以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図18にしたがって説明する。
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を保護するための保護ガラスが装着されるガラス枠を備えた前枠14と、上球皿15がそれぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、発光体(LED、ランプなど)の発光(点灯(点滅))により、発光演出を実行する装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部には、各種音声を出力し、音声出力に基づく遊技演出を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作して、該発射装置19を駆動させることにより、上球皿15内の遊技球が遊技盤13の遊技領域13aへ発射されるようになっている。
図2に示すように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央には、各種の表示器や各種の飾りを施した演出表示装置20が装着されている。また、演出表示装置20の右下部には、特別図柄(特図)を変動させて行う図柄変動ゲームを表示する表示装置としての特図表示器H0が配設されている。なお、特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。また、演出表示装置20の略中央には、表示装置としての可変表示器H2が設けられている。可変表示器H2には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において可変表示器H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、可変表示器H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(以下、飾図と示す)を用いて行われる。
また、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲームが実行される。さらに、可変表示器H2では、特図表示器H0で実行される図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。なお、特図表示器H0と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、特図と飾図が同時に確定停止表示される)。そして、可変表示器H2と特図表示器H0には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り又ははずれを認識し得る図柄が確定停止表示される。
本実施形態において特図表示器H0には、複数種類の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。本実施形態における複数種類の特図は、大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得るはずれ図柄とに分類される。
そして、可変表示器H2の図柄変動ゲームは、実行中の特図表示器H0の図柄変動ゲームの変動表示結果に対応付けて実行され、特図の変動表示結果に対応する飾図の変動表示結果を導出する。具体的に言えば、可変表示器H2には、大当り抽選に当選している場合、特図表示器H0に導出される大当り図柄に対応する飾図の図柄組み合わせが確定停止表示される。大当り図柄に対応する飾図の図柄組み合わせには、例えば、全列(3列)の飾図が同一の飾図からなる組み合わせ([111]など)がある。一方、可変表示器H2には、大当り抽選に当選していない場合、特図表示器H0に導出されるはずれ図柄に対応する飾図の図柄組み合わせが確定停止表示される。はずれ図柄に対応する飾図の図柄組み合わせには、例えば、全列(3列)の飾図が同一の飾図とはならない組み合わせ([124]など)や、2列の飾図が同一の飾図であって、1列の飾図が異なる飾図となる組み合わせ([221]や[112]など)がある。本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に、[1]〜[9]までの数字を模した図柄が飾図として表示されるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10では、可変表示器H2の表示領域(画像表示面)を特図表示器H0の表示領域よりも大きく形成し、可変表示器H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特図表示器H0よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる可変表示器H2の表示内容に注目し、該可変表示器H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。また、本実施形態において、可変表示器H2の図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って各列が変動表示される。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に変動が停止するようになっている。変動の停止によって表示された左図柄と右図柄が同一図柄の場合には、リーチが形成され、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチを認識し得る。リーチは、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の図柄が同一図柄となって表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)が変動表示されている状態である。
また、図1,2に示すように、演出表示装置20の下方には、常時遊技球が入球可能な入球口25aを有する上始動入賞口25が配設されている。上始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口センサSE1(図4に示す)が設けられている。上始動入賞口25は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得るとともに、所定球数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、上始動入賞口25の下方には、遊技球が入球可能な入球口27aと、普通電動役物ソレノイドSOL1(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉羽根(普通電動役物)26とを備えた下始動入賞口27が配設されている。図2では、開状態とされた開閉羽根26を実線で示し、閉状態とされた開閉羽根26を2点破線で示す。一方、下始動入賞口27の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口センサSE2(図4に示す)が設けられている。下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得るとともに、所定球数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。また、下始動入賞口27の入球口27aは、通常、開閉羽根26が閉状態とされることで閉鎖され、入球不能な状態(入球が規制された状態)となっている。そして、入球口27aは、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26が閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回、予め定めた開放時間の間、開放される。つまり、入球口27aが開放されている状態において遊技球が入球可能な状態(入球が許容された状態)となる。上始動入賞口25と下始動入賞口27は、遊技盤13の遊技領域13aに発射される遊技球の流下方向(上下方向)に沿って並設されている。
また、図1に示すように、下始動入賞口27の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉28を備えた大入賞口29が配設されている。大入賞口29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図4に示す)が設けられている。大入賞口29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉28が開動作することで大入賞口29が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、大入賞口29への遊技球の入球個数に応じた賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、賞球獲得のチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉28の開動作により大入賞口29が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数(上限ラウンド回数)を上限(本実施形態では15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技が開始してから予め定めたラウンド遊技時間が経過したこと、及び1回のラウンド遊技において予め定めた入球上限個数の遊技球が入球したことの何れかの終了条件を満たすことにより終了する。また、1回のラウンド遊技終了後は、予め定めたインターバル時間を挟んで次回のラウンド遊技が行われる。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、図2に示すように、演出表示装置20において特図表示器H0の右側には、保留表示器Rが配設されている。保留表示器Rは、上始動入賞口25及び下始動入賞口27に入球し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、保留表示器Rの表示内容によって保留されている図柄変動ゲームの回数が報知される。保留記憶数は、上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、図柄変動ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、図柄変動ゲーム中に、上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入球すると保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、保留表示器Rは、第1保留ランプR1、第2保留ランプR2、第3保留ランプR3、及び第4保留ランプR4からなる複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、第1保留ランプR1が点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知している。
また、図1に示すように、演出表示装置20の左側には、7セグメント型の普通図柄表示器H10が配設されている。そして、普通図柄表示器H10では、図柄変動ゲームに用いる図柄(特図及び飾図)とは異なる、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合もある)を変動させて普図を導出する普通図柄変動ゲームが実行されるようになっている。以下、普通図柄変動ゲームを「普図ゲーム」と示す場合もある。本実施形態では、普図ゲームで1つの普図を導出し、該普図の種類を「0」,「1」の2種類としている。
遊技者は、普図ゲームで最終的に確定停止表示された普図から普図当り又は普図はずれを認識できる。普通図柄表示器H10に確定停止表示された普図が「1」の場合には、普図当りを認識できる。この普図当りを認識できる普図が当りの表示結果となる。普図当りの表示結果が確定停止表示された場合、遊技者には、普図当り遊技状態が付与される。また、普通図柄表示器H10に確定停止表示された普図が「0」である場合には、その普図から普図はずれを認識できる。この普図はずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
また、図1に示すように、演出表示装置20の左方には、作動ゲート23が配設されている。作動ゲート23の奥方には、入球通過した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図4に示す)が設けられている。作動ゲート23は、遊技球の入球検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、下始動入賞口27の開閉羽根26を開状態とするか否か(下始動入賞口27に遊技球を入球可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。前述したように、下始動入賞口27は、開閉羽根26により通常は入球口27aが閉鎖された状態となっているが、普図当り遊技状態が付与されると、開閉羽根26が開放されることにより開状態となり、遊技球を入球させることができる。即ち、前述した特定の開放条件は、普図当り抽選への当選となる。そして、普図当り遊技状態が付与されると、開閉羽根26の開放によって下始動入賞口27に遊技球を入球させやすくなる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。確変状態は、次回大当りが生起される迄の間、付与される。また、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。一方、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。
また、本実施形態のパチンコ機10では、可変表示器H2に表示される飾図のうち、奇数図柄によって形成される大当りの図柄組み合わせ[111]、[333]、[555]、[777]、及び[999]が、確変大当りを確定的に認識し得る図柄組み合わせ(確変確定の大当り図柄(特定図柄))として設定されている。一方、本実施形態のパチンコ機10では、可変表示器H2に表示される飾り図柄のうち、偶数図柄によって形成される大当りの図柄組み合わせ[222]、[444]、[666]、及び[888]が、確変大当り及び非確変大当りの何れかであることを認識し得る図柄組み合わせ(確変非確定の大当り図柄(非特定図柄))として設定されている。すなわち、飾図による大当りの図柄組み合わせ[111]、[333]、[555]、[777]、及び[999]は、確変大当りが決定されている場合に可変表示器H2の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。また、飾図による大当りの組み合わせ[222]、[444]、[666]、及び[888]は、確変大当り及び非確変大当りの何れが決定されている場合でも、可変表示器H2の図柄変動ゲームで導出可能な組み合わせとされている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、作動ゲート23の通過に基づく普図ゲームの抽選確率(当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する変短状態を特典として付与する機能である。また、変短状態が付与されている場合と変短状態が付与されていない場合とで下始動入賞口27の開閉羽根26は、普図ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。例えば、本実施形態では、変短状態が付与されていない時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから0.3(秒)経過するまで開放状態を維持するようになっている。一方、変短状態が付与されている時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が開放する回数が3回に増加するとともに、1回の開放において開放してから1.4(秒)(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根26は、変短状態が付与されている場合、変短状態が付与されていない状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。変短状態中は、開閉羽根26が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの下始動入賞口27への遊技球の入球率が向上するため、変短状態は入球率向上状態となる。変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが実行される迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。なお、変短状態が付与される前記回数は、大当りに当選した時の遊技状態に応じて変化する。
次に、本実施形態のパチンコ機10に規定する大当り遊技について、図3に基づき詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ機10では、大当り抽選に当選した場合、図3に示す複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、複数種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。
本実施形態において特図表示器H0に表示される100種類の特図の大当り図柄は、図3に示すように、図柄a、図柄b、及び図柄cの3つのグループに分類される。具体的には、図柄aには50種類の大当り図柄が分類されている一方で、図柄b,cには25種類の大当り図柄が分類されている。
図柄aに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する(大当り抽選の抽選確率状態を高確率抽選状態とする)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄aに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技を「通常確変大当り遊技」と示す。通常確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「9球」に設定されている。
また、通常確変大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口29の大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。また、通常確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで変短状態が付与されるようになっている。なお、図3では、確変状態が付与されてから次回の大当りが生起されるまで変短状態が付与される場合を「リミット無し」と表記している。
図柄bに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する15ラウンド大当り遊技である。図柄bに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技は、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与される。また、それと共に、大当り遊技終了後、100回の図柄変動ゲームが終了するまで変短状態が付与されるようになっている。以下、図柄bに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技を「100回変短付き確変大当り遊技」と示す。100回変短付き確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「9球」に設定されている。また、100回変短付き確変大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口29の大入賞口扉28を「1回」開放させるように設定されている。
図柄cに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する、又は大当り抽選の抽選確率状態を低確率抽選状態とする)15ラウンド大当り遊技である。以下、図柄cに分類される大当り図柄が特図表示器H0に表示されたときに付与される大当り遊技を「非確変大当り遊技」と示す。また、非確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「9球」に設定されている。また、非確変大当り遊技における15回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において大入賞口29(の大入賞口扉28)を「1回」ずつ開放させるように設定されている。また、非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態が付与されずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として変短状態が付与されるようになっている。
本実施形態では、通常確変大当りが第1確変大当りとなり、100回変短付き確変大当りが第2確変大当りとなる。
次に、パチンコ機10の制御構成について図4に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ16の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31、及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の順序で実行することができるメインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、メインCPU30aの制御プログラムを格納するROM30b、及び必要なデータの書き込み及び呼び出しができるRAM30cが接続されている。また、メインCPU30aには、上始動口センサSE1と、下始動口センサSE2と、ゲートセンサSE4と、カウントスイッチSW3が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H0、普通図柄表示器H10、及び保留表示器Rが接続されている。また、メインCPU30aには、普通電動役物ソレノイドSOL1と、大入賞口ソレノイドSOL2とが接続されている。
メインCPU30aは、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、普図用の当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に順次更新している。そして、メインCPU30aは、更新後の値をRAM30cの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。大当り判定用乱数は、大当りとするか否かの大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。また、大当り図柄用乱数は、大当りの場合に特図表示器H0に確定停止表示させる特図を決定する際に用いる乱数であり、各大当り図柄に所定個数ずつ振り分けられている。また、普図用の当り判定用乱数は、普図当りとするか否かの普図当り抽選(普図当り判定)で用いる乱数である。また、本実施形態のメインCPU30aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
ROM30bには、パチンコ機10を制御するためのメイン制御プログラム、各種判定値(大当り判定値、普図当り判定値など)、複数種類の変動パターン等が記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから該ゲームが終了する迄の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。そして、変動パターンには、該変動パターン毎に遊技演出の演出時間(変動時間)が定められている。
変動パターンは、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンと、大当り抽選に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンとからなる。はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成した後に最終的にはずれとするリーチありの変動パターン(はずれリーチ演出用の変動パターン)と、リーチを形成せずにはずれとするリーチなしの変動パターン(はずれ演出用の変動パターン)とがある。
図5は、本実施形態のパチンコ機10において選択可能な変動パターンの一部を示している。
本実施形態では、はずれ演出用の変動パターンとして、3種類の変動パターンP1,P2,P9が用意されている。これらの変動パターンP1,P2,P9は、変動内容が「通常変動」、「短縮変動」、及び「超短縮変動」とされている。「通常変動」は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。「短縮変動」は、「通常変動」よりも変動時間が短く設定され、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。「超短縮変動」は、変短状態専用のはずれ演出であるとともに、「短縮変動」よりも変動時間が短く設定され、各列の変動をほぼ同一のタイミングで停止させて各列に図柄を導出させるはずれ演出である。そして、本実施形態において変動パターンP1,P2,P9の変動時間は、変動パターンP1(変動時間TA)よりも変動パターンP2(変動時間TB)の方が短く、変動パターンP2よりも変動パターンP9(変動時間TC)の方が短くなっている。また、本実施形態において変動パターンP1,P2は、図柄変動ゲームの開始に伴って減算された始動保留記憶数(0〜3)に応じて選択される。
変動パターンP3,P5,P7は、はずれリーチ演出用の変動パターンとされている。また、変動パターンP4,P6は、通常確変大当り、100回変短付き確変大当り、及び非確変大当りのうちいずれかに当選した場合に選択可能な大当り演出用の変動パターンとされている。ただし、通常確変大当りに当選した場合、変動パターンP4は選択され難くなっている。一方、変動パターンP8は、通常確変大当りに当選した場合に選択可能な大当り演出用の変動パターンとされている。また、変動パターンP3〜P8の変動時間は、変動パターンP3,P4(変動時間T1)よりも変動パターンP5,P6(変動時間T2)のほうが長く、変動パターンP5,P6よりも変動パターンP7,P8(変動時間T3)の方が長くなっている。また、変動パターンP3,P4には、リーチ演出の演出内容として同一の内容(本実施形態ではキャラクタK1をテーマとした内容)が設定されている一方で、変動パターンP5,P6には、リーチ演出の演出内容として同一の内容(本実施形態ではキャラクタK2をテーマとした内容)が設定されている。また、変動パターンP7,P8には、リーチ演出の演出内容として同一の内容(本実施形態ではキャラクタK3をテーマとした内容)が設定されている。
大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。さらに、大当り判定値は、遊技状態が非確変状態(低確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる低確率用の大当り判定値と、遊技状態が確変状態(高確率抽選状態)の時の大当り抽選で用いる高確率用の大当り判定値とがある。本実施形態のパチンコ機10では、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から、低確率用の大当り判定値として2個の値を設定しており、非確変状態時に大当り判定が肯定判定される割合、すなわち、大当り抽選の当選確率は600分の2(300分の1)となる。また、高確率用の大当り判定値として20個の値を設定しており、確変状態時に大当り判定が肯定判定される割合、すなわち、大当り抽選の当選確率は600分の20(30分の1)となる。
普図当り判定値は、普図当り抽選で用いる判定値であり、普図用の当り判定用乱数の取り得る値の中から定められている。そして、普図当り判定値は、遊技状態が非変短状態の時の普図当り抽選で用いる低確率用の普図当り判定値と、遊技状態が変短状態の時の普図当り抽選で用いる高確率用の普図当り判定値とがある。例えば、普図用の当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「250」までの全251通りの整数に設定し、その値の中から、低確率用の普図当り判定値として1個の値を設定した場合、非変短状態時に普図当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は251分の1となる。また、高確率用の普図当り判定値として250個の値を設定した場合、変短状態時に普図当り判定が肯定判定される割合、すなわち当選確率は251分の250となる。
また、ROM30bには、大当り遊技における演出パターンが、オープニング演出用、ラウンド演出用、エンディング演出用に分類されて記憶されている。オープニング演出は、大当り遊技の開始を示す演出であり、エンディング演出は、規定回数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示す演出である。ラウンド演出は、実行されているラウンド遊技が何ラウンド目かを示す演出であるとともに、ラウンド遊技中に実行される演出自体を示している。
また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報(各種フラグ、各種保留記憶数、タイマの値、カウント値など)が記憶(設定)されるようになっている。
次に、図4に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括CPU31aと、統括CPU31aの制御プログラムを格納するROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM31cが設けられている。また、統括CPU31aには、ROM31bとRAM31cが接続されている。そして、統括CPU31aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
次に、図4に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができるサブCPU32aと、サブCPU32aの制御プログラムを格納するROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができるRAM32cが設けられている。サブCPU32aには、演出表示装置20(可変表示器H2)が接続されている。また、本実施形態のサブCPU32aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板30(メインCPU30a)、統括制御基板31(統括CPU31a)、表示制御基板32(サブCPU32a)が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板30の制御内容を説明する。
主制御基板30のメインCPU30aは、上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSE1,SE2が出力する検知信号を入力するとRAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。
保留判定の判定結果が肯定(保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、保留記憶数を1加算(+1)し、保留記憶数を書き換える。また、メインCPU30aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値をRAM30cから取得し、該値を保留記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、メインCPU30aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と大当り図柄用乱数の値を取得しない。
そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM30cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、その読み出した大当り判定用乱数の値とROM30bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。なお、大当り判定においてメインCPU30aは、遊技状態が通常状態である場合には、低確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較し、遊技状態が確変状態である場合には、高確率用の大当り判定値と大当り判定用乱数の値を比較する。
大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、大当りを決定する。具体的には、メインCPU30aは、大当り図柄用乱数の値をもとに、図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特図)を決定する。また、大当りを決定したメインCPU30aは、大当りに当選した時に選択可能な大当り演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。
また、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれリーチとするか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、はずれリーチを決定し、図柄変動ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄(特図)を決定するとともに、はずれリーチ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。本実施形態におけるメインCPU30aは、10分の1の確率でリーチ判定を肯定判定する。
また、メインCPU30aは、リーチ判定の判定結果が否定の場合、はずれを決定し、図柄変動ゲームで確定停止表示させるはずれ図柄(特図)を決定するとともに、はずれ時に選択可能なはずれ演出用の変動パターンの中から1つの変動パターンを選択し、決定する。
特図及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。次に、メインCPU30aは、特図を指示する特図用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始時に保留記憶数を1減算(−1)し、保留記憶数を書き換える。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特図表示器H0の表示内容を制御する。すなわち、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特図の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特図(大当り図柄、又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
本実施形態のパチンコ機10では、非確変状態時における大当り抽選の当選確率が300分の1となっているとともに、確変状態時における大当り抽選の当選確率が30分の1となっている。また、大当り抽選に当選した場合、通常確変大当り又は100回変短付き確変大当りとなる確率が100分の75(50+25)となっている。したがって、1回の図柄変動ゲームが確変大当りとなる確率は、「大当り抽選の当選確率」と「大当りとなった際に通常確変大当り又は100回変短付き確変大当りとなる割合」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、(1/300)×(75/100)×100=0.250(%)となる。また、確変状態時の確率は、(1/30)×(75/100)×100=2.500(%)となる。一方、1回の図柄変動ゲームが非確変大当りとなる確率は、「大当り抽選の当選確率」と「大当りとなった際に非確変大当りとなる割合」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、(1/300)×(25/100)×100=0.0833…(%)となる。また、確変状態時の確率は、(1/30)×(25/100)×100=0.8333…(%)となる。さらに、1回の図柄変動ゲームにおいてはずれリーチ演出が実行される確率は、「大当り抽選ではずれとなる確率」と「リーチ判定が肯定判定される確率」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、(299/300)×(1/10)×100=9.9666…(%)となる。また、確変状態時の確率は、(29/30)×(1/10)×100=9.6666…(%)となる。なお、以下の説明及び図8、図9、図14、及び図15で使用する計算式の結果は、小数点第4位以下を四捨五入して示すものとする。
次に、主制御基板30が実行する制御内容として、大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
メインCPU30aは、大当りを決定した場合、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当りとなったときの大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、最初に、オープニング演出における演出パターンを指定するオープニングコマンドを出力する。次に、メインCPU30aは、各ラウンド遊技の開始時に、各ラウンド演出における演出パターンを指定するラウンド開始コマンドを出力する。その際、メインCPU30aは、ラウンド遊技毎に大入賞口扉28を開放させ、所定時間経過後又は規定入賞個数の遊技球が大入賞口29に入賞した後、大入賞口扉28を閉鎖させる。そして、メインCPU30aは、各ラウンド演出の終了及びラウンド遊技間のインターバル演出を通知するラウンド終了コマンドを出力する。メインCPU30aは、このラウンド遊技を、15ラウンド繰り返し実行させる。そして、メインCPU30aは、最終ラウンドの終了後に、エンディング演出における演出パターンを指定するエンディングコマンドを出力して、大当り遊技を終了させる。
また、大当り遊技を終了させたメインCPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与するか否かの確変付与判定を実行する。そして、メインCPU30aは、前記判定結果が肯定の場合には確変状態を付与する。その一方、メインCPU30aは、前記判定結果が否定の場合には確変状態を付与しない。本実施形態では、確変大当りに当選している場合、前記確変付与判定が肯定判定される。一方、本実施形態では、非確変大当りに当選している場合、前記確変付与判定が否定判定される。
本実施形態では、大当り判定を行うメインCPU30aが、大当り判定手段となる。また、大当りの種類を決定するメインCPU30aが、大当り種決定手段となる。さらに、リーチ判定を実行するメインCPU30aが、リーチ判定手段となる。
次に、統括制御基板31(統括CPU31a)が統括制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34にそれぞれ出力する。また、統括CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドを入力すると、その停止図柄指定コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて可変表示器H2に停止表示させる図柄組み合わせを形成する飾図を決定する。また、統括CPU31aは、特図用の停止図柄指定コマンドを入力した際、当該コマンドをRAM31cに記憶する。また、統括CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34にそれぞれ出力する。また、統括CPU31aは、主制御基板30からオープニングコマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、及びエンディングコマンドを入力すると、これらのコマンドを中継して表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34にそれぞれ出力する。
また、統括CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、確変大当りに対応する大当り図柄の場合、確変状態が付与されることをRAM31cに設定する。一方、統括CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、非確変大当りに対応する大当り図柄の場合、通常状態(非確変状態)が付与されることをRAM31cに設定する。
統括CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)が、大当り図柄の場合、飾図の図柄組み合わせとして、全列の図柄を同一図柄にして大当りを認識し得る大当りの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括CPU31aは、指定された変動パターンの種類と特図の種類に応じて、[1]〜[9]の中から大当りの図柄組み合わせを決定する。
図6は、大当りの図柄組み合わせ決定テーブルを示している。
図6に示すテーブルは、ROM31bに記憶されている。該テーブルでは、特図用の停止図柄指定コマンドで指示された大当りの種類に応じて、大当り演出用の変動パターンP4,P6,P8に対して、[111]〜[999]までの飾図の大当り組み合わせの中からいずれか1つを選択可能なように乱数値(0〜150までの全151通りの整数)が所定個数ずつ、振分けられている。また、本実施形態のパチンコ機10では、各列に導出する飾図を指定する飾図用の停止図柄指定コマンドが設定されている。具体的には、左列に導出する飾図を指定する飾図用の左停止図柄指定コマンドと、右列に導出する飾図を指定する飾図用の右停止図柄指定コマンドと、中列に導出する飾図を指定する飾図用の中停止図柄指定コマンドが設定されており、これらのコマンドは上位バイトと下位バイトからなる2バイトの制御データで構成されている。飾図用の左停止図柄指定コマンドは、上位バイトが「90H」で構成されているとともに、下位バイトが「11H」、「0FH」、「0DH」、「0BH」、「09H」、「07H」、「05H」、「03H」、「01H」で構成されており、それぞれ飾図[1]〜[9]を特定している。
また、飾図用の右停止図柄指定コマンドは、上位バイトが「91H」で構成されているとともに、下位バイトが「01H」、「03H」、「05H」、「07H」、「09H」、「0BH」、「0DH」、「0FH」、「11H」で構成されており、それぞれ飾図[1]〜[9]を特定している。さらに、飾図用の中停止図柄指定コマンドは、上位バイトが「92H」で構成されているとともに、下位バイトが「01H」、「03H」、「05H」、「07H」、「09H」、「0BH」、「0DH」、「0FH」、「11H」で構成されている。
そして、大当りの図柄組み合わせ決定テーブル(図6)では、通常確変大当り(図柄aに対応)を指定する特図用の停止図柄指定コマンドと、変動パターンP4を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、大当りの図柄組み合わせとして、[222]、[444]、[666]、[888]、及び[999]のうちいずれか1つが選択可能となっている。そして、偶数図柄の中では[222]の選択確率が最も高くなるように設定されている。また、通常確変大当りを指定する特図用の停止図柄指定コマンドと、変動パターンP6又は変動パターンP8を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、大当りの図柄組み合わせとして、[111]〜[999]のうちいずれか1つが選択可能となっている。
また、100回変短付き確変大当り(図柄bに対応)、又は非確変大当り(図柄cに対応)を指定する特図用の停止図柄指定コマンドと、変動パターンP4,P6を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、大当りの図柄組み合わせとして、[222]、[444]、[666]、及び[888]のうちいずれか1つが選択可能となっている。したがって、内部的に通常確変大当りに当選している場合には、大当りの図柄組み合わせとして[111]、[333]、[555]、[777]、及び[999]が選択可能となっている。また、大当り演出用の変動パターンP4(図6参照)には、大当りの図柄組み合わせとして[999]が導出可能となるように設定されている一方で、はずれリーチ演出用の変動パターンP3(図7参照)には、はずれリーチの図柄組み合わせとして左右列に[9]を導出させることが設定されていない。また、変動パターンP3,P4には、リーチ演出の演出内容として同一の内容(キャラクタK1をテーマとする内容)が設定されている。したがって、左右列に[9]が導出され、キャラクタK1をテーマとするリーチ演出が実行された場合、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示する前であっても、リーチ演出の内容を視認しただけで、通常確変大当りに当選したことが分かるようになっている。一方、大当りの図柄組み合わせとして[222]、[444]、[666]、及び[888]が選択された場合、大当りの図柄組み合わせが確定停止表示された時点では、通常確変大当り、100回変短付き確変大当り、又は非確変大当りのうち何れの大当りに当選したのかを特定することができない。なお、大当りの図柄組み合わせは、飾図用の左停止図柄指定コマンド及び飾図用の右停止図柄指定コマンドで指定された飾図でリーチが形成された後に導出されるようになっている。
本実施形態のパチンコ機10では、図6に示すように、統括CPU31aは、停止図柄(特図)が通常確変大当りに対応する大当り図柄である場合、略7割の確率で確定停止図柄として奇数図柄を選択する一方で、略3割の確率で確定停止図柄として偶数図柄を決定する。そして、確定停止図柄として奇数図柄が選択された場合、通常確変大当りに当選していることが図柄変動ゲーム中に報知されることになる。一方、確定停止図柄として偶数図柄が選択された場合、通常確変大当りに当選していることを、大当り中昇格演出で報知することになる。なお、大当り中昇格演出とは、大当り抽選で大当りに当選した際に決定された大当りの種類を遊技者に認識させるために、大当り遊技中に行われる演出である。
一方、図6に示すように、統括CPU31aは、100回変短付き確変大当り又は非確変大当りに当選している場合、確定大当り図柄を偶数図柄に決定する。そして、100回変短付き確変大当り又は非確変大当りに当選している場合、必ず大当り中昇格演出が実行される。ただし、100回変短付き確変大当り又は非確変大当りに当選している場合であっても、大当り中昇格演出にて確変大当りであることが報知されないようになっている。
また、統括CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)がはずれ図柄の場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。
図7は、はずれリーチ図柄組み合わせ決定テーブルを示している。
図7に示すテーブルは、ROM31bに記憶されている。該テーブルでは、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P5,P7に対して、[121]、[232]、[343]、[454]、[565]、[676]、[787]、[898]、[919]までの飾図の組み合わせの中からいずれか1つを選択可能なように乱数値(0〜150までの全151通りの整数)が所定個数ずつ、振分けられている。また、本実施形態のパチンコ機10では、はずれリーチ図柄組み合わせ決定テーブル(図7)においても、大当りの図柄組み合わせ決定テーブル(図6)と同一の飾図用の停止図柄指定コマンドが参照されるようになっている。
そして、はずれリーチ図柄組み合わせ決定テーブル(図7)では、変動パターンP3を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、はずれリーチの図柄組み合わせとして、[232]、[454]、[676]、及び[898]のうちいずれか1つが選択可能となっている。また、変動パターンP5又は変動パターンP7を指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、はずれリーチの図柄組み合わせとして、[121]〜[919]のうちいずれか1つが選択可能となっている。そして、変動パターンP5又は変動パターンP7が選択された場合、左右列が偶数図柄となるはずれリーチの図柄組み合わせよりも左右列が奇数図柄となるはずれリーチの図柄組み合わせの選択率が低くなるように設定されている。それとともに、中でも[919]の選択率が最も低くなるように設定されている。したがって、はずれリーチ時には、奇数図柄よりも偶数図柄ではずれリーチの図柄組み合わせが形成される割合が高く、且つ[919]で示されるはずれリーチの図柄組み合わせが形成される確率は極めて低くなっている。
そして、特図用の停止図柄指定コマンドで指定された内容に従って図6又は図7に示すテーブルから飾図の図柄組み合わせを決定した統括CPU31aは、飾図用の左停止図柄指定コマンド→飾図用の右停止図柄指定コマンド→飾図用の中停止図柄指定コマンドの順にコマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、決定した飾図用の左停止図柄指定コマンドをRAM31cに記憶する。
本実施形態のパチンコ機10では、図7に示すように、統括CPU31aは、はずれリーチの図柄組み合わせとして、略3割の確率で奇数図柄を選択する一方で、略7割の確率で偶数図柄を決定する。また、統括CPU31aは、停止図柄指定コマンドで指定された停止図柄(特図)がはずれ図柄の場合であって、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、左右の図柄が異なるはずれの図柄組み合わせを決定する。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、図8に示すように、1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄で確変大当りとなる確率は、「1回の図柄変動ゲームが確変大当りとなる確率」と「確変大当りとなる場合に確定停止図柄として奇数図柄が選ばれる割合」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、0.250(%)×(70/100)=0.175(%)となる。また、確変状態時の確率は、2.500(%)×(70/100)=1.750(%)となる。一方、本実施形態のパチンコ機10では、非確変大当りとなる場合には奇数図柄が選択されないようになっているので、1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄で非確変大当りとなる確率は0(%)となる。また、1回の図柄変動ゲームにおいて偶数図柄で確変大当りとなる確率は、「1回の図柄変動ゲームが確変大当りとなる確率」と「確変大当りとなる場合に確定停止図柄として偶数図柄が選ばれる割合」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、0.250(%)×(30/100)=0.075(%)となる。また、確変状態時の確率は、2.500(%)×(70/100)=0.750(%)となる。一方、1回の図柄変動ゲームにおいて偶数図柄で非確変大当りとなる確率は、非確変状態時では、0.0833…(%)となる一方で、確変状態時では、0.8333…(%)となる。また、1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄ではずれリーチが形成される確率は、「1回の図柄変動ゲームにおいてはずれリーチ演出が実行される確率」と「はずれリーチとなる場合に奇数図柄が選ばれる割合」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、9.966…(%)×(30/100)=2.990…(%)となる。また、確変状態時の確率は、9.666…(%)×(30/100)=2.900…(%)となる。一方で、1回の図柄変動ゲームにおいて偶数図柄ではずれリーチが形成される確率は、「1回の図柄変動ゲームにおいてはずれリーチ演出が実行される確率」と「はずれリーチとなる場合に偶数図柄が選ばれる割合」の積によって求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、9.966…(%)×(70/100)=6.9766…(%)となる。また、確変状態時の確率は、9.666…(%)×(70/100)=6.766…(%)となる。
このように、確変大当りとなる場合、偶数図柄よりも奇数図柄によって大当りの図柄組み合わせが形成される確率が高くなるように設定されている。また、確変大当りに当選している際に偶数図柄の大当り図柄組み合わせが形成される割合よりも、非確変大当りに当選している際に偶数図柄の大当り図柄組み合わせが形成される割合が高くなるように設定されている。
また、図9に示すように、奇数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度は、以下の計算式(1)によって求められる。
奇数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度=「1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄で確変大当りとなる確率」/(「1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄で確変大当りとなる確率」+「1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄ではずれリーチが形成される確率」)…(1)
したがって、奇数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度として、非確変状態時の確率は、0.175(%)/(0.175(%)+2.990…(%))×100=5.5292…(%)となる。また、確変状態時の確率は、37.6344…(%)となる。なお、当該大当り期待度は、確変大当りとなる期待度も示している。一方、偶数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度は、前述した計算式(1)を偶数図柄に置き換えることにより求められ、その確率は、非確変状態時の確率は、2.2191…(%)となる一方で、確変状態時の確率は、18.9620…(%)となる。また、奇数図柄でリーチがかかる確率は、「1回の図柄変動ゲームにおいてはずれリーチ演出が実行される確率」+「1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄で確変大当りとなる確率」の和で求められる。すなわち、非確変状態時の確率は、2.990…(%)+0.175(%)=3.165…(%)となる一方で、確変状態時の確率は、2.900…(%)+1.750(%)=4.650…(%)となる。また、偶数図柄でリーチがかかる確率は、非確変状態時の確率は、6.9766…(%)+0.075(%)+0.0833…(%)=7.135…(%)となる一方で、確変状態時の確率は、6.7666…(%)+0.750(%)+0.8333…(%)=8.350…(%)となる。したがって、大当りとなる場合、偶数図柄よりも奇数図柄によって大当りの図柄組み合わせが形成される確率が高くなるように設定されている。
このように本実施形態のパチンコ機10では、大当りとなる場合には、偶数図柄よりも奇数図柄で大当りの図柄組み合わせが形成される確率が高く、はずれリーチとなる場合には、奇数図柄よりも偶数図柄ではずれリーチの図柄組み合わせが形成される確率が高くなっている。これにより、偶数図柄によるリーチ図柄が導出された場合には、大当りとなる確率よりもはずれとなる確率が高くなっていることが分かる。
また、統括CPU31aは、最終停止図柄及び遊技状態に基づき、演出モードを設定するようになっている。前記演出モードは、遊技状態を遊技者に対して示唆する演出であり、本実施形態では、3つの演出モードが存在し、演出モード毎に少なくとも背景画像が変更されるようになっている。本実施形態の演出モードには、遊技者に確変状態が付与されていない確率が高いことを認識させる通常モードがある。本実施形態の通常モードにおいては、可変表示器H2にて、「通常モード中」という文字列が表示されるようになっている。
また、演出モードには、確変状態が付与されていることを確定的に示す確変モードがある。本実施形態の確変モードにおいては、可変表示器H2にて、「確変モード中」という文字列が表示されるようになっている。また、演出モードには、高確率抽選状態及び低確率抽選状態のいずれの場合でも移行可能な変短状態モード(チャンスモード)がある。本実施形態のチャンスモードにおいては、可変表示器H2にて、「チャンスモード中」という文字列が表示されるようになっている。
次に、どのように演出モードを設定するかについて図10に基づき説明する。統括CPU31aは、図10に示すように、どの演出モードに滞在している場合であっても、最終停止図柄として図柄aに分類される大当り図柄が指定された場合(すなわち、通常確変大当り遊技が付与された場合)、大当り遊技終了後に、演出モードとして確変モードを設定し、移行させる。また、統括CPU31aは、どの演出モードに滞在している場合であっても、最終停止図柄として図柄b又は図柄cに分類される大当り図柄が指定された場合(すなわち、100回変短付き確変大当り遊技、又は非確変大当り遊技が付与された場合)、大当り遊技終了後に、演出モードとしてチャンスモードを設定し、移行させる。なお、統括CPU31aは、チャンスモード設定後、100回の図柄変動ゲームが終了するまでに次の大当り遊技が付与されなければ、通常モードを設定し、移行させるようになっている。このため、通常モードが設定されていても内部的に確変状態が付与される場合があり、チャンスモードが終了しても遊技者に確変状態が潜伏していることを期待させることができる。
そして、統括CPU31aは、所定の周期毎に実行する出力処理において設定した演出モードを指定するモード指定コマンドを各制御基板32〜34に出力するようになっている。これにより、決定された演出モードに見合った演出が開始されることになる。
また、本実施形態のパチンコ機10は、図柄変動ゲーム中に、当該図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する予告演出を実行させるように構成されている。本実施形態では、可変表示器H2が予告演出実行手段として機能し、可変表示器H2を用いて予告演出が行われる。そして、本実施形態のパチンコ機10では、予告演出の種類として一次予告演出と二次予告演出とが設定されている。これらの一次予告演出及び二次予告演出では、遊技者が自身を投影するキャラクタK1が敵Tを探す内容で演出が展開され、さらに二次予告演出では、キャラクタK1の背後に表示される背景画像の種類が異なる演出内容で実行される背景予告が実行されるようになっている(図13参照)。
そして、統括CPU31aは、図柄変動ゲームの開始時に一次予告演出の演出内容を特定する一次予告演出パターンを決定する。
図11は、一次予告パターンと背景予告の実行可否を対応付けたテーブルであり、該テーブルは、ROM31bに記憶されている。
図11に示すように、本実施形態のパチンコ機10では、一次予告演出には、一次予告A〜Gが設定されており、一次予告A〜Gを特定する一次予告パターンは、変動パターンの種類を参照して決定されるようになっている。具体的には、一次予告A〜F及び一次予告演出なし(図中の「なし」)は、確変モード滞在中に、大当り演出用の変動パターンP4,P6,P8及びはずれリーチ演出用の変動パターンP3,P5,P7が選択された場合に選択可能となっている。また、一次予告の大当り期待度は、一次予告A<一次予告B<一次予告C<一次予告D<一次予告E<一次予告Fの順に大当り期待度が高くなるように設定されている。ちなみに、「大当り期待度」は、大当り抽選で大当りに当選した時に出現される割合と大当り抽選で大当りに当選しなかった場合に出現される割合をもとに算出される。そして、大当り抽選で大当りに当選した場合及び大当りに当選しなかった場合の全体の出現率に対して、大当り抽選で大当りに当選した場合の出現率が高くなるほど、大当り期待度の高い演出となる。
一方、本実施形態のパチンコ機10では、チャンスモード滞在中は、変動パターンP3〜P8が選択された場合に、一次予告パターンGのみが選択されるようになっている。なお、チャンスモード又は確変モード滞在中に変動パターンP1,P2,P9が選択された場合、図11に示すテーブルは参照されず、一次予告、二次予告、及び背景予告は実行されないようになっている。
滞在中のモードの種類及び変動パターンに従って一次予告パターンを選択、決定した統括CPU31aは、選択した一次予告パターンを指定する一次予告指定コマンドをRAM31cに記憶するとともに、該コマンドを各制御基板32〜34に夫々出力する。
一次予告パターンを決定した統括CPU31aは、続いて背景予告の実行可否を決定する。図11に示すように、背景予告は、確変モード滞在中であって、且つ「一次予告なし」及び「一次予告A〜D」のうちいずれか1つが選択された場合にしか「実行可」が決定されないようになっている。その一方、確変モード滞在中であって、且つ「一次予告E」又は「一次予告F」が選択された場合、及びチャンスモード滞在中は、「実行否」が決定されるようになっている。
これにより、統括CPU31aは、背景予告の実行可否を決定するに際し、確変モード滞在中、RAM31cに設定した一次予告指定コマンドを読み出し、該コマンドが、一次予告なし及び一次予告A〜Dを指定するコマンドであったならば、背景予告の実行可を決定することになる。一方、読み出したコマンドが一次予告パターンE〜Gを指定するコマンドであったならば、統括CPU31aは、背景予告の実行否を決定することになる。
背景予告の実行を決定した統括CPU31aは、次に、リーチ形成図柄が奇数図柄であるか偶数図柄であるかに基づいて、図12に示す背景予告パターン振分けテーブルの中から背景予告の演出内容を特定する背景予告パターンを決定する。なお、背景予告パターン振分けテーブル(図12)は、ROM31bに記憶されている。
図12で示すように、本実施形態における背景予告パターンは、背景予告パターンJ1〜J4の4種類が設定されている。具体的には、背景予告パターンJ1は、背景画像E1(図13(a)では「線なし」で示す)を特定するパターンである一方で、背景予告パターンJ2は、背景画像E2(図13(b)では「縦線」で示す)を特定するパターンである。また、背景予告パターンJ3は、背景画像E3(図13(c)では「横線」で示す)を特定するパターンである一方で、背景予告パターンJ4は、背景画像E4(図13(d)では「左下がりの斜線」で示す)を特定するパターンである。これらの背景画像E1〜E4は、キャラクタK1の背後に表示されるオーラを模した背景画像を示しており、背景画像E1〜E4の色が異なるようになっている。例えば、背景画像E1は「白色」を示し、背景画像E2は「黄色」を示し、背景画像E3は「青色」を示し、背景画像E4は「赤色」を示すなどである。
そして、図12に示すように、背景予告パターンJ1〜J4は、飾図用の左停止図柄指定コマンドで指定される図柄が奇数図柄であるか偶数図柄であるかに応じて、いずれか1つのパターンが選択可能となるように乱数値が所定個数ずつ、振分けられている。本実施形態では、図11で説明したように背景予告の実行可が決定される条件は、大当り演出用の変動パターン(変動パターンP4,P6,P8)またははずれリーチ演出用の変動パターン(変動パターンP3,P5,P7)が選択された場合となっている。即ち、はずれ演出用の変動パターンが選択された際には背景予告は実行されないため、背景予告パターンを決定する際には、飾図用の左停止図柄指定コマンドで指定される図柄が奇数図柄であるか偶数図柄であるかを判別するだけで、リーチ形成図柄の種類に応じて背景予告の種類を決定することができる。具体的には、リーチ形成図柄が奇数図柄となるときに背景予告パターンJ1〜J4のいずれか1つを選択可能となるように、背景予告パターンJ1〜J4に対して0〜334までの全335通りの奇数図柄用の乱数値が所定個数ずつ、振分けられている。その一方で、リーチ形成図柄が偶数図柄となるときに背景予告パターンJ1〜J4のいずれか1つを選択可能となるように、背景予告パターンJ1〜J4に対して0〜269までの全270通りの偶数図柄用の乱数値が所定個数ずつ、振分けられている。
図12に示すように、背景予告パターン振分けテーブルは、大当り当選時とはずれリーチ時(はずれを除く)において共通使用されるようになっている。背景予告パターン振分けテーブル(図12)では、奇数図柄に対して、背景予告パターンJ1<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ4の順に選択される割合が高くなるように乱数値を振分けている。一方、偶数図柄に対して、背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ1の順に選択される割合が高くなるように乱数値を振分けているが、背景予告パターンJ4には、乱数値が1つも振分けられていない。したがって、大当りに当選した場合は、大当りの種類として通常確変大当りが決定され、且つ大当りの図柄組み合わせを構成する飾図として奇数図柄が決定されているときにしか背景予告パターンJ4が選択されないことになる。
そして、統括CPU31aは、大当り判定が肯定判定された場合、及びリーチ判定が肯定判定された場合に、RAM31cに記憶した飾図用の左停止図柄指定コマンドを読み出し、読み出したコマンドで指定される図柄が「奇数図柄」か「偶数図柄」かに応じて、背景予告パターンJ1〜J4の中からいずれか1つの背景予告パターンを決定する。具体的には、統括CPU31aは、飾図用の左停止図柄指定コマンドが奇数図柄を指定している場合には、奇数図柄用の乱数値(0〜334)を選択することを決定する。一方、統括CPU31aは、飾図用の左停止図柄指定コマンドが偶数図柄を指定している場合には、偶数図柄用の乱数値(0〜269)を選択することを決定する。その後、統括CPU31aは、再度、飾図用の左停止図柄指定コマンドを読み出し、読み出したコマンドに基づき、取得することを決定した乱数値の中からいずれか1つの乱数値を取得し、該乱数値に基づいて背景予告パターンを決定する。そして、統括CPU31aは、決定した背景予告パターンをRAM31cに記憶する。
このような振分け態様を採用することにより、本実施形態のパチンコ機10では、図14に示すように、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率は、以下の計算式(2)によって求められる。
大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率=「1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄で確変大当りとなる確率」×「背景予告パターンJ1が選択される割合」…(2)
なお、本実施形態のパチンコ機10では、リーチ形成図柄に基づいて背景予告パターンが選択されるようになっている。また、リーチ演出が実行される確率は、非確変状態時(10.300…(%))よりも、確変状態時(13.000…(%))の方が高くなっている。これにより、本実施形態のパチンコ機10では、確変状態時は、非確変状態時よりもリーチ演出が行われる確率が高くなり、これに伴って背景予告パターンが選択されることになる。したがって、以下の説明では、確変状態が付与されている確変モード滞在中に背景予告パターンが選択される場合を中心に説明する。
したがって、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率は、1.750(%)×(70/335)=0.3656…(%)となる。また、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ2が選択される確率は、前述した計算式(2)を背景予告パターンJ2に置き換えることにより求められ、その確率は、0.3917…(%)となる。同様に、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ3が選択される確率は、0.4701…(%)となる。また、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ4が選択される確率は、0.5223…(%)となる。
したがって、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された場合に選択される背景予告パターンの選択確率は、背景予告パターンJ1<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ4の順に高くなっている。
一方、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率は、前述した計算式(2)を偶数図柄に置き換えることにより求められ、その確率は、0.8209…(%)となる。同様に、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ2が選択される確率は、0.5277…(%)となる。さらに、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ3が選択される確率は、0.2345…(%)となる。なお、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ4は選択されない。
したがって、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された場合に選択される背景予告パターンの選択確率は、背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ1の順に高くなっている。
一方、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率は、以下の計算式(3)によって求められる。
はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率=「1回の図柄変動ゲームにおいて奇数図柄ではずれリーチが形成される確率」×「背景予告パターンJ1が選択される割合」…(3)
したがって、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率は、2.900…(%)×(70/335)=0.6059…(%)となる。また、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ2が選択される確率は、前述した計算式(3)を背景予告パターンJ2に置き換えることにより求められ、その確率は、0.6492…(%)となる。同様に、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ3が選択される確率は、0.7791…(%)となる。また、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ4が選択される確率は、0.8656…(%)となる。
したがって、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された場合に選択される背景予告パターンの選択確率は、背景予告パターンJ1<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ4の順に高くなっている。つまり、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された場合に選択される背景予告パターンの選択確率と逆になっている。
一方、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率は、前述した計算式(3)を偶数図柄に置き換えることにより求められ、その確率は、3.5086…(%)となる。同様に、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ2が選択される確率は、2.2555…(%)となる。さらに、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ3が選択される確率は、1.0024…(%)となる。なお、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ4は選択されない。
このように、はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された場合に選択される背景予告パターンは、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された場合に選択される背景予告パターンと同じように、背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ1の順に高くなっている。しかしながら、大当り時よりもはずれリーチ時の方が、各背景予告パターンの選択確率が高くなっている。
また、図15に示すように、背景予告パターンJ1が選択された際の大当り期待度(全ての大当りを含む)は、以下の計算式によって求められる。この計算式では、分子が「大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率」+「大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率」となる。その一方、分母が「大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率」+「大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率」+「はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率」+「はずれリーチの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1が選択される確率」となる。この分子の値を分母の値で除算することにより、計算式(4)が成立する。したがって、背景予告パターンJ1が選択された際の大当り期待度(全ての大当りを含む)は、(0.3656…(%)+0.8209…(%))/(0.3656…(%)+0.8209…(%)+0.6059…(%)+3.5086…(%))×100=22.3844…(%)となる。
また、背景予告パターンJ2が選択された際の大当り期待度(全ての大当りを含む)は、前述した計算式(4)を背景予告パターンJ2に置き換えることにより求められ、その確率は、24.0449…(%)となる。さらに、背景予告パターンJ3が選択された際の大当り期待度(全ての大当りを含む)は、28.3441…(%)となる。また、背景予告パターンJ4が選択された際の大当り期待度(全ての大当りを含む)は、37.6344…(%)となる。この値は、リーチ形成図柄として偶数図柄を選択した場合には、背景予告パターンJ4を選択しないことと、大当り時とはずれ時とで背景予告パターンの選択確率が同一のため、奇数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度と略同一となっている。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、背景予告パターンJ1<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ4の順に大当り期待度が高くなっていることが分かる。
また、背景予告パターンJ1が選択された際に偶数図柄でリーチがかかったときの大当り期待度(全ての大当りを含む)は、計算式(4)から奇数図柄の要素を除いた計算式によって求められる。すなわち、0.8209…(%)/(0.8209…(%)+3.5086…(%))×100=18.9620…(%)となる。また、背景予告パターンJ2が選択された際に偶数図柄でリーチがかかったときの大当り期待度は、18.9620…(%)となる。さらに、背景予告パターンJ3が選択された際に偶数図柄でリーチがかかったときの大当り期待度は、18.9620…(%)となる。なお、大当りの図柄組み合わせまたははずれリーチ図柄を形成する飾図として偶数図柄が選択された際には背景予告パターンJ4は選択されない。
本実施形態のパチンコ機10では、背景予告パターン振分けテーブル(図12)は、大当り時とはずれリーチ時で共通使用されるようになっている。それとともに、偶数図柄ではずれリーチとなるとき及び偶数図柄で大当りとなるときの背景予告パターンの選択率は、背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ1の順に高くなるように設定されている。また、偶数図柄で大当りとなる確率よりも偶数図柄ではずれリーチとなる確率の方がはるかに高く設定されている。このため、背景予告パターンJ1〜J3の何れのパターンが選択された場合であっても、偶数図柄でリーチがかかったときの大当り期待度は、略同一となっている。また、この値は、偶数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度と略同一となっている。
なお、背景予告パターンJ1が選択された際の大当り期待度(通常確変大当りへの大当り期待度)は、計算式(4)から偶数図柄の要素を除いた計算式によって求められる。すなわち、37.6344…(%)となる。この値は、奇数図柄でリーチがかかった場合の大当り期待度と略同一となっている。一方、背景予告パターンJ1が選択された際の大当り期待度(通常確変大当り及び100回変短付き確変大当りへの大当り期待度)は、偶数図柄で大当り図柄が形成された場合、通常確変大当り、100回変短付き確変大当り、又は非確変大当りの3つの大当りのうち、いずれか1つの大当りに当選する可能性があるため、その確率は、図15で説明した大当り期待度(18.9620…(%))よりも低い。したがって、背景予告パターンJ1が選択された場合、偶数図柄でリーチ図柄が形成された場合よりも奇数図柄でリーチ図柄が形成された方が、確変大当りとなることに対して多く期待を持てることになる。加えて、偶数図柄で大当りとなる確率よりも偶数図柄ではずれリーチとなる確率の方がはるかに高くなるように設定されている。したがって、背景予告パターンJ1に基づく背景予告が実行された場合、奇数図柄で大当りとなる確率及び奇数図柄ではずれリーチとなる確率よりも、偶数図柄ではずれリーチとなる確率が高くなっている。
これにより、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された際に、背景予告パターンJ1が選択される確率が高くなっていたとしても、背景予告パターンJ1が選択された際には、実行中の図柄変動ゲームではなく、次回以降の図柄変動ゲームにおいて確変大当りに当選することに期待を持たせることができる。逆を言えば、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として奇数図柄が選択された際に、背景予告パターンJ1が選択された場合は、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として偶数図柄が選択された場合よりも確変大当りに対して抱く期待度が高い。このため、実行中の図柄変動ゲームにおいて確変大当りに当選することに期待を持たせることができる。ただし、通常確変大当りとなる場合、背景予告パターンJ1<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ4となっているため、背景予告パターンJ4が選択された際に最も通常確変大当りに期待を持つことができる。また、本実施形態のパチンコ機10における背景予告は、演出内容の違いによって大当り期待度が設定されていることに加え、大当りとなった場合、確変大当りとなるか否かを示唆する確変示唆の役割をも担っている。
したがって、本実施形態のパチンコ機10では、確変モード滞在中、大当りとなる場合に奇数図柄でリーチが形成される際には、大当り期待度が高く設定された背景予告パターンJ4が選択される確率が高くなっている。その一方で、大当りとなる場合に偶数図柄でリーチが形成される際には、大当り期待度が低く設定された背景予告パターンJ1が選択される確率が高くなっている。これにより、大当り期待度が高く設定された背景予告パターンJ4に基づく背景予告が実行された場合には、通常確変大当りに当選していることに対して期待を抱かせることができる。それととともに、大当り期待度が低く設定された背景予告パターンJ1に基づく背景予告が実行された場合には、実行中の図柄変動ゲームではなく、次回以降の図柄変動ゲームにおいて確変大当りに当選することに期待を持たせることができる。
なお、本実施形態では、大当り期待度が低く設定された背景予告パターンJ1,J2,J3に基づいて背景予告が実行されて大当りに当選する場合もあるが、通常確変大当りに当選している場合には、大当り中昇格演出によって確変大当りに当選していることが報知されるように構成している。したがって、例え、背景予告パターンJ1に基づく背景予告が実行された後に偶数図柄で形成された大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されたとしても、大当り中昇格演出を経て確変大当りとなることに対して期待を持たせることができるようになっている。
次に、統括CPU31aは、変動パターンの種類と一次予告演出の種類に基づいて、図16に示す二次予告パターン振分けテーブルの中から二次予告演出の演出内容を特定する二次予告パターンを選択、決定する。なお、二次予告パターン振分けテーブル(図16)は、ROM31bに記憶されている。
図16及び図17に示すように、本実施形態における二次予告パターンは、二次予告パターンYA〜YFの6種類が設定されている。具体的には、二次予告パターンYAは、キャラクタK1が驚いた後、敵Tが出現しない内容を特定するパターンである一方で、二次予告パターンYBは、キャラクタK1が驚いた後、敵Tが出現する演出内容を特定するパターンである。二次予告パターンYCは、キャラクタK1の顔のアップが表示された後、敵Tが出現しない内容を特定するパターンである一方で、二次予告パターンYDは、二次予告パターンYCにおける顔のアップとは異なるアングルでキャラクタK1の顔のアップが表示された後、敵Tが出現しない内容を特定するパターンである。また、二次予告パターンYEは、二次予告パターンYCと同一のキャラクタK1の顔のアップが表示された後、敵Tが出現する内容を特定するパターンである一方で、二次予告パターンYFは、二次予告パターンYDと同一のキャラクタK1の顔のアップが表示された後、敵Tが出現する内容を特定するパターンである。
図16に示す二次予告パターン振分けテーブルでは、一次予告パターンの種類に応じて、変動パターンP1〜P9に対して、二次予告パターンYA〜YDの中からいずれか1つを選択可能なように乱数値(0〜254までの全255通りの整数)が所定個数ずつ、振分けられている。
具体的には、統括CPU31aが「一次予告なし」を決定した場合、はずれ演出用の変動パターンP1,P2には、「二次予告なし」、「二次予告パターンYC」及び「二次予告パターンYD」が選択可能となるように乱数値が振分けられている。また、統括CPU31aが「一次予告なし」を決定した場合、大当り演出用の変動パターンP4には、「二次予告パターンYB」のみが選択されるように乱数値が振分けられている。そして、変動パターンP3,P5〜P9には、二次予告パターンYA〜YDが選択されないように、これらのパターンに対して乱数値が振分けられていない。
一方、統括CPU31aが「一次予告パターンA」を決定した場合、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P5には、「二次予告パターンYA」のみが選択可能となるように乱数値が振分けられている。また、統括CPU31aが「一次予告パターンA」を決定した場合、大当り演出用の変動パターンP6には、「二次予告パターンYB」のみが選択されるように乱数値が振分けられている。そして、変動パターンP1,P2,P4,P7〜P9には、二次予告パターンYA〜YDが選択されないように、これらのパターンに対して乱数値が振分けられていない。
また、統括CPU31aが「一次予告パターンB〜D」を決定した場合、はずれリーチ演出用の変動パターンP3,P7には、「二次予告パターンYA」のみが選択可能となるように乱数値が振分けられている。また、統括CPU31aが「一次予告パターンB〜D」を決定した場合、大当り演出用の変動パターンP6,P8には、「二次予告パターンYB」のみが選択されるように乱数値が振分けられている。そして、変動パターンP1,P2,P4,P5,P9には、二次予告パターンYA〜YDが選択されないように、これらのパターンに対して乱数値が振分けられていない。
このように、キャラクタK1が表示された後、敵Tが出現する内容を特定する二次予告パターンYBは、大当り演出用の変動パターンが選択された場合にしか選択され得ないようになっているので、可変表示器H2において敵Tが出現した場合には、大当りが確定する。これとは逆に、キャラクタK1が表示された後、敵Tが出現しない内容を特定する二次予告パターンYA,YC,YDは、はずれ演出用の変動パターン又ははずれリーチ演出用の変動パターンが選択された場合にしか選択され得ないようになっているので、可変表示器H2において敵Tが出現しなかった場合には、はずれが確定する。
そして、例えば、変動パターンP6を指定する変動パターン指定コマンドを入力した際に、統括CPU31aが一次予告パターンAを選択したとする。この場合、統括CPU31aは、図16に示す振分けに従って、二次予告パターンYBを選択し、決定する。そして、図16では、二次予告パターンYBに対して、背景予告パターンJ1〜J4を特定する背景予告指定コマンドが夫々対応付けられている。具体的には、二次予告パターンYAには、背景予告パターンJ1を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「00H」が、背景予告パターンJ2を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「01H」が対応付けられている。また、二次予告パターンYAには、背景予告パターンJ3を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「02H」が、背景予告パターンJ4を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「03H」が対応付けられている。
また、二次予告パターンYBには、背景予告パターンJ1を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「04H」が、背景予告パターンJ2を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「05H」が対応付けられている。さらに、二次予告パターンYBには、背景予告パターンJ3を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「06H」が、背景予告パターンJ4を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして「07H」がそれぞれ対応付けられている。
そして、統括CPU31aは、背景予告指定コマンドを特定するために、RAM31cに記憶した背景予告パターンを読み出し、当該背景予告パターンに対応する背景予告指定コマンドを特定する。背景予告指定コマンドを特定した統括CPU31aは、当該コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。
一方、図16に示すように、二次予告パターンYCには、背景予告パターンJ1〜J4を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして、全て同一の値「20H」が設定されている一方で、二次予告パターンYDには、背景予告パターンJ1〜J4を特定する背景予告指定コマンドの下位バイトとして、全て同一の値「21H」が設定されている。したがって、二次予告パターンYC,YDが選択された場合、背景予告指定コマンドの下位バイトには同一の値が設定されており、背景予告パターンJ1〜J4を特定することができないため、背景予告が実行されないことになる。
また、図17は、チャンスモード滞在中における二次予告パターン振分けテーブルを示している。図17に示すテーブルは、ROM31bに記憶されており、変動パターンP1〜P9に対して、二次予告パターンYA〜YFの中からいずれか1つを選択可能なように乱数値(0〜254までの全255通りの整数)が所定個数ずつ、振分けられている。具体的には、はずれ演出用の変動パターンP1,P2には、「二次予告なし」、「二次予告パターンYC」及び「二次予告パターンYD」が選択可能となるように乱数値が振分けられている。また、大当り演出用の変動パターンP4には、「二次予告パターンYE」及び「二次予告パターンYF」が選択可能となるように乱数値が振分けられている。そして、変動パターンP3,P5〜P9には、二次予告パターンYA〜YDが選択されないように、これらのパターンに対して乱数値が振分けられていない。
ただし、図17に示すように、チャンスモード滞在中に二次予告パターンを選択する場合、背景予告パターンJ1〜J4は参照されないようになっている。したがって、統括CPU31aは、チャンスモード滞在中、入力した変動パターン指定コマンドに従って、二次予告パターンYA〜YFのいずれか1つを選択するのみであって、背景予告を実行させない。
本実施形態では、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図を決定する統括CPU31aが、大当り図柄決定手段となる。また、リーチ形成図柄を決定する統括CPU31aが、リーチ形成図柄決定手段となる。また、背景予告パターンを決定する統括CPU31aが、予告パターン決定手段となる。
次に、表示制御基板32(サブCPU32a)が演出制御プログラムにしたがい実行する制御内容について説明する。本実施形態では、サブCPU32aが演出制御手段となる。
表示制御基板32のサブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。このとき、サブCPU32aは、選択した演出内容をもとにROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。
そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに可変表示器H2に映し出す画像を所定の制御周期毎(例えば、2ms毎)に切り替える。そして、サブCPU32aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を可変表示器H2に確定停止表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、サブCPU32aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンド開始コマンドを入力すると、ラウンド演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、ラウンド終了コマンドを入力すると、インターバル演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、可変表示器H2では、オープニング演出、ラウンド演出、インターバル演出、エンディング演出がそれぞれ実行される。そして、本実施形態のパチンコ機10では、大当り遊技中の所定のラウンド遊技において大当り中昇格演出を行わせるように構成されている。このため、サブCPU32aは、ラウンド演出用の演出指示コマンドで指示される演出内容が大当り中昇格演出の場合、その大当り中昇格演出を行わせるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、演出モードを指定するモード指定コマンドを入力すると、モード指定コマンドにより指定された演出モードに応じて、背景画像を変更するように可変表示器H2の表示内容を制御する。
そして、サブCPU32aは、確変モード滞在中に予告演出を実行させる場合、当該図柄変動ゲームの開始後であって、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示される図柄でリーチを形成する前に、入力した二次予告指定コマンドで指定される内容で二次予告演出を実行させるように、可変表示器H2の表示内容を制御する。次に、サブCPU32aは、入力した背景予告指定コマンドで指定される内容で背景予告を実行させるように、可変表示器H2の表示内容を制御する。その後、サブCPU32aは、二次予告演出を実行させた後であって、リーチを形成する前に、入力した一次予告指定コマンドで指定される内容で一次予告演出を実行させるように、可変表示器H2の表示内容を制御する。そして、サブCPU32aは、飾図用の停止図柄指定コマンドで指定される飾図でリーチを形成させてリーチ演出を実行させ、図柄停止コマンドを入力すると、飾図用の停止図柄指定コマンドで指示された図柄を可変表示器H2に確定停止表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
次に、一次予告、二次予告、及び背景予告が実行される際の可変表示器H2における遊技の流れについて図18(a)〜(f)に従って説明する。なお、図18(a)〜(f)の説明では、通常確変大当りに当選したことに伴い、大当り演出用の変動パターンP8と、一次予告パターンBと、二次予告パターンYBと、背景予告パターンJ4が選択されたものとして説明する。加えて、大当りの図柄組み合わせを形成する飾図として[9]が選択されたものとして説明する。
確変モード滞在中に図柄変動ゲームが開始すると、可変表示器H2では、該可変表示器H2の右下方に図柄の変動態様が表示される。そして、図柄の変動が開始してから所定時間経過後に、二次予告パターンYBに定められた内容に従って、敵を捜索しているキャラクタK1が画像表示される(図18(a))。その後、可変表示器H2では、リーチ図柄が形成される前に、二次予告パターンYBに定められた内容に従って、リーチ前予告としてキャラクタK1が驚く内容で二次予告演出が実行される。また、このとき可変表示器H2では、背景予告パターンJ4に定められた内容に従って、キャラクタK1の背後に背景画像E4が画像表示される(図18(b))。これにより、遊技者はリーチ図柄が表示される前であっても、背景画像E4が表示されたことにより、奇数図柄でリーチが形成され、確変大当りとなることに対して期待を持つようになる。その後、可変表示器H2では、リーチ図柄が形成される前に、一次予告パターンBに定められた内容に従って、一次予告が実行される(図18(c))。なお、一次予告パターンBには、キャラクタK1とキャラクタK2が通信を行い、会話する内容が設定されている。
続いて、可変表示器H2では、所定時間の経過後、キャラクタK1とキャラクタK2による通信画像が画面上から消え、可変表示器H2の右端において[9↓9]で示されるリーチの図柄組み合わせが導出されることにより、リーチ演出が実行される(図18(d))。そして、リーチ演出が開始してから所定時間の経過後に、二次予告パターンYBが選択されたことに基づいて敵Tが出現する(図18(d))。本実施形態では、敵Tが出現する二次予告パターンは、大当り演出用の変動パターンにしか対応付けてないので、敵Tの出現により、遊技者は大当りとなることを認識する(図18(d))。したがって、図18(d)で実行されるリーチ演出は、敵Tが出現するか否かを示唆する演出となる。また、このときのリーチ形成図柄が奇数図柄であるため、遊技者は、通常確変大当りとなることを認識する。その後、可変表示器H2では、変動パターンP8に設定された変動時間の経過に伴って、大当りの図柄組み合わせ[999]が画面上に拡大表示され、図柄停止コマンドを入力すると、大当りの図柄組み合わせ[999]が確定停止表示され、図柄変動ゲームが終了する(図18(e))。その後、大当り遊技が開始され、可変表示器H2では、大当り遊技の開始時に「確変おめでとう」という確変報知画像が表示され(図18(f))、遊技者は通常確変大当りに当選したことを認識することになる。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)統括CPU31aは、確変モード滞在中に大当り判定が肯定判定された場合、リーチ形成図柄が奇数図柄で形成される際に行われる背景予告が、大当り期待度が高く設定された背景予告パターンに基づいて高い割合で行われるようにリーチ形成図柄及び背景予告パターンを夫々決定するようにした。その一方、統括CPU31aは、確変モード滞在中に大当り判定が肯定判定された場合、リーチ形成図柄が偶数図柄で形成される際に行われる背景予告が、大当り期待度が低く設定された背景予告パターンに基づいて高い割合で行われるようにリーチ形成図柄及び背景予告パターンを夫々決定するようにした。このように、リーチ形成図柄の種類を考慮して背景予告の内容を決定することにより、奇数図柄によってリーチが形成されている場合には、確変大当りに当選していることに対して期待を持たせることができる。
(2)リーチ演出後にはずれとなる場合であっても、奇数図柄によってリーチが形成されている場合には、図柄が確定停止表示される迄は、確変大当りに当選していることに対して期待を持たせることができる。
(3)背景予告をリーチ形成前迄に実行することにより、予告演出の内容を視認した時点で、背景予告の種類に基づいて確変状態が付与されるか否かを推測させることができる。
(4)遊技者は、確変状態が付与されている間に大当りに当選した場合、当該大当りが、確変大当りであるのか否かに最も注目している。したがって、確変モード滞在中のみ、リーチ形成図柄に基づいて背景予告パターンが決定されるようにすることにより、確変モード滞在中に実行される背景予告を楽しませることができる。また、リーチ形成図柄に基づいて背景予告の種類を決定するという制御が、どのような遊技状態であっても頻繁に出現しないように規制することで、演出の実行態様にメリハリを持たせることができる。
(5)図柄の種類によって確変状態への期待度が異なるように設定することにより、遊技者に対してどの図柄でリーチが形成されるのかに対しても興味を持たせることができる。
(6)背景予告は、二次予告パターンYA,YBのどちらが選択された場合であっても共通使用できる内容となっているため、どちらの二次予告パターンが選択された場合であっても背景予告を違和感なく実行することができる。
(7)確変大当りとなる場合には、背景予告パターンJ4に基づいて背景予告が実行される割合を高くする一方で、はずれとなる場合には、背景予告パターンJ1に基づいて背景予告が実行される割合を高く設定した。これにより、背景予告の内容を視認するだけで、確変大当りに期待を持つことができるか否かを遊技者に報知することができる。
(8)背景予告パターン振分けテーブル(図12)を、大当り当選時とはずれリーチ時において共通使用されるようにした。また、偶数図柄ではずれリーチとなるとき及び偶数図柄で大当りとなるときにおける背景予告パターンの選択確率は、背景予告パターンJ3<背景予告パターンJ2<背景予告パターンJ1の順に高くなるように設定した。また、偶数図柄で大当りとなる確率よりも偶数図柄ではずれリーチとなる確率が高くなるように設定した。これにより、背景予告パターンJ1〜J3の何れのパターンが選択された場合であっても、偶数図柄でリーチがかかったときには、背景予告の演出内容によって大当り期待度に差異をつけることなく、ほぼ同一の確率にて次回以降の図柄変動ゲームにて確変大当りに当選することに対して期待を持たせることができる。
(9)リーチ形成図柄として偶数図柄が選択された際に背景予告パターンJ1〜J3が選択された場合、背景予告パターンJ1〜J3の確変大当り期待度は、略同じ値となるように設定した。これにより、リーチ形成図柄として偶数図柄が選択された際には、背景予告パターンに設定された大当り期待度のみに基づいて大当りに期待を持たせることができる。すなわち、リーチ形成図柄として偶数図柄が選択された際には、大当り期待度が高く設定された背景予告パターンJ3に基づいて予告演出が実行されることに期待を持たせることができる。
(10)大当り期待度が低く設定された背景予告パターンJ1に基づいて背景予告が実行されて大当りに当選する場合もあるが、確変大当りに当選している場合には、大当り中昇格演出が実行されるように構成した。これにより、例え、背景予告パターンJ1に基づく背景予告が実行された後に偶数図柄で形成された大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されたとしても、大当り中昇格演出を経て確変大当りとなることに対して期待を持たせることができる。
(11)確変モード滞在中にどの大当りに当選するかによって、確変モードが継続するか、チャンスモードに移行するかが決定されることになる。そして、確変モード滞在中に100回変短付き確変大当り又は非確変大当りに当選すると、チャンスモードに移行することになる。このような場合であっても、確変モード滞在中に大当りに当選したことに基づいて実行された背景予告の種類によって、チャンスモード移行後、確変状態が付与されているか否かに対して期待を持たせることができる。このような場合、大当り期待度が高く設定された背景予告パターンJ3に基づいて予告演出が実行されたときに、最も期待を持たせることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 実施形態において、大当り中昇格演出に代えて、再抽選演出を実行するようにしても良い。また、大当り中昇格演出と再抽選演出の両方を設定し、抽選によってどちらの演出を実行されるのかを決定するようにしても良い。ちなみに、再抽選演出とは、図柄変動ゲーム中に仮の大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を一旦停止表示させた後、最終的に確定停止表示される大当り図柄(飾り図柄による図柄組み合わせ)を導出する演出態様で行われる。そして、再抽選演出を実行する場合には、仮の大当り図柄を導出する前に仮の大当り図柄を形成する飾図によってリーチ演出が実行されることになる。この場合、統括CPU31aは、仮の大当り図柄を形成する飾図に基づいて背景予告の演出内容を決定することになる。
○ 確変状態が付与されているチャンスモード滞在中にも、リーチ形成図柄に基づいて背景予告の種類を決定するようにしても良い。このような場合、チャンスモード滞在中であっても、背景予告の種類に基づいて大当りに当選することに期待を持たせることができる。
○ 実施形態では、図6に示すように、100回変短付き確変大当りと非確変大当りを同一テーブルとし、同一の割合で大当りの図柄組み合わせが決定されるようにしたが、100回変短付き確変大当り用のテーブルと非確変大当り用のテーブルを別々に設定しても良い。
○ 実施形態において、図16に示す二次予告パターン振分けテーブルでは、二次予告パターンYAにおいても敵Tが出現するようにしても良い。また、二次予告パターンYAにおいて敵Tが出現しないようにしても良いが、はずれリーチ演出用の変動パターンが選択された場合であっても、二次予告パターンYBが選択されるようにしても良い。また、大当り演出用の変動パターン及びはずれリーチ演出用の変動パターンに対して、二次予告パターンYA及び二次予告パターンYBのいずれか一方が選択可能となるように、両方の二次予告パターンに乱数値を振分けても良い。このように設定することにより、二次予告演出の演出内容からも、確変状態が付与されているか否かを遊技者に分かり難くすることができ、遊技者に確変状態が付与されていることに対して期待を持たせることができる。
○ 実施形態において、大当りに当選した場合、奇数図柄のうち特定の奇数図柄(例えば「9」)が選択されたときには、背景予告パターンJ4の選択率が他の奇数図柄が選択されたときの選択率よりもはるかに高くなるように設定し、奇数図柄の中でも確変大当りに当選していることに対して抱く期待度が異なるように設定しても良い。
○ 実施形態において、奇数図柄のうち特定の奇数図柄(例えば「9」)を、通常確変大当りに当選したことを確定的に示唆する図柄とし、残りの奇数図柄を、通常確変大当り又は100回変短付き確変大当りのいずれかに当選したことを示唆する図柄としても良い。
○ 実施形態では、奇数図柄による大当りの図柄組み合わせを確変確定の大当り図柄とした一方で、偶数図柄による大当りの図柄組み合わせを確変非確定の大当り図柄としたが、このような分類に限られず、例えば、「1」〜「5」を確変確定の大当り図柄とし、「6」〜「9」を確変非確定の大当り図柄としても良い。
○ 実施形態において、左列の図柄が停止した後に背景予告を実行するようにしても良い。
○ 実施形態において、リーチ形成後に背景予告を実行するようにしても良い。
○ 実施形態において、背景予告はリーチ形成前迄に実行するようにし、一時予告はリーチ形成後に実行するようにしても良い。
○ 実施形態では、大当り当選時とはずれリーチ時に、リーチ形成図柄に基づいて背景予告の演出内容を決定するようにしたが、大当り当選時のみリーチ形成図柄に基づいて背景予告の演出内容を決定するようにしても良い。
○ 実施形態では、飾図による図柄組み合わせを決定した後に予告パターンを選択するようにしたが、予告パターンを決定した後に飾図による図柄組み合わせを決定するようにしても良い。
○ 実施形態において、一次予告パターンを決定した後に背景予告の実行可否を決定し、その後、二次予告パターンの内容を決定してから背景予告の内容を決定するようにしても良い。
○ 実施形態において、背景予告パターンの選択割合は適宜変更しても良い。また、図12の振分けに代えて、大当り時とはずれリーチ時において背景予告パターンの選択割合を変更しても良い。この場合、背景予告パターンJ4に関しては、はずれリーチ時よりも大当り時に選択されやすくし、背景予告パターンJ1に関しては、大当り時よりもはずれリーチ時に選択されやすくすれば良い。
○ 実施形態において、背景予告パターンを選択する際の乱数値として、奇数図柄と偶数図柄で同一個数の乱数値が振分けられるようにしても良い。また、奇数図柄と偶数図柄で同一の乱数値を用いるようにしても良い。このようにすることで、飾図用の左停止図柄指定コマンドで指定される飾図が奇数図柄であるか偶数図柄であるかによって乱数値を別々に選択する処理を削減することができる。また、[1]〜[9]の各図柄毎に背景予告パターンが選択されるように、各図柄毎に乱数値を振分けても良い。
○ 実施形態では可変表示器H2で実行される背景予告の内容によって大当り期待度を示唆するようにしたが、背景予告に代わる予告演出を装飾ランプ16で実行するようにしても良い。この場合、ランプ制御基板33が統括CPU31aの指示を受けて表示演出を実行させるように装飾ランプ16を制御することになる。
○ 実施形態において大当り遊技の種類は、通常確変大当り、100回変短付き確変大当り、及び非確変大当りの3種類に限られず、大当り遊技を構成するラウンド数、賞球の数、変短状態の有無、又は変短状態が付与される図柄変動ゲームの回数が異なる複数種類の大当り遊技を設定しても良い。
○ 実施形態において、演出表示装置20を、発光体の発光により図柄を画像表示する表示装置、例えば7セグメントLED式やドットマトリクス式の表示装置に変更しても良い。
○ 実施形態において、統括制御基板31の処理を表示制御基板32で行うように構成しても良い。また、統括制御基板31、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34を統合した制御基板を搭載し、当該制御基板で統括制御基板31の処理を行うように構成しても良い。
○ 実施形態において、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。また、複数の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)少なくとも前記図柄変動ゲームの変動時間を特定可能で合って、前記大当り判定手段の判定結果が肯定となる場合に決定される大当り演出用の変動パターンと、前記判定結果が否定となる場合に決定されるはずれ演出用の変動パターンに分類される複数種類の変動パターンの中から前記大当り判定手段の判定結果に基づき1つの変動パターンを決定する変動パターン決定手段を備え、前記予告パターン決定手段は、前記確変状態が付与されているか否かを判定し、当該判定結果が否定の場合には、前記変動パターンのみに基づいて前記予告パターンを決定することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。
(ロ)前記確変大当りは、前記確変状態に加えて遊技者にとって有利な遊技状態を付与する第1確変大当りと、前記第1確変大当りよりも遊技者にとって不利な遊技状態を付与する第2確変大当りとを含んでおり、前記大当りの図柄組み合わせを形成した際に遊技者が前記確変大当りに当選していることを示唆し得る図柄は、前記第1確変大当りに当選していることを確定的に示唆する第1図柄と、前記第1確変大当り又は前記第2確変大当りのいずれかに当選していることを示唆する第2図柄とを含み、図柄の種類に応じて前記確変状態が付与されることへの期待度が異なるように設定されていることを特徴とする前記技術的思想イ及び請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の遊技機。