出が対応付けられている。再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[111]、[333]、及び[555]と、最初仮図柄としての青図柄([222]又は[444])との組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出、第1特定再抽選演出、及び第2特定再抽選演出が対応付けられている。再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[111]、[333]、及び[555]と、最初仮図柄としての黒図柄([666])との組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出、第1特定再抽選演出、及び第2特定再抽選演出が対応付けられている。
また、再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[777]と、最初仮図柄としての確定図柄(赤図柄)の組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出が対応付けられている。再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[777]と、最初仮図柄としての青図柄の組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出、第1特定再抽選演出、及び第2特定再抽選演出が対応付けられている。再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[777]と、最初仮図柄としての黒図柄の組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出、第1特定再抽選演出、及び第2特定再抽選演出が対応付けられている。
また、再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄[888]と、最初仮図柄としての確定図柄(即ち、赤図柄[888])の組み合わせには、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出が対応付けられている。
また、再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての青図柄([222]及び[444])、及び黒図柄([666])と、最初仮図柄としての青図柄及び黒図柄との組み合わせ(最初仮図柄が確定図柄である場合を含む)には、再抽選演出の演出内容として通常再抽選演出が対応付けられている。
そして、再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄の何れかと、最初仮図柄としての青図柄及び黒図柄の何れかとの組み合わせでは、通常再抽選演出には40個の詳細1次振分用乱数の値が、第1特定再抽選演出には60個の詳細1次振分用乱数の値が、第2特定再抽選演出には27個の詳細1次振分用乱数の値が振り分けられている。
また、再抽選演出詳細テーブルTFにおいて、確定図柄としての赤図柄と最初仮図柄としての青図柄([222]及び[444])に対応付けられた第1特定再抽選演出及び第2特定再抽選演出には、中間仮図柄として「確定図柄」及び黒図柄[666]がそれぞれ対応付けられている。そして、再変動演出の演出内容としての各特定再抽選演出に対応付けられた中間仮図柄としての確定図柄には23個の詳細2次振分用乱数の値が、中間仮図柄としての黒図柄[666]には20個の詳細2次振分用乱数の値が振り分けられている。
このような、再抽選演出詳細テーブルTFにおける詳細1次振分用乱数の値の振り分け態様から、最初仮図柄が確定図柄である場合には、必ず通常再変動演出が選択される一方、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が青図柄又は黒図柄である場合には、通常再変動演出(再々変動なし)、第1特定再抽選演出(再々変動あり)、及び第2特定再抽選演出(再々変動あり)の何れかが選択されるようになっている。このため、本実施形態では、一旦停止表示された大当りの図柄組み合わせが確変確定の赤図柄であるにもかかわらず、大当りの図柄組み合わせ(飾図)が再々変動されることで、遊技者が不安感を抱くことを抑制している。また、本実施形態では、最も高い確変期待度(本実施形態では100%)が設定された赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせを再変動させないことで、再変動にかかる処理を省略するとともに、遊技者にとっての煩わしさを軽減している。その一方で、本実施形態では、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が青図柄又は黒図柄である場合、再々変動を行う第1特定再抽選演出及び第2特定再抽選演出を選択して実行可能とし、確変非確定の青図柄からなる大当りの図柄組み合わせ又は黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせから、確変確定の赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせに変化(即ち、昇格)する機会を複数回、設けることができるようになっている。
特に、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が青図柄である場合には、中間仮図柄として最初仮図柄(青図柄)又は黒図柄[666]を選択可能となっている。中間仮図柄として黒図柄[666]が選択された場合には、最初仮図柄が青図柄、中間仮図柄が黒図柄、確定図柄が赤図柄というように、第1特定再抽選演出又は第2特定再抽選演出において、大当りの図柄組み合わせが再変動される毎に、確変期待度がより高い大当りの図柄組み合わせが導出され、遊技者の興趣を高めることができる。
また、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が黒図柄である場合には、中間仮図柄として必ず最初仮図柄(即ち、黒図柄[666])を選択するようになっている。即ち、本実施形態では、第1特定再抽選演出又は第2特定再抽選演出において、確定図柄が赤図柄である場合、中間仮図柄として赤図柄を選択することがないようになっている。このため、本実施形態では、中間仮図柄として赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせが一旦停止表示されたにもかかわらず、大当りの図柄組み合わせが再々変動されることで遊技者が不安感を抱くことを抑制している。
続けて、統括制御用CPU31aが主制御用CPU30aから変動パターン指定コマンド、及び特別図柄指定コマンドを入力した際に行う図柄変動ゲームの実行に係る制御について説明する。
統括制御基板31の統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32及び音声・ランプ制御基板33に出力する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて演出表示装置22に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾図を決定する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特図の停止図柄の種類を示す情報(制御フラグなど)を統括制御用RAM31cの所定領域に設定する。
具体的に説明すると、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターン、及び特別図柄指定コマンドで指定された特図の種類を把握するとともに、把握した変動パターン及び特図の種類をもとに確定図柄用選択テーブルTAを参照して確定図柄テーブルTK0〜TK9の中から1つの確定図柄テーブルを選択する。次に、確定図柄テーブルを選択した統括制御用CPU31aは、確定図柄振分用乱数の値を統括制御用RAM31cから取得するとともに、取得した確定図柄振分用乱数の値を基づき、選択した確定図柄テーブルを参照して確定図柄(飾図の図柄組み合わせ)を決定する。
即ち、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応付けられた飾図の図柄組み合わせの中から確定図柄を決定するようになっている。
具体的に説明すると、統括制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP2A〜P8Aの何れかが指定された場合であって且つ停止図柄(特図)としてはずれ図柄が指定された場合には、確定図柄テーブルTK1に対応付けられたリーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせの何れかを確定図柄として決定する。統括制御用CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンP11が指定された場合であって且つ停止図柄(特図)としてはずれ図柄が指定された場合には、確定図柄テーブルTK9に対応付けられたリーチ形成図柄を含むはずれの図柄組み合わせの何れかを確定図柄として決定する。
また、統括制御用CPU31aは、大当り演出用の変動パターンを指定された場合であって且つ特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、第1確変15R大当りに対応する大当り図柄(図柄A)又は第2確変15R大当りに対応する大当り図柄(図柄D)の場合、確定図柄テーブルTK2〜TK4及び確定図柄テーブルTK6〜TK8の何れかを選択し、選択した確定図柄テーブルに対応付けられた大当りの図柄組み合わせの中から確定図柄として青図柄、黒図柄、及び赤図柄のうち何れかからなる大当りの図柄組み合わせを決定する。
また、統括制御用CPU31aは、大当り演出用の変動パターンを指定された場合であって且つ特別図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、変短100回切り確変15R大当りに対応する大当り図柄(図柄C)又は非確変15R大当りに対応する大当り図柄(図柄H)の場合、確定図柄テーブルTK5又は確定図柄テーブルTK8を選択し、選択した確定図柄テーブルに対応付けられた大当りの図柄組み合わせの中から確定図柄として青図柄又は黒図柄のうち何れかからなる大当りの図柄組み合わせを決定する。
また、統括制御用CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンP1を指定された場合であって且つ停止図柄(特図)としてはずれ図柄が指定された場合には、確定図柄テーブルTK0に対応付けられたリーチ形成図柄を含まないはずれの図柄組み合わせの何れかを確定図柄として決定する。
また、統括制御用CPU31aは、再変動演出を含む変動パターンP2B〜P8Bを指定された場合、再変動演出の演出内容、及び仮図柄(最初仮図柄及び中間仮図柄)を決定する。
具体的に説明すると、統括制御用CPU31aは、指定された変動パターン及び決定した確定図柄とに基づき最初仮図柄、及び再変動演出の演出内容を決定する。即ち、まず、統括制御用CPU31aは、決定した確定図柄の種類(青図柄、黒図柄、及び赤図柄)と指定された変動パターンの種類に基づき、再変動用選択テーブルTCを参照して再変動演出テーブルTS1〜TS3の何れかを選択する。続けて統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶された再変動振分用乱数の値を取得するとともに、取得した再変動振分用乱数の値、及び決定した確定図柄の種類に基づき、再変動演出テーブルを参照して再変動演出の演出内容(逆転当り演出なしの再抽選演出又は逆転当り演出ありの再抽選演出)及び最初仮図柄の組み合わせを選択する。即ち、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに対応付けられた飾図の図柄組み合わせの中から最初仮図柄を決定するようになっている。
次に、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶された詳細1次振分用乱数の値を取得するとともに、取得した詳細1次振分用乱数の値、決定した確定図柄、及び決定した最初仮図柄に基づき、再抽選演出詳細テーブルTFを参照して再抽選演出の演出内容を決定する。また、統括制御用CPU31aは、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が青図柄である場合において、再抽選演出の演出内容として第1特定再抽選演出又は第2特定再抽選演出を選択した場合、統括制御用RAM31cから詳細2次振分用乱数の値を取得するとともに、取得した詳細2次振分用乱数の値に基づき、再抽選演出詳細テーブルTFを参照して中間仮図柄として最初仮図柄(即ち、青図柄)及び黒図柄[666]の何れかを決定する。また、統括制御用CPU31aは、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が黒図柄である場合において、再抽選演出の演出内容として第1特定再抽選演出又は第2特定再抽選演出を選択した場合、中間仮図柄として最初仮図柄(黒図柄)を決定する。なお、統括制御用CPU31aは、確定図柄が赤図柄であって且つ最初仮図柄が確定図柄(赤図柄)である場合、中間仮図柄を決定しない。
そして、確定図柄を決定した統括制御用CPU31aは、決定した確定図柄の種類を示す情報(例えば、制御フラグ)を統括制御用RAM31cの所定領域に設定する。また、飾図の確定図柄を決定した統括制御用CPU31aは、飾図の確定図柄を指示する確定図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、再変動演出の演出内容として、逆転当り演出の有無、及び再抽選演出の種類(通常再抽選演出、第1特定再抽選演出、又は第2特定再抽選演出)を決定した場合、決定した再変動演出の演出内容を指定する再変動演出内容指定コマンドを表示制御基板32及び音声・ランプ制御基板33に出力する。また、統括制御用CPU31aは、最初仮図柄を決定した場合、再変動演出内容指定コマンドと同時期に最初仮図柄を指定する最初仮図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、中間仮図柄を決定した場合、再変動演出内容指定コマンドと同時期に中間仮図柄を指定する中間仮図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32及び音声・ランプ制御基板33に出力する。
次に、統括制御用CPU31aが実行する演出モードに係る制御内容を説明する。統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aが出力する特別図柄指定コマンドで指示された大当り図柄の種類をもとに、大当り遊技終了後の演出モードの種類を決定し、該決定した演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。演出モードフラグは、現在滞在している演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御用RAM31cに設定される。統括制御用CPU31aは、演出モードフラグを設定(更新)すると、滞在中の演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板32及び音声・ランプ制御基板33に出力する。
次に、統括制御用CPU31aが実行する大当り遊技に係る制御内容を説明する。統括制御用CPU31aは、オープニングコマンド、ラウンドコマンド及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドに応じてオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した演出内容を指示する演出指示コマンドを表示制御基板32及び音声・ランプ制御基板33にそれぞれ出力する。なお、本実施形態において、統括制御用CPU31aがオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定するための制御については後に詳しく説明する。
以上のように、本実施形態では、統括制御用CPU31aが図柄決定手段、内容決定手段、演出制御手段、及びモード設定手段として機能する。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32の表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、第1飾図グループ及び第2飾図グループのうち、確定図柄指定コマンドで指定された図柄を含む飾図グループを選択し、該選択した飾図グループに属する飾図を変動させて図柄変動ゲームを実行させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに演出表示装置22に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、4ms毎)に切り替える。
また、表示制御用CPU32aは、再変動演出の演出内容を指定する再変動演出内容指定コマンド、最初仮図柄を指定する最初仮図柄指定コマンド、及び中間仮図柄を指定する中間仮図柄指定コマンドを入力した場合、入力した各指定コマンドにしたがって再変動演出(逆転当り演出、通常再抽選演出、第1特定再抽選演出、及び第2特定再抽選演出)が実行されるように演出表示装置22の表示内容を制御する。
即ち、表示制御用CPU32aは、逆転当り演出なしの通常再抽選演出が指定された場合、指定された最初仮図柄のうちリーチ形成図柄を導出して行うリーチ演出を経て最初仮図柄を一旦停止表示させた後、該一旦停止表示させた最初仮図柄を再変動させ、最終的に確定図柄を一旦停止表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、逆転当り演出なしの各特定再抽選演出が指定された場合、指定された最初仮図柄のうちリーチ形成図柄を導出して行うリーチ演出を経て最初仮図柄を一旦停止表示させた後に再変動させるとともに、指定された中間仮図柄を一旦停止表示させ、更に一旦停止表示させた中間仮図柄を再変動(縦方向又は横方向へ回転)させた後、最終的に確定図柄を一旦停止表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。
一方、表示制御用CPU32aは、逆転当り演出ありの通常再抽選演出が指定された場合、確定図柄に代えて通常再抽選演出により最初仮図柄を一旦停止表示させるとともに、一旦停止表示させた最初仮図柄を確定図柄に切り替え表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、逆転当り演出ありの特定再抽選演出が指定された場合、確定図柄に代えて特定再抽選演出により中間仮図柄を一旦停止表示させるとともに、一旦停止表示させた中間仮図柄を確定図柄に切り替え表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御する。
そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲーム中に全図柄停止コマンドを入力すると、飾り図柄指定コマンドで指示された図柄を演出表示装置22に確定停止表示させるように演出表示装置22の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU32aは、統括制御用CPU31aからオープニング演出、各ラウンド演出、及びエンディング演出の各演出内容を指定する演出指示コマンドを入力すると、指定された演出内容でオープニング演出、各ラウンド演出、及びエンディング演出が実行されるように演出表示装置22の表示内容を制御する。そして、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、その指示内容に基づき、背景画像を変化させる。本実施形態では、表示制御用CPU32aがゲーム制御手段、及び報知制御手段として機能する。
次に、統括制御用CPU31aがオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定するための制御構成について詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームで最終的な確定図柄として青図柄([222]又は[666])からなる大当りの図柄組み合わせ、又は黒図柄([666])からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合、該図柄変動ゲームの終了後に行われる大当り遊技中のラウンド演出及びエンディング演出として、今回の大当り遊技終了後に確変状態が付与されるか否かを遊技者に報知する報知演出及び状態報知演出としての昇格演出を実行可能に構成されている。本実施形態における昇格演出は、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタとが対戦(バトル)を行う態様で実行されるようになっている。そして、本実施形態の昇格演出では、味方のキャラクタが最終的に勝利した場合、大当り遊技終了後に、確変状態が付与されることを遊技者が確定的に認識できる一方で、味方のキャラクタが敗北した場合には大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性のあることを遊技者が非確定的に認識できるようになっている。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームにおいて確変状態が付与されることを確定的に認識できない青図柄又は黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として確定停止表示された場合、大当り遊技が開始された時点(図柄変動ゲームが終了した時点)で、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを確定的に認識できない確変非確定の演出状態にあるといえる。そして、本実施形態の昇格演出は、該昇格演出の実行によって確変非確定の演出状態から、大当り遊技終了後に、確変状態が付与されることを確定的に認識できる確変確定の演出状態に昇格させる遊技演出と把握することもできる。
まず、本実施形態において、昇格演出を含んで実行される場合の大当り遊技中の演出態様について、図14にしたがって説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10における大当り遊技では、まず、図14(a)に示すように、例えば「大当り」などのメッセージ画像を表示して大当り遊技が開始されることを遊技者に報知するオープニング演出が行われる。続いて、図14(b)及び(c)に示すように、オープニング演出の終了後、第1〜第7ラウンド目のラウンド遊技では、ラウンド数を示す画像(「1R」など)や所定キャラクタ画像を表示するなどの態様により各ラウンド演出が行われる。そして、図14(d)又は(g)に示すように、本実施形態の大当り遊技では、第8ラウンド目又は第11ラウンド目のラウンド遊技中に昇格演出が開始されるようになっている。なお、図14(f)に示すように、第11ラウンド目から昇格演出が開始される場合、第8〜第10ラウンド目のラウンド遊技では、第1〜第7ラウンド目のラウンド演出と同様のラウンド演出が実行されるようになっている。また、図14(e)に示すように、昇格演出が開始された後、第9〜第11ラウンド目のラウンド遊技では、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタが対峙する状況を示す画像を表示するなど、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタとの対戦結果を直接的に認識できない態様により各ラウンド演出が行なわれる。
そして、本実施形態の大当り遊技における第12〜第15ラウンド目のラウンド遊技では、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタとが対戦した後、図14(h)に示すように味方のキャラクタが勝利した状況を示す画像(例えば、味方のキャラクタがポーズをとった様子を表現した画像)を表示する態様、又は図14(i)に示すように味方のキャラクタが敗北した状況を示す画像(例えば、味方のキャラクタが倒れた様子を表現した画像)を表示する態様の何れかの態様でラウンド演出が行われる。
そして、図14(j)、(k)、及び(m)に示すように、エンディングでは、まず昇格演出の最終的な結果が報知される。具体的に説明すると、図14(j)に示すように、第12〜第15ラウンド目のラウンド演出として味方のキャラクタが勝利した場合には、エンディング演出における対戦結果の報知として、味方が「勝利」したことを報知するメッセージ画像を表示する態様でエンディング演出が行われる。また、第12〜第15ラウンド目のラウンド演出として味方のキャラクタが敗北した場合には、エンディング演出における対戦結果の報知として、図14(k)に示すように、味方が「逆転勝利」したことを報知するメッセージ画像を表示する態様、又は図14(m)に示すように、味方が「敗北」したことを報知するメッセージ画像を表示する態様でエンディング演出が行われる。
また、エンディングでは、昇格演出の最終的な結果が表示された後、図14(n)に示すように城門が開く状況を示す画像を表示し、その後、図14(p)、(q)、及び(r)に示すように、大当り遊技終了後に設定される演出モードの種類を示すメッセージ画像を表示する態様でモード報知が行われる。具体的に説明すると、図14(p)に示すように、大当り遊技終了後に高確示唆モードMSが設定される場合(即ち、変短100回切り確変15R大当り又は非確変15R大当りに当選した場合)には、高確示唆モードMSが設定される旨を報知するメッセージ画像(例えば、「高確示唆モードMS突入!」など)を表示する態様でモード報知が行われる。また、図14(q)に示すように、大当り遊技終了後に高確確定モードMK1が設定される場合(即ち、第1確変15R大当りに当選した場合)には、高確確定モードMK1が設定される旨を報知するメッセージ画像(例えば、「高確確定モードMK1突入!」など)を表示する態様でモード報知が行われる。また、図14(r)に示すように、大当り遊技終了後に高確確定モードMK2が設定される場合(即ち、第2確変15R大当りに当選した場合)には、高確確定モードMK2が設定される旨を報知するメッセージ画像(例えば、「高確確定モードMK2突入!」など)を表示する態様でモード報知が行われるようになっている。
次に、統括制御用CPU31aがラウンド遊技中に昇格演出を実行させる際に参照するテーブルについて説明する。
まず、統括制御用ROM31bに記憶されている昇格演出テーブルTGについて図15にしたがって説明する。昇格演出テーブルTGは、統括制御用CPU31aが昇格演出の演出内容(昇格演出の実行可否、及び昇格演出を開始させるラウンド遊技)を決定する際に参照するテーブルである。
図15に示すように、昇格演出テーブルTGには、飾図の確定図柄(大当りの図柄組み合わせ)の種類及び特図の大当り図柄の種類の組み合わせ毎に、昇格演出の演出内容が対応付けられているとともに、該昇格演出の演出内容毎に昇格演出振分用乱数の値が所定個数ずつ対応付けられている。なお、図15において「8R」は第8ラウンド目を、「11R」は第11ラウンド目を示している。
具体的に説明すると、昇格演出テーブルTGにおいて、確定図柄としての青図柄と、大当り図柄(特図)の図柄A及び図柄Dの何れかとの組み合わせには、昇格演出の演出内容として「バトルなし」、「8Rからバトル開始」、及び「11Rからバトル開始」が対応付けられている。本実施形態において「バトルなし」の演出内容は、ラウンド演出として昇格演出を実行しないこと(昇格演出の実行不可)を示し、「8Rからバトル開始」の演出内容は、昇格演出を実行すること(昇格演出の実行可)及び昇格演出を第8ラウンド目のラウンド遊技から開始することを示している。また、本実施形態において「11Rからバトル開始」の演出内容は、昇格演出を実行すること(昇格演出の実行可)及び昇格演出を第11ラウンド目のラウンド遊技から開始することを示している。このように、本実施形態では、昇格演出テーブルTGに基づき昇格演出の演出内容を決定することで、昇格演出の実行可及び実行不可(即ち、実行可否)を決定すると同時に、昇格演出を実行させる場合の開始ラウンドを決定できるようになっている。
また、昇格演出テーブルTGにおいて、確定図柄としての青図柄と、大当り図柄(特図)の図柄C及び図柄Hの何れかとの組み合わせには、昇格演出の演出内容として「バトルなし」、及び「8Rからバトル開始」が対応付けられている。
そして、昇格演出テーブルTGにおいて、確定図柄としての青図柄と、大当り図柄(特図)の図柄A及び図柄Dとの組み合わせに対応付けられた「バトルなし」の演出内容には11個の昇格演出振分用乱数の値が、「8Rからバトル開始」の演出内容には100個の昇格演出振分用乱数の値が、「11Rからバトル開始」の演出内容には2個の昇格演出振分用乱数の値が振り分けられている。また、確定図柄としての青図柄と、大当り図柄(特図)の図柄C及び図柄Hとの組み合わせに対応付けられた「バトルなし」の演出内容には109個の昇格演出振分用乱数の値が、「8Rからバトル開始」の演出内容には4個の昇格演出振分用乱数の値が振り分けられている。
また、昇格演出テーブルTGにおいて、確定図柄としての黒図柄([666])と、大当り図柄(特図)の図柄A及び図柄Dの何れかとの組み合わせには、昇格演出の演出内容として「8Rからバトル開始」、及び「11Rからバトル開始」が対応付けられている。また、昇格演出テーブルTGにおいて、確定図柄としての黒図柄と、大当り図柄(特図)の図柄C及び図柄Hの何れかとの組み合わせには、昇格演出の演出内容として「8Rからバトル開始」のみが対応付けられている。
そして、昇格演出テーブルTGにおいて、確定図柄としての黒図柄と、大当り図柄(特図)の図柄A及び図柄Dとの組み合わせに対応付けられた「8Rからバトル開始」の演出内容には110個の昇格演出振分用乱数の値が、「11Rからバトル開始」の演出内容には3個の昇格演出振分用乱数の値が振り分けられている。また、確定図柄としての黒図柄と、大当り図柄(特図)の図柄C及び図柄Hとの組み合わせに対応付けられた「8Rからバトル開始」の演出内容には113個の昇格演出振分用乱数の値が振り分けられている。
本実施形態では、図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる確定図柄として決定された大当りの図柄組み合わせを構成する飾図の種類に基づき、昇格演出の演出内容が決定されるようになっている。そして、本実施形態では、このような昇格演出テーブルTGにおける昇格演出振分用乱数の値の振り分け態様から、特図の大当り図柄が図柄A又は図柄Dである場合であって且つ確定図柄が青図柄である場合、102/113(90.3%)の確率で昇格演出の実行可(即ち、「8Rからバトル開始」又は「11Rからバトル開始」)が決定されるようになっている一方、11/113(9.7%)の確率で昇格演出の実行不可(即ち、「バトルなし」)が決定される。即ち、本実施形態では、特図の大当り図柄が図柄A又は図柄Dである場合であって且つ確定図柄が青図柄である場合、昇格演出の実行不可よりも昇格演出の実行可を決定し易く構成されている。また、本実施形態では、特図の大当り図柄が図柄C又は図柄Hである場合であって且つ確定図柄が青図柄である場合には、4/113(3.5%)の確率で昇格演出の実行可が決定されるようになっている一方、109/113(96.5%)の確率で昇格演出の実行不可が決定される。即ち、本実施形態では、特図の大当り図柄が図柄C又は図柄Hである場合であって且つ確定図柄が青図柄である場合、昇格演出の実行可よりも昇格演出の実行不可を決定し易く構成されている。そして、本実施形態では、確定図柄が青図柄である場合であって、特図の大当り図柄が図柄A又は図柄Dであるときには、特図の大当り図柄が図柄C又は図柄Hであるときと比較して、昇格演出の実行可が決定され易くなっている。
また、本実施形態では、特図の大当り図柄が図柄A、図柄C、図柄D、及び図柄Hの何れである場合であっても、確定図柄が黒図柄である場合には、113/113(100%)の確率で昇格演出の実行可が決定されるようになっている。即ち、本実施形態では、特図の大当り図柄が図柄A、図柄C、図柄D、及び図柄Hの何れである場合であっても、確定図柄が黒図柄である場合、昇格演出の実行可を必ず決定するようになっている。
そして、確定図柄が青図柄である場合において昇格演出の実行可が決定される確率は、「(図柄Aと図柄Dの選択率の合算値×昇格演出の実行率)+(図柄Cと図柄Hの選択率の合算値×昇格演出の実行率)」から計算され、その値は「46.9%」となる。同様の計算により、確定図柄が黒図柄である場合において昇格演出の実行可が決定される確率は、「100.0%」となる。したがって、本実施形態では、図柄変動ゲームにおいて黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として確定停止表示された場合には、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として確定停止表示された場合と比較して、大当り遊技中に昇格演出が実行され易くなっている。
また、本実施形態において、特図の大当り図柄が図柄A又は図柄Dの場合には、昇格演出の演出内容として「11Rからバトル開始」を選択可能である一方で、特図の大当り図柄が図柄C又は図柄Hの場合には、昇格演出の演出内容として「11Rからバトル開始」を選択しないように構成されている。
本実施形態では、第8ラウンド目が第1開始時期となり、第11ラウンド目が第2開始時期となる。
次に、統括制御用ROM31bに記憶されている昇格パターンテーブルTHについて図16にしたがって説明する。昇格パターンテーブルTHは、統括制御用CPU31aが昇格演出の実行可を決定した場合に、昇格演出において味方のキャラクタが勝利するか否かを含む、昇格演出の開始からエンディング演出迄の展開(大まかな演出内容)を決定する際に参照するテーブルである。
図16に示すように、本実施形態の昇格パターンテーブルTHには、味方のキャラクタが勝利するか否かを含め、昇格演出の開始からエンディング演出迄の具体的な演出内容を特定可能な昇格パターンとして、昇格パターンUP1、昇格パターンUP2、昇格パターンUP3、及び昇格パターンUP4の4種類の昇格パターンが対応付けられている。昇格パターンUP1は、味方のキャラクタが対戦相手のキャラクタを先制攻撃し、そのまま味方のキャラクタが勝利する昇格成功のパターンとされている。また、昇格パターンUP2は、対戦相手のキャラクタが味方のキャラクタを先制攻撃し、味方のキャラクタが一旦敗北するものの、エンディング演出において逆転勝利する昇格成功のパターンとされている。また、昇格パターンUP3及び昇格パターンUP4は、対戦相手のキャラクタが味方のキャラクタを先制攻撃し、そのまま味方のキャラクタが敗北する昇格失敗のパターンとされている。なお、昇格パターンUP3では、エンディング演出中において、高確確定モードMK1が設定される旨のモード報知又は高確確定モードMK2が設定される旨のモード報知がなされることで、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることを確定的に認識できるようになっており、実質的に昇格成功のパターンとなる。本実施形態では、昇格成功のパターンとなる昇格パターンUP1及び昇格パターンUP2が確定報知の演出内容となり、昇格失敗のパターンとなる昇格パターンUP4が非確定報知の演出内容となる。
そして、昇格パターンテーブルTHでは、各昇格パターンUP1〜UP4に対して特図の大当り図柄の種類毎に昇格パターン振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。具体的に説明すると、昇格パターンテーブルTHにおいて、大当り図柄(特図)が図柄A又は図柄Dの場合、昇格パターンUP1には100個の昇格パターン振分用乱数の値が、昇格パターンUP2には20個の昇格パターン振分用乱数の値が、昇格パターンUP3には17個の昇格パターン振分用乱数の値が、昇格パターンUP4には0個の昇格パターン振分用乱数の値が振り分けられている。また、昇格パターンテーブルTHにおいて、大当り図柄(特図)が図柄C又は図柄Hの場合、昇格パターンUP1〜UP3には0個の昇格パターン振分用乱数の値が、昇格パターンUP4には137個の昇格パターン振分用乱数の値が振り分けられている。
そして、本実施形態の昇格パターンテーブルTHにおける昇格パターン振分用乱数の値の振り分け態様から、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定されている場合には、120/137(87.6%)の確率で昇格成功のパターンを選択する一方で、17/137(12.4%)の確率で昇格失敗のパターンを選択するようになっている。さらに、実質的に昇格成功のパターンとなる昇格パターンUP3を昇格成功のパターンとして捉えた場合、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定されているときには、137/137(100.0%)の確率で昇格成功のパターンを選択する一方で、0/137(0.0%)の確率で昇格失敗のパターンを選択する(即ち、選択しない)ようになっている。即ち、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定されている場合には、昇格失敗のパターンよりも昇格成功のパターンを選択し易くなっている。
また、本実施形態では、特図の大当り図柄として図柄C又は図柄Hが決定されている場合、0/137(0.0%)の確率で昇格成功のパターンを選択する一方で、137/137(100.0%)の確率で昇格失敗のパターンを選択するようになっている。即ち、大当り図柄(特図)として図柄C又は図柄Hが決定されている場合には、昇格成功のパターンを選択せず、常に昇格失敗のパターンを選択するようになっている。そして、本実施形態では、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定されている場合には、大当り図柄(特図)として図柄C又は図柄Hが決定されている場合と比較して、昇格成功のパターンを選択し易くなっている。換言すれば、本実施形態では、大当り遊技後の演出モードとして確変確定モードが設定されない大当り(図柄C及び図柄H)に当選した場合には、昇格失敗のパターンを選択する一方で、大当り終了後に確変確定モードが設定される大当り(図柄A及び図柄D)に当選した場合には、昇格成功のパターン(昇格パターンUP3を含む)を選択するようになっている。
そして、本実施形態では、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合であって昇格演出の実行可が決定された場合、昇格演出により昇格成功する確率(昇格成功率)は、昇格パターンUP3を昇格成功のパターンに含めないときに「84.3%」となり、昇格成功のパターンに含めるときに「96.2%」となる。一方、本実施形態では、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合であって昇格演出の実行可が決定された場合、昇格演出により昇格成功する確率(昇格成功率)は、昇格パターンUP3を昇格成功のパターンに含めないときに「43.8%」となり、昇格成功のパターンに含めるときに「50.0%」となる。即ち、昇格演出が実行された場合において、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合には、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合よりも昇格成功のパターンとなる確率が高くなっている。
したがって、本実施形態において、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合には、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合と比較して、昇格演出が実行され難く且つ昇格演出が実行された場合には昇格成功のパターンになり易く(即ち、昇格失敗のパターンになり難く)なっている。一方、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合には、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定された場合と比較して、昇格演出が実行され易く且つ昇格演出が実行された場合には昇格失敗のパターンになり易く(即ち、昇格成功のパターンになり難く)なっている。
また、本実施形態では、特図の大当り図柄が図柄A又は図柄Dである場合にのみ昇格演出の演出内容として「11Rからバトル開始」が決定されるとともに、特図の大当り図柄が図柄A又は図柄Dである場合には、昇格成功のパターン(昇格パターンUP3を含む)が決定される一方で昇格失敗のパターンが決定されないようになっている。即ち、本実施形態では、第11ラウンド目のラウンド遊技から昇格演出が開始される場合、必ず昇格成功のパターン(昇格パターンUP3を含む)となる。したがって、本実施形態において、昇格演出の開始時期としての第11ラウンド目は、図柄A及び図柄Dが決定されていることにより昇格成功のパターンを決定する場合のみに決定可能とされており、第11ラウンド目から開始される昇格演出は、昇格成功確定の遊技演出として位置付けられている。
次に、統括制御用ROM31bに記憶されている内容振分テーブルTJについて図17にしたがって説明する。内容振分テーブルTJは、統括制御用CPU31aが昇格パターンUP1〜UP4の何れかを決定した場合に、昇格演出の詳細(具体的)な演出内容を決定する際に参照するテーブルである。
図17に示すように、内容振分テーブルTJには、昇格パターンUP1〜UP4毎に昇格演出の詳細な演出内容が対応付けられている。具体的に説明すると、内容振分テーブルTJにおいて、昇格パターンUP1には、「味方のキャラクタが[弱技]で攻撃して勝利」する演出内容と、「味方のキャラクタが[強技]で攻撃して勝利」する演出内容とが対応付けられている。また、内容振分テーブルTJにおいて、昇格パターンUP2〜UP4には、「対戦相手のキャラクタが[弱技]で攻撃して敗北」する演出内容と、「対戦相手のキャラクタが[強技]で攻撃して敗北」する演出内容とが対応付けられている。
そして、内容振分テーブルTJでは、昇格パターンUP1〜UP4毎に対応付けられた昇格演出の詳細な演出内容毎に内容振分用乱数の値が所定個数ずつ振り分けられている。本実施形態では、内容振分テーブルTJにおける内容振分用乱数の値の振分態様から、昇格パターンUP1が決定された場合には「味方のキャラクタが[強技]で攻撃して勝利」する演出内容が選択され易くなっている。また、本実施形態では、昇格パターンUP2又は昇格パターンUP3が決定された場合には、「対戦相手のキャラクタが[弱技]で攻撃して敗北」する演出内容が選択され易くなっている一方で、昇格パターンUP4が決定された場合には、「対戦相手のキャラクタが[強技]で攻撃して敗北」する演出内容が選択され易くなっている。
次に、統括制御用ROM31bに記憶されているエンディング選択テーブルTLについて図18にしたがって説明する。エンディング選択テーブルTLは、統括制御用CPU31aがエンディング演出の演出内容を決定する際に参照するテーブルである。
図18に示すように、エンディング選択テーブルTLには、昇格演出の演出内容(昇格パターンUP1〜UP4、及び昇格演出なしの何れか)と特図の大当り図柄の何れかとの組み合わせ毎に、エンディング演出の具体的な演出内容を示すエンディングパターンE1〜E10の何れかが対応付けられている。なお、図18において「−」は、エンディングパターンが対応付けられていないことを示している。
エンディングパターンE1は、昇格演出の最終結果として「勝利」を報知するとともにモード報知として「高確確定モードMK1」を報知する演出内容を示し、エンディングパターンE2は、昇格演出の最終結果として「勝利」を報知するとともにモード報知として「高確確定モードMK2」を報知する演出内容を示している。また、エンディングパターンE3は、昇格演出の最終結果として「逆転勝利」を報知するとともにモード報知として「高確確定モードMK1」を報知する演出内容を示し、エンディングパターンE4は、昇格演出の最終結果として「逆転勝利」を報知するとともにモード報知として「高確確定モードMK2」を報知する演出内容を示している。エンディングパターンE5は、昇格演出の最終結果として「敗北」を報知するとともにモード報知として「高確確定モードMK1」を報知する演出内容を示し、エンディングパターンE6は、昇格演出の最終結果として「敗北」を報知するとともにモード報知として「高確確定モードMK2」を報知する演出内容を示している。また、エンディングパターンE7は、昇格演出の最終結果として「敗北」を報知するとともにモード報知として「高確示唆モードMS」を報知する演出内容を示している。また、エンディングパターンE8は、モード報知として「高確確定モードMK1」を報知する演出内容を示し、エンディングパターンE9は、モード報知として「高確確定モードMK2」を報知する演出内容を示し、エンディングパターンE10は、モード報知として「高確示唆モードMS」を報知する演出内容を示している。
そして、エンディング選択テーブルTLでは、昇格パターンUP1と大当り図柄(特図)の図柄Aとの組み合わせにはエンディングパターンE1が、昇格パターンUP1と大当り図柄(特図)の図柄Dとの組み合わせにはエンディングパターンE2が対応付けられている。また、エンディング選択テーブルTLでは、昇格パターンUP2と大当り図柄(特図)の図柄Aとの組み合わせにはエンディングパターンE3が、昇格パターンUP2と大当り図柄(特図)の図柄Dとの組み合わせにはエンディングパターンE4が対応付けられている。
また、エンディング選択テーブルTLでは、昇格パターンUP3と大当り図柄(特図)の図柄Aとの組み合わせにはエンディングパターンE5が、昇格パターンUP3と大当り図柄(特図)の図柄Dとの組み合わせにはエンディングパターンE6が対応付けられている。エンディング選択テーブルTLでは、昇格パターンUP4と大当り図柄(特図)の図柄C又は図柄Hとの組み合わせにはエンディングパターンE7が対応付けられている。
そして、エンディング選択テーブルTLでは、昇格演出なし(即ち、昇格演出の実行不可の決定時)と大当り図柄(特図)の図柄Aとの組み合わせにはエンディングパターンE8が、昇格演出なしと大当り図柄(特図)の図柄Dとの組み合わせにはエンディングパターンE9が、昇格演出なしと大当り図柄(特図)の図柄C又は図柄Hとの組み合わせにはエンディングパターンE10が対応付けられている。
このように、本実施形態のエンディング選択テーブルTLでは、大当り遊技の直前に行われた図柄変動ゲームにおける大当り図柄(特図)の種類に対応付けられたエンディングパターンが選択されることで、大当り図柄(大当りの種類)に対応する演出モードを報知するモード報知を含んだエンディングパターンが選択されるようになっている。特に、昇格パターンUP3が選択された場合には、第15ラウンド目迄のラウンド遊技中の昇格演出で味方のキャラクタが敗北するとともに、エンディング演出でも昇格演出の最終結果として「敗北」が報知され、大当り遊技終了後に確変状態が付与されることが確定的に報知されないようになっている。しかしながら、本実施形態では、昇格演出の最終結果の報知後、必ず「高確確定モードMK1」又は「高確確定モードMK2」が設定される旨の報知がされるようになっている。
次に、統括制御用CPU31aがオープニング演出の演出内容、ラウンド演出の演出内容、及びエンディング演出の演出内容を決定する制御について説明する。
統括制御用CPU31aは、主制御用CPU30aからオープニングコマンドを入力したことを契機として、統括制御用RAM31cに記憶された情報を参照し、大当り遊技の直前に行われた大当りの図柄変動ゲームで最終的に確定停止表示させる確定図柄として決定した飾図の種類を確認する。
そして、統括制御用CPU31aは、確定図柄として決定した飾図の種類が赤図柄([111]、[333]、[555]、[777]、及び[888]の何れか)である場合、赤図柄用のオープニング演出の演出内容を決定する。また、統括制御用CPU31aは、第1〜第15ラウンド目迄の各ラウンドコマンドを入力する毎に、ラウンド演出の演出内容として昇格演出とは異なる赤図柄用の演出内容を決定する。また、統括制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、統括制御用RAM31cに記憶された情報を参照し、直前の図柄変動ゲームにおいて特別図柄指定コマンドで指定された特図の大当り図柄(停止図柄)の種類を確認する。そして、統括制御用CPU31aは、確認した特図の大当り図柄の種類と「昇格演出なし」の演出内容とに基づき、エンディング選択テーブルTLを参照してエンディングパターンE8〜E10の中から1つのエンディングパターンを決定するようになっている。
また、統括制御用CPU31aは、確定図柄として決定した飾図の種類が青図柄([222]及び[444])である場合、青図柄用のオープニング演出の演出内容を決定する。続けて、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶された情報を参照し、直前の図柄変動ゲームにおいて特別図柄指定コマンドで指定された特図の大当り図柄(停止図柄)の種類を確認するとともに、統括制御用RAM31cに記憶された昇格演出振分用乱数の値を取得する。そして、統括制御用CPU31aは、確認した大当り図柄の種類、及び取得した昇格演出振分用乱数の値に基づき、昇格演出テーブルTGを参照して昇格演出の演出内容(昇格演出の実行可否、及び実行する昇格演出の開始ラウンド)を決定する。統括制御用CPU31aは、昇格演出の実行不可(実行否)を決定した場合、第1〜第15ラウンド目迄の各ラウンドコマンドを入力する毎にラウンド演出の演出内容として昇格演出とは異なる青図柄用の演出内容を決定する。
また、統括制御用CPU31aは、確定図柄として決定した飾図の種類が黒図柄([666])である場合、黒図柄用のオープニング演出の演出内容を決定する。続けて、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに記憶された情報を参照し、直前の図柄変動ゲームにおいて特別図柄指定コマンドで指定された特図の大当り図柄(停止図柄)の種類を確認するとともに、統括制御用RAM31cに記憶された昇格演出振分用乱数の値を取得する。そして、統括制御用CPU31aは、確認した大当り図柄の種類、及び取得した昇格演出振分用乱数の値に基づき、昇格演出テーブルTGを参照して昇格演出の演出内容(昇格演出の実行可否、及び実行する昇格演出の開始ラウンド)を決定する。統括制御用CPU31aは、昇格演出の実行不可(実行否)を決定した場合、第1〜第15ラウンド目迄の各ラウンドコマンドを入力する毎にラウンド演出の演出内容として昇格演出とは異なる黒図柄用の演出内容を決定する。
そして、統括制御用CPU31aは、確定図柄として決定した飾図の種類が青図柄([222]及び[444])又は黒図柄([666])である場合であって、昇格演出の実行可を決定した場合、同時に決定した昇格演出の開始ラウンド迄の各ラウンドコマンドを入力する毎にラウンド演出の演出内容として昇格演出とは異なる青図柄用又は黒図柄用の演出内容を決定する。また、統括制御用CPU31aは、昇格演出の開始ラウンドとして第8ラウンド目を決定した場合、第8〜第11ラウンド目迄の昇格演出の演出内容として、第8〜第11ラウンド目のラウンド演出用として用意された演出内容(例えば、味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタが対峙する状況を示す画像を表示するなど)を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、第11ラウンド目のラウンド遊技を指定するラウンドコマンドを入力すると、統括制御用RAM31cに記憶された情報を参照し、直前の図柄変動ゲームにおいて特別図柄指定コマンドで指定された特図の大当り図柄(停止図柄)の種類を確認するとともに、統括制御用RAM31cに記憶された昇格パターン振分用乱数の値を取得する。そして、統括制御用CPU31aは、確認した特図の大当り図柄の種類、及び取得した昇格パターン振分用乱数の値に基づき、昇格パターンテーブルTHを参照して昇格パターンUP1〜UP4の何れかを決定する。続けて、統括制御用CPU31aは、第12ラウンド目のラウンド遊技を指定するラウンドコマンドを入力すると、統括制御用RAM31cに記憶された内容振分用乱数の値を取得するともに、取得した内容振分用乱数の値及び決定した昇格パターンの種類とに基づき、内容振分テーブルTJを参照して第12〜第15ラウンド目のラウンド演出の演出内容として昇格演出の詳細(具体的)な演出内容を決定する。
また、統括制御用CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、統括制御用RAM31cに記憶された情報を参照し、直前の図柄変動ゲームにおいて特別図柄指定コマンドで指定された特図の大当り図柄(停止図柄)の種類を確認する。そして、統括制御用CPU31aは、確認した特図の大当り図柄の種類と決定した昇格パターンの種類とに基づき、エンディング選択テーブルTLを参照してエンディングパターンE1〜E7の中から1つのエンディングパターンを決定する。
本実施形態では、統括制御用CPU31aが演出内容決定手段、報知演出決定手段、及び開始時期決定手段として機能する。
以上説明したように、上記実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態において、大当り遊技終了後に確変状態が付与される可能性があることを非確定的に認識可能な確変非確定の図柄には、青図柄及び黒図柄が含まれているとともに、確変非確定の図柄の種類毎に、大当り遊技中における昇格演出の実行可の決定し易さ、及び昇格演出の演出内容として昇格成功のパターンの決定し易さが異ならされている。このような構成から、本実施形態では、飾り図柄変動ゲームで大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された時点(即ち、大当り遊技の開始時点)に、大当りの図柄組み合わせを構成する飾図が青図柄であるか黒図柄であるかによって、その後に行われる大当り遊技中において昇格演出が実行されるか否か、及び昇格演出が昇格成功のパターンで行われるか否かの可能性を遊技者に把握させることができる。
(2)そして、本実施形態では、大当りの図柄組み合わせを構成する飾図が黒図柄である場合には昇格演出が実行され易い一方で、青図柄の場合には昇格演出が実行され難いものの実行されれば昇格成功のパターンで実行される可能性が高く、何れの確変非確定の図柄であっても遊技者の興趣を高め得るようになっている。したがって、本実施形態によれば、大当りの図柄変動ゲームの終了時に確定停止表示された確変非確定の図柄により、大当り遊技中の昇格演出の演出内容(即ち、昇格演出の展開)を示唆することで昇格演出に対する遊技者の期待感を高めることができる。
(3)大当り遊技中において昇格演出を開始させる時期として第8ラウンド目及び第11ラウンド目のラウンド遊技を設定するとともに、第11ラウンド目のラウンド遊技で昇格演出が開始される場合、必ず昇格成功のパターン(昇格パターンUP3を含む)で昇格演出が行われる。したがって、本実施形態では、第8ラウンド目から昇格演出が開始されなかったとしても、さらに第11ラウンド目に昇格演出が開始されることに期待させることができる。特に、本実施形態では、昇格演出が実行され難い青図柄による大当りの図柄組み合わせでの大当りであったとしても、昇格演出が開始されることに対する遊技者の期待感が低下することを抑制できる。
(4)大当り遊技終了後に高確確定モードMK2が設定される第2確変15R大当りに当選した場合には、青図柄よりも黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定され易い。また、黒図柄(黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせ)は、昇格演出が実行され易い確変非確定の図柄である。このため、本実施形態では、飾り図柄変動ゲームで黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された状況から、大当り遊技中に昇格演出が行われ、その後、高確確定モードMK2が設定される可能性のあることを遊技者に認識させることができる。一方、本実施形態では、飾り図柄変動ゲームで青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された状況から、大当り遊技中に昇格演出が行われにくく、その後、高確確定モードMK2とは異なる演出モードが設定される可能性のあることを遊技者に把握させることができる。したがって、本実施形態によれば、飾り図柄変動ゲームで確定停止表示された大当りの図柄組み合わせを構成する飾図の種類により、大当り遊技中の昇格演出の演出内容(即ち、昇格演出の展開)に加えて、大当り遊技後の演出モード(即ち、当り遊技終了後の展開)を示唆することができる。
(5)また、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として確定停止表示された場合であっても、大当り遊技中に昇格演出が実行されれば、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として確定停止表示された場合よりも、昇格成功のパターンとなる可能性が高く、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として確定停止表示された際に遊技者の期待感が損なわれることを抑制できる。
(6)統括制御用CPU31aは、昇格パターンUP3を決定した場合、エンディング演出の演出内容として、当選した大当りの種類(大当り図柄の種類)に対応する演出モードが設定される旨のモード報知を含むエンディングパターンを決定する。このため、第1確変15R大当り又は第2確変15R大当りであるにもかかわらず、昇格演出が昇格成功のパターンで実行されなかった場合であっても、大当りの種類に対応し、パチンコ遊技機10の遊技状態が確変状態であることを確定的に認識可能な高確確定モードMK1又は高確確定モードMK2が設定される旨を報知することができる。
(7)統括制御用CPU31aは、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定された場合には、青図柄よりも黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせを決定し易い一方で、大当り図柄(特図)として図柄Hが決定された場合には、黒図柄よりも青図柄からなる大当りの図柄組み合わせを決定し易い。このため、本実施形態では、黒図柄を青図柄と比較して確変状態が付与される可能性の高い飾図として位置付けることができる。
(8)そして、統括制御用CPU31aは、昇格演出の実行可を決定した場合であって、大当り図柄(特図)として図柄A又は図柄Dが決定されているときには、昇格成功のパターンを決定可能である一方、大当り図柄(特図)として図柄C又は図柄Hが決定されているときには昇格失敗のパターンを決定することで、昇格演出の演出内容と付与される遊技状態とを確実に整合させることができる。
(9)本実施形態の飾図には確変状態が付与されることを確定的に認識できる確変確定の赤図柄と、確定的に認識できない確変非確定の青図柄及び黒図柄とを設けた。そして、本実施形態の再変動演出では、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせから赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせに昇格する状況の他、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせから、より確変期待度が高い黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせに昇格する状況を作り出すことができる。このため、本実施形態では、再変動演出によって確変確定の赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせに昇格しないまでも、青図柄(確変期待度が低い)から黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせ(確変期待度が高い)へ昇格し得ることで、今回の大当りが確変大当りである可能性の高低を遊技者に把握させることができる。そして、再変動演出において赤図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されなかったとしても、遊技者の期待感を高めることができる。
(10)統括制御用CPU31aは、まず確定図柄及び最初仮図柄を決定し、決定した確定図柄及び最初仮図柄の組み合わせに応じて、大当りの図柄組み合わせを再変動させる再変動回数と中間仮図柄を決定する。このため、本実施形態では、最初仮図柄と確定図柄に応じた中間仮図柄、及び再変動回数で再変動演出を実行することができる。
(11)また、統括制御用CPU31aは、決定した最初仮図柄及び確定図柄に基づき、再変動演出テーブルTS1〜TS3を参照して、再抽選演出の詳細な演出内容及び中間仮図柄の組み合わせを選択することによって、再抽選演出の詳細な演出内容と中間仮図柄とを簡便に選択し、制御負担を軽減することができる。
(12)統括制御用CPU31aは、変動パターンに基づき図柄変動ゲームで導出する大当りの図柄組み合わせ(確定図柄及び最初仮図柄)を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した大当りの図柄組み合わせを構成する飾図の種類に基づき再変動演出の演出内容、及び昇格演出の演出内容を決定するようにした。このため、本実施形態では、変動パターンに対応付けられた図柄変動ゲームの演出内容と、図柄変動ゲームで導出される大当りの図柄組み合わせとを対応付けることができるとともに、図柄変動ゲームで導出される大当りの図柄組み合わせと再変動演出及び昇格演出の演出内容とを対応付けることができる。このため、本実施形態では、図柄変動ゲームの演出内容と、図柄変動ゲームで導出される大当りの図柄組み合わせとから、該大当りの図柄組み合わせの導出後に実行される再変動演出及び大当り遊技中の昇格演出の演出内容(即ち、その後の遊技演出の展開)を遊技者に想起させることができる。
(13)本実施形態では、最初仮図柄(仮の大当りの図柄組み合わせ)を変動パターンに基づき決定する。このため、図柄変動ゲームの演出内容と、再変動演出における最初仮図柄の種類とを対応付けることができる。したがって、図柄変動ゲームの演出内容と一旦停止表示された最初仮図柄とから、再変動演出の演出内容(その後の遊技演出の展開)を遊技者に想起させることができる。
(14)また、本実施形態では、再変動演出を実行する場合に、最初仮図柄に加えて確定図柄を変動パターンに基づき決定する。このため、本実施形態では、図柄変動ゲームの演出内容と、再変動演出における最初仮図柄及び確定図柄とを対応付けることができる。このため、図柄変動ゲームの演出内容に即した最初仮図柄及び確定図柄の組み合わせで再変動演出を実行し得る。
(15)本実施形態では、赤図柄のうち[8]からなる大当りの図柄組み合わせを、変動パターンP2B(スベリ+ノーマルリーチ)が決定された場合に選択可能な確定図柄テーブルTK2のみに対応付けた。このため、赤図柄のうち[8]からなる大当りの図柄組み合わせは、変動パターンP2Bに基づいて行われる飾り図柄変動ゲームのみで導出可能な飾図とすることができる。したがって、本実施形態では、特に、図柄変動ゲームの演出内容と図柄(飾図)との関連が深い遊技演出を実現することができる。
(16)大当り遊技終了後に高確確定モードMK2が設定される第2確変15R大当りに当選した場合には、黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として決定され易く、結果として黒図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定図柄として導出された場合には、大当り遊技終了後の演出モードとして高確確定モードMK2が設定され易い。このため、本実施形態では、黒図柄を高確確定モードMK2に移行され易い特別な飾図として位置付けることができる。
なお、上記実施形態は、以下の様に変形してもよい。
・上記実施形態において、特定の変動パターンで特定可能なリーチ演出(スーパーリーチ)で登場するキャラクタ(識別情報)と同一のキャラクタを示す識別情報を付加して飾図を形成するとともに、特定の変動パターンが選択された際に、該特定の変動パターンで特定可能なリーチ演出で登場するキャラクタと同一のキャラクタを示す識別情報が付加された飾図からなる大当りの図柄組み合わせを確定図柄として決定し易く構成してもよい。このように構成すれば、変動パターンで特定可能な図柄変動ゲームの演出内容と、確定停止表示される確定図柄との関連性をさらに深めることができる。
・上記実施形態において、大当り演出用の変動パターンには、再変動演出を行わない演出内容を特定する変動パターンを含んでいてもよい。
・上記実施形態において、再変動演出の演出内容として、逆転当り演出ありの再抽選演出及び逆転当り演出なしの再抽選演出の何れかを選択可能としたが、逆転当り演出ありの再抽選演出及び逆転当り演出なしの再抽選演出の何れかのみを実行可能としてもよく、また更に異なる態様による再変動演出を実行可能に構成してもよい。
・上記実施形態において、昇格演出を開始させるラウンド遊技のラウンドは、第8ラウンド目及び第11ラウンド目以外のラウンドに設定してもよい。
・上記実施形態において、昇格演出を開始するラウンドとして、第8ラウンド目及び第11ラウンド目の2種類に設定したが、1種類のラウンドのみを設定してもよく、3種類以上のラウンドを設定してもよい。
・上記実施形態において、各テーブルにおける各乱数の値の振り分け態様は適宜変更してもよい。即ち、青図柄<黒図柄<赤図柄の順に確変期待度が高くなるようにすればよい。また、青図柄からなる確定図柄が決定された場合には、黒図柄からなる確定図柄が決定された場合と比較して、昇格演出の実行可が決定され難く且つ昇格演出が実行された場合には昇格成功のパターンとなり易く構成するとともに、黒図柄からなる確定図柄が決定された場合には、青図柄からなる確定図柄が決定された場合と比較して、昇格演出の実行可が決定され易く且つ昇格演出が実行された場合には昇格成功のパターンとなり難くなるように構成されておればよい。
・上記実施形態において、図15に示す昇格演出テーブルTGは、確定図柄としての青図柄と、大当り図柄(特図)の図柄C及び図柄Hとの組み合わせに対応付けた「8Rからバトル開始」の演出内容に対して昇格演出振分用乱数の値を振り分けないようにしてもよい。このように構成すれば、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合であって、且つ昇格演出が実行された場合には、必ず昇格成功のパターンとなる。このため、図柄変動ゲームにおいて、青図柄からなる大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された場合であっても、遊技者の期待感を損なうことを抑制できる。
・上記実施形態において、高確確定モードMK2に滞在中であっても再変動演出を実行するように構成してもよい。この場合、高確確定モードMK2で選択可能な変動パターンP9及び変動パターンP10を、再変動演出を実行可能な変動パターンとして位置付ければよい。
・上記実施形態において、再変動演出として仮の大当りの図柄組み合わせを再変動させる回数として1回及び2回を設定したが、これに代えて又は加えて3回以上を設定してもよく、また1回のみとしてもよい。
・上記実施形態において、統括制御用CPU31aが主制御用CPU30aにより指定された変動パターンに基づき確定図柄及び最初仮図柄を決定するようにしたが、表示制御用CPU32aが変動パターンに基づき確定図柄及び最初仮図柄を決定するように構成してもよい。この場合、統括制御基板31を省略してもよい。また、この場合には、統括制御用CPU31aが変動パターンに基づき、図柄変動ゲームの具体的な演出内容を特定可能な演出内容パターンを決定して表示制御用CPU32aに指示するとともに、表示制御用CPU32aが、統括制御用CPU31aから指示された演出内容パターンに基づき確定図柄及び最初仮図柄を決定するようにしてもよい。
・上記実施形態において、演出表示装置22で表示可能な飾図は、赤図柄、青図柄、及び黒図柄としたが、さらに金(黄)図柄など異なる基調色を設定した飾図を設けてもよい。この場合には、金図柄を赤図柄と同様に確変確定の図柄とするとともに、金図柄と赤図柄とで大当りの図柄組み合わせが導出された際に遊技者が認識可能な利益の高さを異ならせてもよい。例えば、確変大当り遊技の種類として規定ラウンド数を7ラウンドに設定した確変7R大当りを更に設けるとともに、赤図柄を確変7R大当り又は確変15R大当りの何れかであることを認識可能な飾図とし、金図柄を、確変15R大当りを確定的に認識可能な飾図としてもよい。更に、この場合には、逆転当り演出ありの特定再抽選演出を構成する再変動、再々変動、及び逆転当り演出を経て、大当りの図柄組み合わせを構成する飾図を、青図柄→黒図柄→赤図柄→金図柄の順に変化(昇格)させるようにしてもよい。
・上記実施形態において、確変非確定の図柄として青図柄と黒図柄を設定したが、確変非確定の図柄として青図柄及び黒図柄とは異なる基調色を設定した飾図をさらに設けてもよい。この場合、確変非確定の図柄の中で図柄毎に確変期待度を異ならせることで、確変非確定の図柄の中で複数の昇格パターンを設けることができる。
・上記実施形態において、赤図柄、青図柄、及び黒図柄に設定した基調色に代えて、白色や緑色など異なる基調色を設定してもよい。また、設定した基調色により確変確定の図柄及び確変非確定の図柄として識別可能に構成することに代えて、所定の付加情報(例えば、キャラクタや記号など)を付加することで識別可能としてもよい。
・上記実施形態において、赤図柄、青図柄、及び黒図柄の種類数、及び飾図の種類数の全体に占める割合は、適宜変更してもよい。
・上記実施形態において、2つの飾図グループを設けたが、1つの飾図グループのみとして全ての演出モードで同一の飾図グループに属する図柄を用いて図柄変動ゲームを実行するようにしてもよい。また、3つ以上の飾図グループを設けてもよく、また、全ての演出モードで異なる飾図グループに属する図柄を用いて図柄変動ゲームを実行するようにしてもよい。
・上記実施形態において、飾図は、数字図柄としたが、所定のキャラクタや記号により構成してもよい。
・上記実施形態において、確定図柄テーブルTK0〜TK9では複数の確定図柄を対応付けたが、1つの確定図柄のみを対応付けた確定図柄テーブルを設けてもよい。
・上記実施形態において、大当りの種類は適宜変更してもよい。例えば、確変2R大当りや、非確変2R大当りを設けてもよい。さらに、大当りの他に小当りを設けてもよい。
・上記実施形態において、演出モードの種類は2種類、3種類、及び5種類以上としてもよい。
・上記実施形態では、1つの大当り種に対して1種類の演出モードを対応付けたが、1つの大当り種に対して複数のモードを対応付けてもよい。
・上記実施形態において、飾り図柄変動ゲームは1列や2列、あるいは4列以上の図柄列を変動させて行ってもよい。
・上記実施形態において、昇格演出を味方のキャラクタと対戦相手のキャラクタとの対戦(バトル)を模して構成したが、異なる態様により実行してもよい。例えば、昇格演出として、花火を打ち上げるミニゲームを実行するように構成し、昇格成功のパターンとして「打ち上げた花火が開く」演出内容を設定し、昇格失敗のパターンとして「打ち上げた花火が開かない」演出内容を設定するようにしてもよい。
・本実施形態において、演出表示装置22を液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型や7セグメントLED型の演出表示装置としてもよく、ドラム型などの機械式の演出表示装置としてもよい。
・本実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別例(変形例)から把握できる技術的思想について、以下に追記する。
(イ)前記演出内容決定手段は、前記当り種決定手段が前記非特定当りを決定した場合であって、前記図柄決定手段が前記第1非特定図柄を決定した場合には、前記報知演出の実行可を決定しないとともに、前記当り種決定手段が前記特定当りを決定した場合であって、前記図柄決定手段が前記第1非特定図柄を決定した場合には、前記報知演出の実行可を決定した際に、前記報知演出の演出内容として前記確定報知の演出内容を常に決定する請求項3〜請求項5のうち何れか一項に記載の遊技機。