JP5294194B2 - 脳血管性認知症の治療薬 - Google Patents

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Description

本発明は、亜鉛の神経毒性を低下させることで、脳血管性認知症の予防や改善を可能とする脳血管性認知症治療剤、および該治療剤を含有する飲食物、補助食品に関する。
超高齢化社会の到来に伴い、老人性認知症の患者数の増加が加速的に進んでいる。このような老人性認知症には様々な原因があるとされているが、特に、脳梗塞や脳出血が原因で引き起こされる「脳血管性認知症」は、老人性認知症の重大原因とされている。脳血管性認知症は、脳虚血、脳梗塞などの血管性障害によって脳の血流に異常が生じた結果、周囲の神経細胞に細胞死が生じ、最終的に記憶の脱落、学習障害などの痴呆症状(認知症)が生じる疾患である。
脳血管性認知証の予防や治療には、脳虚血後の神経細胞死を抑制することが有効である。現在、脳虚血発作後にエダラボンなどのフリーラジカル除去剤を脳虚血発作直後に投与することや、発作後の低体温療法が、予防や治療に有効とされている。この神経細胞死の抑制に関して記載された非特許文献1から6について、以下に詳述する。
非特許文献1、2には、脳虚血後の神経細胞死メカニズムにおいて、亜鉛が重要な役割を果たしていることが記載されている。亜鉛は、人体にとって必須元素であり体内のいたるところで検出されるが、特に脳に多く存在する。脳内では、脳虚血により侵されやすい海馬・大脳皮質に高濃度に見られ、シナプス小胞内に亜鉛イオンとして存在している。この非特許文献1、2では、神経細胞の興奮時にグルタミン酸と共にシナプス間隙に亜鉛イオンが放出されることにより、亜鉛イオンが培養神経細胞の神経細胞死を引き起こすことが明らかにされている。更に、脳虚血後の海馬神経細胞内で神経細胞死と並行して亜鉛の異常蓄積が生じていることも示されている。
非特許文献3には、亜鉛の特異的なキレーターであるCaEDTA(Ethylenediamine−N,N,N,N−tetraacetic acid, calcium)を、虚血前の実験動物に前投与することによって、虚血後の神経細胞死が抑制され、脳梗塞の悪化が抑制されることが記載されている。これらの研究結果により、亜鉛が脳虚血後の神経細胞死に関わっていることは一般に認知されてきている。
非特許文献4には、亜鉛による培養神経細胞死をピルビン酸とオキサロ酢酸が抑制することが記載されている。更に、非特許文献5には、ピルビン酸を脳内投与することで、脳虚血後の神経細胞死を抑制できることが記載されている。また、非特許文献6には、低血糖状態による脳神経細胞死を、ピルビン酸とαケトグルタル酸が抑制することが報告されている。これらの研究は、ピルビン酸などの有機酸が脳神経細胞死を抑制する効果があることを示唆している。
また、特許文献1には、本発明者らがヒトの脳内にある生理的な物質であるカルノシンにも、亜鉛による神経細胞死を抑制する効果を見出したことが記載されている。生体内でカルノシンは、筋肉中に大量に存在し、例えば、鶏肉や魚類の赤身に多く含まれているとされている。さらに、これまでに本発明者らは、クエン酸やイソクエン酸が、亜鉛による神経細胞死を抑制する効果を見出している。これらの酸は果物などに大量に存在する有機酸の一種である。
コウ ジェイ ワイ(Koh, J.Y.)、他5名、"ザ ロール オブ ジンク イン セレクティブ ニューロナル デス アフター トランジェント グローバル セレブラル イスケミア(The role of zinc in selective neuronal death after transient global cerebral ischemia.)"、「サイエンス(Science)」、1996年5月、272巻、P1013−1016 リー ジェイ エム(Lee, J.M)、他5名、"ジンク トランスロケーション アクセレイト インフラクション アフター マイルド トランジェント フォカル イスケミア(Zinc translocation accelerates infarction after mild transient focal ischemia.)"、「ニューロサイエンス(Neuroscience)、2002年1月、115巻、P871−878 カルデロン エー(Calderone, A)、他6名、"レイト カルシウム イーディーティーエー レスキューズ ヒポキャムパル シーエーワン ニューロンズ フロム グローバル イスケミアインデュースド デス(Late calcium EDTA rescues hippocampal CA1 neurons from global ischemia-induced death.)"、「ジャーナル オブ ニューロサイエンス(J. Neurosci.)」、2004年11月、24巻、P9903−9913 クリスチァン ティー(Christian, T)、他3名、"ジンクインディースド コーティカル ニューロナル デス:コントリビューション オブ エナジー フェイリヤー アトリビュータブル トゥー ロス オブ エヌエーディープラス アンド インヒビション オブ グリコライジズ)"、「ジャーナル オブ ニューロサイエンス(J. Neurosci.)」、2000年5月、20巻、P3139−3146 リー ジェイ エム(Lee, J.M)、他2名、"プロテクション バイ ピルベイト アゲインスト トランジェント フォレブレイン イスケミア イン ラッツ(Protection by Pyruvate against Transient Forebrain Ischemia in Rats.)"、ジャーナル オブ ニューロサイエンス(J. Neurosci.)」、2001年10月、21巻、RC171,P1−6 スー エス ダブリュー(Suh, S.W.)、他4名、"ピルベイト アドミニスター アフター シビア ハイポグリセミア レディース ニューロナル デス アンド コーグニティブ イムペアメント(Pyruvate Administered After Severe Hypoglycemia Reduces Neuronal Death and Cognitive Impairment)"、「ダイアベティス(Diabetes)」、2005年5月、54巻、P1452−1458 特開2007−314467号公報
亜鉛による神経細胞死を抑制する成分または飲食物を探し出すことは、脳血管性認知症の予防または改善に繋がる成分または飲食物を同定することに繋がる。これまでに、亜鉛による神経細胞死を抑制する物質として、上述したようにCaEDTA、ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸、カルノシンが発見されている。
CaEDTAは、様々な金属をキレートする作用のため生体内で毒性を発揮する。このため、認知症を予防または改善する薬剤としては実用性に乏しい。ピルビン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、イソクエン酸は生体内にもある化合物であり、安全性は高いといえるが、それらを主要成分とする脳血管性認知症治療剤および該治療剤を含有する飲食物は現存しない。カルノシンは鶏肉中または魚肉中に大量に存在するために、脳血管性認知症治療剤および該治療剤を含有する飲食物として期待されるが、そのような製品も現存していない。また、虚血時の治療薬として使用されているフリーラジカル除去剤は、虚血発作後直ぐの投与が必要であり、予防する効果はない。従って、認知症の老人数が激増する社会にあっては、予防や治療のために、長期にわたり、虚血後の神経細胞死を予防することができる安全な薬剤、飲食品や、機能食品が必要であるが、これまで開発されておらず、強く望まれている。
そこで本発明は、長期にわたり安全に使用することができる脳血管性認知症の治療剤および該治療剤を含有する飲食物、補助食品を提供することを目的とする。
本発明者らは、マウス視床下部由来のGT1−7細胞を使用し、亜鉛による神経細胞死を抑制する物質をスクリーニングした結果、いくつかの魚介類の水抽出液に神経細胞死抑制活性があることを見出した。そして、その成分を単離、同定し、活性成分がヒスチジンであることを突き止めた。本発明者らは、亜鉛による神経細胞死の抑制には、ヒスチジンおよびヒスチジンをN末端にもつ化合物が有効であるという新しい知見に基づき、本発明に至った。
すなわち、本発明の脳血管性認知症の治療は、D−ヒスチジンを有効成分とすることを特徴とする。
ここで、「脳血管性認知症の治療」とは服用することで脳血管性認知症に罹るのを予防する効果と、脳血管性認知症の症状を改善する効果のいずれか一方、あるいは両方の効果を持つ物質を意味する。なお、前記ヒスチジンは、D体である、D−ヒスチジン(ヒスチジンをN末端にもつ化合物におけるヒスチジンを含む)は、L体である、L−ヒスチジンに比べて酵素分解を受けにくく、生体内で長い時間、十分な活性を発現するのに必要な濃度を保つことができるため好適である。
また、本発明の脳血管性認知症の治療剤において、ヒスチジンおよびヒスチジンをN末端にもつ化合物は魚介類由来であることが望ましい。魚介類はヒスチジンとヒスチジンをN末端にもつ化合物を大量に含み、容易に経口摂取しやすく、予防や改善を促進させることができる。
また、脳血管性認知症の治療剤を含有する飲食物、または補助食品は、通常の食事あるいはサプリメントとして摂食できるため、継続的に脳血管性認知症の治療剤の摂取が必要な場合に特に好ましく使用できる。
ここで、補助食品とは、特定の保健の目的が期待できることを表示した食品であって、身体の生理学的機能などに影響を与える保健機能成分を含み、有効性および安全性を個別商品ごとに国によって審査される特定保健用食品、並びに病者用食品等の特別用途食品などを示す。
本発明の脳血管性認知症の治療剤、該治療剤を含有する脳血管性認知症の飲食物、および補助食品は、ヒスチジンおよび/またはヒスチジンをN末端にもつ化合物を有効成分とすることで、脳血管性認知症の予防または改善に、日常的に長期にわたり安全に使用することができる。
本発明の実施の形態に係る脳血管性認知症の治療剤(以下、単に「治療剤」ともいう)、この治療剤を含有する飲食物(以下、「治療剤含有飲食物」ともいう)、または補助食品(以下、「治療剤含有補助食品」ともいう)で使用されるヒスチジンおよびヒスチジンをN末端にもつ化合物は、天産物を出発物質として精製されたもの、天産物を利用して発酵法で得られたもの、化学的に合成されたもののいずれであってもよい。出発物質や製造プロセス等に制約されるものではない。ヒスチジンおよびヒスチジンをN末端にもつ化合物は、塩の形態であってもよい。また、ヒスチジンおよびヒスチジンをN末端にもつ化合物は、必ずしも単離される必要はなく、これらが有効量含まれていれば脳血管性認知症に対する予防や改善の効果が発揮され、例えば魚の煮汁液などを使用することができる。ただし、この例に限定されるものではなく、ヒスチジンおよび/またはヒスチジンをN末端にもつ化合物が有効量含まれていれば、これら以外の種々の魚介類が利用できるし、さらに魚介類に限定されるものでもない。
上記治療剤は、通常の経口投与または非経口投与に使用されるものならどのような剤形でも良いし、食品の形態をなして経口摂取されるものであってもよい。経口投与または非経口投与に利用される剤形としては、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、腸溶剤、トローチ、内用液剤、外用液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、注射液、輸液、経管流動食、点鼻剤、点眼剤、点耳剤、座剤、シップ剤、吸入剤または軟膏剤を、使用目的に応じて任意に選択できる。固形製剤に当たっては、目的に応じて主薬に賦形剤、結合材、崩壊剤、潤沢剤、矯味剤、安定化剤などの補助剤を用いたり、防湿・矯味の観点から糖衣やフィルムコーティングしてもよい。もとより、ヒスチジン、ヒスチジンをN末端にもつ化合物およびそれらの塩の形態は、上記剤形の処方に適するものが自由に選択される。
脳血管性認知症の治療剤、治療剤含有飲食物または治療剤含有補助食品には、ヒスチジンおよび/またはヒスチジンをN末端にもつ化合物、またはそれら塩類が含有され、その他に、タンパク質、糖類、脂肪、微量元素、ビタミン類、乳化剤、香料、あるいは酸味料等が配合されていたりしてもよい。治療剤含有飲食物や治療剤含有補助食品は、自然流動食、経管流動食、半消化栄養食および成分栄養食やドリンク剤等の加工形態とすることもできる。その外にも、固形あるいは液状の食品ないしは嗜好品、例えばパン、麺類、ご飯、菓子類(ビスケット、クッキー、ケーキ、キャンデー、チョコレート、チューインガム、和菓子など)、豆腐およびその加工品などの量産食品、清酒、薬用酒などの発酵食品、みりん、食酢、醤油、味噌、ドレッシング、ヨーグルト、ハム、ベーコン、ソーセージ、マヨネーズ、ジャム、スプレッドなどの畜農食品、かまぼこ、揚げ天、ハンペンなどの水産食品、果汁飲料、清涼飲料、スポーツ飲料、アルコール飲料、果実酒、甘味果実酒、茶などの飲料、として供することもできる。また、脳血管性認知症の治療剤、治療剤含有飲食物、または治療剤含有補助食品を包装する包装体に、この治療剤、治療剤含有飲食物、または治療剤含有補助食品が、認知症を予防・改善する旨の表示を付すことで、利用者に飲食物の機能を広く認知させることができるので、認知症の予防や改善を促進させることができる。包装体は、ビニールや紙などの袋、包み紙や、箱状やキャップの付いたパッケージとすることが可能である。
本実施の形態に係る脳血管性認知症の治療剤、治療剤含有飲食物、または治療剤含有補助食品の製法は、目的、剤形により異なるが、各分野において従来公知に用いられている常法により製造、加工可能である。
脳血管性認知症の予防または改善のために、ヒスチジンおよび/またはヒスチジンをN末端にもつ化合物の投与量は、被投与者の年齢、体重、または症状や、投与経路、剤形等により異なる。ヒスチジンについては、必須アミノ酸であり成長期には食品から十分量とることが望まれている。栄養補助食品として、ヒスチジンを含有した製品も販売されており、おおむね一回あたり0.5〜1g程度を、1日に3回程度摂取するように記載されている。このことから、目的とする効果を得るために必要な量でのヒスチジンの使用や、食品中に存在するものからもたらされるヒスチジンの毎日の摂取は、健康に危害をもたらさないことが明らかである。また、既報論文(例えば、Eur. J. Pharm. 2007年2月, 557巻, p236-244)により、動物実験からも、摂取したヒスチジンは血液を介し、脳内に到達することが明らかになっている。ヒスチジンの摂取量あるいは投与量に大きな制限はないが、脳血管性認知症の予防または改善のためには、成人に対して通常、ヒスチジン量として一日当り100mg〜10g、好ましくは一日当り300mg〜5gとするのがよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1では、様々な魚介類の水抽出液をメインに、亜鉛の神経細胞死を抑制する活性を検査した。魚介類は宮崎県近郊で取れるものを利用した。魚介類の可食部と非可食部とに分けたのち、エタノールなどの有機溶媒または水を加え、ブレンダー等で破砕したのち、遠心上清部分を集め、凍結乾燥により濃縮・固形化した。また、魚の煮汁は、脱塩後、凍結乾燥により濃縮・固形化した。固形化したそれらの試料を、100mgに対して1mLの水を加え、よく混和した後、遠心上清を得た。これを0.45μm孔のフィルターで処理したものを試料とした。
不死化視床下部神経細胞(GT1−7細胞)は常法により培養し、トリプシン酵素により分散させた後、無血清培地(DMEM/F−12)に加えて5×105個/mLの濃度にした後、96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて24時間培養した。
GT1−7細胞に、調製した魚介類水抽出液2μLを投与し、次いで、亜鉛水溶液を30μMになるように投与した。亜鉛投与24時間後に細胞生存率をWST−1法により測定した(n=6)。試薬には、Cell Counting Kit(同仁化学社製)を用いた。WST−1法は、細胞内のミトコンドリア酵素活性を測定することにより、生存細胞数を測定する簡便かつ正確な測定法である。
各実験では、コントロール(亜鉛および試験試料を加えなかった場合の生存細胞)と、亜鉛のみを添加した場合の生存細胞について、WST−1法による吸光度を測定した。これにより試験試料の抑制活性を示すWST−1法の吸光度について、実験日が違っても正確に判断することができる。
亜鉛水溶液(30μM)のみを投与した細胞(図1中のcont)に比べて、高い吸光度を示すものを神経細胞死抑制活性があると評価した。その結果、図1に示すように様々な魚介類の水抽出液に高い抑制活性があることが見出された。
試験に使用した魚介類、使用部位、目科属、採取年月日、場所、漁業の方法を表1に示す。
Figure 0005294194

Figure 0005294194

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Figure 0005294194
(実施例2)
強い抑制活性を示した試料については、顕微鏡により細胞死の様子を確認した。また、試料の調製を再度行い、数回の抑制活性試験を行い、最終的に図1で黒塗りのバーで示した試料(番号:12W,13W,79W,80W,88W,89W,98W,101W,IWA)について注目することにした。実施例2では、それらサンプル中にあるカルノシンの量を測定した。カルノシンは、特許文献1によれば亜鉛による細胞死を抑制することが明らかになっており、また、カルノシンが魚介類の筋肉中にある程度含まれていることは周知の事実である。まず、実施例1で得た抑制活性が、これら試料に含まれるカルノシンによるものか検証するために、カルノシン量をHPLC装置で測定した。
カルノシンを測定するHPLC(島津製作所、グラジエントシステム)は、ポーラスグラフィティックカーボンカラム(THERMO Fisher Scientific Inc、φ4.6×100mm)を装着した装置を利用し、0.1〜0.5%のトリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液(6〜10%)を溶離液として使用した。表2に示す100mg/mLの試料中に、何mMのカルノシンが含まれるかを測定した。
Figure 0005294194
表2の細胞生存率は、試料と30μMの亜鉛を添加したときの生存率を表している。亜鉛のみを添加した場合の細胞生存率は、10%であった。カルノシン(mM)の列のNDは測定していないことを示している。
カルノシン濃度はコウイカ、スミクイウオ、ウルメイワシで10mM以上であったが、細胞培養液に対する投与量は、5%(200μLに対して10μL)であるので、これら試料でのカルノシン最終濃度は最大で0.6mMであることが明らかになった。特許文献1によれば、亜鉛による神経細胞死を抑制するには最小でも2mM以上のカルノシンが必要であるので、これら試料に存在するカルノシン含量は、抑制活性を引き起こすには不十分であることが明らかになった。
この実験から、これら試料がもつ抑制活性はカルノシン以外の成分によるものであると結論した。
(実施例3)
実施例3で、これら試料中の活性成分を単離した。豊富に試料があり、抑制活性も高いウルメイワシの煮汁(IWA)を使用して、成分の単離をおこなった。ウルメイワシの煮汁の凍結乾燥品を100mg/mLで水に溶解し、その遠心上清を精製出発材料とした。
活性成分の精製はHPLC(島津製作所、グラジエントシステム)により行った。検出は215nmの紫外吸収を測定し、流速は原則として1mL/minで行い、ODS分取カラムを使用時には5mL/minとした。カラムは、分取用ODSカラム(資生堂カプセルパックUG−120 C18、φ25×250mm)とTosoh TSK−GEL Amido−80、φ4.6×250mmを使用した。ODSカラムを使用したHPLCでは、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液を0〜30分でアセトニトリル0%から80%まで増加するグラジエント条件で溶出した。また、TSK−GEL Amido−80では、0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル溶液を0〜30分でアセトニトリル100%から50%まで減少するグラジエント条件で溶出した。
分離した画分について、次の方法で抑制活性を調べた。不死化視床下部神経細胞(GT1−7細胞)は常法により培養し、トリプシン酵素により分散させた後、無血清培地(DMEM/F−12)に加えて5×105個/mLの濃度にした。96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて24時間培養した。HPLCで得られた画分を遠心エバポレーターで濃縮後、適当量の水に溶かし、その2μLをGT1−7細胞に投与し、次いで、亜鉛水溶液を30μMになるように投与した。亜鉛投与24時間後に細胞生存率をWST−1法により測定した(n=6)。試薬には、Cell Counting Kitを用いた。
ウルメイワシの煮汁(IWA)の遠心上清0.3mLを、分取用ODSカラムで分離し、30秒ごとに画分を得た。濃縮した各画分について亜鉛の神経細胞死を抑制する活性を調べた結果、図2の点線部分(Fr1−6)に抑制活性が認められた。これらの画分(IWA−C18_1−6)を、数回分取し、凍結乾燥により濃縮した。次にこの画分を、順相系のカラムであるAmido−80で分離した。ピークごとに画分を得て、濃縮した各画分について亜鉛の神経細胞死を抑制する活性を調べた。図3の点線部分(Fr9)に抑制活性が認められた。この画分(IWA−AM_9)を数回分取し、凍結乾燥により濃縮した。
(実施例4)
単離した活性成分、IWA−AM_9について機器分析で成分を同定した。
IWA−AM_9を少量の30%アセトニトリル、0.05%トリフルオロ酢酸溶液に溶解し、質量分析を行った。質量分析計はESIイオン化装置を取り付けたLCQアドバンス(Thermo Scientific社)を用い、ポジティブモードで分析した。
図4に結果を示す。質量電荷比100〜1000の間で分析した結果、m/z156.1に強度の大きなシグナルを得た。煮汁などに良く含まれる低分子成分の中で、分子量155.1を持つ構造として、以下の化学構造を有するヒスチジンが候補となった。
Figure 0005294194
アミノ酸の一つであるヒスチジンが活性成分の候補と考えられたので、次にアミノ酸分析法によりIWA−AM_9に含まれるアミノ酸を分析した。アミノ酸分析は、7−Fluoro−7−nitrobenzofurazan(NBD−F)を利用し、蛍光体へ誘導したアミノ酸で行った。IWA−AM_9を少量の水で溶かし、NBD−Fと弱アルカリ性下、60℃、1分間反応させた。反応液のうち20μLを、ODSカラム(資生堂カプセルパックUG−120 C18、φ4.6×150mm)を装着したグラジエントHPLCで、励起波長470nm、蛍光波長530nmで検出した。アセトニトリルと75mMリン酸を16と84の割合で混ぜた溶液を溶離液A、アセトニトリル、メタノール、50mMリン酸カリウムを21、39、40の割合で混ぜた溶液を溶離液Bとして、0−15分:B 0%、15−20分:B 0−80%、20−30分:B 80−100%、30−35分:B 100%で分離した。
図5にウルメイワシ煮汁IWA−AM_9を試料としたアミノ酸分析の結果を示す。なお、図5を含む以下において、アミノ酸類などを以下に示す括弧内の略号で記載することがある。
すなわち、ヒスチジン(His)、ヒスタミン(Hst)、グリシン(Gly)、バリン(Val)、イソロイシン(Ile)、ロイシン(Leu)、セリン(Ser)、メチオニン(Met)、フェニルアラニン(Phe)、アスパラギン酸(Asp)、アルギニン(Arg)、アラニン(Ala)、プロリン(Pro)、グルタミン酸(Glu)、グルタミン(Gln)、タウリン(Tau)、アスパラギン(Asn)、βアラニン(β−Ala)である。
図5に示すように約2.8分に大きなピークがみられ、標準品との比較によりヒスチジンであることがわかる。約10.6分にあらわれたピークは、NBD−F試薬に由来するピークであるので、この活性成分にはアミノ酸としてヒスチジンのみが含まれていることが明らかになった。
ところで、生体に含まれるアミノ酸はほとんどがL体であるが、ウルメイワシ煮汁は熱をかけて抽出するため、Lーヒスチジンだけでなく、その鏡像体であるD−ヒスチジンができる可能性がある。アミノ酸のD/L分析を、オルトフタールアルデヒド(OPA)とBOC−L−システインを利用しておこなった。IWA−AM_9を少量の水で溶かし、OPAとBOC−L−システインを含んだ溶液中に加え、室温で4分間反応させた。反応溶液のうち20μLを、ODSカラム(Nova Pak C18、φ3.9×250mm)を装着したHPLCで、励起波長344nm、蛍光波長443nmで検出した。溶離液として、アセトニトリルと0.1M酢酸バッファー(pH6.0)を11対89で混ぜたものを利用した。
図6(a)に示すように、L−ヒスチジン(L−His)とその鏡像体D−ヒスチジン(D−His)は、上記のアミノ酸D/L分析計で、それぞれ13.4分と12.5分に現れた。IWA−AM_9を試料とした場合、図6(b)に示すように、13.4分のみにピークが見られ、12.5分ではピークは見られなかった。この結果は、IWA−AM_9にはヒスチジンとして、L体のL−ヒスチジンのみが含まれていたことを示している。
(実施例5)
ヒスチジン単品を用い、亜鉛神経細胞死抑制活性の濃度依存性を検査した。L−ヒスチジン塩酸塩を水で溶解した。不死化視床下部神経細胞(GT1−7細胞)は常法により培養し、トリプシン酵素により分散させた後、無血清培地(DMEM/F−12)に加えて5×105個/mLの濃度にした後、96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて24時間培養した。GT1−7細胞に、調製したヒスチジン溶液を最終濃度で30μM〜500μMになるように投与し、次いで、亜鉛水溶液30μMを投与した。亜鉛投与24時間後に細胞生存率をWST−1法により測定した(n=6)。試薬には、Cell Counting Kitを用いた。図7から明らかなように、ヒスチジン濃度依存的に細胞死は抑制され、300μMヒスチジンの添加により、亜鉛による神経細胞死はほぼ完全に抑制された。
実施例6で後述するが、ウルメイワシ煮汁(100mg/mL)には、25mMのヒスチジンが含まれていることが明らかになっている。ウルメイワシ煮汁を1/5、1/10と段階希釈し亜鉛の神経細胞死抑制活性を調べた。これら希釈した試料を細胞培養液に加えると、ヒスチジンの最終濃度は、原液で250μM、1/5希釈液で50μM、1/10希釈液で25μMになる。これを、先のヒスチジン単品の抑制活性のグラフ(図7)に乗せると、黒丸で示す点にプロットされ、ヒスチジン単品の濃度依存性と良く一致する。この結果は、ウルメイワシ煮汁中の抑制活性成分がヒスチジンのみであることを示している。
(実施例6)
図8にウルメイワシ煮汁をアミノ酸分析した結果を示す。図8のアミノ酸分析から、アミノ酸としてヒスチジンのみが大量に含まれていることが明らかになった。1mg/mL試料に250μMのヒスチジンが含まれており、ウルメイワシ煮汁乾燥品1gあたりに38mgのヒスチジンが含まれていることが明らかになった。全重量の3.8%がヒスチジンであり、ヒスチジンの単離においてウルメイワシ煮汁乾燥品は有用であると言える。また、標準品との比較により4.5分に現れたピークはタウリンであることが明らかになったが、タウリンは亜鉛による神経細胞死抑制活性を示さない。
(実施例7)
抑制活性を示した他の魚介類抽出液について、アミノ酸分析によりヒスチジン含量を測定した。その結果を表3に示す。
Figure 0005294194
表3の細胞生存率は、試料と30μMの亜鉛を添加したときの生存率を表している。亜鉛のみを添加した場合の細胞生存率は、10%であった。表中のNDは測定していないことを示している。
含有ヒスチジン濃度はマアジで一番大きく28mM、アオリイカで一番小さく2mMであった。細胞培養液に対する投与量は、5%(200μLに対して10μL)である。これら試料を加えたときの最終濃度を示した。マアジで1400μM、アオリイカで100μMになった。図7で示したように、ヒスチジンは最終濃度で100μMもあれば、亜鉛による神経細胞死を抑制する活性を示すので、測定していないスミクイウオを除いて、活性を示したこれらの試料は含有するヒスチジンによって抑制活性を示したと結論した。
(実施例8)
アミノ酸およびタウリンについて亜鉛の神経細胞死抑制活性を調べた。アミノ酸はグリシン、ヒスチジンを除きすべてL体を用いた。各々の単品を水に溶解し、最終濃度が1mMになるように細胞に加えた。不死化視床下部神経細胞(GT1−7細胞)は常法により培養し、トリプシン酵素により分散させた後、無血清培地(DMEM/F−12)に加えて5×105個/mLの濃度にした後、96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて24時間培養した。GT1−7細胞に、調製した各液を最終濃度で1mMになるように投与し、次いで、亜鉛水溶液30μMを投与した。亜鉛投与24時間後に細胞生存率をWST−1法により測定した(n=6)。試薬には、Cell Counting Kitを用いた。
図9で示すように、L−ヒスチジンとD−ヒスチジンが抑制活性を示した。その他のアミノ酸(システインを除く)には、抑制活性は見られなかった。また、タウリンにも活性は見られなかった。抑制活性はアミノ酸の中でヒスチジンに特異的な現象であることが明らかになった。また、図10に示すように、L体とD体とでヒスチジンの抑制活性の濃度依存性はほぼ同じであった。
(実施例9)
ヒスチジンによる、亜鉛神経細胞死抑制活性をラット初代培養神経細胞で検査した。
胎齢18日のラット胎児より大脳皮質を切り出し、パパイン酵素により分散させた後、Dulbecco’s MEM(DMEM)培地を加えて、2×105個/mLの濃度にした。次いで、96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを、炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて培養した。培養1週間後、培地を無血清培地(DMEM)に置換し、一週間程度培養したものを使用した。用意したラット海馬初代培養神経細胞に、100mMに調製したL−ヒスチジンを1%加え、最終濃度で1mMになるように投与し、次いで、亜鉛水溶液150μMを投与した。亜鉛投与24時間後に細胞生存率をWST−1法により測定した(n=6)。試薬には、Cell Counting Kitを用いた。
株化細胞GT1−7と同様に、図11に示すように、ラット脳から取り出した初代培養細胞においてもヒスチジンは、亜鉛による神経細胞死を抑制することが確認できた。また、最終濃度1mMのヒスチジンは、ほぼ完全に亜鉛による神経細胞死を抑制した。
(実施例10)
ヒスチジンの類似体、構成化合物およびヒスチジン含有化合物について、亜鉛の神経細胞死抑制活性が現れる濃度を調べた。
L−ヒスチジン、D−ヒスチジンの他、その類似体としてL−ヒスチジンアミド、1−メチル−L−ヒスチジン、アセチル−L−ヒスチジンを検査した。また、ヒスチジン側鎖の構造であるイミダゾール、ヒスチジンの分解物としてよく知られるヒスタミンについても検査した。さらに、ヒスチジンを含む化合物として、L−ヒスチジル−L−アラニン、L−アラニル−L−ヒスチジン、βアラニル−L−ヒスチジン(カルノシン)についても検査した。それぞれの単品を水で溶解し、最終濃度が10mMから0.05mMになるように培養細胞に加え、抑制活性を調べた。不死化視床下部神経細胞(GT1−7細胞)は常法により培養し、トリプシン酵素により分散させた後、無血清培地(DMEM/F−12)に加えて5×105個/mLの濃度にした後、96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて24時間培養した。GT1−7細胞に、調製した溶液を投与したのち、亜鉛水溶液30μMを投与した。亜鉛投与24時間後に細胞生存率をWST−1法により測定した(n=6)。試薬には、Cell Counting Kitを用いた。
実施例10で調べた化合物について、表4に亜鉛の神経細胞死を50%抑制するのに必要な濃度をまとめた。
Figure 0005294194
結果をまとめると、実施例10で調べた化合物は、次の3つのグループに分類できる。
第1グループとして、ヒスチジンと同じ抑制活性強度を有する以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005294194
L−ヒスチジン
Figure 0005294194
D−ヒスチジン
Figure 0005294194
L−ヒスチジンアミド
Figure 0005294194
L−ヒスチジル−L−アラニン
第2グループとして、カルノシンと同じ抑制活性強度を有する以下の化合物が挙げられる。
Figure 0005294194
1−メチル−L−ヒスチジン
Figure 0005294194
L−アラニル−L−ヒスチジン
Figure 0005294194
βアラニル−L−ヒスチジン(カルノシン)
第3グループとして、以下の抑制効果のない化合物が挙げられる。
Figure 0005294194
イミダゾール
Figure 0005294194
ヒスタミン
Figure 0005294194
アセチル−L−ヒスチジン
上記の3つのグループを比較すると、亜鉛による神経細胞死を抑制する活性には、N末端のアミノ基およびイミダゾール基1位のアミノ基が重要であり、どちらかがメチル化などでふさがれてしまうと、その抑制活性の強度は大きく減少することが明らかになった。これらの結果から、ヒスチジン、その鏡像体、および/またはヒスチジンをN末端にもつ化合物が、亜鉛の神経細胞死を強く抑制することが明らかになった。
(実施例11)
D−アミノ酸を分解する酵素活性は限定されており、L−アミノ酸に比べて酵素分解を受けにくいと考えられる。D−ヒスチジンがL−ヒスチジンに比べて、細胞培養液中に長い時間高濃度な状態で存在するかHPLCで検査した。
L−ヒスチジンおよびD−ヒスチジンを最終濃度1mMになるよう培養細胞に加え、12時間後のヒスチジンがどれだけ残っているか(残存割合)を評価した結果を表5に示す。
Figure 0005294194
不死化視床下部神経細胞(GT1−7細胞)は常法により培養し、トリプシン酵素により分散させた後、無血清培地(DMEM/F−12)に加えて5×105個/mLの濃度にした後、96穴培養プレート(Nunc社製)に200μLずつ分注したものを炭酸ガスインキュベーター(37℃、7%CO2)にて24時間培養したものを用いた。培養液中のヒスチジン量は、アミノ酸分析HPLCにより定量した。
D−ヒスチジンはL−ヒスチジンに比べて、培養初期(0−12時間)での減少量が少ないことが明らかになった。
脳虚血後に脳内で過剰に放出される亜鉛による神経細胞死の抑制に起因する脳血管性認知症の予防または改善に、本発明の脳血管性認知症の治療剤、治療剤含有飲食物、および治療剤含有補助食品は利用可能である。これまで脳血管性認知症に対して抑制活性をもつことが知られているピルビン酸やクエン酸、カルノシンに比べ、本発明でのヒスチジンはより低濃度で抑制活性を発揮する。また、ヒスチジンは生体物質であり安全に広く利用されている。従って、本発明は、長期に及ぶ摂取や投薬が必要とされることの多い脳血管性認知症の予防と改善を、より安全にかつ長期にわたって可能とするのみならず、広く在宅治療の道をも開くものである。
様々な魚介類抽出液による亜鉛の神経細胞死を抑制する活性を示すグラフである。 逆相カラムによりウルメイワシ煮汁から活性成分単離の途中経過を示す図である。 順相カラムによりウルメイワシ煮汁から活性成分の単離を示す図である。 ウルメイワシ煮汁からの活性成分の同定を示す質量分析図である。 ウルメイワシ煮汁からの活性成分の同定を示すアミノ酸分析図である。 アミノ酸D/L分析を示す図であり、(a)は標準品、(b)はウルメイワシ煮汁の結果である。 ヒスチジン及びウルメイワシ煮汁の亜鉛神経細胞死抑制活性の濃度依存性を示すグラフである。 ウルメイワシ煮汁のアミノ酸分析図である。 様々なアミノ酸の亜鉛神経細胞死抑制活性を示すグラフである。 L−ヒスチジンとその鏡像体の亜鉛神経細胞死抑制活性の濃度依存性を示すグラフである。 ヒスチジンのラット初代培養神経細胞での亜鉛神経細胞死抑制活性を示すグラフである。

Claims (2)

  1. D体のヒスチジンを有効成分とすることを特徴とする脳血管性認知症治療薬。
  2. 前記D体のヒスチジンが魚介類由来であることを特徴とする請求項1に記載の脳血管性認知症治療薬。
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