JP5293335B2 - ハイブリッド式船外機 - Google Patents
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Description
また、舟艇船体とは全く別体で構成され、船体の意匠と船外機のデザイン上、配色及び形状ともマッチさせるのが極めて難しい。
船内機ではプロペラシャフト、プロペラ及び舵等が船底に突出しており、流体抵抗が大きく、航走性能及び燃費性能が悪い。船内機ではプロペラシャフト、プロペラ及び舵等が船底に突出しており、浅瀬海域で航走できない。また、海上浮遊物に衝突すると、そのままでは衝撃吸収機構がないため損傷の程度が大きい。なお、最新のPODと呼ばれる推進機を備えた船内機も同様である。
また、船内外機はエンジンドライブ軸と推進機ドライブ軸を機械的に連結していることから、両者の相対位置が変化する。このため両者を連結するドライブ軸や排気通路はそれぞれ蛇腹状のゴムチューブで覆われ、水密構造としている。このチューブは変形し易さと、耐熱性と、耐候性という相反する要求を同時に求められているため、しばしば水密不良を起こし、定期的な部品交換が必要となる。
船外機の特徴である縦軸(上下方向)エンジンの直下にモータを置いた場合(パラレル式ハイブリッド)、モータがエンジンとオイルパンに鋏まれるため、エンジンのオイル落とし性能が悪化する。また、エンジンの排気通路、エンジンの冷却水通路、エンジンの潤滑油通路をモータが邪魔するためエンジン冷却、潤滑及び排気処理が難しい。更にモータがエンジン、エンジン排気、オイルパンの熱に囲まれているため、モータの冷却が困難となり、モータの性能を上げることができない。バネ下部重量が増えるためステアリング駆動力、衝撃吸収装置、エンジン懸架装置、エンジン振動緩衝装置が大型化し、全体としてサイズ、重量及びコストこれら全ての増大化する。
純電動船外機は電池容量が小さく、一般には航続距離が短い。これを解決するために別の場所(例えば船内)にエンジン発電機を設置した場合には電池(又は相当するエネルギー蓄積装置)へ電流が出入りする際のエネルギー損失が大きく、発電機、電池及びモータの総合効率=発電機効率×電池充電効率×電池放電効率×モータ効率、とかなり低い効率となってしまう。
また、ケーシングの底面部を、少なくとも船体の船底よりも適度に高く設定し、船尾付近の船底から盛り上がってくる水流をケーシングの底面部で受けることで、船尾側が浮上する効果が得られ、滑走への移行を円滑化することができる。
更に、パワーユニットの主要構成部材をバランスよく配置することで、スペース効率よく且つ極めてコンパクトに配置することができる。
図1及び図2は、本発明に係るハイブリッド式船外機10を搭載した船舶もしくは舟艇の例を示している。この例では船舶は典型的には中小型とし、船体1の後部にトランサムボード2(船尾板)有するものとする。船外機10は図示のようにトランサムボード2を利用して搭載される。なお、以下で参照する各図の要所において、前方(船首側)を矢印Frにより、後方(船尾側)を矢印Rrによりそれぞれ示す。また、必要に応じて船体の左右方向(船体幅方向)をそれぞれ矢印L、矢印Rにより示す。
ハイブリッド式船外機10はケーシング11を有し、図4のようにケーシング11内部に後述するパワーユニットを収容すると共に、ケーシング11の外部にスクリュー(プロペラ)を配置し、パワーユニットによってスクリューを回転駆動する。ケーシング11は船外機10の外観を構成する外装部材としても機能し、全体として一体感のある外観を呈している。
次に、ケーシング11内に収容されるパワーユニットについて説明する。ここで、図8はパワーユニットの後面正面図、図9は前面正面図、図10は左側面図、図11は上面図、図12は底面図、図13は前面正面図、図14は後面正面図、図15は上面図、図16は底面図である。これらの図をも参照しつつ、各部の構成につき更に詳細に説明する。
内燃機関としては水冷式多気筒(この例では4気筒)直列4サイクルガソリンエンジンを使用する。なお、エンジンの排気量、気筒数あるいは形式等は必要に応じて適宜変更可能であり、この例に限定されるものではない。また、カソリンエンジンの場合に限らず、ディーゼルエンジンの場合であってもよい。図17をも参照して、エンジン28の相互に一体的に結合するシリンダブロック32及びクランクケース33内において、各気筒のシリンダボア34内にピストン35が往復動自在に収容され、各ピストン35ともそれぞれコンロッド36を介してクランクシャフト37と連結する。クランクシャフト37は船幅方向(左右方向)に沿って配置され、その軸端に付設されたフライホイール38には、左方へ延出するエンジン出力軸39がクランクシャフト37と同心に取り付けられる。
ケーシング11内で左右に並置されるエンジン28側とモータジェネレータ29側は、図13あるいは図17等のように、ユニバーサルジョイント57を介して相互に連結される。この場合、モータジェネレータ29には減速機58(初段)が一体的に結合しており、両者はユニットとして一体化している。具体的には減速機58を介して、ユニバーサルジョイント57とモータジェネレータ29とが連結される。ユニバーサルジョイント57の一端側(右側)は、図17に示されるようにエンジン出力軸39と連結し、他端側(左側)は減速機58の入力軸59と連結する。基本的にはクランクシャフト37、エンジン出力軸39、ユニバーサルジョイント57及び減速機58の入力軸59は実質的に同一軸線上に沿って、即ち船幅方向に配置される。
次に、減速機58は図19等に示されるようにそのケーシング64内に、入力軸59と接続可能なドライブギア65と、このドライブギア65と噛合するドリブンギア66とがそれぞれ回転自在に軸支されている。これらのドライブギア65及びドリブンギア66は平歯車等であってよく、両者間の変速比は、エンジン28の作動上最も効率がよい回転数とモータジェネレータ29の作動上最も効率がよい回転数とが両立するように設定される。
モータジェネレータ29は、前述したように電動モータ機能と発電機能とを兼備している。モータジェネレータ29の周辺機器としてのバッテリ30は、図8あるいは図10等に示されるようにベース板14に固定支持されて後方へ延出する支持ブラケット68によって水平に支持される。バッテリ30は支持ブラケット68を介して、モータジェネレータ29の前斜め上方位置に支持されるが、ケーシング11内で前面部11a側に配置される。バッテリ30もかなりの重量物であり、このように前面部11a寄りに配置することで、船外機10の重心を船体1側に近づけることができる。
図20等に示されるようにドライブシャフトケース83の下方には、プロペラを有する推進機86が配置される。推進機86は、プロペラ駆動用のギアを内蔵するギアケース87を含み、全体としてフィン状を呈する。ギアケース87の後端部にはプロペラ88が装架される。ドライブシャフト82はドライブシャフトケース83内を通って更に下方へ延出し、ギアケース87内まで延設される。ここで、ギアケース87は、ドライブシャフトケース83の周囲に設けた軸受部89及びこの軸受部89に結合するドライブシャフトハウジング90を介して、スイベルブラケット84のロアステアリングブラケット85によって回動可能に支持される。
次に、推進機86に対するチルト機構及びステアリング機構について説明する。
先ず、推進機86はチルトシャフト73を介してそのチルト軸のまわりに上下方向に回動可能である。チルト機構において所謂、パワートリムチルト(PTT)等と称する駆動装置を備える。図23に概略図示したようにこのパワートリムチルト99は、両側一対のトリム駆動用の油圧シリンダ100とそれらの間のチルト駆動用の油圧シリンダ101を一体化したかたちで備えている。これらの油圧シリンダ100,101は電動油圧式であり、モータ駆動による油圧ポンプを油圧源として作動する。油圧シリンダ100のトリムロッド100a及び油圧シリンダ101のチルトロッド101aはそれぞれ伸縮するように構成され、トリム駆動用のトリムロッド100aの作動ストロークよりもチルト駆動用のチルトロッド101aの作動ストロークが長く設定されている。パワートリムチルト99の油圧シリンダ100及び101は、制御装置によって作動タイミング等が制御されるようになっている。
次に、推進機86はステアリング機構によってヨー方向(左右方向)に回動可能である(ヨーイング)。このステアリング機構において、図8及び図13あるいは図14等に示すようにスイベルブラケット84の左右両側に突出して、該スイベルブラケット84に前側に張り出す一対のステアリング固定ブラケット103を有する。スイベルブラケット84の前側において、これらのステアリング固定ブラケット103によって両端が支持されるステアリングロッド104が横架される。ステアリングロッド104には電動油圧式に油圧駆動されるステアリングシリンダ105が嵌着しており、モータ駆動による油圧ポンプを油圧源として、ステアリングロッド104に沿って往復動するようになっている。
前述したように吸気側において、船体1側まで延出させた吸気管42の先端の空気取込み口42aから空気を取り込み、排気側において、エンジン28からの排気が排気管46へと排出される。吸気管42を船体1側まで延出させるために、ベース板14及びトランサムボード2に貫通孔20(図5参照)を形成し、これに吸気管42を貫通させる。これにより空気取込み口42aから船内の直接しぶきや雨水がかからない部屋から空気を取り込むことができ、従ってケーシング11内の温度が上がっても低温高密度の空気を燃焼用に使用でき、エンジン出力が下がることはない。
パワーユニットを構成するエンジン28あるいはモータジェネレータ29等は、その作動時に発熱するが、これらの部材を冷却するために熱交換器を有し、熱交換器から冷却液を各部に供給すると共に、使用後は熱交換器に還流するようになっている。
本実施形態では図12等に示すようにモータジェネレータ29の前部側にて、ブラケット114を介して熱交換器113が配置支持される。なお、図30は、熱交換器113による冷却系を模式的に示している。
更に、バッテリ30の状態と走行状態によって、モータジェネレータ29で発電した交流はインバータ31で直流に変換され、バッテリ30に供給される。エンジン28の動力はモータジェネレータ29による発電と、プロペラ駆動の両方に使用される。
また、バッテリ30の状態と走行状態によって、バッテリ30に蓄えられた電力は直流からインバータで交流に変換され、モータジェネレータ29が駆動される。低速時にはエンジン28は停止し、エンジン28〜モータジェネレータ29間の第1クラッチ67は切離され、モータジェネレータ29のみで推進機を駆動する。
また、バッテリ30の状態と走行状態によって、モータジェネレータ29は第1クラッチ67によってエンジン28と切離され、減速時に推進機86のプロペラ98で発生するトルクはモータジェネレータ29により交流電流を発生し、インバータ31で直流に変換され、バッテリ30が充電される。
1)先ず、船外機10のパワーユニットを構成する主要部材であるエンジン28、モータジェネレータ29、バッテリ30及びインバータ31がケーシング11内に収容されると共に、該ケーシング11に推進機86が搭載され、これら全体が船外機10として船体外部に一体的に設置される。
これによりチルト角変化に対して、モータジェネレータ出力軸75とプロペラ軸(プロペラシャフト95)とを例えばユニバーサルジョイント等を用いて曲げる必要がない。このため余分な動力伝達機構等を用いないで済むため機械効率が高く、構造も簡素化して製品価格を廉価にすることができる。また、構造が簡素化することで、故障の発生等を極力抑制することができる。
また、水上係留時、推進機86まわりを水面上に引き上げることができ(図26参照)、耐腐食性や耐汚損性(藻や貝等に起因するもの)に優れる。従って、耐久性を向上することで、製品寿命を長期化することができる。
また、水中に浸漬されるギアケース87やプロペラ88等を含む推進機86内に、モータ等を配置しないので、推進機86の水中浸漬部が小さくなる。これにより流体力学的抵抗(以下、ドラッグと言う)が小さくなり、航走性能及び燃費等が向上する。
また、チルトすることで船底からの突出部長さ(深さ)を変えることができるので、浅瀬での航行が可能になる。
また、推進(縦)方向を変えることができるので(トリム機能)、航行時に船体重心、船底形状あるいは船速等で変化する船尾周りの水の流れ分布に最適な推進(縦方向)角度に調整できる。
これによりステアリング角変化に対して、モータジェネレータ出力軸75とプロペラ軸とを例えばユニバーサルジョイント等を用いて曲げる必要がない。このため機械効率が高く、構造も簡素化して製品価格を廉価にすることができる。また、構造が簡素化することで、故障の発生等を極力抑制することができる。
これによりステアリング角を大きくできる。
また、チルト角変化に対して、モータジェネレータ出力軸75とプロペラ軸とを例えばユニバーサルジョイント等を用いて曲げる必要がない。このため機械効率が高く、構造も簡素化して製品価格を廉価にすることができる。また、構造が簡素化することで、故障の発生等を極力抑制することができる。
また、ステアリングしてもドライブ軸及びプロペラ軸間、あるいはドライブ軸及びモータジェネレータ出力軸間のそれぞれ相対位置関係が変化しない。これによりシンプルな構成で動力を伝達でき、機械効率が良い。
これによりモータジェネレータ29における機械効率の良い比較的高い回転数から、モータジェネレータ軸〜ドライブ軸間減速機(中間減速機)と、ドライブ軸〜プロペラ軸間減速機(最終減速機)の2段で減速する。これにより総合減速比を大きく設定でき、プロペラ88の推進効率の高い比較的低い回転数に減速することができる。また、最終減速機を小さくすることができるので、水中浸漬部のドラッグが増大しない。
これにより推進機86を静止したまま、エンジン28によってモータジェネレータ29を駆動し、発電機として作動させることで発電することができる。この場合、推進機86は静止しているので、発電効率が良い。
これにより上下方向及び前後方向に張り出さないため、船外機の全体パッケージをコンパクトにすることができる。
また、推進機86の重心が舟艇から後方に大きく離れないため、簡単に滑走状態に移行することができる。
これにより船外機の全体パッケージをコンパクトにすることができる。
また、この場合も推進機86の重心が舟艇から後方に大きく離れないため、簡単に滑走状態に移行することができる。
また、エンジン28及びモータジェネレータ29は駆動部(推進機86)から離されている。駆動部と内燃機関が一体となった従来型船外機と比較すると、駆動部の重量及び慣性モーメントが小さくなるため、チルト動作に必要な(油圧)装置を小さくすることができる。
更に、駆動部をチルト作動やステアリング作動させても、エンジン28の姿勢は変化しないので、エンジン28の冷却や潤滑を簡単且つ的確に行うことができる。このため例えば自動車用内燃機関を利用することができる。
(イ)第1クラッチ“結”且つ第2クラッチ“結”状態;
エンジン28とモータジェネレータ29でプロペラ88を駆動(加速又は重負荷状態)、又はエンジン28によってプロペラ88を駆動しながら、モータジェネレータ29で発電状態(電池低充電状態)にする。
(ロ)第1クラッチ“結”且つ第2クラッチ“離”状態;
舟艇は静止、モータジェネレータ29で充電(電池低充電状態)、又はモータジェネレータ29によってエンジン28を始動することができる。
(ハ)第1クラッチ“離”且つ第2クラッチ“結”状態;
モータジェネレータ29による推進、又は減速時エネルギー回生(エンジン停止)を行うことができる。
(ニ)第1クラッチ“離”且つ第2クラッチ“離”状態;
否運転状態である。
これによりエンジン28及びモータジェネレータ29等の耐食性及び耐汚性を向上することができる。
これによりエンジン28及びモータジェネレータ29を含む船外機全体が、一体的に組み立てられている。なお、この点に関する限り、従来船外機と同様に所謂All-in-One、又はプレアッシーであるため、船体1への取付けを簡単に行うことができ、構成部材各部の相対的位置を調整する必要がない。
(イ)水密のケーシング11に駆動部のチルト軸受を設けている。
(ロ)水密のケーシング11に駆動部のチルト用油圧駆動装置の固定端(パワートリムチルト99の基端99a)を設けている。
(ハ)水密のケーシング11に駆動部のステアリング用駆動装置の固定端(ステアリング固定ブラケット103)を設けている。
(ニ)水密のケーシング11に交流発電機(モータジェネレータ29)電流を直流に変換するインバータ31、電池(バッテリ30)からの直流を交流電流に変換するインバータ31を設けている。
これらいずれによっても、エンジン28及びモータジェネレータ29を含む船外機全体が、一体的に組み立てられ、船体1への取付けを簡単に行うことができ、構成部材各部の相対的位置を調整する必要がない。
これにより水密のケーシング11自体がトランサムボード2の下端(船底3)から盛り上がるように流れる水を受けるため、船体1の船尾を持ち上げる効果が働き、滑走へ移行し易くなる。
これにより船尾部まわり特に後方が実質的に開放され、例えば桟橋等から船尾部に乗り降りし易く、網や釣り魚等を船尾から取込み易い等の優れた利点を有する。因みに、従来では嵩高の船外機によって船尾部まわりが塞がれてしまう。船尾後方を開放することで、船外機の使用性及び使い勝手が格段に向上する。
船体1と推進装置(水密のケーシング11)の意匠を整合できる。なお、一般に船外機デザインとボートデザインとを両立させるのは容易ではない。
パワーユニット各部(エンジン/モータジェネレータ/インバータ等)のメンテナンスを極めて容易且つ適切に行うことができる。メンテナンス作業の内容にもよるが、従来では一般に船外機を船体からおろして、外装(カバー)を取り外して後メンテナンス作業を行わざるを得なかった。
エンジン28、モータジェネレータ29及びインバータ31等の内部に直接、冷却用海水を導入しないため、これらの装置もしくは機器の特に内部の耐食性を大幅に上げることができる。因みに、内燃機関については船内機、船内外機と実質的に同様であるが、船外機にあっては基本的に海水を直接取り込むため、耐食性に難がある。
従来の船外機ではドライブ軸上に設置された機械式ポンプによって海水を汲み上げている。このためドライブ軸を逆転させると、そのままではポンプの出入りが逆転してしまうため、モータ(ドライブ軸)逆転で舟艇を後進させるタイプの推進機には利用できない。また、機械式ポンプの場合、ドライブ軸(つまり内燃機関)回転数だけに比例して汲上げ量が決定される。これに対して電動式のポンプとすることで、負荷(内燃機関をガソリンエンジンとするとスロットル開度)と回転数とに応じて発生する熱量に見合う冷却水量のみ汲み上げるので、無駄がなく効率が極めて高い。
船内外機等における機械式ポンプはドライブ軸(内燃機関)回転数だけに比例した量の冷却液を循環させ、サーモスタット等を用いて必要量のみバイパスさせるようになっている。これに対して電動式とすることで、負荷(内燃機関をガソリンエンジンとするとスロットル開度)と回転数とに応じて発生する熱量に見合う冷却液量のみ循環させるので、無駄がなく効率が極めて高い。
船体1や推進機86周辺にケーブル類が露出せず安全性、整頓性及び意匠性等等の点で極めて優れている。
量産規模の大きい4輪用エンジンをベースにすることで、廉価な推進装置を提供することができる。
上記の場合と同様に量産規模の大きい4輪用エンジンをベースにすることで、廉価な推進装置を提供することができる。
従来の船外機の場合と異なり、排気通路を本体外に独立して設けることができ、触媒を容易に設置することができる。排気ガスを適正且つ効率的に浄化することができる。
通常の船内機、船内外機あるいは船外機の場合と同様、排気音に関して静粛性を確保することができる。
水密のケーシング11内の雰囲気温度が排気通路からの放射で上昇する程度を抑えることができる。
凹部18を駆動部を収容可能な位置に設定し、これをセンタ振分けとして両側の箱部内のうちその一方をエンジン28、他方をモータジェネレータ29、バッテリ30及びインバータ31等を収めたので、全体としてバランスのとれた極めてコンパクトな形状もしくは形態にすることができる。
ケーシング11の凹部18で横方向スラストを支えるので、全体として剛性が高く、大きな横スラストを簡便な形状で支持することができる。この場合、凹部18の壁面を有効に利用し、特別な構造部材を必要としない。即ち、滑り性の良いガイド19を凹部18の側壁18bに添着し、スイベルブラケットとの間で滑らかに摺動させるという極めて簡単な構成で済む。
チルト軸周りの慣性モーメントを小さくできるので、チルト駆動に必要な力量を実質的に小さくすることができる。必要とされる衝撃吸収力を小さくできる。チルト可動部との干渉を避けるための、逃がし部を小さくできるので、全体をコンパクトにできる。
ハイブリッドシステムが水密のケーシング11内に一つの完成されたユニットとしてパッケージングされているので、ボート等への取付けを極めて簡単且つ的確に行うことができる。これにより船外機の優れた特徴であるAll-in-One性を同様に確保することができる。
エンジン28を普及型(一般に量産されているもの)コントロールユニットで運転することができ、実質的にコスト低減を図ることができる。
ケーシング11を開閉可能にすることで、ケーシング11内部のメンテナンス作業を容易且つ的確を実施することができる。また、カバー13を閉めた際にはシール手段としてのシール17によってケーシング11の高い水密構造を確保し、ケーシング11内部のパワーユニットに対する高い耐久性を維持することができる。
推進機86を収容可能な位置に凹部18を設け、この凹部18の両側にパワーユニットの主要構成部材をバランスよく配置することで、極めてコンパクトに構成することができる。
船尾付近の船底3から盛り上がってくる水流をケーシング11の底面部11eで受けることで、船尾側が浮上する効果が得られ、滑走への移行を円滑化することができる。
パワーユニットの主要構成部材をバランスよく配置することで、スペース効率よく且つ極めてコンパクトに配置することができる。
上記実施形態においてパワーユニットを収容するケーシングの筐体は、典型的な例として直方体としたが、厳密な意味での直方体に限定されるものではない。即ち、図2等に示されるようにケーシング11の後部まわり(後面部11dの左右角部)を湾曲形状とし、あるいは底面部11eの左右両側を適度なテーパ状に形成してもよい。また、搭載される舟艇との関係で最も一体感を有するような形態を採用可能である。
また、上述した実施形態において具体的数値を用いて説明したが、本発明の範囲内で必要に応じて適宜変更可能であり、それらの数値にのみ限定されるものではない。
Claims (4)
- ケーシング内部に内燃機関とモータジェネレータとインバータ及びバッテリとを含むパワーユニットを収容すると共に該ケーシング外部にスクリューを配置し、前記パワーユニットによって前記スクリューを駆動するハイブリッド式船外機であって、
前記ケーシングは、船幅方向を長手方向とする直方体状の水密の筐体として構成され、
前記筐体は少なくとも、船尾部に結合する前面部と、船尾部の頂部と略同一の高さとした実質的に平坦な上面部と、少なくとも船体の船底よりも高く設定された底面とを有し、
前記パワーユニットは、構成部材である前記内燃機関とモータジェネレータとインバータ及びバッテリとを前記ケーシングの筐体内において船幅方向に沿ってバランス保持しながら、振分け配設することを特徴とするハイブリッド式船外機。 - 前記筐体は、上面部がケーシング本体に対して開閉可能なカバーとして構成され、前記ケーシング本体及び前記カバーが閉合した際、その閉合部に沿って両者の水密を保持するシール手段が敷設される一方、前面部に貫通孔を設けて船体側の部屋と連通する吸気管を設けたことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド式船外機。
- 前記ケーシングの船幅方向中央部且つ前記上面部よりも下方にて、前記ケーシングの後面側から前方へ向けて形成された凹部を有し、この凹部内に前記スクリューを含む推進機とこの推進機を左右に回動可能に支持するとともにチルトシャフトで上下に回動可能に支持されるスイベルブラケットとが配設され、この凹部の側壁にスイベルブラケットの横方向スラストを支える案内部もしくはガイドが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のハイブリッド式船外機。
- 船尾に船尾板又はこれに相当する部位もしくは部材を有する舟艇であって、
前記船尾板又はこれに相当する部位もしくは部材にて、請求項1〜3のいずれか1項に記載の船外機を搭載することを特徴とする舟艇。
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